特許拒絶査定不服審判
2022-004329
高導電性ケーブル接続デバイスを備えた充電式ジャンプスタート装置
- 審判番号
- 2022-004329
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-508325外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月23日
- 審決日
- 2023年03月28日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ザ・ノコ・カンパニー
- 【請求人代理人】山尾 憲人
- 【請求人代理人】前堀 義之
- 分類
- P18 .121-Z (H02J) / P18 .113-Z (H02J) / P18 .575-Z (H02J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-508325「高導電性ケーブル接続デバイスを備えた充電式ジャンプスタート装置」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月 7日国際公開、WO2019/045813、令和 2年11月12日国内公表、特表2020-532935〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)5月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年8月30日 米国、2017年9月22日 米国、2017年9月25日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年 4月13日 :手続補正書の提出
令和 3年 3月25日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 8月27日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年11月15日付け:拒絶査定(原査定)
令和 4年 3月23日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和4年3月23日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年3月23日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)なお、説明の便宜のため、特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)を、<a>-<f>の記号を付して分説した。
「<a>使い尽くされたないしは放電したバッテリを充電するための充電式ジャンプスタート装置であって、
<b1>正極端子および負極端子を有する1つ又は複数の充電式バッテリと、
<b2>前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記正極端子に接続された正極導電性剛性フレームおよび前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記負極端子に接続された負極導電性剛性フレームを含む導電性剛性フレームと、
を含み、
<c>前記導電性剛性フレームは、複数の導電性剛性フレーム部材を互いに接続して作られ、<d>前記充電式ジャンプスタート装置はまた、
<d1>前記正極導電性剛性フレームに対して電気的に接続された正極導電性カムロックケーブル接続デバイスと、
<d2>前記負極導電性剛性フレームに対して電気的に接続された負極導電性カムロックケーブル接続デバイスと、
<d3>前記正極導電性カムロックケーブル接続デバイスに対して着脱可能に接続される正極バッテリケーブルと、
<d4>前記負極導電性カムロックケーブル接続デバイスに対して着脱可能に接続される負極バッテリケーブルと、
<d5>前記正極バッテリケーブルに対して電気的に接続された正極バッテリクランプと、
<d6>前記負極バッテリケーブルに対して電気的に接続された負極バッテリクランプと、を含み、
<e>前記使い尽くされたないしは放電したバッテリを前記充電式ジャンプスタート装置で充電するとき、前記導電性剛性フレームが前記充電式バッテリおよび前記使い尽くされたないしは放電したバッテリに回路内で接続される、
<f>充電式ジャンプスタート装置。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年8月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
使い尽くされたないしは放電したバッテリを充電するための充電式ジャンプスタート装置であって、
正極端子および負極端子を有する充電式バッテリと、
前記充電式バッテリの前記正極端子に接続された正極導電性剛性フレームおよび前記充電式バッテリの前記負極端子に接続された負極導電性剛性フレームを含む導電性剛性フレームと、
前記正極導電性剛性フレームに対して電気的に接続された正極導電性カムロックケーブル接続デバイスと、
前記負極導電性剛性フレームに対して電気的に接続された負極導電性カムロックケーブル接続デバイスと、
前記正極導電性カムロックケーブル接続デバイスに対して着脱可能に接続される正極バッテリケーブルと、
前記負極導電性カムロックケーブル接続デバイスに対して着脱可能に接続される負極バッテリケーブルと、
前記正極バッテリケーブルに対して接続された正極バッテリクランプと、
前記負極バッテリケーブルに対して接続された負極バッテリクランプと、を含み、
前記使い尽くされたないしは放電したバッテリを前記充電式ジャンプスタート装置で充電するとき、前記導電性剛性フレームが前記充電式バッテリおよび前記使い尽くされたないしは放電したバッテリに回路内で接続される、
充電式ジャンプスタート装置。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「充電式バッテリ」について、「1つ又は複数の」との限定を付加し、また、「導電性剛性フレーム」について、「複数の導電性剛性フレーム部材を互いに接続して作られ」るとの限定を付加し、さらに、「正極バッテリケーブル」に対する「正極バッテリクランプ」及び「負極バッテリケーブル」に対する「負極バッテリクランプ」のそれぞれの「接続」について、当該これらの「接続」が「電気的に接続された」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正発明が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献、引用発明等
ア 引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、米国特許出願公開第2005/0040788号明細書(2005年2月24日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
「DETAILED DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENT
[0011] A preferred embodiment of a storage cell in the present invention, as shown in FIG. 1, includes a cell body 10, a power cord 20, a universal cord 30, and a pair of jumper cables 40 as main components.
[0012] The cell body 10 is rectangular, having a control circuit 11 arranged in its interior, a rechargeable battery 12 connected to the control circuit 11 fixed in its interior, a large capacitor 13 connected in series with the rechargeable battery 12 to produce large current at the moment of discharging of the rechargeable battery 12, a power insert hole 14 fixed on an outer surface, a plurality of sockets 15 for supplying DC of different voltages also fixed on the outer surface and connected to the control circuit 11. The sockets 15 according to this embodiment are respectively 12V, 9V, 6V, and 3V, and affixed with an indicating lamp 16 for marking. The cell body further has a recess 17 formed on the outer surface, and a pair of electrodes 18 positioned in the recess 17, and a separating wall 171 located between the two electrodes 18 to prevent the electrodes 18 from contacting each other to short-circuit. The pair of electrodes 18 is connected to the control circuit 11 for supplying DC of large current. A power switch 19 is further provided on the outer surface of the cell body 10, connected in series with the rechargeable battery 12. So if the power switch is turned off, the rechargeable battery 12 may not leak electricity so as to maintain its electricity as much as possible.
