2022-003678
電気掃除機
- 審判番号
- 2022-003678
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-006197外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月10日
- 審決日
- 2022年12月26日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三菱電機株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
- 【請求人】三菱電機ホーム機器株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A47L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 経緯の概略
本願は、平成31年1月17日の出願であって、令和3年10月7日付けの拒絶理由の通知に対し、令和3年12月10日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和3年12月20日付けで拒絶査定がされ、これに対して、令和4年3月10日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1~4に係る発明は、令和3年12月10日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】吸引風を生成するための電動送風機と、前記電動送風機を内部に収容する本体ケースと、前記本体ケースとは別部材で設けられ、前記本体ケースに取り付けられたハンドルと、を備え、前記ハンドルは、握り部分とハンドルフレームとが一体になって連続した1つの環状を呈し、前記握り部分は、前記本体ケースの前方側に配置され、前記ハンドルフレームは、前記本体ケースの上面部又は後面部と両側面部とにわたって配置され、前記ハンドルフレームは、前記本体ケースの外面に露出し、前記ハンドルは、前記環状の内側に形成された一続きの空間内の一部に前記本体ケースの一部が挿入されて前記本体ケースに取り付けられ、前記一続きの空間の残りの部分により、前記握り部分と前記本体ケースの前端部との間に、前記握り部分を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成された電気掃除機。」
なお、請求項1には「前記ハンドルは、握り部分とハンドルフレームとが一体にになって連続した1つの環状を呈し」と記載されているが、本願明細書の「本体ハンドル30を構成する部材は、握り部分31とハンドルフレーム32とが一体になって、連続した環状を呈する。」(【0026】)との記載に照らしても、「一体にになって」とは誤記で、正しくは「一体になって」であると認め、本願発明を上記のように認定した。
第3 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
(引用文献)
引用文献2 特開2018-86118号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献2の記載事項
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引用文献2には、以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付与した。)。
・「【請求項1】
本体吸込口を有する掃除機本体と、
前記掃除機本体内に設けられ、吸引風を発生する電動送風機と、
前記掃除機本体の前記本体吸込口側で、かつ、前記本体吸込口の左右の外側に亘って設けられたハンドルと、を備え、
前記ハンドルを1部品で構成するとともに、前記ハンドルの前記掃除機本体と対向する側の縦断面が前記掃除機本体側に向って凸面形状をなし、前記ハンドルに対し縦断面の裏側が表側の前記凸面形状に沿った凹面形状をなす電気掃除機。
…
【請求項3】
前記掃除機本体の外周面に意匠部品を備え、
前記ハンドルの受け面の裏側の形状が前記意匠部品の表面形状と滑らかに連なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記ハンドルと前記意匠部品とを一体で構成したことを特徴とする請求項3記載の電気掃除機。」
・「【0001】
本発明は、掃除機本体を持ち運ぶためのハンドルを有する電気掃除機に関するものである。」
