商標拒絶査定不服審判
2025-007000
エコゴセン、エコゴゼロゼロゼロ、エコ、イイシイオオ
- 審判番号
- 2025-007000
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-026641
- 請求日
- 2025年05月07日
- 審決日
- 2026年05月25日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社エイケン
- 【請求人代理人】林 栄二
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 石塚 文子
- 分類
- T18 .16 -Z (W0119)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024- 26641拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年3月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年5月22日付け:拒絶理由通知書
令和7年1月29日付け:拒絶査定
令和7年5月7日 :審判請求書の提出
令和8年2月10日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「ECO5000」の文字を標準文字で表してなり、第1類及び第19類に属する別掲1のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「ECO」の欧文字と4桁の数字である「5000」とを「ECO5000」と普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中、数字は、一般に商品の規格、品番等を表示するための記号、符号、又は、内容量や重さ等を表すものとして商取引上普通に使用されているものであって、自他商品の識別標識として機能するものとはいえない。また、同構成中の「ECO」の文字は、「(エコロジーの略)環境に配慮すること。「生態」「環境」「環境保護」を意味する接頭語。」を意味する語として親しまれているものであって、その表音「エコ」をもって、例えば、「エコ商品」「エコマーク」「エコカー」等のように、他の語に冠して、「環境に配慮した」又は「環境に優しい」程の意味合いで、各種商品等に使用されている。加えて、本願商標の指定商品を取り扱う分野においても、「エコセメント」「エココンクリート」のような環境に配慮した商品があることに鑑みると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が環境に配慮したものであることを理解するにとどまる。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、上記1の審尋により、請求人に対し、別掲2及び別掲3のとおりの証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、これに対して、請求人は、何ら回答していない。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「ECO5000」の文字を標準文字で表してなるところ、「ECO」の欧文字と「5000」の数字とを結合させたものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標の構成中の「ECO」の欧文字は「(エコロジーの略)環境に配慮すること。」の意味を有する語であり(広辞苑第7版(岩波書店))、本願の指定商品に関連する分野においても、別掲2のウェブサイトの記載から確認できるように、「環境に配慮した商品」であることを表す語として広く使用されている。
また、数字は、商品の品番、型番、種別、形式又は規格等を表した記号又は符号として一般的に使用されており、数字それ自体は極めて簡単で、かつ、ありふれたものといえるところ、本願商標の構成中の「5000」の数字についても、極めて簡単で、かつ、ありふれたものといえる。
さらに、別掲3のウェブサイトの記載のように、「ECO」の語と数字を結合した文字は、ハイフンを含むものを含め、本願の指定商品に関連する分野で使用されており、取引者及び需要者にとって、自他商品の識別標識として印象に残る特異な組合せからなるものとはいえないものである。
そうすると、「ECO5000」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「環境に配慮した商品」であることを表す語と、極めて簡単でかつありふれた数字が表されていることを認識するにすぎず、他人の同種商品と識別するための標識であるとは認識し得ないものというべきである。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標から意味合いが特定されるものではないことから、一体の造語として理解し、把握される旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、「ECO5000」の文字からなる本願商標は、「ECO」の欧文字と「5000」の数字とを結合させたものと容易に認識されるものであって、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「環境に配慮した商品」であることを表す語と、極めて簡単でかつありふれた数字が表されていることを認識するにすぎず、他人の同種商品と識別するための標識であるとは認識し得ないものというべきである。
イ 請求人は、既成語と数字が結合した商標や、「ECO」と数字の結合を有する商標に関する審決例や登録例を挙げ、本願商標についても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである旨主張する。
しかしながら、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるところ、請求人の挙げる過去の登録例は、構成文字や構成態様、指定商品等が本願商標のそれとは異なるものである点において、本件とは事案を異にするものというべきである。
ウ 請求人は、本願商標に係る商品は、各メディアにおいても紹介される等、業界内における注目度も高く、出願商標に係る指定商品の分野における需要者及び取引者においても広く認識されている状況となっている旨主張する。
そこで、請求人の主張及び提出された証拠をみるに、請求人は「ECO5000」の文字を、「レンガの生産に使用する固化剤」(以下「使用商品」という。)に使用しており、使用商品がウェブサイト等で紹介されたことが認められる。
しかしながら、使用商品に係る生産数量、販売数量、使用地域、売上高、国内シェア等は不明であるばかりか、第三者により当該商品が紹介されたウェブサイト等は国際協力機構(JICA)のプレスリリース及び朝日新聞の3件の記事のみである。また、本願の指定商品中、「固化剤」以外の商品については、本願商標が使用されていることすら確認することができない。
したがって、本願商標は、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになっているとはいえない。
エ 請求人は、商標法第3条の規定は、特定人による独占使用を認めることが公益上適当でないとの趣旨によるものである以上、取引の実情において、請求人以外の使用例がなく、また取引者及び需要者の認識として、請求人の商標であると認識された上で取引がなされているような商標を、商標法第3条に該当するものとして登録を認めないとする合理的な理由は全くない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第6号は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、当該商標が取引上現実に使用されている事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきところ(知財高裁平成25年(行ケ)第10142号、同年11月14日判決参照)、「ECO5000」の文字が、請求人以外に使用されていないとしても、上記(1)のとおり、「ECO」の文字(語)が「環境に配慮した商品」であることを表す語として広く使用されており、また、「ECO」の語と数字を結合した文字が、ハイフンを含むものを含め、本願の指定商品に関連する分野で使用されていることからすると、「ECO」の文字と「5000」の数字を結合させた本願商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないというべきである。
そして、上記(1)のとおり、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであり、また、上記ウのとおり、本願商標の使用実績を踏まえても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになっていないというべきである。
オ したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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