特許拒絶査定不服審判
2023-006703
空調ユニット、および空調システム
- 審判番号
- 2023-006703
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-080597外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年04月24日
- 審決日
- 2024年01月09日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ダイキン工業株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人前田特許事務所
- 分類
- P18 .113-Z (H02J) / P18 .121-Z (H02J) / P18 .575-Z (H02J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022- 80597「空調ユニット、および空調システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年12月 6日出願公開、特開2022-180314〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年5月17日(優先権主張 令和3年5月24日)の出願であって、令和4年7月14日付けの拒絶理由の通知に対し、令和4年9月26日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、令和5年1月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対して令和5年4月24日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、令和5年9月4日に上申書が提出されたものである。
以下では、令和5年1月20日付け拒絶査定を「原査定」といい、同年4月24日の手続補正を「本件補正」という。
第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
(1)本件補正後の請求項2の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項2の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所を示す。)。
【請求項2】
対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、
前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、
該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)と、
前記機器(R)と所定の情報を送受信する通信部(61)とを備え、
無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得し、
前記通信部(61)は、前記室内空調機(40)に設けられ、かつ、複数の前記室内空調機(40)と液連絡配管(12)及びガス連絡配管(13)により接続される室外空調機(20)を介して、前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)、または空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システムとの間で、前記所定の情報を送受信する
空調ユニット。
(2)本件補正前の請求項2の記載
本件補正前の、令和4年9月26日の手続補正による特許請求の範囲の請求項2の記載は次のとおりである。
【請求項2】
対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、
前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、
該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)と、
前記機器(R)と所定の情報を送受信する通信部(61)とを備え、
無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得し、
前記通信部(61)は、室外空調機(20)、前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)、または空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システムとの間で、前記所定の情報を送受信する
空調ユニット。
2 本件補正の目的についての判断
本件補正は、本件補正前の請求項2について、以下の(1)~(3)の限定をする補正であると認められる。
(1)「通信部(61)」を、「前記室内空調機(40)に設けられ」たものに限定する。
(2)「通信部(61)」が「室外空調機(20)」、「空調制御コントローラ(C4)」または「空気調和装置(10)」との間で行う「前記所定の情報」の「送受信」を、「室外空調機(20)を介して」、「空調制御コントローラ(C4)」または「空気調和装置(10)」との間で行うものに限定する。
(3)「室外空調機(20)」を、「複数の前記室内空調機(40)と液連絡配管(12)及びガス連絡配管(13)により接続される」ものに限定する。
