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特許異議申立

2021-701031

カートリッジ

審判番号
2021-701031
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-138169
登録番号
6867064
請求日
2021年10月28日
審決日
2022年03月02日
公報発行日
2022年05月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】Future Technology株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
  • 【異議申立人】株式会社 MFC
  • 【異議申立人代理人】西内 盛二
  • 【異議申立人】深セン市益中源科技有限公司
  • 【異議申立人代理人】西内 盛二
審判長/審判官
  • 審判長 平城 俊雅
  • 審判官 田村 佳孝
  • 審判官 林 茂樹
分類
P1651.121-Y (A24F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(XML)

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特許第6867064号発明「カートリッジ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6867064号の請求項に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6867064号の請求項1ないし3に係る特許についての出願は、平成29年11月2日(優先権主張 平成29年6月16日)に出願された特願2017-212535号の一部を、平成30年1月17日に新たな特許出願(特願2018-5300号)とし、さらにその一部を令和2年5月25日に新たな特許出願(特願2020-90359号)とし、さらにその一部を令和2年8月18日に新たな特許出願としたものであって、令和3年4月12日にその特許権の設定登録がされ、令和3年4月28日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について令和3年10月28日に特許異議申立人 株式会社MFC及び深セン市益中源科技有限公司(以下、「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件特許発明 本件特許の請求項1ないし3に係る発明(以下「本件特許発明1~3」という。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 加熱要素を有する本体に挿入して用いるカートリッジであって、 エアロゾル形成基材と、 マウスピースと、 前記エアロゾル形成基材と前記マウスピースの間に配置された、前記カートリッジの長手方向に直交する方向に巻き込まれたシートと、 前記エアロゾル形成基材と前記シートの間に配置され、前記エアロゾル形成基材と接する支持部材と、 前記エアロゾル形成基材、前記マウスピース、前記シート、および前記支持部材を包装する包装部材とを備え、 前記支持部材の前記カートリッジの長手方向に垂直な所定の断面は、その周縁部が複数カ所切り取られた形状であり、 前記支持部材は、前記カートリッジの前記長手方向に沿って形成され、前記複数カ所切り取られた形状によって形成される複数の側部を有し、 前記複数の側部はその周縁部が前記包装部材に接しており、 前記複数の側部の各々の間には前記カートリッジの長手方向に沿った複数の溝が形成され、前記複数の溝と前記包装部材とで前記エアロゾル形成基材が生成したエアロゾルの流路が複数形成されることを特徴とするカートリッジ。 【請求項2】 前記シートはポリ乳酸を含むことを特徴とする、請求項1に記載のカートリッジ。 【請求項3】 前記エアロゾル形成基材は、ペースト状の充填物を含むことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載のカートリッジ。」 第3 特許異議申立ての概要 異議申立人は、証拠方法として、甲第1号証、甲第2号証(以下「甲1、甲2」という。)を提出し、概略次の特許異議の申立ての理由を主張している。 