[0013] The power cord 20 has a power plug 21 at one end to connect to power, with the power plug 21 being a common converting plug available in the market, and the other end possible to be inserted in the insert hole 14 of the cell body 10 for electric current to flow to the control circuit 11 for charging the rechargeable battery 12.
[0014] The universal cord 30 has a plug 31 at one end to insert in one of the sockets 15, and a connector 32 at the other end for selectably connecting various plugs 321 of different shapes and sizes to adapt to any electric appliances.
[0015] The jumper cables 40 respectively have a rather large diameter, having a socket 41 at one end to connect with the electrodes 18 and a pair of clamps 42 at the other end to pinch a terminal of a car battery so as to jump-start a car the its battery being dead.
[0016] When the storage cell of the invention is to be used for charging, the plug of the power cord 20 is inserted in the power hole 14 of the cell body 10, and the socket 21 is inserted in a socket of a utility line. In case the storage cell is to be used as a power for an electric appliance, the proper one of the sockets 15 of the same voltage as that of the appliance is selected, and the plug 31 of the universal cord 30 is inserted in that socket 15, with the connector 32 of the same cord 30 connected with the proper one of the plugs 321 and inserted. in a power hole of the appliance. If the storage cell is to be used for jumpstarting a car, the sockets 41 are connected with the electrodes 18 of the storage cell 10, with the clamps 42 pinching the terminals of the car battery. Then the electrodes 18 may produce instant large current to jumpstart the car.
[0017] Next, FIG. 3 shows a second embodiment of the storage cell of the invention, having almost the same structure of the first embodiment except a plug 21′ of a car cigarette lighter instead of the socket 21, for carrying out charging.
[0018] The storage cell according to the invention has the following advantages.
[0019] 1. It has plural sockets 15 for supplying power of different voltages, and the universal cord 30 has plural different plugs 31 permitting it applicable to various electric appliances.
[0020] 2. The plural sockets 15 together with more than one universal cord 30 can permit it usable as temporary power sources for more than two kinds of electric appliances at the same time.
[0021] 3. It has a pair of electrodes 18 so it can be used for jumpstarting a car in conjunction with the car cord, in case of the car battery being dead.」(公開公報1頁右欄~2頁左欄)
(当審訳:「好ましい実施形態の詳細な説明
[0011]本発明のストレージセルの好ましい実施形態は、図1に示すように、セル本体10、電源コード20、ユニバーサルコード30、及びジャンパケーブル40を主要要素として含む。
[0012]セル本体10は、矩形であり、その内部に配置された制御回路11と、その内部に固定され、制御回路11に接続された充電式電池12と、充電式電池12と直列に接続された充電式電池12の放電時の大電流を生成するための大容量のコンデンサ13と、外側面に固定された電源挿入孔14と、制御回路11に接続された異なる電圧の直流電流を供給するためのソケット15とを有している。本実施形態のソケット15は、それぞれ12V、9V、6V、3Vとし、マーキングのための表示灯16が付けられている。セル本体は更に、外側表面に形成された凹部17と、凹部17に配置された一対の電極18、2つの電極18との間に配置された電極18同士を短絡することから守る分離壁171を有している。一対の電極18は、大電流の直流電流を供給するため制御回路11に接続されている。さらに、セル本体10の外面に設けて、充電式電池12と直列に接続されている電源スイッチ19が設けられている。このようにして、電源スイッチがオフされた場合、充電式電池12は、その電力を可能な限り維持するよう通電を漏らすことがない。
[0013]電源コード20は、一端が電源に接続する電源プラグ21を有し、電源プラグ21は、市場で入手可能な共通の変換プラグを有し、もう一端が、セル本体10の挿入孔14に挿入され得て、充電式電池12を充電するための電流が制御回路11に流れる。
