特許拒絶査定不服審判
2022-004199
無線通信システムにおけるチャネル状態情報を報告するための方法、及びこのための装置
- 審判番号
- 2022-004199
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-239880外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月22日
- 審決日
- 2023年02月20日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 分類
- P18 .121-WY (H04L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第50条の2、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-239880「無線通信システムにおけるチャネル状態情報を報告するための方法、及びこのための装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 5月14日出願公開、特開2020- 74542、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)7月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2015年7月10日(US)アメリカ合衆国 2016年5月30日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2018-500509号の一部を令和元年12月27日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。
令和2年 1月22日 :手続補正書の提出
令和3年 3月 4日付け:拒絶理由通知書(特許法第50条の2の
通知を伴う拒絶理由通知)
令和3年 7月 1日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年11月30日付け:令和3年7月1日の手続補正についての
補正の却下の決定、拒絶査定(原査定)
令和4年 3月22日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和3年11月30日付けの補正の却下の決定及び原査定の概要
1.令和3年11月30日付けの補正の却下の決定の概要は以下のとおりである。
令和3年7月1日付けの補正は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであるが、当該補正後の本願請求項1に係る発明は、引用文献1~2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであり、独立特許要件を満たさないから、令和3年7月1日付けの補正は却下すべきものである。
引用文献等一覧
1.特開2015-070335号公報
2.国際公開第2014/052806号
2.原査定(令和3年11月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1~14に係る発明は、上記引用文献1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 本願発明
本願請求項1~10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明10」という。)は、令和4年3月22日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定される発明であり、そのうち、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
端末(UE)が無線通信システムにおけるチャネル状態情報基準信号(Channel State Information Reference Signal:CSI―RS)を受信するための方法であって、
基地局から無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して複数のCSI-RS資源のナンバリングに関連するCSI-RS資源設定情報を受信するステップと、
前記CSI-RS資源設定情報は第1のCSI-RS設定情報と少なくとも一つの第2のCSI-RS設定情報を含み、
前記CSI-RS資源設定情報に基づいて前記複数のCSI-RS資源のための数を決定するステップとを含み、
前記複数のCSI-RS資源は、8以上のアンテナポートを利用して前記CSI-RSのためのアンテナポートの総数を取得するために併合され、
前記複数のCSI-RS資源の中の特定のCSI-RS資源は前記第1のCSI-RS設定情報に設定された値に対応し、前記複数のCSI-RS資源の中の前記特定のCSI-RS資源以外の少なくとも一つのCSI-RS資源は前記第2のCSI-RS設定情報に設定された値に対応し、
前記特定のCSI-RS資源は、前記複数のCSI-RS資源の中の最も低い数に関連したCSI-RS資源であり、
前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である、方法。」
なお、本願発明2~10の概要は以下のとおりである。
