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特許拒絶査定不服審判

2022-005147

送信装置、送信方法、送信システム及び印刷方法

審判番号
2022-005147
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-176825外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年04月06日
審決日
2022年10月31日
公報発行日
2022年12月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-176825「送信装置、送信方法、送信システム及び印刷方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 2月 4日出願公開、特開2021- 12737、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 26項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成28年12月21日に出願した特願2016-248346号の一部を令和2年10月21日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和3年 7月26日付け:拒絶理由通知書
令和3年 9月 7日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 1月31日付け:拒絶査定
令和4年 4月 6日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和4年1月31日拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-5、7、8に係る発明は、以下の引用文献1、2、6-9に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、本願請求項6に係る発明は、以下の引用文献1-4、6-9に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。さらに、本願請求項9に係る発明は、以下の引用文献1、2、5-9に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>

1.特表2005-529411号公報

2.特開2016-207177号公報

3.特開2008-137201号公報

4.特開2007-190809号公報

5.特開2011-011526号公報

6.特開2014-135090号公報

7.特開2015-030201号公報

8.特開2013-075450号公報

9.特開平6-314382号公報

第3 本願発明

本願請求項1-9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は、令和4年4月6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1、7、8は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる前記包装フィルムのメーカが作成した画像データを記憶部から取得する取得部と、
複数箇所それぞれに設置され、前記商品の製造数に応じて前記第1の領域に印刷を行なう印刷システムへ、取得した画像データを送信する送信部と、
前記画像データの変更内容を受け付ける変更受付部と、
続きを表示(全11行)
受け付けた変更内容にしたがい、前記画像データを変更する変更部と
を備え、
前記画像データは、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、
前記取得部は前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データのみを取得し、
前記変更部は前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、
前記送信部は受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信する
ことを特徴とする送信装置。」
「【請求項7】
複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる前記包装フィルムのメーカが作成した画像データを記憶部から取得し、
複数箇所それぞれに設置され、前記商品の製造数に応じて前記第1の領域に画像を行なう印刷システムへ、取得した画像データを送信する送信方法において、
前記画像データは、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、
前記画像データの変更内容、及び、前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、
前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データを送信するとともに、受け付けた期間のみ前記変更内容により変更した画像データを送信する
ことを特徴とする送信方法。」
「【請求項8】
複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる前記包装フィルムのメーカが作成した画像データを記憶部から取得する取得部と、
複数箇所それぞれに、取得した画像データを送信する送信部と、
前記画像データの変更内容を受け付ける変更受付部と、
続きを表示(全15行)
受け付けた変更内容にしたがい、前記画像データを変更する変更部と
を有し、
前記画像データは、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、
前記取得部は前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データのみを取得し、
前記変更部は前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、
前記送信部は受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信する
送信装置、及び
前記画像データを受信する受信部と、
前記商品の製造数及び受信した画像データに基づいて、前記第1の領域に印刷を行なう印刷部と
を有し、前記複数箇所それぞれに設置される印刷システム
を備えることを特徴とする送信システム。」