[0014]ユニバーサルコード30の一端部は、ソケット15の一つに挿入するためにプラグ31を有し、他端部は、異なる形状及びサイズの様々なプラグ321を任意の電気機器に選択的に接続する対応するコネクタ32を有している。
[0015]ジャンパケーブル40は、より大きな直径を有し、電極18に接続するためのソケット41を有し、他端には、バッテリ切れの車をジャンプスタートさせるために、自動車バッテリの端子を挟む、一対のクランプ42を有する。
[0016]本発明のストレージセルは、充電のために使用する場合には、電源コード20のプラグは、セル本体10の挿入孔14に挿入され、ソケット21は、ユーティリティラインのソケットに挿入される。ストレージセルが、電気機器の電源として使用される場合、機器と同じ電圧のソケット15の適切な1つが選択され、ユニバーサルコード30のプラグ31はソケット15に挿入され、プラグ321の適切な1つが接続された同じコード30のコネクタ32に挿入され、電気機器の電源孔に挿入される。ストレージセルが自動車のジャンプスタートに使われるのであれば、ソケット41はセル本体10の電極18に接続され、自動車のバッテリの端子を挟持するクランプ42に接続される。そして、電極18は、車両をジャンプスタートするために瞬間大電流を流してもよい。
[0017]次に、図3は、本発明のストレージセルの第2の実施の形態を示している。充電を行うためのソケット21が自動車のシガレットライターのプラグ21’になっている点を除いて、第1実施形態と同様の構成を有している。
[0018]本発明によれば、ストレージセルは、以下の利点を有する。
[0019]1.異なる電圧の電力を供給するための複数のソケット15を有しており、このユニバーサルコード30は、各種電子機器に適用可能な異なる複数のプラグ31を有している。
[0020]2.複数のソケット15と、1以上のユニバーサルコード30と共に、電気機器の2種類以上の一時的な電源として使用可能である。
[0021]3.自動車用コードと組み合わせて、自動車のバッテリ切れの場合に自動車のジャンプスタートが可能なように、一対の電極18を有している。」)
「FIG.1
[図:0001401066000001.jpg]
」
「FIG.2
[図:0001401066000002.jpg]
」
ここで、FIG.2(特に、その左下の充電式電池12の周辺の部分的な拡大図を参照。)より、充電式電池12は、両端に、正極側の電極端子(A)と、負極側の電極端子(B)を備えているのが見てとれる。
イ 引用発明
以上の記載より、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。なお、説明の便宜のため、引用発明を分説に分けて、1A~1Kの符号を付した。
(引用発明)
「1A ストレージセルは、セル本体10、電源コード20、及びジャンパケーブル40を主要要素とし、([0011]、FIG.1)
1B セル本体10は、その内部に配置された制御回路11と、その内部に固定され、制御回路11に接続された充電式電池12と、充電式電池12と直列に接続された充電式電池12の放電時の大電流を生成するための大容量のコンデンサ13と、外側面に固定された電源挿入孔14と、を有し、([0012])
1C セル本体は更に、外側表面に形成された凹部17と、凹部17に配置された一対の電極18、2つの電極18との間に配置された電極18同士を短絡することから守る分離壁171を有し、([0012])
1D 一対の電極18は、大電流の直流電流を供給するため制御回路11に接続され、セル本体10の外面に設けて、充電式電池12と直列に接続されている電源スイッチ19が設けられ、電源スイッチがオフされた場合、充電式電池12は、その電力を可能な限り維持するよう通電を漏らすことがなく、([0012]、FIG.2)
1E 電源コード20は、一端が電源に接続する電源プラグ21を有し、電源プラグ21は、市場で入手可能な共通の変換プラグを有し、もう一端が、セル本体10の挿入孔14に挿入され得て、充電式電池12を充電するための電流が制御回路11に流れ、([0013])
1F ジャンパケーブル40は、より大きな直径を有し、電極18に接続するためのソケット41を有し、他端には、バッテリ切れの自動車をジャンプスタートさせるために、自動車バッテリの端子を挟む、一対のクランプ42を有し、([0015])
1G ストレージセルは、充電のために使用する場合には、電源コード20のプラグは、セル本体10の挿入孔14に挿入され、ソケット21は、ユーティリティラインのソケットに挿入され、([0016])
1H ストレージセルが自動車のジャンプスタートに使われるのであれば、ソケット41はセル本体10の電極18に接続され、自動車のバッテリの端子を挟持するクランプ42に接続され、電極18は、車両をジャンプスタートするために瞬間大電流を流し、([0016])
1I 自動車用コードと組み合わせて、自動車のバッテリ切れの場合に自動車のジャンプスタートが可能なように、一対の電極18を有し、([0021])
1J 充電式電池12は、両端に、正極側の電極端子(A)と、負極側の電極端子(B)を備える、(FIG.2)
1K ストレージセル。」
ウ 引用文献2
原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった米国特許第6206714号明細書(2001年3月27日登録、以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。
「The present invention relates generally to electrical connectors, and has to do particularly with single-pole connectors intended for high current applications.
BACKGROUND OF THE INVENTION
High current capacity single-pole electrical connectors have tended to be difficult to assemble and cumbersome in use, particularly where connecting and disconnecting must be frequently accomplished.
Currently available on the market is a widely used, high-power, single-pole connector plug and receptacle connector set identified as the Cam-Lok.RTM., E-Series. This connector set has been in use for over fifty years and is sold by the Crouse-Hinds Division of Cooper Industries. The receptacle is used with a mating straight plug. Both the receptacle and the plug of the Cam-Lok.RTM., E-Series connector set are rubber sheathed for purposes of environmental sealing, electrical insulation for operator safety, and to provide a good gripping surface