商標取消審判
2021-300374
プラネットナイン、プラネット
- 審判番号
- 2021-300374
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2016-006139
- 登録番号
- 5860253
- 請求日
- 2021年05月17日
- 審決日
- 2022年02月22日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】エイサー インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】田中 克郎
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】佐藤 俊司
- 【請求人代理人】太田 雅苗子
- 【被請求人】渋谷 隆次郎
- 【被請求人代理人】坂口 吉之助
- 【被請求人代理人】坂口 信昭
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 岩崎 安子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第3号、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5860253号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5860253号商標の指定役務中、第35類「広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,広告用具の貸与,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5860253号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「プラネットナイン」及び「PLANET NINE」の文字を二段に表してなり、平成28年1月21日に登録出願され、「広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,広告用具の貸与,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同年6月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年5月31日であり、その請求の登録前3年以内の平成30年5月31日から令和3年5月30日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第35類「広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,広告用具の貸与,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、本件商標の使用者は、商標権者又は通常使用権者である有限会社アールトゥーディメンション(以下「本件有限会社」という。)であり、このことは、納品書の取引書類の宛名の記載から明らかであると主張する。しかし、被請求人が本件有限会社の代表者であるという事実、本件有限会社が飲食店「art ReG cafe(アートレッグカフェ)」(注:「ReG」及び「cafe」中の「e」にはアクサンテギュが付されている。以下「本件飲食店」という。)の経営者であるという事実、被請求人が本件飲食店にて洋服や雑貨を取り扱う「PLANET NINE」という名称の店舗(以下「本件店舗」という。)を営業しているという事実が立証されているとはいえない。
また、被請求人は、本件飲食店を運営する本件有限会社の代表者は商標権者であり、本件商標の使用者が商標権者又はその許諾を受けた本件有限会社であることは明らかであると主張する。しかし、商標権者が本件商標を使用している事実は立証されておらず、また、被請求人が本件有限会社に登録商標を使用する許諾を与えたという事実も立証されていない。
(2)乙第1号証ないし乙第2号証、乙第8号証ないし乙第10号証については、要証期間外に撮影されたものである。乙第3号証、乙第4号証ないし乙第7号証については、証拠説明書記載の日付に撮影されたことを客観的に証明する資料はない。よって、被請求人の答弁及び被請求人の提出する証拠では、要証期間内に本件商標を使用したことは立証されていない。
(3)被請求人は、本件飲食店の開店7周年イベントが2018年8月31日に開催され、本件店舗がイベントの前後に出店され、本件商標がこの期間に使用されたと主張する。しかし、乙第3号証は、写真の撮影日が立証されておらず、要証期間内の使用を立証する証拠になり得ないし、乙第18号証は、本件飲食店において2018年8月31日に開店7周年イベントが開催されるという告知がされたことを確認できるのみであり、本件商標を指定役務について使用した事実は証明されない。
被請求人は、商品を納品した事実を示すとして納品書(乙11~乙17)を提出している。しかし、納品書の宛名から納品の納入先が「PLANETNINE」と表示されていることがわかるにとどまり、「PLANETNINE」が小売等役務を提供する店舗の名称或いは屋号であることを客観的に証明する資料はない。要証期間内に当該商品を販売したことを立証する見積書、注文書、仕入れ・販売記録、入金・支払い記録等の証拠の提出もなく、商標権者又は通常使用権者が当該商品を要証期間内に販売したことは立証されていない。
(4)被請求人は、「PLANETNINE」の文字が表示されたプレートが本件飲食店の入り口に設置されており(乙1、乙2)、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為に該当すると主張する。しかし、要証期間内にこのプレートが掲示されていたことを客観的に示す資料はなく、その点をおくとしても、飲食店の入り口に付されたプレートの表示は通常は飲食物の提供の役務について使用されているものと理解されるものであり、小売店の屋号(店名)であると認識されるものではないし、当該プレートの表示が小売店の屋号であると客観的に認識せるような事情も見受けられない。
