2022-003633
コンピュータシステム、広告コンテンツ配信方法及びプログラム
- 審判番号
- 2022-003633
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-517718外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月10日
- 審決日
- 2023年04月04日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、令和元年6月28日を国際出願日とする出願であって、令和3年6月22日付けの拒絶理由通知に対し、同年8月31日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年11月30日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対して令和4年3月10日に審判請求がされると同時に手続補正がされ、同年12月1日付けの当審からの拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)に対し、令和5年1月6日に意見書が提出されるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1~6に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された以下の引用文献A~Hに記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献A 特開2015-185139号公報
引用文献B 須崎 昌彦、画像による人の年齢・性別推定技術の応用、画像ラボ、2009.12.10、第20巻第12号、第80~84頁、ISSN0915-6755
引用文献C 特開2018- 5691号公報
引用文献D 特開2016- 71699号公報
引用文献E 特開2012-160032号公報
引用文献F 特開2012-128653号公報
引用文献G 特開2009- 53772号公報
引用文献H 特開2002― 49639号公報
第3 当審拒絶理由通知の概要
当審拒絶理由通知の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1及び3~5に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された以下の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1 特開2015-185139号公報(上記引用文献A)
引用文献2 特開2018- 28729号公報
引用文献3 特開2013- 80271号公報
第4 本願発明
本願の請求項1~4に係る発明(以下、「本願発明1」~「本願発明4」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】広告コンテンツを配信するコンピュータシステムであって、広告配信者から、広告コンテンツと、広告対象の属性を含む広告配信条件の登録を受け付け、前記広告コンテンツを特定するための順位付けを、前記広告配信条件に対応付けて登録する受付手段と、広告媒体の視聴者の属性を判定する判定手段と、続きを表示(全33行)判定した前記視聴者の属性が、前記広告配信条件を満たす場合、前記広告媒体に、当該広告配信条件を満たし、前記順位付けの最も高い前記広告コンテンツを配信する配信手段と、前記視聴者の撮影画像を解析して、配信した前記広告コンテンツの視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間を計測する計測手段と、視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間から、広告料金を算出する算出手段と、前記広告料金を、広告配信者に課金する課金手段と、を備え、前記判定手段は、前記視聴者の撮影画像を解析して、当該視聴者の属性を判定することを特徴とするコンピュータシステム。【請求項2】前記順位付けは、前記広告配信者、広告媒体が設置された場所、前記広告コンテンツを配信する日時に基づいて、前記広告配信条件に対応付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。【請求項3】広告コンテンツを配信するコンピュータシステムが実行する広告コンテンツ配信方法であって、広告配信者から、広告コンテンツと、広告対象の属性を含む広告配信条件の登録を受け付け、前記広告コンテンツを特定するための順位付けを、前記広告配信条件に対応付けて登録するステップと、広告媒体の視聴者の属性を判定するステップと、判定した前記視聴者の属性が、前記広告配信条件を満たす場合、前記広告媒体に、当該広告配信条件を満たし、前記順位付けの最も高い前記広告コンテンツを配信するステップと、前記視聴者の撮影画像を解析して、配信した前記広告コンテンツの視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間を計測するステップと、視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間から、広告料金を算出するステップと、前記広告料金を、広告配信者に課金するステップと、を備え、前記判定手段は、前記視聴者の撮影画像を解析して、当該視聴者の属性を判定することを特徴とする広告コンテンツ配信方法。【請求項4】広告コンテンツを配信するコンピュータに、広告配信者から、広告コンテンツと、広告対象の属性を含む広告配信条件の登録を受け付け、前記広告コンテンツを特定するための順位付けを、前記広告配信条件に対応付けて登録するステップ、広告媒体の視聴者の属性を判定するステップ、判定した前記視聴者の属性が、前記広告配信条件を満たす場合、前記広告媒体に、当該広告配信条件を満たし、前記順位付けの最も高い前記広告コンテンツを配信するステップ、前記視聴者の撮影画像を解析して、配信した前記広告コンテンツの視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間を計測するステップ、視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間から、広告料金を算出するステップ、前記広告料金を、広告配信者に課金するステップ、を実行させ、前記判定手段は、前記視聴者の撮影画像を解析して、当該視聴者の属性を判定するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。」
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1(引用文献A)の記載、引用発明
(1) 引用文献1(引用文献A)の記載
引用文献1(特開2015-185139号公報;原査定で引用された引用文献A)には、以下の記載がある(下線加筆。以下同じ。)。
「【背景技術】・・・【0003】そして、デジタルサイネージの広告効果を高めるために、例えば、デジタルサイネージに設けられたカメラによって閲覧者の顔や体形を撮像し、画像処理によって性別や年齢等を推測し、推定した性別や年齢等に相応しい広告を提供する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。続きを表示(全15行)・・・【発明が解決しようとする課題】【0006】しかしながら、特許文献1のような広告提供システムでは、閲覧者の携帯端末から属性情報を取得する以上、全ての閲覧者から属性情報を取得することはできず、必ずしもターゲットとなる閲覧者に有益な広告情報になっているとは限らなかった。また、閲覧者の属性情報を逐次取得することで、プライバシーを侵害されているとの印象を持たせてしまう虞もあり、非常に手間もかかっていた。そのため、デジタルサイネージのような広告表示器に表示される広告情報を閲覧する者から、新たに属性情報を取得することなく、シンプルな構成でターゲットとなる閲覧者に効果的な広告情報を配信可能な広告配信システムの開発が要望されていた。・・・【0008】・・・また、本発明の他の目的は、広告表示器に表示される広告情報を閲覧する者から新たな属性情報を逐次取得することなく、効果的な広告情報を配信可能な広告配信装置、広告配信システム及び広告配信方法を提供することにある。・・・」
「【0023】広告配信装置1のハード構成を図2に示す。広告配信装置1は、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM、及びHDDと、ホームネットワーク又はインターネットを通じて情報データの送受信を行う通信用インタフェースとを備えたコンピュータである。・・・」