本願発明2~5は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明6は、本願発明1に対応する端末の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明7~10は、本願発明6を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、基地局、移動局、参照信号送信方法及びチャネル品質測定方法に関する。」
「【0031】
本発明の実施例では、このような点を考慮して、以下のいずれかの手法により、拡張されたアンテナポート数に対応可能なCSI-RSの構成を実現する。」
「【0034】
(3)3GPP標準のリリース10で規定されているCSI-RSのマッピングをサブフレーム単位又はリソースブロック単位で切り替える手法
例えば、アンテナポート数が16の場合、基準となるマッピングとして、8アンテナポートのCSI-RSのマッピング(図1(C)参照)を使用する。アンテナポート番号0~15は、アンテナポート番号0~7と、アンテナポート番号8~15に分割される。基準となるアンテナポート番号0~7のCSI-RSのマッピングを、サブフレーム又はリソースブロックによってアンテナポート番号0~7のCSI-RS又はアンテナポート番号8~15のCSI-RSに使用することにより、拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングを生成する。アンテナポートのグループがどのようにサブフレーム又はリソースブロックに割り当てられるかは、システム上で定義されてもよい。基地局は、生成されたマッピングを示す情報を移動局に通知する。また、基地局は、生成されたマッピングに従って、CSI-RSをリソースブロックに多重する。
【0035】
それぞれの手法について、図面を参照して以下に詳細に説明する。」
「【0075】
(3)3GPP標準のリリース10で規定されているCSI-RSのマッピングをサブフレーム単位又はリソースブロック単位で切り替える手法
この手法においても、無線通信システムは図4と同様に構成される。ただし、拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSを確保するため、FD-MIMO局20のアンテナポートを基準となるアンテナポートの数に基づいて所定数のグループに分割する。そして、図1に示す基準となるアンテナポートについて規定されたCSI-RSのマッピングをサブフレーム又はリソースブロックによって異なるグループのCSI-RSに使用することにより、拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングを生成する。
【0076】
図9(A)は、アンテナポート数が8の場合のCSI-RSのマッピング例を示している。図3を参照して説明した通り、CSI-RSは、5、10、20、40又は80ミリ秒(サブフレーム)毎に送信される。図9(A)は、CSI-RSが5ミリ秒毎に送信される場合を示している。
【0077】
例えば、アンテナポート数が32の場合、基準となるアンテナポートの数を8とすると、アンテナポート番号0~7と、アンテナポート番号8~15と、アンテナポート番号16~23と、アンテナポート番号24~31とに分割できる。8アンテナポートのCSI-RSのマッピングを、4つのグループで交互に使用して4つのサブフレーム又は4つのリソースブロックで送信することにより、32アンテナポート分のCSI-RSが確保できる。アンテナポートのグループがどのようにサブフレーム又はリソースブロックに割り当てられるかは、システム上で定義されてもよい。例えば、32アンテナポートのCSI-RSは、図9(B)に示すように、8アンテナポートについて規定された送信間隔(例えば、5ミリ秒)にて、アンテナポート番号0~7、アンテナポート番号8~15、アンテナポート番号16~23、アンテナポート番号24~31の順に送信されてもよい。例えば、32アンテナポートのCSI-RSは、図9(C)に示すように、8アンテナポートについて規定された送信間隔(例えば、5ミリ秒)にて、アンテナポート番号0~7、アンテナポート番号8~15、アンテナポート番号16~23、アンテナポート番号24~31のCSI-RSを周波数単位で多重することにより送信されてもよい。例えば、図9(D)に示すように、8アンテナポートについて規定された送信間隔(例えば、5ミリ秒)にて、アンテナポート番号0~7のCSI-RSを送信し、同じ送信間隔で、アンテナポート番号8~15、アンテナポート番号16~23、アンテナポート番号24~31のCSI-RSを順に送信してもよい。図9(D)において、アンテナポート番号0~7、アンテナポート番号8~15、アンテナポート番号16~23、アンテナポート番号24~31のCSI-RSは連続したサブフレームに割り当てられているが、所定の間隔を空けたサブフレームに割り当てられてもよい。
【0078】
なお、図9には、周波数多重(FDM)及び時間多重(TDM)でCSI-RSをリソースブロックに多重しているが、符号分割多重(CDM)と組み合わせて多重してもよい。例えば、あるアンテナポートのCSI-RSが他のアンテナポートのCSI-RSと符号分割多重され、CSI-RSに確保されたリソースブロックに多重されてもよい。
【0079】
例えば、FD-MIMO局20のアンテナポート数が32の場合、アンテナポート数(32)と、基準となるアンテナポートの数(8)との関係から、拡張ファクタを32/8=4として定義することができる。FD-MIMO局20は、図2に示すテーブル(CSI-RS configuration)のインデックス(CSI reference signal configuration)に加えて拡張ファクタを移動局30に通知してもよい。拡張ファクタにより、移動局30は、基準となるアンテナポートのCSI-RSのマッピングが、サブフレーム又はリソースブロックによって異なるアンテナポートのグループに使用されることを認識できる。