・「【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、軽くて必要な強度を確保できるハンドルを有する電気掃除機を提供することを目的とする。」
・「【0010】
電気掃除機1は、吸引ヘッド2、延長パイプ3、接続パイプ4、吸引ホース5及び掃除機本体6を備える。」
・「【0015】
ハンドル13は、掃除機本体6を持ち上げる時に使用者が持つ円弧状の把持部13aを有する。例えば、使用者は、階段等を掃除する時にハンドル13を持って掃除機本体6を持ち上げる。ハンドル13は掃除機本体6の本体吸込口12側で、かつ、本体吸込口12の左右の外側の上方に亘って設けられ、掃除機本体6の上面から突出する。ここでは把持部13aは左右方向に亘り僅かに湾曲しているが、一直線状の棒状でもよい。
【0016】
図4は、本発明の実施の形態に係る電気掃除機1の掃除機本体6の中心を前後方向で切断した断面図である。本掃除機体6は、塵埃を含む空気から塵埃を集塵する機能を有する。掃除機本体6は、本体吸込口12(ホース接続部)、ハンドル13、車輪14、キャスター15、電源コード16、電動送風機17、電動送風機ケース18、コードリール19、制御部20、及び、掃除機本体6から着脱可能な集塵袋10とを備える。集塵袋10は、掃除機本体6の前側に配置される。
【0017】
車輪14は、掃除機本体6の後側の部分の両側に回転可能に設けられている。キャスター15は、掃除機本体6の前側の部分に設けられている。集塵袋10が取り付けられた状態では、キャスター15は、集塵袋10の下方に配置される。電源コード16は、本体ケース11の内部に設けられたコードリール19に巻き付けられる。
【0018】
ハンドル13の構成と作用について説明する。
図6に示すように、ハンドル13は、1部品で構成され、掃除機本体6と対向する側の縦断面が掃除機本体6側に向って凸面形状をなし、縦断面の裏側が表側の凸面形状に沿った凹面形状をなす。したがって、ハンドル13は、2部品で構成する場合と比較して部品点数が少なく、ハンドル13を形成する材料の量を少なくするこができるので、ハンドル13を軽量化できる。ここで、ハンドル13を1部品で構成したにも関わらず、断面がアーチ状に構成されるので、ハンドル13を把持して掃除機本体6を持ち上げた場合や、掃除中にハンドル13が家具等に衝突した場合に、ハンドル13にかかる荷重が分散され、必要な強度を確保することができる。さらに、電気掃除機1の使用者がハンドル13を把持したときに、使用者の把持する手の人差指から小指の内側(手のひら側)で凸面形状である表側を支え、使用者の親指で凹面形状である裏側側(凹面形状側)を抑えるので、ハンドル13を安定して把持することができる。」
・「【0023】
また、図1から図3に示すように、掃除機本体6の外周面に意匠部品23を備え、ハンドル13の受け面の裏側の形状が意匠部品23の表面形状と滑らかに連なるように構成してもよい。ハンドル13と掃除機本体6との接続が目立たず、意匠性を損なわない電気掃除機が得られる。
【0024】
また、ハンドル13と意匠部品23とを一体で、即ち1部品で構成してもよい。ハンドル13と意匠部品23とを別体で構成して接続する場合と比較して、ハンドル13を意匠部品23に取り付ける作業が不要となり、組み立てコストを低減できる。また、ハンドル13と意匠部品23とを別体で構成した場合のハンドル13と意匠部品23との接続部分の分割線をなくすことができ、意匠性を向上することができる。
なお、ハンドル13と意匠部品23とを別体で構成した場合には、ハンドル13と意匠部品23とを個別に設計できるので、設計の自由度が増す。例えば、ハンドル13の剛性を高めて、掃除中に掃除機本体4の突出部分であるハンドル13が家具などに衝突しても、破損を防止するように設計できる。」
・「【0032】
このように、この実施の形態の電気掃除機によれば、本体吸込口を有する掃除機本体と、この掃除機本体内に設けられ、吸引風を発生する電動送風機と、掃除機本体の本体吸込口側で、かつ、本体吸込口の左右の外側に亘って設けられたハンドルと、を備え、ハンドルを1部品で構成したので、ハンドルを2部品で構成した場合と比較しハンドルを軽量化できる。また、ハンドルの掃除機本体と対向する側の縦断面が掃除機本体側に向って凸面形状をなし、ハンドルに対し縦断面の裏側が表側の凸面形状に沿った凹面形状をなすように構成したので、
…
【0034】
