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特許異議申立

2021-700928

貨幣処理システム、貨幣処理装置、及び、貨幣処理システムの処理方法

審判番号
2021-700928
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2016-232453
登録番号
6853026
請求日
2021年09月28日
審決日
2023年06月22日
公報発行日
2023年09月29日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】グローリー株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人前田特許事務所
  • 【異議申立人】赤松 智信
審判長/審判官
  • 審判長 筑波 茂樹
  • 審判官 八木 誠
  • 審判官 中村 則夫
分類
P1652.121-YAA(G07D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第6853026号発明「貨幣処理システム、貨幣処理装置、及び、貨幣処理システムの処理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6853026号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~9〕〔10〕〔11〕〔12〕について訂正することを認める。 特許第6853026号の請求項1、5、7、9~12に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6853026号の請求項1~12に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、平成28年11月30日に出願され、令和3年3月15日に特許権の設定登録がされ、令和3年3月31日に特許掲載公報が発行された。 そして、請求項1、5、7、9~12に係る特許についての、特許異議申立人赤松智信(以下「申立人」という。)による本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和3年 9月28日 特許異議の申立て 令和4年 2月 3日付け 取消理由通知書 同年 4月 6日 特許権者より意見書・訂正請求書 同年 8月 2日 申立人より意見書 同年 9月29日付け 訂正拒絶理由通知 同年10月28日 特許権者より意見書 令和5年 3月28日付け 取消理由通知書(予告の決定) 同年 5月15日 特許権者より意見書・訂正請求書 第2 本件訂正 1 本件訂正の内容 特許権者が求める訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲を、令和5年5月15日の訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正事項は以下の(1)~(17)のとおりである(なお、下線部は訂正箇所である。)。 そして、本件訂正の請求がされたので、令和4年4月6日の訂正請求書による訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。 (1)訂正事項A-1 特許請求の範囲の請求項1に 「貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する、承認信号又は否認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する貨幣処理システム。」と記載されているのを、 「貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、 前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段と、を備え、 前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する、承認信号又は否認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する貨幣処理システム。」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項5、7も同様に訂正する)。 (2)訂正事項A-2 特許請求の範囲の請求項2に 「前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づいて、所定の権限を有する操作者が実行可能な特定処理を行う一方、前記所定の権限を有しない操作者が前記特定処理を行うことを不可にし、 前記第1の通信部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記所定の権限を有しない操作者に対して、前記特定処理を実行する権限を、一時的に付与することの承認を求める第1要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記所定の権限を有しない操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記特定処理を実行する承認を求める第2要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記第1要求信号と前記第2要求信号との両方を受けかつ、前記操作者が前記外部装置を操作することに応じて、前記第2要求信号に対する、前記権限の一時的な付与を承認する承認信号、又は、否認する否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、 前記処理部は、前記外部装置からの前記承認信号を受けたときに、前記権限を一時的に付与された操作者による前記特定処理を実行する請求項1に記載の貨幣処理システム。」と記載されているのを、 「貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づいて、所定の権限を有する操作者が実行可能な特定処理を行う一方、前記所定の権限を有しない操作者が前記特定処理を行うことを不可にし、 前記第1の通信部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記所定の権限を有しない操作者に対して、前記特定処理を実行する権限を、一時的に付与することの承認を求める第1要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記所定の権限を有しない操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記特定処理を実行する承認を求める第2要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記第1要求信号と前記第2要求信号との両方を受けかつ、前記操作者が前記外部装置を操作することに応じて、前記第2要求信号に対する、前記権限の一時的な付与を承認する承認信号、又は、否認する否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、 前記処理部は、前記外部装置からの前記承認信号を受けたときに、前記権限を一時的に付与された操作者による前記特定処理を実行し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する貨幣処理システム。」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3、4、5、7、9も同様に訂正する)。 (3)訂正事項A-3 特許請求の範囲の請求項6に 「前記貨幣処理装置は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第2の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記操作を受け付けると共に、前記外部装置へ送信した要求信号をキャンセルする請求項5に記載の貨幣処理システム。」と記載されているのを、 「貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記処理部は、所定の権限を有する操作者の承認が必要な第2の特定処理を行うよう構成され、 前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する前記第2の特定処理に関して、前記所定の権限を有する操作者の承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記第2の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記第2の特定処理に関する承認をする承認信号、又は、否認をする否認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記貨幣処理装置は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第2の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記操作を受け付けると共に、前記外部装置へ送信した要求信号をキャンセルする貨幣処理システム。」に訂正する(請求項6の記載を引用する請求項7、9も同様に訂正する)。 (4)訂正事項A-4 特許請求の範囲の請求項8に 「前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第3の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記複数人の承認の一つとして前記操作を受け付ける請求項7に記載の貨幣処理システム。」と記載されているのを、 「貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記処理部は、所定の権限を有する、複数人の承認が必要な第3の特定処理を行うよう構成され、 前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する前記第3の特定処理に関して、前記所定の権限を有する、少なくとも一人の承認を要求する要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記第2の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記第3の特定処理に関する承認をする承認信号、又は、否認をする否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第3の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記複数人の承認の一つとして前記操作を受け付ける貨幣処理システム。」に訂正する(請求項8の記載を引用する請求項9も同様に訂正する)。 (5)訂正事項A-5 特許請求の範囲の請求項9に 「前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段を備え、 前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する請求項1~8のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。」