特許拒絶査定不服審判
2021-017635
冷蔵庫
- 審判番号
- 2021-017635
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-558199
- 請求日
- 2021年12月21日
- 審決日
- 2023年03月27日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】東芝ライフスタイル株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人サトー
- 審判長/審判官
- 審判長 間中 耕治
- 審判官 マキロイ 寛済
- 審判官 西村 泰英
- 分類
- P18 .121-WZ (F25D) / P18 .537-WZ (F25D) / P18 .561-WZ (F25D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-558199「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 6月13日国際公開、WO2019/111850〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)12月3日(優先権主張 2017年12月4日)を国際出願日とする出願(特願2019-558199号)であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和3年 2月16日付け:拒絶理由通知
同年 4月23日 :意見書、手続補正書の提出
同年 9月22日付け:拒絶査定
同年12月21日 :審判請求、手続補正書の提出
令和4年 6月23日付け:拒絶理由通知
同年 8月25日 :意見書、手続補正書の提出
同年11月30日付け:拒絶理由通知(最後)(以下、「当審拒絶理由」という。)
令和5年 2月 1日 :意見書、手続補正書の提出
第2 令和5年2月1日に提出された手続補正書による補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和5年2月1日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、令和4年8月25日に提出された手続補正書により補正された)特許請求の範囲の請求項1を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1へと補正することを含むものである。(下線は当審にて付与した。以下同様。)
(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
本体と、
複数のにおいを検出可能であるにおい検出装置と、
を備え、
前記におい検出装置は、においを効率良く検出するように前記におい検出装置を機能させるように設定された設置領域に設けられ、
前記本体には、貯蔵物を貯蔵する複数の貯蔵室が設けられ、
複数の前記貯蔵室を開閉する扉を備え、
前記設置領域は、複数の前記貯蔵室のそれぞれに対応して前記におい検出装置が設置されるように前記扉の前記本体の内部である庫内側に設定されており、
前記におい検出装置は、においを検出するための検知面を備え、
前記検知面は、所望するにおいの検出精度および所望する冷却性能に応じて、前記本体の内部である庫内の空気の流れに対して平行、垂直、または、平行と垂直の間である斜めになっている冷蔵庫。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
本体と、
複数のにおいを検出可能であるにおい検出装置と、
前記本体の内部である庫内の脱臭を行う脱臭装置と、
を備え、
前記におい検出装置は、予め設定された設置領域に設けられ、
前記本体には、貯蔵物を貯蔵する複数の貯蔵室が設けられ、
複数の前記貯蔵室を開閉する扉を備え、
前記設置領域は、複数の前記貯蔵室のそれぞれに対応して前記におい検出装置が設置されるように前記扉の前記本体の内部である庫内側であり且つ前記庫内の空気の流れにおいて前記脱臭装置および冷凍サイクルを構成する蒸発器よりも上流側に設定されており、
前記におい検出装置は、においを検出するための検知面を備え、
前記検知面は、所望するにおいの検出精度および所望する冷却性能に応じて、前記本体の内部である庫内の空気の流れに対して平行、垂直、または、平行と垂直の間である斜めになっている冷蔵庫。」
2 本件補正の適否について
(1)補正事項
本件補正は、本件補正前の【請求項1】に「前記本体の内部である庫内の脱臭を行う脱臭装置」との発明特定事項を追加するとともに、「設置領域」について、「複数の前記貯蔵室のそれぞれに対応して前記におい検出装置が設置されるように前記扉の前記本体の内部である庫内側に設定されており」から、「複数の前記貯蔵室のそれぞれに対応して前記におい検出装置が設置されるように前記扉の前記本体の内部である庫内側であり且つ前記庫内の空気の流れにおいて前記脱臭装置および冷凍サイクルを構成する蒸発器よりも上流側に設定されており」へと補正すること(以下「補正事項」という。)を含むものである。
(2)新規事項の追加の有無について
ア 願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、これらを「当初明細書等」という。)に記載の事項について