また、掃除機本体の外周面に意匠部品を備え、ハンドルの受け面の裏側の形状が意匠部品の表面形状と滑らかに連なるように構成したので、ハンドルと掃除機本体との接続が目立たず、意匠性を損なわない電気掃除機が得られる。
【0035】
また、ハンドルと意匠部品を一体で構成したので、ハンドルと意匠部品とを別体で構成した場合と比較してハンドルを意匠部品に取り付ける作業が不要となり、組み立てコストを低減できる。」
・「【図1】
[図:0001394869000001.jpg]
」
・「【図2】
[図:0001394869000002.jpg]
」
・「 【図3】
[図:0001394869000003.jpg]
」
・「【図4】
[図:0001394869000004.jpg]
」
2 引用発明
(1) 引用文献2の記載から、次のことがわかる。
ア 電動送風機17は、本体ケース11の内部に収容されている(図4)。
イ ハンドル13は、掃除機本体6の本体吸込口12側で、かつ、本体吸込口12の左右の外側の上方に亘って設けられるものであることから(【請求項1】、【0015】、【0032】、図1~4)、ハンドル13は、本体ケース11とは別部材で設けられ、本体ケース11に取り付けられるものであることがわかる。
また、意匠部品23は、掃除機本体6の外周面に備えられるものであることから(【請求項3】、【0023】、【0034】、図1~3)、意匠部品23は、本体ケース11とは別部材で設けられ、本体ケース11に取り付けられるものであることがわかる。
そして、ハンドル13と意匠部品23とを一体に構成した場合、このハンドル13と意匠部品23とを一体に構成したものは、本体ケース11とは別部材で設けられ、本体ケース11に取り付けられるものであるといえる。
ウ ハンドル13は、掃除機本体6の本体吸込口12側で、かつ、本体吸込口12の左右の外側の上方に亘って設けられるものであることから(【請求項1】、【0015】、【0032】、図1~4)、ハンドル13は、本体ケース11の前方側に配置されることがわかる。
エ 意匠部品23は、本体ケース11の上面と両側面部とにわたって配置されており、本体ケース11の外面に露出している(図2、3)。
オ 意匠部品23の内側に空間が形成されており、意匠部品23はその空間内に本体ケース11の一部が挿入されて本体ケース11に取り付けられている(図2、3)。
カ ハンドル13は、掃除機本体6の本体吸込口12側で、かつ、本体吸込口12の左右の外側の上方に亘って設けられるものであること(【請求項1】、【0015】、【0032】、図1~4)、ハンドル13を把持して掃除機本体6を持ち上げることから(【0018】)、ハンドル13と本体ケース11の前端部との間に、ハンドル13を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成されていることがわかる。
(2) 以上のことから、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
「吸引風を発生するための電動送風機17と、前記電動送風機17を内部に収容する本体ケース11と、前記本体ケース11とは別部材で設けられ、前記前記本体ケース11に取り付けられたハンドル13と意匠部品23とを一体に構成したものと、を備え、前記ハンドル13は、前記本体ケース11の前方側に配置され、前記意匠部品23は、前記本体ケース11の上面部と両側面部とにわたって配置され、前記意匠部品23は、前記本体ケース11の外面に露出し、前記意匠部品23は、内側に形成された空間に前記本体ケース11の一部が挿入されて前記本体ケース11に取り付けられ、前記ハンドル13と前記本体ケース11の前端部との間に、前記ハンドル13を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成された電気掃除機1。」
第5 対比
1 本願発明と引用発明とを、その有する機能に照らして対比する。
(1) 引用発明は「吸引風を発生するための電動送風機17」を備えるところ、「吸引風を発生する」ことは、本願発明の「吸引風を生成する」ことと同義であるから、引用発明の「吸引風を発生するための電動送風機17」は、本願発明の「吸引風を生成するための電動送風機」に相当する。
また、引用発明の「本体ケース11」、「ハンドル13と意匠部品23とを一体に構成したもの」は、それぞれ、本願発明の「本体ケース」、「ハンドル」に相当する。