for manual connection and disconnection. The Cam-Lok.RTM., E-Series receptacle includes a non-conductive, plate-like mounting base which appears square in plan view, a non-conductive, substantially cylindrical sleeve extending integrally from the mounting base, and a conductive contact pin positioned coaxially within the sleeve and usually having a threaded shank extending out of the unit on the side opposite the sleeve. Openings are provided adjacent the corners of the mounting base, to allow passage of fasteners such as bolts, rivets, etc. for fastening the receptacle to a mounting surface.」(第1欄4行目~同32行目)
(当審訳:本発明は、一般に電気コネクタに関するものであり、特に、高電流用途のために意図された単極コネクタに関するものである。
発明の背景
高電流容量の単極電気コネクタは、特に、繋いだり、外したりが頻繁に行われなければならない場所において組み立てが困難であり、使用するのが面倒である。
市場で現在入手可能な高出力、単極プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタセットは、Cam-Lok(登録商標)Eシリーズとして広く知られている。このコネクタセットは、50年以上にわたって使用されており、Cooper IndustriesのCrouse-Hinds Divisionによって販売されている。レセプタクルは適合するストレイトプラグと共に使用される。Cam-Lok(登録商標)Eシリーズコネクタセットのレセプタクルおよびプラグは両方とも、対環境封止性、オペレータの安全のための電気的絶縁、手動接続および切断のための良好なグリップを提供する目的のためにゴムで覆われている。Cam-Lok(登録商標)Eシリーズレセプタクルは、平面視で正方形となる非導電性のプレート状の取付基部と、取付基部から一体的に延在する非導電性の、実質的に円筒状のスリーブと、スリーブ内に同軸に位置決めされ、通常はスリーブに対向する側から延びる覆われた軸部を有する導電性コンタクトピンを含む。この開口部は、取付部の角部に隣接して設けられ、レセプタクルを取り付け面に固定するためのボルト、リベット等のような固定具の通過を可能にする。)
「FIG.1
[図:0001401066000003.jpg]
」
エ 引用文献5
原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-46857号公報(平成28年4月4日公開、以下「引用文献5」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。
「【0022】
図1は本実施の形態にかかる受電システムの全体を概念的に示す。同図において、この施設の受電システムは、電力会社Aが供給する商用電力の(例えば、AC6600V)を、この商用電力を利用する施設Dに設置されたキュービクル式受変電盤(以下、キュービクルと略称する)BでAC100VまたはAC200Vに降圧し、この降圧した商用電力を電力負荷Cに供給するという基本構成を有する。特に、本実施形態の受電システムでは、外部電力供給用接続盤EをキュービクルBおよび電力負荷Cを設置する前記施設D付近、例えば施設Dの外壁等に設置している。
【0023】
電力会社Aは、図2に示すように、3相3線式でAC6600Vの高電圧を気中開閉器11を通して施設D内の前記キュービクルBに供給している。キュービクルBでは気中開閉器11からの高電圧のAC電力を、真空遮断器12を介して2系統のトランス13、14に分岐供給している。これらのトランス13、14のうち、トランス13は単相3線式で1次側のAC6600VをAC100Vの低電圧に変換して2次側(低圧側)に出力し、トランス14は3相3線式で1次側のAC6600VをAC200Vの低電圧に変換して2次側(低圧側)に出力する。周知のように、AC100Vは一般家庭の電灯負荷等に利用され、AC200Vはモータなどの動力負荷に利用される。
【0024】
トランス13の2次側(低圧側)には、商用電力および電源車からの外部電力のうちいずれかを電力負荷に選択的に供給する供給電力機構である供給電力選択スイッチS1の固定接点bおよび可動接触子aと、複数の配線用遮断器15~18とを順次介して、電力負荷Cの一部である、施設Dの1階および2階に設置された電灯19、20、コンピュータ21および事務室22内の各種事務機等が接続されている。一方、トランス14の2次側(低圧側)には、商用電力および電源車からの外部電力のうちいずれかを電力負荷に選択的に供給する供給電力機構である供給電力選択スイッチS2の固定接点bおよび可動接触子aと、複数の配線用遮断器23~26とを順次介して、電力負荷Cの一部であるエレベータ27、厨房28の冷蔵庫等、融雪器29およびボイラー30が接続されている。ここでは前述の電力負荷Cとして電灯19、20、コンピュータ21、エレベータ27、融雪器29、ボイラー30などを例示したが、医療施設、公共施設などの施設の種類に応じた各種の電力負荷とすることは任意である。また、上記供給電力スイッチは図2に記載するように複数の電力負荷に共通するものでなくてもよく、各電力負荷の配線用遮断器の位置に設けてもよい。なお、前記供給電力機構としては、前記供給電力供給スイッチに限らず、商用電力と電源車からの外部電力を同時に供給させないものであればよく、例えば、インタロック回路や、シーケンス制御によってよい。
【0025】
また、外部電力供給用接続盤Eは、図1に示すように施設Dの外壁などに設置されるが、通常は図2に示すように、AC100V用に規格化された外部接続盤E1と、AC200V用に規格化された外部接続盤E2の2種類が前記施設Dの外壁に設置される。これらの外部接続盤E1、E2のうち、外部接続盤E1は開閉器34を有し、この開閉器34は施設D内の電灯19、20、コンピュータ21および事務室22内の事務機器等に、外部電力供給用配電線31、供給電力選択スイッチS1の固定接点cおよび前記配線用遮断器15~18を介して接続されている。また、外部接続盤E2は開閉器35を有し、この開閉器35は施設D内のエレベータ27、厨房28における冷蔵庫等、融雪器29およびボイラー30に、外部電力供給用配電線32、供給電力選択スイッチS2の固定接点cおよび配線用遮断器23~26を介して接続されている。
【0026】
前記電力負荷Cのうち前記電灯20、コンピュータ21および厨房28における冷蔵庫等は、有事に発生した商用電源のダウン時等においても、特にこの施設Dにおいて電力の確保を必要とするものである。このため、後述の電源車F1、F2の電力容量の限度内で、つまり電力容量の大きさに応じて、例えば、この電力容量が小さい場合には、電灯19および事務室22、エレベータ27、融雪器29、ボイラー30への電力供給を遮断して、電灯20、コンピュータ21と厨房28への電源を長時間確実に確保するように、配線用遮断器15、18、23、25、26を開放(オフ)操作する。一方、その電源車F1の電力容量が十分に大きい場合には、電灯19および事務室22の事務機やエレベータ27、融雪器29、ボイラー30に対する電力供給を可能にすべく、配線用遮断器15、18、23、25、26を配線用遮断器16、17、24とともに閉止(オン)状態に維持する。
