特許拒絶査定不服審判
2022-001175
冷蔵庫
- 審判番号
- 2022-001175
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-107067
- 請求日
- 2022年01月26日
- 審決日
- 2023年02月13日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】東芝ライフスタイル株式会社
- 【請求人代理人】三好 秀和
- 審判長/審判官
- 審判長 間中 耕治
- 審判官 松下 聡
- 審判官 槙原 進
- 分類
- P18 .55 -WZ (F25D) / P18 .537-WZ (F25D) / P18 .121-WZ (F25D) / P18 .561-WZ (F25D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第3項特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-107067号「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 9月17日出願公開、特開2020-148459号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成26年8月12日に出願された特願2014-164073号の一部を、平成31年3月4日に新たな特許出願(特願2019-038196号)とし、さらにその一部を令和2年6月22日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年5月12日 :拒絶理由通知書
令和3年7月19日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年10月4日 :拒絶査定
令和4年1月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和4年8月25日 :拒絶理由通知書(当審による)
令和4年10月25日:意見書、手続補正書の提出
令和4年11月25日:拒絶理由通知書(<最後>:当審による)
令和4年12月16日:意見書、手続補正書の提出
第2 令和4年12月16日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年12月16日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1-1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおり補正された(下線部は補正箇所である。以下同様。)。
「【請求項1】
無線通信の機能を有する冷蔵庫であって、
電波を送受信可能な通信アンテナを含む通信ユニットと、
前記通信ユニットを収納する収納部と、
前記収納部と外部とを連通させる開口部と、
前記開口部を閉じる蓋部材と
を備え、
前記通信ユニットが、前記開口部を通じて前記収納部内に収納された状態で、前記蓋部材により前記開口部が閉じられた場合にも、前記通信アンテナは、貫通状態の孔部を介して、前記外部に露出した状態とされ、
前記通信ユニットと前記通信アンテナとが別々の部材に取り付けられて、前記通信アンテナは前記冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材としても機能する前記蓋部材に取り付けられることを特徴とする冷蔵庫。」
(1-2)本件補正後の明細書における記載
本件補正により、明細書は、次のとおり補正された。
「【0008】
実施の形態の冷蔵庫は、無線通信の機能を有する冷蔵庫であって、電波を送受信可能な通信アンテナを含む通信ユニットと、前記通信ユニットを収納する収納部と、前記収納部と外部とを連通させる開口部と、前記開口部を閉じる蓋部材とを備え、前記通信ユニットが、前記開口部を通じて前記収納部内に収納された状態で、前記蓋部材により前記開口部が閉じられた場合にも、前記通信アンテナは、貫通状態の孔部を介して、前記外部に露出した状態とされ、前記通信ユニットと前記通信アンテナとが別々の部材に取り付けられて、前記通信アンテナは前記冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材としても機能する前記蓋部材に取り付けられることを特徴とするものである。」
(2-1)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の令和4年10月25日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
無線通信の機能を有する冷蔵庫であって、
電波を送受信可能な通信アンテナを含む通信ユニットと、
前記通信ユニットを収納する収納部と、
前記収納部と外部とを連通させる開口部と、
前記開口部を閉じる蓋部材と
を備え、
前記通信ユニットが、前記開口部を通じて前記収納部内に収納された状態で、前記蓋部材により前記開口部が閉じられた場合にも、前記通信アンテナは、貫通状態の孔部を介して、前記外部に露出した状態とされ、
前記通信ユニットと前記通信アンテナとが別々の部材に取り付けられて、前記通信アンテナは前記冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材に取り付けられることを特徴とする冷蔵庫。」
(2-2)本件補正前の明細書における記載
本件補正前の令和4年10月25日の手続補正により補正された明細書における記載は次のとおりである。
「【0008】