そして、引用発明は、「吸引風を発生するための電動送風機17」と、「前記電動送風機17を内部に収容する本体ケース11」と、「前記本体ケース11とは別部材で設けられ、前記前記本体ケース11に取り付けられたハンドル13と意匠部品23とを一体に構成したもの」と、を備えるものであるから、引用発明は、本願発明と、「吸引風を生成するための電動送風機」と、「前記電動送風機を内部に収容する本体ケース」と、「前記本体ケースとは別部材で設けられ、前記本体ケースに取り付けられたハンドル」と、を備える点で一致する。
(2) 引用発明の「ハンドル13」は、本願発明の「握り部分」に相当し、引用発明の「意匠部品23」は、「ハンドルフレーム」に相当する。
そして、引用発明は、「前記ハンドル13は、前記本体ケース11の前方側に配置され」、「前記意匠部品23は、前記本体ケース11の上面部と両側面部とにわたって配置され」、「前記意匠部品23は、前記本体ケース11の外面に露出(する)」ものであるから、引用発明は、本願発明と、「前記握り部分は、前記本体ケースの前方側に配置され」、「前記ハンドルフレームは、前記本体ケースの上面部又は後面部と両側面部とにわたって配置され」、「前記ハンドルフレームは、前記本体ケースの外面に露出(する)」点で一致する。
(3) 引用発明は、「前記意匠部品23は、内側に形成された空間に前記本体ケース11の一部が挿入されて前記本体ケース11に取り付けられ(る)」ものであるところ、「ハンドル13と意匠部品23とを一体に構成」していることから、引用発明は、本願発明と、「前記ハンドル」は、「内側に形成された」空間に「前記本体ケースの一部が挿入されて前記本体ケースに取り付けられ(る)」点で共通する。
(4) 引用発明は、「前記ハンドル13と前記本体ケース11の前端部との間に、前記ハンドル13を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成された」ものであるから、引用発明は、本願発明と、「前記握り部分と前記本体ケースの前端部との間に、前記握り部分を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成された」点で共通する。
(5) 引用発明の「電気掃除機1」は、本願発明の「電気掃除機」に相当する。
2 そうすると、本願発明と引用発明は以下の点で、一致し、相違する。
(一致点)
「吸引風を生成するための電動送風機と、前記電動送風機を内部に収容する本体ケースと、前記本体ケースとは別部材で設けられ、前記本体ケースに取り付けられたハンドルと、を備え、前記握り部分は、前記本体ケースの前方側に配置され、前記ハンドルフレームは、前記本体ケースの上面部又は後面部と両側面部とにわたって配置され、前記ハンドルフレームは、前記本体ケースの外面に露出し、前記ハンドルは、内側に形成された空間に前記本体ケースの一部が挿入されて前記本体ケースに取り付けられ、前記握り部分と前記本体ケースの前端部との間に、前記握り部分を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成された電気掃除機。」
(相違点)
ハンドルに関し、本願発明は、「前記ハンドルは、握り部分とハンドルフレームとが一体になって連続した1つの環状を呈し」、前記ハンドルは、「前記環状の」内側に形成された「一続きの空間内の一部」に前記本体ケースの一部が挿入されて前記本体ケースに取り付けられ、「前記一続きの空間の残りの部分により」、前記握り部分と前記本体ケースの前端部との間に、前記握り部分を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成されたものであるのに対し、引用発明は、ハンドル13と意匠部品23とを一体に構成しており、意匠部品23は、内側に形成された空間に本体ケース11の一部が挿入されて本体ケース11に取り付けられ、ハンドル13と本体ケース11の前端部との間に、ハンドル13を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成されているものの、当該一体に構成したものが、ハンドル13と意匠部品23とが一体になって連続した1つの環状を呈し、環状の内側に形成された一続きの空間内の一部に本体ケース11の一部が挿入されて本体ケース11に取り付けられ、一続きの空間の残りの部分により、ハンドル13と本体ケース11の前端部との間に、ハンドル13を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成されているかは明らかでない点。
第6 判断
そこで、前記相違点について検討する。