上記補正事項に関して、当初明細書等には、以下の記載がある。
(ア)「【0016】
図2に示すように、下部冷凍室7の背面側、すなわち本体2の背面側の底部には、機械室が設けられており、この機械室に圧縮機25などが配置されている。上部冷凍室6および下部冷凍室7の背面には、蒸発器26およびファン27が設けられている。冷蔵室3の下部および野菜室4の上部の背面には、蒸発器28および脱臭装置29が設けられている。圧縮機25、蒸発器26、蒸発器28などは、周知の冷凍サイクルを構成している。脱臭装置29は、本体2の内部である庫内の脱臭(または消臭)を行う。」
(イ)「【0060】
<具体例14>
この場合、においセンサ100の設置領域は、例えば扉3aに設けられたドアポケット10aに設定された設置領域313のように、扉に設けられたドアポケットに設定される。上記構成によれば、ドアポケットに収納され易い物品(食品、食材など)のにおいを検出する用途に好適となる。また、上記構成によれば、扉3a、3bが開閉される際の空気の流れにより、においセンサ100周辺の空気(におい)をリフレッシュすることができる。
【0061】
冷蔵庫1において、冷蔵室3の冷気は、吹き出しダクトから物品(食品、食材など)が載置される棚板11を通過して前方へと流れてドアポケット8~10にあたるようになっている。したがて、上記構成によれば、棚板11に載置された貯蔵物のにおいを確実に検出することができる。」
(ウ)「【0066】
<具体例17>
この場合、においセンサ100の設置領域は、冷蔵室3の吸い込みダクト内、例えば蒸発器28と脱臭装置29との間に設定された設置領域316(図2参照)のように、庫内の空気の流れにおいて蒸発器28および脱臭装置29よりも下流側ににおいセンサ100が設置されるように設定されている。
【0067】
上記構成によれば、においセンサ100周辺の空気は、蒸発器28を通過することにより湿度が低下した環境となる。そのため、においセンサ100が、湿度が低いほど検出精度などの性能が高まるような構成であれば、においの検出精度などが向上する。また、上記構成によれば、冷蔵室3、野菜室4、チルド室12から取り込まれた空気がにおいセンサ100にあてられることになるため、それらの貯蔵室に貯蔵された食材などのにおいを検出する用途に好適となる。
【0068】
なお、においセンサ100の設置領域は、庫内の空気の流れにおいて蒸発器28の上流側ににおいセンサ100が設置されるように設定してもよい。このようにすれば、においセンサ100が、湿度が高いほど検出精度などの性能が高まるような構成であれば、においの検出精度などが向上する。また、においセンサ100の設置領域は、庫内の空気の流れにおいて脱臭装置29の上流側ににおいセンサ100が設置されるように設定してもよい。このようにすれば、脱臭装置29により脱臭される前のにおいを検出することができる。」
(エ)「
[図:0001397631000001.jpg]
」
イ 判断
上記アの摘記事項(イ)には、<具体例14>として、扉3aに設けられたドアポケット10aに、においセンサ100の設置領域313を設定することが記載されている。そして、上記アの摘記事項(エ)から、ドアポケット10aが扉3aの本体の内部である庫内側に設けられていることが分かる。
また、上記アの摘記事項(ウ)には、<具体例17>として、冷蔵室3の吸い込みダクト内に、においセンサ100の設置領域316を設定することが記載されており、さらに、段落【0068】には、庫内の空気の流れにおいて蒸発器28の上流側に、においセンサ100が設置されるように設定してもよい旨の記載がある。
しかしながら、当初明細書等には、扉の本体の内部である庫内側であり、且つ庫内の空気の流れにおいて冷凍サイクルを構成する蒸発器よりも上流側に、においセンサの設置領域を設定することについての直接的な記載はない。
また、上記補正事項における「設置領域」は、「扉の前記本体の内部である庫内側」であり且つ庫内の空気の流れにおいて「蒸発器よりも上流側」に設定されるものであるから、少なくとも扉の庫内側の近傍に吸い込みダクトを設けることが前提事項であるといえるが、当初明細書等には、貯蔵室の背面側、すなわち扉の庫内側とは反対側である背面側に蒸発器及び吸い込みダクトを設けた実施例しか開示されておらず、扉の庫内側に蒸発器及び吸い込みダクトを設けることが技術常識ではないことを参酌すると、当業者であっても、当初明細書等から、「扉の前記本体の内部である庫内側」であり且つ庫内の空気の流れにおいて「蒸発器よりも上流側」に「設置領域」を設定することは、想定することができない。
そうすると、当該補正事項を含む本件補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであって、当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものではない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものである。
3 本件補正についての小括
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし14に係る発明は、令和4年8月25日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の[理由]1(1)のとおりのものである。