そして、本件補正後の請求項2に記載された発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が、本件補正前の請求項2に記載された発明のものと異なるとはいえない。
したがって、本件補正による請求項2についての補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とするものに該当する。
3 独立特許要件についての判断
前記2のとおり、本件補正による請求項2についての補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当するから、本件補正後の請求項2に記載された事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、前記1(1)に記載した本件補正後の請求項2に記載された事項により特定されるとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1の記載事項及び引用発明
(ア)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、国際公開第2021/002007号(令和3年1月7日国際公開。以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。なお、下線は強調のために当審で付したものである(以下、同じ。)。
「[0012](実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係るセンサシステム1の全体構成の一例を示す模式図である。このセンサシステム1は、例えば、オフィスビル,商業ビル等に導入され、センサ機器30にて収集した情報を用いて、設備機器20を制御するシステムである。
[0013] 図示するように、センサシステム1は、管理装置10と、複数の設備機器20と、センサ機器30とを備える。なお、図1では、センサ機器30を1つだけ示しているが、一例であり、複数のセンサ機器30をセンサシステム1が備えていてもよい。その場合、例えば、それぞれのセンサ機器30には、固有のデバイスアドレスが割り当てられており、識別可能となっている。
[0014] 管理装置10と設備機器20とは、専用ネットワーク90を介して、通信可能に接続されている。また、設備機器20とセンサ機器30とは、例えば、センサシステム1が導入されたビルにおける同一のフロア内に設置され、無線通信にて通信可能に接続されている。
[0015] また、後述するように、要件を満たす設備機器20は、センサ機器30に対して、無線による給電を行うことができるようになっている。そして、センサ機器30は、そのような設備機器20から給電を受け、給電された電力を二次電池に蓄電して動作可能となっている。なお、センサ機器30は、一次電池も備えており、二次電池及び一次電池の何れかを電源として動作可能となっている。具体的にセンサ機器30は、通常、二次電池を電源として動作しており、二次電池の蓄電量が低下すると、電源を一次電池に切り替え、継続して動作可能となっている。
[0016] 管理装置10は、例えば、サーバ,パーソナルコンピュータ等であり、センサシステム1全体を制御する。管理装置10は、センサ機器30が計測したセンサ情報、及び、設備機器20の状態情報等を収集し、収集したそれらの情報を活用して設備機器20を制御する。また、管理装置10は、センサ機器30における二次電池の蓄電量が低下すると、要件を満たす設備機器20に対して、センサ機器30への給電を指令する。
[0017] 設備機器20は、例えば、空調機、照明等であり、管理装置10によって制御される。また、設備機器20は、無線通信にてセンサ機器30と通信し、センサ機器30から送られるセンサ情報を受信する。そして、設備機器20は、受信したセンサ情報、及び、設備機器20の状態情報等を、専用ネットワーク90を通じて管理装置10に送信する。また、管理装置10から給電を指令された設備機器20は、センサ機器30へ無線による給電を行う。
[0018] センサ機器30は、例えば、温度センサ,湿度センサ,CO2センサ,人感センサ等であり、計測した物理量を示す電気信号から変換したセンサ情報を、無線通信にて設備機器20へ送信する。また、センサ機器30は、一次電池と二次電池とを備えており、通常、二次電池を電源として動作するものの、二次電池の蓄電量が低下すると、電源を一次電池に切り替える。」
「[0028] 次に、設備機器20の詳細について、図4を参照して説明する。図4は、設備機器20の構成の一例を示すブロック図である。図示するように、設備機器20は、電源部21と、設備通信部22と、計測部23と、駆動部24と、制御部25と、無線給電手段の一例である無線給電部26と、無線通信部27とを備える。
[0029] 電源部21は、例えば、商用交流電源から、設備機器20を動作させるために必要な直流電源を生成する。
[0030] 設備通信部22は、専用ネットワーク90を介して、管理装置10及び他の設備機器20と通信を行うための通信インタフェースである。例えば、設備通信部22は、管理装置10から送られる制御コマンドを受信する。また、設備通信部22は、センサ機器30のセンサ情報、及び、設備機器20の状態情報等を、管理装置10へ送信する。この他にも、設備通信部22は、後述する無線通信部27が算出した位置情報を管理装置10へ送信する。
[0031] 計測部23は、設備機器20に設けられた内蔵センサであり、例えば、設備機器20の動作状況を示す値を計測する。
