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特許拒絶査定不服審判

2021-017042

医用画像診断装置及び磁気共鳴イメージング装置

審判番号
2021-017042
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-126400外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年12月10日
審決日
2022年09月05日
公報発行日
2022年10月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .113-WY (A61B) / P18 .121-WY (A61B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-126400「医用画像診断装置及び磁気共鳴イメージング装置」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月17日出願公開、特開2019- 5470、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 18項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成29年6月28日の出願であって、令和3年5月6日付けで拒絶理由が通知され、同年7月9日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年9月9日付けで拒絶査定(原査定)がされたところ、これに対し、同年12月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和3年9月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1 本願の請求項1、2及び5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2 本願の請求項1ないし7に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である以下の引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献一覧

1 特開2006-158963号公報

2 特開2014-64776号公報

3 特開2009-75846号公報

4 特開2013-42903号公報

なお、引用文献2ないし4は、それぞれ請求項4、6及び7に対して引用されたものである。

第3 本願発明

本願の請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、令和3年12月10日にされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1及び7は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
複数のグラフィック要素が配置されたレイアウトの操作画面を表示して操作者から操作を受け付ける受付部と、
前記操作画面を介して行われる一連の操作の操作手順に従って、当該操作手順に含まれる個別の操作をガイドする操作ガイド情報を、前記操作画面のレイアウトに応じて、前記複数のグラフィック要素が配置された前記操作画面の全体に重畳された操作ガイドレイヤー上で表示位置を変えながら順次表示するガイド部と
を備える、医用画像診断装置。」
「【請求項7】
複数のグラフィック要素が配置されたレイアウトの操作画面を表示して操作者から操作を受け付ける受付部と、
前記操作画面を介して行われる一連の操作の操作手順に従って、当該操作手順に含まれる個別の操作をガイドする操作ガイド情報を、前記操作画面のレイアウトに応じて、前記複数のグラフィック要素が配置された前記操作画面の全体に重畳された操作ガイドレイヤー上で表示位置を変えながら順次表示するガイド部と
を備える、磁気共鳴イメージング装置。」

なお、本願発明2ないし6は、本願発明1を減縮した発明である。

第4 引用文献、引用発明等

1 引用文献1について

(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、以下の記載がある(下線は当審において付加した。)。

(引1-ア)「【請求項1】

被検体をスキャンするためにX線管とX線検出器とを有するガントリと、

前記スキャンの少なくとも準備から完了までに必要な一連の操作をガイドするための操作ガイドユニットと、

前記操作にしたがって前記ガントリを制御する制御ユニットと、

前記スキャンにより収集されたデータに基づいて画像データを再構成する再構成ユニットとを具備し、

前記操作ガイドユニットは、動作段階に従って、

・患者識別番号と患者氏名との入力を促すための患者情報入力操作ガイド、

・前記スキャノグラム撮影のための寝台の予備的移動の開始指示及びスキャノグラム撮影の開始指示を促すためのスキャノグラム撮影操作ガイド、

・スキャン部位の選択とスキャンプランの選択とを促すためのスキャンプラン選択操作ガイド、

・前記スキャノグラム上へスキャン範囲を設定することを促すためのスキャン範囲設定操作ガイド、

・前記スキャンの開始位置への寝台移動の開始指示を促すための寝台移動開始ガイド、

・前記スキャンの開始指示を促し及びスキャン中断操作を確認するためのスキャン操作ガイド、

・前記スキャンの継続確認及び前記スキャンの完了指示を促すためのスキャン完了操作ガイド、

を選択的に表示することを特徴とするX線CT装置。」

(引1-イ)「【技術分野】

【0001】

本発明は、被検体内の画像を再構成するX線CT装置(X線コンピュータトモグラフィ装置)に関する。

【背景技術】

【0002】

被検体に対して多方向からX線を曝射し、被検体を透過したそれぞれのX線を投影データとして扱うことで、被検体内を画像として再構成するX線CT装置がある。

【0003】

このX線CT装置によって被検体内の画像を取得して再構成するには、X線管の管電圧、管電流、X線曝射時間等のスキャン条件、ダイナミックスキャン、ヘリカルスキャン等のスキャン方法、スキャンする範囲等の様々な設定が必要である。

【0004】

そのため、近年のX線CT装置では、被検体IDや被検体名等のスキャンされる画像に付される情報の記憶、スキャノグラムスキャンによるスキャン範囲の検討、頭部、胸部、腹部等のスキャン部位を決定して細かいスキャン条件を詰めるスキャン条件の設定、スキャンする範囲を細かく指定するスキャン計画、実際に寝台をスキャン開始位置に移動させる寝台移動、各種所望のスキャンを行うスキャン動作、とスキャン動作を細かく各動作段階を区分している。そして、装置操作者は、各動作段階に合わせて動作設定を行い、各動作段階を一つずつ完遂することで、最終的に所望の被検体内の画像を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。