「【0025】広告配信装置1のソフト構成を図3に示す。広告配信装置1は、機能面から説明すると、各種プログラム及び各種情報データを記憶する記憶部2と、広告主端末10から広告情報と、属性条件データとをネットワークを通じて受信する受信部3と、各々の広告表示器20に向けて広告情報を配信するか否かを判定する判定部4と、判定部4の判定結果によって特定の広告表示器20に広告情報を配信する配信部5と、撮影装置30から閲覧人数データをネットワークを通じて取得する取得部6と、取得部6によって取得した閲覧人数データに対応する広告料金を算出する料金算出部7と、を主な構成要素として備えている。【0026】続きを表示(全19行)記憶部2には、集合住宅に住む居住者の属性を示す属性データ、及び、広告情報を閲覧した居住者の人数と、広告情報の広告料金との関係を示した広告料金データが予め記憶されている。また、広告主端末10から受信した広告情報、属性条件データ、及び、撮影装置30から取得した閲覧人数データが記憶されている。また、広告料金データと閲覧人数データに基づいて作成された請求料金データが記憶されている。・・・【0027】広告主端末10は、図1に示すように、広告情報を提供する情報通信端末であって、広告主が広告主端末10を操作して広告配信装置1にアクセスできる。広告主端末10は、情報通信端末として必要な機能を果たすメインプログラムを記憶しており、配信対象となる広告情報と、広告情報に設定された属性条件データとを生成した上で、インターネットを通じて広告配信装置1に送信することができる。【0028】広告表示器20は、図1に示すように、配信された広告情報をディスプレイ上に表示させるデジタルサイネージ端末であって、各集合住宅において出入り口やエレベータホール等の住居者が良く目にする位置に設置されるものである。広告表示器20は、機能面から説明すると、図3に示すように、各種プログラム及び各種情報データを格納する格納部21と、広告情報を表示するディスプレイに相当する表示部22と、を主な構成要素として備えている。格納部21には、メインプログラムに加えて、広告配信装置1から配信された広告情報が記憶されている。【0029】撮影装置30は、図1に示すように、カメラ付きの情報通信端末であって、各広告表示器20の上面に各々設置されるものである。撮影装置30は、広告表示器20の周辺を撮影し、当該撮影した映像から、広告表示器20に表示される広告情報を閲覧した居住者を認識し、認識した居住者の人数を集計することができる。【0030】撮影装置30は、機能面から説明すると、図3に示すように、各種プログラム及び各種情報データを格納する格納部31と、広告表示器20の前方部分を撮影した映像から、広告表示器20上の広告情報を閲覧した居住者の顔を認識する認識部32と、認識部32によって認識された居住者の人数を所定の条件で集計する集計部33と、集計された居住者の人数を示す閲覧人数データを広告配信装置1に向けて発信する発信部34と、を主な構成要素として備えている。格納部31には、集計部33によって作成された閲覧人数データが記憶されている。集計部33の集計条件は、適宜設定変更可能である。なお、広告表示器20、撮影装置30は、各集合住宅に在中する管理人によって操作されても良いし、各集合住宅を一括して管理する集合住宅管理会社によって遠隔操作されても良い。」
「【0031】次に、広告配信装置1にそれぞれ記憶される図4に示す属性データと、図5に示す属性条件データについて詳細に説明する。なお、広告配信装置1の配信対象となる広告情報については、説明を省略する。【0032】続きを表示(全12行)属性データは、集合住宅に居住する居住者の属性を示すデータテーブルであって、集合住宅管理会社の所有する広告配信装置1に記憶され、所定期間毎に更新されるものである。具体的には、属性データには、各居住者ID(各施設利用者ID)に対して居住者の年齢、性別、及び世帯構成に関する属性がそれぞれ対応付けられている。従って、広告配信装置1は、上記属性データを参照することで、例えば、特定の集合住宅において20才~50才の女性に該当する居住者の人数を計算処理することができる。【0033】属性条件データは、図5に示すように、広告情報に対して設定されたターゲットの属性条件を示すデータテーブルであって、広告主端末10から広告配信装置1に送信されて記憶されるものである。具体的には、属性条件データには、広告主が提供する各広告情報に対して、広告ターゲットとなる居住者の年齢、性別、及び世帯構成に関する属性と、広告情報を配信する上で必要な最小ターゲット数と、がそれぞれ対応付けられている。例えば、広告情報Aの属性条件については、ある集合住宅において20才~50才の女性に該当する居住者の人数が100人以上いることが必要とされている。従って、広告配信装置1は、上記属性データと、上記属性条件データとを照合することで、特定の集合住宅が広告情報Aの属性条件を満たすか否かを判定処理することができる。」
「【0034】次に、広告配信装置1にそれぞれ記憶される図6に示す閲覧人数データと、図7に示す広告料金データについて詳細に説明する。閲覧人数データは、広告表示器20に表示される広告情報を閲覧した居住者の人数を示すデータテーブルであって、撮影装置30の映像から認識される居住者を集計することで作成され、撮影装置30から広告配信装置1に発信されて記憶されるものである。具体的には、閲覧人数データには、一定期間中に集計された広告情報のターゲットとなる居住者の閲覧人数が記録されている。続きを表示(全11行)また、閲覧人数データには、一定期間中に撮影装置30によって認識された各居住者の属性を示す一覧データが含まれている。詳しく言うと、各閲覧者IDに対して、居住者が認識された時間帯、居住者の年齢、性別、ターゲットの該当性、重複の有無がそれぞれ対応けられている。・・・【0037】広告料金データは、図7に示すように、広告情報を閲覧した居住者の人数と、広告情報の広告料金との関係を示すデータテーブルであって、広告配信装置1に記憶されるものである。具体的には、広告料金データは、各広告情報に対して1日の閲覧人数あたりの広告料金(料金単価)が対応付けられている。例えば、広告情報Aの1日の広告料金は、当日中に広告情報Aを閲覧したターゲットとなる居住者の人数に、料金単価10円/人を乗じることで算出される。従って、広告配信装置1が、上記広告料金データを参照することで、上記閲覧人数データに対応する広告料金を算出処理することができる。」
「【0041】次に、ステップ02(ST02)で、広告配信装置1の判定部4が、各々の広告表示器20に向けて広告情報を配信するか否かを判定する。詳細に説明すると、判定部4が、記憶部2に記憶された集合住宅に住む居住者の属性を示す図4に示す属性データと、受信部3によって受信した図5に示す属性条件データとを照合して、広告情報に設定された属性条件を満たすか否かを集合住宅毎に判定する。具体的には、広告配信装置1は、広告情報Aに設定された広告ターゲットの条件、すなわち20才~50才の女性居住者の人数が100人以上いることを満たすか否かを集合住宅毎に判定する。続きを表示(全15行)【0042】次に、ステップ03で、広告配信装置1の配信部5が、判定部4の判定結果によって特定された広告表示器20に広告情報を配信する。ステップ03-1で広告配信装置1から広告情報を受信した広告表示器20は、表示部22に当該広告情報を表示する(ステップ03-2)。・・・【0045】次に、ステップ05で、広告配信装置1の料金算出部7が、記憶部2に記憶された図7に示す広告料金データを参照して、取得部6によって取得した閲覧人数データに対応する広告料金を算出し、不図示の請求料金データを作成する。広告料金データとは、広告情報を閲覧した居住者の人数と、広告情報の広告料金との関係を示すデータであって、予め広告配信装置1に記憶されるものである。請求料金データとは、広告情報の閲覧人数に対応する広告情報の請求料金を示すデータであって、広告配信装置1に記憶されるものである。【0046】最後に、ステップ06で、広告配信装置1の不図示の発信部が、広告主端末10に向けて請求料金データを発信する。なお、広告主端末10は、広告配信装置1から当該請求料金データを受信する。」
ア 上記【0023】によれば、広告を配信する装置である広告配信装置1は、コンピュータである。
イ 上記【0025】によれば、広告配信装置1は、記憶部2と、広告主端末10から広告情報と、属性条件データとをネットワークを通じて受信する受信部3と、各々の広告表示器20に向けて広告情報を配信するか否かを判定する判定部4と、判定部4の判定結果によって特定の広告表示器20に広告情報を配信する配信部5と、撮影装置30から閲覧人数データをネットワークを通じて取得する取得部6と、取得部6によって取得した閲覧人数データに対応する広告料金を算出する料金算出部7とを備えている。
ウ 上記【0026】によれば、記憶部2には、集合住宅に住む居住者の属性を示す属性データ、広告情報を閲覧した居住者の人数と、広告情報の広告料金との関係を示した広告料金データ、広告主端末10から受信した広告情報、属性条件データ、撮影装置30から取得した閲覧人数データ、広告料金データと閲覧人数データに基づいて作成された請求料金データが記憶されている。
エ 上記【0027】によれば、広告主端末10は、広告情報を提供する情報通信端末であって、広告主が広告主端末10を操作して広告配信装置1にアクセスするものであり、配信対象となる広告情報と、広告情報に設定された属性条件データとを生成した上で、インターネットを通じて広告配信装置1に送信する。
オ 上記【0028】によれば、広告表示器20は、配信された広告情報をディスプレイ上に表示させるデジタルサイネージ端末であって、各集合住宅に設置されるものであり、広告配信装置1から配信された広告情報が記憶されている格納部21と、広告情報を表示するディスプレイに相当する表示部22とを備えている。
カ 上記【0029】によれば、撮影装置30は、カメラ付きの情報通信端末であって、各広告表示器20の上面に各々設置されるものであり、広告表示器20の周辺を撮影し、当該撮影した映像から、広告表示器20に表示される広告情報を閲覧した居住者を認識し、認識した居住者の人数を集計する。
キ 上記【0032】によれば、属性データは、集合住宅に居住する居住者の属性を示すデータテーブルであって、集合住宅管理会社の所有する広告配信装置1に記憶され、各居住者IDに対して居住者の年齢、性別、及び世帯構成に関する属性がそれぞれ対応付けられている。
ク 上記【0033】によれば、属性条件データは、広告情報に対して設定されたターゲットの属性条件を示すデータテーブルであって、広告主端末10から広告配信装置1に送信されて記憶され、広告主が提供する各広告情報に対して、広告ターゲットとなる居住者の年齢、性別、及び世帯構成に関する属性と、広告情報を配信する上で必要な最小ターゲット数と、がそれぞれ対応付けられている。
ケ 上記【0034】によれば、閲覧人数データは、広告表示器20に表示される広告情報を閲覧した居住者の人数を示すデータテーブルであって、撮影装置30の映像から認識される居住者を集計することで作成され、撮影装置30から広告配信装置1に発信されて記憶されるものである。