また、本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明である。

さらに、本願発明9は、本願発明7を減縮した発明である。

第4 引用文献、引用発明等

1 引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。

「【0020】
図1は、顧客ら6が、包装データを容易に管理するために中央包装データ(CPD)管理システム4と対話し、複数の製造設備8によって製品7へ適用するための包装データを構築するシステム2を示すブロック図である。より具体的には、顧客6のうちの権限を有するユーザはネットワーク9を介してCPD管理システム4と対話して、製造される製品のための包装ラベル又はその他の印刷された素材を生成しかつ管理する。複数の遠隔の製造設備8、印刷センタ16又はその他の出力場所は、製造された製品を包装する際にネットワーク9を介してCPD管理システム4と対話して、顧客による承認済みのラベルのための包装データを検索しかつ読み出す。
【0021】
CPD管理システム4は、顧客ら6のために包装データのホスティング機能を提供する1つ又は複数のデータサーバを含む。このようなデータの例として、包装テンプレート、グラフィックス、規制を遵守していることの記載、翻訳、原材料又は成分のリスト、警告、及びその他の包装データが含まれる。CPD管理システム4は、顧客ら6のうちの与えられた1つの顧客のためのデータが他のどの顧客6からも一切アクセス不可能なこと保証するために、セキュリティを保持しながらデータを組織的に構成する。
続きを表示(全16行)
【0022】
顧客ら6は、CPD管理システム4と対話することにより、規制官庁10、配送会社12及び外国税関14を含む各種の多様な関係者からの要求を遵守しながら包装材を容易に生成することができる。換言すれば、CPD管理システム4は、製品6に関連付けられたラベル又はその他の包装材が、規制官庁10、配送会社12及び外国税関14によって提示される特定の必要条件を遵守することを保証するための、集中化されたインテリジェントシステムを提供する。
【0023】
CPD管理システム4は、上記必要条件を考慮して、包装材の生成及び検証を自動化するための複数の業務ルール及びその他の拘束条件を適用するための各種の特徴を含む。例えば、以下に詳述するように、CPD管理システム4は、包装材の作成及び構築を制御するための複数のルール、関係、規制及びその他の制約を定義しかつ管理するためのインターフェースを提供する。CPD管理システム4に関連付けられたホスト又はその他のサービスプロバイダは、顧客6に対してルールの基本セットを提供することができる。それに加えて、顧客ら6は上記インターフェースと対話して、サービスプロバイダによって提供されるルールのセットを容易に増やすことができる。
【0024】
さらに、CPD管理システム4は、顧客ら6が現在の必要条件に基づいて包装データを迅速に構築するための包装テンプレートを簡単に選択できるテンプレートマネージャを提供する。CPD管理システム4はさらに、構築された任意のラベル及びその他の包装材の内容を現在の必要条件を考慮して検証する包装ルールエンジンを含む。このように、CPD管理システム4は、製品6に関連付けられたラベル及びその他の包装材のための包装データを作成し、検証し、配送する際に顧客6が対話する、インテリジェントな包装データウェアハウスを提供する。
【0025】
顧客6は、一般に、製造された製品のための包装データを管理する任意の組織を含むことができる。このように、CPD管理システム4は、個人事業者から大会社までの範囲にわたる、あらゆる規模の顧客6を支援することができる。例えば、顧客6は、包装を印刷センタ16へ外注する小企業を含むことができ、ウォルマート・ストアーズ・インコーポレイテッド(Wal-Mart Stores, Incorporated)、ベストバイ・カンパニー・インコーポレイテッド(Best Buy Company, Inc.)、インテル(Intel)、デル・コンピュータ・コーポレイション(Dell Computer Corporation)等のような、複数の複合的な製造設備8を有する大企業を含むことができる。配送会社10の例として、フェデラル・エクスプレス(Federal Express)、ユナイテッド・パーセル・サービス(United Parcel Service)、エアボーン・エクスプレス(Airborne Express)等が含まれる。規制官庁10の例として、食品医薬品局(FDA)、環境保護庁(EPA)等が含まれる。
【0026】
CPD管理システム4により、顧客6はラベルを定義しかつ承認することができる。これには、サイズ、レイアウト、グラフィックス、フォーマット、警告メッセージ等を含む、印刷されるラベルのあらゆる外観や特徴の制御とともに、ラベルが印刷される出力媒体及び印刷装置の制御とが含まれる。このように、CPD管理システム4により、顧客は、製造設備6、印刷センタ16又はその他の出力場所から市場に提示されるラベルのレイアウトや外観をより巧みに制御することができる。特に、CPD管理システム4は、顧客6が容易にかつセキュリティを保持したまま彼らの包装データを彼らの対応する製造設備6又はその他の出力場所へ伝送できるということを保証する。その結果、CPD管理システム4は、与えられた顧客6に対して、製造される製品7のために、異なる出力場所で同一のラベル及びその他の包装材を印刷できるということを保証する。それに加えて、顧客6は、CPD管理システム4を用いて、製造プロセスの間に使用される包装材を動的に制御することができる。
【0027】
CPD管理システム4は任意のラベリング装置又はシステムとともに利用可能であり、また、ラベル又はその他の媒体を印刷することに使用可能であり、あるいは、折り畳み式カートン、箱、可撓性フィルム等の包装材の上に直接に印刷することに使用可能である。同様に、ここに定義するように、包装データは、例えば製造時点で製品に取り付けられた無線周波数識別(RFID)タグのプログラミングを含む、各種の包装目的に使用可能である。例えば、RFIDタグには、ロットコード、製造日、シリアル番号、UPCコード又はその他のラベルデータがプログラミングされてもよい。」
「【0034】
CPD管理システム4は、必要なときに当該システムへ包装データを配信する方法を合理化することにより「オンデマンド」印刷システムをサポートしかつ簡便化する。換言すれば、ある会社がある製品の製造を決定した場合に、包装データを複数の印刷システムへ迅速に配信することができ、それにより、当該会社は、任意の「ジャストインタイム」の製造及び供給契約と、その会社がサービスを提供する他の取引関係とを満たすことができる。」
「【0037】
図2は、受け取り側企業、規制官庁、配送会社、外国税関等、各種の多様な関係者からの要求に従う包装材を生成するために顧客6が対話する、CPD管理システム4の実施形態の例を示すブロック図である。
【0038】
ウェブサーバ20は、顧客6がネットワーク9を介してCPD管理システム4と通信する際に使用するインターフェースを提供する。1つの構成において、ウェブサーバ20は、ワシントン州レッドモンドのマイクロソフト・コーポレイションからのインターネット・インフォメーション・サーバ(Internet Information Server:商標)等のウェブサーバソフトウェアを実行する。このように、ウェブサーバ20は、複数のソフトウェアモジュール21に従って顧客ら6と対話するための環境を提供する。これらのモジュールは、アクティブサーバページ(Active Server Pages)、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)又は動的HTMLで記述されたウェブページ、アクティブX(Active X)モジュール、ロータス(Lotus)スクリプト、Javaスクリプト、Javaアプレット、分散コンポーネントオブジェクトモジュール(DCOM)等を含むことができる。」
「【0040】
ソフトウェアモジュール21は、テンプレートデザインツール22、テンプレートマネージャ24、グラフィックデザインツール26、グラフィックスマネージャ28、管理(Admin)モジュール30、レコードマネージャ32、出力マネージャ34、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)36、テンプレート選択モジュール37及びルールエンジン38を含む多数のモジュールを含んでいてよい。ソフトウェアモジュール21は、データサーバ40と対話することにより、顧客データ42A、テンプレート42B、包装レコード42C、構成(config)データ(又は設定データ)42D及び包装ルール42Eを含みうるデータ42へアクセスする。データ42は、データ記憶ファイルか、もしくは1つ又は複数のデータベースサーバ上で動作する1つ又は複数のデータベース管理システム(DBMS)かを含む各種の形式で記憶されることが可能である。データベース管理システムは、関係データベース管理システム(RDBMS)、階層データベース管理システム(HDBMS)、多次元データベース管理システム(MDBMS)、オブジェクト指向データベース管理システム(ODBMS又はOODBMS)、又はオブジェクト関係データベース管理システム(ORDBMS)であってよい。データ42は例えば、マイクロソフト・コーポレーションからのSQLサーバ等の単一の関係データベース内に記憶されることが可能である。
【0041】
顧客データ42Aは、ラベル又はその他の包装材に印刷するテキスト、グラフィックス、又は顧客6によってアップロードされるその他のデータを含む。テキストデータの例として、警告、原材料のリスト、追跡番号、部品リスト、翻訳等が含まれる。グラフィックスは、商標、ロゴ及びその他のイメージ画像等の、会社のグラフィックスを含むことができ、例えば、JPEG、TIFF、GIFF、PDF等を含む多数のフォーマットのうちの任意のもので記憶される個々の画像ファイルとして記憶されることが可能である。
【0042】
テンプレート42Bは、製品7に関連付けられたラベル及びその他の包装材を作成するためのテンプレートを記憶し、典型的には、レイアウト、フォーマット、及び所定数のフィールドを記述する。包装レコード42Cは、顧客ら6により包装テンプレート42Bから生成された包装データを記憶する。特に、包装レコード42Cは、テキスト、グラフィックス又はその他のデータ等の包装データを、包装テンプレート42Bのフィールドに関連付けるレコードを含む。構成データ42Dは、例えば、権限を有する顧客6、ユーザと会社の選好情報、ラベルのための好適な出力ストック(基板)、及び利用可能なプリンタを含む構成データを記憶する。それに加えて、構成データ42Dは、顧客6、製造拠点8、及び製造プロセスの間に使用される各種の包装レベルを定義するデータを含む。」