【0005】

これにより、一度に全ての設定を行い、被検体内のスキャンを行う必要はなく、装置操作者に対するスキャンを行う際の専門的な知識への要求は、かなり軽減された。

【0006】

しかし、使用するX線CT装置固有の操作方法については、まだまだ高い知識や経験を必要とするのが現状である。X線CT装置の日進月歩な開発速度、医療技法の進歩とともに、X線CT装置の仕様についても変化し、伴ってその操作方法も変化していくからである。また、X線CT装置の開発元、種類によっても操作方法が異なるからである。

【0007】

したがって、使用するX線CT装置の操作経験が少ない装置操作者は、その装置の操作マニュアルと操作画面を照らし合わせながら、X線CT装置の各動作段階を完遂させており、迅速な検査を行うことができないおそれがある。」

(引1-ウ)「【0014】

以下、このX線CT装置1の構成について詳細に説明する。図1に示すように、X線CT装置1は、開口OPを有する架台Gと、被検体Pを載置して開口OPに挿入される寝台Bと、装置操作者との対話によって架台G全体や寝台Bを制御し、かつ投影データを収集して画像再構成処理する処理ユニットUを備える。

・・・

【0020】

処理ユニットUには、寝台駆動制御部3、架台駆動制御部5、X線制御部8、データ収集部10に対して制御信号を出力し、動作完了信号が入力されるシステム制御部11が配される。また、データ収集部10から出力された検出信号を処理し画像化する装置として、前処理装置12、再構成装置13、記憶装置14、及び表示装置15が含まれている。

・・・

【0023】

このX線CT装置1は、装置操作者との対話を通じて各動作状態に移行し、最終的に被検体内部であって所望の範囲を、所望のスキャン方法でスキャンし、かつ所望の属性を有する画像として被検体内部の画像を取得する。処理ユニットUには、装置操作者との対話を行うための入力装置16が更に配されている。システム制御部11は、この入力装置16に対しては、各制御信号や動作完了信号を逐次送出し、装置操作者との対話を図っている。

【0024】

すなわち、X線CT装置1では、はじめに装置操作者は、被検体IDと被検体名の入力を行う。次に、装置操作者は、スキャノグラムスキャンを行わせる入力を行う。スキャノグラムスキャンが終了すると、被検体Pの頭部、胸部、腹部等のいずれの部位を検査するか、換言するといずれの部位をスキャンするか入力し、さらにスキャンから画像取得までのフローや、スキャン方法、再構成条件、表示や記録条件を入力してスキャン条件を設定する。スキャン条件の設定後、選択した部位のうち、どの範囲をスキャンするか等のスキャン計画を入力する。スキャン計画を入力すると、入力したスキャン範囲への寝台移動を開始する入力を行う。この寝台移動後、各スキャン方法に応じた入力を行う。スキャンが終了すると、再スキャンを行うか否かを入力し、さらに検査を終了するか否かを入力する。この一連の入力を入力装置16を用いて各動作段階に応じて行うもので、入力装置1(当審注:前後の文脈からみて、「入力装置1」は「入力装置16」の誤記と認める。)は、各動作段階において、装置操作者が所望する動作を行うために、装置操作者の設定入力を必要とするX線CT装置1に対するマンマシンインターフェースとなる。

【0025】

入力装置16は、図2に示すように、例えば、図示しないCPU、RAM、及びROM又はHDD等のコンピュータ資源と、タッチパネルやマウス、キーボード等を含む操作受付部17と、表示画面を有するモニタ18により構成されている。ROM又はHDDには、入力装置16をX線CT装置1に対するマンマシンインターフェースとして機能させるアプリケーションが搭載されている。このアプリケーションに基づいてCPUが演算を行い、RAMが適宜演算結果を記憶することで、当該入力装置16は、操作受付部17等の他、操作画面表示制御ユニット19と、ガイド表示制御ユニット20と、設定信号生成ユニット21とを備える。

【0026】

操作画面表示制御ユニット19は、X線CT装置1の各動作段階において装置操作者の設定入力を受け付けるボタン画像や入力フィールド等が含まれる操作画面を画像データとして保持する。操作画面表示制御ユニット19は、システム制御部11から出力される制御信号や動作完了信号が入力され、また、操作受付ユニット17からの入力信号が入力される。これら信号を解釈して、X線CT装置1を次の動作段階に移行するための操作画面をモニタ18に送出し、表示画面上に図6乃至図16に示すような操作画面を表示する。

【0027】

設定信号生成ユニット21は、操作受付部が装置操作者の操作を受け付けることにより出力された入力信号を解釈して、各動作段階に応じた設定信号を生成する。設定信号は生成後、システム制御部11に出力され、この設定信号に基づいてX線CT装置1を制御する。操作受付部17を用いた入力は、操作画面表示制御ユニット19がモニタ18に表示した図6乃至図16に示す操作画面上のボタン画像の押下によるものや入力フィールドへの入力であり、この押下や入力を解釈して設定信号を生成する。

【0028】

ガイド表示制御ユニット20は、ボタン表示切替ユニット22と、検索ユニット23と、格納ユニット24とを含んで構成される。このガイドユニット20は、X線CT装置1の操作を各動作段階に対応して誘導するユニットである。