【0080】
また、どのサブフレームがCSI-RSに使用されるかを示すために、図3に示すサブフレーム構成を移動局30に複数回通知してもよい。例えば、1回目に通知されたサブフレームが、アンテナポート番号0~7のCSI-RSに使用され、2回目に通知されたサブフレームが、アンテナポート番号8~15のCSI-RSに使用され、3回目に通知されたサブフレームが、アンテナポート番号16~23のCSI-RSに使用され、4回目に通知されたサブフレームが、アンテナポート番号24~31のCSI-RSに使用されるとしてもよい。或いは、基準となるアンテナポートのCSI-RSのマッピングについて図3に示すサブフレーム構成を移動局に通知し、基準となるアンテナポート番号0~7に対する、アンテナポート番号8~15、アンテナポート番号16~23、アンテナポート番号24~31の送信タイミング(オフセット)を移動局に通知してもよい。
【0081】
アンテナポートのCRI-RSが多重されるサブフレーム又はリソースブロックとアンテナポートとの関係は、明示的に移動局に通知されてもよく、予め決められた規則に従うものとしてもよい。例えば、確保されたサブフレーム又はリソースブロックの順に、アンテナポート番号0~7、8~15、16~23、24~31のCRI-RSが割り当てられてもよい。」
「【0084】
CSI-RSマッピング情報通知部205は、CSI-RSのマッピングを示す情報を移動局に通知する。例えば、基準となるアンテナポートの数が8の場合のCSI-RSのマッピングを図9(B)~図9(D)に示すように、4つのアンテナポートのグループで交互に使用して4つのサブフレーム又は4つのリソースブロックで送信する場合、CSI-RSマッピング情報通知部205は、基準となるアンテナポートのサブフレーム構成を示すインデックス(CSI reference signal configuration)と拡張ファクタとを移動局に通知してもよい。また、CSI-RSマッピング情報通知部205は、図3に示すテーブル(CSI-RS subframe configuration)のインデックス(CSI-RS-SubframeConfig)を複数回移動局に通知してもよい。或いは、CSI-RSマッピング情報通知部205は、基準となるアンテナポートのサブフレーム構成を示すインデックス(CSI-RS-SubframeConfig)と、基準となるアンテナポートのサブフレーム構成からの送信タイミング(オフセット)とを移動局に通知してもよい。」
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「拡張されたアンテナポート数に対応可能なCSI-RSの送信方法であって(【0001】、【0031】)、
基地局は、生成されたマッピングを示す情報を移動局に通知し(【0034】)、
拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSを確保するため、FD-MIMO局20のアンテナポートを基準となるアンテナポートの数に基づいて所定数のグループに分割し、基準となるアンテナポートについて規定されたCSI-RSのマッピングをサブフレーム又はリソースブロックによって異なるグループのCSI-RSに使用することにより、拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングを生成し(【0075】)、
アンテナポート数が32の場合、基準となるアンテナポートの数を8とすると、アンテナポート番号0~7と、アンテナポート番号8~15と、アンテナポート番号16~23と、アンテナポート番号24~31とに分割し、8アンテナポートのCSI-RSのマッピングを、4つのグループで交互に使用して4つのサブフレーム又は4つのリソースブロックで送信することにより、32アンテナポート分のCSI-RSが確保され(【0077】)、
アンテナポート数(32)と、基準となるアンテナポートの数(8)との関係から、拡張ファクタを32/8=4として定義し(【0079】)、
基準となるアンテナポートのサブフレーム構成を示すインデックス(CSI reference signal configuration)と拡張ファクタとを移動局に通知し(【0084】)、
拡張ファクタにより、移動局30は、基準となるアンテナポートのCSI-RSのマッピングが、サブフレーム又はリソースブロックによって異なるアンテナポートのグループに使用されることを認識できてもよく(【0079】)、
また、テーブルのインデックスを複数回移動局に通知してもよい(【0084】)、
通信方法。」
2.引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、当審訳は、引用文献2の国内公表である特表2015-536099号公報を参照した。