実施の形態の冷蔵庫は、無線通信の機能を有する冷蔵庫であって、電波を送受信可能な通信アンテナを含む通信ユニットと、前記通信ユニットを収納する収納部と、前記収納部と外部とを連通させる開口部と、前記開口部を閉じる蓋部材とを備え、前記通信ユニットが、前記開口部を通じて前記収納部内に収納された状態で、前記蓋部材により前記開口部が閉じられた場合にも、前記通信アンテナは、貫通状態の孔部を介して、前記外部に露出した状態とされ、前記通信ユニットと前記通信アンテナとが別々の部材に取り付けられて、前記通信アンテナは前記冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材に取り付けられることを特徴とするものである。」
2 補正の適否
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1、及び明細書段落【0008】の記載における、本件補正前の「カバー部材」を、「カバー部材としても機能する前記蓋部材」とするものである。
そこで、本件補正が、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものか、以下検討する。
(1)当初明細書等における記載
(下線は、当審が理解の一助のため、当審が付与したものである。)
ア 上記「蓋部材」に関連する当初明細書等における記載は、次のとおりである。
「【請求項1】
無線通信の機能を有する冷蔵庫であって、
電波を送受信可能な通信アンテナを含む通信ユニットと、
前記通信ユニットを収納する収納部と、
前記収納部と外部とを連通させる開口部と、
前記開口部を閉じる蓋部材と
を備え、
前記収納部は、前記通信ユニットが収納された状態で前記蓋部材により前記開口部が閉じられるとともに、前記開口部とは別途に設けられた孔部により前記外部と連通し、
前記通信アンテナは、前記孔部を通して前記電波を送受信可能であることを特徴とする冷蔵庫。」
「【0008】
実施の形態の冷蔵庫は、無線通信の機能を有する冷蔵庫であって、電波を送受信可能な通信アンテナを含む通信ユニットと、前記通信ユニットを収納する収納部と、前記収納部と外部とを連通させる開口部と、前記開口部を閉じる蓋部材とを備え、前記収納部は、前記通信ユニットが収納された状態で前記蓋部材により前記開口部が閉じられるとともに、前記開口部とは別途に設けられた孔部により前記外部と連通し、前記通信アンテナは、前記孔部を通して前記電波を送受信可能であることを特徴とするものである。」
「【0065】
図14は、通信基板110と、通信手段用の収納ボックス201の例を示す斜視図である。
【0066】
収納ボックス201は、左扉21の端面21T側に長方形状の挿入口21Mを有している。通信基板110は、この挿入口21Mを通じて、収納ボックス201内に挿入して収納され、しかも挿入口21Mは蓋部材219により閉じることができる。蓋部材219は、電波通過用の孔部220を有している。通信アンテナ120は、通信基板110において、この孔部220寄りの位置に配置されている。これにより、通信アンテナ120は、蓋部材219の孔部220を通じて、外部との送受信を支障なく容易に行うことができる。」
「【0071】
図15に示すように、通信アンテナ120は、蓋部材219寄りの位置に配置され、蓋部材219の孔部220に近接している。これにより、通信アンテナ120は、穴部220を通じて、電波を通して外部との送受信を確実に行える。
【0072】
図16に示す例では、通信基板110の表面には、静電スイッチ電極199が配置され、裏面には通信アンテナ120が配置されている。通信アンテナ120は蓋部材219寄りの位置に配置され、蓋部材219の孔部220に近接している。これにより、通信アンテナ120は、穴部220を通じて、電波を通して外部との送受信を確実に行える。
【0073】
図17に示す例では、通信基板110の表面には、静電スイッチ電極199と通信アンテナ120が配置されている。通信アンテナ120は蓋部材219寄りの位置に配置され、蓋部材219の孔部220に近接している。これにより、通信アンテナ120は、穴部220を通じて、電波を通して外部との送受信を確実に行える。」
「【0088】
扉の縦方向の端面には、通信手段の収納ボックスの開口部が形成されており、開口部を閉じる蓋部材を有し、蓋部材には、孔部が設けられている。これにより、通信アンテナの電波は蓋部材の孔部を通ることができるので、通信アンテナによる外部との情報の送受信を確実に行える。」
「【図14】
[図:0001396782000001.jpg]
」
「【図15】
[図:0001396782000002.jpg]
」
「【図16】
[図:0001396782000003.jpg]
」
「【図17】
[図:0001396782000004.jpg]
」
イ 上記「カバー部材」に関連する当初明細書等における記載は、次のとおりである。
「【0052】
図8に示すように、左扉21の内部には、制御操作部の収納ボックス31と通信手段用の収納ボックス201が配置されている。制御操作部の収納ボックス31と通信手段用の収納ボックス201の前面側には、半透明のカバー部材290が取り付けられている。」
「【0054】
図9(A)に示す例では、通信基板110が、通信手段用の収納ボックス201内に収納されているが、通信アンテナ120が、通信基板110よりも前側であって、カバー部材290の内面に固定されている。これにより、通信アンテナ120は、外部との無線の送受信を行うことで、無線の送受信を容易にすることができる。
【0055】
図9(B)には、通信アンテナ120が、カバー部材290の内面に固定されている場合の構造例を示している。カバー部材290の非金属製の板材291の表面には、保護フィルム292を貼り付けており、板材291の内面には、通信アンテナ120が貼り付けられている。通信アンテナ120は、金属製の蒸着フィルム292により、図9(A)に示す通信基板110に接続されている。」
「【図8】
[図:0001396782000005.jpg]