コ 上記【0037】によれば、広告料金データは、各広告情報に対して1日の閲覧人数あたりの広告料金(料金単価)が対応付けられており、広告配信装置1が、上記広告料金データを参照することで、閲覧人数データに対応する広告料金を算出処理することができる。また、上記【0045】によれば、料金算出部7は、広告情報の閲覧人数に対応する広告情報の請求料金を示す請求料金データを作成するものである。
サ 上記【0041】によれば、判定部4は、記憶部2に記憶された集合住宅に住む居住者の属性を示す属性データと、受信部3によって受信した属性条件データとを照合して、広告情報に設定された属性条件を満たすか否かを集合住宅毎に判定する。
シ 上記【0042】によれば、配信部5は、判定部4の判定結果によって特定された広告表示器20に広告情報を配信する。
ス 上記【0046】によれば、広告配信装置1の発信部は、広告主端末10に向けて請求料金データを発信する。
(2) 引用発明
上記(1)によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
[引用発明]
広告を配信する装置であり、コンピュータである広告配信装置1であって、
記憶部2と、広告主端末10から広告情報と、属性条件データとをネットワークを通じて受信する受信部3と、各々の広告表示器20に向けて広告情報を配信するか否かを判定する判定部4と、判定部4の判定結果によって特定の広告表示器20に広告情報を配信する配信部5と、撮影装置30から閲覧人数データをネットワークを通じて取得する取得部6と、取得部6によって取得した閲覧人数データに対応する広告料金を算出する料金算出部7とを備えており、
記憶部2には、集合住宅に住む居住者の属性を示す属性データ、広告情報を閲覧した居住者の人数と、広告情報の広告料金との関係を示した広告料金データ、広告主端末10から受信した広告情報、属性条件データ、撮影装置30から取得した閲覧人数データ、広告料金データと閲覧人数データに基づいて作成された請求料金データが記憶されており、
広告主端末10は、広告情報を提供する情報通信端末であって、広告主が広告主端末10を操作して広告配信装置1にアクセスするものであり、配信対象となる広告情報と、広告情報に設定された属性条件データとを生成した上で、インターネットを通じて広告配信装置1に送信するものであり、
広告表示器20は、配信された広告情報をディスプレイ上に表示させるデジタルサイネージ端末であって、各集合住宅に設置されるものであり、広告配信装置1から配信された広告情報が記憶されている格納部21と、広告情報を表示するディスプレイに相当する表示部22とを備え、
撮影装置30は、カメラ付きの情報通信端末であって、各広告表示器20の上面に各々設置されるものであり、広告表示器20の周辺を撮影し、当該撮影した映像から、広告表示器20に表示される広告情報を閲覧した居住者を認識し、認識した居住者の人数を集計するものであり、
属性データは、集合住宅に居住する居住者の属性を示すデータテーブルであって、集合住宅管理会社の所有する広告配信装置1に記憶され、各居住者IDに対して居住者の年齢、性別、及び世帯構成に関する属性がそれぞれ対応付けられており、
属性条件データは、広告情報に対して設定されたターゲットの属性条件を示すデータテーブルであって、広告主端末10から広告配信装置1に送信されて記憶され、広告主が提供する各広告情報に対して、広告ターゲットとなる居住者の年齢、性別、及び世帯構成に関する属性と、広告情報を配信する上で必要な最小ターゲット数と、がそれぞれ対応付けられており、
閲覧人数データは、広告表示器20に表示される広告情報を閲覧した居住者の人数を示すデータテーブルであって、撮影装置30の映像から認識される居住者を集計することで作成され、撮影装置30から広告配信装置1に発信されて記憶されるものであり、
広告料金データは、各広告情報に対して1日の閲覧人数あたりの広告料金(料金単価)が対応付けられており、広告配信装置1の料金算出部7が、上記広告料金データを参照することで、閲覧人数データに対応する広告料金を算出処理することができるとともに、広告情報の閲覧人数に対応する広告情報の請求料金を示す請求料金データを作成するものであり、
判定部4は、記憶部2に記憶された集合住宅に住む居住者の属性を示す属性データと、受信部3によって受信した属性条件データとを照合して、広告情報に設定された属性条件を満たすか否かを集合住宅毎に判定し、
配信部5は、判定部4の判定結果によって特定された広告表示器20に広告情報を配信し、
発信部は、広告主端末10に向けて請求料金データを発信する、
広告配信装置1。
2 引用文献2
(1) 引用文献2の記載
引用文献2には、以下の記載がある。
「【0061】〔2.決定システムの構成〕図2に示すように、決定システム1は、端末装置10と、デジタルサイネージ端末SN1と、コンテンツ配信装置50と、決定装置100とが含まれる。端末装置10と、デジタルサイネージ端末SN1と、コンテンツ配信装置50と、決定装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図2に示した決定システム1には、複数台の端末装置10や、複数台のデジタルサイネージ端末SNや、複数台のコンテンツ配信装置50、複数台の決定装置100が含まれてもよい。・・・【0063】コンテンツ配信装置50は、デジタルサイネージ端末SNに表示されるコンテンツをデジタルサイネージ端末SNへ配信する情報処理装置である。例えば、コンテンツ配信装置50は、デジタルサイネージ端末SNにおけるコンテンツの表示スケジュールに基づくコンテンツをデジタルサイネージ端末SNへ配信する。コンテンツ配信装置50は、ニュース、天気予報、占い等のコンテンツやデジタルサイネージ端末SNの設置された施設(商業施設、公共施設等)に関するコンテンツをデジタルサイネージ端末SN1へ配信する。【0064】決定装置100は、所定の期間においてデジタルサイネージ端末SNから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報に基づいて、そのデジタルサイネージ端末SNにおける広告の表示スケジュールを決定する情報処理装置である。例えば、決定装置100は、過去の履歴に基づいて生成される統計情報に基づいて、そのデジタルサイネージ端末SNにおける広告の表示スケジュールを決定する。【0065】また、決定装置100は、決定した広告の表示スケジュールや広告の表示スケジュールに対応する広告をデジタルサイネージ端末SNへ配信する広告配信サービスを提供するものとする。なお、広告配信装置が決定装置100と別体である場合、決定装置100が決定した広告の表示スケジュールに基づいて、広告配信装置がデジタルサイネージ端末SNへ広告を配信する。この場合、決定システム1には広告配信装置が含まれ、決定装置100は、決定した広告の表示スケジュールを広告配信装置やデジタルサイネージ端末SNの管理装置へ配信してもよい。」
「【0066】〔3.決定装置の構成〕次に、図3を用いて、実施形態に係る決定装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る決定装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、決定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、決定装置100は、決定装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。・・・続きを表示(全21行)【0068】(記憶部120)記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、図3に示すように、ユーザ情報記憶部121と、統計情報記憶部122と、広告情報記憶部123とを有する。【0069】(ユーザ情報記憶部121)実施形態に係るユーザ情報記憶部121は、ユーザ属性に関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部121は、ユーザ属性情報を記憶する。図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部の一例を示す図である。図4に示すユーザ情報記憶部121は、「ユーザID」、「端末ID」、「年齢」、「性別」、「興味」といった項目が含まれる。・・・【0073】(統計情報記憶部122)実施形態に係る統計情報記憶部122は、ユーザに関する統計情報を記憶する。図5には、統計情報記憶部に記憶されるユーザに関する統計情報の一例を示す。具体的には、統計情報記憶部122は、各デジタルサイネージ端末SNから所定の位置に位置するユーザに関する統計情報を記憶する。図5に示すように、統計情報記憶部122は、ユーザに関する統計情報として、「サイネージID」、「設置位置」、「統計情報」といった項目が含まれる。また、「統計情報」には、「種別」、「時間帯」、「総数」、「性別」、「年代」といった項目が含まれる。また、「性別」には、「男性」、「女性」といった項目が含まれる。また、「年代」には、「0-10代」、「20-30代」、「40-50代」、「60代-」といった項目が含まれる。なお、ここでいう「0-10代」は、0~19歳を意味し、「20-30代」は、20~39歳を意味し、「40-50代」は、40~59歳を意味し、「60代-」は、60歳以上を意味する。・・・【0084】(広告情報記憶部123)実施形態に係る広告情報記憶部123は、広告に関する各種情報を記憶する。図6に、実施形態に係る広告情報記憶部の一例を示す。図6に示す広告情報記憶部123は、「広告ID」、「広告コンテンツ」、「対象」、「入札価格」、「タグ」といった項目を有する。・・・【0087】「タグ」は、対応する広告が対象としているユーザに関する情報を示す。例えば、「タグ」は、広告主により指定されてもよい。また、「タグ」は、広告の内容に基づいて決定装置100が付してもよい。なお、「タグ」は、複数記憶されてもよく、図6に示すように「タグ1」、「タグ2」といった項目を有してもよい。」