「[0130] The antenna configuration of NhxNv may be indicated to a WTRU. A WTRU may use blind detection to measure the number of antenna ports from a broadcasting channel or the reference signal which may be transmitted in a predefined subframe. The broadcasting channel may include a master information block (MIB) and/or a system information block (SIB) that may indicate the number of antenna ports. The SIB may be an SIB-x, where x may indicate a number associated with the SIB. For example, the SIB-x may be a number of SIBs from SIB-1 to SIB- 12. A WTRU may receive the antenna configuration information from the broadcasting channel. A WTRU may receive the antenna configuration information from higher layer signaling, such as the RRC layer signaling for example. A WTRU may detect the antenna configuration implicitly. The WTRU may implicitly detect the antenna configuration based on the configuration of the CSI-RS. A non-zero power CSI-RS configuration may include the antenna configuration.」
(当審訳:国内公表の【0183】を参照)
「【0183】
Nh×Nvのアンテナ構成は、WTRUに示されてもよい。WTRUは、予め定義されたサブフレームで送信されてもよいブロードキャストチャネルまたは基準信号からアンテナポートの数を測定するために、ブラインド検出(blind detection)を使用してもよい。ブロードキャストチャネルは、アンテナポートの数を示してもよいマスタ情報ブロック(MIB)および/またはシステム情報ブロック(SIB)を含んでもよい。SIBはSIB-xであってもよく、ここで、xはSIBに関連付けられた数を示してもよい。たとえば、SIB-xは、SIB-1からSIB-12のSIBの数であってもよい。WTRUは、ブロードキャストチャネルからアンテナ構成情報を受信してもよい。WTRUは、たとえばRRCレイヤシグナリングのような、より上位のレイヤのシグナリングから、アンテナ構成情報を受信してもよい。WTRUは、アンテナ構成を暗黙的に検出してもよい。WTRUは、CSI-RSの構成に基づいてアンテナ構成を暗黙的に検出してもよい。非ゼロ電力CSI-RS構成は、アンテナ構成を含んでもよい。」
「[0164] FIG. 14C is a diagram that depicts an example RB 1406 that includes a set of REs for a CSI-RS configuration for eight transmission antennas. Each of the REs having the same color/shade indicate REs for a particular CSI-RS configuration. The RB 1406 includes a configuration for 5 CSI-RS patterns in a subframe. If the number of antenna ports for a two- dimensional configuration is divisible by eight, the multiple eight-port CSI-RS patterns may be reused multiple times (e.g., once for each multiple of eight). The eight-port CSI-RS pattern may be reused irrespective of the total number of antenna ports. In FIG. 14C, the configurations from zero to (Nv x Nh/8)-l are aggregated in the 8Tx CSI-RS patterns. FIGs. 14A-14C illustrate a CSI-RS reuse pattern according to the configuration number and the number of antenna ports. The multiple CSI-RS reuse patterns may be configured by higher layer or broadcasted.」
(当審訳:国内公表の段落【0279】を参照)
「【0279】
図14Cは、8つの送信アンテナに対するCSI-RS構成に対するREのセットを含む例示的なRB1406を示す図である。同一の色/影付けを有するREのそれぞれは、特定のCSI-RS構成に対するREを示す。RB1406は、サブフレームにおける5個のCSI-RSパターンに対する構成を含む。2次 元アンテナ構成に対するアンテナポートの数が8で割り切れる場合、複数の8ポートCSI-RSパターンが、複数回(たとえば、8の倍数ごとに1回)再使用されてもよい。8ポートCSI-RSパターンは、アンテナポートの総数に関係なく再使用されてもよい。図14Cでは、0から(Nv×Nh/8)-1の構成が8Tx CSI-RSパターンで集約されてもよい。図14A~14Cは、構成数およびアンテナポートの数に応じたCSI-RS再使用パターンを示す。複数のCSI-RS再使用パターンは、より上位のレイヤまたはブロードキャストによって構成されてもよい。」
