商標取消審判
2021-300487
タカノツメ
- 審判番号
- 2021-300487
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2017-067914
- 登録番号
- 6039092
- 請求日
- 2021年06月29日
- 審決日
- 2023年10月06日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】株式会社 G・T・B・T
- 【請求人代理人】阪本 清孝
- 【請求人代理人】田邉 壽二
- 【被請求人】株式会社 ディー・エル・イー
- 【被請求人代理人】弁理士法人一色国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T132 .1 -Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第3号、商標法第50条第2項、商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第2項、商標法第2条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6039092号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6039092号商標の指定商品及び指定役務中、第35類「宝飾品としての身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品としての被服用アクセサリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品としての被服用バッジの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6039092号商標(以下「本件商標」という。)は、「鷹の爪」の文字を標準文字で表してなり、平成29年5月18日に登録出願、「宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服用アクセサリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服用バッジの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類、第9類、第16類、第25類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同30年4月27日に設定登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和3年7月14日にされたものであり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年(2018年)7月14日から令和3年(2021年)7月13日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書、令和3年9月28日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年11月8日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)、同4年4月26日付け審尋(以下「審尋1」という。)に対する同年5月24日付け審判事件上申書(以下「請求人上申書1」という。)及び同月30日付け審判事件回答書(以下「回答書1」という。)に対する同年9月20日付け審判事件上申書(以下「請求人上申書2」という。)において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証を提出している。
なお、以下、証拠の記載に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」(「○」は数字)、「乙第○号証」を「乙○」(「○」は数字)のように記載する場合がある。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第35類「宝飾品としての身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品としての被服用アクセサリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品としての被服用バッジの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
2 弁駁書の要旨
(1)請求に係る指定役務
請求に係る指定役務は、いずれも「宝飾品としての」で修飾される商品であり、「宝飾品」とは「宝石や貴金属などで装飾した品物」を意味する。
(2)乙第6号証において使用されている役務
被請求人によれば、乙第6号証は、ホームページ上での映像コンテンツに関する商品(キャラクターグッズ)を販売する店舗「鷹の爪」内での販売商品を示すもので、ショッピングモールとして列挙された複数の店舗のうち「鷹の爪」部分をクリックして表示された状態と説明され、カレンダー、ぬいぐるみ、缶バッチの各商品が表示されている。
缶バッチに関する表示内容では、3種類の缶バッチの画像とともにそれぞれ「侍ジャパン×鷹の爪 缶バッチ/吉田君打つ ¥500円(税込)」、「侍ジャパン×鷹の爪 缶バッチ/吉田君スライディング ¥500円(税込)」及び「侍ジャパン×鷹の爪 缶バッチ/吉田君&博士打つ投げる ¥500円(税込)」の文字が表示されている。
画像で示された缶バッチは、この画像からは何に使用する商品であるかは明らかではないが、表面にそれぞれキャラクターである吉田君が描かれた金属製の円盤状物体と推察でき、収集することに主眼をおいたコレクターアイテムと思われる。
また、500円という価格からも主として低い年齢層を購入対象者とした商品であると推察される。
これに対して、請求に係る指定役務中、「宝飾品としての被服用バッジの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に対応する商品は「宝飾品としての被服用バッジ」であり、乙第6号証で示されるような「缶バッチ」ではない。
「宝飾品としての被服用バッジ」は、宝石や貴金属などで装飾され被服に装着可能なアクセサリー類に属するバッチであり、乙第6号証で示された「缶バッチ」とは用途が異なる全く別の商品である。
(3)乙第7号証において使用されている役務
被請求人によれば、乙第7号証は、ホームページ上でキャラクターグッズを販売する店舗「鷹の爪」内での販売商品を示すもので、ショッピングモールとして列挙された複数の店舗のうち「鷹の爪」部分をクリックして表示された状態と説明され、Tシャツ、靴下の各商品が表示されている。
靴下に関する表示内容では、3種類の靴下の画像とともにそれぞれ「鷹の爪 レオナルド博士アップ靴下 ¥410円(税込)」、「鷹の爪 吉田君パステル靴下 ¥410円(税込)」及び「鷹の爪 レオナルド博士パステル靴下 ¥410円(税込)」の文字が表示される。
(4)本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、本件商標を、請求に係る指定役務及びこれに類似する役務に使用していない。
請求に係る指定役務に関わる商品である「宝飾品としての身飾品」、「宝玉及びその模造品」、「宝飾品としての被服用アクセサリー」及び「宝飾品としての被服用バッジ」は、宝石そのもの又は宝石や貴金属などを備えた装飾品(宝石や貴金属などで装飾され身に着ける物、例えば指輪、イヤリング、ネックレス、ブレスレット、アクセサリー、バッチ等)であり、価格が高価な商品であるとともに宝石類を取り扱う店舗で販売されるものである。
