審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2021-016932

遊技機

審判番号
2021-016932
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-161137
請求日
2021年12月08日
審決日
2022年09月06日
公報発行日
2022年11月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社大一商会
審判長/審判官
  • 審判長 小林 俊久
  • 審判官 ▲吉▼川 康史
  • 審判官 蔵野 いづみ
分類
P18 .161-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F) / P18 .55 -Z (A63F) / P18 .537-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条の2
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条の2、特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-161137「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月14日出願公開、特開2019- 37443〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年8月24日の出願であって、令和2年2月25日に手続補正書が提出され、同年6月2日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月8日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年3月11日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年4月26日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年9月9日付け(送達日:同月13日)で、同年4月26日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年12月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 令和3年12月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について 本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 (補正前:令和2年10月8日付け手続補正書でした補正) 「【請求項1】 遊技に関する制御を行う遊技制御手段と、 当該遊技機の電源遮断後においても各種情報を記憶領域に記憶保持することが可能な記憶手段と、 前記遊技制御手段が行う制御に関する設定値を設定する際に操作される設定操作部と、 前記記憶手段に記憶保持される情報を初期化するために操作されるクリア操作部と、 当該遊技機の電源投入を行うための電源投入手段と、 当該遊技機の外部に各種信号を出力可能な外部出力手段と、 を備え、 少なくとも前記遊技制御手段と前記記憶手段とが遊技制御基板に備えられ、 前記遊技制御基板と前記設定操作部を構成する設定基板とは一つのケースに収容されており、 前記設定操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入された場合、前記設定値を設定可能とする設定状態を発生させることが可能であり、 前記設定操作部に対する操作を行って前記クリア操作部に対する操作を行うことなく前記電源投入手段により電源投入された場合、前記設定値を確認可能とする確認状態を発生させることが可能である ことを特徴とする遊技機。」から、 (補正後:令和3年12月8日付け手続補正書でした補正) 「【請求項1】 A 遊技に関する制御を行う遊技制御手段と、 B 電源遮断後においても各種情報を記憶領域に記憶保持することが可能な記憶手段と、 C 前記遊技制御手段が行う制御に関する設定値を設定する際に設定キーが挿入されて操作される設定キー操作部と、 D 前記記憶手段に記憶保持される情報を初期化するために操作されるクリア操作部と、 E 電源投入を行うための電源投入手段と、 F 外部に各種信号を出力可能な外部出力手段と、 を備え、 G 少なくとも前記遊技制御手段と前記記憶手段とが遊技制御基板に備えられ、 G1 前記遊技制御基板と前記設定キー操作部を構成する設定基板とは一つのケースに収容されており、 A1 前記設定キー操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入された場合、前記設定値を設定可能とする設定状態を発生させることが可能であり、 A2 前記設定キー操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入が行われ前記設定状態が発生すると、電源投入が行われた時点で設定されている前記設定値が遊技者に付与された遊技価値に関する情報を表示可能な表示部に表示されるようにされており、 D1 前記クリア操作部は、前記設定値と遊技価値に関する情報を表示可能な遊技機背面側に設けられた前記表示部の上端よりも下方位置に設けられており、 CD1 前記設定値を設定する際に設定キーが挿入されて操作される前記設定キー操作部は、前記設定キー操作部の上端が前記設定状態を発生させる際に前記設定キー操作部とあわせて操作されることとなる前記クリア操作部の上端よりも上方に位置しているとともに、 CD2 前記設定キー操作部の下端が前記クリア操作部の下端よりも上方に位置して設けられている H ことを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審で付した。また、符号A等は、分説のため当審で付した。)。 2 本件補正 (1)本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正 本件補正による特許請求の範囲の請求項1の補正について検討する。 ア 令和3年3月11日付けで通知された最後の拒絶の理由の理由3(特許法第36条第6項第2号)における、請求項1には「当該遊技機」との記載があるが、この記載よりも前に「遊技機」の記載が無く、「当該遊技機」が何を指し示しているのかが不明確であるという指摘を解消する目的で、本件補正前の請求項1の「当該遊技機の電源遮断後においても各種情報を記憶領域に記憶保持することが可能な記憶手段と、」、「当該遊技機の電源投入を行うための電源投入手段と、」、「当該遊技機の外部に各種信号を出力可能な外部出力手段と、」を備えることを特定する記載から、「当該遊技機の」という文言を省き、「電源遮断後においても各種情報を記憶領域に記憶保持することが可能な記憶手段と、」、「電源投入を行うための電源投入手段と、」、「外部に各種信号を出力可能な外部出力手段と、」を備えることを特定する記載に補正するものである。 イ 本件補正による特許請求の範囲の請求項1の補正は、発明を特定するために必要な事項である「前記遊技制御手段が行う制御に関する設定値を設定する際に操作される設定操作部」について、「操作される設定操作部」が「設定キーが挿入されて操作される設定キー操作部」であるという限定を加え、 発明を特定するために必要な事項である「前記設定値を設定可能とする設定状態を発生させること」について、「前記設定キー操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入が行われ前記設定状態が発生すると、電源投入が行われた時点で設定されている前記設定値が遊技者に付与された遊技価値に関する情報を表示可能な表示部に表示されるようにされており、」という限定を加え、 発明を特定するために必要な事項である「クリア操作部」について、「前記クリア操作部は、前記設定値と遊技価値に関する情報を表示可能な遊技機背面側に設けられた前記表示部の上端よりも下方位置に設けられており、」という限定を加え、 さらに、発明を特定するために必要な事項である「設定操作部」について「設定キー操作部」であるという限定を加えつつ、「設定操作部」と「クリア操作部」の位置関係について、「前記設定値を設定する際に設定キーが挿入されて操作される前記設定キー操作部は、前記設定キー操作部の上端が前記設定状態を発生させる際に前記設定キー操作部とあわせて操作されることとなる前記クリア操作部の上端よりも上方に位置しているとともに、前記設定キー操作部の下端が前記クリア操作部の下端よりも上方に位置して設けられている」という限定を加えるものである。 また、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 ウ 令和3年3月11日付けで通知された最後の拒絶の理由の理由1(特許法第17条の2第3項)において、新規事項の追加に該当する旨の指摘がなされた本件補正前の請求項1の「前記設定操作部に対する操作を行って前記クリア操作部に対する操作を行うことなく前記電源投入手段により電源投入された場合、前記設定値を確認可能とする確認状態を発生させることが可能である」という事項を削除する補正を行うものである。 (2)補正目的 上記(1)より、本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正は、アの点で、特許法第17条の2第5項第4号に掲げる「明りようでない記載の釈明」を目的とするものに該当するとともに、イの点で、同項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 (3)新規事項 本件補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面の【1095】、【1129】、【1132】、【1215】、【1313】~【1316】、【1351】、【図127】、【図146】の記載からみて新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 3 独立特許要件についての検討 上記(2)より、請求項1についての本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的として含む補正であるから、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、本件補正により補正された上記「第2」の「1」で補正後として示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。 (2)先願1 令和3年9月9日付け補正の却下の決定における独立特許要件違反の理由に引用文献等1として引用され、本願の出願日前の特許出願であって、本願の出願日後に出願公開された特願2017-153517(特開2019-30536)(出願日:平成29年8月8日、出願公開日:平成31年2月28日、出願人:株式会社三洋物産、発明者:倉田豪)(以下「先願1」という。)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「先願1明細書等」という。)には、「遊技機」に関し、次の事項が図とともに記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 ア 記載事項 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、遊技機に関するものである。 ・・・ 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技機の有利度を決定付ける設定値の確認を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。 【0006】 本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技機の有利度を決定付ける設定値の確認を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。 ・・・ 【発明を実施するための形態】 【0010】 <第1の実施形態> 以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PA内の構成を省略している。」 (イ)「【0047】 図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置60が搭載されている。図5は主制御装置60の正面図である。 【0048】 主制御装置60は、図5に示すように、主制御基板61が基板ボックス60aに収容されてなる。主制御基板61の一方の板面である素子搭載面には、MPU62が搭載されている。基板ボックス60aは当該基板ボックス60aの外部から当該基板ボックス60a内に収容されたMPU62を目視することが可能となるように透明に形成されている。なお、基板ボックス60aは無色透明に形成されているが、基板ボックス60aの外部から当該基板ボックス60a内に収容されたMPU62を目視することが可能であれば有色透明に形成されていてもよい。主制御装置60は基板ボックス60aにおいて主制御基板61の素子搭載面と対向する対向壁部60bがパチンコ機10後方を向くようにして樹脂ベース21の背面に搭載されている。したがって、遊技機本体12を外枠11に対してパチンコ機10前方に開放させて樹脂ベース21の背面を露出させることにより、基板ボックス60aの対向壁部60bを目視することが可能となるとともに当該対向壁部60bを通じてMPU62を目視することが可能となる。 ・・・ 【0050】 上記構成の主制御装置60において主制御基板61には、パチンコ機10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更する契機を生じさせるために遊技ホールの管理者が所有する設定キーが挿入されてON操作される設定キー挿入部68aと、設定キー挿入部68aに対するON操作後においてパチンコ機10の設定状態を順次変更させるために操作される更新ボタン68bと、主制御装置60のMPU62に設けられた後述する主側RAM65のデータをクリアするために操作されるリセットボタン68cと、遊技履歴の管理結果を報知するための第1~第3報知用表示装置69a~69cと、が設けられている。また、主制御基板61に搭載されたMPU62には、遊技履歴の管理結果又は主側ROM64に記憶された情報(プログラム及びデータ)を外部装置にて読み取るために当該外部装置の接続端子を接続するための読み取り用端子68dが設けられている。なお、パチンコ機10の設定状態は「設定1」~「設定6」の6段階に限定されることはなく複数段階であれば任意である。 【0051】 これら設定キー挿入部68a、更新ボタン68b、リセットボタン68c、読み取り用端子68d(すなわちMPU62)及び第1~第3報知用表示装置69a~69cはいずれも主制御基板61の素子搭載面に設けられている。・・・ ・・・ 【0054】 パチンコ機10の設定状態は当該パチンコ機10における単位時間当たりの有利度を定めるものであり、「設定n」(nは「1」~「6」の整数)のnが大きい値ほど(すなわち設定値が高いほど)有利度が高くなる。・・・」 (ウ)「【0063】 主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板67と、を具備している。主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である主側CPU63の他に、主側ROM64、主側RAM65及び管理用IC66が内蔵されている。なお、MPU62には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。 ・・・ 【0065】 主側RAM65は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。主側RAM65は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM64よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。主側RAM65は、主側ROM64内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。 ・・・ 【0077】 電源・発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源・発射制御装置78にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置60の主側RAM65及び払出制御装置77に記憶保持用の電力が供給される。また、電源・発射制御装置78は遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、払出機構部73には既に説明したとおり電源スイッチが設けられており、電源スイッチがON操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が開始され、電源スイッチがOFF操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が停止される。」 (エ)「【0208】 次に、遊技ホールに設けられたホールコンピュータHCにパチンコ機10から情報を外部出力するための構成について説明する。 【0209】 図2に示すように、裏パックユニット15には外部端子板97が設けられている。外部端子板97には多数の外部端子が設けられており、一部の外部端子であって複数の外部端子が主側CPU63と電気的に接続されているとともに、一部の外部端子であって複数の外部端子が払出側CPU92と電気的に接続されている。このように主側CPU63及び払出側CPU92のそれぞれが外部端子板97と電気的に接続されていることにより、図16に示すように、主側CPU63及び払出側CPU92はホールコンピュータHCに情報を外部出力することが可能である。」 (オ)「【0327】 その後、ステップS1402及びステップS1403の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1404)。具体的には、まずステップS1402で算出した各入球個数から、ステップS1403にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下の第1~第8パラメータを演算する。なお、ステップS1402にて算出したアウト口24aの入球個数に対するステップS1403にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K1とし、ステップS1402にて算出した一般入賞口31の入球個数に対するステップS1403にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K2とし、ステップS1402にて算出した特電入賞装置32の入球個数に対するステップS1403にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K3とし、ステップS1402にて算出した第1作動口33の入球個数に対するステップS1403にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K4とし、ステップS1402にて算出した第2作動口34の入球個数に対するステップS1403にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K5とする。 ・第1パラメータ:遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D1」とする)・・・」 (カ)「【0561】 <第11の実施形態> 本実施形態では遊技履歴の管理結果を表示するための表示装置の構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。 【0562】 図53は本実施形態における主制御装置60の正面図である。 【0563】 上記第1の実施形態では主制御装置60に第1報知用表示装置69a、第2報知用表示装置69b及び第3報知用表示装置69cが設けられていたが、本実施形態では第1報知用表示装置201、第2報知用表示装置202、第3報知用表示装置203及び第4報知用表示装置204が設けられている。これら第1~第4報知用表示装置201~204は主制御基板61の素子搭載面において横並びで設けられている。 【0564】 第1~第4報知用表示装置201~204はいずれも、LEDによる表示用セグメントが7個配列されたセグメント表示器であるが、これに限定されることはなく多色発光タイプの単一の発光体であってもよく、液晶表示装置であってもよく、有機ELディスプレイであってもよい。第1~第4報知用表示装置201~204はいずれもその表示面が主制御基板61の素子搭載面が向く方向を向くようにして設置されているとともに、基板ボックス60aの対向壁部60bにより覆われている。この場合に、基板ボックス60aが透明に形成されていることにより、基板ボックス60aの外部から当該基板ボックス60a内に収容された第1~第4報知用表示装置201~204の表示面を目視することが可能となる。また、主制御装置60は基板ボックス60aにおいて主制御基板61の素子搭載面と対向する対向壁部60bがパチンコ機10後方を向くようにして樹脂ベース21の背面に搭載されているため、遊技機本体12を外枠11に対してパチンコ機10前方に開放させて樹脂ベース21の背面をパチンコ機10前方に露出させた場合には、対向壁部60bを通じて第1~第4報知用表示装置201~204の表示面を目視することが可能となる。 【0565】 第1報知用表示装置201の表示面においては「A」、「E」、「H」、「L」、「O」といったアルファベットが表示される。一方、第2報知用表示装置202、第3報知用表示装置203及び第4報知用表示装置204においては「0」~「9」の範囲で数字が表示される。第1~第4報知用表示装置201~204を利用して遊技履歴の管理結果が報知される。この場合、第1報知用表示装置201及び第2報知用表示装置202では報知対象となっている遊技履歴の管理結果(上記第1の実施形態における第1~第8パラメータ、第11~第18パラメータ、第21~第26パラメータ、第31パラメータ、第41~第42パラメータ)の種類に対応する表示が行われ、第3報知用表示装置203及び第4報知用表示装置204では報知対象となっている種類の遊技履歴の管理結果の内容に対応する表示が行われる。 ・・・ 【0570】 第1~第4報知用表示装置201~204においては上記第1の実施形態と同様に遊技履歴の管理結果の報知だけではなく、パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態においては現状の設定値に対応する値が表示される。具体的には、当該変更可能状態においては第1~第3報知用表示装置201~203が消灯状態とされるのに対して、横並びの第1~第4報知用表示装置204において右端に存在している第4報知用表示装置204にて現状の設定値に対応する値が表示される。・・・」 (キ)「【1300】 <第33の実施形態> 本実施形態では主側CPU63にて実行される処理構成が上記第15の実施形態と相違している。以下、上記第15の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第15の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。 【1301】 図114は主側CPU63にて実行される本実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。なお、メイン処理におけるステップS7901~ステップS7924の処理は、主側CPU63における特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。 【1302】 まず電源投入初期設定処理を実行する(ステップS7901)。電源投入初期設定処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1秒)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。このウェイト用の所定期間において図柄表示装置41の動作開始及び初期設定が完了することとなる。また、主側RAM65のアクセスを許可する。 ・・・ 【1308】 その後、リセットボタン68cが押圧操作されているか否かを判定する(ステップS7905)。つまり、リセットボタン68cが押圧操作されている状態においてパチンコ機10の電源ON操作が行われてMPU62への動作電力の供給が開始されたか否かを判定する。ここで、本実施形態では主制御装置60に設定キー挿入部68a及びリセットボタン68cが設けられているものの更新ボタン68bは設けられていない。また、主制御装置60には第1~第3報知用表示装置69a~69cではなく第11の実施形態と同様に第1~第4報知用表示装置201~204が設けられている。 ・・・ 【1317】 遊技の進行が停止されている状況において上記報知を確認した遊技ホールの管理者は、パチンコ機10への動作電力の供給を一旦停止させて、その後にパチンコ機10への動作電力の供給を再開させる場合に設定値更新処理(ステップS7918)が実行されるようにするための操作を行うこととなる。これにより、動作電力の供給開始時において停電フラグ又はチェックサムに関して異常が発生した場合には設定値更新処理(ステップS7918)にて設定値の新たな設定が行われるようにすることが可能となる。 ・・・ 【1324】 上記のとおり本実施形態ではリセットボタン68cを押圧操作することなく設定キー挿入部68aを設定キーによりON操作した状態でパチンコ機10の電源ON操作が行われることにより、主側CPU63への動作電力の供給が開始されてメイン処理が開始された状況においてリセットボタン68cが押圧操作されていないとともに設定キー挿入部68aがON操作された状態となり、メイン処理にて遊技の進行を可能とする処理が実行される前の状況である動作電力の供給開始時の処理が実行されている状況において設定確認用処理が実行される。これにより、遊技が行われていない状況下において設定値の確認を行うことが可能となる。 ・・・ 【1331】 図116は設定値更新処理を示すフローチャートである。なお、設定値更新処理におけるステップS8101~ステップS8107の処理は、主側CPU63における特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。 【1332】 まず特定制御用のワークエリア221に設けられた設定更新表示フラグに「1」をセットする(ステップS8101)。設定更新表示フラグは、パチンコ機10の設定値を更新している状況であることを主側CPU63にて特定するためのフラグである。設定更新表示フラグに「1」がセットされることにより、後述する第2タイマ割込み処理(図123)にてそれに対応する表示制御が第1~第4報知用表示装置201~204に対して行われる。これにより、第1~第4報知用表示装置201~204にて、パチンコ機10の設定値を更新している状況であることを示す表示及びパチンコ機10の現状の設定値を示す表示が行われる。 ・・・ 【1339】 リセットボタン68cを押圧操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うだけではなくさらに設定キー挿入部68aを設定キーによりON操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うことに基づき、RAMクリア処理(ステップS7915)だけではなく設定値更新処理(ステップS7918)が実行される。・・・」 (ク)「【1542】 (61)上記第1~第34の実施形態の特徴的な構成を任意の組合せで相互に適用してもよい。・・・また、上記第1~34の実施形態の特徴的な構成を所定の組合せで適用した構成に対して、上記別形態の構成を任意の組合せで適用してもよい。」 (ケ)図53 「【図53】 [図:0001390359000001.jpg] 」 イ 認定事項 (ア)認定事項1 先願1明細書等の【0327】に「・第1パラメータ:遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合」という数式が記載されているところ、当該数式における分母における「技領域PAから」という記載は、「遊技領域PAから」の誤記であることが明らかであるから、当該数式は、「・第1パラメータ:遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合」を表していると認められる(認定事項1)。 (イ)認定事項2 上記ア(ケ)に摘記した図53から、主制御装置60の主制御基板61において、上下方向の中央部左方に設定キー挿入部68aが設けられるとともに、設定キー挿入部68aの右側のほぼ同一の高さの位置にリセットボタン68cが設けられていること、及び、上下方向の中央部より上部側であって左右方向の略中央部から右側に向けて第1~第4報知用表示装置201~204が設けられており、リセットボタン68cは第1~第4報知用表示装置201~204の上端よりも下方に位置していることが看取される。 そして、先願1明細書等の【0051】に「これら設定キー挿入部68a、更新ボタン68b、リセットボタン68c、読み取り用端子68d(すなわちMPU62)及び第1~第3報知用表示装置69a~69cはいずれも主制御基板61の素子搭載面に設けられている。」