と記載されているのを、 「前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段を備え、 前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する請求項2、3、4、6、又は、8に記載の貨幣処理システム。」に訂正する。 (6)訂正事項A-6 願書に添付した明細書の段落【0011】に記載された 「ここに開示する技術は、貨幣処理システムに係る。貨幣処理システムは、貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備えている。」を 「ここに開示する技術は、貨幣処理システムに係る。貨幣処理システムは、貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段と、を備えている。」に訂正する。 (7)訂正事項A-7 願書に添付した明細書の段落【0012】に記載された 「前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信し、前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する、承認信号又は否認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する。」を 「前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信し、前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する、承認信号又は否認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する。」に訂正する。 (8)訂正事項A-8 願書に添付した明細書の段落【0017】に記載された 「前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づいて、所定の権限を有する操作者が実行可能な特定処理を行う一方、前記所定の権限を有しない操作者が前記特定処理を行うことを不可にし、前記第1の通信部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記所定の権限を有しない操作者に対して、前記特定処理を実行する権限を、一時的に付与することの承認を求める第1要求信号を、前記外部装置へ送信し、前記第1の通信部は、前記所定の権限を有しない操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記特定処理を実行する承認を求める第2要求信号を、前記外部装置へ送信し、前記第2の通信部は、前記第1要求信号と前記第2要求信号との両方を受けかつ、前記操作者が前記外部装置を操作することに応じて、前記第2要求信号に対する、前記権限の一時的な付与を承認する承認信号、又は、否認する否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、前記処理部は、前記外部装置からの前記承認信号を受けたときに、前記権限を一時的に付与された操作者による前記特定処理を実行する、としてもよい。」を 「ここに開示する貨幣処理システムは、貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づいて、所定の権限を有する操作者が実行可能な特定処理を行う一方、前記所定の権限を有しない操作者が前記特定処理を行うことを不可にし、前記第1の通信部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記所定の権限を有しない操作者に対して、前記特定処理を実行する権限を、一時的に付与することの承認を求める第1要求信号を、前記外部装置へ送信し、前記第1の通信部は、前記所定の権限を有しない操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記特定処理を実行する承認を求める第2要求信号を、前記外部装置へ送信し、前記第2の通信部は、前記第1要求信号と前記第2要求信号との両方を受けかつ、前記操作者が前記外部装置を操作することに応じて、前記第2要求信号に対する、前記権限の一時的な付与を承認する承認信号、又は、否認する否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、前記処理部は、前記外部装置からの前記承認信号を受けたときに、前記権限を一時的に付与された操作者による前記特定処理を実行し、前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する。」に訂正する。 (9)訂正事項A-9 願書に添付した明細書の段落【0032】に記載された 「前記貨幣処理装置は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第2の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記操作を受け付けると共に、前記外部装置へ送信した要求信号をキャンセルする、としてもよい。」を 「ここに開示する貨幣処理システムは、貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、前記処理部は、所定の権限を有する操作者の承認が必要な第2の特定処理を行うよう構成され、前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する前記第2の特定処理に関して、前記所定の権限を有する操作者の承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信し、前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記第2の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記第2の特定処理に関する承認をする承認信号、又は、否認をする否認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、前記貨幣処理装置は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第2の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記操作を受け付けると共に、前記外部装置へ送信した要求信号をキャンセルする。」に訂正する。 (10)訂正事項A-10 願書に添付した明細書の段落【0036】に記載された 「前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第3の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記複数人の承認の一つとして前記操作を受け付ける、としてもよい。」を 「ここに開示する貨幣処理システムは、貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、前記処理部は、所定の権限を有する、複数人の承認が必要な第3の特定処理を行うよう構成され、前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する前記第3の特定処理に関して、前記所定の権限を有する、少なくとも一人の承認を要求する要求信号を、前記外部装置へ送信し、前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記第2の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記第3の特定処理に関する承認をする承認信号、又は、否認をする否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第3の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記複数人の承認の一つとして前記操作を受け付ける。」に訂正する。 (11)訂正事項B-1 特許請求の範囲の請求項10に 「貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記第2の通信部は、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、承認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記処理部は、前記第1の通信部が前記承認信号を受信したことに応じて、貨幣に関する処理を実行し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する貨幣処理システム。」と記載されているのを、 「貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、 前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段と、を備え、 前記第2の通信部は、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、承認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記処理部は、前記第1の通信部が前記承認信号を受信したことに応じて、貨幣に関する処理を実行し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する貨幣処理システム。」に訂正する。 (12)訂正事項B-2 願書に添付した明細書の段落【0040】に記載された 「ここに開示する貨幣処理システムは、貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備える。」を 「ここに開示する貨幣処理システムは、貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、 前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段と、を備える。」に訂正する。 (13)訂正事項B-3 願書に添付した明細書の段落【0041】に記載された 「前記第2の通信部は、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、承認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記処理部は、前記第1の通信部が前記承認信号を受信したことに応じて、貨幣に関する処理を実行し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する。」を 「前記第2の通信部は、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、承認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記処理部は、前記第1の通信部が前記承認信号を受信したことに応じて、貨幣に関する処理を実行し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する。」に訂正する。 (14)訂正事項C-1 特許請求の範囲の請求項11に 「所定の施設に設置されていると共に、前記所定の施設とは別の場所に存在している外部装置と通信する貨幣処理装置であって、 貨幣に関する処理を行う処理部と、 操作者の認証を行う認証部と、 前記外部装置と通信を行う通信部と、を備え、 前記通信部は、操作者による操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信すると共に、前記要求信号に対する、前記外部装置からの承認信号又は否認信号を受信し、 前記処理部は、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、 前記通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する貨幣処理装置。」と記載されているのを、 「所定の施設に設置されていると共に、前記所定の施設とは別の場所に存在している外部装置と通信する貨幣処理装置であって、 貨幣に関する処理を行う処理部と、 操作者の認証を行う認証部と、 前記外部装置と通信を行う通信部と、を備え、 前記通信部は、操作者による操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信すると共に、前記要求信号に対する、前記外部装置からの承認信号又は否認信号を受信し、 前記処理部は、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、 前記通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記通信部は、前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する貨幣処理装置。」に訂正する。 (15)訂正事項C-2 願書に添付した明細書の段落【0043】に記載された 「前記貨幣処理装置は、貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う認証部と、前記外部装置と通信を行う通信部と、を備え、前記通信部は、操作者による操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信すると共に、前記要求信号に対する、前記外部装置からの承認信号又は否認信号を受信し、前記処理部は、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、前記通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する。」を 「前記貨幣処理装置は、貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う認証部と、前記外部装置と通信を行う通信部と、を備え、前記通信部は、操作者による操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信すると共に、前記要求信号に対する、前記外部装置からの承認信号又は否認信号を受信し、前記処理部は、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、前記通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、前記通信部は、前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する。」に訂正する。 (16)訂正事項D-1 特許請求の範囲の請求項12に 「所定の施設に設置されている貨幣処理装置と、前記所定の施設とは別の場所に存在している外部装置とを備えた貨幣処理システムの処理方法であって、 前記貨幣処理装置が、操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記貨幣処理装置が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記外部装置が、前記要求信号を受けると共に、操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する承認信号又は否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、 前記貨幣処理装置が、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、 前記貨幣処理装置が、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する貨幣処理システムの処理方法。」と記載されているのを、 「所定の施設に設置されている貨幣処理装置と、前記所定の施設とは別の場所に存在している外部装置とを備えた貨幣処理システムの処理方法であって、 前記貨幣処理装置が、操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記貨幣処理装置が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記外部装置が、前記要求信号を受けると共に、操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する承認信号又は否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、 前記貨幣処理装置が、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、 前記貨幣処理装置が、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記貨幣処理装置が、前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する貨幣処理システムの処理方法。」に訂正する。 (17)訂正事項D-2 願書に添付した明細書の段落【0046】に記載された 「貨幣処理システムの処理方法は、前記貨幣処理装置が、操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記貨幣処理装置が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信し、前記外部装置が、前記要求信号を受けると共に、操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する承認信号又は否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、前記貨幣処理装置が、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、前記貨幣処理装置が、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する。」を 「貨幣処理システムの処理方法は、前記貨幣処理装置が、操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記貨幣処理装置が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信し、前記外部装置が、前記要求信号を受けると共に、操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する承認信号又は否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、前記貨幣処理装置が、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、前記貨幣処理装置が、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、前記貨幣処理装置が、前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する。」に訂正する。 (18)一群の請求項等について 訂正前の請求項1~9は、請求項2~9が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接的又は間接的にする関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項〔1~9〕について請求されたものであり、また、訂正前の請求項10~12は、訂正の請求の対象であり、それぞれ独立形式の請求項であるから、本件訂正は、一群の請求項〔10〕〔11〕〔12〕についても請求されたものである。 2 本件訂正の適否 (1)訂正事項A-1について ア 訂正の目的の適否、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項A-1は、訂正前の請求項1に「前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段と」及び「前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する」との事項を追加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 イ 新規事項の有無 訂正事項A-1は、本件特許の願書に添付した明細書又は図面(以下「本件明細書等」という。)の請求項9の記載に基づくものであると認められるから、新規事項を追加するものではないのは明らかである。 (2)訂正事項A-2~A-4について 訂正事項A-2~A-4は、それぞれ、請求項2、6、8について、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、新規事項を追加するものではないのは明らかである。 (3)訂正事項A-5について 訂正事項A-5は、訂正事項A-1~A-4に整合するために、請求項9が引用する請求項を、「請求項1~8のいずれか1項」から「請求項2、3、4、6、又は、8」に変更するものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、新規事項を追加するものではないのは明らかである。 (4)訂正事項A-6~A-10について 訂正事項A-6及びA-7は、訂正事項A-1に整合するために、訂正事項A-8~A-10は、それぞれ、訂正事項A-2~A-4に整合するために、明細書を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないのは明らかであり、上記(1)、(2)で説示したとおり、新規事項を追加するものではない。 (5)訂正事項B-1~B-3、C-1、C-2、D-1、D-2について 訂正事項B-1、C-1、D-1は、それぞれ、請求項10~12についてのものであり、訂正事項A-1と同様の訂正をするものであるから、上記(1)で説示したのと同様に、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、新規事項を追加するものではい。 また、訂正事項B-2、B-3、C-2、D-2は、それぞれ、訂正事項B-1、C-1、D-1に整合するために、明細書を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないのは明らかであり、新規事項を追加するものではない。 (6)小括 以上によれば、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件訂正を認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり本件訂正は認められたから、本件訂正後の請求項1~12に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」~「本件発明12」という。)