審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2022-008330

流体の無菌移送用コネクタ

審判番号
2022-008330
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-521526外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年06月01日
審決日
2023年06月28日
公報発行日
2023年12月28日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A61M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-521526「流体の無菌移送用コネクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 4月25日国際公開、WO2019/079169、令和 2年12月17日国内公表、特表2020-536697〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 9項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2018年(平成30年)10月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年10月16日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。

令和 3年 7月 6日付け:拒絶理由通知書
令和 3年10月13日 :意見書及び手続補正書の提出
令和 4年 1月21日付け:拒絶査定
令和 4年 6月 1日 :審判請求書及び同時に手続補正書の提出
令和 4年 9月12日 :上申書の提出
令和 4年11月 1日付け:拒絶理由通知書
令和 5年 2月 8日 :意見書及び手続補正書の提出

第2 本願発明

本願の特許請求の範囲の請求項1~6に係る発明は、令和 5年 2月 8日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「【請求項1】
薬剤を注射するための薬剤送達システムであって、
空洞を画定するハウジングと、
前記空洞内に受け入れられ、薬剤を受け入れるように構成された容器であって、クロージャを備えた前記容器と、
前記空洞内に受け入れられ、前記容器の前記クロージャを貫通するように構成された貫通部材を備えた弁組立品と、
前記容器と前記弁組立品との間に設けられたコネクタ構成であって、前記容器の前記クロージャと前記弁組立品との間の無菌性を維持する第1の使用前位置と、前記容器と前記弁組立品との間の流体連通を可能にする第2の使用位置との間で移動可能な前記コネクタ構成と
を備え、
前記コネクタ構成は、前記容器と前記弁組立品との間に配置された少なくとも1つの膜を含み、
前記少なくとも1つの膜は動かされ、前記コネクタ構成を前記第1の使用前位置から前記第2の使用位置に動かす、薬剤送達システム。」

第3 拒絶の理由

当審が令和 4年11月 1日付けで通知した拒絶理由は、本願発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。

記

引用文献:国際公開第2016/141082号

第4 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

上記引用文献には、次の記載がある(下線は当審で付した。以下同様。また、付記した訳文は、上記引用文献のパテントファミリーである特表2018-507064号公報の記載に基づき当審が作成した。)。

ア「In one such embodiment, a biasing member may be included to bias the fluid pathway connection assembly to connect, i.e., to open the fluid pathway between the drug container and the fluid conduit which enables drug flow to the needle insertion mechanism and into the target.」(第6ページ第24-28行)

(1つのそのような実施形態では、流体経路接続アセンブリを接続するように付勢するように、すなわち薬物容器と流体導管との間の流体経路を開き、これにより薬物が針挿入機構及び標的内へと流れることを可能とするように付勢部材を含み得る。)

イ「As shown in FIGS. 1A-1C, the drug pump 10 includes a pump housing 12. Pump housing 12 may include one or more housing subcomponents which are fixedly engageable to facilitate easier manufacturing, assembly, and operation of the drug pump. For example, drug pump 10 includes a pump housing 12 which includes an upper housing 12A and a lower housing 12B. The drug pump may further include an activation mechanism 14, a status indicator (not shown), and a window 18. Window 18 may be any translucent or transmissive surface through which the operation of the drug pump may be viewed. As shown in FIG. IB, drug pump 10 further includes assembly platform 20, drive mechanism 100 having drug container 50, insertion mechanism 200, fluid pathway connection assembly 300, and power and control system 400.」(第16ページ第30行-第17ページ第10行)

(図1A~1Cに示すように、薬物ポンプ10は、ポンプハウジング12を含む。ポンプハウジング12は、薬物ポンプの製造、組立て、及び操作を容易にするために、固定するように係合可能な1つまたは複数のハウジングサブコンポーネントを含むことができる。例えば、薬物ポンプ10はポンプハウジング12を含み、ポンプハウジング12は上側ハウジング12Aと下側ハウジング12Bとを含む。薬物ポンプは、さらに、作動機構14、状態標識(図示せず)、及び窓18を含むことができる。ウィンドウ18は、薬物ポンプの動作を覗き見ることができる任意の半透明または透過性の表層部であってよい。図1Bに示すように、薬物ポンプ10は、アセンブリプラットフォーム20、薬物容器50を有する駆動機構100、挿入機構200、流体経路接続アセンブリ300、及び動力及び制御システム400をさらに含む。)