上記記載から、引用文献2には次の技術が記載されているものと認められる。
「送信アンテナに対するCSI-RS構成に対するREのセットを示すCSI-RS再利用パターンはRRCシグナリングによって構成される」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 「端末(UE)が無線通信システムにおけるチャネル状態情報基準信号(Channel State Information Reference Signal:CSI―RS)を受信するための方法」について
引用発明の「移動局」は、本願発明1の「端末(UE)」に相当する。
引用発明は、CSI-RSの送信方法であって、移動局に通知しているから、移動局が基地局から送信されたCSI-RSを受信していることは明らかである。
つまり、引用発明は「移動局がCSI-RSを受信するための方法」ともいえる。
イ 「基地局から無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して複数のCSI-RS資源のナンバリングに関連するCSI-RS資源設定情報を受信するステップと、」について
引用発明は、「基地局は、生成されたマッピングを示す情報を移動局に通知」するのであって、「テーブルのインデックスを複数回移動局に通知」しているから、移動局は基地局から「テーブルのインデックスを複数回」受信していることは明らかであり、「インデックス」は「CSI-RS資源のナンバリング」である。
引用発明において「インデックスを複数回」移動局に通知するから、移動局は「複数回のインデックスを受信」することが明らかであり、複数回のインデックスは、本願発明1の「CSI-RS資源設定情報」に相当する。
そうすると、引用発明の「基地局から」「テーブルのインデックスを複数回」受信することは、本願発明1の「基地局から無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して複数のCSI-RS資源のナンバリングに関連するCSI-RS資源設定情報を受信するステップ」と「基地局から複数のCSI-RS資源のナンバリングに関連するCSI-RS資源設定情報を受信するステップ」である点で共通する。
ウ 「前記CSI-RS資源設定情報は第1のCSI-RS設定情報と少なくとも一つの第2のCSI-RS設定情報を含み、」について
本願発明1の「第1のCSI-RS設定情報」「第2のCSI-RS設定情報」は、発明の詳細な説明を参照すれば、CSI-RS configuration numberであるから、引用発明の「インデックス」を含んでいる。
エ 「前記CSI-RS資源設定情報に基づいて前記複数のCSI-RS資源のための数を決定するステップとを含み、」について
引用発明は、32ポートが8ポートずつの4つに分割されたグループに対し、4つのサブフレーム又はリソースブロックで送信するにあたり、「テーブルのインデックスを複数回移動局に通知して」おり、テーブルのインデックスは「CSI-RS資源設定情報」であるといえる。
複数のインデックスの送信により結果として「32ポート」の「CSI-RS資源が設定され」ているから、「複数のインデックスに基づいて複数のCSI-RS資源のための数が決定され」ているといえる。
オ 「前記複数のCSI-RS資源は、8以上のアンテナポートを利用して前記CSI-RSのためのアンテナポートの総数を取得するために併合され、」について
引用発明は、「拡張されたアンテナポート数に対応」するためであって、アンテナポート数が32ポートの場合は、8アンテナポートのCSI-RSのマッピングを、4つのグループで交互に使用し、「4つのグループで交互に使用して4つのサブフレーム又は4つのリソースブロックで送信」している。
「アンテナポート数が32ポート」は「8以上のアンテナポート」であり、「8アンテナポートのCSI-RSのマッピング」は、「CSI-RS資源」である。
また、4つのグループを使用しているから、「併合」しているといえる。
つまり、引用発明は「前記複数のCSI-RS資源は、8以上のアンテナポートを利用して前記CSI-RSのためのアンテナポートの総数を取得するために併合され」ているといえる。
カ 「前記複数のCSI-RS資源の中の特定のCSI-RS資源は前記第1のCSI-RS設定情報に設定された値に対応し、前記複数のCSI-RS資源の中の前記特定のCSI-RS資源以外の少なくとも一つのCSI-RS資源は前記第2のCSI-RS設定情報に設定された値に対応し、」について
引用発明においては、「前記複数のCSI-RS資源の中の特定のCSI-RS資源は前記第1のCSI-RS設定情報に設定された値に対応し、前記複数のCSI-RS資源の中の前記特定のCSI-RS資源以外の少なくとも一つのCSI-RS資源は前記第2のCSI-RS設定情報に設定された値に対応」する点は特定されていない。
キ 「前記特定のCSI-RS資源は、前記複数のCSI-RS資源の中の最も低い数に関連したCSI-RS資源であり、」について
引用発明においては、「前記特定のCSI-RS資源は、前記複数のCSI-RS資源の中の最も低い数に関連したCSI-RS資源であ」る点は特定されていない。
ク 「前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である、」について
