商標拒絶査定不服審判
2022-002221
エルデイシイ
- 審判番号
- 2022-002221
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-104390
- 請求日
- 2022年02月15日
- 審決日
- 2023年01月10日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ライフドリンクカンパニー
- 【請求人代理人】山本 拓也
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .261-Z (W303235) / T18 .262-Z (W303235) / T18 .263-Z (W303235)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-104390拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年8月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 5月26日付け:拒絶理由通知書
令和3年 7月 9日受付:意見書
令和3年11月10日付け:拒絶査定
令和4年 2月15日受付:審判請求書
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、構成中の「D」の文字に若干のデザイン化が施された「LDC」の欧文字を横書きしてなり、第30類、第32類及び第35類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、現に有効に存続しているものである。
国際登録第1322554号商標
商標の構成:別掲3のとおり
国際商標登録出願日(事後指定):2017年(平成29年)10月16日
設定登録日:令和元年(2019年)9月6日
指定商品及び指定役務:第29類ないし第32類に属する別掲4のとおりの商品並びに第1類、第4類、第6類、第7類、第12類、第19類、第22類ないし第24類、第35類ないし第37類、第39類、第40類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、構成中の「D」の文字に若干のデザイン化が施された「LDC」の欧文字を横書きしてなり、その構成文字に相応して、「エルデイシイ」の称呼が生じるものである。また、当該文字は辞書等に載録されている既成の語ではなく、本願商標の指定商品及び指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。
したがって、本願商標からは、「エルデイシイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲3のとおり、大きく表した「LDC.」の文字及び記号を上段に、小さく表した「Louis Dreyfus Company」の文字を下段に配した構成よりなるものである。
引用商標の構成中、上段の「LDC.」の文字及び記号は、下段の「Louis Dreyfus Company」の各単語の頭文字に「.」(ピリオド)を付したものであると理解されるところ、下段の文字と比較して顕著に大きく表され、看者に強い印象を与えるものであるから、これらは、視覚上分離して看取されるものといえる。
そして、「LDC.」の文字及び記号と、「Louis Dreyfus Company」の文字とを一連に称呼したときに生じる「エルデイシイルイドレフユスカンパニー」の称呼は、冗長であるといえる。
また、「LDC.」の文字及び記号は、引用商標の指定商品及び指定役務との関係において、自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当であり、他に下段の文字部分と常に一体不可分のものとして認識しなければならない理由は見いだせない。
してみれば、引用商標は、その構成中の「LDC.」の文字及び記号のみを分離抽出し、これが引用商標の自他商品及び役務の識別標識を表示する要部として認識され、この部分のみを本願商標と比較することが許されるというべきであり、「LDC.」の構成中の文字部分に相応して「エルデイシイ」の称呼を生じ、当該文字は辞書等に載録されている既成の語ではなく、引用商標の指定商品及び指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。なお、「LDC.」の構成中の「.」(ピリオド)は、英語の文章における終止符であって、特に発音するものではなく、当該部分から称呼は生じない。
したがって、引用商標からは、「エルデイシイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標を比較すると、外観について、両商標は、全体としては差異を有するものの、本願商標と、引用商標の要部である「LDC.」は、「D」の文字のデザイン化を含む文字種及び末尾の「.」の有無の相違があるとしても、それぞれの構成中の欧文字3文字全てが、同じ綴りの文字からなるものであり、両者は外観上、近似した印象を与えるというのが相当である。
そして、称呼については、両者は「エルデイシイ」の称呼を共通にするものである。
また、観念については、両者はいずれも特定の観念が生じないから比較することができない。
したがって、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、称呼を共通にし、外観上近似した印象を与えるため、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品及び指定役務中、第30類「茶,昆布茶,紅茶,緑茶,麦茶,ウーロン茶,コーヒー,ココア,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,しょうゆ,ケチャップソース,ウスターソース,ソース(調味料),既製品のソース(調味料),食酢,そばつゆ,食用粉類,調味料及び香辛料」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第30類「Coffee, tea, cocoa and artificial coffee; tapioca and sago; flour and preparations made from cereals; sugar, honey, treacle; salt; mustard; vinegar, sauces (condiments); spices;」と同一又は類似の商品である。
本願商標の指定商品及び指定役務中、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ミネラルウオーター,コーラ飲料,サイダー,ラムネ,レモン水,シロップ,炭酸水,ソーダ水,乳清飲料」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第29類「milk and milk products;」及び第32類「mineral and aerated waters and other non- alcoholic beverages; fruit beverages and fruit juices; syrups and other preparations for making beverages.」と同一又は類似の商品である。
本願商標の指定商品及び指定役務中、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第29類「Meat, fish, poultry and game; meat extracts; preserved, frozen, dried and cooked fruits and vegetables; jellies, jams, compotes; eggs; milk and milk products; edible oils and fats.」、第30類「Coffee, tea, cocoa and artificial coffee; rice; tapioca and sago; flour and preparations made from cereals; bread, pastries and confectionery; edible ices; sugar, honey, treacle; yeast, baking-powder; salt; mustard; vinegar, sauces (condiments); spices; ice.」、第31類「Barley; grains (cereals); raw and unprocessed grains and seeds; fresh fruits and vegetables; malt.」及び第32類「Beers; mineral and aerated waters and other non- alcoholic beverages; fruit beverages and fruit juices; syrups and other preparations for making beverages.」と類似の役務である。
オ 小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務も引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品及び役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、引用商標は、上段の欧文字「LDC.」の各構成文字「L」、「D」及び「C」のそれぞれの文字の下に、これらのアルファベットを語頭に有する「Louis」、「Dreyfus」及び「Company」の文字を配し、デザイン上においても一体感を持たせ、上段の「LDC.」の文字は、下段の「Louis Dreyfus Company」の文字の各語の頭文字を連続で略記した語(頭字語)であることが容易に認識され、上下段に配された欧文字同士の関連性を想起させ、下段の欧文字には引用商標の商標権者の略称「Louis Dreyfus」を含むことを考慮すれば、引用商標は、上段の欧文字「LDC.」と、下段の欧文字「Louis Dreyfus Company」とが結合一体化し全体として一つの造語となした結合商標と認識し、「エルデイシイルイドレフユスカンパニー」の称呼のみを生じると解釈することが相当である旨主張する。
しかしながら、上記(1)イのとおり、引用商標は、その構成中の「LDC.」の文字及び記号のみを分離抽出し、これが引用商標の自他商品及び役務の識別標識を表示する要部として認識され、この部分のみを本願商標と比較することが許されるものというのが相当である。
イ 請求人は、過去の審決例及び登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、商標の類否判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであり、また、請求人が挙げる審決例及び登録例は、いずれも本願商標及び引用商標とその構成態様を異にするものであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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