は、令和5年5月15日の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~12に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】 貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、 前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段と、を備え、 前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する、承認信号又は否認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する貨幣処理システム。 【請求項2】 貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づいて、所定の権限を有する操作者が実行可能な特定処理を行う一方、前記所定の権限を有しない操作者が前記特定処理を行うことを不可にし、 前記第1の通信部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記所定の権限を有しない操作者に対して、前記特定処理を実行する権限を、一時的に付与することの承認を求める第1要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記所定の権限を有しない操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記特定処理を実行する承認を求める第2要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記第1要求信号と前記第2要求信号との両方を受けかつ、前記操作者が前記外部装置を操作することに応じて、前記第2要求信号に対する、前記権限の一時的な付与を承認する承認信号、又は、否認する否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、 前記処理部は、前記外部装置からの前記承認信号を受けたときに、前記権限を一時的に付与された操作者による前記特定処理を実行し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する貨幣処理システム。 【請求項3】 前記第1の通信部は、前記特定処理を開始する前に、前記第1要求信号を、前記外部装置へ送信する請求項2に記載の貨幣処理システム。 【請求項4】 前記貨幣処理装置は、装置内に貨幣を収納するように構成され、 前記処理部は、前記所定の権限を有しない操作者が一時的な権限に基づいて前記特定処理を実行した後に、前記装置内の貨幣の収納量を確認する確認処理を行い、 前記第1の通信部は、前記特定処理を実行した後の前記確認処理の結果を含む情報を、前記外部装置へ送信する請求項2又は3に記載の貨幣処理システム。 【請求項5】 前記処理部は、所定の権限を有する操作者の承認が必要な第2の特定処理を行うよう構成され、 前記第1の通信部は、前記第2の特定処理に関して、前記所定の権限を有する操作者の承認を要求する要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記要求信号を受けかつ、前記第2の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記第2の特定処理に関する承認をする承認信号、又は、否認をする否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信する請求項1~4のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。 【請求項6】 貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記処理部は、所定の権限を有する操作者の承認が必要な第2の特定処理を行うよう構成され、 前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する前記第2の特定処理に関して、前記所定の権限を有する操作者の承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記第2の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記第2の特定処理に関する承認をする承認信号、又は、否認をする否認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記貨幣処理装置は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第2の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記操作を受け付けると共に、前記外部装置へ送信した要求信号をキャンセルする貨幣処理システム。 【請求項7】 前記処理部は、所定の権限を有する、複数人の承認が必要な第3の特定処理を行うよう構成され、 前記第1の通信部は、前記第3の特定処理に関して、前記所定の権限を有する、少なくとも一人の承認を要求する要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記要求信号を受けかつ、前記第2の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記第3の特定処理に関する承認をする承認信号、又は、否認をする否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信する請求項1~6のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。 【請求項8】 貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記処理部は、所定の権限を有する、複数人の承認が必要な第3の特定処理を行うよう構成され、 前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する前記第3の特定処理に関して、前記所定の権限を有する、少なくとも一人の承認を要求する要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記第2の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記第3の特定処理に関する承認をする承認信号、又は、否認をする否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記処理部は、前記第1の認証部の認証結果に基づく前記所定の権限を有する操作者が、前記第3の特定処理に関する承認を行うよう前記貨幣処理装置を操作したときに、前記複数人の承認の一つとして前記操作を受け付ける貨幣処理システム。 【請求項9】 前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段を備え、 前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する請求項2、3、4、6、又は、8に記載の貨幣処理システム。 【請求項10】 貨幣に関する処理を行う処理部と、操作者の認証を行う第1の認証部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 操作者の認証を行う第2の認証部と、前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部と、を有しかつ、前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置と、 前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段と、を備え、 前記第2の通信部は、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、承認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記処理部は、前記第1の通信部が前記承認信号を受信したことに応じて、貨幣に関する処理を実行し、 前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する貨幣処理システム。 【請求項11】 所定の施設に設置されていると共に、前記所定の施設とは別の場所に存在している外部装置と通信する貨幣処理装置であって、 貨幣に関する処理を行う処理部と、 操作者の認証を行う認証部と、 前記外部装置と通信を行う通信部と、を備え、 前記通信部は、操作者による操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信すると共に、前記要求信号に対する、前記外部装置からの承認信号又は否認信号を受信し、 前記処理部は、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、 前記通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記通信部は、前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する貨幣処理装置。 【請求項12】 所定の施設に設置されている貨幣処理装置と、前記所定の施設とは別の場所に存在している外部装置とを備えた貨幣処理システムの処理方法であって、 前記貨幣処理装置が、操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記貨幣処理装置が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記外部装置が、前記要求信号を受けると共に、操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する承認信号又は否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、 前記貨幣処理装置が、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了し、 前記貨幣処理装置が、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信し、 前記貨幣処理装置が、前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する貨幣処理システムの処理方法。」 第4 取消理由の概要 当審が令和5年3月28日付けの取消理由通知書(決定の予告)において、特許権者に通知した取消理由の要旨は以下のとおりである。 [取消理由] 本件特許の下記請求項に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、この出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、当該発明に係る特許は取り消すべきものである。 以下、甲第○号証は、「甲○」ともいう。 