したがって、請求に係る指定役務に関わる商品の小売等役務(商標法第2条第2項に定める役務。以下同じ。)は、キャラクターグッズである「缶バッチ」や被服である「靴下」とは、仕入れ先・販売ルート・販売店について全く異なる商品に関する役務であり、「缶バッチ」や「靴下」の小売等役務との間に類似関係はない。
被請求人は、「缶バッチの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「靴下の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、請求に係る指定役務中の「宝飾品としての身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、「宝飾品としての被服用アクセサリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「宝飾品としての被服用バッジの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは類似関係があると主張している。
しかしながら、実際の商品や役務の類似関係は、取引界における個別の具体的な事情を考慮して判断する必要があり、その際、商品内容・需要者(商品購入対象者)・仕入れ先・販売ルート・販売店が考慮されるのは当然のことであり、請求に係る指定役務に対してこれらそれぞれが全く異なる「缶バッチの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「靴下の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、本件役務とは類似関係にないことは明らかである。
したがって、被請求人が提示した乙第6号証及び乙第7号証は、本件商標の請求に係る指定役務についての使用のみならず、請求に係る指定役務と類似関係にある役務についての使用を立証するものではない。
3 請求人上申書1の要旨
(1)審尋1について
請求に係る指定役務中の「宝飾品としての」の文言は、「宝石や貴金属などで装飾されたもの」を意味し、「宝飾品としての身飾品」は、ダイヤモンド等の宝石が装着された指輪やネックレス、金や白金等の高価な貴金属で構成された指輪、リングやネックレス等である(甲3、甲4)。
「宝飾品としての被服用アクセサリー」は、ダイヤモンド等の宝石を装着したブローチやペンダント、金や白金等の高価な貴金属で構成されたブローチやペンダント等である(甲5、甲6)。
「宝飾品としての被服用バッジ」は、ダイヤモンド等の宝石を装着したバッヂ、金や白金等の高価な貴金属で構成されたバッヂ等であり、ピンバッヂの表面デザインは、縁取り内側に多数の宝石を装着することでキャラクターを表現するデザインも存在する(甲7~甲10)。
なお、甲第3号証ないし甲第10号証に示した各商品は、いずれも請求人が運営する店舗(ビジュピコ)で販売されている商品である。
(2)被請求人が提出した令和3年12月10日付け審判事件上申書について
被請求人は、令和3年12月10日付けの審判事件上申書(以下「被請求人上申書」という。)にて新たに乙第9号証を提出し、本件商標を「リング、ブレスレット、缶バッヂ」に使用していたと主張するが、これらの商品はいずれも「宝飾品」ではなく、請求に係る指定役務の取扱商品となる「宝飾品としての身飾品」、「宝飾品としての被服用アクセサリー」及び「宝飾品としての被服用バッジ」のいずれにも該当しない。
また、被請求人は、答弁書及び被請求人上申書にて、乙第4号証ないし乙第7号証において、ホームページ上での映像コンテンツに関する商品(キャラクターグッズ)を販売する店舗名として本件商標が使用されていたと主張するが、ホームページ上での映像コンテンツで使用されているバナー部分となる「DC鷹の爪」及び「鷹の爪」は、映像コンテンツの左上の「DLESHOP」の下の「キャラクターから選ぶ」との表示からも明らかなように、それぞれに属するキャラクター内容を区別するための表記であり、店舗名を表示しているものでもない。
すなわち、バナー部分の「DC鷹の爪」をクリックすれば、「DC鷹の爪」のキャラクターに関するグッズが表示され、「鷹の爪」をクリックすれば、「鷹の爪」のキャラクターに関するグッズが表示されるので、当該サイトに訪れるユーザーは、左上に表示される「DLESHOP」及び縦書きで表示される「DLE SHOPへ ようこそ!」の文字から、「DLESHOP」が店舗名であることは認識するものの、「キャラクターから選ぶ」の文字で選択する「DC鷹の爪」及び「鷹の爪」を店舗名として認識することはない。
そうすると、被請求人が提示した乙第4号証ないし乙第7号証及び乙第9号証における「DC鷹の爪」及び「鷹の爪」の表示は、いずれも店舖名である「DLESHOP」の中でキャラクターを選択する際にサイドバーに表示されたバナーであり、被請求人が主張する各商品について本件商標は商標(店舗名)として認識されるものではなく、その際の出所表示として機能するものでもない。
したがって、被請求人が提示した乙第4号証ないし乙第7号証及び乙第9号証においては、請求に係る指定役務についての使用のみならず、請求に係る指定役務と類似関係にある役務について本件商標の使用を立証するものではない。
4 請求人上申書2の要旨
被請求人は、回答書1で新たに乙第10号証ないし乙第18号証を提出し、本件商標を宝飾品としての「リング、ブレスレット」に使用していたと主張するが、これらをもってしても本件商標について請求に係る指定役務についての使用を立証するものではない。
(1)本件商標権者の運営に係るウェブサイトについて
被請求人は、イーディーコントライブ株式会社は被請求人のために通販サイトを運営している会社であり、業務委託契約(乙11)に基づき被請求人の委託により、通販サイト「DLE SHOP」に係る業務を行っていることから、当該通販サイトは、実質的に被請求人によって運営されており、上記委託業者は、本件商標権者の許諾のもとで使用している旨主張している。
また、被請求人は、業務委託契約(乙11)の第11条における契約期間(2017年5月1日~同年12月31日)は覚書(乙13)で2017年5月1日から2019年1月31日まで延長され、使用実績として提出済の乙第10号証及び乙第11号証の日付を含んでいるので、要証期間に本件商標が使用されていた旨主張している。
しかしながら、覚書(乙13)の冒頭には、株式会社ディー・エル・イーとイーディーコントライブ株式会社は2017年5月1日付けで締結した業務契約書及び平成29年6月30日付け、同年9月30日付け、同年12月31日付け、同30年3月31日付け、同年6月30日付けで締結した覚書の内容について、以下の通り覚書を締結するとあるが、当該覚書の締結日が同29年12月31日となっており、同30年3月31日付け及び同年6月30日付けで締結した覚書の内容について、同29年12月31日に覚書を締結するという不自然な内容(将来の覚書の内容を変更する締結)であり、覚書(乙13)による契約期間の延長契約には信ぴょう性がなく、要証期間に委託業者が本件商標権者に係る商標をその許諾のもとで使用していた旨の主張には疑義がある。
(2)本件商標が小売等役務の出所表示として使用されていたかについて
被請求人は、ホームページ上での映像コンテンツに関する商品(キャラクターグッズ)を販売する店舗名として本件商標「鷹の爪」が使用されていたと主張するが、ホームページ上での映像コンテンツで使用されているバナー部分となる「DC鷹の爪」及び「鷹の爪」は、映像コンテンツの左上の「DLE SHOP」の下の「キャラクターから選ぶ」との表示からも明らかなように、それぞれに属するキャラクター内容を区別するための表記であり、店舗名を表示しているものではない。