「【0091】図3に示すように、制御部130は、取得部131と、生成部132と、決定部133と、配信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。【0092】(取得部131)続きを表示(全16行)取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザ情報記憶部121や統計情報記憶部122や広告情報記憶部123から各種情報を取得する。例えば、取得部131は、所定の期間においてデジタルサイネージ端末SNから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報を取得する。例えば、取得部131は、デジタルサイネージ端末SNから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報を統計情報記憶部122から取得する。・・・【0095】(生成部132)生成部132は、種々の情報を生成する。例えば、生成部132は、取得部131により取得されたユーザに関する情報に基づいて、ユーザに関する統計情報を生成する。例えば、生成部132は、デジタルサイネージ端末SNから所定の範囲内に位置するユーザに関する情報に基づいて、デジタルサイネージ端末SNから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報を生成する。・・・【0099】例えば、決定部133は、所定の時間帯における統計情報と、広告に付されたタグとの類似性に基づいて、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する候補となる候補広告を決定し、候補広告の各々の入札価格に関する情報に基づいて、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する広告を決定する。例えば、決定部133は、候補広告のうち、収益性に関する評価値が最も高い広告を、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する広告として決定する。・・・【0103】(配信部134)配信部134は、外部の情報処理装置に各種情報を送信する。例えば、配信部134は、決定部133により決定された広告の表示スケジュールをデジタルサイネージ端末SNへ配信する。また、配信部134は、広告の表示スケジュールに対応する広告をデジタルサイネージ端末SNへ配信する。例えば、配信部134は、デジタルサイネージ端末SNに表示される広告をデジタルサイネージ端末SNへ配信する。なお、配信部134は、デジタルサイネージ端末SNに直接広告スケジュールを配信してもよいし、デジタルサイネージ端末SNを管理する管理装置を介してデジタルサイネージ端末SNに広告スケジュールを配信してもよい。また、配信部134は、端末装置10へ広告を配信してもよい。」
ア 上記【0061】によれば、決定システム1には、端末装置10と、デジタルサイネージ端末SN1と、コンテンツ配信装置50と、決定装置100とが含まれる。
イ 上記【0063】によれば、コンテンツ配信装置50は、デジタルサイネージ端末SNに表示されるコンテンツをデジタルサイネージ端末SNへ配信する情報処理装置である。
ウ 上記【0064】によれば、決定装置100は、所定の期間においてデジタルサイネージ端末SNから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報に基づいて、そのデジタルサイネージ端末SNにおける広告の表示スケジュールを決定する情報処理装置である。
エ 上記【0066】によれば、決定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有し、上記【0068】によれば、記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、統計情報記憶部122と、広告情報記憶部123とを有する。
オ 上記【0069】によれば、ユーザ情報記憶部121は、「ユーザID」、「端末ID」、「年齢」、「性別」、「興味」といった項目が含まれる、ユーザ属性に関する各種情報を記憶する。
カ 上記【0073】によれば、統計情報記憶部122は、「サイネージID」、「設置位置」、「統計情報」といった項目が含まれる、ユーザに関する統計情報を記憶する。
キ 上記【0084】によれば、広告情報記憶部123は、「広告ID」、「広告コンテンツ」、「対象」、「入札価格」、「タグ」といった項目を有する、広告に関する各種情報を記憶する。また、上記【0087】によれば、「タグ」は、対応する広告が対象としているユーザに関する情報を示す。
ク 上記【0091】によれば、制御部130は、取得部131と、生成部132と、決定部133と、配信部134とを有している。
ケ 上記【0092】によれば、取得部131は、ユーザ情報記憶部121や統計情報記憶部122や広告情報記憶部123から各種情報を取得するものであって、所定の期間においてデジタルサイネージ端末SNから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報を取得する。
コ 上記【0095】によれば、生成部132は、取得部131により取得されたユーザに関する情報に基づいて、ユーザに関する統計情報を生成する。
サ 上記【0099】によれば、決定部133は、所定の時間帯における統計情報と、広告に付されたタグとの類似性に基づいて、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する候補となる候補広告を決定し、候補広告の各々の入札価格に関する情報に基づいて、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する広告を決定するものであって、候補広告のうち、収益性に関する評価値が最も高い広告を、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する広告として決定するものである。
シ 上記【0103】によれば、配信部134は、決定部133により決定された広告の表示スケジュールをデジタルサイネージ端末SNへ配信する。
(2) 引用文献2記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
上記(1)によれば、引用文献2には、次の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。
[引用文献2記載事項]
端末装置10と、デジタルサイネージ端末SN1と、コンテンツ配信装置50と、決定装置100とが含まれる決定システム1であって、
コンテンツ配信装置50は、デジタルサイネージ端末SNに表示されるコンテンツをデジタルサイネージ端末SNへ配信する情報処理装置であり、
決定装置100は、所定の期間においてデジタルサイネージ端末SNから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報に基づいて、そのデジタルサイネージ端末SNにおける広告の表示スケジュールを決定する情報処理装置であって、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有しており、
記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、統計情報記憶部122と、広告情報記憶部123とを有するものであり、
ユーザ情報記憶部121は、「ユーザID」、「端末ID」、「年齢」、「性別」、「興味」といった項目が含まれる、ユーザ属性に関する各種情報を記憶するものであり、
統計情報記憶部122は、「サイネージID」、「設置位置」、「統計情報」といった項目が含まれる、ユーザに関する統計情報を記憶するものであり、
広告情報記憶部123は、「広告ID」、「広告コンテンツ」、「対象」、「入札価格」、「タグ」といった項目を有する、広告に関する各種情報を記憶するものであって、「タグ」は、対応する広告が対象としているユーザに関する情報を示すものであり、
制御部130は、取得部131と、生成部132と、決定部133と、配信部134とを有しており、
取得部131は、ユーザ情報記憶部121や統計情報記憶部122や広告情報記憶部123から各種情報を取得するものであって、所定の期間においてデジタルサイネージ端末SNから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報を取得するものであり、
生成部132は、取得部131により取得されたユーザに関する情報に基づいて、ユーザに関する統計情報を生成するものであり、
決定部133は、所定の時間帯における統計情報と、広告に付されたタグとの類似性に基づいて、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する候補となる候補広告を決定し、候補広告の各々の入札価格に関する情報に基づいて、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する広告を決定するものであって、候補広告のうち、収益性に関する評価値が最も高い広告を、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する広告として決定するものであり、
配信部134は、決定部133により決定された広告の表示スケジュールをデジタルサイネージ端末SNへ配信する
決定システム1。
3 引用文献3
(1) 引用文献3の記載
引用文献3には、以下の記載がある。