「【0051】
レコードマネージャ32により、顧客6は、包装テンプレート42B、顧客データ42A、及び構成データ42Dに基づいて、製造される製品に関連付けられた、ラベル又はその他の印刷される素材を定義することができる。換言すれば、顧客6は、レコードマネージャ32と対話して、包装テンプレート42Bに基づいて包装材のための新規な包装レコード42Cを作成し、テンプレートのフィールドにテキスト、グラフィックス又はその他のデータを記入する。
【0052】
包装レコードを作成するために、顧客6は、最初にレコードマネージャ32に対し包装テンプレート42を選択するように命令する。レコードマネージャ32は、このプロセスを容易化するために、顧客6が現在の配送の必要条件に基づいて適切な包装テンプレートを容易に選択するように複数の階層を横断的に探索する際に使用可能なインターフェースを提供する。特に、レコードマネージャ32には、顧客6が選択した階層に基づいて包装テンプレートをフィルタリングするための決定木論理が組み込まれている。顧客6が階層を横断的に探索する際に、レコードマネージャ32は、木の中で現在選択されているノードに対して登録された包装テンプレートのセットを選択的に提示する。このように、レコードマネージャ23により、顧客6は記憶された包装データを詳しく調べて(ドリルダウンして)、包装材を構築して出力するために適切なテンプレートを選択することができる。例えば、レコードマネージャ32は、製品ライン、原産国、宛先国、産業、配送会社、受け取り人等の情報を顧客6に要求することができる。レコードマネージャ32は、提供された基準に合致する包装テンプレート42Bのセットを提示する。
【0053】
テンプレートを選択した後で、顧客6は、レコードマネージャ32と対話して、テンプレートのフィールドに、テキスト、グラフィックス又はその他のデータを記入し、記入済みテンプレートを新規な包装レコード42Cとして記憶する。特に、レコードマネージャ32は、顧客6がテンプレートのための定義されたフィールドにさまざまな特徴や特性を設定する際に使用可能なインターフェースを提供する。ユーザは、例えば、テキスト又はグラフィック要素フィールドに対して「動的スケーリング」を使用可能にして、CPD管理システム4に、対応するテキストのためのフォントサイズを動的に選択させたり又はグラフィック要素のサイズを動的に調整させたりすることで、テキスト又はグラフィック要素の全体がラベルフィールド内で表示可能になるようにする。」
「【0057】
レコードマネージャ32は、形式的な制御モジュール及び手順を統合化して、包装レコード42Cを生成しかつ保守するプロセスを管理する。レコードマネージャ32は、例えば、包装レコード42Cの生成を、作成から承認及びアーカイブへの保存に至るまで制御するための改訂制御モジュールを含む。レコードマネージャ32は例えば、包装レコードへのアクセスを制御するためのチェックイン及びチェックアウト機構をサポートし、レコードに対する変更を追跡して改訂履歴及びその他の変更情報を提供する。各包装レコードは、ドラフト、ペンディング、承認済み、アーカイブ済み、陳腐化、置き換え済み等の、対応する状態を有する。
【0058】
検証が済むと、顧客6は包装レコードの状態を「ドラフト」から「承認済み」へ変化させる。それに応答して、レコードマネージャ34は、PDF(ポータブルドキュメントフォーマット)出力等の、ラベルの電子画像を生成し、上記画像にタイムスタンプを付与してアーカイブする。あるバージョンの画像を低解像度の「サムネイル画像」として記憶することにより、ユーザは高解像度の画像全体を読み出すことなく即座に識別することを容易化できる。レコードマネージャ32は、対応する包装レコードからのデータに対して、アーカイブされたラベル画像を関連付けることにより、インデックスの付与や高速の読み出しが可能になる。このように、CPD管理システム4は、製品6に関連付けられたラベル及びその他の包装材のための包装データの作成、検証及び配送のために顧客6が対話する、インテリジェントな包装データウェアハウスを提供する。
【0059】
出力マネージャ34はラベル印刷のあらゆる局面を制御する。顧客6がテンプレートを作成して、上記テンプレートをCPD管理システム4へ入力し、上記テンプレートのための対応するレコードを作成して上記テンプレートのフィールドに記入すると、出力マネージャ34は、包装レコードが製造設備6又は印刷センタ16における印刷のために利用可能であるとマーキングする。承認済み状態を有するレコードのみが製造設備6へ「公開」される、すなわち出力マネージャ34を介して顧客6に対して利用可能にされる。これにより、顧客6は、製造拠点6のうちの1つが早まって未承認ラベルを使う恐れを気にすることなく、データを管理し、新規なラベルを追加し、かつラベルを更新できるようになる。後述するように、デザインを行なっている間に、実行時フィールドをテンプレートに追加することができ、それにより、印刷時に情報の入力を促すプロンプトを出力マネージャ34に表示させる。実行時情報の例として、バッチコード、ロットコード、製造日、シリアル番号等を含む。一実施形態において、ラベル管理システムは、追跡(トラッキング)及びトレースの目的で、ラベル又はその他の素材が印刷される際に実行時データを記憶する。」
「【0082】
図7は、テンプレートマネージャ24によって提示される、ウェブに基づくユーザインターフェース80の例を示す。権限を有するユーザは、「追加する」ボタン81をクリックすることによりテンプレートをCPD管理システム4にチェックインすることができ、その時点で、CPD管理システム4は固有の(一意的な)テンプレートID82を自動的に割り当て、公開状態83を「ドラフト」に初期化する。その時点でユーザはテンプレート名84を割り当てることができる。
【0083】
テンプレートマネージャ24によって提供されるインターフェース80は、顧客6の全体でテンプレートを管理するための、企業によって定義される論理的なカテゴリをサポートする。例えば、新規なテンプレートを追加する際に、ユーザは、テンプレートが会社全体で利用できるように、テンプレートに対してグローバルとマーキングしてもよい。それに代わって、ユーザは、テンプレートに対して包装レベル、事業単位及び市場を指定してもよい。管理者(trustee)85は、チェックインされているテンプレートを変更する権限を有するユーザを示し、典型的には、グラフィックデザインツール22を使用してテンプレートを作成したユーザを示す。
【0084】
多くの場合、ウィンドウ85に示されるように、あるテンプレートが古いテンプレート(旧テンプレート)に置き換わる場合がある。5×7等のテンプレートのサイズ87は、印刷時におけるテンプレートの物理的サイズを示す。テンプレートマネージャ24によって取得された全てのパラメータ及び属性はCPD管理システム4に記憶されて、レコードマネージャ32及び出力マネージャ34を含む他のソフトウエアモジュール21を介してユーザが後で利用することができる。ユーザは、ウィンドウ88内で、ラベルのための印刷素材を指定することができる。後述するように、ラベルを印刷する際、出力マネージャは、オペレータを支援するように、推奨される印刷素材を表示する。最後に、ユーザは、ウィンドウ89内にファイル名を入力することにより、テンプレートデザイナ22によって生成されたテンプレートファイルを添付することができる。
【0085】
検索ウィンドウ90により、ユーザは、新規なテンプレートを作成する代わりに、記憶されている包装テンプレート42Bのうちの1つを探し出すことができる。テンプレートを発見した後で、ユーザはパラメータを変更して、「変更する」ボタン91を選択することができる。ユーザは、テンプレートを最終的に仕上げた後で、「承認する」ボタン92選択することによりテンプレートを「承認」して、テンプレートに利用可能とマーキングすることができる。」
「【0091】
もう1つの実施形態において、レコードマネージャ32は多数のグラフィックのサムネイル画像を表示し、ユーザは、それらのグラフィックのサムネイル画像から所望の包装テンプレートを選択する。レコードマネージャ32は次いで、選択された包装テンプレートに関連付けられたグラフィックスを画像で表示して、対応するフィールドに重ねて表示する(オーバーレイする)。
【0092】
CPD管理システム4は、包装レコードを作成する際に、更新されたラベルを製造設備6が使用するときをユーザが制御できるようにする。これは、医療や製薬産業におけるように、ラベルが変化した特定の時点を製造会社が記録するよう求められる厳格な規制を受ける産業において有用であろう。特に、ユーザはレコードを「パススルー型」又は「非パススルー型」に分類することができる。出力マネージャ34は、更新されたラベルが「パススルー型」に指定されていれば、当該更新されたラベルを直ちに使用する。ユーザがパススルー型包装レコードを承認すると、直ちに旧レコードが置き換えられて、旧レコードに対するラベルの画像がPDF等のグラフィックフォーマットでアーカイブされることにより、旧ラベルの永久レコードが作成される。
【0093】
非パススルー型ラベルの場合、出力マネージャ34は、更新された包装レコードが、置き換えられる包装レコードに代えて使用されるときを製造設備6が制御できるようにする。これは、バッチ実行の終了まで又は現在の在庫品を使い切るまで等の所望の期間にわたって、製造設備6が旧ラベルを印刷できるようにするものである。このプロセスの間、CPD管理システム4は、会社のID番号により制御された包装レコード42C内の複製の包装レコードを自動的に保持する。製造設備6は、旧レコードを更新されたものに置き換えるときを選択できる。」
「【0105】
図18は、製造設備6のうちの1つ等の出力場所において出力マネージャ34により生成された2つのラベルの例162,164を示す。各ラベル162,164は、対応する包装レコードにより各包装テンプレートのフィールドに関連付けられた各種のテキスト及びグラフィックスを含む。」
「【図1】
[図:0001391896000001.jpg]
」
「【図2】
[図:0001391896000002.jpg]
」
「【図7】
[図:0001391896000003.jpg]
」
「【図18】
[図:0001391896000004.jpg]
」