被請求人は、「DLE SHOP」と、「DC鷹の爪」、「鷹の爪」等との関係について、「楽天市場」(乙14)における「YAMADA」、「森永乳業通販」等や、「&mall」(乙15)における「ABCMART」、「GAP」等の専門店のバナーと同様である旨を主張するが、「楽天市場」や「&mall」における「YAMADA」、「森永乳業通販」、「ABCMART」、「GAP」等の各バナーはそれぞれ独立した企業体を示すのに対し、「DC鷹の爪」及び「鷹の爪」は、「DLE SHOP」内でのキャラクターを選択するためだけのバナーであり、小売等役務の出所(店舗名)を表示するものでない。
(3)販売商品「鷹の爪 リング(博士)」、「鷹の爪 ブレスレット」について
被請求人は、要証期間内である2019年9月25日において、身飾品としての「鷹の爪リング(博士)」、「鷹の爪ブレスレット」について、乙第9号証をもって「DLE SHOP」内で販売していたと主張する。
しかしながら、請求に係る指定役務は、宝石や貴金属を使用した「宝飾品としての身飾品」に関するものであり、「鷹の爪 リング(博士)」及び「鷹の爪 ブレスレット」は「宝飾品としての身飾品」に該当しない。
被請求人は、弁駁書において、「リング」や「ブレスレット」は、請求人も「宝飾品としての身飾品」に該当することを認めていると主張しているが、請求人が言及した「リング」や「ブレスレット」は宝石や貴金属を使用した高価な品物であり、真珠に見えるような安価なイミテーション部材を使用した単なる身飾品を含むものではない。
また、被請求人は、「鷹の爪リング(博士)」及び「鷹の爪ブレスレット」は、楽天市場に存在するジュエリーショップ「J-Plus」で販売され(乙16)、「J-Plus」では宝飾品を取り扱っているので(乙17)、「鷹の爪リング(博士)」及び「鷹の爪ブレスレット」は「宝飾品としての身飾品」に該当すると主張する。
しかしながら、「宝飾品としての身飾品」に該当するか否かは、商品内容(宝石や貴金属が使用されている。)から判断すべきであり、同じ店舗で取り扱っている事実のみから「鷹の爪 リング(博士)」及び「鷹の爪 ブレスレット」を「宝飾品としての身飾品」であると判断するべきではない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書、被請求人上申書、審尋1に対する回答書1、令和4年8月26日付け審尋に対する同年9月30日付け審判事件回答書(以下「回答書2」という。)及び同年11月24日付け回答書(以下「回答書3」という。)において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第27号証(枝番号を含む。以下、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出している。
1 答弁書の要旨
(1)本件商標の使用の事実について
ア 本件商標の使用について
本件商標権者は、自らの事業に関係するウェブサイトにおいて本件商標と社会通念上同一の商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定役務について使用している。
イ 本件商標について
本件商標は、漢字及び平仮名の横文字で「鷹の爪」と標準文字で書した構成からなる。
ウ 本件商標権者について
本件商標権者は、2001年に設立した法人であり、アニメーションを中心とした様々な映像コンテンツの開発及び提供、さらにはそれらのコンテンツに関するキャラクターグッズの企画・販売等の事業を行っている。
例えば、全国のTOHOシネマズ系列の映画館において映画マナー説明用ショートムービーなどで長年採用されている「秘密結社 鷹の爪」や日本テレビ系列の朝の番組「ZIP!」内で長い間放送されていた「朝だよ!貝社員」、また、静岡放送系列の放送地域の「パンパカパンツ」など、数多くのアニメコンテンツを提供している法人である(乙2)。
特に、上記「秘密結社 鷹の爪」は約15年前からテレビやインターネット上の番組コンテンツとして放送され、長年にわたり本件商標権者に係る人気コンテンツの一つとして広く知られている(乙3)。
本件商標「鷹の爪」は、上記「秘密結社 鷹の爪」の略称として本件商標権者が登録出願し、登録された商標であり、本件商標権者に係る様々な映像コンテンツに関する商品(いわゆるキャラクターグッズ)の開発・販売も手掛けており、当該「秘密結社 鷹の爪」に関するいわゆるキャラクターグッズも長年にわたり販売してきた(乙4、乙5)。
エ 本件商標の使用について
アニメキャラクターグッズ販売のページ中には、本件商標権者が提供するアニメコンテンツのタイトルごとの商品が購入できるように、「鷹の爪DC」、「秘密結社 鷹の爪」、「城攻め」、「パンパカパンツ」、「貝社員」などコンテンツの名称を「販売店舗の名称」として使用し、これらが縦に列挙されている(乙4)。
これは、当該名称の店舗ごとで、それぞれのコンテンツに関するキャラクター商品の「品揃え」がなされている店舗が並んでいる、いわゆる「ショッピングモール」として店舗が並んでいるものである。
例えば、上記列挙されたコンテンツ名称中の「秘密結社 鷹の爪」をクリックすると上部に「秘密結社 鷹の爪」と記載された商品が購入できるサイト(商品の販売の店舗)に移動し、ここでは同コンテンツに関するキャラクター商品をオンラインで購入することができる(乙5)。
つまり、この店舗名「秘密結社 鷹の爪」が、需要者にとって当該キャラクター商品の品揃えがなされていることを示しており、本件商標の指定商品及び指定役務中の第35類の小売等役務について使用されているものといえる。
そして、本件商標権者は長年にわたり当該オンラインの店舗を運営しており、本件商標と社会通念上同一の商標が請求に係る指定役務について要証期間内においても使用されてきた。
オ 請求に係る指定役務に関する要証期間内の使用について
乙第6号証はインターネット上の過去のウェブサイトを保存している「WayBackMachine」(乙8)の検索で得られたものであり、これは、2019年7月5日当時における「DLESHOP」のウェブサイトを表している。
当該ウェブサイトにおいては、コンテンツの名称を「販売店舗の名称」として使用し縦に列挙し、ショッピングモールとして、「DC 鷹の爪」、「鷹の爪」、「SHIROZEME」及び「パンパカパンツ」など複数の店舗がショッピングモールとして列挙されており、「鷹の爪」部分をクリックして表示された状態が乙第6号証である。
ここでは2019年7月5日当時の店舗「鷹の爪」において販売されていた商品が示されており、この中には「侍ジャパン×鷹の爪 缶バッジ 吉田君打つ」や「侍ジャパン×鷹の爪 缶バッジ 吉田君スライディング」という缶バッジが販売されていた。
したがって、本件商標権者は、要証期間内に「缶バッジの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標と社会通念上同一の「鷹の爪」の文字を使用した。
また、乙第7号証は、2019年7月27日における「DLESHOP」内の「鷹の爪」部分をクリックした状態を示しており、店舗「鷹の爪」のページの中で2019年7月27日当時に販売されていた商品が示されている。
この「鷹の爪」のページ中に「鷹の爪 レオナルド博士 パステル靴下」や「鷹の爪×GRAPE BRAINMONSTERS Tシャツ」が販売されていたことが認められる。
したがって、本件商標権者は、要証期間内に「靴下の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標と社会通念上同一の「鷹の爪」の文字を使用した。