(5)案内板(乙3)には、「PLANET NINE」の表示は確認されない。
被請求人は、ティーシャツ等の取扱商品(乙4~乙10)そのものも、小売等役務の提供に際して、品揃え、陳列等の対象となるものであり、小売等役務の出所を表示するものであるから、これらの取扱商品に商標「PLANET NINE」を表示する行為は、商標法第2条第3項第3号に規定される使用行為に該当すると主張する。しかし、商品に登録商標を付して商標を使用することは、商品商標としての使用であって、小売等役務についての使用に該当するとはいえない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第18号証を提出している。
1 本件商標は、上段に「プラネットナイン」、下段に「PLANET NINE」の文字がそれぞれ表示された二段書きの態様であり、一方、乙第1号証等に示された使用に係る商標は、「PLANET NINE」の英文字が一連に表示された態様であり、本件商標と社会通念上同一の商標の使用であることは明らかである。
2 本件商標の使用者は、商標権者である被請求人、又は、通常使用権者である本件有限会社であり、このことは、納品書や見積書等の取引書類の宛名の記載や本件飲食店を運営する本件有限会社の代表者が商標権者であることからも明らかである。
3 被請求人が運営する本件店舗は、「被服」に含まれる「ティーシャツ」、「かばん類」に含まれる「クラッチバッグ」及び「電気機械器具類」に含まれる「モバイルバッテリー」を取り扱っている。本件店舗の名称は、本件飲食店出入り口に看板として表示されている。また、本件店舗が取り扱う商品は、本件飲食店とのコラボレーション商品が多く、これらの商品にも「PLANET NINE」の名称が表示されている。その他、本件店舗のオリジナル商品にも、「PLANET NINE」の表示がある。さらに、「ティーシャツ」等の納品書の宛名の記載から「PLANET NINE」が本件店舗の名称・屋号として扱われていることが明らかである。以上より、本件商標の使用に係る役務は、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であることは明らかである。
4 本件店舗は、本件飲食店の開催7周年を記念したイベントの一環として出店された事実がある(乙3、乙18)。開店7周年イベントは、2018年8月31日に開催され、本件店舗は、イベントの前後に出店され、商標「PLANET NINE」がこの期間に使用された。その後も不定期に本件飲食店内にて本件店舗は営業されており、ティーシャツ、クラッチバッグ又はモバイルバッテリーを販売している(乙4~乙10)。取扱商品についての納品書には、納入日として要証期間内の日付が記載されており、要証期間内の商標の使用が裏付けられる(乙13~乙17)。
5 被請求人が運営する本件店舗の存在を表示する看板として「PLANET NINE」の文字が表示されたプレートが本件飲食店の入り口に設置されており(乙1、乙2)、商標法第2条第3項第8号に規定される使用行為に該当する。
6 案内板(乙3)に「PLANET NINE」を表示する行為は、商標法第2条第3項第3号に規定される使用行為に該当する。また、ティーシャツ等の取扱商品(乙4~乙10)そのものも、小売等役務の提供に際して、品揃え、陳列等の対象となるものであり、小売等役務の出所を表示するものであるから、これらの取扱商品に商標「PLANET NINE」を表示する行為も、同号に規定される使用行為に該当する。
第4 審尋及び被請求人の回答
1 審判長は、令和3年12月2日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものと認めることができない旨の合議体の暫定的見解及び請求人提出の弁駁書に対する回答を求めた。
2 被請求人は、上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。
第5 当審の判断
1 被請求人提出の証拠の内容
(1)乙第1号証及び乙第2号証について
乙第1号証及び乙第2号証は、本件飲食店の店頭とおぼしき場所の写真とその一部の拡大写真であり、出入り口のドア枠に貼付されているプレートに「PLANETNINE」との欧文字が表示されている様子が示されている。
いずれの写真にも撮影日は示されていない。
(2)乙第3号証について
乙第3号証は、「art ReG cafe」(注:「ReG」及び「cafe」中の「e」にはアクサンテギュが付されている。以下同様。)との表示があるマグカップ及びモバイルバッテリーとともに「art ReG cafe」と表示された案内板を撮影した写真であり、この案内板に、Tシャツ、モバイルバッテリー、マグカップの写真と価格等が示されるとともに、「アートレッグカフェOPEN7周年記念! PLANETNINEとのコラボTシャツ、マグカップ、モバイルバッテリーを限定販売!ご予約はお早めに!」と記載されたメモが貼付されている様子が示されている。
乙第3号証の写真にも撮影日は示されていない。
(3)乙第4号証及び乙第5号証について
乙第4号証及び乙第5号証は、Tシャツの写真とその一部の拡大写真であり、Tシャツの胸のデザインの一部として「PLANETNINE」の文字が表示されている様子が示されている。
いずれの写真にも撮影日は示されていない。
(4)乙第6号証及び乙7号証について
乙第6号証及び乙第7号証は、モバイルバッテリーの写真とその一部の拡大写真であり、デザインの一部として「PLANETNINE」の文字が表示されている様子が示されている。
いずれの写真にも撮影日は示されていない。
(5)乙第8号証及び乙第9号証について
