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特許異議申立

2017-700903

紙葉類集積装置および紙葉類集積方法

審判番号
2017-700903
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2013-049182
登録番号
特許第6099441号(P6099441)
請求日
2017年09月22日
審決日
2017年12月20日
公報発行日
2018年02月23日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】グローリー株式会社
  • 【権利者代理人】加島 広基
  • 【権利者代理人】高村 雅晴
  • 【異議申立人】赤松 智信
審判長/審判官
  • 審判長 高木 彰
  • 審判官 熊倉 強
  • 審判官 根本 徳子
分類
P1651.113-Y (G07D) / P1651.121-Y (G07D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第113条第2号、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6099441号発明「紙葉類集積装置および紙葉類集積方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6099441号の請求項1~5に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 1.手続の経緯 特許第6099441号の特許は、平成25年3月12日に特許出願され、平成29年3月3日にその特許権の設定登録がされ、その後、その請求項1~5に係る特許について、特許異議申立人赤松智信により特許異議の申立てがされたものである。 2.本件発明 本件特許請求の範囲の請求項1~5に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明5」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるとおりのものである。 3.特許異議申立人の主張の概要 特許異議申立人は、証拠として特開平1-321248号公報(以下「甲第1号証」という。)、特開平1-285561号公報(以下「甲第2号証」という。)、実開昭54-22588号公報(以下「甲第3号証」という。)、実開平2-28863号公報(以下「甲第4号証」という。)、特開平4-140265号公報(以下「甲第5号証」という。)、特公平5-51952号公報(以下「甲第6号証」という。)、特開昭59-16094号公報(以下「甲第7号証」という。)、特開平11-353533号公報(以下「甲第8号証」という。)、特開2013-25581号公報(以下「甲第9号証」という。)を提出し、本件発明1、3、5は、甲第1号証に記載された発明と同一であるから、請求項1、3、5に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張し、また、本件発明1~5は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術(甲第2~9号証参照)に基いて当業者がその出願前に容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~5に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張している(特許異議申立書6頁5~12行、33頁10行~34頁8行)。 4.各甲号証の記載 (1)甲第1号証 「紙幣集積収納返却装置」の発明に関して次の事項が記載されている。 (1-1)「「産業上の利用分野」 本発明は、取り込まれた紙幣を集積して収納部あるいは返却口へ集積状態で搬送する紙幣集積収納返却装置に関する。」(1頁右欄4~7行) (1-2)「また、移動側板9a、9bには上下に離間して軸12a、12bが回転自在に取り付けられている。軸12aは長孔6a、6bに摺動回転自在に嵌挿され、軸12bは凹部8a、8bに遊嵌されている。