そして、乙第6号証及び乙第7号証における本件商標と社会通念上同一の「鷹の爪」の文字の使用は、請求に係る指定役務「宝飾品としての身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、「宝飾品としての被服用アクセサリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「宝飾品としての被服用バッジの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と類似関係にある指定役務の使用に該当する。
(2)結語
以上のとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において、本件商標権者により、請求に係る指定役務について使用された。
2 被請求人上申書の要旨
答弁書提出後も使用証拠を収集していたが、新たに乙第9号証を発見したので提出する。
乙第9号証は、乙第6号証と同様、インターネット上の過去のウェブサイトを保存している「WayBackMachine」(乙8)の検索で得られたものであって、2019年9月25日における「DLESHOP」のウェブサイト(乙4、乙5)を表している。
乙第9号証は、コンテンツの名称を「販売店舗の名称」として使用し、縦に列挙し、ショッピングモールとして「鷹の爪」を含む複数の店舗が列挙されているおり、「鷹の爪」部分をクリックして表示された状態が乙第9号証であり、身飾品としての「鷹の爪 リング (博士)」、「鷹の爪 ブレスレット (博士)」及び「鷹の爪 フェイスブレスレット (博士)」が販売されていた。
これにより、本件商標権者は、請求に係る指定役務のうち「宝飾品としての身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に属する商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供について、本件商標と社会通念上同一の「鷹の爪」の文字を使用した。
加えて、乙第9号証によると、本件商標権者は「鷹の爪DO 缶バッジ大 ピンク」なる缶バッジを販売していた。
つまり、乙第9号証によると、本件商標権者は、請求に係る指定役務に属する「缶バッチの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標と社会通念上同一の「鷹の爪」の文字を使用していたことがわかる。
3 回答書1の要旨
(1)本件商標権者に係る「DLE SHOP」のウェブサイトにおける「特定商取引法に関する表示」のページを、「WayBackMachine」(乙8)で検出すると、例えば、要証期間内である2019年7月5日のものが保存されており(乙10)、ここでは、「店舗情報」、「ショップ名」として「ケセラ受付センター(DLE SHOP)」、「販売業者」として「イーディーコントライブ株式会社」と記載されている。
そして、本件商標権者は、当該「イーディーコントライブ株式会社」(以下「イーディーコントライブ社」という。)と業務委託契約を締結しており(乙11)、インターネット上のフリー辞典「Wikipedia(ウィキペディア)」の閲覧用ソフトウェアインターフェースの「Wikiwand(ウィキワンド)」上においても、イーディーコントライブ社が「通販サイトの構築運営サービスに関してはディー・エル・イーなどから受託を受けている。」と紹介され、その脚注5において「特定取引法に関する表示」として、これが「DLE SHOP」であることが記載されている(乙12)。
このようにイーディーコントライブ社は、本件商標権者のために通販サイトを運営している会社であり、上記業務委託契約(乙11)に基づき、本件商標権者の委託により、通販サイトに係る業務を行っていることから、通販サイト「DLE SHOP」は実質的に本件商標権者によって運営されており、イーディーコントライブ社は本件商標権者に係る商標をその許諾の下で使用している。
ここで、上記業務委託契約第11条には契約期間が記載されているが、別紙の覚書(乙13)により、契約期間は「2017年5月1日から同年12月31日」までを、「2017年5月1日から2019年10月31日」まで延長されている。延長された契約期間は、乙第9号証の日付「2019年9月25日」や乙第10号証の日付「2019年7月5日」を含んでおり、上記通販サイト上で、本件商標権者の委託・許諾の下で当該イーディーコントライブ社によって、本件商標「鷹の爪」の文字が使用されていた。
(2)要証期間内である2019年9月25日における「DLE SHOP」のウェブサイトを見ると(乙9)、「DLE SHOP」といういわば「大きなショッピングモール」として置かれた中に、専門店やブティックが並んでいる状態と同様に「DC鷹の爪」、「鷹の爪」、「SHIROZOME」、「パンパカパンツ」及び「貝社員」など本件商標権者に関係するコンテンツそれぞれごとの専門店が存在する構成になっている。
乙第9号証の左手には各コンテンツの名称があるオレンジ色の四角いバナーが縦に列挙されており、これをクリックするとコンテンツごとの商品の販売サイト(専門店)に移動し、これらオレンジ色のバナーは顧客を各専門店に導くための「のぼり」の役割を有している。
また、乙第9号証の商品一覧の上部にはそのページが「鷹の爪」と記載されており、当該ウェブサイトが専門店「鷹の爪」のウェブサイトであることが示されている。
さらに、商品一覧の各商品の写真の下にはそれぞれに「鷹の爪」の記載がなされており、これらは実店舗でいう「陳列棚」の役割を果たす部分であり、ここにも「鷹の爪」の表記が使用されており、これらは本件商標と社会通念上同一の商標である。
ここで、需要者が、実店舗のショッピングモールのような複数の専門店やブティックの集合体を訪れた際に、その中に並んだ様々な専門店の名称(小売等の出所表示)が記載された案内版やのぼりなどに導かれ、店舗ブースに行き、そこにある品揃え、店舗設計、商品展示、接客サービス、商品の選択の工夫などといった顧客に対するサービス活動を通じた信用に基づきその店で商品を購入する。
このことは、インターネット上のショッピングモールにおいても同様であり、例えば、大手通販サイト「楽天市場」(乙14)においても、「YAMADA」(ヤマダ電機)、「森永乳業通販」、「Joshin web」(ジョーシン電気)などといった専門店のバナー(のぼり)が並んでいるし、また、ファッション向けの大手通販サイト(乙15)においても、「ABC MART」、「GAP」、「NANO UNIVERSE」などといった専門店のバナー(のぼり)が並べられ、それらをクリックすると、それぞれの専門店ごとの品揃え、店舗設計、商品展示、商品の選択の工夫等がなされており、商品を購入することができる。
このように、小売等役務についての商標の使用がショッピングモールの名称に加えて、さらに、それに含まれる複数の店舗名が重畳的に使用されることは一般的に行われており、上記「DLE SHOP」(ショッピングモール)についても、これらと同様に考えられることから、乙第9号証に列挙される上記オレンジ色の部分に記載された名称が専門店の名称(いわゆる小売等役務の商標)として捉えられる場合がある。
そして、ここに含まれる専門店の名称(「鷹の爪」等)は、当該キャラクター商品の品揃え、商品の展示、商品選択の工夫といった需要者に対する便宜が図られているという点で、小売等役務におけるサービスがなされており、これと密接な関連性をもった上で、本件商標「鷹の爪」が上記列挙されたバナー(のぼり)やこれら商品のいわば陳列棚等に表示されているのであるから、商標法第2条第3項第3号にいう「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為」及び同項第7号にいう「電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為」等に該当するといえるから、本件商標の指定商品及び指定役務中の第35類の小売等役務について使用されている。