記 [証拠一覧] 甲1:特開平11-259733号公報 甲2:特開2014-71525号公報 甲3:特開2014-186672号公報 甲4:特開2000-331083号公報 追加文献:特開2000-251127号公報 [上記取消理由における請求項と証拠との関係] ・請求項 1、5、10~12 ・証拠 甲1~4 ・請求項 7 ・証拠 甲1~4、追加文献 第5 証拠の記載事項等 1 甲1について (1)記載事項 甲1には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。 「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、銀行あるいは流通機関等で発生する大量の紙幣等の貨幣を識別し計数する現金処理システムに係り、特に、ランク付けの低いオペレータにそのランクに応じた業務範囲を越える業務についての操作が可能となるように承認を機能的に与えるようにした現金処理システムおよびその制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】上述したような現金処理システムでは、当該現金処理システムの操作に携わるオペレータには、その地位や身分に応じたランク付けがなされており、そのランクに応じた業務範囲内でしか当該現金処理システムの操作に携わることができないようになされている。 【0003】つまり、この種の現金処理システムでは、オペレータが所有するカードの挿入等によりそのオペレータの地位や身分に応じたランク付けの記録内容を現金処理システム側で読み取って、そのランクに応じた業務範囲を越えるアクセスに対しては、それを受け付けないように厳重なセキュリティ対策が施されているものである。 【0004】一方、この種の現金処理システムでは、日常の業務を効率的に遂行する上で、ランク付けの低いオペレータであっても、ランク付けの高いオペレータ、例えば、役席者の承認より、そのランクに応じた業務範囲を越える業務についての操作が可能となるように考慮されている。」 「【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上のような従来の技術によると、ランク付けの低いオペレータが操作中に、承認が必要となった場合に、そのランク付けの低いオペレータは、役席者を操作中の現金処理装置の所へ呼びに行く必要があると共に、役席者は、承認操作が発生するたびに、現金処理装置の所まで自ら足を運んで承認しなければならないので、繁雑になるという問題があった。 【0008】また、承認に必要な媒体(カード等)は、複製、盗難、紛失、破損のおそれがある。そこで、この発明は以上のような点に鑑みてなされたもので、ランク付けの低いオペレータにそのランクに応じた業務範囲を越える業務についての操作が可能となるように承認を機能的に与えるようにした現金処理システムおよびその制御方法を提供することを目的としている。 ・・・ 【0012】また、本発明によると、上記課題を解決するための手段として、 4.オペレータに対してランク付けに応じた業務範囲内の操作および役席者の承認により上記業務範囲を越えた操作を許容することにより、現金処理を行う現金処理装置と、役席者が上記現金処理装置の操作を管理する役席端末とを有する現金処理システムであって、上記現金処理装置側にて、低ランクのオペレータが上記現金処理装置の操作中に、役席者の承認を必要とするときに、承認要求を上記役席端末に遠隔的に通知する第1の通知手段と、上記役席端末側にて、上記役席者が承認必要オペレータの操作内容を確認する確認手段と、上記役席端末側にて、上記役席者が上記承認必要オペレータからの承認要求を許可するとき、上記現金処理装置側に遠隔的に承認要求の許可を通知する第2の通知手段と、を具備することを特徴とする現金処理システムが提供される。」 「【0021】 【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施の形態が適用される現金処理システムにおける現金処理装置の外観を示すものである。 【0022】すなわち、図1に示すように、この現金処理装置には、棒金支払部1、施封・小束支払部2、紙幣入出金機3、硬貨入金機4が併設され、施封・小束支払部2の上部に硬貨支払部5が設置され、硬貨入金機4の後方のテラー置台6の上にテラーズマシン7、棒金支払部1の後方のテラー置台(図示しない)の上にテラーズマシン8が設置されている。 【0023】棒金支払部1は、棒金の出金を行うものである。施封・小束支払部2は、紙幣入出金機3から施封すべき紙幣を受取り小束を作成し金種別に収納庫へ収納するものであり、また、小束での出金指示があれば収納庫から小束を払い出すものである。 【0024】さらに、施封・小束支払部2は、紙幣入出金機3への小束の移動が指示された際、収納庫から小束を取出し、紙幣入出金機3へ移動させるものである。紙幣入出金機3は、ばら紙幣の入金計数・金庫への収納を行い、出金時には金庫からばら紙幣を取り出すものである。 【0025】また、金庫内に所定枚数以上の紙幣が貯った時は、自動的に施封すべき紙幣を施封・小束支払部2へ資金移動を行うものである。また、紙幣入出金機3は、ばら紙幣の不足時に施封・小束支払部2から移動される小束を受取り、小束の施封をカットし、ばら紙幣として入金して金庫への収納を行うものである。 【0026】硬貨入金機4は、ばら硬貨を計数し、金庫へ収納するものである。硬貨支払部5は、ばら硬貨の出金を行うものである。テラーズマシン7、8は、入出金操作を受け付けるとともに各種業務データを管理するものである。」 「【0059】つづいて、操作部110からの指示により、収納一時庫104に集積されている紙幣を収納保管庫105に収納する。図5は、現金処理装置と役席端末とを含む本発明による現金処理システムの概略構成を示すブロック図である。 【0060】この現金処理装置はCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)510により制御される。CPU510は、表示操作部520、記憶部530、鑑別部540、搬送部550、通信制御部560と電気的に接続されることにより、各部の制御を行うようになっている。 【0061】ここで、記憶部530には、各部を制御する制御プログラムを格納するメモリが設けられ、この制御プログラムをCPU510に読み込むことにより、CPU510が各部の制御を行う。 【0062】また、役席端末はCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)511により制御される。CPU511は、表示操作部521、記憶部531、通信制御部561と電気的に接続されることにより、各部の制御を行うようになっている。 【0063】ここで、記憶部531には、各部を制御する制御プログラムを格納するメモリが設けられ、この制御プログラムをCPU511に読み込むことにより、CPU511が各部の制御を行う。 【0064】図6は、本発明の現金処理システムによる承認機能を説明するための概略図である。すなわち、本発明の現金処理システムにおいて、支店内LANには、図6に示すように、複数の現金処理装置500が接続されていると共に、少なくとも一台の役席端末501が接続されているものとする。 【0065】そして、このような本発明の現金処理システムによる承認機能は、次のようにして実行される。 (1)低ランクのオペレータが現金処理装置500の操作中に、役席者の承認が必要となると、役席端末501にそれを通知する。 【0066】(2)役席端末501にて、役席者は承認必要オペレータの操作内容、例えば、当該現金処理装置500での操作中の取引名、承認必要オペレータ名称とオペレータ番号等を確認する。 【0067】(3)役席者は、その承認を許可する場合、役席端末501にて1回限り有効な暗証番号として、例えば、4桁の暗証番号を発行する。 (4)役席者は、その1回限り有効な暗証番号を口頭で、承認必要オペレータに伝える。 【0068】(5)承認必要オペレータは、現金処理装置500に、その1回限り有効な暗証番号を入力する。ここで、承認必要オペレータによる現金処理装置500での入力暗証番号が正しければ、その暗証照合をもって承認とする。 【0069】図7は、本発明の現金処理システムによる承認機能をより具体的に説明するための概略図である。 (1)低ランクのオペレータが現金処理装置500にて役席者の承認が必要となると、その低ランクのオペレータは、現金処理装置500から役席端末501へ「承認要求」と「現在の操作内容」の電文を送信する。 【0070】(2)役席者は、現金処理装置500を操作中の低ランクのオペレータから送られた「現在の操作内容」を役席端末501にて確認する。 (3)役席者は、承認する場合、役席端末501にて、1回限り有効な暗証番号として、例えば、4桁の暗証番号を発行する。 【0071】そして、役席者は、役席端末501にて、現金処理装置500に対して「1回限りの暗証入力要求」の電文を送信する。 (4)現金処理装置500にて、1回限りの暗証番号入力待ちとする。 【0072】(5)役席者は、役席端末501で発行された1回限りの暗証番号を承認必要オペレータに、口頭で伝える。 (6)承認必要オペレータは、役席者から口頭で伝えられた暗証を現金処理装置500にて入力する。 【0073】ここで、現金処理装置500での、入力暗証が正しければ、その暗証照合をもって承認とする。図8、図9は本発明の現金処理システムによる承認機能を説明するためのフローチャートである。 【0074】(ステップS1)では、ランクの低いオペレータが、現金処理装置500操作中に、役席者の承認が必要(例えば、予め認定された支払限度額以上の支払を行いたい場合、役席者の承認により、限度額以上の支払が行える)となると、役席端末501に、承認必要を通知する。 【0075】(ステップS2)では、役席端末501にて、現金処理装置500の操作中の内容(取引内容、オペレータ名、オペレータ番号等)を、例えば、図10に示すような画面にて表示する。 【0076】(ステップS3)では、役席者は、役席端末501にて、現金処理装置500の操作中の内容を確認し、承認するか否かを判断し、承認する場合には(ステップS4)へ進み、承認しない場合には(ステップS6)へ進む。 【0077】(ステップS4)では、役席者は、役席端末501にて、1回限りの暗証入力を行うか否かを選択し、1回限りの暗証入力を行う場合には(ステップS5)へ進んで暗証表示を行うが、1回限りの暗証入力を行わない場合には(ステップS10)へ進んで承認終了となる。 【0078】(ステップS5)では、役席端末501にて、1回限り有効な暗証番号として、例えば、4桁の暗証番号を、図11に示すような画面にて表示する。役席者は、役席端末501から現金処理装置500に暗証番号入力必要を通知すると共に、暗証番号を承認必要オペレータに口頭で伝える。 【0079】(ステップS6)では、役席端末501より、承認不可の通知を受け、現金処理装置の画面に、例えば、図12に示すような画面にて表示することにより、承認されなかったことを表示する。 【0080】(ステップS7)では、現金処理装置500に1回限り有効な暗証番号入力画面を表示する。 (ステップS8)では、承認必要オペレータが、現金処理装置500に役席者から伝えられた1回限り有効な暗証番号を入力する。 【0081】(ステップS9)では、現金処理装置500にて、承認必要オペレータが、入力した暗証番号チェックし、そのチェックがOKならば(ステップS10)へ進み、そのチェックがNGならば(ステップS12)へ進む。 【0082】(ステップS10)では、現金処理装置500から役席端末501に承認終了を通知すると共に、承認操作終了を現金処理装置500の画面に表示する。 (ステップS11)では、それ以降、現金処理装置500および役席端末501での1回限りの暗証番号を無効とする。 【0083】(ステップS12)では、現金処理装置500での暗証再入力を許すか否かを判定し、暗証再入力を許すならば(ステップS7)へ戻り、暗証再入力を許さないならば(ステップS13)へ進む。 【0084】(ステップS13)では、現金処理装置500から役席端末501に暗証NGを通知し、暗証NGを役席端末501の画面に表示すると共に、現金処理装置500の画面に暗証NGを表示する。 【0085】以上のように、本発明は、媒体(カード等)を必要とせずに、承認または操作が可能となるシステムであり、承認を許可するために、1回限り有効な暗証番号として、例えば、4桁の暗証番号を発行する。 【0086】また、本発明は、媒体(カード等)を必要とせずに、承認または操作が可能となるシステムであり、承認を許可するために、1回限り有効な暗証番号として、例えば、4桁の暗証番号を発行するか否かを選択する。 【0087】また、本発明は、媒体(カード等)を必要とせずに、承認または操作が可能となるシステムであり、遠隔的に承認を与える。また、本発明では、媒体を使用せずに、暗証番号にすることにより、媒体の作成費用をなくすとともに、媒体の複製、盗難、紛失、破損、作成費用等の心配がなくなる。また、本発明では、承認が必要となった場合でも、機体の所まで足を運ぶことなく、離れた所から承認が行える。 【0088】 【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば、ランク付けの低いオペレータにそのランクに応じた業務範囲を越える業務についての操作が可能となるような承認を機能的に与えるようにした現金処理システムおよびその制御方法をを提供することができる。」 図5 [図:0001401589000001.jpg] 図6 [図:0001401589000002.jpg] 図7 [図:0001401589000003.jpg] 図8 [図:0001401589000004.jpg] 図9 [図:0001401589000005.jpg] (2)認定事項 ア 【0012】の記載によれば、現金処理装置は、オペレータに対してランク付けに応じた業務範囲内の操作および役席者の承認により上記業務範囲を越えた操作を許容することにより、現金処理を行うことが認められ、【0059】~【0062】及び図5、6も参酌すると、現金処理システムは、現金処理装置500と役席端末501とを備えること、現金処理装置500は通信制御部560を有すること、通信制御部560は役席端末501と通信すること、役席端末501は通信制御部561を有すること、通信制御部561は現金処理装置500と通信すること、及び、役席端末501は現金処理装置500とは別の場所にあることが認められる。また、【0001】の記載によれば、現金処理システムは銀行に設けられるものであり、【0064】及び図6も参照すると、現金処理装置500は銀行の支店に設置されると認められる。 イ 【0069】及び図7の記載、並びに、上記ア(特に、通信制御部560は役席端末501と通信すること、及び、通信制御部561は現金処理装置500と通信すること)によれば、低ランクのオペレータが現金処理装置500の操作中に、役席者の承認が必要になると、現金処理装置500の通信制御部560は、役席端末501へ承認要求と現在の操作内容の電文を送信することが認められる。 ウ 【0077】及び【0082】の記載によれば、役席者が、承認に際して、1回限りの暗証入力を行わないと選択した場合、承認操作終了を現金処理装置500の画面に表示することが認められ、現金処理装置500の画面に承認操作終了が表示されることから、【0012】の記載も参照すると、役職端末501が現金処理装置500に承認を通知することは明らかである。 エ 上記イ、ウに加え、【0074】~【0079】及び図8、9も参酌すると、役席端末501の通信制御部561が現金処理装置500から承認要求を受信すると、役席端末501にて、役席者の操作に基づいて、承認する場合は、通信制御部561が現金処理装置500に対して承認を通知し、承認しない場合は、通信制御部561が現金処理装置500に対して承認不可を通知することが認められ、更に、上記ア(特に、現金処理装置は、オペレータに対してランク付けに応じた業務範囲内の操作および役席者の承認により上記業務範囲を越えた操作を許容することにより、現金処理を行う手段を有すること)も参酌すると、現金処理装置500において、承認を受信した場合、上記業務範囲を越えた操作により、現金処理を行うことが認められる。 (3)甲1発明 ア 甲1発明1 上記(2)ア~エを総合すると、甲1には、現金処理システムとして、以下の発明(以下「甲1発明1」という。)が記載されていると認められる。 「オペレータに対してランク付けに応じた業務範囲内の操作および役席者の承認により上記業務範囲を越えた操作を許容することにより現金処理を行い、役席端末501と通信する通信制御部560を、有する現金処理装置500と、 現金処理装置500と通信する通信制御部561を有し、銀行の支店に設置される現金処理装置500とは別の場所にある役席端末501と、を備え、 低ランクのオペレータが現金処理装置500の操作中に、役席者の承認が必要になると、現金処理装置500の通信制御部560は、役席端末501へ承認要求と現在の操作内容の電文を送信し、 役席端末501の通信制御部561が現金処理装置500から承認要求を受信すると、役席端末501にて、役席者の操作に基づいて、承認する場合は、通信制御部561が現金処理装置500に対して承認を通知し、承認しない場合は、通信制御部561が現金処理装置500に対して承認不可を通知し、 現金処理装置500において、承認を受信した場合、上記業務範囲を越えた操作により、現金処理を行う現金処理システム。」 イ 甲1発明2 上記(2)ア~エを総合すると、甲1には、現金処理装置として、以下の発明(以下「甲1発明2」という。)が記載されていると認められる。 「銀行の支店に設置され、別の場所にある役席端末501と通信する現金処理装置500であって、 オペレータに対してランク付けに応じた業務範囲内の操作および役席者の承認により上記業務範囲を越えた操作を許容することにより、現金処理を行い、 役席端末501と通信する通信制御部560を、有し、 低ランクのオペレータが操作中に、役席者の承認が必要になると、通信制御部560は、役席端末501へ承認要求と現在の操作内容の電文を送信し、上記承認要求に対して、役席端末501から承認、又は、承認不可を受信し、 承認を受信した場合、上記業務範囲を越えた操作により、現金処理を行う現金処理装置500。」 ウ 甲1発明3 上記(2)ア~エを総合すると、甲1には、現金処理方法として、以下の発明(以下「甲1発明3」という。)が記載されていると認められる。 「銀行の支店に設置される現金処理装置500と、別の場所にある役席端末501とを、備える現金処理システムの現金処理方法であって、 低ランクのオペレータが操作中に、役席者の承認が必要になると、現金処理装置500は、役席端末501へ承認要求と現在の操作内容の電文を送信し、 役席端末501は、現金処理装置500から承認要求を受信すると、各席者の操作に基づいて、承認する場合は、現金処理装置500に対して承認を通知し、承認しない場合は、現金処理装置500に対して承認不可を通知し、 現金処理装置500は、承認を受信した場合、上記業務範囲を越えた操作により、現金処理を行う現金処理システムの現金処理方法。」 2 甲2について 甲2には、以下の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、貨幣及び有価証券の出納業務を行うための有価媒体処理装置であって、特に、損傷した貨幣や有価証券を管理して適切なタイミングで回収するための有価媒体処理装置に関する。」 「【0062】 まず、操作員は、所有するIDカードを図2に示す貨幣処理システム1のIDカードリーダ810に読み取らせる(STEP101)。貨幣処理システム1の制御部800は、このIDカードリーダ810によって読み取られたIDカードのID情報に基づいて、操作員の権限等を確認する。・・・」 3 甲3について (1)記載事項 甲3には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、営業システムに関し、主に金融機関における営業システムに関する。」 「【0013】 次に、図3を参照して、バックオフィスセンター3は、営業店2における固定端末21または携帯端末22とネットワーク1を介して接続される。バックオフィスセンター3では、ネットワーク1を介して、複数の営業店2の固定端末21または携帯端末22からの依頼により、営業店2における事務作業の処理の代行をする。本実施形態において、事務作業の処理は、例えば、役席承認処理や、文字入力などの事務処理などである。固定端末21または携帯端末22からの役席承認処理または事務処理の依頼は、バックオフィスセンター3の判定部31により、役席承認処理か事務処理かを判定される。役席承認処理の依頼である場合は、承認部32で役席承認処理を行い、事務処理である場合は、事務部33で処理を行う。」 「【0023】 次に、バックオフィスセンター3におけるバックオフィス処理130について説明する。図3を参照して、本実施形態では、営業店2は、複数の固定端末21および携帯端末22を有する。なお、図3は、一例として、固定端末21を2つと携帯端端末22を1つとしている。しかしながら、固定端端末21および携帯端末22の数は、営業店ごとに異なってよく、必ずしも両方の端末を有する必要もない。ここで、固定端末21または携帯端末22からバックオフィスセンター3へ承認処理131および事務処理132を依頼する場合の流れを説明する。 【0024】 まず、固定端末21または携帯端末22からバックオフィスセンター3へ事務作業の処理依頼の信号を送信する。事務作業の処理依頼の信号は、バックオフィスセンター3の判定部31で受信し、役席承認処理か事務処理かを判定する。役席承認処理の依頼である場合は、承認部32へ依頼の信号を送り、事務処理の依頼である場合は、事務部33へ信号を送る。ここで、承認部32および事務部33では、不図示の端末をそれぞれ有しており、各端末には、不図示の入力装置や表示装置、その他必要な装置が接続されているものとする。 【0025】 判定部31で役席承認処理と判定された場合、承認処理131となる。ここで、承認処理131について説明する。承認部32においてIDなどで役席承認することが可能な承認者を認証した上でリスト化して携帯端末22の画面に承認者リストを表示する。そして、役席承認処理を依頼した担当者は、表示された承認者リストから承認者を選択する。承認者を選択する際のリストには、承認待ちの件数や、時間などが表示され、その情報を基に依頼した担当者が選択する。選択された承認者の端末には、承認したい内容が記載された情報が表示され、その内容を基に承認者が承認するか否かを判断し、承認可能であれば承認する。役席承認処理が完了したら、ネットワーク1を介して携帯端末22の画面に役席承認完了の情報が表示される。このとき、情報連携部7を介して役席承認完了の情報が勘定系DB5に格納される。」 図3 [図:0001401589000006.jpg] (2)認定事項 ア 【0001】、【0013】及び図3の記載によれば、金融機関における営業システムは、営業店2における固定端末21又は携帯端末22と、営業店2と別の施設であるバックオフィスセンター3に設置され、固定端末21又は携帯端末22とネットワーク1を介して接続される判定部31と、判定部31に接続され、役席承認処理を行う承認部32とを有することが認められる。 