[0032] 駆動部24は、例えば、アクチュエータ,モータ等であり、制御部25に制御され、設備機器20の主機能を動作させる。
[0033] 制御部25は、例えば、CPU,ROM,RAM等を備えた演算装置であり、設備機器20全体を制御する。制御部25は、管理装置10から送られる制御コマンドに応じて、駆動部24及び無線給電部26等を制御する。また、制御部25は、無線通信部27を制御して、センサ機器30から送られるセンサ情報を取得する。また、制御部25は、計測部23が計測した値、及び、駆動部24の制御結果等から、設備機器20の状態情報を生成する。そして、制御部25は、このようなセンサ情報及び状態情報等を、設備通信部22を通じて、管理装置10へ送信する。
[0034] 無線給電部26は、センサ機器30に給電するための電力を無線出力する回路である。無線給電部26は、制御部25からの制御により、ON/OFF制御され、予め規定された周波数の電波を出力し、若しくは、停止する。なお、無線給電部26を省略して、以下の無線通信部27を無線給電手段として用いてもよい。
[0035] 無線通信部27は、例えば、Bluetooth(登録商標),WiFi,Zigbee等の無線通信規格に準拠した無線通信を行うための通信インタフェースである。無線通信部27は、センサ機器30から送られるセンサ情報を受信する。また、無線通信部27は、設備機器20とセンサ機器30との相対的な位置情報を計測する。例えば、無線通信部27は、配置間隔,配置位置,配置方向等とが規定された複数のアンテナを備えており、センサ機器30との通信時に各アンテナにて計測された電波強度を用いて、設備機器20を基準としたセンサ機器30の相対的な距離,方向等の位置情報を算出する。」
「[図1]
[図:0001407634000001.jpg]
」
「[図4]
[図:0001407634000002.jpg]
」
(イ)引用発明
引用文献1の[0017]によれば、実施形態1の「設備機器20」は、「例えば、空調機、照明等であ」るから、「設備機器20」が、特に「空調機」である場合の実施形態1に注目すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、後の参照の便宜のため、引用発明をa~mに分説し、「分説a」のようにして参照する。
a センサシステム1は、管理装置10と、複数の設備機器20と、センサ機器30とを備え、([0013])
b 管理装置10と設備機器20とは、専用ネットワーク90を介して、通信可能に接続され、設備機器20とセンサ機器30とは、センサシステム1が導入されたビルにおける同一のフロア内に設置され、無線通信にて通信可能に接続され、([0014])
c 要件を満たす設備機器20は、センサ機器30に対して、無線による給電を行うことができ、センサ機器30は、そのような設備機器20から給電を受け、給電された電力を二次電池に蓄電して動作可能となっており、([0015])
d 管理装置10は、センサ機器30が計測したセンサ情報、及び、設備機器20の状態情報等を収集し、収集したそれらの情報を活用して設備機器20を制御し、また、センサ機器30における二次電池の蓄電量が低下すると、要件を満たす設備機器20に対して、センサ機器30への給電を指令し、([0016])
e センサ機器30は、温度センサ等であり、計測した物理量を示す電気信号から変換したセンサ情報を、無線通信にて設備機器20へ送信し、([0018])
f 設備機器20は、空調機であり、([0017])
g 設備機器20は、電源部21と、設備通信部22と、計測部23と、駆動部24と、制御部25と、無線給電部26と、無線通信部27とを備え、([0028])
h 電源部21は、商用交流電源から、設備機器20を動作させるために必要な直流電源を生成し、([0029])
i 設備通信部22は、専用ネットワーク90を介して、管理装置10及び他の設備機器20と通信を行うための通信インタフェースであり、管理装置10から送られる制御コマンドを受信し、また、センサ機器30のセンサ情報、及び、設備機器20の状態情報等を、管理装置10へ送信し、この他にも、無線通信部27が算出した位置情報を管理装置10へ送信し、([0030])
j 制御部25は、管理装置10から送られる制御コマンドに応じて、駆動部24及び無線給電部26等を制御し、また、無線通信部27を制御して、センサ機器30から送られるセンサ情報を取得し、また、計測部23が計測した値、及び、駆動部24の制御結果等から、設備機器20の状態情報を生成し、このようなセンサ情報及び状態情報等を、設備通信部22を通じて、管理装置10へ送信し、([0033])
k 無線給電部26は、センサ機器30に給電するための電力を無線出力する回路であり、制御部25からの制御により、ON/OFF制御され、予め規定された周波数の電波を出力し、若しくは、停止し、([0034])
l 無線通信部27は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信規格に準拠した無線通信を行うための通信インタフェースであり、センサ機器30から送られるセンサ情報を受信し、また、無線通信部27は、設備機器20とセンサ機器30との相対的な位置情報を計測する([0035])
m センサシステム1の設備機器20。
イ 周知文献1の記載事項
周知技術を示すために当審で新たに引用する国際公開第2017/195371号(以下「周知文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「[0010]実施の形態1.