また、上記店舗「鷹の爪」で販売されている各商品は本件商標権者が提供している映像コンテンツに係る商品(いわゆるキャラクターグッズ)であり、本件商標権者が開発・企画・製造した商品を実質的に本件商標権者が販売しているのであるから(乙9)、本件商標権者は、自己に係る製造の下で商品を取り揃え、顧客にその購入のための便宜を図る業態を行っているといえ、この点においても本件商標の使用が小売等役務についての使用といえる。
したがって、本件商標権者が製造小売業者として使用する本件商標は、そのサービス活動の出所を表示するものとして、乙第9号証における使用が、商標法第2条第3項第3号にいう「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(議渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為」等に該当する。
(3)請求人は、本件審判において「宝飾品としての身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等について、本件商標権者が本件審判の要証期間内に本件商標を使用していなかったと主張しているが、本件商標権者により、本件審判の要証期間内である2019年9月25日に、身飾品としての「鷹の爪 リング(博士)」、「鷹の爪 ブレスレット (博士)」、「鷹の爪 フェイスブレスレット (博士)」が、本件商標が表示された専門店で販売されていたことは明らかである(乙9)。
ここで、請求人は、弁駁書において、「リング」や「ブレスレット」が、「宝飾品としての身飾品」に該当することを認めている。
また、これら「鷹の爪 リング (博士)」、「鷹の爪 ブレスレット (博士)」については、楽天市場にある「J-Plus」というジュエリーショップにおいても販売されており(乙14、乙16)、同店舗は宝飾類(ダイヤモンドや金を含む高級アクセサリー)を販売していることから(乙17)、請求人が弁駁書で述べている「宝石類を取り扱う店舗」でも販売されていることになるから、少なくとも「鷹の爪 リング (博士)」や「鷹の爪 フェイスブレスレット (博士)」については「宝飾品としての身飾品」に該当する。
加えて、上記「J-plus」のウェブサイトで、ブレスレットは「パールブレス」、「レディースジュエリー」と紹介され、真珠に見える素材を使用しており、購入者は「ジュエリーもとても綺麗で」と述べていることから、上記フェイスブレスレットはジュエリー(宝飾品)として認識されているものであり、この意味においても「宝飾品としての身飾品」に該当する(乙18)。
(4)したがって、本件商標権者は、請求に係る指定役務中、「宝飾品としての身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の取扱商品に包含される商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供について、本件商標と社会通念上同一の「鷹の爪」の文字を使用していた。
4 回答書2の要旨
(1)業務委託契約書(乙11) について
通販サイト「DLE SHOP」(乙4~乙7等)については、その運営を本件商標権者の代理としてイーディーコントライブ社が通販事業の運営業務を行っている。
「業務委託契約書」(乙11)に記載されている第2条「本業務」、すなわち「甲の了承を得た営業活動全般」、「甲乙間で随時合意する業務」、「その他前各号に付随関連する一切の業務」には「DLE SHOP」における商品販売業務(小売業)の代行運営が含まれており、「DLE SHOP」が実質的に本件商標権者によって運営されていることを証明するイーディーコントライブ社の代表者の陳述書を提出する(乙19)。
よって、「DLE SHOP」(乙4~乙7等)での本件商標の使用は実質的に本件商標権者によるものである。
(2)「鷹の爪 リング(博士)」及び「鷹の爪 ブレスレット(博士)」(乙9)について
例えば、「翡翠」のネックレスが1,680円で販売されており(乙20)、「アメジスト」のネックレスが1,350円で販売されている(乙21)。これらは「宝飾品としての身飾品」に一般的に該当すると考えられ、このような商品は数多く販売されているから、価格の高いもののみが「宝飾品としての身飾品」に該当する、という判断は行きすぎた判断といわざるを得ない。
また、金属製のネックレスも宝飾品として安価(3,000円)で販売されており(乙22)、大手インターネット通販サイト「楽天」で「宝飾品」をキーワードに検索しても様々な素材の安価な身飾品がヒットするから(乙23)、「宝飾品」の語が必ずしも高価な商品であるということを一般的に示しているとは限らない。
このような事実があるにもかかわらず、「宝飾品としての身飾品」は、宝石や貴金属を使用した身飾品が想定されるとした上で一般的に価格の高い商品であると限定して「鷹の爪ブレスレット(博士)」等がこれに該当しないと認定し商標権の取消しを認めることは、いたずらに権利を不安定にさせる結果となりかねない。
「鷹の爪 ブレスレット(博士)」等は、「宝飾品としての身飾品」に含まれると解される。
(3)請求人の「DLE SHOP」における「鷹の爪」の表示が店舗名として認識されない旨の主張について
「鷹の爪」の文字(乙9)は、「DLE SHOP」(ショッピングモール)内の専門店の名称として機能するので、請求人の主張は妥当ではない。
5 回答書3の要旨
(1)請求人は、請求人上申書2において、被請求人の提出した覚書(乙13)に記載された日付に齟齬があることから、同覚書に信憑性がなく、要証期間に委託業者が本件商標を使用していたことに疑義があると主張する。
しかしながら、インターネット上の過去のアーカイブ「WayBackMachine」(乙9)の保存データに示されるように、本件商標権者は要証期間内である2019年9月25日において、「鷹の爪 ブレスレット(博士)」及び「鷹の爪 リング(博士)」を通販サイト「DLE SHOP」において販売し、同ウェブサイトにおいて本件商標と社会通念上同一の商標を使用してきた。
通販サイト「DLE SHOP」(乙9)は、陳述書(乙19)で示されたとおり、本件商標権者が通販サイトの運営を委託したイーディーコントライブ社が通販サイトを実質的に本件商標権者が運営してきた。
また、通販サイト「DLE SHOP」における売上げは、同通販サイトの運営を委託しているイーディーコントライブ社から毎月ごとに各商品の販売実績の報告(いわゆる証拠)が本件商標権者に送られてくることから、本件商標権者はそれに基づいた金額の請求書をイーディーコントライブ社に発行する流れで売上げの金銭のやり取りがなされている(乙24、乙25)。
例えば、要証期間内である「2020年12月」分の販売実績の証拠(乙24の3) では、「2020年12月 DLE-SHOP 委託商品販売実績」と記載されており、さらに「※上記金額にてご請求書の発行をお願いいたします。」と記載された上で、同証拠の発行人であるイーディーコントライブ社の名称が記載されており、令和3年1月13日に請求書(乙25の3)が本件商標権者からイーディーコントライブ社宛てに発行されている。
このことから、通販サイト「DLE SHOP」は、イーディーコントライブ社が実質的に運営されている。
(2)請求人は、請求人上申書2において、「DLE SHOP」内の「DC鷹の爪」や「鷹の爪」の表示は、キャラクターの内容を区別するための表記であって店舗名を示しているものではない旨の主張をしている。
しかしながら、各キャラクターが持つ内容(コンテンツの面白さや魅力等)がキャラクター同士の人気の差別化(顧客吸引力)を生み出し、店舗「鷹の爪」が、そのキャラクターにちなんだ面白い商品の品揃えがなされている店を示していると需要者は理解し、その店舗に入るということは十分にあり得る。