【0027】
電源車Fは、要請があれば、何時でも何処へでも出走して、前述のようなAC電力を必要とする医療施設や公共施設等の電力負荷Cに、接続ケーブル33を通じて供給するものである。図2では2台の電源車F1、F2がそれぞれ接続ケーブル33a、33bを用いて外部電力供給用接続盤E1、E2にAC100VおよびAC200Vの電力を供給する場合を示している。また、外部電力供給用接続盤E1、E2は各電源車F1、F2から供給されるAC電力を供給電力選択スイッチS1、S2を介して施設D内の電灯20、コンピュータ21、厨房28の冷蔵庫等に供給する際に、手動または自動で閉じられる遮断器34、35を有する。なお、接続ケーブルとしては、50mや100m等の長さで切れ目のない一体物のケーブルを使用してもよいが、5m、10m、20mといったケーブルをいわゆるカムロックコネクタ(オスプラグとメスプラグを嵌合させる)を用いて接続するのが望ましい。具体的には、オスプラグを一端に、メスプラグを他端にそれぞれ備えたケーブルを複数本用意し、接続しょうとする一方のケーブルのオスプラグを他方のケーブルのメスプラグに嵌合することにより、ケーブルの全長を必要とする長さに調整することができる。また一つ一つのケーブルの長さが短く軽量なので運搬も容易でき、ケーブルの敷設・撤去も作業員が一名でスムーズに行うことができる。
【0028】
またカムロックコネクタを使用すれば、ケーブルを任意の箇所で切り離しができるので、一体物のケーブルに比べ、施設の施錠等に有利である。
【0029】
また、接続ケーブルとしては、一般的な電線よりもやわらかい(例えば、多芯タイプのケーブル)を使用するのが望ましい。これにより、ケーブルを窓やドアを通さなければならない場合も容易に敷設を行うことができる。」
オ 引用文献6
原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった米国特許第7348510号明細書(2008年3月25日登録、以下「引用文献6」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。
「It is desirable to restore power as quickly as possible in response to a power outage. Accordingly, the electrical connectors of the safety switch are preferably structured to facilitate for the relatively quick and easy connection of the generator cables. To meet this need, prior proposals have employed quick-connect type electrical connectors such as, for example and without limitation, Cam-Lock○R(当審注:“○R”は、○の中にRがあることを示す。以下同様。) and Posi-Lok○Rconnectors. Cam-Lock○Rand Posi-Lok○Rconnectors are available, for example, from Crouse-Hinds Molded Products of LaGrange, N.C. However, known safety switch designs have positioned such quick-connect connectors in an exposed (e.g., outside the safety switch enclosure) or readily accessible position. This presents a serious safety concern. It is, therefore, desirable to provide a safety switch having improved safety features.」
(当審訳:停電に応答して、できるだけ迅速に電力を回復させることが望ましい。したがって、安全スイッチの電気コネクタは発電機のケーブルの比較的迅速かつ容易な、連結を容易にするように構成されることが好ましい。この要求を満たすために、従来の提案は、例えば、Cam Lock○R(当審注:“○R”は、○の中にRがあることを示す。以下同様。)およびPosi-Lok○Rコネクタに限定されることのない迅速接続タイプの電気コネクタを採用してきた。カムロック○RおよびPosi-Lok○Rコネクタは、例えば、安全なスイッチの設計で知られたLaGrange,N.C.のCrouse-Hinds Molded Productsで用意されており、このような迅速接続コネクタをむき出し(例えば、安全スイッチ筐体の外側)または容易にアクセス可能な位置に配置されている。これは、深刻な安全性の懸念を提示する。そのため、改良された安全機能を有する安全スイッチを提供することが望ましい。)
カ 周知技術1
以上ウ~オより、「電力を搬送するケーブルを接続するためにカムロックコネクタを用いること」は周知の技術(以下、「周知技術1」という。)である。
キ 引用文献7
当審で新たに引用する、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開平8-285897号公報(平成8年11月1日公開、以下「引用文献7」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。
「【0014】
【実施例】以下、添付図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
【0015】図1はこの発明に係るコイル構造体を示す正面図であり、図2はその側面図、図3はその組み付けを示す説明斜視図である。
【0016】コイル構造体10は3本のブスバー部材12a,12b,12c(前記した「複数の部材」)と、コア14とからなる。尚、図示例ではコイル構造体10は電流検知器として構成され、前記コア14はホール素子などと共に電流検知器本体16の一部をなしている。
【0017】より具体的には、コイル構造体10において第1のブスバー部材12aの一端と第2のブスバー部材12bの一端とはボルト18およびナット20により接合され、第2のブスバー部材12bの他端は第3のブスバー部材12cの一端とボルト18およびナット20により接合される。尚、ここでブスバー12bのブスバー12cと接合される側の立設部位は、コア14の環状部に貫設される。」
「【図1】
[図:0001401066000004.jpg]
」
ク 引用文献8
当審で新たに引用する、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-56118号公報(平成24年3月22日公開、以下「引用文献8」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。
「【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔バスバーモジュール〕