ウ「Drive Mechanism:

A number of drive mechanisms may be utilized to force fluid from a drug container 50 for delivery into the target. In one such embodiment, the drive mechanism 100 includes a drive housing, a status switch interconnect, and a drug container 50 having a crimp cap 324, a pierceable seal 326, a barrel 58, and a plunger seal 60 within the barrel. The drug container may contain a drug fluid, within the barrel between the pierceable seal and the plunger seal, for delivery through the insertion mechanism and drug pump into the target.」(第22ページ第15-22行)

(駆動機構

複数の駆動機構を利用して、流体を薬物容器50から標的内に送達するように強いることができる。そのような1つの実施形態では、駆動機構100は、駆動ハウジング、状態スイッチ相互接続部、及びクリンプキャップ324、穿孔可能シール326、バレル58、及びバレル内のプランジャシール60を有する薬物容器50を含む。薬物容器は、穿孔可能シールとプランジャシールとの間のバレル内に、挿入機構及び薬物ポンプを介して標的内に送達する薬物流体を含み得る。)

エ「Fluid pathway connection assembly:

Embodiments of the present fluid pathway connection assemblies allow connections to be made between two or more components or subassemblies in a septic environment while maintaining the aseptic condition of the fluid flow path.」(第24ページ第6-9行)

(流体経路接続アセンブリ

本流体経路接続アセンブリの実施形態は、流体流路の無菌の状態を維持しながら、腐敗的環境での2つ以上の構成要素またはサブアセンブリ間の接続を可能にする。)

オ「As seen in FIGS. 2A-2B, the fluid pathway connection assembly 300 may be connected to the drug container 50. FIG. 2A shows these components prior to connection and FIG. 2B shows the components after connection. As will be described herein, fluid pathway connection assembly 300 may be mounted to drug container 50 without compromising the aseptic condition of the fluid flow path. Fluid pathway connection assembly 300 includes introducer member 320, piercing member 316, introducer member retainer 330, piercing member retainer 314, connection hub 312, plate 334, biasing member 336, sterile boot 340, and first film 318. FIGS. 3A-3B show exploded views of the fluid pathway connection assembly 300.

According to one aspect of the invention (see FIGS. 4 A and 4B), the connection hub 312 includes a cavity 312A. Sterile boot 340 may further define the cavity 312A as aseptic. In one embodiment, sterile boot 340 is fixedly connected at a first end to connection hub 312 and at a second end to introducer member retainer 330. Sterile boot 340 may be constructed from a flexible material, such as an elastomer, thereby allowing the sterile boot to deform to maintain engagement with both connection hub 312 and introducer member retainer 330 during operation. A first film 318 is disposed covering an aperture 312B of connection hub 312 to prevent microbes and other contaminants from entering cavity 312A through aperture 312B.」(第24ページ第21行-第25ページ第7行)

(図2A~10は、そのような流体経路接続アセンブリの一実施形態を示す。図2A~2Bでわかるように、流体経路接続アセンブリ300は、薬物容器50に接続し得る。図2Aは接続前のこれらの構成要素を示し、図2Bは接続後の構成要素を示す。本明細書で説明するように、流体経路接続アセンブリ300は、流体流路の無菌の状態を損なうことなく薬物容器50に据付けることができる。流体経路接続アセンブリ300は、導入器部材320、穿孔部材316、導入器部材リテーナ330、穿孔部材リテーナ314、接続ハブ312、プレート334、付勢部材336、滅菌ブーツ340、及び第1のフィルム318を含む。図3A~3Bは、流体経路接続アセンブリ300の分解図を示す。