したがって、「DLE SHOP」内で表示される各キャラクター名もショッピングモール内のショップの名称を示すものとして十分にその機能を発揮し得る。
ちなみに、「東京キャラクターストリートオンラインプラザ」なるオンラインショップでも、「クレヨンしんちゃん」、「すみっコぐらし」、「仮面ライダー」といったキャラクターの名称が店舗名として使用されており(乙26)、これらは上記のように「キャラクターの面白さや魅力等」がその店舗の品揃えに対する信用を生み出してその店舗名(商標)として機能しているから、キャラクターの名称が小売等役務の出所を示すことはないとする請求人の主張は妥当ではない。
(3)請求人は、請求人上申書2において、「宝飾品としての身飾品」が「宝石や貴金属を使用した高価な品物である」、「宝飾品としての身飾品」に該当するか否かは、商品内容(宝石や貴金属が使用されている)で判断される旨等を主張している。
しかしながら、「宝飾品」の語が必ずしも高価な商品に限定されることはないし、例えば、ネットショッピングサイトで有名な「ヤフーショッピング」(乙27)で「宝飾品」をキーワードに検索してみると、「宝飾品」であるアクセサリーとして数百円~千円程度の安価な様々な材料の商品が販売されていることからすれば、宝飾品自体が様々な素材の物を含めた意味合いを有する語であり、「宝飾品としての身飾品」が必ずしも高価な宝石や貴金属を使用した品物に限られるものではない。
「宝飾品としての身飾品」について、宝石や貴金属を使用した高い商品であると限定するとする明確な根拠がないにもかかわらず、「鷹の爪 ブレスレット(博士)」等がこれに該当しないと認定し、本件商標に係る商標権の取消しを認めることは、いたずらに権利を不安定にさせる不当な結果となりかねない。
よって、「鷹の爪 ブレスレット(博士)」等は「宝飾品としての身飾品」に含まれると解される。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第2号証について
乙第2号証は、被請求人が、本件商標権者の会社概要(写)と主張するものであり、乙第2号証の1の2葉目の「What‘s DLE」及び「DLEとは?」の見出しの下、「IP(著作権や商標権等の知的財産権)を開発・取得し、幅広い事業領域ヘサービスを提供する総合エンターテインメントカンパニー。」の記載があり、同号証の5葉目の「COMPANY PROFILE」及び「会社概要」の見出しの下、「設立年月日」の項目に「2001年12月27日」の記載がある。
乙第2号証の2の1葉目の「MOVIE」の見出しの下、「鷹の爪」、「TAKANOTSUME」及び「タカノツメ」の文字が3段に書されている。
なお、乙第2号証により、本件商標権者は、2001年12月27日に設立されたIP(著作権や商標権等の知的財産権)を開発・取得することを業務とする企業であることが確認できる。
(2)乙第3号証について
乙第3号証は、被請求人が、本件商標権者の「秘密結社鷹の爪」公式ウェブサイト抜粋と主張するものであり、同号証の1葉目に「2006年4月、テレビ朝日での深夜放送がスタート。2012年、NHK Eテレ『ビットワールド』内で全国放送。」の記載があることから、「秘密結社鷹の爪」は、2006年及び2012年に放映されたテレビ番組名であることが推認できる。
なお、2006年及び2012年は、要証期間外である。
(3)乙第4号証及び乙第5号証について
乙第4号証は、被請求人が、本件商標権者の「DLE SHOP」トップページと主張するものであり、同号証の1頁目の左上に、2021年9月25日を表す「2021/09/25」の記載、その右に「DLE SHOP|アニメキャラクターグッズ・DVD通販サイト」の記載、その左下に、別掲1のとおりの商標(以下「使用商標1」という。)が使用されている。
なお、2021年9月25日は要証期間外であり、また、乙第4号証には、本件商標権者の名称の記載はない。
乙第5号証は、被請求人が「DLE SHOP」内にある店舗「秘密結社鷹の爪」内で商品が販売されていることを示す資料と主張するものであり、同号証の1頁目の上部に「DLE SHOP:蛙男商会『秘密結社 鷹の爪』(総統、レオナルド博士、吉田くんなど)」の記載、その下に別掲2のとおりの商標(以下「使用商標2」という。)が使用され、同号証の1頁ないし3頁の右下に、2021年9月28日を表す「2021/09/28」の記載がある。
なお、2021年9月28日は要証期間外であり、また、乙第5号証には、本件商標権者の名称の記載はない。
(4)乙第6号証ないし乙第8号証について
乙第6号証は、被請求人が、2019年9月25日時点の「DLE SHOP」内にある店舗「鷹の爪」内での販売商品を示す資料と主張するものであり、同号証の上部に「JUL」の記載、その下に「05」の数字、その下に「2019」の数字の記載があるが、同号証には、本件商標権者の名称の記載はない。
乙第7号証は、被請求人が、2019年7月27日時点の「DLE SHOP内にある店舗「鷹の爪」内での販売商品を示す資料と主張するものであるが、同号証の上部に「JUN」の記載、その下に「27」の数字、その下に「2019」の数字の記載があることから、被請求人が主張する2019年7月27日時点ではなく、2019年6月27日時点の誤記と考えられる。
また、乙第7号証の左上に別掲2のとおりの使用商標2が使用されているが、同号証には、本件商標権者の名称の記載はない。
乙第8号証は、被請求人が、インターネットアーカイブ「Wayback Machine」についての報告書と主張するものであり、同号証の右上に「令和3年9月28日」の記載があり、標題に「報告書」の記載、その下に「(「The Wayback Machine」について)」の記載があるが、同号証は、本件商標の使用を証明するものではない。
(5)乙第9号証について
乙第9号証は、被請求人が、2019年9月25日時点の「DLE SHOP」内にある店舗「鷹の爪」内での販売商品を示す資料と主張するものであり、同号証の1葉目の左上に別掲2のとおりの使用商標2が使用されているが、同号証には、本件商標権者の名称の記載はない。
また、乙第9号証の2葉目の右、上から2番目の画像の下に「鷹の爪 フェイスブレスレット」の文字が商品説明として記載されているが、当該商品が、本件商標権者が製造した商品であることは確認できず、また、当該商品又は当該商品の包装に本件商標が使用されていることは確認できない。
(6)乙第10号証について
乙第10号証は、被請求人が、2019年7月5日時点の「DLE SHOP」に係る特定商取引法に基づく表示の写しと主張するものであり、同号証の1葉目ないし4葉目の上部に「JUL」の記載、その下に「05」の数字、その下に「2019」の数字の記載があり、同号証の1葉目の「店舗情報」の記載の下に「ショップ名 ケセラ受注センター(DLE-SHOP)」の記載、その下に「販売業者 イーディーコントライブ株式会社」の記載があることから、当該ECサイトのショップ名は、「ケセラ受付センター(DLE-SHOP)」であること、当該ショップの販売業者は、本件商標権者ではなく、イーディーコントライブ社であることが確認できる。
(7)乙第11号証について