図1は、本実施形態のバスバーモジュールの構成を概略的に示す斜視図である。
本実施形態に係るバスバーモジュール10は、図1に示すように、第1バスバー11と、第1バスバー11と所定間隔離間して対向配置させた第2バスバー12と、第1バスバー11と第2バスバーとの間、第1バスバー11と第2バスバー12との側面、及び第1バスバー11と第2バスバー12との外側表面の端部に形成された絶縁性樹脂13と、を備える。
バスバーモジュール10は、各種産業機器の電源周りの大電流の供給に使用可能なモジュールであり、電気部品間の配線として、低インダクタンスの電気配線部材を必要とする場合に用いるものである。
【0021】
バスバーモジュール10は、平板状の第1バスバー11と平板状の第2バスバー12とを備えている。第1バスバー11と第2バスバー12とは、電気配線部材であり、その材質は、例えば銅やアルミニウム等の金属導体である。第1バスバー11と第2バスバー12とは、例えばプラスの電気配線部材及びマイナスの電気配線部材として使用される。
【0022】
バスバーモジュール10は、第1バスバー11と第2バスバー12との間、及びその外層の周縁部は絶縁性樹脂13にてモールド成形されている。
第1バスバー11と第2バスバー12との外側表面の幅方向の一部(本実施形態では、中央部)には、バスバーモジュール10のほぼ全長に亘って絶縁性樹脂13を形成していない部分があり、バスバーの外側表面を露出させた構造としている。そしてこのバスバーを露出させた部分で、絶縁性樹脂13のモールド成形中に、第1バスバー11と第2バスバー12とを機械的に拘束する。」
「【図1】
[図:0001401066000005.jpg]
」
ケ 引用文献9
当審で新たに引用する、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開平10-312839号公報(平成10年11月24日公開、以下「引用文献9」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車用電気接続箱等における大電流用バスバーの立体配索部位に用いて好適な中間端子付可撓バスバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気自動車用等の電気接続箱に用いる大電流用バスバーは、導電容量を大きく確保するため断面積の大きい金属材からなり、剛性が高い。このような電気接続箱において、多回路を分配して且つ外部へ接続されるバスバーは、複数箇所で屈曲されて立体配索される。
【0003】図7は電気接続箱における従来のバスバーを示す側面図である。電気接続箱1を貫通して立体配索されるバスバー群3は、一体形状では電気接続箱1を通せないため、一端をヒューズ5に接続したフラットバスバー7と、このフラットバスバー7及び電気接続箱1内のバスバー8を接続するZ形バスバー9と、電気接続箱1の外部へ突出したフラットバスバー7の他端及び不図示の外部給電側を接続するZ形バスバー11とをそれぞれ分割して構成してある。それぞれの接続部は、ボルト13、ナット15により螺着される。なお、図中、16はゴム材等からなる絶縁グロメット、17はヒューズホルダーである。このように、従来のバスバーは、立体配索されるバスバー群3を複数に分割することにより、多回路への分配を行い且つ電気接続箱外部への接続を可能としていた。」
「【図7】
[図:0001401066000006.jpg]
」
コ 周知技術2
以上キ~ケより、「電力を通すための配線として金属の部材を組み合わせたバスバーを用いること」は周知の技術(以下、「周知技術2」という。)である。
(3)対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)<a>「使い尽くされたないしは放電したバッテリを充電するための充電式ジャンプスタート装置であって、」について
引用発明の「ストレージセル」(分説1K)は、「自動車用コードと組み合わせて、自動車のバッテリ切れの場合に自動車のジャンプスタートが可能なように、一対の電極18を有して」(分説1I)おり、当該「一対の電極18」は、「ソケット41」、「ジャンパケーブル40」、「クランプ42」を介して「自動車バッテリ」の一対の「端子」につながる(分説1F)ことから、「バッテリを充電するための」電極であることは明らかである。よって、引用発明の「ストレージセル」は、自動車のバッテリが使い尽くされたないし放電したことによって、「バッテリ切れ」(分説1F)を起こした場合に、バッテリを充電して、自動車のジャンプスタートを行うものであるといえる。したがって、引用発明の当該「ストレージセル」は、本件補正発明の「使い尽くされたないしは放電したバッテリを充電するための充電式ジャンプスタート装置」に相当する。
(イ)<b1>「正極端子および負極端子を有する1つ又は複数の充電式バッテリ」について
引用発明の「正極側の電極端子(A)」及び「負極側の電極端子(B)」(分説1J)は、それぞれ本件補正発明の「正極端子」及び「負極端子」に相当する、
引用発明の「ストレージセル」の「セル本体10」(分説1A)は、「その内部に配置された制御回路11と、その内部に固定された制御回路11に接続された充電式電池12と、充電式電池12と直列に接続された充電式電池12の放電時の大電流を生成するための大容量のコンデンサ13と、外側面に固定された電源挿入孔14と、を有し」(分説1B)、「充電式電池12」は、「両端に、正極側の電極端子(A)と、負極側の電極端子(B)を備え」(分説1J)ているから、引用発明の「充電式電池12」(分説1J)は、本件補正発明の「正極端子および負極端子を有する1つ又は複数の充電式バッテリ」に相当する。
(ウ)<b2>「前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記正極端子に接続された正極導電性剛性フレームおよび前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記負極端子に接続された負極導電性剛性フレームを含む導電性剛性フレーム」について
引用発明において「充電式電池12」が有する正極側の電極端子(A)と、負極側の電極端子(B)には、それぞれ正極用の配線と、負極用の配線が、制御回路11による充電式電池12の放電を行うために接続されていることは明らかであるから、引用発明の当該正極用の配線及び負極用の配線と、本件補正発明の「前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記正極端子に接続された正極導電性剛性フレームおよび前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記負極端子に接続された負極導電性剛性フレームを含む導電性剛性フレーム」とは、「前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記正極端子に接続された正極導電性配線および前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記負極端子に接続された負極導電性配線を含む導電性配線」という点で共通する。
(エ)<b1>及び<b2>についてまとめ