甲1:特表2016-506729号公報 甲2:特表2015-530106号公報 <理由(特許法第29条第2項)> 本件特許発明1ないし3は、甲1に記載された発明及び技術常識に基づいて、若しくは、甲1に記載された発明及び甲2に記載された発明に基づいて、それぞれ当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明1ないし3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであって、特許法第113条第2号の規定により取り消すべきものである。 第4 当審の判断 1 甲1、甲2の記載等 (1)甲1 ア 甲1の記載 甲1には、「エアロゾル生成物品」に関して、以下の記載がある(下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。以下同様。)。 「【0095】 用語「集められた」は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途エアロゾル生成物品の長手方向軸に対して実質的に横方向に圧縮され、または収縮したシートを記述するために使用される。」 「【0110】 支持体エレメント30は、エアロゾル形成基体20の下流に直接位置し、およびエアロゾル形成基体20に隣接する。図5に示した態様において、支持体エレメントは、中空酢酸セルロース管である。支持体エレメント30は、それがエアロゾル生成装置の加熱エレメントによって貫通されることができるように、エアロゾル生成物品10の最端の遠位端80にてエアロゾル形成基体20を位置する。さらに下に記述するように、支持体エレメント30は、エアロゾル生成装置の加熱エレメントがエアロゾル形成基体20に挿入されるときに、エアロゾル形成基体20がエアロゾル冷却エレメント40の方へエアロゾル生成物品10内に下流へと押し込まれるのを防ぐように働く。また、支持体エレメント30は、エアロゾル形成基体20からエアロゾル生成物品10のエアロゾル冷却エレメント40に間隔をあけるスペーサーとして働く。 【0111】 エアロゾル冷却エレメント40は、支持体エレメント30の下流に直接位置し、および支持体エレメント30に隣接する。使用において、エアロゾル形成基体20から放出される揮発性物質は、エアロゾル生成物品10の口末端70の方へエアロゾル冷却エレメント40に沿って通過する。揮発性物質は、エアロゾル冷却エレメント40内で冷却して使用者によって吸入されるエアロゾルを形成してもよい。図5に図示した態様において、エアロゾル冷却エレメントは、包み紙90によって取り囲まれたポリ乳酸の波形加工され、および集められたシートを含む。ポリ乳酸の波形加工され、および集められたシートは、エアロゾル冷却エレメント40の長さに沿って伸びる複数の長手方向経路を定義する。 【0112】 マウスピース50は、エアロゾル冷却エレメント40の下流に直接位置し、およびエアロゾル冷却エレメント40に隣接する。図5に示したように、マウスピース50は、低濾過効率の従来の酢酸セルローストウフィルタを含む。 【0113】 エアロゾル生成物品10を構築するために、上記の4つのエレメントは、外側の包み紙60内で整列させられ、および密接に包まれる。図5に図示した態様において、外側の包み紙は、従来のシガレットペーパーである。図5に示したように、パーフォレーションの随意の列は、エアロゾル生成物品10の支持体エレメント30を取り囲む外側の包み紙60の領域において提供される。」 「【0116】 図6は、上に記述し、および図5に図示した態様にしたがったエアロゾル生成装置110およびエアロゾル生成物品10を含むエアロゾル生成系100の部分を図示する。 【0117】 エアロゾル生成装置は、加熱エレメント120を含む。図6に示したように、加熱エレメント120は、エアロゾル生成装置110のエアロゾル生成物品受け入れチャンバ内に取り付けられる。使用において、使用者は、加熱エレメント120が図6に示したエアロゾル生成物品10のエアロゾル形成基体20の中に直接挿入されるように、エアロゾル生成装置110のエアロゾル生成物品受け入れチャンバの中にエアロゾル生成物品10を挿入する。図6に示した態様において、エアロゾル生成装置110の加熱エレメント120は、ヒーターブレードである。」 「【0119】 エアロゾル生成物品10の支持体エレメント40は、エアロゾル形成基体20の中へのエアロゾル生成装置110の加熱エレメント120の挿入の間、エアロゾル生成物品10によって経験される貫通力に抵抗する。これにより、エアロゾル生成物品10の支持体エレメント40は、エアロゾル形成基体の中へのエアロゾル生成装置の加熱エレメントの挿入の間、エアロゾル生成物品10内でエアロゾル形成基体の下流の移動に抵抗する。」 「【0211】 随意に、固体のエアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されても、または中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートの形態をとってもよい。