「【0046】次に、統合広告料金算出部212が、広告視聴量に基づいて広告料換算値を算出する(S103)。広告料換算値は、広告視聴量を広告料金に換算したものであり、例えば、所定の係数を乗じることにより算出する。この場合、係数は、広告主が支払う広告料金と広告料換算値とが適切なバランスとなるように定めておく。例えば、係数を100と定めると、図8(b)に示すように、120時間の広告視聴量から、12,000円の広告料換算値が算出される。」
「【0057】図9は、第2実施例の広告配信計画装置50の構成を示すブロック図である。本図に示すように、広告配信計画装置50は、配信計画部510、広告配信部520、通信部530、視聴情報受信部540、事業者情報テーブル550、広告情報テーブル560、配信情報テーブル570、視聴情報テーブル580を備えている。・・・【0059】続きを表示(全40行)配信計画部510は、各事業者に対する配信計画を作成して、配信情報テーブル570に記録する。この処理を行なうため、配信計画部510は、広告視聴量取得部511と、統合広告料金算出部512と、広告割当部513とを備えている。これらのうち、統合広告料金算出部512と広告割当部513は、第1実施例と同様であるため、説明を省略する。【0060】広告視聴量取得部511は、後述する視聴情報テーブル580を参照して、事業者毎の広告視聴量を取得し、統合広告料金算出部512に供給する。第2実施例において、広告視聴量は、事業者に設置されたデジタルサイネージの視聴量の多さを評価する値であり、広告表示システム60が、広告表示の際の視聴者数と視聴時間とを計測し、所定期間、例えば、1日や1週間における延べ広告視聴時間として集計する。これは、所定期間における視聴者毎の視聴時間の累計を意味する。・・・【0064】視聴情報テーブル580は、各事業者の広告表示システム60において集計された広告視聴量を格納するテーブルである。図11に示すように、視聴情報テーブル580は、「事業者ID」「広告視聴量」を記録する。【0065】図12は、第2実施例の広告表示システム60の構成を示すブロック図である。本図に示すように、広告表示システム60は、1または複数台のデジタルサイネージ610(610a、610b、610c)と、デジタルサイネージ610と対になった1または複数台の視聴検出部620(620a、620b、620c)と、通信部630と、再生処理部640と、視聴情報集計部650と、視聴情報格納部670とを備えている。これらのうち、デジタルサイネージ610、通信部630、再生処理部640は、第1実施例と同様であるため、説明を省略する。【0066】視聴検出部620は、対になったデジタルサイネージ610で再生している広告を視聴している人の数を計測する。視聴検出部620は、例えば、特許文献2に記載されているように、デジタルサイネージ610の視聴エリアを撮影するためのカメラを備え、カメラで撮影された画像から人物を認識することで視聴者数を測定することができる。【0067】ただし、視聴検出部620は、他の手法を用いて広告を視聴している人の数を計測するようにしてもよい。例えば、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を用いて、視聴者の保持する携帯機器と通信することにより視聴者数を計測したり、視聴エリア内に入場する人と視聴エリア内から退場する人とをセンサにより検出することで視聴者数を計測するようにしてもよい。【0068】視聴情報集計部650は、視聴検出部620が検出した視聴人数に基づいて視聴者毎の視聴時間の累計である広告視聴量を算出し、視聴情報格納部670に記録する。例えば、1時間視聴した人が10人検出され、2時間視聴した人が8人検出された場合には、1×10+2×8=26時間が広告視聴量となる。【0069】次に、図13のフローチャートを参照して、第2実施例の広告表示システム60の動作について説明する。なお、広告表示システム60は、広告配信計画装置50から配信された広告を受信すると(S201:Yes)、再生処理部640が、配信された広告を再生し、1または複数台のデジタルサイネージ610が表示を行なう(S202)。【0070】広告の再生中、視聴検出部620が、対になっているデジタルサイネージ610を視聴している人の数を測定する(S603)。視聴者数の測定は、時系列で行ない、視聴者数と視聴時間とを対応付ける。広告の再生が終了すると、視聴情報集計部650が、視聴者毎の視聴時間を集計し、視聴情報格納部670に記録されている広告視聴量に加算する(S204)。ただし、視聴者毎の視聴時間の集計において、視聴者の識別は行なう必要はなく、時系列的な視聴人数を積分すれば足りる。以上の処理は、広告配信計画装置50から広告が配信される毎に行なう。【0071】また、広告表示システム60は、所定の集計タイミングになると(S205:Yes)、視聴情報格納部670に記録されている広告視聴量を視聴情報として広告配信計画装置50に送信する(S208)。ここで、所定の集計タイミングは、例えば、1日毎、1週間毎等とすることができ、各事業者の広告表示システム60で共通のタイミングとする。そして、視聴情報格納部670に記録されている広告視聴量をリセットする(S207)。【0072】視聴情報として広告視聴量を受信した広告配信計画装置50の視聴情報受信部540は、事業者情報テーブル550を参照して、送信元の広告表示システム60の事業者IDを特定し、特定された事業者IDを付して視聴情報テーブル580(図11参照)に記録する。【0073】次に、第2実施例の広告配信計画装置50における配信計画作成動作について図14のフローチャートを参照して説明する。第1実施例と同様の処理については説明を簡略化する。【0074】第2実施例における配信計画作成動作は、各事業者の広告表示システム60から送信される視聴情報が揃ったタイミングで行なうようにする。すなわち、広告表示システム60の集計タイミングに応じて配信計画を示す配信情報テーブル570が更新されることになる。【0075】配信計画作成動作では、まず、処理対象とする広告再生事業者を設定する(S301)。そして、配信計画部510の広告視聴量取得部511が、視聴情報テーブル580(図11)を参照して、処理対象の事業者についての広告視聴量を取得する(S302)。【0076】次に、統合広告料金算出部512が、広告視聴量に基づいて広告料換算値を算出し(S503)、算出した広告料換算値と事業者情報テーブル550の「支払広告料金」とから統合広告料金を算出する(S304)。【0077】そして、広告割当部513が、統合広告料金に応じて広告配信回数を算出する(S305)。以上の処理を、事業者を順次設定しながら繰り返し、すべての事業者に対して行なう(S306)。【0078】その後、広告割当部513が、算出された配信割当比率、事業者情報テーブル550の「広告再生時間帯」、広告情報テーブル560を参照して、広告主事業者毎に実際の広告割当てを行ない(S307)、配信情報テーブル570を更新する(S308)。【0079】以上説明したように、第2実施例によれば、第1実施例の効果に加え、より正確な広告視聴量に基づいて広告配信計画を実行することができる。」
ア 上記【0057】によれば、広告配信計画装置50は、配信計画部510、広告配信部520、通信部530、視聴情報受信部540、事業者情報テーブル550、広告情報テーブル560、配信情報テーブル570、視聴情報テーブル580を備えている。
イ 上記【0059】によれば、配信計画部510は、広告視聴量取得部511と、統合広告料金算出部512と、広告割当部513とを備えている。
ウ 上記【0060】によれば、広告視聴量取得部511は、視聴情報テーブル580を参照して、事業者毎の広告視聴量を取得し、統合広告料金算出部512に供給する。
エ 上記【0064】によれば、視聴情報テーブル580は、各事業者の広告表示システム60において集計された広告視聴量を格納するテーブルである。
オ 上記【0065】によれば、広告表示システム60は、1または複数台のデジタルサイネージ610と、デジタルサイネージ610と対になった1または複数台の視聴検出部620と、通信部630と、再生処理部640と、視聴情報集計部650と、視聴情報格納部670とを備えている。
カ 上記【0066】によれば、視聴検出部620は、対になったデジタルサイネージ610で再生している広告を視聴している人の数を計測するものであって、デジタルサイネージ610の視聴エリアを撮影するためのカメラを備え、カメラで撮影された画像から人物を認識することで視聴者数を測定することができる。また、上記【0070】によれば、視聴者数の測定は、時系列で行ない、視聴者数と視聴時間とを対応付けるものである。
キ 上記【0068】によれば、視聴情報集計部650は、視聴検出部620が検出した視聴人数に基づいて視聴者毎の視聴時間の累計である広告視聴量を算出し、視聴情報格納部670に記録する。
ク 上記【0071】によれば、広告表示システム60は、所定の集計タイミングになると、視聴情報格納部670に記録されている広告視聴量を視聴情報として広告配信計画装置50に送信する。
ケ 上記【0075】によれば、配信計画部510の広告視聴量取得部511は、視聴情報テーブル580を参照して、処理対象の事業者についての広告視聴量を取得する。
コ 上記【0076】によれば、統合広告料金算出部512は、広告視聴量に基づいて広告料換算値を算出し、算出した広告料換算値と事業者情報テーブル550の「支払広告料金」とから統合広告料金を算出する。
(2) 引用文献3記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
上記(1)によれば、引用文献3には、次の事項(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。
[引用文献3記載事項]
配信計画部510、広告配信部520、通信部530、視聴情報受信部540、事業者情報テーブル550、広告情報テーブル560、配信情報テーブル570、視聴情報テーブル580を備える広告配信計画装置50であって、