(施設管理システムの構成の概要)
本実施の形態1における施設管理システムの構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における施設管理システムの一構成例を示す図である。本実施の形態1における施設管理システムは、室外機10および室内機11a、11bを含む空気調和機と、空気調和機を制御する管理装置2とを有する。管理装置2は、例えば、サーバ装置およびワークステーションを含む情報処理装置である。」
「[0013] 管理装置2は通信線21を介して室外機10と接続される。室外機10は通信線22を介して室内機11a、11bと接続される。室内機11aはリモートコントローラ12aと通信線23aを介して接続されている。室内機11bはリモートコントローラ12bと通信線23bを介して接続されている。」
「[0022] 制御部18は、プログラムを記憶するメモリ152と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)151とを有する。メモリ152には、室内機11aが設置された会議室mr1の施設IDが予め格納されている。施設IDは施設毎に異なる識別子である。制御部18は、人感センサ13からオン信号を受信すると、無線通信部14を起動し、使用者ID要求信号を無線通信部14に送信させる。制御部18は、使用者IDの情報を無線通信部14から受け取ると、人感センサ13からオン信号を受信した時刻を入室時刻として、入室時刻、使用者IDおよび施設IDを含む入室情報を室内機11aおよび室外機10を介して管理装置2に送信する。」
「[図1]
[図:0001407634000003.jpg]
」
(イ)「[0027](空気調和機に設けられた冷媒回路の構成)
図3は、本発明の実施の形態1における施設管理システムの空気調和機の一構成例を示す冷媒回路図である。室外機10は、容量可変の圧縮機110と、熱交換能力の異なる熱源側熱交換器111、112と、電子制御弁113~118とを有する。図に示していないが、室外機10には、熱源側熱交換器111、112に外気を送るファンが設けられている。」
「[0029] 空気調和機には、室内機11a、11bと室外機10との間で冷媒を循環させるための配管が設けられている。配管は、圧縮機110から吐出される高圧の冷媒を送るための吐出管141と、熱交換後の低圧の冷媒を圧縮機110に送るための吸込管142と、液化した冷媒を送るための液管143とを有する。吐出管141は、図3に示すように、圧縮機110の吐出口側で2つに分岐している。分岐した2つの吐出管141のうち、一方の吐出管141は電子制御弁114、117と接続されている。分岐した2つの吐出管141のうち、他方の吐出管141は、室内機11a、11b側に伸び、電子制御弁123a、123bと接続されている。」
「[図3]
[図:0001407634000004.jpg]
」
ウ 周知文献2の記載事項
周知技術を示すために当審で新たに引用する国際公開第2012/172595号(以下「周知文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。
[0013]実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る空調管理装置の構成を示すブロック図である。
図1において、空調管理装置100は、複数の室内機30(以下、空調機ともいう)およびこれに対応する室外機20の動作を統合的に制御するものである。
この空調管理装置100は、複数の室外機20に専用通信線またはLANで接続されている。空調管理装置100と各室外機20の間は、信号交換が可能となっている。
また、各室外機20は、空調機として複数の室内機30と、専用通信線またはLANで接続されている。空調管理装置100と各室内機30との間は、室外機20を介して、信号交換が可能となっている。
空調管理装置100は、少なくとも、各室内機30および各室外機20の運転開始および停止を制御する信号を、各室内機30および各室外機20に送信することが可能である。
また、各室内機30および各室外機20は、それぞれ自身の運転状態を空調管理装置100に送信することが可能である。」
「[図1]
[図:0001407634000005.jpg]
」
エ 周知文献3の記載事項
周知技術を示すために当審で新たに引用する特開2005-201509号公報(以下「周知文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0055】
本実施形態においてオフィスビルに設置されているアンビエント空調装置群(A1,・・・)(図5参照)は、複数のマルチ型の空気調和機であって、それぞれが空調管理装置10によって監視・制御される。それぞれの空気調和機では、1つの室外機と複数の室内機とが1つの冷媒系統を形成している。
図1に示す室外機62と室内機71とは、図5に示すように、アンビエント空調装置A1に備えられている。室外機62と室内機71とは、通信線80で接続されている。室外機62は、主として送受信部62aとアンビエント制御部62bとを備える。室内機71は、主として送受信部71f、運転状態取得部71g、空間配置取得部71h及びアンビエント環境提供部71eを備える。空間配置取得部71hは、受光器51に接続されている。