2 当審拒絶理由
本願発明に対する当審拒絶理由の内容は、概略、以下のとおりである。
(1)理由1(明確性)
この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
(2)理由2(進歩性)
この出願の請求項1に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された事項、及び周知技術に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
理由1
請求項1の「前記におい検出装置は、においを効率良く検出するように前記におい検出装置を機能させるように設定された設置領域に設けられ」との記載は、不明確である。
理由2
引用文献1: 特開2016-148503号公報
引用文献2: 韓国公開特許第10-2015-0134665号公報
3 当審の判断
(1)理由1(明確性)について
特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
以下、この観点に立って、本願発明が明確であるか否かについて検討する。
ア 特許請求の範囲の請求項1は、「前記におい検出装置は、においを効率良く検出するように前記におい検出装置を機能させるように設定された設置領域に設けられ」ることを発明特定事項に含むものであるが、当該発明特定事項について、「におい検出装置」によるにおいの検出を「効率よく検出するように」との記載は、何をもって「効率よく」とするのか、その定義や比較対象が請求項1に記載されていないから、その文言解釈として不明確であるといわざるを得ない。
イ そこで、明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌すると、段落【0038】において、「上記した構成のにおいセンサ100は、その設置箇所に応じて、その検出効率などが変化する。例えば、においセンサ100を冷蔵庫1の奥に設置した場合と手前に設置した場合とでは、付近に置かれる食材、空気の流れ、温度などが異なる可能性があり、その結果、検出効率などが変化する。このような点を踏まえ、本実施形態では、においセンサ100は、においセンサ100を効率的に機能させるように設定された設置領域に設けられている。」と記載されているが、当該記載をもっても、においを検出する効率がよいか悪いかを判断する客観的な基準が記載されていないため、何をもって「効率よく」とするのか、すなわち、扉の庫内側のいずれの部分を設置領域に設定すれば、におい検出の効率がよいといえるのか、当業者が把握することができず、請求項1の上記記載は、第三者に不測の不利益を及ぼす程度に発明の範囲が不明確であるといわざるを得ない。
よって、特許請求の範囲の請求項1の記載は明確でないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たさないものである。
(2)理由2(進歩性)について
ア 引用文献の記載及び引用発明
(ア)引用文献1について
a 引用文献1に記載された事項について
当審拒絶理由で引用され、本願の優先日前に頒布された引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(a)「【0010】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫システム100は、冷蔵庫内の状況をユーザに通知するシステムであって、図1に示すように、冷蔵庫101と端末装置102とから構成される。冷蔵庫101と端末装置102とは、有線、無線又はこれらを組み合わせて構築される通信回線103を介して通信可能に接続される。
【0011】
なお、冷蔵庫は、温度管理された内部の室内に食品などの収容物を収容して保存するための機器又は装置であり、例えば、家庭用の冷蔵庫及び冷凍庫、コンビニエンスストアなどで利用される商業用の冷蔵庫及び冷凍庫、工場、研究所などで利用される業務用の冷蔵庫及び冷凍庫などを含む。
【0012】
冷蔵庫101は、図1に示すように、冷蔵庫内が望ましくない状況であるか否かを示す庫内情報を、端末装置102へ送信する。なお、端末装置102は、冷蔵庫101から庫内情報などを送信する送信先となる装置(送信先装置)の一例であり、送信先装置は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0013】
冷蔵庫101は、食品などの収容物が収容される冷却された空間である貯蔵室104を冷蔵庫内に有し、本実施の形態では、貯蔵室104は、水平な2つの棚105a,105bで仕切られており、ドア106により開閉される。図1では、ドア106が開いた状態を示す。
【0014】
冷蔵庫101は、ドア106の開閉を検知する開閉センサ107と、冷蔵庫内の状況を検知し、その検知した状況を示す検知情報を出力する検知手段としてのカメラユニット108及びにおいセンサ109と、カメラユニット108及びにおいセンサ109の各々から出力される検知情報に基づいて庫内情報を生成して端末装置102へ送信する制御部110とを備える。」
(b)「【0018】
においセンサ109は、冷蔵庫内のにおいの強さを冷蔵庫内の状況として検知するセンサであって、冷蔵庫内のにおいの強さを示す情報(におい情報)を検知情報として出力する。本実施の形態に係るにおいセンサ109は、図1に示すように、ドア106の後面に設けられており、貯蔵室104の中のにおいの強さを検知する。」