前記(イ)及び前記(ウ)を踏まえると、引用発明の「ストレージセル」において、「充電式電池12」と「正極用の配線及び負極用の配線」とを含む構成と、本件補正発明の「充電式ジャンプスタート装置」において、「正極端子および負極端子を有する1つ又は複数の充電式バッテリと、前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記正極端子に接続された正極導電性剛性フレームおよび前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記負極端子に接続された負極導電性剛性フレームを含む導電性剛性フレームと、を含」む構成とは、「正極端子および負極端子を有する1つ又は複数の充電式バッテリと、前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記正極端子に接続された正極導電性配線および前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記負極端子に接続された負極導電性配線を含む導電性配線と、を含」む点で共通する。
(オ)<c>「前記導電性剛性フレームは、複数の導電性剛性フレーム部材を互いに接続して作られ、」について
引用発明には、本件補正発明の「前記導電性剛性フレームは、複数の導電性剛性フレーム部材を互いに接続して作られ」る構成について、特定されていない。
(カ)<d1>「前記正極導電性剛性フレームに対して電気的に接続された正極導電性カムロックケーブル接続デバイス」と、<d2>「前記負極導電性剛性フレームに対して電気的に接続された負極導電性カムロックケーブル接続デバイス」について
前記(ウ)で示したように、引用発明の「ストレージセル」は、「充電式電池12」に蓄えられている電力を出力するために「正極」および「負極」の配線を有し、これらは電気的に、「セル本体10」の「一対の電極18」に接続されることは明らかであり、また、「バッテリ切れの車をジャンプスタートさせる」ために、「正極」および「負極」のそれぞれの「電極」につながる「ジャンパケーブル40」は、「より大きな直径を有し、電極18に接続するためのソケット41を有し、他端には、バッテリ切れの自動車をジャンプスタートさせるために、自動車バッテリの端子を挟む、一対のクランプ42を有し」ていること、「ソケット41」は、「ジャンパケーブル40」を接続するための手段であるから、引用発明の前記「正極」及び「負極」の配線の接続先である「一対の電極18」につながる当該「ジャンパケーブル40」に備えられる「正極」及び「負極」それぞれの「ソケット41」と、本件補正発明の<d1>「前記正極導電性剛性フレームに対して電気的に接続された正極導電性カムロックケーブル接続デバイス」と、<d2>「前記負極導電性剛性フレームに対して電気的に接続された負極導電性カムロックケーブル接続デバイス」とは、「前記正極導電性配線に対して電気的に接続された正極導電性ケーブル接続デバイス」と、「前記負極導電性配線に対して電気的に接続された負極導電性ケーブル接続デバイス」である点で共通する。
(キ)「<d3>前記正極導電性カムロックケーブル接続デバイスに対して着脱可能に接続される正極バッテリケーブル」と、「<d4>前記負極導電性カムロックケーブル接続デバイスに対して着脱可能に接続される負極バッテリケーブル」について
引用発明の「ストレージセル」には、「正極」、「負極」それぞれの「電極18」に、それぞれ「正極」および「負極」の「ジャンパケーブル40」が接続され、「ジャンパケーブル40は、より大きな直径を有し、電極18に接続するためのソケット41を有し、他端には、バッテリ切れを自動車をジャンプスタートさせるために、自動車バッテリの「正極」および「負極」の端子を挟む、「正極」および「負極」の一対のクランプ42を有している(1F)ことからも明らかなように、自動車のバッテリに接続するためのものであるから、引用発明の当該「正極」及び「負極」の「一対の電極18」につながる「正極」および「負極」の「ジャンパケーブル40」は、それぞれ本件補正発明の「正極」及び「負極」の「バッテリケーブル」に相当する。
よって、引用発明の「正極」および「負極」の「ジャンパケーブル」と、本件補正発明の「前記正極導電性カムロックケーブル接続デバイスに対して着脱可能に接続される正極バッテリケーブル」と、「前記負極導電性カムロックケーブル接続デバイスに対して着脱可能に接続される負極バッテリケーブル」は、それぞれ、「前記正極導電性ケーブル接続デバイスに対して接続される正極バッテリケーブル」と、「前記負極導電性ケーブル接続デバイスに対して接続される負極バッテリケーブル」で共通する。
(ク)「<d5>前記正極バッテリケーブルに対して電気的に接続された正極バッテリクランプ」と、
<d6>前記負極バッテリケーブルに対して電気的に接続された負極バッテリクランプ」について
引用発明の「正極」側の「クランプ42」と「負極」側の「クランプ42」は、「自動車のバッテリの端子を挟持する」ものであり、「正極」側と、「負極」側の「ジャンパケーブル40」を介して、「正極」と「負極」の「電極18」に対して「正極」側と「負極」側の「ソケット41」を介してそれぞれ接続されるものである(分説1F)から、引用発明の「正極」側の「クランプ42」と「負極」側の「クランプ42」は、それぞれ、本件補正発明の「正極バッテリクランプ」と「負極バッテリクランプ」に相当する。
したがって、引用発明の「正極」側の「ジャンパケーブル40」と接続する「正極」側の「クランプ42」及び「負極」側の「ジャンパケーブル40」と接続する「負極」側の「クランプ42」は、それぞれ、本件補正発明の「前記正極バッテリケーブルに対して電気的に接続された正極バッテリクランプ」及び「前記負極バッテリケーブルに対して電気的に接続された負極バッテリクランプ」に相当する。
(ケ)<d>、<d1>~<d6>について、(カ)~(ク)の検討を踏まえると、「ストレージセル」が、「正極」と「負極」それぞれの「ソケット41」と「ジャンパケーブル40」と「クランプ42」とを含む引用発明と、本件補正発明とは、
「<d>前記充電式ジャンプスタート装置はまた、
<d1>前記正極導電性配線に対して電気的に接続された正極導電性ケーブル接続デバイスと、
<d2> 前記負極導電性配線に対して電気的に接続された負極導電性ケーブル接続デバイスと、
<d3> 前記正極導電性ケーブル接続デバイスに対して接続される正極バッテリケーブルと、
<d4> 前記負極導電性ケーブル接続デバイスに対して接続される負極バッテリケーブルと、
<d5> 前記正極バッテリケーブルに対して電気的に接続された正極バッテリクランプと、
<d6> 前記負極バッテリケーブルに対して電気的に接続された負極バッテリクランプと、を含」む点で共通する。
(コ)「<e>前記使い尽くされたないしは放電したバッテリを前記充電式ジャンプスタート装置で充電するとき、前記導電性剛性フレームが前記充電式バッテリおよび前記使い尽くされたないしは放電したバッテリに回路内で接続される、」について
上記(ア)~(エ)の検討を踏まえると、引用発明の「バッテリー切れの自動車をジャンプスタートさせるため」(分説1F)、「ストレージセル」が「自動車のジャンプスタートに使われるのであれば、ソケット41はセル本体10の電極18に接続され、自動車のバッテリの端子を挟持するクランプ42に接続され、電極18は、車両をジャンプスタートするために瞬間大電流を流」(分説1H)すために、「電極18」と「充電式電池12」を前出の「配線」で接続する構成と、本件補正発明の「<e>前記使い尽くされたないしは放電したバッテリを前記充電式ジャンプスタート装置で充電するとき、前記導電性剛性フレームが前記充電式バッテリおよび前記使い尽くされたないしは放電したバッテリに回路内で接続される」構成とは、「前記使い尽くされたないしは放電したバッテリを前記充電式ジャンプスタート装置で充電するとき、前記導電性配線が前記充電式バッテリおよび前記使い尽くされたないしは放電したバッテリに回路内で接続される」点で共通する。