本発明の一態様(図4A及び図4B参照)によれば、接続ハブ312は空洞312Aを含む。滅菌ブーツ340は、空洞312Aを無菌でさらに画定し得る。一実施形態では、滅菌ブーツ340は、第1の端部で接続ハブ312に固定するように接続され、第2の端部で導入器部材リテーナ330に接続される。滅菌ブーツ340は、エラストマーなどの可撓性材料から構成され、それによって動作中に滅菌ブーツは接続ハブ312と導入器部材リテーナ330の両方との係合を維持するように変形できる。第1のフィルム318は、接続ハブ312の開口部312Bを覆うように配置され、微生物及び他の汚染物質が開口部312Bを通って空洞312Aに入るのを防ぐ。)

カ「The piercing member 316 may be, for example, a hollow needle.」(第25ページ第23-24行)

(穿孔部材316は、例えば中空針であってもよい。)

キ「The fluid pathway connection assembly 300 may further be provided with an insertion driver disposed to advance one or both of the piercing member 316 and the introducer member 320 toward the drug container 50.」(第26ページ第8-10行)

(流体経路接続アセンブリ300は、穿孔部材316及び導入器部材320の一方または両方を薬物容器50に向けて前進させるように配置した挿入ドライバを、さらに備えていてもよい。)

ク「The first and second films may be constructed of any material capable of providing the barrier properties required to maintain the aseptic condition of the associated surfaces. In a preferred embodiment, the films are constructed from a foil material. Alternatively, the films may be any type of sterilizable membrane, film, or foil. Additionally, the film may be removable and/or pierceable as well as breathable and/or permeable.」(第27ページ第5-10行)

(第1のフィルム及び第2のフィルムは、関連する表面の無菌の状態を維持するのに必要なバリア特性を付与することを可能にする任意の材料で構成できる。好ましい実施形態において、フィルムは、箔材料から構築される。あるいは、フィルムは、任意のタイプの滅菌可能な膜、フィルム、または箔であってもよい。さらに、フィルムは、除去可能及び/または穿孔可能であり、さらに通気性及び/または透過性でもよい。)

ケ「This translation causes the introducer member 320 to pierce first film 318 and second film 322, as shown in FIGS. 5A-5B.」(第28ページ第22行)

(この並進により、導入器部材320が、図5A~5Bに示すように、第1のフィルム318及び第2のフィルム322を穿孔させる。)

コ「Turning now to FIGS. 6A-6B, there is illustrated a delivery configuration of the fluid pathway connection assembly 300. Continued decompression of biasing member 336 may cause the piercing member retainer 314 to be further displaced, leading to the piercing of pierceable seal 326 by piercing member 316. Hence, with further translation of introducer member retainer 330 prevented by contact with connection hub 312, continued decompression of biasing member 336 causes piercing member retainer 314 to translate in a proximal direction relative to introducer member retainer 330. After piercing of the pierceable seal, a fluid path is established from the drug container and through the piercing member 316.」(第29ページ第9-17行)

(ここで図6A~6Bに話を移すと、流体経路接続アセンブリ300の送達構成が示されている。付勢部材336の継続的な展開により、穿孔部材リテーナ314がさらに変位して、穿孔部材316により穿孔可能シール326が穿孔するように導くことができる。したがって、導入器部材リテーナ330のさらなる並進が、接続ハブ312との接触により防止された状態で、付勢部材336を継続的に展開することで、穿孔部材リテーナ314を、導入器部材リテーナ330に対して近位方向に並進させる。穿孔可能シールが穿孔した後、薬物容器から穿孔部材316を通る流体経路が確立される。)

サ「

[図:0001404154000001.jpg]

」

シ「

[図:0001404154000002.jpg]

」

ス「FIG. 1B shows an isometric view of the interior components of the drug delivery pump shown in FIG. 1A;」(第8ページ第24-25行)

(図1Bは、図1Aに示す薬物送達ポンプの内部の構成要素の等角図を示す。)

セ 上記サ~スから、ポンプハウジング12は空洞を画定する点、並びに薬物容器50及び流体経路接続アセンブリ300は当該空洞内に受け入れられる点が看取される。

ソ「

[図:0001404154000003.jpg]

[図:0001404154000004.jpg]