配信計画部510は、広告視聴量取得部511と、統合広告料金算出部512と、広告割当部513とを備えており、
広告視聴量取得部511は、各事業者の広告表示システム60において集計された広告視聴量を格納する視聴情報テーブル580を参照して、事業者毎の広告視聴量を取得し、統合広告料金算出部512に供給するものであり、
広告表示システム60は、1または複数台のデジタルサイネージ610と、デジタルサイネージ610と対になった1または複数台の視聴検出部620と、通信部630と、再生処理部640と、視聴情報集計部650と、視聴情報格納部670とを備えており、
視聴検出部620は、対になったデジタルサイネージ610で再生している広告を視聴している人の数を計測するものであって、デジタルサイネージ610の視聴エリアを撮影するためのカメラを備え、カメラで撮影された画像から人物を認識することで視聴者数を測定することができ、視聴者数の測定は、時系列で行ない、視聴者数と視聴時間とを対応付けるものであり、
視聴情報集計部650は、視聴検出部620が検出した視聴人数に基づいて視聴者毎の視聴時間の累計である広告視聴量を算出し、視聴情報格納部670に記録し、
所定の集計タイミングになると、視聴情報格納部670に記録されている広告視聴量を視聴情報として広告配信計画装置50に送信するものであり、
配信計画部510の広告視聴量取得部511は、視聴情報テーブル580を参照して、処理対象の事業者についての広告視聴量を取得し、
統合広告料金算出部512は、広告視聴量に基づいて広告料換算値を算出し、算出した広告料換算値と事業者情報テーブル550の「支払広告料金」とから統合広告料金を算出する、
広告配信計画装置50。
3 原査定で引用された引用文献
(1) 引用文献B
原査定で引用された引用文献B(須崎 昌彦、画像による人の年齢・性別推定技術の応用、画像ラボ、2009.12.10、第20巻第12号、第80~84頁、ISSN0915-6755)には、以下の記載がある。
「ターゲティング広告広告の配信中に視聴者の年齢・性別情報を収集することで、視聴者の属性に合わせた最適な広告コンテンツを切り替える。例えば女性が多く見ている時には化粧品など女性向けの広告、男性が多い場合には車などの男性向け広告を表示することで、より高い広告効果を発揮する(第10図)。また、初期状態では概略的な広告を表示し、視聴者が広告に近づいた場合にはより詳しい情報を表示するなど、視聴者の興味度合いによる広告切り替えを行う。」(第83頁右下)
(2) 引用文献C
原査定で引用された引用文献C(特開2018- 5691号公報)には、以下の記載がある。
「【0061】図13は、実施の形態2に係る店舗側でのコンテンツ表示処理の一例を示す説明図である。図13A、Bでは、サイネージ2bが設置されている陳列棚に接近したユーザの属性に応じてサイネージ2bにコンテンツが表示されている様子を図示している。サイネージ2bの制御部21は、陳列棚に設置されている自機へのユーザの接近を検出した場合、当該ユーザの属性を判別する。例えば制御部21は、センサ装置27による画像認識結果に基づき、ユーザの属性を判別する。具体的には、センサ装置27は撮像画像より、ユーザの顔部分の画像領域を特定する。センサ装置27は、特定した該画像領域に含まれるユーザの顔の目、鼻、口等の特徴量から、ユーザの性別、年齢等を認識する。サイネージ2bの制御部21は、センサ装置27から当該認識結果を取得することでユーザの属性を判別する。【0062】制御部21は、判別したユーザの属性に応じて表示コンテンツを切り替える。例えば図13Aに示すように、陳列棚に女性のユーザが接近した場合を考える。来店客であるユーザが女性であると判別した場合、制御部21は女性向けのコンテンツを表示部24に表示する。例えば陳列棚に食品が陳列されている場合、制御部21は当該食品のレシピを表示する。また、例えば陳列棚に化粧品が陳列されている場合、制御部21は当該化粧品の使用例を示す人物画像を表示する。また、例えば陳列棚に生活用品が陳列されている場合、制御部21は女性用品を案内する画像を表示する。【0063】また、例えば図13Bに示すように、陳列棚に男性のユーザが接近した場合を考える。来店客であるユーザが男性であると判別した場合、制御部21は男性向けのコンテンツを表示部24に表示する。例えば陳列棚に飲料品が陳列されている場合、制御部21は男性に人気の高いアルコール飲料の広告を表示する。また、この場合において、例えば制御部21はアルコール飲料と共に購買されることが多い惣菜、スナック菓子等の食品広告を表示する。また、例えば陳列棚に生活用品が陳列されている場合、制御部21は男性用品を案内する画像を表示する。なお、上記でサイネージ2bはユーザの性別を基準としたコンテンツ切替処理について説明したが、年齢その他の属性に応じてコンテンツを切り替えてもよいことは勿論である。例えばサイネージ2bは、ユーザの年齢が高齢であると判別した場合、字幕付きのコンテンツ画像を表示する。また、例えばサイネージ2bは、ユーザの年齢が幼齢であると判別した場合、アニメーションに係るコンテンツ画像を表示する。」
(3) 引用文献D
原査定で引用された引用文献D(特開2016- 71699号公報)には、以下の記載がある。
「【0070】広告配信処理部150は、要求受信部151、検索部152、表示優先度決定部153、及び配信部154を備える。要求受信部151は、検索条件が設定された広告配信要求を、通信部120を介して端末装置200から受信する。検索条件は、ユーザが配信を希望する広告データを検索するために用いられる条件を示す。検索部152は、店舗管理情報の検索情報を参照し、受信した広告配信要求に設定されている検索条件に合致する広告実施店舗を広告配信店舗として特定する。さらに検索部152は、特定した広告配信店舗の広告データの中から掲載期間に基づいて配信対象の広告データを選択する。表示優先度決定部153は、検索部152が選択した配信対象の広告データの表示優先度を、所定の条件に従って、あるいは、所定の条件下でランダムに決定する。配信部154は、検索部152が選択した配信対象の広告データと、当該広告データについて決定された表示優先度の情報とを含んだ配信データを生成し、生成した配信データを通信部120に出力して端末装置200への配信を指示する。」
「【0106】表示優先度決定部153は、検索部152が選択した電子チラシの表示優先度を決定する(ステップS620)。表示優先度は、電子チラシに対応づけられた所定の情報(例えば、掲載期間が示す掲載開始日時や掲載終了日時、検索条件に含まれるユーザ位置情報と広告配信店舗の店舗位置との距離など)に基づいて決定してもよく、ランダムに決定してもよい。また、広告主が表示優先度を設定してもよい。」
(4) 引用文献E
原査定で引用された引用文献E(特開2012-160032号公報)には、以下の記載がある。
「【0172】そして、タイムセール情報が複数発生した場合に、タイムセールキャストサーバ1は、来店客数の多い店舗順に、セール内容メッセージを配信するようにすることができる。この場合には、タイムセールキャストサーバ1に対して登録しているユーザに対して、人気のある店舗(来店者の多い店舗)からのセール内容メッセージを優先して配信することができる。【0173】また、上述のようにして、タイムセールキャストサーバ1が、ユーザの携帯電話端末から送信されてくる現在位置と地図DB114の情報に基づき、ユーザ毎であって、店舗毎に、当該ユーザが来店した回数(店舗の使用頻度)を管理する。そして、配信するタイムセール情報が同時期に複数存在している場合に、タイムセールキャストサーバ1は、ユーザ毎であって店舗毎の使用頻度をも考慮して、ユーザ毎に配信するタイムセール情報に応じたセール内容メッセージの配信の優先度を変えるようにする。続きを表示(全12行)【0174】すなわち、タイムセールキャストサーバ1が、ユーザ毎に、タイムセール情報の発生元の店舗についての使用頻度(来店回数)を考慮して、セール内容メッセージの配信順を変えるようにする。このようにすることによって、ユーザは自分がよく利用する使用頻度の高い店舗からのセール内容メッセージの配信を優先して受けることができるようにされる。【0175】また、配信するタイムセール情報が同時期に複数存在している場合に、タイムセールキャストサーバ1が、季節に応じてセール内容メッセージの配信の優先度を変えるようにすることもできる。例えば、12月には、クリスマス用品やお正月用品についてのセール内容情報を優先して配信したり、3月には入学用品についてのセール内容メッセージを優先して配信したりすることができる。【0176】また、タイムセールキャストサーバ1が、セール内容メッセージの配信時などの所定の時点における天気、気温、季節等の気象条件に基づいて、セール内容メッセージの配信の優先度を変えるようにすることもできる。すなわち、タイムセールキャストサーバ1は、通信ネットワーク7に接続された気象サーバ等から、当日、翌日の天気予報や週間天気予報など、種々の気象情報を取得することができる。【0177】そこで、タイムセールキャストサーバ1は、7月、8月に、午後の気温が上がる、あるいは、夜の気温が高いまま下がらないといった予測がある場合には、ビールやアイスクリームなどに関するセール内容情報を優先して配信するとったことができる。また、12月、1月、2月に、雪が降ることが予測されている場合には、スノーブーツ、手袋などの防寒具のセール内容メッセージを優先して配信するといったこともできるようにされる。すなわち、どの季節のどのような気象条件のときに、どのようなセール内容メッセージを優先して配信するかを決めておくことにより、気象条件とセール内容メッセージに応じて、優先的に配信するセール内容メッセージを特定して配信することができる。」
(5) 引用文献F
原査定で引用された引用文献F(特開2012-128653号公報)には、以下の記載がある。