1 引用文献2において、ハンドル13と意匠部品23とを一体に構成したものについて、その全体構造に関し、必ずしも詳細に記載されていないが、ハンドル13は、掃除機本体6の本体吸込口12側で、かつ、本体吸込口12の左右の外側の上方に亘って設けられるものであること(【請求項1】、【0015】、【0032】、図1~4)、意匠部品23は、掃除機本体6の外周面に備えられるものであること(【請求項3】、【0023】、【0034】、図1~3)や、図面の開示内容からすると、ハンドル13と意匠部品23とを一体に構成したものが、ハンドル13と意匠部品23とが一体になって連続した1つの環状を呈し、環状の内側に形成された一続きの空間を備える、といった形状、構造のものであることは、引用文献2の記載から十分に窺える上、当該一体に構成したものがその他の形状、構造を有することについて記載、示唆は特段ない。
また、引用発明において、当該一体に構成したものの具体的な形状、構造について、その機能(ハンドル13を把持して本体ケース11を持ち上げること、意匠部品23により電気掃除機1に意匠性を持たせること)を考慮し、適宜なものとすることは、当業者が容易になし得ることである。
引用文献2の記載によれば、引用発明は、「軽くて必要な強度を確保できるハンドルを有する電気掃除機を提供することを目的とする。」(【0005】)であるところ、当該一体に構成したものが、ハンドル13と意匠部品23とが一体になって連続した1つの環状を呈し、環状の内側に形成された一続きの空間を備えるものであれば、その形状、構造に照らすと、軽量化に資することは、当業者が容易に理解できるものである。
そうすると、引用発明において、当該一体に構成したものについて、ハンドル13と意匠部品23とが一体になって連続した1つの環状を呈し、環状の内側に形成された一続きの空間を備えるものとすることは、当業者にとって格別困難なこととは認められない。
そして、その場合、当該一体に構成したものは、環状の内側に形成された一続きの空間内の一部に本体ケース11の一部が挿入されて本体ケース11に取り付けられ、一続きの空間の残りの部分により、ハンドル13と本体ケース11の前端部との間に、ハンドル13を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成されたものとなることは明らかである。
このように、引用発明において、当該一体に構成したものについて、ハンドル13と意匠部品23とが一体になって連続した1つの環状を呈し、環状の内側に形成された一続きの空間内の一部に本体ケース11の一部が挿入されて本体ケース11に取り付けられ、一続きの空間の残りの部分により、ハンドル13と本体ケース11の前端部との間に、ハンドル13を握った際の使用者の手が挿入される空間が形成されたものとすること、すなわち、前記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できた事項である。
2 本願発明の奏する効果をみても、引用発明から当業者が予測可能な範囲内のものであって、格別のものとは認められない。
この点に関し、請求人は、本願発明は本願独自の具体的構成を備えたことにより、本願明細書【0031】等の記載からも明らかなように、握り部分を下にして掃除機本体が落下した等の握り部分に局所的な強い衝撃が加わった場合であっても、握り部分と一体のハンドルフレームの全体に衝撃を逃がすことができ、この際、本体ケースの前端側にはハンドルフレームがないことから、握り部分に加わった衝撃が本体ケースの前端に直接的に加わることを防止し、本体ケースの損傷等を抑制することが可能であるという本願特有の顕著な効果を奏することが可能である、などと主張している(審判請求書)。
しかしながら、既に述べたとおり、引用発明において、当該一体に構成したものが、ハンドル13と意匠部品23とが一体になって連続した1つの環状を呈し、環状の内側に形成された一続きの空間を備えるものであることは、引用文献2の記載から十分に窺える上、そのように構成することも、格別困難なことではない。掃除中にハンドル13が家具等に衝突することを想定している引用発明において(引用文献2【0018】)、ハンドル13に外力が加わった場合に、その外力がどのように本体ケーシング11側に伝わるかは、当業者であれば、その形状、構造から、容易に理解できるものであって、予測可能な範囲内のことである。
3 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-003678