【0029】

ガイド表示制御ユニット20のうち、ボタン表示切替ユニット22は、操作画面上の詳細設定用のボタンの表示と非表示とを切り替える。具体的には、操作に不慣れな装置操作者が一通りの操作を行うにあたって、必ずしも必要としないサブ機能を機能させるためのボタンや入力フィールド等の詳細設定用のボタンをマスクする。なお、マスクするとは、特定の機能を制限するために、詳細設定用のボタンを非表示にすることと、詳細設定用のボタンに対する操作を受け付けないこととを含む。

【0030】

ガイド表示制御ユニット20は、動作段階に従って、・患者識別番号と患者氏名との入力を促すための患者情報入力操作ガイド、・スキャノグラム撮影のための寝台の予備的移動の開始指示及びスキャノグラム撮影の開始指示を促すためのスキャノグラム撮影操作ガイド、・スキャン部位の選択とスキャンプランの選択とを促すためのスキャンプラン選択操作ガイド、・スキャノグラム上へスキャン範囲を設定することを促すためのスキャン範囲設定操作ガイド、・スキャンの開始位置への寝台移動の開始指示を促すための寝台移動開始ガイド、・スキャンの開始指示を促し及びスキャン中断操作を確認するためのスキャン操作ガイド、・スキャンの継続確認及び前記スキャンの完了指示を促すためのスキャン完了操作ガイドを選択的に表示する。

【0031】

ボタン表示切替ユニット22は、操作画面上のガイドボタンの押下に対応する操作受付ユニット17からの入力信号をきっかけに動作する。マスクは、ボタン表示切替ユニット22が保持しており、ガイドボタンの押下があると、このマスクを呼び出して、予め決められた位置へオーバーレイ表示する。予め決められた位置とは、詳細設定用のボタン上である。

【0032】

尚、ボタン表示切替ユニット22において、本実施形態では、詳細設定用のボタン表示又は非表示の切り替えをマスクをオーバーレイさせる場合について説明するが、他にも詳細設定用のボタン自体を画面上へ描画させないようにしてもよい。この場合、ボタン表示切替ユニット22は、操作画面表示制御ユニット19を制御するものとなり、入力信号を受けて、走査画像表示制御ユニット19に表示させる画像データを指示する。

【0033】

詳細設定用のボタンは、例えば、基準位置設定ボタン、呼吸制御ボタン、音声一括OFFボタン、オートフィルムボタン、オートソートボタン、ステータスボタン、患者コメント入力フィールド、スキャン条件変更タグ等である。

【0034】

基準位置設定ボタンは、スキャン開始位置を設定した値(0mm等)にする設定入力を行うためのボタンである。呼吸制御ボタンは、スキャン時間に応じてスキャン前後に音声を自動的に挿入する設定入力を行うためのボタンである。音声一括OFFボタンは、呼吸制御等で設定された音声を全てOFFに設定するためのボタンである。オートフィルムボタンは、各種スキャンに連動して再構成された被検体内の画像を自動的にフィルミングする設定入力を行うためのボタンである。オートソートボタンは、各種スキャンに連動して再構成された被検体内の画像を自動的に並び替える設定入力を行うためのボタンである。ステータスボタンは、心電計のステータスを取得する設定入力を行うためのボタンである。スキャン条件変更タグは、連続スキャン、再構成パラメータ、拡張機能、ウィンドウ条件等のタグを含み、スキャン範囲や再構成関数等の各設定入力を行うためのタグとなる。

【0035】

格納ユニット24は、操作ガイドを格納している。操作ガイドは、各動作段階に対応して用意されており、各動作段階を実行するために必要な装置操作者の入力を誘導する画像データである。また、図3に示すように、格納ユニット24には、各動作段階と各操作ガイドとを対応させたテーブル表が記憶されている。実際には、ガイド表示制御ユニット20に入力されてくる信号と対応している。対応させる信号は、制御信号や動作完了信号又は入力待ちであることを示す信号や、操作受付部17が受け付けた装置操作者の入力による信号である。すなわち、次動作段階において必要となる入力を促す操作ガイドや、装置操作者の所望する動作を行うために必要となる入力を促す操作ガイドが、そのきっかけとなる信号に対応して格納されている。

【0036】

検索ユニット23は、各動作段階に合わせた操作ガイドを検索してモニタ18に出力し、表示画面上に検索した操作ガイドを表示する。検索ユニット23には、システム制御部11が出力する制御信号、動作完了信号、又は入力待ちを示す信号、更には操作受付部が受け付けた入力に基づく入力信号が渡される。検索ユニット23は、これら渡された信号を検索キーとして、格納ユニット24に格納されているテーブル表内に検索キーと一致する動作段階があるか否かを検索する。検索キーと一致する動作段階があると、その動作段階に対応する操作ガイドをテーブル表を参照して取得する。検索ユニット23は、取得した操作ガイドをモニタ18に出力する。これにより、各動作段階に対応した操作ガイドが表示画面に表示される。

【0037】

このガイド表示制御ユニット20の動作について、図4及び図5に基づいて説明する。図4は、ボタン表示切替ユニット22による所定のボタンや入力フィールドをマスクする動作のフローである。まず、X線CT装置1が起動し、入力装置16を用いた操作が可能になると、ガイド表示制御ユニット20も同時に起動される。入力装置16において、操作画面表示制御ユニット19は、直ちに操作画面をモニタ18に表示させている。