と記載され、【0563】に「これら第1~第4報知用表示装置201~204は主制御基板61の素子搭載面において横並びで設けられている。」と記載されていることから、先願1明細書等には、「主制御基板61の素子搭載面において、上下方向の中央部左方に設定キー挿入部68aが設けられるとともに、設定キー挿入部68aの右側のほぼ同一の高さの位置にリセットボタン68cが設けられていること、及び、上下方向の中央部より上部側であって左右方向の略中央部から右側に向けて第1~第4報知用表示装置201~204が横並びで設けられており、リセットボタン68cは第1~第4報知用表示装置201~204の上端よりも下方に位置している」ことが記載されていると認められる(認定事項2)。 ウ 先願発明1 (ア)先願発明1の認定の前提 各実施形態について、先願1明細書等の【1542】に「(61)上記第1~第34の実施形態の特徴的な構成を任意の組合せで相互に適用してもよい。・・・また、上記第1~34の実施形態の特徴的な構成を所定の組合せで適用した構成に対して、上記別形態の構成を任意の組合せで適用してもよい。」と記載され、複数の実施形態を任意の組合せで適用することの示唆がなされているうえに、「第11の実施形態」について、【0563】に「上記第1の実施形態では主制御装置60に第1報知用表示装置69a、第2報知用表示装置69b及び第3報知用表示装置69cが設けられていたが、本実施形態では第1報知用表示装置201、第2報知用表示装置202、第3報知用表示装置203及び第4報知用表示装置204が設けられている。」という変形を施す旨の記載があり、さらに、「第33の実施形態」について、【1300】に「本実施形態では主側CPU63にて実行される処理構成が上記第15の実施形態と相違している。」と、また、【1308】に「ここで、本実施形態では主制御装置60に設定キー挿入部68a及びリセットボタン68cが設けられているものの更新ボタン68bは設けられていない。また、主制御装置60には第1~第3報知用表示装置69a~69cではなく第11の実施形態と同様に第1~第4報知用表示装置201~204が設けられている。」という変形を施す旨の記載がある。 そこで、先願1明細書等に記載の主制御装置60に関わる構成の認定は、「第1の実施形態」に対し、主制御装置60に第1~第3報知用表示装置69a~69cを設けることに替え、「第11の実施形態」及び「第33の実施形態」の第1~第4報知用表示装置201~204を設ける構成を適用し、さらに、「第33の実施形態」の主制御装置60に設定キー挿入部68a及びリセットボタン68cを設けるものの更新ボタン68bを設けない構成を適用するとともに、「第15の実施形態」及び「第33の実施形態」の主側CPU63にて実行される処理構成を適用したものとして、先願1明細書等に記載された発明の認定を行う。 (イ)先願発明1の認定 上記(ア)を前提として、上記アの記載事項及び上記イの認定事項を総合すると、先願1明細書等には、以下の発明(以下「先願発明1」という。)が記載されている(符号a~hは、本件補正発明の分説A~Hにおおむね対応させて、当審で付した。)。 先願発明1 「a、b、g 主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を具備し、主制御基板61には、MPU62が搭載され、MPU62には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である主側CPU63の他に、主側ROM64、主側RAM65及び管理用IC66が内蔵されていて(【0063】)、 電源・発射制御装置78にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置60の主側RAM65に記憶保持用の電力が供給され(【0077】)、 c、d パチンコ機10の設定状態は当該パチンコ機10における単位時間当たりの有利度を定めるものであり、「設定n」(nは「1」~「6」の整数)のnが大きい値ほど(すなわち設定値が高いほど)有利度が高くなるものであり(【0054】)、主制御基板61には、パチンコ機10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更する契機を生じさせるために遊技ホールの管理者が所有する設定キーが挿入されてON操作される設定キー挿入部68aと、主制御装置60のMPU62に設けられた主側RAM65のデータをクリアするために操作されるリセットボタン68cと、が設けられ(【0050】)、 e 払出機構部73には電源スイッチが設けられており、電源スイッチがON操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が開始され、電源スイッチがOFF操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が停止され(【0077】)、 f 外部端子板97が設けられ、外部端子板97には多数の外部端子が設けられており、一部の外部端子が主側CPU63と電気的に接続されていることにより、主側CPU63はホールコンピュータHCに情報を外部出力することが可能であり(【0209】)、 g1 主制御基板61は基板ボックス60aに収容されてなり(【0048】)、 a1 リセットボタン68cを押圧操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うだけではなくさらに設定キー挿入部68aを設定キーによりON操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うことに基づき、RAMクリア処理だけではなく設定値の新たな設定が行われるようにすることが可能となる設定値更新処理が実行され(【1317】、【1339】)、 a2 主制御装置60の主制御基板61の素子搭載面において横並びで、第1報知用表示装置201、第2報知用表示装置202、第3報知用表示装置203及び第4報知用表示装置204が設けられ(【0563】)、第1~第4報知用表示装置201~204を利用して遊技履歴の管理結果が報知され、第1報知用表示装置201及び第2報知用表示装置202では報知対象となっている遊技履歴の管理結果の種類に対応する表示が行われ、第3報知用表示装置203及び第4報知用表示装置204では報知対象となっている種類の遊技履歴の管理結果の内容に対応する表示が行われ(【0565】)、 遊技履歴の管理結果の種類を表すパラメータとして、第1パラメータ:遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合」(アウト口24aの入球個数に対するアウト口24aの入球個数の差を入球個数K1とし、一般入賞口31の入球個数に対する一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K2とし、特電入賞装置32の入球個数に対する特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K3とし、第1作動口33の入球個数に対する第1作動口33の入球個数の差を入球個数K4とし、第2作動口34の入球個数に対する第2作動口34の入球個数の差を入球個数K5とする。)が含まれ(【0327】、認定事項1)、 第1~第4報知用表示装置201~204においては、遊技履歴の管理結果の報知だけではなく、パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態においては、第1~第3報知用表示装置201~203が消灯状態とされるのに対して、横並びの第1~第4報知用表示装置204において右端に存在している第4報知用表示装置204にて現状の設定値に対応する値が表示されることにより(【0570】)、設定値更新処理にて第1~第4報知用表示装置201~204にて、パチンコ機10の設定値を更新している状況であることを示す表示及びパチンコ機10の現状の設定値を示す表示が行われ(【1331】、【1332】)、 d1、cd1、cd2 遊技盤24の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置60が搭載され(【0047】)、主制御装置60は基板ボックス60aにおいて主制御基板61の素子搭載面と対向する対向壁部60bがパチンコ機10後方を向くようにして樹脂ベース21の背面に搭載され(【0048】)、設定キー挿入部68a、リセットボタン68c、第1~第4報知用表示装置201~204はいずれも主制御基板61の素子搭載面に設けられ(【0051】、【0563】)、 主制御基板61の素子搭載面において、上下方向の中央部左方に設定キー挿入部68aが設けられるとともに、設定キー挿入部68aの右側のほぼ同一の高さの位置にリセットボタン68cが設けられていること、及び、上下方向の中央部より上部側であって左右方向の略中央部から右側に向けて第1~第4報知用表示装置201~204が横並びで設けられており、リセットボタン68cは第1~第4報知用表示装置201~204の上端よりも下方に位置している(認定事項2)、 h パチンコ機10(【0010】)。」 (3)周知技術 ア 周知技術1 (ア)周知例1 原査定の拒絶の理由及び令和3年9月9日付け補正の却下の決定に周知技術を示す文献として引用され、本願の出願日前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-211650号公報(以下「周知例1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ・「【技術分野】 【0001】 本発明は、パチンコ店等の遊技場に設置して使用されるスロットマシン等の遊技機に関するものである。」 ・「【0016】 図2に示すように、収納箱11は、略中央部に収納箱11の内部を上下2つに仕切るための仕切り板11aが形成されており、この仕切り板11aにより、収納箱11の内部は、上収納部11bと下収納部11cとに仕切られている。