(c)「【図1】
[図:0001397631000002.jpg]
」
b 引用文献1に記載された発明について
上記aから、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(以下、「引用発明」という。)。
「冷蔵庫101と、
においセンサ109と、
を備え、
前記冷蔵庫101には、収容物を貯蔵する貯蔵室104が設けられ、
前記貯蔵室104を開閉するドア106を備え、
前記においセンサ109は、ドア106の後面に設けられている、
冷蔵庫システム100。」
(イ)引用文献2について
a 引用文献2に記載された事項について
当審拒絶理由で引用され、本願の優先日前に頒布された引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(a)「
[図:0001397631000003.jpg]
」
(当審訳)
「[0020]いくつかの実施例によると、電子装置はにおいを測定する機能を取り揃えたスマート家電製品(smart home appliance)であることがある。 スマート家電製品は、例えば、電子装置はテレビ、DVD(digital video disk)プレーヤー、オーディオ、冷蔵庫、エアコン、掃除機、オーブン、電子レンジ、洗濯機、空気清浄器、セットトップボックス(set-top box)、TVボックス(例えば、三星HomeSyncTM、アップルTVTM、またはGoogleTVTM)、ゲームコンソール(game consoles)、電子辞典、電子キー、カムコーダ(camcorder)、または電子額縁の中で少なくとも一つを含むことができる。」
(b)「
[図:0001397631000004.jpg]
」
(当審訳)
「[0023]図1は本発明の実施例によるにおいを感知するシステムを示したブロック図である。
[0024]図示されたところのように、本発明の実施例によるにおいを感知するシステムは電子装置(100)と嗅覚感知装置(200)で構成されることができ、前記電子装置(100)と嗅覚感知装置(200)は有無線を通じて連結(300)になりうる。
[0025]前記電子装置(100)はテレビ、DVD(digital video disk)プレーヤー、オーディオ、冷蔵庫、エアコン、掃除機、オーブン、電子レンジ、洗濯機、空気清浄器、セットトップボックス(set-top box)、TVボックス(例えば、三星HomeSyncTM、アップルTVTM、またはGoogleTVTM)、ゲームコンソール(game consoles)、電子辞典、電子キー、カムコーダ(camcorder)、及び電子額縁の中で少なくとも一つを含むことができる。
[0026]そして、前記嗅覚感知装置(200)はにおいを感知するか測定する機能を取り揃えて、前記電子装置(100)に連結されたアクセサリーであることができる。 嗅覚感知装置(200)は多様な電子装置と相互通信を実行するために電子装置の種類別、製造社別に多様なインターフェースを取り揃えることができる。
[0027]そして、電子デバイス(100)と嗅覚感知装置(200)の間の連結はUSB(Universal Serial Bus)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)及びMIPI(Mobile Industry Processor Interface)中いずれか一つを通じて連結されるか有無線通信プロトコルを通じて連結されることができる。
[0028]一実施例による電子装置(100)は自分と連結される嗅覚感知装置(200)を通じて香り、悪臭、化学薬品による有毒性把握のための空気粒子分析など多様なにおいを感知することができる。 だけでなく、前記電子装置(100)はこのような多様なにおいを測定するための少なくとも一つのモジュールを構成することができる。 本発明の実施例ではこのような多様なにおいを測定する嗅覚感知装置(200)が電子装置(100)と別に構成されてインターフェースを通じて連結されているがこれはただ実施例であるだけ、本発明はにおいを測定する少なくとも一つのモジュールが電子装置(100)に構成されることができる。 電子デバイス(100)はこのような嗅覚感知装置との連結が感知されると、においを測定するための命令を嗅覚感知装置(200)で転送することができる。 そして、電子デバイス(100)は嗅覚感知装置で測定されたにおいに対する情報を含むデータを受信して、受信されたデータを分析して他の電子装置で転送するか使用者に見えるようにスクリーン(未図示)にディスプレイされることができる。
[0029]一実施例による嗅覚感知装置(200)は電子装置(100)とUSB(Universal Serial Bus)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)及びMIPI(Mobile Industry Processor Interface)中いずれか一つのインターフェースを通じて連結されることができる。 嗅覚感知装置(200)は上述したUSB、HDMIまたはMIPIだけでなく、連結を通じてデータを送受信することができる他のインターフェースまたは有線ケーブルまたは無線通信のためのプロトコルに基盤したインターフェースによる連結を感知することができる。 嗅覚感知装置(200)はこのような多様なインターフェースを通じて電子装置(100)からにおいを測定するか感知する命令を受信することができる。」