」
「【図9】
[図:0001396782000006.jpg]
」
(2)判断
上記(1)アの実施例に関する当初明細書等の記載によると、「蓋部材」は、「蓋部材219」であって、「左扉21の端面21T側」に設けられた「長方形状の挿入口21M」を閉じるものであり、「電波通過用の孔部220を有している」ものとして記載(段落【0066】、図14を参照。)されている。
そして、通信アンテナ120は、通信基板110の表面に設けられるものとして記載(段落【0073】、図14ないし図17を参照。)されている。
一方、上記(1)イの実施例に関する当初明細書等の記載によると、「カバー部材」は、「半透明」の「カバー部材290」であって、左扉21の前面側に設けられた、「制御操作部の収納ボックス31と通信手段用の収納ボックス201の前面側」に取り付けられるものとして記載(段落【0052】、図8を参照)されている。
そして、アンテナ120は、通信基板110よりも前側であって、カバー部材290の内面に固定されることが記載(段落【0054】、図9を参照。)されており、アンテナ120と通信基板とが別々の部材に取り付けられていることが記載されているものの、「カバー部材290の非金属製の板材291の表面には、保護フィルム292を貼り付けて」いることが記載(段落【0055】、図9(B)を参照。)されていることから、アンテナ120が、貫通状態の孔部を介して外部に露出した状態であることまで、上記(1)イの当初明細書の記載からは、認められない。
以上からみて、「蓋部材」は、「左扉21の端面21T側」に設けられた「長方形状の挿入口21M」を閉じるものであって「電波透過用の孔部220」を備えるものである一方、「カバー部材」は、左扉21の前面側に設けられた、「制御操作部の収納ボックス31と通信手段用の収納ボックス201の前面側」に取り付けられる「半透明」又は「非金属製の板材291の表面に保護フィルム292を貼り付けてなるもの」であって「アンテナ120」が内面に取り付けられるものであり、当初明細書等において、「蓋部材」と「カバー部材」は、別個の実施例として明確に区別して記載されている。
また、「蓋部材」が「カバー部材としても機能する」ことは、当初明細書等において記載されたものではない。
さらに、上記(1)アにおける当初明細書等の記載においては、「蓋部材219」は、「電波通過用の孔部220を有している」ものの、通信アンテナ120は、通信基板110の表面に設けられるものであって、それぞれが別々の部材に取り付けられるものではなく、上記(1)イにおける当初明細書等の記載においては、アンテナ120と通信基板110とが別々の部材に取り付けられているものの、アンテナ120が、貫通状態の孔部を介して外部に露出した状態ではないから、当初明細書等において、アンテナ120が、貫通状態の孔部を介して、外部に露出した状態とされるとし、かつ、通信基板110とアンテナ120とが別々の部材に取り付けられることについて記載されているとはいえない。
また、アンテナ120を、貫通状態の孔部を介して外部に露出した状態とし、かつ、通信基板110とアンテナ120とが別々の部材に取り付けられることを示唆する記載は当初明細書等にはなく、上記(1)アと、上記(1)イの当初明細書における記載を併せ読むことが許される特段の事情も認められない。
さらに、上記(1)イの「カバー部材290」は、「半透明」又は「非金属製の板材291の表面に保護フィルム292を貼り付けてなるもの」であって「アンテナ120」が内面に取り付けられるだけでも「カバー部材290」を電波が透過するものと解されるから、上記(1)アのごとく「蓋部材」に「電波透過用の孔部220」を設けて「アンテナ120」を「外部に露出した状態」とする技術的な合理性も認められない。
そうすると、「通信アンテナ」が取り付けられた「冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材」を、「カバー部材としても機能する前記蓋部材」とする本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載、及び本件補正後の明細書段落【0008】は、当初明細書等に記載されていない新たな技術的事項を導入するものであるといわざるを得ない。
したがって、本件補正は、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであり、当初明細書等に記載された範囲内においてしたものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものではないから、同法第159条第1項により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 拒絶すべき理由について
1 請求項1の記載について
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲における請求項1の記載は、第2 1(2-1)に記載したとおりのものである。
2 当審が通知した拒絶理由(最後)の概要
請求項1についての令和4年11月25日付けの当審による拒絶理由(最後)の概要は、次のとおりである。(1)理由1(新規事項)令和4年10月25日の手続補正(以下「本件補正2」という。)でした補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でしたものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
(2)理由2(サポート要件)本件出願は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
3 判断
(1)理由1(新規事項の追加)について