上収納部11bの内部の背面には、メイン基板24と設定基板25とが基板収納ケース26に収納された状態で配設されている。・・・ ・・・ 【0020】 メイン基板24には、CPU24a、ROM24b(図9参照)、電子抽選部24c及び当選役決定部24d(図9参照)が設けられている。設定基板25には、円柱状のキーシリンダ36と、後述する当選テーブルの選択時に操作する円柱状の設定変更ボタン37が設けられている。キーシリンダ36は、円筒状の本体部36aと、本体部36aの内部に回動可能に設けられ、設定キー38を差し込むことで、後述する設定変更を行うことができないオフとなる位置と、設定変更を行うことができるオンとなる位置(図10参照)との間で回転する回動部36bとからなり、回動部36bには、設定キー38を挿入するためのキー穴36cが形成されている。詳しくは後述するように、スロットマシン10における当選テーブルは複数設けられており、そのそれぞれに設定値が割り振られている。本実施形態では、設定値を「1」~「6」とし、設定変更時に設定変更ボタン37を一回操作する度に、設定値が「1→2→・・・→6→1→2→・・・」の順で変更されるように設定されている。・・・」 これより、周知例1には、パチンコ店等の遊技場に設置して使用されるスロットマシン等の遊技機について(【0001】)、 設定基板25には、円柱状のキーシリンダ36と当選テーブルの選択時に操作する円柱状の設定変更ボタン37が設けられ、キーシリンダ36は、円筒状の本体部36aと、本体部36aの内部に回動可能に設けられ、設定キー38を差し込むことで、設定変更を行うことができないオフとなる位置と、設定変更を行うことができるオンとなる位置との間で回転する回動部36bとからなり、回動部36bには、設定キー38を挿入するためのキー穴36cが形成され(【0020】)、メイン基板24と設定基板25とが基板収納ケース26に収納された状態で配設されている(【0016】)技術が記載されている。 (イ)周知例2 原査定の拒絶の理由及び令和3年9月9日付け補正の却下の決定に周知技術を示す文献として引用され、本願の出願日前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2006-95049号公報(以下「周知例2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ・「【技術分野】 【0001】 本発明は、基板ケースに関し、さらに詳しくは、主基板のみならず、設定変更部も内部に収納する基板ケースに関する。 ・・・ 【発明が解決しようとする課題】 ・・・ 【0007】 ・・・ ここで、遊技機の種類としては、特に限定されるものではなく、パチンコ機、スロットマシン、パロットなどが挙げられる。 ・・・ 【0010】 設定変更部7とは、各種抽選確率の変更を行うための基板を備えた装置であり、基板ケース1内で、基板ベース部2に固定されている。また、設定変更部7には、設定変更用のキーを挿入するための鍵穴や、設定を切り替える設定変更ボタン等の設定変更操作部9が備えられている。・・・ ・・・ 【0016】 ・・・ (基板ケース1) 本発明の第1の実施の形態に係る基板ケース1は、正面側に開口する筐形の筐体61を備えたスロットマシンに内蔵される。この基板ケース1は、図2に示すように、筐体61に固定される板状の基板ベース部2と、この基板ベース部2の左端部で軸支され、かつ、左右方向に回転して当該基板ベース部2に重ねることができる基板ケースカバー部3とを備えている。ここで、この基板ケースカバー部3は基板ベース部2の左端部で軸支されているが、基板ベース部2の右端部で軸支されるようにしてもよい。 【0017】 基板ケースカバー部3は、基板ベース部2側に開口する箱型形状となっており、基板ケースカバー部3が基板ベース部2に重なった際に、基板ケースカバー部3と基板ベース部2との間に、主基板6及び設定変更部7を収納できる空間が形成される。また、基板ベース部2を基板ケースカバー部3側に開口する箱型形状とするとともに、基板ケースカバー部3を板状とすることもできる。 主基板6は、スロットマシンにおいて、回転リールを備えたリールユニット(図示せず)や、メダルの払い出しを行うホッパーユニット(図示せず)等の遊技機の作動を制御することができる電子部品を搭載した基板である。また、設定変更部7は、遊技における各種当選役の抽選確率を変更するためのものであり、この設定変更部7の正面には、設定変更用のキーを挿入するための鍵穴や、設定を切り替える設定変更ボタン等の設定変更操作部9が備えられている(図3参照)。 【0018】 前記主基板6は、基板ベース部2の、基板ケースカバー部3側の面の略中央にネジ等で固定されて、前記空間に収納される。また、前記設定変更部7は、前記主基板6の右側において、この主基板6と隣接するように、基板ベース部2にネジ等で固定されて、前記空間に収納される(図3参照)。また、主基板6及び設定変更部7は、基板ケースカバー部3の、基板ベース部2側の面に固定してもよい。・・・」 これより、周知例2には、パチンコ機、スロットマシン、パロットなどの遊技機について(【0007】)、 設定変更用のキーを挿入するための鍵穴や、設定を切り替える設定変更ボタン等の設定変更操作部9が備えられ、各種抽選確率の変更を行うための基板を備えた装置である設定変更部7を有し(【0010】)、 筐体61に固定される板状の基板ベース部2と、この基板ベース部2の左端部で軸支され、かつ、左右方向に回転して当該基板ベース部2に重ねることができる基板ケースカバー部3とを備え(【0016】)、基板ケースカバー部3は、基板ベース部2側に開口する箱型形状となっており、基板ケースカバー部3が基板ベース部2に重なった際に、基板ケースカバー部3と基板ベース部2との間に、主基板6及び設定変更部7を収納できる空間が形成され(【0017】)、前記主基板6は、基板ベース部2の、基板ケースカバー部3側の面の略中央にネジ等で固定されて、前記空間に収納され、また、前記設定変更部7は、前記主基板6の右側において、この主基板6と隣接するように、基板ベース部2にネジ等で固定されて、前記空間に収納される(【0018】)技術が記載されている。 (ウ)周知技術1 上記(ア)、(イ)より、遊技機の分野において、設定キーを挿入する穴をはじめとする設定変更を行うための操作手段を構成する設定基板を設け、遊技制御を行う主基板と設定基板は一つのケースに収容されているものとする技術は従来周知の技術(以下「周知技術1」という。)であると認められる。 イ 周知技術2-1 (ア)周知例3 本願の出願日前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-192723号公報(以下「周知例3」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ・「【技術分野】 【0001】 この発明は、スロットマシン等の遊技機及び遊技機における不正行為防止方法並びにプログラムに関する。 ・・・ 【0028】 図3は遊技機の電源部205のパネルの詳細を示す。 【0029】 図3において、・・・設定キースイッチ2054は設定を有効にするためのスイッチであり、設定変更/リセットスイッチ2055は設定変更を行ったり、装置をリセットするためのスイッチであり、・・・」 ・図3「 [図:0001390359000002.jpg] 」 ・図3より、電源部205のパネルには、右側の中央部より下方に設定変更/リセットスイッチ2055が設けられるとともに、設定変更/リセットスイッチ2055の左斜め上の位置に設定キースイッチ2054が設けられ、両者の位置関係が、設定キースイッチ2054の上端が設定変更/リセットスイッチ2055の上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチ2054の下端が設定変更/リセットスイッチ2055の下端よりも上方に位置していることが看取される。 これより、周知例3には、スロットマシン等の遊技機について(【0001】)、 電源部205のパネルには、設定を有効にするためのスイッチである設定キースイッチ2054と、設定変更を行ったり、装置をリセットするためのスイッチである設定変更/リセットスイッチ2054が設けられ(【0028】、【0029】、図3)、 設定変更/リセットスイッチ2055の左斜め上の位置に設定キースイッチ2054が設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチ2054が設定変更/リセットスイッチ2055の左斜め上方に位置して、設定キースイッチ2054の上端が設定変更/リセットスイッチ2055の上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチ2054の下端が設定変更/リセットスイッチ2055の下端よりも上方に位置している(図3)技術が記載されていると認められる。 (イ)周知例4 本願の出願日前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-13290号公報(以下「周知例4」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ・「【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機及び遊技機における認証方法並びにプログラムに関する。 ・・・ 【0035】 スロットマシン10は電源部を備える。図2は電源部205のパネルの詳細を示す。・・・ 【0036】 図2において、・・・設定キースイッチ2054は設定を有効にするためのキースイッチ(鍵付きスイッチ)であり、設定変更/リセットスイッチ2055(スイッチ2055は設定変更スイッチとリセットスイッチを兼ねている)は設定変更を有効にしたり、設定をリセットするためのスイッチであり、・・・」 ・図2「 [図:0001390359000003.jpg] 」 ・図2より看取される事項は、上記(ア)周知例3の図3より看取される事項と同様である。 