【0056】
空間配置取得部71hは、タスク空調装置群(T1,・・・)(図6参照)の室内機群20(20a,・・・)(図1参照)の空間的な配置の情報を、受光器51から受け取り、送受信部71fへ渡す。送受信部71fは、タスク空調装置群(T1,・・・)(図6参照)の室内機群20(20a,・・・)(図1参照)の空間的な配置の情報を、通信線80経由で室外機62へ送信する。室外機62の送受信部62aは、タスク空調装置群(T1,・・・)(図6参照)の室内機群20(20a,・・・)(図1参照)の空間的な配置の情報を、通信線80経由で室内機71から受信し、通信線80経由で空調管理装置10へ転送する。」
「【図1】
[図:0001407634000006.jpg]
」
(3)引用発明との対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 「対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、」について
引用発明の「設備機器20」は、「空調機」(分説f)であって、ビルの「フロア内に設置され」(分説b)るものであるから、本件補正発明の「室内空調機(40)」に相当し、上記「フロア内」は、上記「設備機器20」が空調を行う対象といえるから、本件補正発明の「対象空間(S)」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、「対象空間(S)を空調する室内空調機(40)」を備える点で一致する。
イ 「前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、」について
引用発明の「設備機器20」が備える「電源部21」(分説g)は、「商用交流電源から、設備機器20を動作させるために必要な直流電源を生成」(分説h)するものであり、また、「設備機器20」は、「電源部21」で生成した「直流電源」を「設備機器20」の「駆動部24」等の各部(分説g)に供給するための回路を当然に有すると認められるから、該「電源部21」及び該回路は、本件補正発明の「電源供給ライン(SL)」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)」を備える点で一致する。
ウ 「該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)と、」について
引用発明の「センサ機器30」は、「設備機器20」と「同一のフロア内に設置され」(分説b)るものであるから、本件補正発明の「該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)」に相当する。
また、引用発明の「設備機器20」が備える「無線給電部26」(分説g)は、「電力を無線出力する回路」(分説k)であり、無線給電をする装置といえるから、本件補正発明の「無線給電装置」に相当する。
そして、引用発明の「無線給電部26」は、「センサ機器30に給電する」(分説k)するから、本件補正発明と引用発明とは、「該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)」を備える点で一致する。
エ 「前記機器(R)と所定の情報を送受信する通信部(61)とを備え、」について
引用発明の「設備機器20」が備える「設備通信部22」と「無線通信部27」(分説g)は、それぞれ、「管理装置10及び他の設備機器20と通信を行うための通信インタフェース」(分説i)、「無線通信を行うための通信インタフェース」(分説l)であり、「設備機器20」が通信を行うための通信部を構成しているといえる。このうち、上記「無線通信部27」は、「センサ機器30から送られるセンサ情報を受信」(分説l)するものであって、該「センサ情報」を所定の情報と呼ぶことは任意であるから、本件補正発明と引用発明とは、「前記機器(R)から所定の情報を受信する通信部」を備える点で共通する。
オ 「無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得し、」について
前記イのとおり、引用発明の「電源部21」は、「商用交流電源から、設備機器20を動作させるために必要な直流電源を生成」(分説h)するものであり、「設備機器20」に備えられた「無線給電部26」も、該「電源部21」により生成される「直流電源」の電力によって動作するものと認められる。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、「無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得」する点で一致する。
カ 「前記通信部(61)は、前記室内空調機(40)に設けられ、」について
前記エのとおり、「無線通信部27」及び「設備通信部22」は、「設備機器20」に備えられたものであるから、本件補正発明と引用発明とは、「前記通信部(61)は、前記室内空調機(40)に設けられ」ている点で一致する。
キ 「かつ、複数の前記室内空調機(40)と液連絡配管(12)及びガス連絡配管(13)により接続される室外空調機(20)を介して、前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)、または空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システムとの間で、前記所定の情報を送受信する」について