【0038】

この状態において、ボタン表示切替ユニット22は、ガイドモードに移行するボタンが押下されたことを示す信号の入力待ち状態にある。図4(a)に示すように、装置操作者が、操作画面上に重ねて表示されているガイドモードのボタンを押下すると(S101,Yes)、当該押下を受け付けた操作受付部17は、当該押下に該当する信号をガイド表示制御ユニット20に入力する。この入力された信号をボタン表示切替ユニット22が受けると、ガイドモードに移行するボタンが押下されたと判断する。

【0039】

ガイドモードに移行するボタンが押下されたと判断したボタン表示切替ユニット22は、保持しているマスク画像を読み出し(S102)、操作画面上の予め設定されている位置にオーバーレイ表示する(S103)。このマスク画像の予め設定された位置へのオーバーレイ表示によって、X線CT装置1のスキャン動作を完遂するために必要最低限のボタンや入力フィールド以外のサブ機能等のボタンや入力フィールドは、マスクにより覆われて装置操作者による押下が不可能になる。

【0040】

ガイドモードのボタンが押下されていなければ(S101,No)、マスクの表示を解除若しくは非表示を維持する。

【0041】

また、図4(b)に示すように、ガイドモードに移行中であって、システム制御部11から寝台Bの移動完了等の動作完了信号がガイド表示制御ユニット20に入力されると(S110)、すなわちスキャン動作段階に移行すると、保持しているマスク画像を読み出し(S111)、操作画面上においてスキャン動作に必要のないボタンや入力フィールドをさらにマスクする(S112)。

【0042】

図5は、検索ユニット23による操作ガイドを検索し、かつモニタ18に表示する動作のフローである。この検索ユニット23もガイド表示制御ユニット20の一構成として、X線CT装置1の始動とともに動作を開始する。まず、操作受付部17からガイドモードに移行するボタンが押下されたことを示す信号がガイド表示制御ユニット20に入力されて、解除信号が入力されていない場合、すなわちガイドモードが継続中である場合(S201,Yes)、検索ユニット23は、システム制御部11から各動作段階における制御信号、動作完了信号、又は次動作段階のための入力待ちを示す信号、更には操作受付ユニット17からの入力信号の入力待ち状態で待機する(S202)。

【0043】

検索ユニット23は、これら信号が入力されると(S202,Yes)、入力された信号を検索キーとして、格納ユニット24が保持するテーブル表を検索し、当該入力された信号に対応する操作ガイドを検索する(S203)。この操作ガイドは、次動作段階の操作をガイドする画像データであり、テーブル表には該当する操作ガイドの格納先が示されている。

【0044】

検索ユニット23による検索の結果、該当する操作ガイドが見つかると、示されている格納先から操作ガイドを取得する(S204)。検索ユニット23は、操作ガイドを取得すると、取得した操作ガイドをモニタ18に送出し、表示画面に表示する(S205)。

【0045】

X線CT装置1がスキャン動作中である場合には(S206)、ガイドモードが継続中であるか否かの判断(S201)に戻り、継続中であれば、信号入力待ち状態に進んで(S202)、入力待ちを継続する。

【0046】

以上のX線CT装置1の構成が、以上の動作を行うことにより表示画面上に、各動作段階に合わせた操作ガイドやマスクを表示する。以下、図6乃至図16において、各動作段階で表示される操作ガイドやマスクを説明する。

【0047】

図6A、図6Bに示す操作画面は、操作画面作成ユニット19がX線CT装置1の起動動作において表示されるものである。操作画面上には、ガイドモードへ移行するボタンである[Guided mode]ボタンが表示され、このボタンの押下を操作受付ユニット19が受け付けると、ガイドユニットが動作する。操作画面上には、その他、各動作段階におけるボタンや入力フィールド等が配置されている。

【0048】

図7に示すように、操作画面上で[Guided mode]ボタンが押下されると、ガイド表示制御ユニット20が動作し、ボタン表示切替ユニット22によりX線CT装置1の一連の動作をガイドするのに不要なボタンや入力フィールドをマスクする。図7に示す操作画面においては、スキャン条件のうち、子供用(Child)のスキャンタグ、大人用(Adlut)のスキャンタグ、緊急用(Trauma)のスキャンタグがマスクされる。また、操作受付部から[Guided mode]が押下されたことを示す信号がガイドユニットに入力されると、検索ユニット23は、当該信号を検索キーとしてテーブル表を検索し、『操作ガイド:はじめに』の画像データを表示画面上に表示する。この『操作ガイド:はじめに』は、X線CT装置1のスキャン動作がガイドモードに移行したことを通知する。

【0049】

『操作ガイド:はじめに』の操作ガイドを表示してから5秒後にX線CT装置1は、スキャンする画像に付す被検体IDや被検体名を記憶する動作段階に移行する。図8に示すように、検索ユニットは、『操作ガイド:患者登録』を検索してモニタ18に表示する。『操作ガイド:患者登録』は、被検体IDや被検体名を記憶する動作段階で必要な被検体IDや被検体名の入力を施すガイドである。