軸12aには上側の移動プールローラ13aが嵌合固定され、軸12bには下側の移動プールローラ13bが1方向クラッチ14bを介して支持されている。 又固定部材10にはガイド板15a、15bが固定され、そのうちのガイド板15bの上端にはプーリー16が回転自在に支持されている。」(3頁左上欄7~17行) (1-3)「また、両固定側板3a、3bの後端にはアーム部材47a、47bが固定され、これらアーム部材47a、47bの先端にはピン48a、48bがそれぞれ設けられ、これらピン48a、48bと前記紙幣押え板43に一体に設けられた第4図に示すピン49a、49bとの間にはそれぞれバネ50a、50bが張り渡される。従って、紙幣押え板43はそのバネ50a、50bの弾性力によって移動プールローラ13a、13b側へ付勢されている。 前記移動側板9a、9bにはストッパ部材51a、51bが設けられており、これらストッパ部材51a、51bが前記紙幣押え板43に設けられたガイドローラ45a、45bに当接することにより、移動プールローラ13a、13bと紙幣押え板43との間には若干の隙間が形成される。」(4頁左上欄12行~右上欄7行) (1-4)「紙幣収納部110へ紙幣を収納すべく紙幣を集積する場合、移動プールローラ13a、13bが固定プールローラ5a、5bより最も離れた位置(第1図に示す位置)を紙幣集積位置(以下、単に集積位置という)とし、移動プールローラ13a、13bが固定プールローラ5a、5b側へ移動して行き固定プールローラ5a、5bとの間で紙幣を挾持する位置を紙幣収納返却位置(以下単に収納返却位置という)としている。 集積位置では移動プールローラ13a、13bを搬送部と同じ高速で駆動させ、収納返却位置では低速で駆動させる。」(10頁右上欄13行~左下欄4行) (1-5)「そこで、入金処理(鑑別、計数等)された紙幣は搬送ガイド板103上をこの搬送ガイド板103に沿って搬送ローラ102側へ移送され、羽根車104の羽根(図示せず)と搬送ローラ102との間を通り、移動プールローラ13a、13bと紙幣押え板43との間に集積される。 この集積時において、移動プールローラ13a、13bと紙幣押さえ板43との間に送り込まれる紙幣は、その後端を羽根車104の羽根によって叩かれて固定プールローラ5a、5b側へ大きく反らされ、後続の紙幣の先端は移動プールローラ13a、13b側へ円滑に入り込む。 移動プールローラ13a、13bと紙幣押さえ板43との間に順次紙幣が送り込まれると、この紙幣はバネ50aの力に抗して紙幣押え板43を固定プールローラ5a、5b側へ徐々に移動させて行き、紙幣押え板43と移動プールローラ13a、13bとの間で紙幣を挟持する(第22図(a)参照)。」(10頁右下欄8行~11頁左上欄6行) (1-6)「装置の入金部の横に近接して紙幣集積部を設けることができ、したがって装置が小形となり、集積紙幣を紙幣押え板により挟持して両プールローラへ向かう方向にのみ移動させるので、集積紙幣がくずれるのを防止することができる。」(12頁右上欄8~13行) 上記(1-1)~(1-6)の記載から、甲第1号証には、次の発明が記載されていると認められる(以下、「甲第1号証発明A」という。)。 「ガイド板15a、15bと、 前記ガイド板15a、15bに対向するよう配置され、このガイド板15a、15bとの間に紙弊を収納する収納空間を形成し、この収納空間に収納されている紙弊を前記移動プールローラ13a、13bに向かって押圧するよう設けられた紙幣押え板43と、 移動側板9a、9bに設けられ、紙弊との間に働く摩擦力によりこの紙弊を前記収納空間に送る前記移動プールローラ13a、13bと、 羽根が複数設けられた羽根車104と、を備え、 前記収納空間に送られる紙弊の後端部が羽根車104の羽根によって叩かれることによりガイド板15a、15bから遠ざかるよう(固定プールローラ5a、5b側へ)押しのけられ、後続の紙幣が移動プールローラ13a、13b側へ入り込み、 前記収納空間において紙弊が整列されるようになっている、紙弊集積収納返却装置。」 また、上記(1-1)~(1-6)の記載から、甲第1号証には、次の発明が記載されていると認められる(以下、「甲第1号証発明B」という。)。 