(ア)本件補正発明の「前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)、または空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システムとの間で、前記所定の情報を送受信する」なる構成は、「前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)」との間で「前記所定の情報を送受信する」構成と、「空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システム」との間で「前記所定の情報を送受信する」構成を択一的な選択肢として構成している。そのため、本件補正発明には、「前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)」のみとの間で「前記所定の情報を送受信する」構成が含まれる。
そうしてみると、引用発明の「管理装置10」は、「設備機器20を制御」(分説d)するものであって、該「制御」は、前記アのとおり「設備機器20」が「空調機」であるため空調の制御と解されるから、本件補正発明の「前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)」とは、「空調制御コントローラ」である点で共通する。
また、引用発明の「設備機器20」の「設備通信部22」は、「センサ機器30のセンサ情報」等を「管理装置10へ送信し」(分説i)、また、「管理装置10から送られる制御コマンドを受信」(分説i)するものであって、該「センサ情報」及び「制御コマンド」を所定の情報と呼ぶことは任意である。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記通信部」が「空調制御コントローラ」との間で「前記所定の情報を送受信する」点で共通する。
(イ)他方、本件補正発明の「所定の情報」の「送受信」は「室外空調機(20)を介して」行うものであるのに対し、引用発明では、前記(ア)の送受信が室外空調機を介して行うものであることは特定されていない。
(ウ)また、本件補正発明では、「複数の前記室内空調機(40)」が、「液連絡配管(12)及びガス連絡配管(13)」により「室外空調機(20)」に接続される構成であるのに対し、引用発明では、「複数の設備機器10」(分説a)がそのような構成であることは特定されていない。これに付随して、引用発明では、「管理装置10」の「制御」の対象が、上記のように接続された「前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)」であることは特定されていない。
ク 「空調ユニット」について
引用発明の「設備機器20」は、「空調機」本来の構成と「無線給電部26」、「無線通信部27」とが一体になったユニットといえるから、後述の相違点を除いて、本件補正発明の「空調ユニット」に相当する。
ケ 前記ア~クによれば、本件補正発明と引用発明とは、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、
前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、
該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)と、
前記機器(R)から所定の情報を受信する通信部とを備え、
無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得し、
前記通信部は、前記室内空調機(40)に設けられ、かつ、空調制御コントローラとの間で、前記所定の情報を送受信する
空調ユニット。
(相違点1)
本件補正発明の「通信部(61)」は、「所定の情報」を「機器(R)」と「送受信」するのに対し、引用発明の「無線通信部27」は、「センサ情報」を「センサ機器30」から「受信」するものの、「センサ機器30」に何らかの情報を送信するのかは明らかでない点。
(相違点2)
「通信部」と「空調制御コントローラ」との間の「所定の情報」の「送受信」について、本件補正発明は、「室外空調機(20)」を介するのに対して、引用発明は、室外空調機を介して行うことは特定されていない点。
(相違点3)
本件補正発明は、「複数の前記室内空調機(40)」が「液連絡配管(12)及びガス連絡配管(13)」により「室外空調機(20)」と接続される構成であるのに対し、引用発明は、「複数の設備機器20」がそのような構成であることは特定されていない点。これに付随して、引用発明では、「管理装置10」の「制御」の対象が、「室外空調機(20)」と「室内空調機(40)」が上記のように接続された「前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)」であることは特定されていない点。
(4)判断
ア 相違点1について