【0050】

被検体IDや被検体名が入力され、システム制御部11から記憶装置14に当該被検体IDや被検体名が記憶されたことを示す動作完了信号がガイド表示制御ユニット20へ出力されると、X線CT装置1は、スキャノグラムスキャン動作の段階に移行する。この動作段階では、図9に示すように、ボタン表示切替ユニット22は、操作画面上に配される基準位置設定ボタン、呼吸制御ボタン、音声一括OFFボタン、オートフィルムボタン、オートソートボタン、ステータスボタン、患者コメント入力フィールドもマスクする。また、スキャン条件の設定動作が完了したことを示す動作完了信号がガイド表示制御ユニット20へ出力されると、検索ユニットは、当該動作完了信号を検索キーとしてテーブル表を検索し、『操作ガイド:スキャノグラム』の操作ガイドを表示画面上に表示する。『操作ガイド:スキャノグラム』は、被検体のスキャノグラムをスキャンするための入力を施すガイドである。

【0051】

スキャノグラム動作の完了を通知する動作完了信号がシステム制御部11に入力されると、X線CT装置1は、スキャン条件選択の動作段階に移行する。検索ユニット23は、被検体IDや被検体名が記憶されたことを示す動作完了信号を検索キーとしてテーブル表を検索し、図10に示すような『操作ガイド:スキャン条件選択』の操作ガイドを表示画面上に表示する。『操作ガイド:スキャン条件選択』は、被検体のスキャン部位の選択を施し、またスキャン条件の選択を施すガイドである。

【0052】

スキャン条件が入力されて、システム制御部11に設定信号が入力されると、X線CT装置1は、スキャン計画動作に移行する。入力装置16は、この動作完了信号をシステム制御部11を介して受け取り、検索ユニット23にて当該信号を検索キーとしてテーブル表を検索し、図11に示す『操作ガイド:スキャン計画』の操作ガイドを表示画面上に表示する。『操作ガイド:スキャン計画』は、スキャン計画動作を行うための入力を施すガイドであり、本実施形態では、スキャンする範囲の設定を施すガイドとなる。

【0053】

スキャンする範囲が操作受付部17を用いて入力されると、その入力信号をガイド表示制御ユニット20が受け取り、検索ユニット23にて当該入力信号を入力キーとしてテーブル表を検索し、図12に示す『操作ガイド:寝台移動』の操作ガイドを表示画面上に表示する。『操作ガイド:寝台移動』は、スキャン計画動作段階において設定されたスキャン計画に基づき、スキャンを行うため寝台を移動させる動作段階であり、寝台を移動させるための入力を施すガイドとなる。

【0054】

寝台Bの移動が完了したことを示す動作完了信号が入力装置に送出され、ガイド表示制御ユニット20が当該信号を受け取ると、検索ユニット23は、予め受け取っている入力装置16からの各種スキャンモードの選択を示す入力信号とともに検索キーとしてテーブル表を参照する。スキャンモードの選択がスキャン&スキャンモード、すなわちスキャンを優先的に行い、再構成を後から行うスキャン方法が選択されている場合、若しくはスキャン&ビュー、すなわちスキャン、再構成、画像表示までを繰り返して行うスキャン方法が選択されている場合、又はダイナミックスキャンモード、すなわち所定位置への造影剤の流入を検出することをきっかけとして被検体内のスキャンを行う方法が選択されている場合は、図13に示す『操作ガイド:S&S(スキャン&スキャン)、S&V(スキャン&ビュー)、ダイナミックスキャン』の操作ガイドを表示画面上に表示する。『操作ガイド:S&S(スキャン&スキャン)、S&V(スキャン&ビュー)、ダイナミックスキャン』は、これらスキャン方法によって被検体内をスキャンする動作段階であり、スキャン開始タイミングの入力を施すガイドとなる。

【0055】

スキャンモードの選択がヘリカルスキャンモード、すなわち被検体に対して相対的にらせん状に軌跡が描かれるようにスキャンする方法が選択されている場合は、図14に示す『操作ガイド:ヘリカルスキャン』の操作ガイドを表示画面上に表示する。

【0056】

スキャン動作が完了したことを示す動作完了信号が入力装置16に送出され、ガイド表示制御ユニット20が当該信号を受け取ると、検索ユニット23は、当該信号を検索キーとしてテーブル表を参照し、図15に示す『操作ガイド:スキャンの完了』の操作ガイドを表示画面上に表示する。『操作ガイド:スキャンの完了』は、次の動作段階として、続けてスキャンを行うか、スキャンを終了して検査完了動作を行うかの選択を施すガイドとなる。

【0057】

入力装置16を用いて検査完了動作の入力がなされると、入力信号をガイド表示制御ユニット20が受け取り、検索ユニットにて当該入力信号を検索キーとしてテーブル表を参照し、図16に示す『操作ガイド:検査の完了』の操作ガイドを表示画面上に表示する。『操作ガイド:検査の完了』は、次の動作段階として、同じ被検体において再度スキャン動作を繰り返すか、次の被検体のスキャン動作に移るかの選択を施すガイドとなる。