乙第8号証及び乙第9号証は、それぞれ異なるTシャツの写真であり、いずれのTシャツについても、Tシャツの胸のデザインの一部として「PLANETNINE」の文字が表示されている様子が示されている。
いずれの写真にも撮影日は示されていない。
(6)乙第10号証について
乙第10号証は、クラッチバッグの写真であり、バッグ側面のデザインの一部として、「PLANETNINE」の文字が表示されている様子が示されている。
いずれの写真にも撮影日は示されていない。
(7)乙第11号証ないし乙第17号証について
乙第11号証ないし乙第17号証は、「合同会社ブルー」から商標権者に宛てた納品書であり、いずれも宛名の商標権者名とともに「PLANETNINE」と表示されている。それぞれの納品書の納入日と件名は、2018年5月10日、コラボTシャツ(乙11)、同年同月30日、モバイルバッテリー(乙12)、同年10月4日、コラボTシャツ(乙13)、2019年1月5日、コラボTシャツ(乙14)、同年8月3日、Tシャツ(乙15)、2021年4月5日、Tシャツ(乙16)、同年5月1日、Tシャツ・クラッチバッグ(乙17)である。
(8)乙第18号証について
乙第18号証は、「2021/7/19」と表示された、フェイスブックへの2018年8月27日付けの「アートレッグカフェ/art ReG cafe」による投稿記事のコピーであり、「OPEN7周年記念イベントを8月31日に開催」する旨が示されているが、「PLANETNINE」の表示は見当たらない。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)本件商標(社会通念上同一のものを含む。以下同じ。)の使用者について
ア 被請求人は、本件商標の使用者が本件商標権者であると主張している。しかし、上記1に示した乙第1号証ないし乙第18号証の内容からみて、これらの証拠は、いずれも、被請求人が役務の提供の場所として主張する本件飲食店において、本件商標権者が請求に係る指定役務のいずれかの役務を提供したことを示すものではないことが明らかである。
イ 被請求人は、本件商標の使用者が通常使用権者である本件有限会社であるとも主張している。しかし、上記1に示した乙第1号証ないし乙第18号証の内容からみて、これらの証拠は、いずれも、本件有限会社が本件商標について使用許諾を得ていたこと、本件有限会社が役務の提供が行われた場所として主張された本件飲食店の経営主体であること、及び本件有限会社が本件飲食店において請求に係る指定役務のいずれかの役務を提供したことを示すものではないことが明らかである。
ウ 以上によれば、被請求人は、商標標者又は通常使用権者が請求に係る指定役務について本件商標を使用したことを認定するための証拠を提出していない。
(2)使用役務について
ア 上記1(1)のとおり、乙第1号証及び乙第2号証の写真は、いずれも撮影日が不明であり、要証期間内に撮影されたものでないことから、本件飲食店の開店7周年イベント当時の事実を立証するものではない。また、これらの写真には、本件飲食店の店頭の出入り口のドア枠に貼付されているプレートに「PLANETNINE」との欧文字が表示されている様子が示されているものの、この表示が飲食物の提供という役務についてのものでなく使用役務についてのものであることは示されていない。
イ 上記1(2)のとおり、乙第3号証の写真は、撮影日が不明であり、要証期間内に撮影されたものでないことから、本件飲食店の開店7周年イベント当時の事実を立証するものではない。また、上記1(8)のとおり、乙第18号証は、フェイスブックへの2018年8月27日付けの投稿記事において「OPEN7周年記念イベントを8月31日に開催」する旨が示されていることを示すものであるものの、「PLANETNINE」の表示は見当たらないし、「2021/7/19」との表示からみて、要証期間外に印刷されたものであることも明らかである。
ウ 上記1(3)ないし(6)のとおり、乙第4号証ないし乙第10号証の写真はいずれも撮影日を示すものでなく、要証期間内の請求に係る指定役務についての使用を裏付けるものではない。
エ 上記1(7)のとおり、乙第11号証ないし乙第17号証は、いずれも宛名の商標権者名とともに「PLANETNINE」と表示された要証期間内の納入を示す納品書であるといえるものの、これらの納品書は、「合同会社ブルー」が発行したものであって、本件商標権者又は通常使用権者における小売等役務に係る商品の品揃えとの関連性を示すものではないことから、本件商標権者又は通常使用権者における小売等役務を示すものではない。
オ 以上によれば、被請求人が提出した証拠は、いずれも、要証期間内に請求に係る指定役務について本件商標が使用されたことを証明するものではない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、商標標者又は通常使用権者が請求に係る指定役務について本件商標を使用したことを認定するための証拠を提出しておらず、また、被請求人が提出した証拠は、いずれも、要証期間内に請求に係る指定役務について本件商標が使用されたことを証明するものでない。そして、他に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者がその請求に係る指定役務のいずれかについて本件商標を使用したことを証明するものはないことから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明したものということはできない。
また、被請求人は、商標法第50条第2項に規定する請求に係る指定役務について本件商標を使用していないことについての正当な理由があることを明らかにしたものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、結論掲記の指定役務について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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