ここで、上記【0037】の「図2は、受け取り側企業、規制官庁、配送会社、外国税関等、各種の多様な関係者からの要求に従う包装材を生成するために顧客6が対話する、CPD管理システム4の実施形態の例を示すブロック図である。」との記載、上記【0038】の「ウェブサーバ20は、顧客6がネットワーク9を介してCPD管理システム4と通信する際に使用するインターフェースを提供する。」との記載、上記【0040】の「ソフトウェアモジュール21は、テンプレートデザインツール22、テンプレートマネージャ24、グラフィックデザインツール26、グラフィックスマネージャ28、管理(Admin)モジュール30、レコードマネージャ32、出力マネージャ34、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)36、テンプレート選択モジュール37及びルールエンジン38を含む多数のモジュールを含んでいてよい。ソフトウェアモジュール21は、データサーバ40と対話することにより、顧客データ42A、テンプレート42B、包装レコード42C、構成(config)データ(又は設定データ)42D及び包装ルール42Eを含みうるデータ42へアクセスする。」との記載及び上記【図2】の記載から、「CPD管理システム4は、ウェブサーバ20とデータサーバ40を含み、ウェブサーバ20は、顧客6がネットワーク9を介してCPD管理システム4と通信する際に使用するインターフェースを提供し、ウェブサーバ20は、ソフトウェアモジュール21を含み、ソフトウェアモジュール21は、テンプレートデザインツール22、テンプレートマネージャ24、グラフィックデザインツール26、グラフィックスマネージャ28、Adminモジュール30、レコードマネージャ32、出力マネージャ34、API36、テンプレート選択モジュール37及びルールエンジン38を含み、データサーバ40は、データ42を含み、データ42は、顧客データ42A、テンプレート42B、包装レコード42C、configデータ42D及び包装ルール42Eを含む」ことが記載されていると認められる。

したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「顧客6のうちの権限を有するユーザはネットワーク9を介してCPD管理システム4と対話して、製造される製品のための包装ラベルを生成しかつ管理し、
複数の遠隔の製造設備8、印刷センタ16又はその他の出力場所は、製造された製品を包装する際にネットワーク9を介してCPD管理システム4と対話して、顧客による承認済みのラベルのための包装データを読み出し、
顧客6は、包装を印刷センタ16へ外注する小企業を含み、複数の複合的な製造設備8を有する大企業を含み、
CPD管理システム4により、顧客6はラベルを定義しかつ承認することができ、
続きを表示(全16行)
CPD管理システム4により、顧客は、製造設備6、印刷センタ16又はその他の出力場所から市場に提示されるラベルのレイアウトや外観をより巧みに制御することができ、
CPD管理システム4は可撓性フィルムの包装材の上に直接に印刷することに使用可能であり、
CPD管理システム4は、ウェブサーバ20とデータサーバ40を含み、ウェブサーバ20は、ソフトウェアモジュール21を含み、ウェブサーバ20は、顧客6がネットワーク9を介してCPD管理システム4と通信する際に使用するインターフェースを提供し、ソフトウェアモジュール21は、テンプレートデザインツール22、テンプレートマネージャ24、グラフィックデザインツール26、グラフィックスマネージャ28、Adminモジュール30、レコードマネージャ32、出力マネージャ34、API36、テンプレート選択モジュール37及びルールエンジン38を含み、データサーバ40は、データ42を含み、データ42は、顧客データ42A、テンプレート42B、包装レコード42C、configデータ42D及び包装ルール42Eを含み、
包装レコードを作成するために、顧客6は、最初にレコードマネージャ32に対し包装テンプレート42を選択するように命令し、
テンプレートを選択した後で、顧客6は、レコードマネージャ32と対話して、テンプレートのフィールドに、テキスト、グラフィックス又はその他のデータを記入し、記入済みテンプレートを新規な包装レコード42Cとして記憶し、
レコードマネージャ32は、包装レコード42Cの生成を、作成から承認及びアーカイブへの保存に至るまで制御するための改訂制御モジュールを含み、
各包装レコードは、ドラフト、ペンディング、承認済み、アーカイブ済み、陳腐化、置き換え済み等の、対応する状態を有し、
検証が済むと、顧客6は包装レコードの状態を「ドラフト」から「承認済み」へ変化させ、
承認済み状態を有するレコードのみが製造設備6へ「公開」され、すなわち出力マネージャ34を介して顧客6に対して利用可能にされ、
非パススルー型ラベルの場合、出力マネージャ34は、更新された包装レコードが、置き換えられる包装レコードに代えて使用されるときを製造設備6が制御できるようにし、
各ラベル162,164は、対応する包装レコードにより各包装テンプレートのフィールドに関連付けられた各種のテキスト及びグラフィックスを含む
ことを特徴とするCPD管理システム4。」

