商標拒絶査定不服審判
2022-007305
エコパック、エコ
- 審判番号
- 2022-007305
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-141731
- 請求日
- 2022年05月16日
- 審決日
- 2022年12月07日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日本ペットフード株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 大島特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W31)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-141731拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「エコパック」の文字を標準文字で表してなり、第31類「飼料,ペットフード」を指定商品として、令和2年11月17日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年5月10日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月7日に意見書が提出されたが、同4年2月28日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年5月16日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「エコパック」の文字を普通に用いられる方法(標準文字)で表示してなるところ、その構成中の「エコ」の文字は「環境に配慮すること。」の意味を、「パック」の文字は「包装すること。包装したもの。」の意味をそれぞれ有する語として親しまれていることから、全体として「環境に配慮して包装したもの」ほどの意味合いを生ずるものである。そして、環境に配慮した包装は各種商品に取り入れられており、本願の指定商品を取り扱う業界においても、そのような商品の包装が取り入れられており、それらについて「エコパック」と称している実情が認められる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「環境に配慮して包装した商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するものとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「エコパック」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「エコ」の文字は、「「エコロジー」の略」の意味を有し、「エコカー」、「エコバッグ」等、「名詞の上に付いて、環境保護に配慮している意を表わす」語であって(「精選版 日本国語大辞典」小学館)、我が国において広く一般に使用されている慣れ親しまれた語である。また、「パック」の文字は、「包装すること。包装したもの。」の意味を有する語(「デジタル大辞泉」小学館)として一般に親しまれていることからすると、本願商標全体としては、「環境保護に配慮した包装又は包装したもの」ほどの意味合いを容易に理解、認識させるものとみるのが相当である。
そして、原審における証拠及び別掲のとおり、商品に環境保護に配慮した包装を施すことは、本願の指定商品を取り扱う業界を含む、各種業界において広く採用されている実情が見受けられ、また、環境保護に配慮した包装を採用していること、又は、環境保護に配慮した包装を施した商品を「エコパック」と称して、当該商品の品質、特徴を表すものとして使用されている実情が見受けられる。
そうすると、「エコパック」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用したとしても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「環境保護に配慮した包装を採用していること」又は「環境保護に配慮した包装を施した商品」であることを認識、把握するにとどまることから、本願商標は、単に、商品の品質、特徴を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、特徴を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「エコパック」という語が、商品の包装用容器や包装紙、及び包装の方法ではなく、包装用容器や包装紙等によって包装された内容物を直接的に表すものであるということは非常に不自然であるから、本願商標は、商品の品質を直接的に表示するものではない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品の取引に際しては、商品の性質上、商品は包装された状態で取引されることが一般的といえることから、取引者、需要者は、当該包装をも含めて一つの商品として認識し得るものであって、上記1のとおり、本願商標の「エコパック」の文字は、当該商品が「環境保護に配慮した包装を採用していること」又は「環境保護に配慮した包装を施した商品」であることを認識、把握させるものであり、商品の品質、特徴を表示するにすぎないものである。
(2)請求人は、「エコパック」の語が、飼料、ペットフードの商品の品質を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実はなく、さらに、当該指定商品の取引者、需要者が、当該語を商品の品質等を表示したものと認識すべき事情もない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日 東京高等裁判所)、たとえ、「エコパック」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして使用されている例が多くないとしても、本願商標は、「エコ」及び「パック」の語の語義から、「環境保護に配慮した包装又は包装したもの」ほどの意味合いを容易に理解、認識させるものであるから、取引者、需要者に商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標であると判断するのが相当である。
さらに、原審における証拠及び別掲のとおり、環境保護に配慮した包装を採用していること、又は、環境保護に配慮した包装を施した商品を「エコパック」と称して、当該商品の品質、特徴を表すものとして、各種業界において広く採用されている実情が見受けられることからすれば、上記1のとおり、当該文字が「環境保護に配慮した包装を採用していること」又は「環境保護に配慮して包装した商品」という、商品の品質、特徴を具体的に表すものとして、本願の指定商品に係る取引者、需要者は認識、把握するものと判断するのが相当である。
(3)請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の査定時又は審決時における取引の実情、当該商標の構成態様等に基づいて、個別具体的に検討、判断されるべきであり、過去の登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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