(c)「
[図:0001397631000005.jpg]
[図:0001397631000006.jpg]
」
(当審訳)
「[0043]図3は本発明の実施例による嗅覚感知装置でにおいを測定する感知部に構成された複数のセンサーの配置を示した例示図である。
[0044]図3を参照すると、本発明の実施例によるにおいを測定する複数のセンサー(311ないし326)はFBARセンサーであることができる。 前記少なくとも一つのセンサー(311ないし326)で感知または測定されたにおいに対する情報は制御部(210)に伝送されて、制御部(210)はこのような測定されたにおいに対するカウント係数をテーブル形態で保存部(260)に保存する。 このようなそれぞれのセンサーはインバーター、抵抗、キャパシター及び共振器の素子で構成されることができる。 そして、複数のセンサーはマルチ配列(multi array)方式で連結されることができ、他のセンサーと相違する共振周波数に調節されうる。 また、複数のセンサーはワンチップ(one chip)で構成されることができる。 また、それぞれのセンサーは複数個のインバーター、複数個の抵抗、複数個の第1キャパシター、複数個の第2キャパシター及び一つの共振器で構成されることができる。 それぞれの素子のスイッチングを制御することで該当のセンサーの共振周波数は隣接したセンサーの共振周波数と違うように調節されうる。 そして、複数個のインバーター、複数個の抵抗、複数個の第1キャパシター及び複数個の第2キャパシターそれぞれは並列で連結されることができる。
[0045]図4aは本発明の実施例による嗅覚感知装置でにおいを測定するセンサーの回路図を示した例示図で、図4bは本発明の実施例による嗅覚感知装置でにおいを測定するセンサーのドーピングを示した例示図である。
[0046]図4aを参照すると、本発明の実施例によるにおいを測定するセンサーはインバーター(450)、抵抗(440)、共振器(430)、二つのキャパシター(410、420)で構成されることができる。 インバーター(450)、抵抗(440)、二つのキャパシター(410、420)はCMOS工程で作って、共振器(430)はFBAR工程で組立てることができる。 本発明の実施例によるセンサーはこのようなFBAR工程で作られたFBARセンサーを含むことができる。 このようなFBARセンサーに受容体(receptor)がドーピングされうる。 そして、インバーター(450)、抵抗(440)、共振器(430)、二つのキャパシター(410、420)それぞれのスイッチングを制御して該当のセンサーの共振周波数を隣接したまたは他の少なくとも一つのセンサーの共振周波数と違うように調節することができる。
[0047]図4bを参照すると、図4aのインバーター(450)、抵抗(440)、二つのキャパシター(410、420)はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)(460)工程に製造されて、共振器(430)はFBAR工程(470)を通じてCMOSの上に搭載されて、その上に受容体(480)をドーピングする。
[0048]例えば、におい分子が感知されると、FBARの共振周波数が変化されてオシレーター出力される周波数も変更される。 このような変更された周波数はアナログカウンター(362)の値に影響を与えてアナログカウンターの値の変化を利用してにおいが感知されるか測定されることができる。」
(d)「
[図:0001397631000007.jpg]
」(図面3)
(e)「
[図:0001397631000008.jpg]
」(図面4)
(f)上記摘記事項(c)の段落[0045]-[0048]、及び摘記事項(e)の図4(a)、(b)には、「嗅覚感知装置」において、検知面(受容体(480))がにおい分子を吸着した際の共振周波数の変化を検出することで、においを測定する仕組みのにおいセンサーを用いることが記載されており、さらに、上記摘記事項(c)の上記段落[0043]-[0044]、図3には、「嗅覚感知装置」で用いるにおいを測定する複数のセンサー(311~326)をワンチップで構成すること、及び各センサーの共振周波数が異なることが記載されていることから、上述した仕組みを考慮すると、引用文献2に記載された「嗅覚感知装置」は、検知面を複数備え、かつ2種類以上のにおい分子を検出することができるものであると認められる。
したがって、上記摘記事項(a)~(e)及び認定事項(f)から、引用文献2には、次の事項が記載されていると認められる(以下、「引用文献2記載事項」という。)。
「においを検出するための検知面である受容体480を複数備え、かつ2種類以上の分子を検出することができるセンサーを有し、多様なにおいを感知することができ、かつ無線通信のインターフェースを有する嗅覚感知装置。」
イ 対比
本願発明と引用発明を対比する。
引用発明における「冷蔵庫101」は、本願発明における「本体」に相当し、以下同様に、「においセンサ109」は「におい検出装置」に、「収容物」は「貯蔵物」に、「貯蔵室104」は「貯蔵室」に、「ドア106」は「扉」に、「冷蔵庫システム100」は「冷蔵庫」に、それぞれ相当する。