固体のエアロゾル形成基体は、たとえば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に沈着してもよい。固体のエアロゾル形成基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用の間、均一でないフレーバー送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。」 「 [図:0001384235000001.jpg] 」 「 [図:0001384235000002.jpg] 」 イ 上記アから分かること 1a)段落【0116】、【0117】及び図6の記載からエアロゾル生成物品10は、加熱エレメント120を有するエアロゾル生成装置110に挿入して用いられることが分かる。 1b)図5の記載から、エアロゾル生成物品10はエアロゾル形成基体20と、マウスピース50と、エアロゾル冷却エレメント40と、支持体エレメント30と、包み紙60とを備えていることが分かる。 1c)段落【0110】、【0112】、図5の記載から、エアロゾル冷却エレメント40はエアロゾル形成基体20と前記マウスピース50の間に配置されていることが分かる。 1d)段落【0111】の記載から、エアロゾル冷却エレメント40は、集められたシートを含む部材であることが分かり、さらに段落【0095】の「用語「集められた」は、巻き込まれ・・・を記述するために使用される。」との記載から、当該エアロゾル冷却エレメント40の集められたシートは巻き込まれシートであるので、エアロゾル冷却エレメント40は、巻き込まれたシートを含むことが分かる。 1e)段落【0110】、【0119】、図5の記載から、支持体エレメント30はエアロゾル形成基体20とエアロゾル冷却エレメント40の間に配置され、エアロゾル形成基体20と接していることが分かる。 1f)段落【0113】、図5の記載から、包み紙60はエアロゾル形成基体20、マウスピース50、エアロゾル冷却エレメント40、および支持体エレメント30を包装していることが分かる。 1g)段落【0111】の記載から、エアロゾル冷却エレメント40はポリ乳酸を含んでいることが分かる。 1h)段落【0211】の記載から、エアロゾル形成基体20は、担体の表面上に沈着したスラリーの形態の部材を含むことが分かる。 ウ 甲1記載の発明 上記ア及びイを総合すると、甲1には、下記の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 「加熱エレメント120を有するエアロゾル生成装置110に挿入して用いるエアロゾル生成物品10であって、 エアロゾル形成基体20と、 マウスピース50と、 前記エアロゾル形成基体20と前記マウスピース50の間に配置された、巻き込まれたシートを含むエアロゾル冷却エレメント40と、 前記エアロゾル形成基体20と前記エアロゾル冷却エレメント40の間に配置され、前記エアエアロゾル形成基体20と接する支持体エレメント30と、 前記エアロゾル形成基体20、前記マウスピース50、前記エアロゾル冷却エレメント40、および前記支持体エレメント30を包装する包み紙60とを備え、 前記エアロゾル冷却エレメント40はポリ乳酸を含み、 前記エアロゾル形成基体20は、担体の表面上に沈着したスラリーの形態の部材を含む エアロゾル生成物品10。」 (2)甲2 ア 甲2の記載 甲2には、技術に関して、以下の記載がある。 「【0002】 紙巻きタバコのような燃焼式喫煙物品は、通常、タバコロッド(tobacco rod)を形成する紙包装材によって包囲された、刻みタバコを有する。紙巻きタバコは、紙巻きタバコの一端に着火し、細断されたタバコロッドを燃焼させることによって、喫煙者によって用いられる。次いで喫煙者は、通常はフィルタを包含する紙巻きタバコの反対端または吸口端を吸うことによって、主流煙をその口中に受け入れる。刻みタバコは、紙巻きタバコのブランドに応じて、1種類のタバコまたは2種以上のタバコのブレンドとすることができる。 たばこのようなエアロゾル生成基材が燃焼されるのではなく加熱される、いくつかの喫煙物品が、当該技術においてすでに提案されている。加熱型喫煙物品において、エアロゾルは、エアロゾル発生基材を加熱することによって生成される。知られている加熱型喫煙物品としては、例えば、エアロゾルが、電気的に加熱することにより、または可燃燃料要素もしくは熱源からエアロゾル発生基材への熱伝達によって生成される、喫煙物品が挙げられる。喫煙中に、熱源からの熱伝達によって、エアロゾル発生基材から揮発性化合物が放出されて、喫煙物品を通り吸い込まれる空気に連行される。