」

2 引用発明

上記1の事項ア~ソを総合すると、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「空洞を画定するポンプハウジング12と、当該空洞内に受け入れられ、穿孔可能シール326を有し薬物流体を含む薬物容器50と、当該空洞内に受け入れられる流体経路接続アセンブリ300と、挿入機構200とを含み、 流体経路接続アセンブリ300は、
流体流路の無菌の状態を維持しながら、腐敗的環境での2つ以上の構成要素またはサブアセンブリ間の接続を可能にするものであり、
導入器部材320と、導入器部材リテーナ330と、中空針である穿孔部材316と、穿孔部材リテーナ314と、接続ハブ312と、接続ハブ312に固定するように接続された滅菌ブーツ340と、接続ハブ312の開口部312Bを覆うように配置され、微生物及び他の汚染物質が開口部312Bを通って接続ハブ312の空洞312Aに入るのを防ぐ、膜である第1のフィルム318とを含み、
薬物容器50に接続し、流体流路の無菌の状態を損なうことなく薬物容器50に据付けることができ、
穿孔部材316及び導入器部材320を薬物容器50に向けて前進させるように配置した挿入ドライバをさらに備え、
導入器部材320が膜である第1のフィルム318を穿孔させ、穿孔部材316により穿孔可能シール326が穿孔するように導き、
穿孔可能シール326が穿孔した後、薬物容器50から穿孔部材316を通る流体経路が確立され、薬物が挿入機構200及び標的内へと流れる
薬物ポンプ10。」

第5 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

引用発明の「薬物ポンプ10」は、その機能及び構造からみて、本願発明の「薬剤送達システム」に相当し、以下同様に、

「ポンプハウジング12」は「ハウジング」に、

「薬物流体」は「薬剤」に、

「薬物流体を含む薬物容器50」は「薬剤を受け入れるように構成された容器」に、

「穿孔可能シール326」は「クロージャ」に、

「穿孔可能シール326を有」する「薬物容器50」は「クロージャを備えた前記容器」に、

「穿孔可能シール326」を「穿孔する」「中空針である穿孔部材316」は「前記クロージャを貫通するように構成された貫通部材」に、

「導入器部材320」、「導入器部材リテーナ330」、「穿孔部材316」、「穿孔部材リテーナ314」及び「滅菌ブーツ340」からなる部品は「貫通部材を備えた弁組立品」に、それぞれ相当する。

そして、引用発明の「薬物が挿入機構200及び標的内へと流れる」「薬物ポンプ10」は、本願発明の「薬剤を注射するための薬剤送達システム」に相当する。

上記第4の1ソの図4Bの記載から、接続ハブ312は、薬物容器50と、弁組立体を構成する導入器部材リテーナ330との間に設けられ、これらを接続するとともに、薬物容器50と、導入器部材320、導入器部材リテーナ330、穿孔部材316、穿孔部材リテーナ314及び滅菌ブーツ340からなる弁組立体との間に配置された少なくとも1つの第1のフィルム318を含むものといえるから、引用発明の「膜である第1のフィルム318」が「配置され」た「接続ハブ312」は、本願発明の「前記容器と前記弁組立品との間に配置された少なくとも1つの膜を含」む、「前記容器と前記弁組立品との間に設けられたコネクタ構成」に相当する。

そして、上記第4の1ソの図4Bを参照すると、引用発明の「空洞312A」は、「薬剤容器50」が「有」する「穿孔可能シール326」と、「導入器部材320」、「導入器部材リテーナ330」、「穿孔部材316」、「穿孔部材リテーナ314」及び「滅菌ブーツ340」からなる部品との間に位置する、すなわち、容器のクロージャと弁組立品との間に位置するといえることを踏まえれば、引用発明の「膜である第1のフィルム318」が「配置され」た「接続ハブ312」が、「微生物及び他の汚染物質が開口部312Bを通って接続ハブ312の空洞312Aに入るのを防ぐ」状態は、本願発明の「コネクタ構成」が、「前記容器の前記クロージャと前記弁組立品との間の無菌性を維持する」状態に相当する。

また、引用発明において「膜である第1のフィルム318」が「導入器部材320」により穿孔されて、「薬物容器50から穿孔部材316を通る流体経路が確立され」る状態は、本願発明において「コネクタ構成」が「前記容器と前記弁組立品との間の流体連通を可能にする」状態に相当する。