「移動プールローラ13a、13bと、当該移動プールローラ13a、13bに対向するよう配置される紙幣押え板43との間に形成される収納空間に収納されている紙幣を前記移動プールローラ13a、13bに向けて押圧する工程と、 移動側板9a、9bに設けられた移動プールローラ13a、13bによって、当該移動プールローラ13a、13bと紙弊との間に働く摩擦力によりこの紙弊を前記収納空間に送る工程と、 を備え、 前記移動側板9a、9bに設けられた前記移動プールローラ13a、13bにより紙弊を前記収納空間に送る工程において、前記収納空間に送られる紙弊の後端部が羽根車104の羽根によって叩かれることによりガイド板15a、15bから遠ざかるよう(固定プールローラ5a、5b側へ)押しのけられ、後続の紙幣が移動プールローラ13a、13b側へ入り込み、 前記収納空間において紙弊が整列されるようになっている、紙幣集積方法。」 (2)甲第2号証 「紙幣集積取引装置」の発明に関して、羽根車46を構成する羽根46aは、ゴム、プラスチックのような柔軟かつ弾性を持った材料により形成され、紙幣の後端を跳ね上げる(持ち上げる)ことによって、後続する紙幣の先端を、先行する紙幣の後端の下側に案内させる機能を果たしていることが記載されている。 (3)甲第3号証 「紙葉類収納装置」の考案に関して、 搬送部として、搬送ベルトを用いる点が記載されている。 (4)甲第4号証 「シート集積装置」の考案に関して、 搬送部として、搬送ベルトを用いる点が記載されている。 (5)甲第5号証 「シート状体搬送集積装置」の発明に関して、搬送部として、搬送ベルトを用いる点が記載されている。 (6)甲第6号証 「紙幣処理装置における紙幣返却方法」の発明に関して、搬送部として、搬送ベルトを用いる点が記載されている。 (7)甲第7号証 「紙幣受入装置」の発明に関して、紙幣29が押し板4と圧縮バネPSの復元力を受けた圧縮板6との間に挾み込まれている点が記載されている。 (8)甲第8号証 「紙幣収納装置」の発明に関して、紙幣1を載置するプッシャ-プレ-ト325の下に圧縮スプリングを配置して、プッシャ-プレ-ト325を上に持ち上げるようにする点が記載されている。 (9)甲第9号証 「媒体集積装置及び媒体取引装置」の発明に関して、ステージ33は、筐体21の底面21Dからステージスプリング36を介して支持されており、その上面に何も置載されていない時はステージスプリング36がほぼ自然長となるような高さに位置する一方、上面33Aに物品(現金等の媒体)が置載された時には当該物品の重量に応じてステージスプリング36が圧縮されることにより、下方向へ移動するようになされている点が記載されている。 5.判断 (1)新規性について (1-1)本件発明1について A.対比・判断 本件発明1と甲第1号証発明Aとを対比する。 甲第1号証発明Aの「ガイド板」は本件発明1の「案内部材」に、同じく「紙弊」は「紙葉類」に、「収納空間」は「紙葉類収納空間」に、「移動プールローラ」は「搬送部」に、「紙幣押え板」は「対向部材」にそれぞれ相当する。 しかしながら、甲第1号証発明Aの紙幣押え板は、収納空間に収納されている紙幣を移動プールローラ13a、13bに向かって押圧するものであって、ガイド板に押圧するものではない。 また、移動プールローラ13a、13bは、前記ガイド板に設けられているものかどうか、収納空間に既に集積されている紙弊の端部を羽根車により案内部材から押しのけるかは不明である。 したがって、甲第1号証発明Aは、本件発明1の「紙葉類収納空間に収納されている紙葉類を前記案内部材154aに押圧するよう設けられた対向部材154b」と「前記案内部材154aに設けられ」る「搬送部154c」と「前記羽根車154eは、前記紙葉類収納空間に新たに紙葉類を送る際に当該紙葉類収納空間に既に集積されている紙葉類の端部を前記案内部材154aから遠ざかるよう押しのける」に係る発明特定事項を有するものとはいえない。 したがって、本件発明1は甲第1号証発明Aと同一であるということはできない。 B.異議申立人の主張について 特許異議申立人は、甲1号証について「収納空間は、移動プールローラ13a,13bと紙幣押さえ板43との間の空間として説明したが、より正確には,ガイド板15a,15bと紙幣押さえ板43との間の空間と理解できる。」(同26頁下から5~2行)とし、「バネ50a,50bが、引張状態からの反発力により紙幣押え板43をガイド板15a,15b側に向かって押圧する」(同27頁下から5~4行)ことが記載されていると主張している。 