放出化合物が冷えるにつれて、それらは凝縮して、消費者によって吸入されるエアロゾルを形成する。同様に知られているものとして、ニコチン含有エアロゾルが、タバコ材料、タバコ抽出物、またはその他のニコチン源から燃焼なしに、また場合によっては加熱なしに、例えば化学反応によって生成される、喫煙物品がある。 喫煙物品内のフィルタは、使用中に汚損する傾向がある。そのような汚損は、通常、物品の吸口端において目に見える。一部の喫煙者は、喫煙後に汚損が顕著でないか、または目に見えない喫煙物品を好む。」 「【0007】 実施形態によっては、上流フィルタ部分の長さを、フィルタの通常の長さを超えて、吸口端フィルタ部分の長さにほぼ等しい量だけ延ばすのが望ましい場合がある。この理由は、吸口端部分は、この部分の煙のほとんど、または全部が、中心フィルタプラグよりも、流路を通って流れるので、フィルタリングには顕著に寄与することは期待されないことによる。上流フィルタ部分の長さを、吸口端フィルタ部分の長さにほぼ等しい量だけ延ばすことによって、喫煙物品の全体フィルタリング効率を維持してもよい。代替的または追加的に、上流フィルタ部分のフィルタリング効率を向上させることが望ましい場合がある。効率を向上させることによって、吸口端部分と上流フィルタ部分の累積長さを、現在入手可能な喫煙物品のフィルタ部分の長さに維持してもよい。」 「【0012】 吸引抵抗は、煙の透過率に比例することが理解されるであろう。したがって、吸口端セグメントの周辺領域が、中心フィルタプラグの吸引抵抗よりも約10分の1の吸引抵抗を有する場合には、周辺領域は、中心フィルタプラグの煙に対する透過率よりも、約10倍大きい煙に対する透過率を有することになる。実施形態によっては、吸口端部分の周辺領域を通過する煙の透過率は、吸口端部分の中心フィルタプラグを通過する煙の透過率よりも、約5倍以上大きく、例えば、約10倍大きいか、または約50倍大きい。 したがって、周辺領域を通過して流れる煙の量は、中心フィルタプラグを通過して流れる煙の量よりも実質的に大きくなり、このことから、中心フィルタプラグの汚損は顕著に少なくなる筈である。好ましくは、喫煙物品の吸口端部分を通過して流れる煙の実質的に全部が、周辺領域を通過して流れる。実施形態によっては、喫煙物品の吸口端部分を通過して流れる煙の約80%以上、例えば約90%以上または約95%以上が、周辺領域を通過して流れる。したがって、喫煙物品の吸口端部分を通過して流れる煙の約20%以下、例えば、約10%以下または約5%以下が、中心フィルタプラグを通過して流れる。 中心フィルタ部分と周辺領域とを通過して流れる煙の相対的量に関わらず、中心フィルタプラグの吸口端汚損は、流路を有する周辺領域を備える吸口端部分を有さない類似の喫煙物品と比べて、流路を有する周辺領域を備える吸口端部分を有する喫煙物品において、好ましくは実質的に低減される。好ましくは、本明細書に記載した1つまたは複数の流路を備える吸口端部分を有する喫煙物品の喫煙の後に、実質的に、中心フィルタプラグの目に見える汚損がほとんど、またはまったく発生しない。実施形態によっては、中心フィルタプラグの吸口端汚損は、流路を有する周辺領域を備える吸口端部分を有さない類似の喫煙物品と比べて、約50%以上、例えば、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、または約95%以上、低減される。相対的な汚損低減は、分析機器を使用するか、または視覚近似によって比較してもよい。」 「【0015】 セルロースフィルムなどのような、紙以外の材料を、US2008/060746の修正方法において使用して、喫煙物品の吸口端部分を形成してもよいことが理解されよう。 勿論のこと、任意の好適なその他の方法を使用して、中心フィルタプラグのまわりの流路を形成してもよい。実施形態によっては、流路は、吸口セグメントまたは喫煙物品の縦方向軸に平行に形成され、それらは、一般に、喫煙物品が完全に組み立てられると同じものとなる。例として、紙、セルロースフィルムなどのような材料のプライまたはストリップを、積層、熱間箔押し、その他によって、中心フィルタプラグ、または中心フィルタプラグを包囲する層の上に堆積させてもよい。好ましくは、3つ以上のストリップを使用して、3つ以上の流路を生成する。このストリップは、互いに重ねて層状化して、所望の流路高さを達成する。流路の幅は、隣接するストリップ間の距離に依存することになる。実施形態によっては、流路は、すべてがおよそ等しい幅であるとともに、中心フィルタプラグの周囲のまわりにほぼ等間隔で配置される。螺旋状流路が上述のように形成されるのと同様に、外部包材が、最終的に、直線状流路のまわりに設置されて、煙が通過できる導管を形成する。」 