乙第11号証は、被請求人が、2017年5月1日時点の本件商標権者とイーディーコントライブ社との間で締結された業務委託契約書の写しと主張するものであり、同号証の1頁目の上部に「業務委託契約書」の標題、その下に「株式会社ディー・エル・イー(以下「甲」という。)とイーディーコントライブ株式会社(以下「乙」という。)は、甲の乙に対する業務(以下「本業務」という。)に関し、以下のとおり業務委託契約(以下「本契約」という。)を締結する。」の記載があり、「第2条(本業務)」として、「1.甲は、乙に対し、以下の各号に掲げる業務(以下「本業務」という。)を委託し、乙は、これを受託する。また乙は、本業務を遂行するにあたり、1名の業務従事者を甲の事務所で作業させることができる。」旨の記載があり、「1 甲の了承を得た営業活動全般」(審決注:「1」は○付き数字である。)、「2 甲乙間で随時合意する業務」(審決注:「2」は○付き数字である。)及び「3 その他前各号に付随関連する一切の業務」(審決注:「3」は○付き数字である。)の記載、「2.乙は、本業務を遂行するにあたり、甲の営利を目的とした法人としての立場を尊重し、スケジュール、予算等、その他の本業務の遂行条件を遵守するものとする。」の記載、「3.乙は、本業務を遂行するにあたり、甲又甲が指定する第三者の意向を尊重し、その指示に従うものとする。」の記載がある。
また、乙第11号証の3頁目に、「第11条(契約期間)」として、「本契約の有効期間は2017年5月1日から同年6月30日までとし、甲及び乙は、別途書面で合意することによって、本契約を延長することができ、その場合の条件等については、別途協議によって定める。」の記載がある。
さらに、乙第11号証の5頁目に、「2017年5月1日」の記載、「甲」の項目に、「株式会社ディー・エル・イー」、「代表取締役」及びその氏名の記載、「乙」の項目に「イーディーコントライブ株式会社」、「代表取締役」及びその氏名の記載があることから、本件商標権者は、2017年5月1日に、イーディーコントライブ社に対し、本契約書に記載する「本業務」を委託していたことが確認できる。
ただし、業務委託契約書(乙11)には、本件商標権者が、イーディーコントライブ社に対し、本件商標の使用を許諾したことについて、何ら記載されていない。
(8)乙第12号証について
乙第12号証は、「Wikipedia(ウィキペディア)」におけるイーディーコントライブ社に関する記載であり、同号証の1葉目に「イーデイーコントライブ株式会社(ED-CONTRIVE Co.,Ltd.)は、コンピュータ用セキュリティ関連製品の製造・販売やCD・DVDなどの各種メディアの作成などを手掛けている企業。」の記載がある。
ただし、上記の記載日は明らかではない。
(9)乙第13号証について
乙第13号証は、被請求人が、業務委託契約書(乙11)に係る2017年12月31日付覚書写しと主張するものであり、同号証の1頁目の上部に「覚書」の標題、その下に「株式会社ディー・エル・イー(以下「甲」という)とイーディ-コントライブ株式会社(以下「乙」という)は、2017年5月1日付で締結した業務委託契約書(以下で「原契約1」という)及び平成29年6月30日付、平成29年9月30日付、平成29年12月31日付、平成30年3月31日付、平成30年6月30日付で締結した覚書(以下「原覚書1」「原覚書2」「原覚書3」「原覚害4」「原覚書5」といい、6件を総称して「原契約」という)の内容について、以下の通り覚書(以下「本覚書」という)を締結する。なお、本覚書で使用する用語の定義は、覚書にて別段の定めをしない限り、原契約に従うものとする。」の記載があり、その下の「2.本覚書は原契約1第11条の規定について、以下の通り変更修正するものである。」の記載、「[変更前]」として、「本契約の有効期間は2017年5月1日から同年12月31日までとし、甲及び乙は、別途書面で合意することによって、本契約を延長することができ、その場合の条件等については、別述協議によって定める。」の記載、「[変更後]」として、「本契約の有効期間は2017年5月1日から2019年10月31日までとし、甲及び乙は、別途書面で合意することによって、本契約を延長することができ、その場合の条件等については、別途協議によって定める。」の記載がある。
ただし、本覚書に、業務委託契約書(乙11)の本業務を変更する記載はなく、また、本件商標権者が、本件商標の使用を許諾したことについて、何ら記載されていない。
(10)乙第14号証ないし乙第18号証及び乙第20号証ないし乙第23号証について
乙第14号証は、被請求人が大手通販サイト「楽天市場」抜粋写しと、乙第15号証は、被請求人が大手通販サイト「&mall」抜粋写しと、乙第16号証ないし乙第18号証は、被請求人が、楽天市場にある「J-Plus」ウェブサイト抜粋写しと、乙第20号証は、被請求人が、楽天市場で扱う翡翠のネックレスと、乙第21号証は、被請求人が、楽天市場で扱うアメジストのネックレスと、乙第22号証は、被請求人が、アマゾンで扱う宝飾品としてのネックレスと、乙第23号証は、被請求人が、楽天市場での宝飾品検索結果と主張するものであるが、これらの証拠に、本件商標は使用されていない。
(11)乙第19号証、乙第24号証及び乙第25号証について
乙第19号証は、令和4年9月14日にイーディーコントライブ社の代表者が作成した陳述書であり、同号証の1葉目には、業務委託契約書(乙11)における「本業務」には、本件商標権者の制作したコンテンツキャラクターに関する商品のインターネット上の販売サイト「DLE SHOP」における商品販売業務(小売業)の代行運営が含まれており、「DLE SHOP」での商品の販売業務(小売業)は本件商標権者が実質的に行っている業務である旨記載されている。
そうすると、「DLE SHOP」での商品の販売業務は、本件商標権者が取り扱う商品を自ら販売する行為、又は、本件商標権者の代行者として、イーディーコントライブ社が、本件商標権者として、同者が取り扱う商品を販売しているにすぎない。
乙第24号証は、被請求人が、「DLE SHOP」での販売実績明細(証憑)と主張するものであり、乙第24号証の1の左上に「■2020年08月DLE-SHOP委託商品販売実績」の記載、表中「カテゴリー」の欄の下に、「鷹の爪(委託商品)販売金額」の記載、右下に「イーディーコントライブ株式会社」の記載があり、乙第24号証の2の左上に「■2020年10月DLE-SHOP委託商品販売実績」の記載、表中「カテゴリー」の欄の下に、「鷹の爪(委託商品)販売金額」の記載、右下に「イーディーコントライブ株式会社」の記載があり、乙第24号証の3の左上に「■2020年12月DLE-SHOP委託商品販売実績」の記載、表中「カテゴリー」の欄の下に、「鷹の爪(委託商品)販売金額」の記載、右下に「イーディーコントライブ株式会社」の記載があるが、乙第24号証には、宛先が記載されていない。
乙第25号証は、被請求人が、DLEからイーディコントライブ社ヘの請求書と主張するものであり、乙第25号証の1の右上に「請求書」の記載、「発行日」の右横に「令和2年9月9日」の記載、その下に「株式会社 ディー・エル・イー」の記載、左上に「イーディーコントライブ株式会社」の記載があり、表中「品名」の下に「■2020年8月 DLE-SHOP委託商品販売」の記載、その下に「鷹の爪(委託商品)」の記載があり、乙第25号証の2の右上に「請求書」の記載、「発行日」の右横に「令和2年11月10日」の記載、その下に「株式会社 ディー・エル・イー」の記載、左上に「イーディーコントライブ株式会社」の記載があり、表中「品名」の下に「■2020年10月 DLE-SHOP委託商品販売」の記載、その下に「鷹の爪(委託商品)」の記載があり、乙第25号証の3の右上に「請求書」の記載、「発行日」の右横に「令和3年1月13日」の記載、その下に「株式会社 ディー・エル・イー」の記載、左上に「イーディーコントライブ株式会社」の記載があり、表中「品名」の下に「■2020年12月 DLE-SHOP委託商品販売」の記載、その下に「鷹の爪(委託商品)」の記載がある。
これらの証拠により、イーディーコントライブ社は、本件商標権者の取扱いに係る商品を委託販売していることが確認できる。
(12)乙第26号証及び乙第27号証について
乙第26号証は、被請求人が、東京キャラクターストリートオンラインプラザのECサイトと主張するものであり、乙第27号証は、被請求人が、ヤフーショッピングホームページ写しと主張するものであるが、これらの証拠に、本件商標は使用されていない。