2 引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0082】
最初の承認者(以下、「第1承認者」と記載する。)は、文書情報Wの内容の是非と出力条件の是非とに応じて、内容と出力条件とを承認するか否かを判断する。第1承認者は、例えば、複数の承認者のうち最も低い役職に就く者である。矢印(II)で示すように、第1承認者が使用する承認者端末300は、例えば、内容承認情報N3と出力承認情報N4とをサーバー100に送信する。
【0083】
サーバー100の制御部120は、第1承認者が使用する承認者端末300から送信された内容承認情報N3と出力承認情報N4とを受信し、サーバー100の記憶部130に記憶させる。その後、矢印(III)で示すように、サーバー100の制御部120は、他方の承認者端末300(例えば、社長が使用する承認者端末300)に内容承認依頼情報N1と出力承認依頼情報N2とを送信する。
【0084】
第1承認者の次の承認者(以下、「第2承認者」と記載する。)は、第1承認者と同様に、文書情報Wの内容と出力条件とを承認するか否かを判断する。第2承認者は、例えば、第1承認者よりも高い役職に就く者である。矢印(IV)で示すように、第2承認者が使用する承認者端末300の制御部340は、第1承認者が使用する承認者端末300と同様に、例えば、内容承認情報N3と出力承認情報N4とをサーバー100に送信する。サーバー100の制御部120は、第2承認者が使用する承認者端末300から送信された内容承認情報N3と出力承認情報N4とを受信し、サーバー100の記憶部130に記憶させる。」
「【図9】
[図:0001391896000005.jpg]
」

3 引用文献6について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0060】
色校1及び色校2は、複数の当事者(利害関係者)にわたって行われる色の校正である。色校1では、印刷会社16に所属する校正者PR31は、校正機54を用いて、印刷物PPの色を略再現するプルーフ52を印刷し、色の確認を行う。色校2では、校正者PR31は、発注会社12に所属する承認者AU31、AU32(企画責任者)に対してプルーフ52を提示し、印刷色の適否を確認する。承認者AU31、AU32の合意を得た場合、印刷会社16に所属する承認者AU33(ジョブ責任者)は、全工程に対する校了の旨の承認を行う。」

4 引用文献7について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献7には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0070】
なお、以上の例では、ラベルに印刷される項目の内容として、食品の賞味期限等、物品の使用期限に関連する情報を、年月日、時刻等の期間を指定して変更することとしたが、このような期限の管理に加えて、価格、割引率、消費税の税率等、価格に関連する情報を、期間を指定して変更することとしても良い。
【0071】
価格等を変更する構成では、ラベル作成情報で物品の価格、割引率、税率等が設定されると共に、変更規則情報で価格等を変更する期間と、変更される値が設定される。
【0072】
これにより、例えば、物品の価格を下げるセール期間が設定されている場合、所定のセール期間は、価格が下げられたラベル、割引率を高くしたラベルを、ラベルプリンタ1Aの操作者がラベル発行時に設定の変更を行うことなく、発行することができる。」

5 引用文献8について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献8には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0026】
<期限付きラベルと通常ラベル>
例えば上記のように各支店BRがスーパーマーケットやコンビニエンスストア等である場合に、同一商品に対し、通常時とバーゲンセールの時期との間で相互に価格を入れ替える場合がある。その場合、バーゲンセールは期間限定であることから、当該バーゲンセール用の印字ラベルL2(以下適宜、「期限付き印字ラベル」という。後述の図3等参照)をラベル作成装置4で作成するためのラベルデータ(以下適宜、「期限付きラベルデータ」という)が上記管理端末2で作成され、管理サーバSTに格納されている。一方通常時に使用するための印字ラベルL1(以下適宜、「通常ラベル」という。後述の図3等参照)をラベル作成装置4で作成するためのラベルデータ(以下適宜、「期限無しラベルデータ」という)も上記管理端末2で作成され、管理サーバSTに格納されている。
【0027】
各支店BRでは、管理サーバSTからラベル作成端末3にダウンロードされた上記期限付きラベルデータを用いて、ラベル作成装置4により期限付きラベルL2が作成されるとともに、管理サーバSTからラベル作成端末3にダウンロードされた上記期限無しラベルデータを用いて、ラベル作成装置4により通常ラベルL1が作成される。各支店BRでは、同一の商品に対し、上記通常時においては上記のようにして作成された通常ラベルL1を取り付けて販売が行われ、上記バーゲンセールの期間においては上記のようにして作成された期限付きラベルL2を取り付けて販売が行われる。」
「【図3】
[図:0001391896000006.jpg]
」