「【0022】 エアロゾル発生装置を含む、喫煙物品は、通常、ロッドの形態で、しばしばその他の構成要素とともに組み立てられる、エアロゾル形成基材を備える。しばしば、そのようなロッドは、エアロゾル形成基材を加熱するための加熱要素を備える、エアロゾル発生装置中に挿入されるような形状および大きさに構成される。本明細書において使用される場合に、「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置に使用することのできる、1種の喫煙組成物である。エアロゾル形成基材は、固体形態または液体形態とすることができる。基材は、液体成分および固体成分の両方を含むことができる。エアロゾル形成基材は、タバコを含んでもよい。エアロゾル形成基材は、粉末、顆粒、ペレット、細片(shreds)、スパゲッティ状より糸(strands)、ストリップまたはシートの形態をとることのできる担体上に、またはその中に埋め込んで提供してもよい。エアロゾル形成基材は、シート、泡、ゲルまたはスラリの形態の担体の表面に堆積させてもよい。エアロゾル形成基材は、担体の全表面上に堆積するか、代替的に、使用中に不均一な香味放出を行うためにパターン化して堆積させてもよい。非燃焼式エアロゾル発生喫煙物品には、本明細書において記載したような吸口端部分を含めてもよく、または上流フィルタ部分を含めてもよい。 次に図1~5を参照すると、新規の喫煙物品またはその吸口端部分の様々な態様を図解する、概略図が示されている。これらの図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、例証のために提示されるものであり、限定はされない。これらの図面は、本明細書において記載した様々な態様を図示する。しかしながら、図面において図示されないその他の態様が、本開示の範囲と趣旨に含まれることを理解されるであろう。図に使用される同様の番号は、同様の構成要素、ステップなどを指している。しかしながら、所与の図における構成要素を参照するための番号の使用は、同一の番号でラベル付けされた、別の図における構成要素を限定することを意図していないことが理解されるであろう。加えて、構成要素を参照するのに異なる番号を使用することは、異なる番号をつけられた構成要素が同一または類似であり得ないことを示すものではない。」 「【0024】 本明細書に提示される概略図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、単に例証の目的で示されている。 図1を参照すると、喫煙物品の吸口端フィルタ部分100が図示されている。図示されている吸口端フィルタ部分10は、中心フィルタプラグ10、および中心フィルタプラグ10のまわりに配置された周辺領域20を含む。周辺領域は、ストリップ22を含み、このストリップ22間に流路24が形成され、これらは図2に図示された端面図においてよくわかる。図1の吸口端フィルタ部分に図示されている流路24は、互いに平行かつ吸口端部分の縦方向軸に平行に延びている。喫煙物品に組み込まれたときに、流路は、物品の吸口端へと延びてもよい。図示はされていないが、中間層が、中心フィルタプラグ10と、流路24を形成するストリップ22との間に存在してもよいことが理解される。また、流路24を形成するストリップ22のまわりに配置された外層は、吸口端フィルタ部分を喫煙物品に含める前に、吸口端フィルタ部分100内に含めてもよいことが理解されるであろう。」 「【0026】 図4は、図1、図2または図3に図示されている吸口端フィルタ部分のような吸口端フィルタ部分100がその中に組み込まれる、喫煙物品200を図示している。吸口端フィルタ部分100は、流路(図4には図示せず)が物品の吸口端まで延びるように、喫煙物品200中に組み込まれている。図示された喫煙物品200は、吸口端部分100の上流にフィルタ部分30をさらに含む。吸口端フィルタ部分100は、図4においては上流フィルタ部分30に当接するように示されているが、吸口端部分100と上流フィルタ30は、吸口端フィルタ部分100と上流フィルタ300の間に間隔または間隙(図示せず)を有して、互いに隣接して設置してもよいことが理解されるであろう。図示された喫煙物品200は、フィルタ30の上流にタバコロッド60を含む。喫煙物品200には、吸口端部分100の少なくとも一部分に外接しながら、図示されているように、フィルタ30の少なくとも一部分と外接してもよい、プラグ包材40を含めてもよい。プラグ包材40は、吸口端部分100の空洞(図4には図示せず)を覆って剛性を与えることによって、吸口端部分において喫煙物品の堅固さを向上させることができる、剛性プラグ包材としてもよい。