イ 【0024】の記載によれば、判定部31は、固定端末21又は携帯端末22から事務作業の処理依頼の信号を受信すると、役席承認処理か事務処理かを判定し、役席承認処理の依頼である場合は、承認部32へ依頼の信号を送ることが認められる。 ウ 【0025】の記載及び上記アによれば、承認部32は、IDなどで役席承認された承認者によって役席承認処理を行うことが認められ、特に、【0025】の「役席承認処理が完了したら、ネットワーク1を介して携帯端末22の画面に役席承認完了の情報が表示される。」との記載も参照すると、承認部32は、役席承認処理で承認した場合は、固定端末21又は携帯端末22に役席承認完了を示す信号を送信することが認められる。 (3)甲3記載技術 上記(2)ア~ウを総合すると、甲3には、以下の技術(以下、「甲3記載技術」という。)が記載されていると認められる。 「営業店2における固定端末21又は携帯端末22と、営業店2と別の施設であるバックオフィスセンター3に設置され、固定端末21又は携帯端末22とネットワーク1を介して接続される判定部31と、バックオフィスセンター3に設置され、判定部31と接続され、役席承認処理を行う承認部32とを有し、 判定部31は、固定端末21又は携帯端末22から事務作業の処理依頼の信号を受信すると、役席承認処理か事務処理かを判定し、役席承認処理の依頼である場合は、承認部32へ依頼の信号を送り、 承認部32は、IDなどで役席承認された承認者によって役席承認処理を行い、役席承認処理で承認した場合は、固定端末21又は携帯端末22に役職承認完了を示す信号を送信する、金融機関における営業システム。」 4 甲4について (1)記載事項 甲4には、以下の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば複数の端末を用いて様々な取引を扱う金融機関の営業店システムのように、複数端末等を効果的に連携処理させるようにした業務管理用コンピュータシステムに関する。」 「【0065】MCM100は、特定された役席者端末212に該当取引の終了を通知する(ステップ21)。役席者端末212では、この概況が表示され、表示確認がMCM100に返送される。 【0066】〈具体例2の効果〉以上説明したように、具体例2によれば、少額支払取引につき、定義されたワークフローに従ってMCM100が各モジュールと連携し、営業店内に配置された一線テラー端末215及び役席者端末212を協調動作させるようにしたので、かかる少額支払取引を円滑に行うことができる。これにより、少ない一線テラー端末215で多数の取引を処理することが可能となり、更に離れた位置に二線テラー端末213を配置してリモート操作することにより、営業店の規模縮小、二線業務の集約化も図ることができる。さらに、役席者端末212に取引概況が逐次表示されるので、不正防止効果も期待できる。」 (2)甲4記載技術 【0001】、【0065】、【0066】の記載を総合すると、甲4には、以下の技術(以下、「甲4記載技術」という。)が記載されていると認められる。 「金融機関の営業店システムにおいて、一線テラー端末215における、取引の終了を含む取引の概況が、遠隔で役席者端末212に通知されること。」 5 追加文献について (1)記載事項 追加文献には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば操作者のランクに応じて操作許可の承認を必要として紙幣、硬貨等の現金を処理する現金処理装置と操作許可承認方法に関する。」 「【0045】図7において、承認操作番号(1)の場合は承認条件として同グループ全員の承認が必要であり、承認操作番号(2)の場合は承認条件として同グループサブリーダ以上の承認が必要であり、承認操作番号(3)の場合は承認条件として全グループのグループリーダ以上の承認が必要であり、承認操作番号(4)の場合は承認条件として同グループ10ポイント以上の承認が必要であり、承認操作番号(5)の場合は承認条件として他グループ10ポイント以上の承認が必要であり、承認操作番号(6)の場合は承認条件としてグループ統括長と全グループリーダの承認が必要である。」 図7 [図:0001401589000007.jpg] (2)追加文献記載技術 【0001】、【0045】及び図7の記載を総合すると、追加文献には、以下の技術(以下、「追加文献記載技術」という。)が記載されていると認められる。 「操作者のランクに応じて操作許可の承認を必要として現金を処理する現金処理装置において、一部操作について複数の承認者を必要とすること。」 6 甲5について 甲5(特開2008-203969号公報)には、以下の事項が記載されている。 「【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、上記技術によれば管理サーバが異常を見出したときに本部端末および役席端末に通知するものの、リスクの程度についての配慮されておらず、的確さに欠けていた。また金融機関側としてリスクの発生を回避することができるとしても、係員側に対しては考慮されていない、即ち、嫌疑をかけられても潔白を証明するのは難しいものであった。また、金融機関側にとっても、係員を厳正に識別し誤って嫌疑をかけることが無いようにするため、細心の注意を払う必要があり精神的な負担もあった。 本発明は、前記従来の問題点を解決して、営業店における現金出納事務をより厳正で、より的確で、そしてより透明に遂行することができるモニタリングシステムを提供することを目的とする。」 「【0023】 S1:テラーは、テラー端末11を操作して、取引に関するデータと印が無い理由、すなわち、印無し理由とを入力することによって、印無し取引操作を開始する。この時に、テラー端末11は操作が開始されると、Webカメラ111を作動させて、テラーの顔画像を撮影する。この第1回目の顔画像データは一旦、テラー端末11内の図示しない記憶手段に格納される。 なお、取引に関するデータと印無し理由とは、取引に関する伝票12bと、印無し理由が記載された仮伝票12aとを作成し、伝票12b及び仮伝票12aのイメージデータをスキャナ11bに読み取らせることによって入力される。該スキャナ11bが読み取ったイメージデータは、テラー端末11に転送される。 【0024】 これにより、テラー端末11は、伝票処理を行い、仮伝票12aの伝票IDに基づいて、入力された金融取引が印無し取引であることを自動的に識別し、印無し取引に応じた処理を実行する。 この時には、例えば操作終了を意味する入力が行われたことをトリガとして、再び顔画像を撮影し、第2回目の顔画像データとしてテラー端末11内の記憶手段に格納する。 【0025】 S2:入力された印無し取引操作に関する取引履歴データ、及び、仮伝票12aのイメージデータおよび記憶手段に格納してある第1回目、第2回目の顔画像データが営業店システム1から集中管理センタ2に送信される。テラー端末11の取引履歴はデータベース装置23に、一取引が終了する毎に送信される。 そして、取引履歴データ及び顔画像データは便宜扱い管理表ファイルに、仮伝票12aのイメージデータは便宜扱い管理表ファイルにリンクされた伝票イメージファイルに、それぞれ登録される。」 第6 対比・判断 1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明1とを対比すると、後者の「オペレータ」及び「役席者」は、前者の「操作者」に相当し、以下同様に、「現金処理」は「貨幣に関する処理」に、「役席端末501」は「外部装置」に、「通信制御部560」は「第1の通信部」に、「現金処理装置500」は「貨幣処理装置」に、「通信制御部561」は「第2の通信部」に、「承認要求」は「前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号」に、「承認」は「承認信号」に、「承認不可」は「否認信号」に、「現金処理システム」は「貨幣処理システム」に、それぞれ相当する。また、後者は「現金処理を行う」ものであるから、貨幣に関する処理を行う処理部を有することは、明らかである。 後者において、役席端末501は、現金処理装置500の外部であることは明らかであるから、後者の「役席端末501と通信する通信制御部560」は、前者の「外部との通信を行う第1の通信部」に相当する。また、後者の「現金処理装置500と通信する通信制御部561」は、前者の「前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部」に相当する。 後者の「低ランクのオペレータが現金処理装置500の操作中に、役席者の承認が必要になると」は、前者の「前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて」に相当するから、後者の「低ランクのオペレータが現金処理装置500の操作中に、役席者の承認が必要になると、現金処理装置500の通信制御部560は、役席端末501へ承認要求」「を送信」することは、前者の「前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信」することに相当する。 後者の「銀行に設置される現金処理装置500とは別の場所にある役席端末501」と、前者の「前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している外部装置」は、「前記貨幣処理装置とは別の場所に存在している外部装置」という点で共通する。 後者の「役席端末501の通信制御部561が現金処理装置500から承認要求を受信する」ことは、前者の「前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受け」ることに相当し、後者の「役席端末501にて、各席者の操作に基づいて」は、前者の「前記操作者による前記外部装置の操作に応じて」に相当し、後者の「承認を通知」することは、前者の「承認信号」「を」「送信」することに相当するから、後者の「役席端末501の通信制御部561が現金処理装置500から承認要求を受信すると、役席端末501にて、各席者の操作に基づいて、承認する場合は、通信制御部561が現金処理装置500に対して承認を通知し、承認しない場合は、通信制御部561が現金処理装置500に対して承認不可を通知」することは、前者の「前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する、承認信号又は否認信号を前記貨幣処理装置へ送信する」ことに相当する。 以上によれば、本件発明1と甲1発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点1> 「貨幣に関する処理を行う処理部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部を有しかつ、前記貨幣処理装置とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記第1の通信部は、前記操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を前記外部装置へ送信し、 前記第2の通信部は、前記貨幣処理装置からの前記要求信号を受けかつ、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する、承認信号又は否認信号を前記貨幣処理装置へ送信する貨幣処理システム。」 <相違点1-1> 本件発明1では、「貨幣処理装置」が「操作者の認証を行う第1の認証部」「を有し」、「外部装置」が「操作者の認証を行う第2の認証部」「を有」するのに対し、甲1発明1では、現金処理装置500と役席端末501のそれぞれが、操作者の認証を行う認証部を有するとは特定されていない点。 <相違点1-2> 本件発明1では、外部装置は、「前記貨幣処理装置が設置されている施設とは別の場所に存在している」のに対し、甲1発明1では、役席端末501は、「銀行の支店に設置される現金処理装置500とは別の場所にある」点。 <相違点1-3> 本件発明1は、「前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する」のに対し、甲1発明1は、そのような構成が特定されていない点。 <相違点1-4> 本件発明1では、「前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段」を備え、「前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する」のに対し、甲1発明1では、そのような構成が特定されていない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み、まず相違点1-4について検討する。 上記「第5 6」に示したように、甲5には、取引操作の開始時と終了時に撮像した顔画像データと取引履歴データを集中管理センタ2のデータベース装置23に送信すること(以下「甲5記載技術」という。)が記載されている。しかしながら、(顔画像データと取引履歴データの送信先である)データベース装置23は、甲1発明1の「役席端末501」(本件発明1の「外部装置」に相当。)に係る構成、すなわち、「現金処理装置と通信する通信制御部を有し、銀行の支店に設置される現金処理装置とは別の場所にある」構成を備えるものではないから、甲1発明1の「役席端末501」に相当するものではない。 したがって、甲1発明1に甲5記載技術を適用する動機付けはないし、仮に適用したとしても、相違点1-4に係る本件発明1の構成とならないことは明らかである。 また、甲2~4、追加文献にも、相違点1-4に係る本件発明1の構成について、何ら記載も示唆も見いだせない。 そうすると、甲1発明1において、相違点1-4に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとは認められない。 (3)小括 以上によれば、相違点1-1~1-3を検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明1、及び、甲2~5、追加文献に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2 本件発明5、7について 本件発明5、7は、本件発明1の構成を全て含み、更なる限定を追加するものであるから、上記1(2)で説示したのと同様の理由で、本件発明5、7も、甲1発明1、及び、甲2~5、追加文献に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3 本件発明10について (1)対比 本件発明10と甲1発明1とを対比する。その際、本件発明10が本件発明1と共通する部分は、上記1(1)で説示した事項を参照する。 後者の「現金処理装置500において、承認を受信した場合、上記業務範囲を越えた操作により、現金処理を行う」ことは、前者の「前記処理部は、前記第1の通信部が前記承認信号を受信したことに応じて、貨幣に関する処理を実行」することに相当する。 以上によれば、本件発明10と甲1発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点2> 「貨幣に関する処理を行う処理部と、外部との通信を行う第1の通信部と、を有している貨幣処理装置と、 前記貨幣処理装置との通信を行う第2の通信部を有しかつ、前記貨幣処理装置とは別の場所に存在している外部装置と、を備え、 前記第2の通信部は、前記操作者による前記外部装置の操作に応じて、承認信号を前記貨幣処理装置へ送信し、 前記処理部は、前記第1の通信部が前記承認信号を受信したことに応じて、貨幣に関する処理を実行する貨幣処理システム。」 <相違点2-1> 本件発明10では、「貨幣処理装置」が「操作者の認証を行う第1の認証部」を有し、「外部装置」が「操作者の認証を行う第2の認証部」「を有」するのに対し、甲1発明1では、現金処理装置500と役席端末501のそれぞれが、操作者の認証を行う認証部を有するとは特定されていない点。 <相違点2-2> 本件発明10では、外部装置は、「前記貨幣処理装置が設置されている施設」とは別の場所に存在しているのに対し、甲1発明1では、役席端末501は、「銀行の支店に設置される現金処理装置500」とは別の場所にある点。 <相違点2-3> 本件発明10は、「前記第1の通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する」のに対し、甲1発明1は、そのような構成が特定されていない点。 <相違点2-4> 本件発明10では、「前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段」を備え、「前記第1の通信部は、前記撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する」のに対し、甲1発明1では、そのような構成が特定されていない点。 (2)相違点についての判断 相違点2-4は、上記相違点1-4と実質的に同じであるから、相違点2-1~2-3を検討するまでもなく、上記1(2)で説示したのと同様の理由で、本件発明10も、甲1発明1、及び、甲2~5、追加文献に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 4 本件発明11について (1)対比 本件発明11と甲1発明2とを対比する。その際、本件発明11が本件発明1と共通する部分は、上記1(1)で説示した事項を参照する。 後者の「銀行」は、前者の「所定の施設」に相当し、後者の「承認を受信した場合、」「現金処理を行う」ことは、前者の「前記処理部は、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了する」ことに相当する。 以上によれば、本件発明11と甲1発明2との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点3> 「所定の施設に設置されていると共に、別の場所に存在している外部装置と通信する貨幣処理装置であって、 貨幣に関する処理を行う処理部と、 前記外部装置と通信を行う通信部と、を備え、 前記通信部は、操作者による操作に応じて、前記処理部が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信すると共に、前記要求信号に対する、前記外部装置からの承認信号又は否認信号を受信し、 前記処理部は、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了する貨幣処理装置。」 <相違点3-1> 本件発明11では、外部装置は、(貨幣処理装置が設置されている)「所定の施設」とは別の場所に存在しているのに対し、甲1発明2では、役席端末501は、(銀行に設置される現金処理装置500とは)別の場所にある点。 <相違点3-2> 本件発明11では、「操作者の認証を行う認証部」を有するのに対し、甲1発明2では、操作者の認証を行う認証部を有するとは特定されていない点。 <相違点3-3> 本件発明11では、「前記通信部は、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する」のに対し、甲1発明2では、そのような構成が特定されていない点。 <相違点3-4> 本件発明11では、「前記通信部は、前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する」のに対し、甲1発明2では、そのような構成が特定されていない点。 (2)相違点についての判断 相違点3-4は、上記相違点1-4と実質的に同じであるから、相違点3-1~3-3を検討するまでもなく、上記1(2)で説示したのと同様の理由で、本件発明11も、甲1発明2、及び、甲2~5、追加文献に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 5 本件発明12について (1)対比 本件発明12と甲1発明3とを対比する。その際、本件発明12が本件発明1又は本件発明11と共通する部分は、上記1(1)及び4(1)で説示した事項を参照する。 以上によれば、本件発明12と甲1発明3との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点4> 「所定の施設に設置されている貨幣処理装置と、別の場所に存在している外部装置とを備えた貨幣処理システムの処理方法であって、 前記貨幣処理装置が、操作者による前記貨幣処理装置の操作に応じて、前記貨幣処理装置が実行する処理に関する承認を求める要求信号を、前記外部装置へ送信し、 前記外部装置が、前記要求信号を受けると共に、操作者による前記外部装置の操作に応じて、前記要求信号に対する承認信号又は否認信号を、前記貨幣処理装置へ送信し、 前記貨幣処理装置が、前記承認信号を受けたことを条件に前記処理を完了する貨幣処理システムの処理方法。」 <相違点4-1> 本件発明12では、外部装置は、(貨幣処理装置が設置されている)「所定の施設」とは別の場所に存在しているのに対し、甲1発明3では、役席端末501は、(銀行に設置される現金処理装置500とは)別の場所にある点。 <相違点4-2> 本件発明12では、「前記貨幣処理装置が、前記処理を行った後に、前記処理に関する記録を前記外部装置へ送信する」のに対し、甲1発明3では、そのような構成が特定されていない点。 <相違点4-3> 本件発明12では、「前記貨幣処理装置が、前記貨幣処理装置を操作する操作者を撮像する撮像手段が撮像した画像を、前記外部装置へ送信する」のに対し、甲1発明3では、そのような構成が特定されていない点。 (2)相違点についての判断 相違点4-3は、上記相違点1-4と実質的に同じであるから、相違点4-1及び4-2を検討するまでもなく、上記1(2)で説示したのと同様の理由で、本件発明12も、甲1発明3、及び、甲2~5、追加文献に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 6 本件発明9について 本件発明9は、本件訂正により、特許異議が申し立てられていない請求項2、3、4、6又は8のみを引用するものとなった。 そして、請求項2、3、4、6又は8を引用する請求項9に係る発明は、上記相違点1-4に係る本件発明1の構成と実質的に同じ構成を有するものであるから、上記1(2)で説示したのと同様の理由により、申立人が提出した証拠に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえないことは明らかである。 第7 むすび 以上によれば、請求項1、5、7、9~12に係る特許は、取消理由通知書に記載した取消理由又は特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及びその証拠によって取り消すことはできない。 さらに、他に請求項1、5、7、9~12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700928

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