6 引用文献9について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献9には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0017】また、ストア制御装置1には、図3に示すように単価変更のある商品の単品コード,単価変更期間(特売期間),変更後単価(特売単価)等の単価変更情報を設定記憶する売値変更設定ファイル7が設けられており、この売値変更設定ファイル7を適時検索して現日時が単価変更期間内の商品の有無を判断し、単価変更期間内の商品については前記商品マスタファイル6における該当商品の単価を変更後単価に変更して管理するようになっている。」

「【図3】
[図:0001391896000007.jpg]
」

第5 対比・判断

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「製品」は、本願発明1の「商品」に相当する。また、引用発明の「製造される製品」は、本願発明1の「製造される商品」に相当する。

イ 引用発明の「可撓性フィルムの包装材」は、本願発明1の「包装フィルム」に相当する。

ウ 引用発明において、「製造される製品のための包装ラベル」、「製造された製品を包装する」とされているから、引用発明の「可撓性フィルムの包装材」は、「製造される商品」に用いられることは明らかである。

エ 引用発明において、上記【図18】の記載から、ラベルが有する領域に製品の内容が印刷されていることは明らかである。また、引用発明において、「各ラベル162,164は、対応する包装レコードにより各包装テンプレートのフィールドに関連付けられた各種のテキスト及びグラフィックスを含む」ことから、「グラフィックス」は、ラベルが有する、製品の内容が印刷される第1の領域への印刷に用いるものであるといえる。さらに、引用発明において、「CPD管理システム4は可撓性フィルムの包装材の上に直接に印刷することに使用可能であ」ることから、ラベルは、可撓性フィルムの包装材に印刷されたものであるといえる。

オ 引用発明において、「テンプレートを選択した後で、顧客6は、レコードマネージャ32と対話して、テンプレートのフィールドに、テキスト、グラフィックス又はその他のデータを記入し、記入済みテンプレートを新規な包装レコード42Cとして記憶」し、「各ラベル162,164は、対応する包装レコードにより各包装テンプレートのフィールドに関連付けられた各種のテキスト及びグラフィックスを含む」ことから、「グラフィックス」は、包装レコードに含まれるデータであるといえる。したがって、引用発明の「グラフィックス」は、本願発明1の「画像データ」に相当する。

カ 引用発明の「データサーバ40」は、本願発明1の「記憶部」に相当する。

キ 引用発明において、「複数の遠隔の製造設備8、印刷センタ16又はその他の出力場所は、製造された製品を包装する際にネットワーク9を介してCPD管理システム4と対話して、顧客による承認済みのラベルのための包装データを読み出し」、「CPD管理システム4は、ウェブサーバ20とデータサーバ40を含み、ウェブサーバ20は、ソフトウェアモジュール21を含み、ウェブサーバ20は、顧客6がネットワーク9を介してCPD管理システム4と通信する際に使用するインターフェースを提供し」、「データサーバ40は、データ42を含み、データ42は、顧客データ42A、テンプレート42B、包装レコード42C、configデータ42D及び包装ルール42Eを含み」、「承認済み状態を有するレコードのみが製造設備6へ「公開」され、すなわち出力マネージャ34を介して顧客6に対して利用可能にされ」ることから、サーバ技術分野の技術常識に鑑みると、「データサーバ40」から「承認済み状態を有する」「包装レコード42C」を取得し、取得した「承認済み状態を有する」「包装レコード42C」を複数の遠隔の製造設備8、印刷センタ16又はその他の出力場所に送信しているといえる。よって、引用発明は、本願発明1の「取得部」及び「送信部」に相当する構成を備えているといえ、また、引用発明の「CPD管理システム4」は、データを送信している装置であるといえることから、本願発明1の「送信装置」に相当するといえる。

ク 上記ア-キを踏まえると、本願発明1の「複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる前記包装フィルムのメーカが作成した画像データを記憶部から取得する取得部」と引用発明は、「製造される商品に用いられる包装フィルムが有し、前記商品の内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる画像データを記憶部から取得する取得部」を備える点で共通する。

ケ 引用発明の「複数の遠隔の製造設備8、印刷センタ16又はその他の出力場所」は、本願発明1の「印刷システム」に相当する。また、引用発明の「複数の遠隔の製造設備8、印刷センタ16又はその他の出力場所」は、複数箇所それぞれに設置されていることは明らかである。さらに、製品の製造数に応じて印刷を行うことも、ビジネス分野の技術常識に鑑みると、明らかである。したがって、上記オ及びキを踏まえると、本願発明1と引用発明は、「複数箇所それぞれに設置され、前記商品の製造数に応じて前記第1の領域に印刷を行なう印刷システムへ、取得した画像データを送信する送信部」を備える点で一致する。