チッピングペーパ50またはその他の好適な包装材が、吸口端部分100およびフィルタ部分30と外接するとともに、当該技術において一般に知られているように、タバコロッド12と重なってもよい。」 「 [図:0001384235000003.jpg] 」 「 [図:0001384235000004.jpg] 」 イ 上記アからわかること 2a)段落【0024】及び図2の記載から吸口端フィルタ部分100は、喫煙物品200の長手方向に沿って形成された、前記複数カ所切り取られた形状によって形成される複数のストリップ22を有していることが分かる。 2b)段落【0027】の「チッピングペーパ50またはその他の好適な包装材は、吸口端部分100およびフィルタ部分30と外接する」との記載並びに図2及び図4の記載から、吸口端部分100の複数のストリップ22はその周縁部がチッピングペーパ50に接していることが分かる。 2c)段落【0022】の「喫煙物品は、通常、ロッドの形態で、しばしばその他の構成要素とともに組み立てられる、エアロゾル形成基材を備える。」との記載及び図4の記載からタバコロッド60がエアロゾル形成基材を備えていることが分かり、段落【0002】、【0004】の記載からエアロゾル形成基材が生成したエアロゾルは流路を通って流れることが分かる。 そうしてみると、図4における流路24とはタバコロッド60のエアロゾル形成基材が生成したエアロゾルを通すための流路であることが分かり、段落【0027】の記載と合わせると、複数のストリップ22の各々の間には喫煙物品200の長手方向に沿った複数の流路24が形成され、複数の流路24とチッピングペーパ50とでエアロゾル形成基材が生成したエアロゾルの流路を複数形成していることが分かる。 ウ 甲2記載の技術的事項 上記ア及びイを総合すると、甲2には、下記の技術(以下「甲2技術」という。)が記載されていると認められる。 「吸口端フィルタ部分100は、喫煙物品200の長手方向に沿って形成された複数のストリップ22を有し、 前記複数のストリップ22はその周縁部がチッピングペーパ50に接しており、 前記複数のストリップ22の各々の間には前記喫煙物品200の長手方向に沿った複数の流路24が形成され、前記複数の流路24と前記チッピングペーパ50とでエアロゾル形成基材が生成したエアロゾルの流路を複数形成する技術。」 2 本件特許発明1と甲1発明との対比・判断 甲1発明における「加熱エレメント120」は本件特許発明1における「加熱要素」に相当し、以下同様に、「エアロゾル生成装置110」は「本体」に、「エアロゾル生成物品10」は「カートリッジ」に、「エアロゾル形成基体20」は「エアロゾル形成基材」に、「マウスピース50」は「マウスピース」に、「支持体エレメント30」は「支持部材」に、「包み紙60」は「包装部材」に、それぞれ相当する。 また、本件明細書の段落【0043】には「冷却部材130は、たとえばポリ乳酸を含むシートを有し、・・・シートは、X方向と直交する方向に巻き込まれるか、・・・」と記載されていることから、本件特許発明1の「カートリッジの長手方向に直交する方向に巻き込まれたシート」は、冷却部材であることが分かる。 そうすると、甲1発明の「巻き込まれたシートを含むエアロゾル冷却エレメント40」は、本件特許発明1の「カートリッジの長手方向に直交する方向に巻き込まれたシート」と、「巻き込まれたシート」という限りにおいて一致する。 したがって、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。 [一致点] 「加熱要素を有する本体に挿入して用いるカートリッジであって、 エアロゾル形成基材と、 マウスピースと、 前記エアロゾル形成基材と前記マウスピースの間に配置された、巻き込まれたシートと、 前記エアロゾル形成基材と前記シートの間に配置され、前記エアロゾル形成基材と接する支持部材と、 前記エアロゾル形成基材、前記マウスピース、前記シート、および前記支持部材を包装する包装部材とを備えるカートリッジ。」 [相違点1] 本件特許発明1の「巻き込まれたシート」は「カートリッジの長手方向に直交する方向に巻き込まれた」ものであるのに対し、甲1発明の「巻き込まれたシートを含むエアロゾル冷却エレメント40」はどの方向に「巻き込まれた」ものあるのか特定されていない点。 [相違点2] 本件特許発明1の「支持部材」は、「前記支持部材の前記カートリッジの長手方向に垂直な所定の断面は、その周縁部が複数カ所切り取られた形状であり、 前記支持部材は、前記カートリッジの前記長手方向に沿って形成され、前記複数カ所切り取られた形状によって形成される複数の側部を有し、 前記複数の側部はその周縁部が前記包装部材に接しており、 前記複数の側部の各々の間には前記カートリッジの長手方向に沿った複数の溝が形成され、前記複数の溝と前記包装部材とで前記エアロゾル形成基材が生成したエアロゾルの流路が複数形成される」ものであるのに対し、甲1発明の「支持体エレメント30」は、形状についてそのような特定がされていない点。 