【0058】

このように本発明は、X線CT装置1に、装置の各動作に対応した操作ガイドを格納するようにし、各動作段階に対応する操作ガイドを取得して、表示画面に表示するようにした。したがって、X線CT装置1の操作経験が少ない装置操作者であっても、各動作段階における操作を悩む必要がなくなり、検査時間の短縮化を図ることができる。」

(引1-エ)【図6A】

「
[図:0001389182000001.jpg]
」

(引1-オ)【図7】

「
[図:0001389182000002.jpg]
」

(引1-カ)【図8】

「
[図:0001389182000003.jpg]
」

(引1-キ)【図9】

「
[図:0001389182000004.jpg]
」

(引1-ク)【図11】

「
[図:0001389182000005.jpg]
」

(引1-ケ)【図12】

「
[図:0001389182000006.jpg]
」

(引1-コ)【図13】

「
[図:0001389182000007.jpg]
」

(引1-サ)【図15】

「
[図:0001389182000008.jpg]
」

(2)ア 上記(引1-エ)ないし(引1-サ)の各図から、各操作ガイドは、モニタ18に表示された操作画面右下の固定領域に表示されることが見て取れる。

イ 上記(引1-ウ)に記載された「ガイド表示制御ユニット20」は、その作用機能からみて、上記(引1-ア)の【請求項1】に記載された「操作ガイドユニット」に対応するものと解される。

ウ 上記(引1-ウ)の記載において、「操作受付部17」と「操作受付ユニット17」は同じ構成要素を表すと解されるから、以下では「操作受付ユニット17」に記載を統一する。

エ 上記アないしウを踏まえると、上記(引1-ア)ないし(引1-サ)の記載から、引用文献1には、

「架台G、寝台B及び処理ユニットUを備えるX線CT装置1であって、
処理ユニットUには、システム制御部11、入力装置16が配され、システム制御部11は、この入力装置16に対して、各制御信号や動作完了信号を逐次送出し、装置操作者との対話を図っており、
入力装置16は、コンピュータ資源、操作受付ユニット17、表示画面を有するモニタ18、操作画面表示制御ユニット19、ガイド表示制御ユニット20及び設定信号生成ユニット21を備え、各動作段階において、装置操作者が所望する動作を行うために、装置操作者の設定入力を必要とするX線CT装置1に対するマンマシンインターフェースとなり、
操作画面表示制御ユニット19は、X線CT装置1の各動作段階において装置操作者の設定入力を受け付けるボタン画像や入力フィールド等が含まれる操作画面を画像データとして保持し、操作受付ユニット17からの入力信号が入力され、X線CT装置1を次の動作段階に移行するための操作画面をモニタ18に送出し、表示画面上に操作画面を表示し、
操作受付ユニット17を用いた入力は、操作画面表示制御ユニット19がモニタ18に表示した操作画面上のボタン画像の押下によるものや入力フィールドへの入力であり、この押下や入力を解釈して設定信号を生成し、
ガイド表示制御ユニット20は、ボタン表示切替ユニット22と、検索ユニット23と、格納ユニット24とを含んで構成され、ボタン表示切替ユニット22は、必ずしも必要としないサブ機能を機能させるためのボタンや入力フィールド等の詳細設定用のボタンをマスクし、
ガイド表示制御ユニット20は、動作段階に従って、・患者識別番号と患者氏名との入力を促すための患者情報入力操作ガイド、・スキャノグラム撮影のための寝台の予備的移動の開始指示及びスキャノグラム撮影の開始指示を促すためのスキャノグラム撮影操作ガイド、・スキャン部位の選択とスキャンプランの選択とを促すためのスキャンプラン選択操作ガイド、・スキャノグラム上へスキャン範囲を設定することを促すためのスキャン範囲設定操作ガイド、・スキャンの開始位置への寝台移動の開始指示を促すための寝台移動開始ガイド、・スキャンの開始指示を促し及びスキャン中断操作を確認するためのスキャン操作ガイド、・スキャンの継続確認及び前記スキャンの完了指示を促すためのスキャン完了操作ガイドを、モニタ18に表示された操作画面右下の固定領域に選択的に表示して、スキャンの少なくとも準備から完了までに必要な一連の操作をガイドする、
X線CT装置1。」

の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

2 引用文献2ないし4について

(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、以下の記載がある。

(引2-ア)「【0060】

さらに、上記実施形態では、撮影ガイダンスを登録するテンプレートとして、入力欄のレイアウトが予め定められたテンプレートに従って新たな撮影ガイダンスを作成する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態で説明したように画像の横に文章がレイアウトされるテンプレート(図10~12参照)に加え、図13に示すように、画像の下に文章がレイアウトされるテンプレートをストレージデバイス46に記憶させ、新たな撮影ガイダンスを作成する際に、いずれのテンプレートとするかをユーザーに選択させてもよい。もちろん、設けるテンプレートの数や種類は前述した2つに限定されず、自由に設定できる。また、テンプレート上で画像や文字の入力欄のレイアウトをユーザーが変更できるようにしてもよい。なお、図13以降の図面を用いた説明では、上述した実施形態と同様の部材については同様の符号を付して説明を省略している。」