これより、周知例4には、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機について(【0001】)、 電源部205のパネルには、設定を有効にするためのキースイッチ(鍵付きスイッチ)である設定キースイッチ2054と、設定変更を有効にしたり、設定をリセットするためのスイッチである設定変更/リセットスイッチ2055が設けられ(【0035】、【0036】、図2)、 設定変更/リセットスイッチ2055の左斜め上の位置に設定キースイッチ2054が設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチ2054が設定変更/リセットスイッチ2055の左斜め上方に位置して、設定キースイッチ2054の上端が設定変更/リセットスイッチ2055の上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチ2054の下端が設定変更/リセットスイッチ2055の下端よりも上方に位置している(図2)技術が記載されていると認められる。 (ウ)周知例5 本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-127591号公報(以下「周知例5」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ・「【0034】 本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。 【0035】 [スロットマシンの構成] 図1は、本実施の形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。本実施の形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。 ・・・ 【0045】 筐体1aの内部には、図3に示すように、・・・電源ボックス100が設けられている。 ・・・ 【0047】 電源ボックス100の前面には、図3に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。」 ・「【0307】 [遊技機について] 以上のように、上記の実施の形態では、スロットマシンを例に挙げて説明したが、例えば遊技球を用いるパチンコ遊技機に上記の実施形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。」 ・図3「【図3】 [図:0001390359000004.jpg] 」 ・図3より、電源ボックス100の前面には、上下方向の略中央部の左側にリセット/設定スイッチ38が設けられるとともに、リセット/設定スイッチ38の右斜め上に設定キースイッチ37が設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチ37の上端がリセット/設定スイッチ38の上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチ37の下端がリセット/設定スイッチ38の下端よりも上方に位置していることが看取される。 これより、周知例5には、遊技機の一例であるスロットマシン1について(【0034】、【0035】)、 筐体1aの内部に設けられた電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38が設けられ(【0045】、【0047】)、 リセット/設定スイッチ38の右斜め上に設定キースイッチ37が設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチ37の上端がリセット/設定スイッチ38の上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチ37の下端がリセット/設定スイッチ38の下端よりも上方に位置している(図3)技術が記載されていると認められる。 (エ)周知技術2-1 上記(ア)~(ウ)より、遊技機の分野において、リセットスイッチの斜め上方に設定キースイッチが設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチの上端がリセットスイッチの上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチの下端がリセットスイッチの下端よりも上方に位置している配置とする技術は従来周知の技術(以下「周知技術2-1」という。)であると認められる。 ウ 周知技術2-2 (ア)周知例6 本願の出願日前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-200902号公報(以下「周知例6」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ・「【技術分野】 【0001】 本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシン等の遊技機に係り、詳しくは、抽選確率等に関する設定値を複数段階に切り替え可能に構成された遊技機に関するものである。」 ・「【0028】 また、遊技盤5の裏面側には、図3に示すように、センターケース15等の遊技部品を後側から覆う裏カバー31が装着され、この裏カバー31の背面側に、主制御基板32が格納された主基板ケース33、演出制御基板34が格納された演出基板ケース35、液晶制御基板36が格納された液晶基板ケース37、設定基板38が格納された設定基板ケース39等が着脱自在に装着されている。設定基板38には、キー操作によりON/OFFの切り替えが可能な設定キースイッチ41、押しボタン式その他のリセットスイッチ42、設定値を表示する7セグメント式その他の設定値表示手段43等が設けられている。」 ・「【0061】 そしてその後は、特別図柄始動手段17の入賞検出スイッチ84がONになるか(S37)、又は設定キースイッチ41がOFFになるまで(S38)、リセットスイッチ42がON操作される毎に設定値に1が加算され(S39,S40)、それに応じて設定値表示手段43への設定値の表示も更新されるが(S36)、加算により設定値が3より大となる場合には設定値が1に戻される(S34,S35)。即ち、設定値表示手段43に表示される設定値は、リセットスイッチ42が操作される毎に1→2→3→1→2→…のように1~3の範囲で循環するように切り替えられる。」 ・図3「【図3】 [図:0001390359000005.jpg] 」 ・図3より、設定基板38には、設定キースイッチ41が上方に、リセットスイッチ42が下方向となる上下方向に設けられ、両者の位置関係が、設定キースイッチ41の上端がリセットスイッチ42の上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチ41の下端がリセットスイッチ42の下端よりも上方に位置していることが看取される。 これより、周知例6には、パチンコ遊技機、スロットマシン等の遊技機であって、抽選確率等に関する設定値を複数段階に切り替え可能に構成された遊技機について(【0001】)、 設定基板38には、キー操作によりON/OFFの切り替えが可能な設定キースイッチ41、押しボタン式その他のリセットスイッチ42が設けられ(【0028】)、 設定キースイッチ41が上方に、リセットスイッチ42が下方向となる上下方向に設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチ41の上端がリセットスイッチ42の上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチ41の下端がリセットスイッチ42の下端よりも上方に位置している(図3)技術、及び、遊技機としてパチンコ遊技機を含むこと(【0001】)が記載されている。 (イ)周知例7 本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-113236号公報(以下「周知例7」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ・「【発明を実施するための形態】 【0015】 本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。 【実施例1】 【0016】 発明が適用された遊技機であるスロットマシンの実施例1について図面を用いて説明する。・・・ 【0017】 本実施例のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する筐体1aと、筐体1aに対して左辺側を回動軸心として開閉可能に設けられる開閉扉部としての前面扉1bと、から構成されている。」 ・「【0030】 電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。」 ・「【0203】 また、実施例では遊技機としてスロットマシンを例に説明したが、上記実施例で開示した構成を、他の遊技機、例えば、遊技領域に遊技球を発射させることで遊技が行われ、発射された遊技球が遊技領域内に設けられた入賞口に入って入賞が発生することで、賞球として遊技球が払い出されるパチンコ遊技機等に適用しても良い。」 ・「 [図:0001390359000006.jpg] 」 ・図10より、電源ボックス100の前面には、設定キースイッチ37が上方に、リセット/設定スイッチ38が下方向となる上下方向に設けられ、両者の位置関係が、設定キースイッチ37の上端がリセット/設定スイッチ38の上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチ37の下端がリセット/設定スイッチ38の下端よりも上方に位置していることが看取される。 