以下、相違点について検討する。 [相違点1について] 甲1発明では、エアロゾル冷却エレメント40に含まれるシートの巻き込まれる方向は特定されていないが、カートリッジの長手方向にエアロゾルが流れることは技術常識であり、当該エアロゾルが流れる方向に鑑みて、エアロゾル冷却エレメント40に含まれるシートがカートリッジの長手方向に直交する方向に巻き込まれるように構成することは、当業者が容易になし得たことである。 [相違点2について] 本件特許発明1の「支持部材」は、相違点2に係る形状とすることによって、支持部材の中央部分において、エアロゾル形成基体の移動が生じ得るという課題を解決するものであるのに対して、甲1には、加熱エレメント120の挿入に伴うエアロゾル形成基体の移動に対して、支持体エレメント30が抵抗することは記載されているが(段落【0119】参照。)、特に支持体エレメント30の中央部分において、エアロゾル形成基体の移動が生じ得るという課題については記載も示唆もされていない。また、加熱エレメント120がエアロゾル形成基体20の中央に位置しているので、発生したエアロゾルを効率的に移送する流路という観点から、支持体エレメント30の中央部分を中空として流路とするのが有効であることは明らかである。 そうしてみると、甲1発明において、支持体エレメント30の中央部分を中空としない構成とする動機付けが存在しない。 また、甲2には吸口端フィルタ部分100に設けた複数のストリップ22の各々の間に流路24を形成することが記載されているが、これは流路24にエアロゾルを通過させることで、フィルタの汚損を低減するためのものであることが記載されている(段落【0012】参照。)。 そして、甲2には吸口端フィルタ部分100がエアロゾル形成基材を支持する支持部材として用いることは記載も示唆もされていない。 そうしてみると、甲1発明の支持体エレメント30を、甲2記載の吸口端フィルタ部分100の形状のように構成する動機付けが存在しない。 したがって、本件特許発明1は、甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 異議申立人の主張 異議申立人は異議申立書において、本件特許発明1と甲1発明とで相違する構成(上記[相違点2]と同様の内容。)について、以下を概略主張している。 (1)甲1と技術常識とから容易になし得たとの主張 甲1発明において、支持体エレメント40は中空管状であるので、一般的な実施形態として加熱エレメントをエアロゾル形成基体20の中間部に挿入する際、エアロゾル形成基体20の支持体エレメント30側の表面に、中間領域が最大の圧力の強さを受けることは、当業者にとって自明なことである。 そのため、エアロゾル形成基体20への支持効果を向上するために、流路が中間にある中空管状の支持体エレメント40の代わりに、流路が周縁に形成する支持部材を設計して使用するのは、当業者にとって自明であり、特別な困難性はない。 この点について、流路が周縁にある支持部材は、エアロゾル形成基材に当接するように配置される場合に、エアロゾル形成基材への支持効果がよりよい傾向にあるものの、使用者の指にやけどや熱による違和感が生じやすい、流路の一部の壁である薄肉の包装部材を通してカートリッジ外部に逸出しやすく、その結果、吸口端に到達可能なエアロゾル量が低下することになるとの欠点がある。 本件特許発明1においては、上記欠点を解消するための他の手段が採用されておらず、当分野で既知とされる阻害要因を無視しながら敢えて流路が周縁にある支持部材を採用することに過ぎないと考えられ、本件特許明細書の記載を考慮しても、これにより何か予期せぬ効果を奏しうると確認できない。 よって、甲1発明及び技術常識に基づいて、両者で相違する構成は当業者が容易になし得たものである。 (異議申立書の第3頁、第17頁、第18頁) (2)甲1と甲2とから容易になし得たとの主張 甲2号証の明細書の段落【0022】の記載によれば、喫煙物品200はタバコロッド60に加熱要素を挿入してタバコロッド60を加熱してエアロゾルを発生するように使用させることが分かる。 そうすると、技術常識として、カートリッジや喫煙物品の構造を安定化させるために、吸口端フィルタ部分100は上流フィルタ30を介して間接的にタバコロッド60を支持するよう機能すると言える。 