引用発明の「無線通信部27」は、「Bluetooth(登録商標)等の無線通信規格に準拠した無線通信を行う」(分説l)ものであって、Bluetooth通信が双方向通信であることは技術常識であるから、「無線通信部27」は、例えば「センサ情報」に対する応答等の何らかの情報を「センサ機器(30)」に送信していると解するのが合理的である。
してみると、相違点1は、実質的な相違点ではない。また、仮に、相違点1が実質的な相違点であるとしても、引用発明を、「無線通信部27」から「センサ機器(30)」に何らかの情報を送信する構成にすることは、当業者が適宜なし得た程度のことである。
イ 相違点2について
室内機と管理装置との間の通信を、室外機を介して行うことは、例えば、周知文献1(前記(2)イ(ア)参照)、周知文献2(前記(2)ウ参照)、周知文献3(前記(2)エ)にも示されるように周知の技術であり、室内機と室外機とで空気調和装置を構成することは一般的であることに鑑みれば、引用発明に上記周知技術を適用し、室内機に相当する引用発明の「設備機器20」と「管理装置10」との通信を室外機を介したものとすること、すなわち、本件補正発明の相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
ウ 相違点3について
複数の室内機と室外機とをガス管と液管とで接続して構成した空気調和装置は、例えば、周知文献1(前記(2)イ(イ)参照)にも示されるように周知のものであり、引用発明の複数の「設備機器20」を、ガス管と液管とで室外機と接続した上記周知の空気調和装置の構成にすることは、引用発明を具体化するにあたり当業者が適宜採用し得たものといえる。また、引用発明の「管理装置10」の制御の対象を、上記のように接続された空気調和装置とすることも、当業者が容易になし得たことである。
したがって、本件補正発明の相違点3に係る構成は、引用発明及び周知文献1に示される周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。
エ 効果について
相違点1~3を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
オ 小括
したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知文献1~3に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)請求人の主張について
ア 審判請求書の主張について
(ア)請求人は、審判請求書において、引用文献1の設備機器20の一例としての空調機がどのような構成を有しているか記載されておらず、専用ネットワーク90と空調機との接続関係が不明であり、図1を参照すると、設備機器20は各室内に設置される室内空調機であり、専用ネットワーク90は、各室内空調機に接続されていると推測されるから、引用文献1に基づいて本願発明のように室外空調機(20)と空調制御コントローラ(C4)または管理システムとの間を接続するという構成を相当することは容易に想到し得ない、と主張する。(審判請求書3~4頁)
(イ)上記主張は、相違点2についてのものと解されるところ、前記(4)イのとおり、相違点2に係る本件補正発明の構成は、引用発明及び周知技術(周知文献1~3参照)に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、請求人の上記主張は採用することができない。
イ 上申書の主張について
(ア)請求人は、令和5年9月4日に提出した上申書において、本願発明は、(i)1つの室外空調機を介して空調制御コントローラまたは管理システムとの間で通信を行うように構成されているため、例え室内空調機を増設しても通信部を直接空調制御コントローラまたは管理システムに接続する必要がなく、簡便に通信部と空調制御コントローラまたは管理システムとを通信させることができる、(ii)本願発明は、通信部と通信するのは空調制御コントローラまたは管理システムで、特に、管理システムは空調制御のみならず建物のエネルギー等を管理するものであり、引用文献4-6(当審注:前記(2)の周知文献1、3、2)に係る発明は、空調機に係る技術分野の発明であり、引用文献4-6には、室外空調機と建物全体のネットワークを管理する管理システムとを通信線で接続するという発想がないため、仮に引用文献1と引用文献4-6とを組み合わせても本願発明にはならない、と主張する。(上申書2頁)
(イ)しかしながら、上記(i)の効果の主張について、前記(4)エのとおり、本件補正発明の効果は、引用発明及び周知文献1~3に示される周知技術から、当業者が容易に予測し得るものであって、格別なものではないから、採用することができない。
また、上記(ii)の主張について、前記(3)キに示したとおり、本件補正発明は、空調制御コントローラ(C4)のみとの間で所定の情報を送受信し、建物のエネルギーを管理する管理システムとの間では上記送受信をしない構成を含むものである。したがって、本件補正発明が、上記管理システムとの間で所定の情報を送受信するものであることを前提とする上記(ii)の主張も、採用することはできない。
(6)独立特許要件についてのまとめ
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明及び周知文献1~3に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するものである。