しかしながら、甲第1号証には、「紙幣押え板43はそのバネ50a、50bの弾性力によって移動プールローラ13a、13b側へ付勢されている。前記移動側板9a、9bにはストッパ部材51a、51bが設けられており、これらストッパ部材51a、51bが前記紙幣押え板43に設けられたガイドローラ45a、45bに当接することにより、移動プールローラ13a、13bと紙幣押え板43との間には若干の隙間が形成される。」(上記摘記事項(1-3)参照。)と記載され、紙幣押え板43をストッパ部材51a、51bにより移動プールローラ13a、13bと当接しないようにすることが記載されており、また、図1の記載から、移動プールローラ13a、13bは、ガイド板15a,15bから突出した位置において紙幣押さえ板43に近接する構造が窺えるから、引用文献1のガイド板15a,15bは、紙幣押え板43に対して隙間が形成されるように配置されていると認められる。 また、甲第1号証には、紙幣がガイド板15a,15b上に押圧されることについて記載も示唆もない。 以上を総合してみて、甲第1号証には、紙幣押え板43が、収納空間に収納されている紙幣をガイド板15a,15bに押圧することについて記載も示唆もあるといえない。 よって、異議申立人の当該主張は理由がない。 C.小括 よって、本件発明1は、甲第1号証発明Aと同一でない。 (1-2)本件発明3について 本件発明3は本件発明1を更に減縮したものであるから、上記「(1-1)本件発明1について」の理由と同様の理由により、甲1発明と同一でない。 (1-3)本件発明5について 本件発明5と甲第1号証発明Bとを対比する。 甲第1号証発明Bの「ガイド板」は本件発明5の「案内部材」に、同じく「紙弊」は「紙葉類」に、「収納空間」は「紙葉類収納空間」に、「移動プールローラ」は「搬送部」に、「紙幣押え板」は「対向部材」にそれぞれ相当する。 しかしながら、甲第1号証発明Bの紙幣押え板は、収納空間に収納されている紙幣を移動プールローラ13a、13bに向かって押圧するものであって、ガイド板に押圧するものではない。 また、移動プールローラ13a、13bは、前記ガイド板に設けられているものかどうか、収納空間に既に集積されている紙弊の端部を羽根車により案内部材から押しのけるかは不明である。 したがって、甲第1号証発明Bは、本件発明5の「案内部材154aと、当該案内部材154aに対向するよう配置される対向部材154bとの間に形成される紙葉類収納空間に収納されている紙葉類を前記案内部材154aに押圧する工程」と「前記案内部材154aに設けられた搬送部154c」と「前記紙葉類収納空間に新たに紙葉類を送る際に当該紙葉類収納空間に既に集積されている紙葉類の端部を前記羽根車154eにより前記案内部材154aから遠ざかるよう押しのける」に係る発明特定事項を有するものとはいえない。 よって、本件発明5は甲第1号証発明Bと同一であるということはできない。 (1-4)まとめ 以上のとおり、本件発明1、3は、甲第1号証発明Aと同一でないから、特許法第29条第1項第3号の発明に該当せず、また、本件発明5は、甲第1号証発明Bと同一でないから、特許法第29条第1項第3号の発明に該当しない。 (2)進歩性について (2-1)本件発明1について 上記(1-1)のAに記載したとおり、本件発明1と甲第1号証発明Aとを対比すると、甲第1号証発明Aは、本件発明1のうちの「紙葉類収納空間に収納されている紙葉類を前記案内部材154aに押圧するよう設けられた対向部材154b」と「前記案内部材154aに設けられ」る「搬送部154c」と「前記羽根車154eは、前記紙葉類収納空間に新たに紙葉類を送る際に当該紙葉類収納空間に既に集積されている紙葉類の端部を前記案内部材154aから遠ざかるよう押しのける」に係る発明特定事項を有していない。 また、上記4.(2)~(9)に記載したとおりであるから、甲第2号証~甲第9号証のいずれにも、本件発明1に係る上記発明特定事項についての記載も示唆もあるとはいえない。 そして、本件発明1は、前記発明特定事項により、「このような紙葉類集積装置によれば、案内部材に対向するよう対向部材を配置し、案内部材と対向部材との間に紙葉類収納空間を形成し、対向部材は案内部材に向かって押圧されるようにし、しかも紙葉類との間に働く摩擦力によりこの紙葉類を紙葉類収納空間に送る搬送部を案内部材に設けている。