2022-007782
指輪
- 審判番号
- 2022-007782
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2021-007740外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1738598
- 請求日
- 2022年05月24日
- 審決日
- 2022年09月13日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ジュエリー デザイナー ショーケース,インク.
- 【請求人代理人】清原 義博
- 分類
- D18 .113-WY (B3-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続の主な経緯
本願は、2020年10月14日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う、令和3年(2021年)4月13日の意匠登録出願であって、同年8月4日付けの拒絶理由の通知に対し、令和4年1月19日に意見書が提出されたが、同年2月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年5月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面(図面代用の写真)によれば、意匠に係る物品を「指輪」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面代用の写真に現されたとおりとするものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって、拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい、本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は、下記のとおりである(別紙第2参照)。
引用意匠
この意匠登録出願前、2020年9月18日に、インターネット動画共有サービス「YouTube」にアップロードされた以下の動画において公開され、公然知られた指輪の意匠
著者の氏名 The House of JDS
表題 JDS-Yours Mine Ours
掲載箇所 動画内 18秒箇所で中央後ろ側に表示
媒体のタイプ online
公知日 2020年9月18日
検索日 2021年7月20日検索
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス https://www.youtube.com/watch?v=cl6DI8ZBUwk
第4 当審の判断
1.本願意匠
本願意匠は、上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面代用写真の内容によると、以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「指輪」である。
(2)本願意匠の形状
〔形状A1〕円環状のアーム部上端に、センターストーン(中石)を設けたものである。
〔形状A2〕センターストーンは、平面視で略正円形、側面視で上面が扁平(へんぺい)な台形状である。
〔形状A3〕センターストーンの下側を支えるベゼル(石座)は、正面、左右側面及び背面から見て狭角が鋭角の二等辺のΛ字状(ラムダじじょう)の部位が4つ連なって、おおむね椀状(わんじょう)を形成している。
〔形状A4〕ベゼルの外周側には、細かい石を複数個並べて設けている。
〔形状A5〕ベゼルの細かい石は、略正方形で、内接する略正円形の模様が表れている。
〔形状A6〕ベゼルの、4つのΛ字状部位の上側内側に、上端にかけて窄まったプロング(爪)によって、センターストーンは固定されている。
〔形状A7〕アーム部は、縦幅(放射線方向)も横幅(奥行き・前後幅(正面側から背面側の長さ))も上側が太く、下に行くほど徐々に細くなっている。
〔形状A8〕アーム部における放射線方向(中心の1点から四方八方の方向)の断面形状は、概略四角形であって、詳細には、外周側より内周側の方が僅かに太い(前後幅が僅かに長い)略台形である。
〔形状A9〕アーム部上半分には、正面及び背面側、並びに左右両側面(外周面)に、細かい石を複数個並べて装飾している(サイドストーン)。
〔形状A10〕アーム部の細かい石は、略正方形で、内接する略正円形の模様が表れている。
〔形状A11〕アーム部の内周面には、2つは重なり合って、1つは独立して、3つのハート模様が刻まれている。
2.引用意匠
(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「指輪」である。
(2)引用意匠の形状
〔形状B1〕円環状のアーム部上端に、センターストーンを設けたものである。
〔形状B2〕センターストーンは、平面視で略正円形、側面視で上面が扁平な台形状と推認できる。
〔形状B3〕センターストーンの下側を支えるベゼルは、正面、左右側面及び背面から見て狭角が鋭角の二等辺三角形の部位が4つ連なって、おおむね椀状を形成している。
〔形状B4〕ベゼルの外周側には、細かい石を複数個並べて設けているか否か不明である。
〔形状B6〕具体的な形状は不明確であるが、一般常識として、ベゼルの4つの二等辺三角形の部位の上側内側に、上端にかけて窄まったプロングによって、センターストーンが固定されていると推認できる。
〔形状B7〕アーム部は、縦幅も横幅も上側が太く、下に行くほど徐々に細くなっているように推認できる。
〔形状B8〕アーム部における放射線方向の断面形状は、概略四角形であるが、詳細な形状は不明である。
〔形状B9〕アーム部上半分には、正面及び背面側、並びに左右両側面(外周面)に、細かい石を複数個並べて装飾している(サイドストーン)。
〔形状B10〕アーム部の細かい石は、具体的な模様が不明である。
〔形状B11〕アーム部の内周面には、2つは重なり合って、1つは独立して、3つのハート模様が刻まれている。