そうすると、両者は、

「薬剤を注射するための薬剤送達システムであって、
空洞を画定するハウジングと、
前記空洞内に受け入れられ、薬剤を受け入れるように構成された容器であって、クロージャを備えた前記容器と、
前記空洞内に受け入れられ、前記容器の前記クロージャを貫通するように構成された貫通部材を備えた弁組立品と、
前記容器と前記弁組立品との間に設けられたコネクタ構成であって、前記容器の前記クロージャと前記弁組立品との間の無菌性を維持する状態と、前記容器と前記弁組立品との間の流体連通を可能にする状態とを有する前記コネクタ構成と
を備え、
前記コネクタ構成は、前記容器と前記弁組立品との間に配置された少なくとも1つの膜を含む、
薬剤送達システム。」

である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点]

本願発明は、コネクタ構成が、前記容器の前記クロージャと前記弁組立品との間の無菌性を維持する「第1の使用前位置」と、前記容器と前記弁組立品との間の流体連通を可能にする「第2の使用位置との間で移動可能」であり、「前記少なくとも1つの膜は動かされ、前記コネクタ構成を前記第1の使用前位置から前記第2の使用位置に動かす」のに対し、引用発明は、「膜である第1のフィルム318」が「導入器部材320」により穿孔されることで、膜である第1のフィルム318が、「微生物及び他の汚染物質が開口部312Bを通って接続ハブ312の空洞312Aに入るのを防ぐ」状態から、「導入器部材320」により穿孔されて「薬物容器50から穿孔部材316を通る流体経路が確立され」る状態へ状態変化する点。

第6 判断

上記相違点について検討する。

引用発明は、「接続ハブ312の開口部312Bを覆うように配置され」た「膜である第1のフィルム」が導入器部材320によって穿孔されることで、薬物容器50から穿孔部材316を通る流体経路が確立されるものであるところ、上記第4の1クの「フィルムは、除去可能及び/または穿孔可能であり」との記載を参酌すれば、引用発明の膜である第1のフィルム318を、穿孔される構造のものに代えて、除去される構造のものとすること、すなわち、微生物及び他の汚染物質が開口部312Bを通って接続ハブ312の空洞312Aに入るのを防ぐ位置と、薬物容器50から穿孔部材316を通る流体経路が確立される位置との間で第1のフィルム318を除去する構造のものに変更し、上記相違点に係る本願発明の事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。

そして、上記相違点を勘案しても、本願発明の奏する効果は、引用発明及び引用文献の記載事項の奏する効果から当業者が予測し得る範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

よって、本願発明は、引用発明及び引用文献の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第7 むすび

以上のとおりであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-008330

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決224件(ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー)
  • 2024-015240拒絶査定不服審判 / 2026-07-09 / 原査定取消(特許/登録すべき)流体透過性構造および関連デバイスを有する血管アクセス機器
    同じ当事者: ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
  • 2024-012671拒絶査定不服審判 / 2026-06-23 / 原査定取消(特許/登録すべき)流路チャネルおよび吸着剤
    同じ当事者: ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
  • 2024-001055拒絶査定不服審判 / 2026-06-09 / 原査定取消(特許/登録すべき)コンビナトリアルバーコーディングのための方法および組成物
    同じ当事者: ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
  • 2024-011925拒絶査定不服審判 / 2026-06-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)流体コネクタとのユーザ相互作用をガイドするための触覚特徴部
    同じ当事者: ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
  • 2024-013100拒絶査定不服審判 / 2026-06-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)注射器アセンブリの検出システム
    同じ当事者: ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,372件(121・A61M)
  • 2024-011711拒絶査定不服審判 / 2026-09-01 / 原査定取消(特許/登録すべき)伸縮自在のプランジャーアセンブリ
    共通の審決分類: 121・A61M
  • 2024-019058拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)鼻マスクシステム
    共通の審決分類: 121・A61M
  • 2025-003125拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)ハイブリッド外層を備えた複合材料医療用バルーン、および関連する生産方法
    共通の審決分類: 121・A61M
  • 2024-002734拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)累加柔軟性カテーテル支持フレーム
    共通の審決分類: 121・A61M
  • 2024-019025拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)カテーテルおよびその製造方法
    共通の審決分類: 121・A61M

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存