4 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するものであり、同法159条1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和5年4月24日にされた手続補正は、前記のとおり却下されたので、本願の請求項1~28に係る発明は、令和4年9月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~28に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2の[理由]1(2)に記載した請求項2に記載された事項により特定されるとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は、
(新規性)この出願の請求項2、3、7に係る発明は、本願の優先日前に頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、
(進歩性)この出願の請求項2-5、7、14-25に係る発明は、本願の優先日前に頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、
というものであり、請求項2に対して引用文献1(国際公開第2021/002007号)が引用されている。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2の[理由]3(2)アに記載したとおりである。
4 対比・判断
(1)対比
本願発明は、前記第2の[理由]3で検討した本件補正発明から、前記第2の[理由]2に示した(1)~(3)の限定事項を削除したものである。
また、本願発明の「室外空調機(20)、前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)、または空気調和装置(10)が設けられる建物のエネルギーを管理する管理システムとの間で、前記所定の情報を送受信する」との構成は、「前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)を制御する空調制御コントローラ(C4)」のみとの間で「前記所定の情報を送受信する」構成を含む。
上記を踏まえると、第2の[理由]3(3)ケで示した本件補正発明と引用発明との相違点1~3のうち、相違点2は、前記第2の[理由]2(2)に示した限定事項に係るものであるから、本願発明と引用発明との相違点にはならない。
また、相違点3は、前記第2の[理由]2(3)の「室外空調機(40)」の限定事項に係るものであるから、本願発明と引用発明とは、「空調制御コントローラ」の制御の対象が、本願発明は、「前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)」であるのに対し、引用発明は、「設備機器20」である点で相違するといえる。
したがって、本願発明と引用発明とは、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
対象空間(S)を空調する室内空調機(40)と、
前記室内空調機(40)に電力を供給する電源供給ライン(SL)と、
該対象空間(S)に配置される所定の機器(R)に給電する無線給電装置(70)と、
前記機器(R)から所定の情報を受信する通信部とを備え、
無線給電装置(70)は、前記電源供給ライン(SL)から電力を取得し、
前記通信部は、空調制御コントローラとの間で、前記所定の情報を送受信する
空調ユニット。
(相違点1)
本件補正発明の「通信部(61)」は、「所定の情報」を「機器(R)」と「送受信」するのに対し、引用発明の「無線通信部27」は、「センサ情報」を「センサ機器30」から「受信」するものの、「センサ機器30」に何らかの情報を送信するのかは明らかでない点。
(相違点3’)
「空調制御コントローラ」の制御の対象が、本願発明は、「前記室外空調機(20)および前記室内空調機(40)を有する空気調和装置(10)」であるのに対し、引用発明は、「設備機器20」である点。
(2)判断
相違点1は、前記第2の[理由]3(4)アのとおり、実質的な相違点ではなく、仮に、実質的な相違点であるとしても、引用発明において当業者が適宜なし得たことである。
また、相違点3’について、室内機と室外機とで空気調和装置を構成することは一般的なことであり、室内機に相当する引用発明の「設備機器20」も、室外機とともに空気調和装置を構成していると解し得る。
そうすると、相違点3’も、実質的な相違点であるとはいえず、仮に、実質的な相違点であるとしても、引用発明の「設備機器20」を、上記のような空気調和装置を構成するものとすることは、当業者が適宜なし得た程度のことである。
したがって、本願発明は、引用発明と同一であり、また、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明であり、特許法29条1項3号に該当するものであるから、特許を受けることができない。
また、本願発明は、引用文献1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-006703