「【0126】広告ID328を選択処理について、図14を用いて説明する。まず、広告処理部41は、キャンペーンID312と対応する広告ID328を抽出する(S1401)。次に、広告処理部41は、現在の日付と広告管理情報34の配信期間334とを比較して、配信期間内にある広告ID328を選択する(S1402)。そして、広告処理部41は、広告管理情報34の表示条件336に合致する広告ID328を選択する(S1403)。【0127】そして、ステップS1403で選択された広告ID328の中から、優先度335に応じて選択を行う(S1404)。優先度335に応じた選択は、それぞれの広告ID328の優先度335を合計し、この合計値に対する書く広告ID328の優先度335の割合に基づいて選択する。【0128】例えば、現在の日時が2010年9月10日の場合、ステップS1402において、広告ID328「A003」が選択されず、「A001」と「A002」とが選択される。そして、広告ID328「A001」と「A002」との優先度335はそれぞれ「5」と「3」なので、広告ID328「A001」は、5/(5+3)×100=62.5%の確率で選択され、広告ID328「A002」は3/(5+3)×100=37.5%の確率で選択される。そして、広告処理部41は、この確率で乱数などを用いて広告枠ID302に表示する広告を1つだけ選択する。」
(6) 引用文献G
原査定で引用された引用文献G(特開2009- 53772号公報)には、以下の記載がある。
「【0072】図16は、広告主114から広告配信の要請が入った注文日時を基準に、注文日時の古い方(先着)から優先して配信する例を示す。すなわち、専用端末機106を通じた某会員からレンタル注文情報を受信した管理サーバ120は、このレンタル注文情報に基づいてコンテンツをコンテンツデータベース130からコンテンツを抽出すると共に、当該会員の属性などと広告配信要求条件とを照合し、会員の属性などに合致する広告配信要求条件の広告として広告情報データベース129からA広告からE広告の5つの広告が抽出されたとしたときに、この5つの広告のうち、広告注文の日時が最も古いA広告から順に、B広告、C広告、D広告の4つの広告が選択されてA~D広告がレンタル記録媒体に書き込まれる(最も新しいE広告は配信枠から除外される)。」
(7) 引用文献H
原査定で引用された引用文献H(特開2002― 49639号公報)には、以下の記載がある。
「【0032】次に、具体的な配信広告情報生成のアルゴリズムの一例を図6のフローチャートを用いて説明する。図6に示すように、(s14a)で示されたユーザ携帯端末2の地域情報に基づいて、配信情報処理部32aは、配信に適した広告、すなわちユーザ携帯端末2が位置する地域に関連づけられた広告を配信広告データベース34から抽出する(s14n)。そして、それらの広告がユーザから予め登録されたカテゴリー5bに一致するか否かを判定し(s14o)、一致しない広告を配信対象から除外し(s14p)、一致するもののみを配信対象に含めておき、(s14q)に進む。(s14q)では、配信対象に残った広告をその登録時刻34dに基づいてメッセージの場合と同様のランク付けを行う。ランク付けが終了すると、その広告登録時刻34dと現在時刻の差が例えば48時間より短いか否かを判定する(s14r)。48時間を超えている場合にはその広告の鮮度が古くなっていると判定して配信対象から除外し(s14s)、48時間を超えない場合、広告の鮮度は高いと判定して配信対象に含めて(s14t)に進む。なお、広告の鮮度の判定は、一律に48時間と設定してもよいし、予め広告提供条件34cあるいは36cに登録された提供時間に従っても良い。予め提供時間を設定する場合、長時間であるほど広告料を高くするのが好ましい。(s14t)では、配信対象に残った広告の中から、ランク付けの高い順から所定の数だけ広告を配信対象に残し、他の広告を除外する。配信対象に残す広告数は、予めユーザからユーザ設定条件35cとして広告数が登録されている場合にはその広告数とする。ユーザにより予め登録されていない場合には、例えば(s14j)で決定された配信数に基づいて設定されるのが望ましい。そして、残った広告を配信対象に決定する(s14u)以上、図5及び図6に示す(s14a)~(s14j)及び(s14n)~(s14u)のプロセスで決定された配信対象を含めたWEBページを生成し、ユーザ携帯端末2に送信する(s15)。ユーザ携帯端末2で受信し、携帯画面上に表示されたWEBページの一例を図7(b)に示す。図7(b)に示すように、ユーザ携帯端末2は、サーバ3へのWEBページへの1回のアクセス要求、すなわち単一操作のみで、現在ユーザが位置する地域におけるメッセージ及び広告を一覧として閲覧することができる。なお、ユーザ携帯端末2により設定されたユーザ設定条件35cが“地域が変わった場合に提供を自動で受ける”である場合、ユーザ携帯端末2の位置情報を望ましくは例えば1~4分おきに取得する。1~4分としたのは、例えばユーザが電車等の移動手段を利用している場合、ユーザにとって1~4分程度による移動で異なる地域として認識し、新たな地域での情報を希望すると考えられるためである。そして、取得した位置情報から位置情報処理部32aにより地域を特定し、前回取得した現在位置情報と今回取得した現在位置情報の地域が異なるか否かを判定し、異なっている場合には上記(s14)の処理を再度実行して新たな地域について新たに生成されたWEBページをユーザ携帯端末2に自動送信する。なお、ユーザ設定条件35cに特に設定が無い場合には、ユーザからのサービス提供の要求(s13)時から例えば0.5~2時間おきに新たなWEBページを配信してもよい。また、例えば配信条件をユーザの初期設定で限定するのが望ましく、例えば市町村が変わった場合、1km移動した場合に情報を受信する等設定できるようにするのが好ましい。」
第6 当審拒絶理由についての判断
1 本願発明1について
(1) 対比
ア 引用発明の「広告(広告情報)」は「広告コンテンツ」といい得るものである。そして、引用発明の「広告配信装置1」は「広告を配信する装置」であって、「コンピュータ」であるところ、「コンピュータ」は「コンピュータシステム」といい得るものである。
したがって、引用発明の「広告を配信する装置であり、コンピュータである広告配信装置1」は、本願発明1の「広告コンテンツを配信するコンピュータシステム」に相当する。
イ 引用発明の「広告主」は、本願発明1の「広告配信者」に相当する。また、引用発明は、「広告主が広告主端末10を操作して広告配信装置1にアクセスするもの」である。そして、引用発明は「受信部3」が「広告主端末10から広告情報と、属性条件データとをネットワークを通じて受信する」ものであるところ、「属性条件データ」は「広告情報に対して設定されたターゲットの属性条件を示す」ものであって、広告配信条件といい得るものであり、「広告情報」とともに「記憶部2」に記憶されるものである。
そうすると、引用発明の「広告主」から「広告情報」と「属性条件データ」である広告配信条件を受信部3が受信して、記憶部2に記憶する構成と、本願発明1の「広告配信者から、広告コンテンツと、広告対象の属性を含む広告配信条件の登録を受け付け、前記広告コンテンツを特定するための順位付けを、前記広告配信条件に対応付けて登録する受付手段」とは、「広告配信者から、広告コンテンツと、広告対象の属性を含む広告配信条件の登録を受け付ける受付手段」で共通する。
ウ 引用発明の「広告表示器20」は、本願発明1の「広告媒体」に相当する。また、引用発明の「広告情報を閲覧した居住者」は、本願発明1の「(広告媒体の)視聴者」に相当する。
そして、引用発明の「広告媒体」(広告表示器20)は「視聴者」(居住者)が住む「各集合住宅に設置される」ものであり、「判定部4」は「記憶部2に記憶された集合住宅に住む居住者の属性を示す属性データと、受信部3によって受信した属性条件データとを照合して、広告情報に設定された属性条件を満たすか否かを集合住宅毎に判定」するものである。
そうすると、引用発明の「判定部4」における「広告媒体」(広告表示器20)が設置される集合住宅に住む「視聴者」(居住者)の属性を判定する構成は、広告媒体の視聴者の属性を判定するといえるから、本願発明1の「広告媒体の視聴者の属性を判定する判定手段」に相当する。
エ 引用発明において、「判定部4」は「記憶部2に記憶された集合住宅に住む居住者の属性を示す属性データと、受信部3によって受信した属性条件データとを照合して、広告情報に設定された属性条件を満たすか否かを集合住宅毎に判定し」、「配信部5」は「判定部4の判定結果によって特定された広告表示器20に広告情報を配信する」ものである。
そうすると、引用発明において、「居住者の属性」が「広告情報に設定された属性条件を満たす」と「判定部4」で判定された場合、「配信部5」が「広告表示器20に広告情報を配信する」構成と、本願発明1の「判定した前記視聴者の属性が、前記広告配信条件を満たす場合、前記広告媒体に、当該広告配信条件を満たし、前記順位付けの最も高い前記広告コンテンツを配信する配信手段」とは、「判定した前記視聴者の属性が、前記広告配信条件を満たす場合、前記広告媒体に、当該広告配信条件を満たす前記広告コンテンツを配信する配信手段」で共通する。
オ 引用発明の「撮影装置30」は「広告表示器20の周辺を撮影し、当該撮影した映像から、広告表示器20に表示される広告情報を閲覧した居住者を認識し、認識した居住者の人数を集計する」ものである。
そうすると、引用発明の「撮影装置30」が「広告表示器20の周辺を撮影し、当該撮影した映像から、広告表示器20に表示される広告情報を閲覧した居住者を認識し、認識した居住者の人数を集計する」構成と、本願発明1の「前記視聴者の撮影画像を解析して、配信した前記広告コンテンツの視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間を計測する計測手段」とは、「前記視聴者の撮影画像を解析して、配信した前記広告コンテンツの視聴人数を計測する計測手段」で共通する。
カ 引用発明は「取得部6によって取得した閲覧人数データに対応する広告料金を算出する料金算出部7」を備えるものである。