(引2-イ)【図10】

「
[図:0001389182000009.jpg]
」

(引2-ウ)【図13】

「
[図:0001389182000010.jpg]
」

(2)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、以下の記載がある。

(引3-ア)「【0031】

輪郭抽出装置10は、このマウスポインタ42の位置(マウスポインタ42によって指定された点の位置)を検出する(ステップS12)。そして、マウスポインタ33の位置を中心にして、図3に示す所定範囲Aの画像を原画像から切り出し(ステップS14)、この切り出した画像を、第1のウインドウ40とは別の第2のウインドウ44に拡大して表示させる(ステップS16)。」

(引3-イ)「【0039】

尚、上記第1の実施の形態において、第2のウインドウ44は、第1のウインドウ40上のマウスポインタ42及びその周辺部を避ける位置に適宜移動させられる。」

(引3-ウ)【図3】

「
[図:0001389182000011.jpg]
」

(3)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、以下の記載がある。

(引4-ア)「【0049】

磁気共鳴イメージング装置10の操作において、学習モードのスイッチLMを押すのは、一般に習得者である。複数の習得者が操作した操作内容又は一人の習得者が複数の被検者SBに対して操作した操作内容が、操作記憶部175に記憶される。次に、習得者の操作内容に基づいて、操作ガイドを受けながら、未習得者が磁気共鳴イメージング装置10を操作する。

【0050】

演算部171の表示制御部177は、確率計算部176が計算した確率に基づいて次に実行させる操作内容opを表示部180に表示する。未習得者は習得者の操作方法を表示制御部177の操作ガイドにより提案されるため、最適な磁気共鳴イメージング装置10の操作を行うことが可能となる。」

(引4-イ)「【0057】

これまで、未習得者は、操作A(i-2)、A(i-1)及びA(i)を行っている。そして、未習得者は、次の操作A(i+1)を行う。

【0058】

図10(a)は、次の操作A(i+1)の操作内容を強調表示した図である。表示制御部177は、確率計算部176が計算した確率の高い順番に操作内容を色分けして表示させる。例えば、1番目に確率の高い操作内容を赤色RDで示し、2番目に確率の高い操作内容を黄色YEで示し、3番目に確率の高い操作を青色BLで表示させている。図10(a)では、表示制御部177は、操作内容「Phase」の背景を例えば赤色RDで表示し、操作内容「Frequency」の背景を黄色YEで表示し、操作内容「NEX」の背景を青色BLで表示している。

【0059】

未習得者は、次の操作A(i+1)として、操作内容「Phase」をプルダウンメニューからある値を設定してもよいし、また操作内容「NEX」をプルダウンメニューからある値を設定してもよい。従来の磁気共鳴イメージング装置10は、予め用意された操作ガイドのみであった。しかし、第1実施形態では、未習得者は、確率に基づいて、複数の次の操作A(i+1)の中から1つの操作を選択できる。」

(引4-ウ)【図10】

「
[図:0001389182000012.jpg]
」

第5 対比・判断

1 本願発明1について

(1)本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「ボタン画像や入力フィールド等」は、本願発明1の「複数のグラフィック要素」に相当する。

イ 上記アを踏まえると、引用発明の「X線CT装置1の各動作段階において装置操作者の設定入力を受け付けるボタン画像や入力フィールド等が含まれる操作画面を画像データとして保持し」、「X線CT装置1を次の動作段階に移行するための操作画面をモニタ18に送出し、表示画面上に操作画面を表示」する「操作画面表示制御ユニット19」及び「操作画面表示制御ユニット19がモニタ18に表示した操作画面上のボタン画像の押下によるものや入力フィールドへの入力であ」る入力を受け付ける「操作受付ユニット17」は、併せて本願発明1の「複数のグラフィック要素が配置されたレイアウトの操作画面を表示して操作者から操作を受け付ける受付部」に相当する。

ウ 引用発明は、各操作ガイドを操作画面右下の固定領域に表示しているが、上記(引1-エ)ないし(引1-サ)の各図を参酌するに、この右下の領域は、ボタン画像や入力フィールドが配置されない領域を選択した結果であると解される。

エ 上記ウを踏まえると、引用発明の「動作段階に従って、・患者識別番号と患者氏名との入力を促すための患者情報入力操作ガイド、・スキャノグラム撮影のための寝台の予備的移動の開始指示及びスキャノグラム撮影の開始指示を促すためのスキャノグラム撮影操作ガイド、・スキャン部位の選択とスキャンプランの選択とを促すためのスキャンプラン選択操作ガイド、・スキャノグラム上へスキャン範囲を設定することを促すためのスキャン範囲設定操作ガイド、・スキャンの開始位置への寝台移動の開始指示を促すための寝台移動開始ガイド、・スキャンの開始指示を促し及びスキャン中断操作を確認するためのスキャン操作ガイド、・スキャンの継続確認及び前記スキャンの完了指示を促すためのスキャン完了操作ガイドを、モニタ18に表示された操作画面右下の固定領域に選択的に表示して、スキャンの少なくとも準備から完了までに必要な一連の操作をガイドする」「ガイド表示制御ユニット20」と、本願発明1の「前記操作画面を介して行われる一連の操作の操作手順に従って、当該操作手順に含まれる個別の操作をガイドする操作ガイド情報を、前記操作画面のレイアウトに応じて、前記複数のグラフィック要素が配置された前記操作画面の全体に重畳された操作ガイドレイヤー上で表示位置を変えながら順次表示するガイド部」とは、「前記操作画面を介して行われる一連の操作の操作手順に従って、当該操作手順に含まれる個別の操作をガイドする操作ガイド情報を、前記操作画面のレイアウトに応じて順次表示するガイド部」で共通する。