このように、紙葉類収納空間に収納される紙葉類に力を加えることによりこの紙葉類がフリーの状態とならないようにし、しかも搬送部により紙葉類を紙葉類収納空間に強制的に送るようにすることによって、より多くの紙葉類を紙葉類収納空間に収納することができる。」(本件特許明細書段落【0007】)という効果を奏するものと認められる。 これに対して、甲第1号証発明Aは、「装置の入金部の横に近接して紙幣集積部を設けることができ、したがって装置が小形とな」(上記4.(1-6)参照)るという効果を奏するために、上記5.(1-1)のように、ガイド板15a,15bから突出した位置において紙幣押さえ板43に近接している(紙幣を収納・返却可能な)移動プールローラ13a、13bを設けるものである。 したがって、本件発明1と甲第1号証発明Aはその構成も、目的とする効果も異なるので、本件発明1は、甲第1号証発明Aと、甲第2号証~甲第9号証に記載された事項に基づいて当業者が容易になし得るものではない。 (2-2)本件発明2~4について 本件発明2~4は、本件発明1を更に減縮したものであるから、上記「(2-1)本件発明1について」の理由と同様の理由により、第1号証発明Aと、甲第2号証~甲第9号証に記載された事項に基づいて当業者が容易になし得るものではない。 (2-3)本件発明5について 上記(2-1)に記載したとおり、本件発明5と甲第1号証発明Bとを対比すると、甲第1号証発明Bは、本件発明5のうちの「紙葉類収納空間に収納されている紙葉類を前記案内部材154aに押圧するよう設けられた対向部材154b」と「前記案内部材154aに設けられた搬送部154c」と「前記紙葉類収納空間に新たに紙葉類を送る際に当該紙葉類収納空間に既に集積されている紙葉類の端部を前記羽根車154eにより前記案内部材154aから遠ざかるよう押しのける」に係る発明特定事項を有していない。 また、上記4.(2)~(9)に記載したとおりであるから、甲第2号証~甲第9号証のいずれにも、本件発明5に係る上記発明特定事項についての記載も示唆もあるとはいえない。 そして、本件発明5は、前記発明特定事項により、「このような紙葉類集積装置によれば、案内部材に対向するよう対向部材を配置し、案内部材と対向部材との間に紙葉類収納空間を形成し、対向部材は案内部材に向かって押圧されるようにし、しかも紙葉類との間に働く摩擦力によりこの紙葉類を紙葉類収納空間に送る搬送部を案内部材に設けている。このように、紙葉類収納空間に収納される紙葉類に力を加えることによりこの紙葉類がフリーの状態とならないようにし、しかも搬送部により紙葉類を紙葉類収納空間に強制的に送るようにすることによって、より多くの紙葉類を紙葉類収納空間に収納することができる。」(本件特許明細書段落【0007】)という効果を奏するものと認められる。 これに対して、甲第1号証発明Bは、「装置の入金部の横に近接して紙幣集積部を設けることができ、したがって装置が小形とな」(上記4.(1-6)参照)るという効果を奏するために、上記5.(1-1)のように、ガイド板15a,15bから突出した位置において紙幣押さえ板43に近接している(紙幣を収納・返却可能な)移動プールローラ13a、13bを設けるものである。 したがって、本件発明5と甲第1号証発明Bはその構成も、目的とする効果も異なるので、本件発明5は、甲第1号証発明Bと、甲第2号証~甲第9号証に記載された事項に基づいて当業者が容易になし得るものではない。 (2-4)まとめ よって、本件発明1~4は、第1号証発明Aと、甲第2号証~甲第9号証に記載された事項に基づいて当業者が容易になし得るものではなく、また、本件発明5は、第1号証発明Bと、甲第2号証~甲第9号証に記載された事項に基づいて当業者が容易になし得るものではない。 6.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1~5に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700903

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