そうすると、引用発明の「料金算出部7」が「閲覧人数データに対応する広告料金を算出する」構成と、本願発明1の「視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間から、広告料金を算出する算出手段」とは、「視聴人数から、広告料金を算出する算出手段」で共通する。
キ 引用発明の「広告配信装置1の料金算出部7」は「広告情報の閲覧人数に対応する広告情報の請求料金を示す請求料金データを作成」するものである。そして、引用発明の「発信部」は「広告主端末10に向けて請求料金データを発信する」ものである。
そうすると、引用発明の「広告配信装置1の料金算出部7」が「広告情報の閲覧人数に対応する広告情報の請求料金を示す請求料金データを作成」し、「発信部」が「広告主端末10に向けて請求料金データを発信する」構成は、本願発明1の「前記広告料金を、広告配信者に課金する課金手段」に相当する。
以上によれば、本願発明1と引用発明とは、以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
広告コンテンツを配信するコンピュータシステムであって、
広告配信者から、広告コンテンツと、広告対象の属性を含む広告配信条件の登録を受け付ける受付手段と、
広告媒体の視聴者の属性を判定する判定手段と、
判定した前記視聴者の属性が、前記広告配信条件を満たす場合、前記広告媒体に、当該広告配信条件を満たす前記広告コンテンツを配信する配信手段と、
前記視聴者の撮影画像を解析して、配信した前記広告コンテンツの視聴人数を計測する計測手段と、
視聴人数から、広告料金を算出する算出手段と、
前記広告料金を、広告配信者に課金する課金手段と、
を備えるコンピュータシステム。
[相違点]
[相違点1]
本願発明1は、「受付手段」が「前記広告コンテンツを特定するための順位付けを、前記広告配信条件に対応付けて登録する」ものであり、「配信手段」が配信する広告コンテンツが「前記順位付けの最も高い」ものであるのに対し、引用発明は、そのような構成ではない点。
[相違点2]
本願発明1は、「計測手段」が「広告コンテンツの視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間」を計測し、「算出手段」が「視聴人数の増加、減少、維持及び/又は前記視聴者毎の視聴時間」から広告料金を算出するのに対し、引用発明は、「計測手段」が「視聴人数」を計測し、「算出手段」が「視聴人数」から広告料金を算出する点。
[相違点3]
本願発明1は、「判定手段」が「前記視聴者の撮影画像を解析して」視聴者の属性を判定するのに対し、引用発明は、「広告媒体」(広告表示器20)が設置される集合住宅に住む「視聴者」(居住者)の属性を判定する点。
(2) 判断
上記相違点について検討する。
ア [相違点1]について
引用文献2には、上記第5の2(2)のとおり、引用文献2記載事項が記載されているところ、引用文献2記載事項では、「デジタルサイネージ端末SNにおける広告の表示スケジュールを決定する情報処理装置」である「決定装置100」の「広告情報記憶部123」が「「広告ID」、「広告コンテンツ」、「対象」、「入札価格」、「タグ」といった項目を有する、広告に関する各種情報を記憶」し、「決定部133」が「所定の時間帯における統計情報と、広告に付されたタグとの類似性に基づいて、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する候補となる候補広告」のうち、「収益性に関する評価値が最も高い広告を、所定の時間帯にデジタルサイネージ端末SNに表示する広告として決定する」ものである。
なお、引用文献2記載事項の「タグ」は、性別や年齢等の項目であって、「対応する広告が対象としているユーザに関する情報を示すもの」であるから、広告を配信する際の条件(広告配信条件)であるということができる。
そうすると、引用文献2記載事項では、デジタルサイネージ端末SNに表示する広告を決定するために、「広告情報記憶部123」に対応付けて記憶された「入札価格」と「タグ」(性別、年齢等)に基づいて、「タグ」が同じである複数の広告候補のうち、「入札価格」が最も高い広告を「決定部133」が決定しているから、この構成は、広告を決定(特定)するための入札価格(順位付け)をタグ(広告配信条件)に対応付けて記憶(登録)しており、入札価格(順位付け)の最も高い広告を配信しているといえ、上記相違点1に係る構成であるということができる。
そして、引用発明の広告表示器20に広告を配信する際に、広告配信条件を満たす複数の広告が存在することは普通に想定される事項であるから、引用発明において、広告配信装置という技術分野で共通する引用文献2記載事項の上記相違点1に係る構成を採用することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
イ [相違点2]について
引用文献3には、上記第5の3(2)のとおり、引用文献3記載事項が記載されているところ、「視聴検出部620」は「カメラで撮影された画像から人物を認識することで視聴者数を測定することができ、視聴者数の測定は、時系列で行ない、視聴者数と視聴時間とを対応付けるもの」であるから、所定の時間間隔で視聴者を時系列に測定し、それによって視聴時間の累計を広告視聴量として算出するものである。
そうすると、引用文献3記載事項の「視聴検出部620」は、所定の時間間隔の時系列でみると、その時点での広告の視聴者数(視聴人数)の増加、減少、維持を測定(計測)しているといえ、また、視聴時間を測定(計測)しているといえるから、この構成は、上記相違点2に係る構成の「計測手段」であるということができる。
そして、引用発明の広告表示器20において、より正確な閲覧人数データを取得して広告料金を算出しようとすることも普通に想定される事項であるから、引用発明において、広告配信装置という技術分野で共通する引用文献3記載事項の上記相違点2に係る「計測手段」の構成を採用することは、当業者であれば容易に想到し得るものであり、その結果として、引用発明の「算出手段」も上記相違点2に係る構成の「算出手段」となることも自明である。
ウ [相違点3]について
上記第5の1(1)の【0003】、【0006】及び【0008】とおり、引用文献1に記載された発明は、背景技術として「デジタルサイネージに設けられたカメラによって閲覧者の顔や体形を撮像し、画像処理によって性別や年齢等を推測し、推定した性別や年齢等に相応しい広告を提供する技術が知られている」ところ、そのような技術は「閲覧者の属性情報を逐次取得することで、プライバシーを侵害されているとの印象を持たせてしまう虞もあり、非常に手間もかかっていた」から、「広告表示器に表示される広告情報を閲覧する者から新たな属性情報を逐次取得することなく、効果的な広告情報を配信可能な広告配信装置、広告配信システム及び広告配信方法を提供すること」を目的とするものである。
そうすると、引用発明において、「広告媒体」(広告表示器20)が設置される集合住宅に住む「視聴者」(居住者)について、「視聴者の撮影画像を解析して」視聴者の属性を判定するように構成することは、引用文献1に記載された上記目的に反するものであるから、そのように構成することの動機付けはなく、かえって阻害要因があるといえる。
したがって、引用発明において、相違点3に係る構成を採用することは、当業者であっても容易に想到することができたものであるとはいえない。
(3) 小括
以上によれば、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2について
上記第4のとおり、本願発明2は、本願発明1に構成を付加し限定したものであるから、引用発明と対比すると、上記1(1)で説示した[相違点]を有するものである。
そうすると、本願発明2も、上記1(2)と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明3及び4について
上記第4のとおり、本願発明3(広告コンテンツ配信方法)及び本願発明4(コンピュータ読み取り可能なプログラム)は、本願発明1(広告コンテンツを配信するコンピュータシステム)と発明のカテゴリーが異なるのみであって、実質的に相違するものではない。
そうすると、上記1(2)のとおり、本願発明1が、引用発明、引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、本願発明3及び4も、引用文献1から方法及びプログラムの発明として認定される発明、引用文献2及び3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 当審拒絶理由通知についてのまとめ
上記1~3のとおり、本願発明1~4は、引用文献1に記載された発明、引用文献2及び3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第7 原査定についての判断
原査定は、上記第2のとおり、本件補正前の請求項1~6に係る発明は、引用文献A~Hに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
しかしながら、本件補正により補正された請求項1及び2に係る発明は、上記第6の1及び2のとおり、「判定手段」が「前記視聴者の撮影画像を解析して、当該視聴者の属性を判定する」構成を備え、本件補正により補正された請求項3及び4に係る発明も、対応する構成を備えているところ、これらの構成は、引用文献A~Hには記載されておらず、当業者にとって自明なものでもない。
そうすると、本件補正により補正された請求項1~4に係る発明は、引用文献A~Hに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、当審拒絶理由及び原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2022-003633