3 判断
(1)本件商標の使用者について
本件商標権者と業務委託契約を結ぶ「イーディーコントライブ社」は、本件商標権者より本件商標の使用を許諾されていることが確認できないことから、「イーディーコントライブ社」は、本件商標の使用許諾を受けた通常使用権者であると認めることができない。
また、「イーディーコントライブ社」の運営する「DLE SHOP」において、本件商標権者が製造したとおぼしき「ブレスレット」等を、本件商標権者の依頼を受けて販売しているとしても、当該ECサイトで使用される商標は、使用商標1及び使用商標2であり、本件商標を使用していない。
さらに、本件商標権者は、「ブレスレット」等の商品を自らが製造していることを何ら証明しておらず、「ブレスレット」等の商品又は当該商品の包装に本件商標を使用していることを証明していない。
そして、仮に、本件商標権者が「ブレスレット」等の商品を製造し、当該商品に「鷹の爪」の文字を使用しているとしても、本件商標権者は、請求に係る指定役務を行っていないことは明らかである。
その他、被請求人は、本件商標権者はもとより、専用使用権者又は通常使用権者が、請求に係る指定役務について、本件商標を使用していることを証明していない。
そうすると、本件商標は、その使用者が特定できず、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが商標として使用しているとは認められない。
(2)使用役務について
ア 商標法において保護対象となっている「小売等役務」とは、商品の品揃え、陳列、接客サービス等といった最終的に商品の販売により収益をあげる小売業者等の提供する総合的なサービス活動全体を一括りにして一つの小売等役務として保護されるものであるが、これらのサービスは、小売等役務の業務において商品販売に付随したサービスであることに変わりはなく、個々のサービス活動を独立したものとして個別に商標法上の役務として取り扱うものではない。
イ いわゆる小売等役務の代表的なものとして、小売業者等が顧客の商品選択の便宜のために、幅広い品揃えの範囲から気に入った商品を選択できるように、様々な商品を揃えていることが考えられるところ、「DLE SHOP」又は「ケセラ受注センター(DLE-SHOP)」と称するウェブサイト(乙4~乙7、乙9、乙10等)においては、様々な品揃えがされているとみて不自然な点はないことから、当該ウェブサイトにおける様々な品揃えは、小売業者等により提供される小売等役務の範ちゅうと推認し得るものである。
そうすると、「DLE SHOP」又は「ケセラ受注センター(DLE-SHOP)」と称するウェブサイトにおける「ブレスレット」等の品揃えは、小売業者等により提供される小売等役務の範ちゅうと推認し得るものであり、請求に係る役務中の「宝飾品としての身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに属する役務であると推認できる。
(3)使用商標及び本件商標と使用商標の社会通念上同一性について
本件商標は、上記第1に記載のとおり「鷹の爪」の文字を標準文字で表してなるものである。
一方、ブレスレット等の小売等役務で使用される商標は、別掲1及び別掲2のとおりの使用商標1及び使用商標2であり、これらよりは、「ディエルイーショップ」の称呼を生じるものである。
そうすると、本件商標と使用商標1及び使用商標2とは、外観及び称呼が明らかに相違するため、社会通念上同一の商標といえない。
(4)小括
以上、(1)ないし(3)のとおり、本件商標は、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、要証期間に、これを商標として使用した事実を確認することができず、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、請求に係る指定役務を提供しているとはいえない。
また、本件商標と使用商標1及び使用商標2とは、社会通念上同一の商標といえない。
そうすると、「DLE SHOP」又は「ケセラ受注センター(DLE-SHOP)」と称するウェブサイトにおける「ブレスレット」等の品揃えは、小売業者等により提供される小売等役務の範ちゅうと推認し得るものであり、請求に係る役務中の「宝飾品としての身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに属する役務であると推認でき、当該ウェブサイトは、要証期間と認められる2019年9月25日の時点で「ブレスレット」等の商品を掲載していたとしても、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を請求に係る指定役務に使用したとは認められない。
その他、被請求人の提出した証拠をみても、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、要証期間に、日本国内において、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を請求に係る指定役務について使用したことを認めるに足る証拠は見いだせない。
4 被請求人の主張について
(1)被請求人は、本件商標権者が製造小売業者として使用する本件商標は、そのサービス活動の出所を表示するものとして、乙第9号証における使用が、商標法第2条第3項第3号にいう「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(議渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為」等に該当する旨主張する。
しかしながら、本件商標権者が製造小売業者として、「ブレスレット」等の商品を自らが製造していることを何ら証明していない。
また、乙第9号証を参照すると、「ブレスレット」等の商品の説明に「鷹の爪」の語が使用されているとしても、当該商品又は当該商品の包装に本件商標が使用されていることは確認することができない。
そうすると、役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する商品(議渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)又は当該商品の包装に、本件商標が使用されていることを確認することができないため、商標法第2条第3項第3号の使用行為を行ったことは確認することができない。
(2)被請求人の上記主張は、採用することができず、その他被請求人による主張はいずれも採用することができない。
5 まとめ
以上のとおり、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定役務についての本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを被請求人が証明したとはいえず、商標法第50条第2項に規定されているその他の使用の要件について論及するまでもなく、被請求人の提出に係る証拠によっては、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務についての本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを被請求人が証明したとはいえない。
また、被請求人は、請求に係る役務について、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中、「結論掲記の指定役務」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-300487