コ 引用発明において、「テンプレートを選択した後で、顧客6は、レコードマネージャ32と対話して、テンプレートのフィールドに、テキスト、グラフィックス又はその他のデータを記入し、記入済みテンプレートを新規な包装レコード42Cとして記憶」することから、テンプレートのフィールドに記入したグラフィックスを受け付けて、グラフィックスを変更しているといえる。したがって、上記オを踏まえると、本願発明1と引用発明は、「前記画像データの変更内容を受け付ける変更受付部」と「受け付けた変更内容にしたがい、前記画像データを変更する変更部」を備える点で一致する。

サ 引用発明において、「CPD管理システム4により、顧客6はラベルを定義しかつ承認することができ」ることから、上記キも踏まえると、「データサーバ40」から、顧客が「承認済み状態」とした「包装レコード42C」のみを取得しているといえる。したがって、上記オを踏まえると、本願発明1の「前記取得部は前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データのみを取得」する構成と引用発明は、「前記取得部は承認済である前記画像データのみを取得」する点で共通する。

シ 上記オ、キ及びコを踏まえると、本願発明1の「前記送信部は受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信する」構成と引用発明は、「前記送信部は前記変更した画像データを送信する」点で共通する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)

「製造される商品に用いられる包装フィルムが有し、前記商品の内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる画像データを記憶部から取得する取得部と、
複数箇所それぞれに設置され、前記商品の製造数に応じて前記第1の領域に印刷を行なう印刷システムへ、取得した画像データを送信する送信部と、
前記画像データの変更内容を受け付ける変更受付部と、
受け付けた変更内容にしたがい、前記画像データを変更する変更部と
を備え、
前記取得部は承認済である前記画像データのみを取得し、
前記送信部は前記変更した画像データを送信する」

ことを特徴とする送信装置。」

(相違点1)

本願発明1では「複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルム」に「前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される」のに対し、引用発明では、印刷される内容と商品の種類との関係について特定されていない点。

(相違点2)

本願発明1では「画像データ」が「包装フィルムのメーカが作成した」ものであるのに対し、引用発明では、包装レコードを作成した顧客6が包装フィルムのメーカであるのか明確に特定されていない点。

(相違点3)

本願発明1では「前記画像データは、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、前記取得部は前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データのみを取得」するのに対し、引用発明では、「承認済み状態を有するレコードのみが製造設備6へ「公開」され、すなわち出力マネージャ34を介して顧客6に対して利用可能にされ」、「顧客6は包装レコードの状態を「ドラフト」から「承認済み」へ変化させ」るが、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグについて特定されていない点。

(相違点4)

本願発明1では「前記変更部は前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、前記送信部は受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信する」のに対し、引用発明では、「非パススルー型ラベルの場合、出力マネージャ34は、更新された包装レコードが、置き換えられる包装レコードに代えて使用されるときを製造設備6が制御できるようにし」ているが、前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信することについて特定されていない点。

(2)相違点についての判断

相違点1-4は、「フランチャイズ本部」、「商品のメーカ」及び「包装フィルムのメーカ」との関係に関する商品及び包装の点で互いに関連しているので、まとめて検討する。

相違点1に係る構成に関して、コンビニエンスストアのおにぎりの包装などでよく知られているから、周知技術であるといえる。

また、相違点2に係る構成に関して、包装フィルムのメーカが包装の画像データを作成することも周知技術である。

さらに、相違点3に係る構成に関して、例えば、上記第4の2及び3に記載のとおり、複数の承認者から承認を得て、全ての承認者から承認済と確認してから作業を行うことは周知技術である。

加えて、相違点4に係る構成に関して、例えば、上記第4の4-6に記載のとおり、ラベルに印刷する価格に関連する情報を、期間を指定して変更することは、周知技術である。

しかしながら、本願発明1は、相違点1-4に係る構成を全て備えることにより、包装フィルムに印刷するロゴや商品名を含む画像の作成は、包装フィルムメーカが担い、作成された画像に対して、その内容の決定権を有するフランチャイズ本部が承認を行い、なおかつ、製造面において当該画像が問題を発生させないかを確認した商品メーカが承認を行った場合においてのみ、当該画像を使用するというビジネス環境の下、3社の協議を通じて包装の品質が確保され、適切な画像が印刷された包装フィルムにてセール商品や季節商品など販売期間が限定される商品を包装できるという格別の効果を奏するものであるから、引用発明及び上記の周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。

また、引用文献2-9には、相違点1-4に係る構成について記載も示唆もない。

よって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項から、相違点1-4に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。

したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2-6について

本願発明2-6も、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明7について

本願発明7も、上記相違点1-4に係る本願発明1の構成と実質的に同じである「複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる前記包装フィルムのメーカが作成した画像データを記憶部から取得し」、「前記画像データは、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、前記画像データの変更内容、及び、前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データを送信するとともに、受け付けた期間のみ前記変更内容により変更した画像データを送信する」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

4 本願発明8について

本願発明8も、上記相違点1-4に係る本願発明1の構成と実質的に同じである「複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる前記包装フィルムのメーカが作成した画像データを記憶部から取得する取得部と」、「前記画像データは、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、前記取得部は前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データのみを取得し、前記変更部は前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、前記送信部は受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信する」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

5 本願発明9について

本願発明9も、本願発明7と同一の構成を備えるものであるから、本願発明7と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第6 むすび

以上のとおり、本願発明1-9は、当業者が引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-005147

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