そして、甲2号証の明細書の段落【0008】の記載によれば、上流フィルタ30が存在しなくともよいと示唆されると考えられ、この場合、吸口端フィルタ部分100はタバコロッド60に当接してそれを直接的に支持することになる。 したがって、エアロゾル形成基体20への支持効果を向上するために甲1発明における支持体エレメントを甲2号証の吸口端フィルタで代替する動機付けがある。 よって、甲1発明及び甲2号証の記載事項に基づいて、両者で相違する構成は当業者が容易になし得たものである。 (異議申立書の第3頁、第4頁、第19頁、第20頁) (3)上記(1)、(2)の主張の検討 上記(1)の主張について、異議申立人が主張するように、仮に支持体エレメント30が最大の圧力の強さを受けるものであることが当業者にとって自明なこと(技術常識)であったとしても、上記[相違点2について]で検討したとおり、発生したエアロゾルを効率的に移送する流路という観点から、支持体エレメント30の中央部分を中空として流路とするのが有効であることもまた明らかである。 そうしてみると、甲1発明において、支持体エレメント30の中央部分を中空としない構成とする動機付けが存在しないと言うべきである。 また、仮に、甲1発明において、当業者が支持体エレメント30の中央部を中空としない構成を採用するとしても、異議申立人が上記(1)で主張しているように、「流路が周縁にある支持部材」が「使用者の指にやけどや熱による違和感が生じやすい、流路の一部の壁である薄肉の包装部材を通してカートリッジ外部に逸出しやす」いとの欠点を有しているのであれば、当該欠点を避けるために、支持体エレメント30の中央部を避けた箇所で、かつ包装部材からは離れた箇所にエアロゾルの流路としての中空を設けることが考えられ、本件特許発明1のように「複数の側部の各々の間」に「カートリッジの長手方向に沿った複数の溝」を形成し、「複数の溝と包装部材とでエアロゾル形成基材が生成したエアロゾルの流路」を「複数形成」することまで、当業者が容易に想到し得たとは認められない。 よって、上記(1)の主張は採用できない。 上記(2)の主張について、異議申立人が主張するように、甲2記載の喫煙物品200において、仮に吸口端フィルタ部分100がタバコロッド60を支持するように機能するとしても、甲2には、吸口端フィルタ部分100でタバコロッド60支持することは記載も示唆もされておらず、また、吸口端フィルタ部分100に設けた複数のストリップ22の各々の間に流路24を形成することは、フィルタの汚損を低減するためのものであることが記載されている(段落【0012】参照。)。 そうしてみると、仮に甲1発明に甲2技術を適用する場合には、当業者は甲1発明の支持エレメント30ではなく、フィルタとしての機能を有するマウスピース50を、甲2記載の吸口端フィルタ部分100のような複数の流路24を設けた構成とするはずであり(何故なら、複数の流路24はフィルタの汚損を低減するためのものであるから)、甲2技術の吸口端フィルタ部分100がタバコロッド60を支持する機能が多少あったとしても、甲1発明の支持エレメント30を甲2記載の吸口端フィルタ部分100のような構成とすることを、当業者が容易に想到し得たとは認められない。 よって、上記(2)の主張は採用できない。 よって、異議申立書における異議申立人の主張は採用できない。 4 本件特許発明2 本件特許の請求項2の記載は、請求項の記載を他の記載に置きかえることなく本件特許の請求項1を直接的に引用してされたものであるから、本件特許発明2は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含むものである。 したがって、本件特許発明2は、本件特許発明1と同様の理由により甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 5 本件特許発明3 本件特許の請求項3の記載は、請求項の記載を他の記載に置きかえることなく本件特許の請求項1または2を直接的に引用してされたものであるから、本件特許発明3は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含むものである。 したがって、本件特許発明3は、本件特許発明1と同様の理由により甲1発明及び甲2技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし3に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1ないし3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-701031

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