本件補正2は、請求項1に「前記通信ユニットと前記通信アンテナとが別々の部材に取り付けられて、前記通信アンテナは前記冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材に取り付けられる」ことを追加するものである。 そして、本件補正2による補正後の請求項1に係る発明である「無線通信の機能を有する冷蔵庫」は、「通信ユニットを収納する収納部」と「外部とを連通させる」「開口部を閉じる蓋部材」と、「通信アンテナ」が「取り付けられる」「冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材」との両方を備えるものとなった。
そのうち、「開口部を閉じる蓋部材」は、当初明細書等の段落【0065】ないし【0073】、及び図14ないし図17に「蓋部材219」として記載され、「冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材」は、当初明細書等の段落【0054】、【0055】、及び図9に「カバー部材290」として記載されている。
しかし、「通信ユニットを収納する収納部」と「外部とを連通させる」「開口部を閉じる蓋部材」と、「通信アンテナ」が「取り付けられる」「冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材」とは、上記第2 2(2)において判断したとおり、当初明細書等において別個の実施例として明確に区別して記載されており、「蓋部材」と「カバー部材」の両方を備えることについては、当初明細書等に記載がない。
また、通信基板110や通信アンテナ120を冷蔵庫の扉内の収納部に収納するにあたって開口部を形成するために、「蓋部材219」、「カバー部材290」のうち、どちらか一方のみを備えれば必要にして十分であることは、当業者にとって明らかであって、「蓋部材219」と「カバー部材290」との両方を備えることが技術常識であるとはいえないから、本件補正2は、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。
(2)理由2(サポート要件)について
本願の明細書の発明の詳細な説明には、
「【0006】
上述したように、情報蓄積装置の外部通信する部品は、冷蔵庫の天井面の外壁やドアの外壁において突出部分となってしまうことがある。このため、冷蔵庫の外観上の見栄えが悪くなり、外寸法の小型化が図れないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、冷蔵庫の外観上の見栄えを良くし、外寸法の小型化を図ることができる冷蔵庫を提供することを目的とする。」
と記載されているから、冷蔵庫の外観上の見栄えを良くし、冷蔵庫の外寸法の小型化を図ることが、解決しようとする課題であると認められる。
そして、発明の詳細な説明には、「開口部を閉じる蓋部材」は、明細書の段落【0065】ないし【0073】、及び図14ないし図17に「蓋部材219」として記載され、「冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材」は、明細書の段落【0054】、【0055】、及び図9に「カバー部材290」として記載されており、それぞれ、「通信ユニットを収納する収納部」と「外部とを連通させる」「開口部を閉じる蓋部材」と、「通信アンテナ」が「取り付けられる」「冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材」とは、別個の実施例として発明の詳細な説明や図面に記載されており、それぞれが、冷蔵庫の外観上の見栄えを良くし、冷蔵庫の外寸法の小型化を達成しているものということができる。
一方、請求項1に係る発明は、「通信ユニットを収納する収納部」と「外部とを連通させる」「開口部を閉じる蓋部材」と、「通信アンテナ」が「取り付けられる」「冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材」との両方を備えるものであり、「通信ユニットを収納する収納部」、「収納部と外部とを連通させる開口部」及び「開口部を閉じる蓋部材」とは別に、「冷蔵庫の扉で外部に面するカバー部材」を設けて当該「カバー部材」に「通信アンテナ」を取り付けるのであるから、「通信ユニット」と「通信アンテナ」が収納される「収納部」に2箇所の開口を設けて、それぞれ「蓋部材」と「カバー部材」を設けるものと解される。
そして、冷蔵庫の扉に開口を2箇所設けて「蓋部材」と「カバー部材」を当該2箇所の開口のそれぞれに設けるような構造は、発明の詳細な説明に記載されておらず、むしろ、冷蔵庫の外観上の見栄えを良くし、冷蔵庫の外寸法の小型化を図るという課題に反するものといわざるを得ないものである。
そうすると、請求項1に記載された発明は、発明の詳細な説明において、課題が解決できることを当業者が認識することができるように記載された範囲を超えるものであるといわざるを得ない。
なお、請求人は、令和4年12月16日の手続補正により、請求項1の記載及び明細書の段落【0008】において「カバー部材」を「カバー部材としても機能する前記蓋部材」と補正されたが、当該補正は、上記第2 2(2)において判断したとおり、当初明細書等の記載の範囲内においてされたものではないから、令和4年11月25日付け当審による拒絶理由(最後)を覆すに足るものではない。
第4 むすび
以上のとおり、令和4年10月25日の手続補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものではなく、令和4年10月25日の手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものではないから、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-001175