オ 引用発明の「X線CT装置1」は、本願発明1の「医用画像診断装置」に含まれる。

(2)そうすると、本願発明1と引用発明とは、

「 複数のグラフィック要素が配置されたレイアウトの操作画面を表示して操作者から操作を受け付ける受付部と、
前記操作画面を介して行われる一連の操作の操作手順に従って、当該操作手順に含まれる個別の操作をガイドする操作ガイド情報を、前記操作画面のレイアウトに応じて順次表示するガイド部と
を備える、医用画像診断装置。」

の発明の点で一致し、以下の相違点1において相違する。

(相違点1)

ガイド部が行う操作画面のレイアウトに応じた操作ガイド情報の表示について、本願発明1においては、一連の操作の操作手順に従って、「前記操作画面のレイアウトに応じて、前記複数のグラフィック要素が配置された前記操作画面の全体に重畳された操作ガイドレイヤー上で表示位置を変えながら」表示するのに対し、引用発明においては、動作段階によらず「操作画面右下の固定領域」に表示する点。

(3)判断

ア 上記相違点1について検討する。

(ア)上記(引1-カ)の【図8】は、「操作ガイド:患者登録」の内容として、「(1)患者IDを入力します。(2)患者名を入力します。」の文章を表示するとともに、操作画面と同様の患者ID入力ボック及び患者名入力ボックスに、引き出し線とともに「(1)」又は「(2)」の符号を付加して表示することを示している。

しかしながら、引き出し線及び「(1)」又は「(2)」の符号は、各操作ガイドが表示される操作画面右下の固定領域内に表示した患者ID入力ボック及び患者名入力ボックスに付加して表示したものであり、操作ガイドを動作段階に従って操作画面のレイアウトに応じて操作画面全体に表示位置を変えながら表示するものではないし、そのような表示を示唆するものともいえない。

(イ)また、上記(引1-ケ)の【図12】は、「操作ガイド:寝台移動」の内容として、「(1)寝台を移動します。目標位置を確認して[OK]ボタンをクリックします。」の文章を表示するとともに、「OK」ボタンに対応する高さの位置に矢印「←」を表示することを示している。

しかしながら、矢印「←」を表示する位置は、各操作ガイドが表示される操作画面右下の固定領域内であり、操作ガイドを動作段階に従って操作画面のレイアウトに応じて操作画面全体に表示位置を変えながら表示するものではないし、そのような表示を示唆するものともいえない。

(ウ)その他引用文献1全体の記載を見ても、操作ガイドを動作段階に従って操作画面のレイアウトに応じて操作画面全体に表示位置を変えながら表示することを開示又は示唆する記載は見当たらない。

(エ)さらに、引用文献2ないし4も、操作ガイドを動作段階に従って操作画面のレイアウトに応じて操作画面全体に表示位置を変えながら表示することを開示又は示唆するものではないし、そのような表示方法が本願の出願前において周知な方法であったとも認められない。

(オ)そして、本願発明1は、操作手順に含まれる個別の操作をガイドする操作ガイド情報を、「一連の操作の操作手順に従って」「操作画面のレイアウトに応じて」「操作画面の全体に」「表示位置を変えながら」表示すること(以下「本願表示構成」という。)により、「操作画面上で表示領域を占有せずに、操作手順に沿った自然な流れで操作をガイドすることができる」(【0148】)という有利な効果を奏するものである。

(カ)したがって、引用文献1ないし4に接した当業者といえども、上記相違点1に係る本願表示構成を容易に想到し得たとはいえない。

イ 以上のとおりであるから、本願発明1は、引用発明及び引用文献2ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし6について

本願発明2ないし6は、本願発明1のガイド部又は受付部を限定した発明であり、本願発明1の本願表示構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明及び引用文献2ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明7について

本願発明7は、本願発明1の「医用画像診断装置」を「磁気共鳴イメージング装置」に変更した発明であり、本願発明1の本願表示構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明及び引用文献2ないし4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 原査定について

1 理由1(特許法第29条第1第3号)について

本願発明1と引用発明とは、上記相違点1で相違し、上記相違点1は実質的な相違点であるから、本願発明1は引用発明と同一でない。

また、本願発明2及び5は、本願発明1を限定した発明であって、本願表示構成を備えたものであるから、本願発明2及び5と引用発明とは、少なくとも上記相違点1で相違するから、本願発明2及び5は引用発明と同一でない。

したがって、原査定の理由1を維持することはできない。

2 理由2(特許法第29条第2項)について

本願発明1ないし7は、本願表示構成を備えたものであり、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

したがって、原査定の理由2を維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-017042

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