引用発明においては、「前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である、」点は特定されていない。
したがって、本願発明1と引用発明とは、
「端末(UE)が無線通信システムにおけるチャネル状態情報基準信号(Channel State Information Reference Signal:CSI―RS)を受信するための方法であって、
複数のCSI-RS資源のナンバリングに関連するCSI-RS資源設定情報を受信するステップと、
前記CSI-RS資源設定情報に基づいて前記複数のCSI-RS資源のための数を決定するステップとを含み、
前記複数のCSI-RS資源は、8以上のアンテナポートを利用して前記CSI-RSのためのアンテナポートの総数を取得するために併合される、方法。」
で一致し、下記の点で相違する。
相違点1
「複数のCSI-RS資源のナンバリングに関連するCSI-RS資源設定情報を受信する」にあたり、本願発明1は「無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して」受信するのに対し、引用発明ではそのような構成は特定されていない点。
相違点2
「複数のCSI-RS設定情報」について、本願発明1は「第1のCSI-RS設定情報と第2のCSI-RS設定情報」に区別されているのに対し、引用発明は「複数のインデックス」であって第1と第2に区別されておらず、「CSI-RS設定情報」によって割り当てられる「CSI-RS資源」について、本願発明1は、「特定のCSI-RS資源は前記第1のCSI-RS設定情報に設定された値に対応」して、「前記特定のCSI-RS資源以外の少なくとも一つのCSI-RS資源は前記第2のCSI-RS設定情報に設定された値に対応」しているのに対し、引用発明は「複数のインデックス」で「複数のCSI-RS資源」が割り当てられるが、「特定のCS-RS資源」と「特定のCSI-RS資源以外の少なくとも一つのCSI-RS資源」に区別されていない点。
相違点3
本願発明1は「前記特定のCSI-RS資源は、前記複数のCSI-RS資源の中の最も低い数に関連したCSI-RS資源であ」るのに対し、引用発明においては、そのような構成は特定されていない点。
相違点4
本願発明1は「前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である」のに対し、引用発明においては、そのような構成は特定されていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点4について先に検討すると、相違点4に係る本願発明1の「前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である」という構成は、上記引用文献1~2には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、本願発明1は、相違点1~3を検討するまでもなく、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
なお、原審の補正の却下の決定においては、相違点4に係る本願発明1の「前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である」という構成は、特定のパラメータ名称を提供しているに過ぎず、当業者が実装の際に適宜選択した事項に過ぎないとの判断がされている。
しかしながら、請求人が審判請求書で主張するように、相違点4に係る本願発明1の上記構成は、「LTE Advancedシステム(即ち、3GPP Release11)と、LTEAdvanced Proシステム(即ち、3GPP Release13)の(追加)構成情報の(デフォルト)構成情報」であり、上記構成を採用することにより、「このように分離された新規の構成を定義せずに、マージング又は併合のためのレガシーLTE CSI-RS構成を利用して、レガシーシステムで相互運用性が維持できる。」という効果が得られるものと認められるから、相違点4に係る本願発明1の上記構成が、当業者が実装の際に適宜選択した事項に過ぎないものとは認められない。
2.本願発明2~5について
本願発明2~5も、本願発明1の「前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3.本願発明6~10について
本願発明6は、本願発明1に対応する端末の発明であり、上記相違点4に係る本願発明1の「前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
また、本願発明7~10も、本願発明6の「前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明6と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1~10は「前記第1のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源設定の特定に利用されるcsi-RS-ConfigNZPld-r11で表されるCSI-RS設定に関連するresorceConfig-r11であり、前記第2のCSI-RS設定情報はCSI-RS資源に関連するnzp-resorceConfigList-r13である」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1、2に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-004199