3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
意匠に係る物品は、本願意匠も引用意匠も共に「指輪」である。
(2)両意匠の形状の対比
両意匠の形状を対比すると、以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
〔共通点1〕円環状のアーム部上端に、センターストーンを設けたものである。(形状A1とB1)
〔共通点2〕センターストーンは、平面視で略正円形、側面視で上面が扁平な台形状である。(形状A2とB2)
〔共通点3〕センターストーンの下側を支えるベゼルは、正面、左右側面及び背面から見て狭角が鋭角の二等辺形状の部位が4つ連なって、おおむね椀状を形成している。(形状A3とB3)
〔共通点4〕ベゼルの4つの狭角が鋭角の二等辺形状の部位の上側内側に、上端にかけて窄まったプロングによって、センターストーンが固定されている。(形状A6とB6)
〔共通点5〕アーム部は、縦幅も横幅も上側が太く、下に行くほど徐々に細くなっている。(形状A7とB7)
〔共通点6〕アーム部における放射線方向の断面形状は、概略四角形である。(形状A8とB8)
〔共通点7〕アーム部上半分には、正面及び背面側、並びに左右両側面(外周面)に、細かい石を複数個並べて装飾している。(形状A9とB9)
〔共通点8〕アーム部の内周面には、2つは重なり合って、1つは独立して、3つのハート模様が刻まれている。(形状A11とB11)
イ.相違点について
〔相違点1〕ベゼルの4つ連なっている狭角が鋭角の二等辺形状の部位につき、本願意匠は、Λ字状であるのに対して、引用意匠は、三角形である。(形状A3とB3)
〔相違点2〕ベゼルの外周側の細かい石につき、本願意匠は、略正方形で、内接する略正円形の模様が表れている石を設けているのに対して、引用意匠は、石を設けているか否か不明である。(形状A4及び5とB4)
〔相違点3〕アーム部における放射線方向の詳細な断面形状につき、本願意匠は、外周側より内周側の方が僅かに太い略台形であるのに対して、引用意匠は、不明である。(形状A8とB8)
〔相違点4〕アーム部の細かい石につき、本願意匠は、略正方形で、内接する略正円形の模様が表れているのに対して、引用意匠は、具体的な模様が不明である。(形状A10とB10)
4.判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の、意匠に係る物品は、いずれも「指輪」であるから、一致している。
(2)両意匠における形状の評価
ア.共通点について
共通点1及び2は、この種物品分野においては、ごく一般的なものであり、両意匠の類否判断に与える影響は、小さい。
共通点3については、相違点1を内包するものであるから、両意匠の類否判断に与える影響は、小さい。
共通点4は、センターストーンを固定させるために、当然に必要な態様であり、この種物品分野においては、ごく一般的なものであることから、両意匠の類否判断に与える影響は、小さい。
共通点5は、大まかに捉えた形状であり、大まかに捉えた程度においては、この物品分野においてありふれた形状であるから、この共通点が両意匠の類否判断に与える影響は、小さい。
共通点6は、一定程度の共通感を生じさせているが、概略的な共通点であるから、両意匠の類否判断に与える影響は、小さい。
共通点7は、一見共通感を生じさせているが、それはごく限定的なものであって、相違点4を内包するものであるから、両意匠の類否判断に与える影響は、小さい。
共通点8については、アーム部の内周面に、会社名やブランド名、イニシャルや日付などを刻印することは、この種物品においては広く普及した手法であり、例え両意匠の模様が同一であっても、全体観察における両意匠の類否判断に与える影響は、小さい。
イ.相違点について
相違点1によって、本願意匠は、ベゼルの下端とアームの間に三角形の空隙が生じており、ベゼル自体が軽やかで、全体として躍動感を得ることができるのに対して、引用意匠のベゼルは、空隙の無い椀状であるから、ボリュームを感じる重厚な印象が生じるものであって、両意匠に別異の印象を与えるから、両意匠の類否判断に与える影響は、大きいといえる。
相違点2は、この種物品において一番重要なセンターストーン近傍の相違であるから、両意匠の類否判断に与える影響は、大きいといえる。
相違点3は、気付かない程の僅かな相違であるから、両意匠の類否判断に与える影響は、小さい。
相違点4は、引用意匠は、細かい石の具体的な模様が不明であるのに対して、本願意匠は、略正方形で、内接する略正円形の模様が表れる細かい石(サイドストーン)を並べた態様であって、なおかつ、この部分の細かい石は、ベゼルの外周側の細かい石と形状及び模様を合わせており、指輪全体の装飾を統一させるというデザイン・コンセプトにのっとっており、この点は、本願意匠のデザイン上の重要な特徴の一つと認められ、両意匠の類否判断に与える影響は、とても大きいといえる。
(3)両意匠における形状の類否判断
以上のとおり、共通点は、両意匠の類否判断に与える影響が、小さいものであり、この共通点によっては、両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して、相違点1、2及び4によって、需要者に別異の印象を起こさせるものであるから、両意匠の類否判断を決するものといえる。
そうすると、本願意匠の形状と引用意匠の形状は、類似するとは認められない。
(4)両意匠における類否判断
よって、両意匠は、意匠に係る物品は一致するが、上記のとおり本願意匠と引用意匠の形状は類似するものではないから、本願意匠と引用意匠は類似するとはいえない。
5.結び
したがって、本願意匠は、引用意匠に類似せず、原査定の引用意匠をもって、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審が更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-007782