また、引用発明における「ドア106の後面」は、上記ア(ア)a(c)の図1から、ドア106の庫内側の面であることが分かるので、本願発明における「前記扉の前記本体の内部である庫内側」に相当する。
してみると、本願発明と引用発明との一致点、相違点は、次のとおりであると認められる。
[一致点]
「本体と、
におい検出装置と、
を備え、
前記本体には、貯蔵物を貯蔵する貯蔵室が設けられ、
前記貯蔵室を開閉する扉を備え、
前記におい検出装置は、前記扉の前記本体の内部である庫内側に設けられている、
冷蔵庫。」
[相違点1]
本願発明の「におい検出装置」は、「複数のにおいを検出可能である」のに対し、引用発明の「においセンサ109」は、複数のにおいを検出可能であるか不明な点。
[相違点2]
本願発明の「におい検出装置」は、「においを効率良く検出するように前記におい検出装置を機能させるように設定された設置領域に設けられ」るのに対し、引用発明の「においセンサ109」は、そのような設置領域に設けられるか不明である点。
[相違点3]
本願発明では、複数の「貯蔵室」が設けられるのに対し、引用発明では、1つの「貯蔵室104」が設けられている点。
[相違点4]
本願発明の「におい検出装置」は、「においを検出するための検知面を備え」、「所望するにおいの検出精度および所望する冷却性能に応じて、前記本体の内部である庫内の空気の流れに対して平行、垂直、または、平行と垂直の間である斜めになっている」のに対し、引用発明の「においセンサ109」は、そのような配置の検知面を備えているか不明である点。
ウ 判断
上記相違点について検討する。
[相違点1について]
引用文献2の段落[0020]、[0024]-[0028]には、多様なにおいを感知することができる嗅覚感知装置を冷蔵庫に設置することが示唆されていることから(上記ア(イ)a(a)、(b)参照)、引用発明の「においセンサ109」として、引用文献2に記載されたように、多様な、すなわち複数のにおいを検出可能であるセンサを採用することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
[相違点2について]
上述したように、本願発明における「においを効率良く検出するように前記におい検出装置を機能させるように設定された設置領域に設けられ」との記載は、何をもってにおいを効率よく検出するとするのかが不明確であるが、当該記載を、におい検出装置が所望の検出性能を満たす領域を設置領域に設定すること、を意味していると解釈して検討する。
そうすると、当業者が、冷蔵庫内でのにおい検出装置を設置するに当たって、例えば、凹部や隅部のように、においが届きづらい位置を避けることは、設計上自明な事項であるから、におい検出装置が所望の検出性能を満たす領域を設置領域として設置することは、冷蔵庫を設計するにあたっての当業者の通常の創作能力の発揮にすぎない。
したがって、引用発明において、本願発明のように、「においセンサ109」を、においを効率良く検出するように「においセンサ109」を機能させるように設定された設置領域に設けることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
[相違点3について]
冷蔵庫の技術分野において、複数の貯蔵室を設けることは、文献を挙げるまでもなく周知技術である。
したがって、引用発明において、上記周知技術を適用して、複数の貯蔵室を設けることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
[相違点4について]
引用文献2には、「嗅覚感知装置」でにおいを測定するセンサーとして、においを検出するための検知面(受容体480)を備えたセンサーが記載されている(上記ア(イ)の引用文献2記載事項参照)。
そして、上述したように、引用文献2には、「嗅覚感知装置」を冷蔵庫に用いることが示唆されているから、引用発明の「においセンサ109」に代替して、引用文献2に記載されたように、においを検出するための検知面を備えたセンサを採用することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。そして、その際に、庫内の冷気の流れを考慮しつつ、引用文献2に記載されたにおいを検出するための検知面を備えたセンサが所望の検出性能を発揮するよう、検知面の向きを調整することは、技術思想を具現化するにあたっての、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎない。
そうすると、引用発明において、「においセンサ109」として、引用文献2に記載されたように、においを検出するための検知面を備えたセンサを採用し、かつ、当該検知面が、所望するにおいの検出精度および所望する冷却性能に応じて、庫内の空気の流れに対して、平行、垂直、または、平行と垂直の間である斜め、のいずれかの配置となるような構造とすることは、当業者が容易になし得たことである。
エ 小括
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、引用文献2記載事項、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、また、請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-017635