(サ)<f>について
(ア)で示したとおり、引用発明の「ストレージセル」は、本件補正発明の「充電式ジャンプスタート装置」に相当する。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「使い尽くされたないしは放電したバッテリを充電するための充電式ジャンプスタート装置であって、
正極端子および負極端子を有する1つ又は複数の充電式バッテリと、
前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記正極端子に接続された正極導電性配線および前記1つ又は複数の充電式バッテリの前記負極端子に接続された負極導電性配線を含む導電性配線と、
を含み、
前記充電式ジャンプスタート装置はまた、
前記正極導電性配線に対して電気的に接続された正極導電性ケーブル接続デバイスと、
前記負極導電性配線に対して電気的に接続された負極導電性ケーブル接続デバイスと、
前記正極導電性ケーブル接続デバイスに対して接続される正極バッテリケーブルと、
前記負極導電性ケーブル接続デバイスに対して接続される負極バッテリケーブルと、
前記正極バッテリケーブルに対して電気的に接続された正極バッテリクランプと、
前記負極バッテリケーブルに対して電気的に接続された負極バッテリクランプと、を含み、
前記使い尽くされたないしは放電したバッテリを前記充電式ジャンプスタート装置で充電するとき、前記導電性配線が前記充電式バッテリおよび前記使い尽くされたないしは放電したバッテリに回路内で接続される、
充電式ジャンプスタート装置。」
(相違点1)
「正極」と「負極」の「導電性配線」が、本件補正発明では、「導電性剛性フレーム」であり、さらに、「前記導電性剛性フレームは、複数の導電性剛性フレーム部材を互いに接続して作られ」たものであるのに対して、引用発明では、「導電性剛性フレーム部材を互いに接続して作られた」、「導電性剛性フレーム」という特定はされていない点。
(相違点2)
「正極」と「負極」の「導電性ケーブル接続デバイス」が、いずれも、本件補正発明では、「カムロック」による接続を利用した「導電性カムロックケーブル接続デバイス」であるのに対して、引用発明では、「ジャンパケーブル40」の「ソケット41」に接続される「電極18」が、「カムロック」による接続を利用しているとの特定がされていない点。
(相違点3)
「前記正極導電性ケーブル接続デバイスに対して接続される正極バッテリケーブル」と、「前記負極導電性ケーブル接続デバイスに対して接続される負極バッテリケーブル」について、それぞれの「接続」が、本件補正発明では、「着脱可能」であるのに対して、引用発明では、「電極18」に対して接続される「ソケット41」を有する「ジャンパケーブル40」が「電極18」に対して「着脱可能」であるとの特定がされていない点。
(4)判断
上記相違点について検討する。
ア 相違点1について
上記(2)コに示したように、「電力を通すための配線として金属の部材を組み合わせたバスバーを用いること」は周知の技術(周知技術2)である。
したがって、引用発明の「ストレージセル」の内部に存在する「導電性の配線」に上記周知技術2を適用して、「導電性剛性フレーム」で構成し、「複数の導電性剛性フレーム部材を互いに接続して」作ることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2、相違点3について
上記(2)カに示したように、「電力を搬送するケーブルを接続するためにカムロックコネクタを用いること」は周知の技術(周知技術1)である。そして、「カムロック」が着脱可能であることは技術常識である。
したがって、引用発明の「導電性」の「ケーブル接続デバイス」である「ジャンパケーブル40」の「ソケット41」と、「セル本体10」の「電極18」の接続に、当該周知技術である「カムロック」を採用し、「正極」と「負極」の「導電性ケーブル接続デバイス」を、「カムロック」による接続を利用した「導電性カムロックケーブル接続デバイス」とし、引用発明の「ジャンパケーブル40」の「ソケット41」が「電極18」(分説F)に対して「着脱可能」とすることは、当業者が容易になし得たことである。
ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明並びに周知技術1及び2の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
エ したがって、本件補正発明は、引用発明並びに周知技術1及び2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 小括
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年3月23日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年8月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし21に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概略
原査定の請求項1についての拒絶理由のうちの理由1は、次のとおりのものである。
理由1 この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1、2、5及び6に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.米国特許出願公開第2005/0040788号明細書
2.米国特許第6206714号明細書(周知技術を示す文献)
5.特開2016-46857号公報(周知技術を示す文献)
6.米国特許第7348510号明細書(周知技術を示す文献)
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、2、5、6及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「充電式バッテリ」について付加した「1つ又は複数の」との限定、また、「導電性剛性フレーム」について付加した、「複数の導電性剛性フレーム部材を互いに接続して作られ」るとの限定、さらに、「正極バッテリケーブル」に対する「正極バッテリクランプ」及び「負極バッテリケーブル」に対する「負極バッテリクランプ」のそれぞれの「接続」について付加した、「電気的に接続された」との限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(4)エに記載したとおり、引用発明(引用文献1に記載された発明)及び周知技術1(例えば、引用文献2、引用文献5、引用文献6)および周知技術2(引用文献7、引用文献8、引用文献9)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術1および周知技術2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。なお、原査定においては、「剛性フレーム」に関する具体的な文献を示していないものの、当該「剛性フレーム」については「第2の[理由]2の(2)コ」に示した(引用文献7、引用文献8、引用文献9)ように周知の技術である。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-004329