これより、周知例7には、遊技機であるスロットマシン1について(【0016】、【0017】)、 電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38が設けられ(【0030】)、 設定キースイッチ37が上方に、リセット/設定スイッチ38が下方向となる上下方向に設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチ37の上端がリセット/設定スイッチ38の上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチ37の下端がリセット/設定スイッチ38の下端よりも上方に位置している(図10)技術、及び、該技術をパチンコ遊技機に適用しても良いこと(【0203】)が記載されている。 (ウ)周知技術2-2 上記(ア)、(イ)より、パチンコ遊技機を含む遊技機の分野において、設定キースイッチが上方に、リセットスイッチが下方向となる上下方向に設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチの上端がリセットスイッチの上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチの下端がリセットスイッチの下端よりも上方に位置している配置とする技術は従来周知の技術(以下「周知技術2-2」という。)であると認められる。 (4)対比 ア 構成Aについて 先願発明1の「遊技の主たる制御を司る主制御基板61」に搭載された「MPU62」に「内蔵されてい」る「制御部及び演算部を含む演算処理装置である主側CPU63」は、本件補正発明の「遊技に関する制御を行う遊技制御手段」に相当する。 してみれば、先願発明1の構成a、b、gは、本件補正発明の構成Aに相当する構成を備えている。 イ 構成Bについて 先願発明1の「パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から」「記憶保持用の電力が供給され」ている「主側RAM65」は、本件補正発明の「電源遮断後においても各種情報を記憶領域に記憶保持することが可能な記憶手段」に相当する。 してみれば、先願発明1の構成a、b、gは、本件補正発明の構成Bに相当する構成を備えている。 ウ 構成Cについて 先願発明1の「当該パチンコ機10における単位時間当たりの有利度を定めるものであ」る「「設定n」(nは「1」~「6」の整数)」、「変更する契機を生じさせる」こと、「設定キー」、「挿入されてON操作される」こと、「設定キー挿入部68a」はそれぞれ、本件補正発明の「前記遊技制御手段が行う制御に関する設定値」、「設定する際」、「設定キー」、「挿入されて操作される」こと、「設定キー操作部」に相当する。 してみれば、先願発明1の構成c、dは、本件補正発明の構成Cに相当する構成を備えている。 エ 構成Dについて 上記イより、先願発明1の「主側RAM65」は、本件補正発明の「記憶手段」に相当するから、先願発明1の「主側RAM65のデータ」、「クリアするために操作される」こと、「リセットボタン68c」はそれぞれ、本件補正発明の「前記記憶手段に記憶保持される情報」、「初期化するために操作される」こと、「クリア操作部」に相当する。 してみれば、先願発明1の構成c、dは、本件補正発明の構成Dに相当する構成を備えている。 オ 構成Eについて 先願発明1の「ON操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が開始され」る「電源スイッチ」は、本件補正発明の「電源投入を行うための電源投入手段」に相当する。 してみれば、先願発明1の構成eは、本件補正発明の構成Eに相当する。 カ 構成Fについて 先願発明1の「一部の外部端子が主側CPU63と電気的に接続されていることにより、主側CPU63はホールコンピュータHCに情報を外部出力することが可能であ」る「外部端子板97」は、本件補正発明の「外部に各種信号を出力可能な外部出力手段」に相当する。 してみれば、先願発明1の構成fは、本件補正発明の構成Fに相当する。 キ 構成Gについて 上記アより、先願発明1の「主側CPU63」が本件補正発明の「遊技に関する制御を行う遊技制御手段」に相当し、上記イより、先願発明1の「主側RAM65」が本件補正発明の「記憶手段」に相当するものであって、先願発明1において、「主側CPU63」及び「主側RAM65」のいずれも、「遊技の主たる制御を司る主制御基板61」に搭載された「MPU62」に「内蔵されてい」るから、先願発明1の「主制御基板61」は、本件補正発明の「遊技制御基板」に相当し、先願発明1の構成a、b、gは、本件補正発明の構成Gに相当する構成を備えている。 ク 構成G1について 先願発明1の構成c、dより、「設定キー挿入部68a」(本件補正発明の「設定キー操作部」に相当。)は、「主制御基板61」(本件補正発明の「遊技制御基板」に相当。)に設けられているから、先願発明1の「設定キー挿入部68a」が設けられた「主制御基板61」と本件補正発明の「前記設定キー操作部を構成する設定基板」とは、設定キー操作部である点で共通する。 また、先願発明1の構成g1より、「主制御基板61は基板ボックス60aに収容されてな」るから、先願発明1の「基板ボックス60a」は本件補正発明の「一つのケース」に相当する。 そうすると、先願発明1の構成g1と本件補正発明の構成G1とは、前記遊技制御基板と前記設定キー操作部とは一つのケースに収容されているという点で共通する。 ケ 構成A1について 上記ウ~オの検討を踏まえると、先願発明1の「リセットボタン68cを押圧操作」すること、「パチンコ機10の電源ON操作を行う」こと、「設定キー挿入部68aを設定キーによりON操作」することはそれぞれ、本件補正発明の「クリア操作部に対する操作」を行うこと、「電源投入手段により電源投入され」ること、「設定キー操作部に対する操作」を行うことに相当するから、先願発明1の「リセットボタン68cを押圧操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うだけではなくさらに設定キー挿入部68aを設定キーによりON操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うこと」は、本件補正発明の「前記設定キー操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入された場合」に相当する。 また、上記ウより、先願発明1の構成cの「「設定n」(nは「1」~「6」の整数)」は、同構成a1の「設定値」を示すことは明らかであるから、先願発明1の「「設定n」(nは「1」~「6」の整数)」と同様に、「設定値」も本件補正発明の「設定値」に相当し、先願発明1の「設定値の新たな設定が行われるようにすることが可能となる設定値更新処理が実行され」ることは、本件補正発明の「前記設定値を設定可能とする設定状態を発生させることが可能であ」ることに相当する。 してみれば、先願発明1の構成a1は、本件補正発明の構成A1に相当する。 コ 構成A2について (ア)先願発明1の「第1~第4報知用表示装置201~204を利用して」「報知され」る「遊技履歴の管理結果」は、その「種類を表すパラメータ」として、「遊技球の合計払出個数」を計算式に含む「第1パラメータ」が含まれることから、本件補正発明の「遊技者に付与された遊技価値に関する情報」に相当し、先願発明1の「第1~第4報知用表示装置201~204」は、本件補正発明の「表示部」に相当する。 よって、先願発明1の「第1~第4報知用表示装置201~204を利用して遊技履歴の管理結果が報知され」ることは、本件補正発明の「遊技者に付与された遊技価値に関する情報を表示可能な表示部に表示される」ことに相当する。 (イ)先願発明1の構成a2では、「パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態において」「設定値更新処理」が実行され、上記ケの検討を踏まえると、先願発明1で「パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態」となるためには、先願発明1の構成a1の「リセットボタン68cを押圧操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うだけではなくさらに設定キー挿入部68aを設定キーによりON操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うこと」により、「設定値更新処理」「が実行され」ることが前提であるから、先願発明1が、本件補正発明の「前記設定キー操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入が行われ前記設定状態が発生する」ことに相当する構成を備えることは明らかである。 (ウ)先願発明1において、「パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態」となるのは、上記(イ)で検討したとおり、先願発明1の構成a1の「リセットボタン68cを押圧操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うだけではなくさらに設定キー挿入部68aを設定キーによりON操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うこと」により、「設定値更新処理」「が実行され」ることが前提である。 そうすると、先願発明1において、「パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態においては、第1~第3報知用表示装置201~203が消灯状態とされるのに対して、横並びの第1~第4報知用表示装置204において右端に存在している第4報知用表示装置204にて現状の設定値に対応する値が表示されること」は、すなわち、「第4報知用表示装置204にて」「パチンコ機10の電源ON操作を行う」時点の「設定値に対応する値が表示されること」を表しているから、本件補正発明の「電源投入が行われた時点で設定されている前記設定値が遊技者に付与された遊技価値に関する情報を表示される」ことに相当する。 (エ)上記(ア)~(ウ)より、先願発明1の構成a2は、本件補正発明の構成A2に相当する。 サ 構成D1について 上記エより、先願発明1の「リセットボタン68c」が本件補正発明の「クリア操作部」に相当する。 また、上記コ(ア)、(ウ)より、「遊技履歴の管理結果が報知され」、「設定値に対応する値が表示される」先願発明1の「第1~第4報知用表示装置201~204」が本件補正発明の「前記設定値と遊技価値に関する情報を表示可能な」「前記表示部」に相当し、先願発明1の「第1~第4報知用表示装置201~204」が設けられている「主制御基板61の素子搭載面」が「遊技盤24の背面に」「搭載され」ている「主制御装置60」の一部をなす部材であることは、本件補正発明の「表示部」が「遊技機背面側に設けられた」ものであることに相当する。 そして、先願発明1において、「リセットボタン68cは第1~第4報知用表示装置201~204の上端よりも下方に位置している」ことは、本件補正発明の「前記クリア操作部は、」「前記表示部の上端よりも下方位置に設けられて」いることに相当する。 以上を総合すると、先願発明1の構成d1、cd1、cd2は、本件補正発明の構成D1に相当する構成を備えている。 シ 構成CD1、CD2について 上記ウの検討を踏まえると、先願発明1の構成c、dの「変更する契機を生じさせる」こと、「設定キー」、「挿入されてON操作される」こと、「設定キー挿入部68a」がそれぞれ、本件補正発明の「設定する際」、「設定キー」、「挿入されて操作される」こと、「設定キー操作部」に相当し、上記エより、先願発明1の「リセットボタン68c」が本件補正発明の「クリア操作部」に相当する。 また、上記コ(イ)と同様、先願発明1で「パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態」となるためには、先願発明1の構成a1の「リセットボタン68cを押圧操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うだけではなくさらに設定キー挿入部68aを設定キーによりON操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うこと」により、「設定値更新処理」「が実行され」ることが前提であるから、先願発明1が、本件補正発明の「前記設定状態を発生させる際に前記設定キー操作部とあわせて操作されることとなる前記クリア操作部」に相当する構成を備えることは明らかである。 そうすると、先願発明1の構成d1、cd1、cd2と本件補正発明の構成CD1とは、前記設定値を設定する際に設定キーが挿入されて操作される前記設定キー操作部と、前記設定状態を発生させる際に前記設定キー操作部とあわせて操作されることとなる前記クリア操作部とが設けられている点で共通する。 また、先願発明1の構成d1、cd1、cd2と本件補正発明の構成CD2とは、前記設定キー操作部と前記クリア操作部とが設けられている点で共通する。 ス 構成Hについて 先願発明1の「パチンコ機10」は、本件補正発明の「遊技機」に相当するから、先願発明1の構成hは、本件補正発明の構成Hに相当する。 セ 一致点・相違点 上記ア~スより、先願発明1と本件補正発明とは、 [一致点] 「A 遊技に関する制御を行う遊技制御手段と、 B 電源遮断後においても各種情報を記憶領域に記憶保持することが可能な記憶手段と、 C 前記遊技制御手段が行う制御に関する設定値を設定する際に設定キーが挿入されて操作される設定キー操作部と、 D 前記記憶手段に記憶保持される情報を初期化するために操作されるクリア操作部と、 E 電源投入を行うための電源投入手段と、 F 外部に各種信号を出力可能な外部出力手段と、 を備え、 G 少なくとも前記遊技制御手段と前記記憶手段とが遊技制御基板に備えられ、 G1’ 前記遊技制御基板と前記設定キー操作部とは一つのケースに収容されており、 A1 前記設定キー操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入された場合、前記設定値を設定可能とする設定状態を発生させることが可能であり、 A2 前記設定キー操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入が行われ前記設定状態が発生すると、電源投入が行われた時点で設定されている前記設定値が遊技者に付与された遊技価値に関する情報を表示可能な表示部に表示されるようにされており、 D1 前記クリア操作部は、前記設定値と遊技価値に関する情報を表示可能な遊技機背面側に設けられた前記表示部の上端よりも下方位置に設けられており、 CD1’ 前記設定値を設定する際に設定キーが挿入されて操作される前記設定キー操作部と、前記設定状態を発生させる際に前記設定キー操作部とあわせて操作されることとなる前記クリア操作部とが設けられているとともに、 CD2’ 前記設定キー操作部と前記クリア操作部とが設けられている H 遊技機。」 である点で一致し、以下の相違点で一応相違する。 [相違点] ・相違点1(構成G1) 設定キー操作部について、本件補正発明では、設定キー操作部を構成する「設定基板」を設けているのに対し、先願発明1では、「設定キー挿入部68a」が「主制御基板61」に設けられている点。 ・相違点2(構成CD1、CD2) 設定キー操作部とクリア操作部との位置関係について、本件補正発明では、「設定キー操作部の上端が」「クリア操作部の上端よりも上方に位置している」とともに(構成CD1)、「設定キー操作部の下端が」「クリア操作部の下端よりも上方に位置して」いる(構成CD2)のに対し、先願発明1では、設定キー挿入部68aの右側のほぼ同一の高さの位置にリセットボタン68cが設けられている点。 (5)当審の判断 ア 上記一応の相違点1(構成G1)について検討する。 上記(3)ア(ウ)に示したとおり、遊技機の分野において、設定キーを挿入する穴をはじめとする設定変更を行うための操作手段を構成する設定基板を設け、遊技制御を行う主基板と設定基板は一つのケースに収容されているものとする技術は従来周知の技術(周知技術1)であって、設定キー挿入部68aが主制御基板61に設けられている先願発明1において、当該周知技術1を採用して、設定キー挿入部68aを備えた設定基板を設け、主制御基板61と設定基板は一つのケースに収納されているものとすることは、単なる周知技術による転換であって、新たな効果を奏するものではない。 したがって、上記相違点1は、課題解決のための具体化手段における微差にすぎない。 イ 上記一応の相違点2(構成CD1、CD2)について検討する。 (ア)先願発明1における設定キー挿入部68aとリセットボタン68cとの位置関係について、上記(2)イ(イ)で検討したとおり、先願1明細書等の図53から、設定キー挿入部68aの右側のほぼ同一の高さの位置にリセットボタン68cが設けられていることが看取されるものの、設定キー挿入部68aとリセットボタン68cとの上下方向の位置関係について言及する記載は見当たらず、先願1明細書等の記載を総合しても、両者の上下方向の位置関係を積極的に規定しようという意図があったかどうかは不明である。 (イ)ここで、上記(3)イ(エ)に示したとおり、遊技機の分野において、リセットスイッチの斜め上方に設定キースイッチが設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチの上端がリセットスイッチの上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチの下端がリセットスイッチの下端よりも上方に位置している配置とする技術は従来周知の技術(周知技術2-1)であり、また、上記(3)ウ(ウ)に示したとおり、パチンコ遊技機を含む遊技機の分野において、設定キースイッチが上方に、リセットスイッチが下方となる上下方向に設けられ、両者の位置関係は、設定キースイッチの上端がリセットスイッチの上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチの下端がリセットスイッチの下端よりも上方に位置している配置とする技術は従来周知の技術(周知技術2-2)であると認められる。 (ウ)そして、基板における複数の操作手段の配置関係は、基板の大きさや形状等のほか、基板に配置する複数の操作手段や各種部品の大きさ等に応じて当業者が適宜設計する事項であるところ、設定キー挿入部68aの右側のほぼ同一の高さの位置にリセットボタン68cが設けられている先願発明1において、上記周知技術2-1のように「リセットボタン68c」の斜め上方に「設定キー挿入部68a」を設ける配置とするか、あるいは、上記周知技術2-2のように「設定キー挿入部68a」が上方に、「リセットボタン68c」が下方となる上下方向に設ける方向とする配置とするかは、いずれも遊技機の分野で周知の配置であるから、上記一応の相違点2に係る本件補正発明の構成のように、両者の位置関係が、設定キースイッチの上端がリセットスイッチの上端よりも上方に位置しているとともに、設定キースイッチの下端がリセットスイッチの下端よりも上方に位置している配置とすることは、遊技機分野では周知技術にすぎない。 したがって、周知技術2-1又は周知技術2-2のいずれの周知技術を付加したとしても、上記相違点2は、課題解決のための具体化手段における微差にすぎない。 (エ)また、作用効果について検討するに、請求人は、審判請求書で「設定値を設定可能とする設定状態を発生するために操作される「設定キー操作部」と「クリア操作部」のうち、「設定キー操作部」が操作されて設定キーが挿入された状態であったとしても「クリア操作部」を操作する操作者の手や袖が「設定キー操作部」に挿入された設定キーに引っ掛かったりすることが少なくなり、好適に設定状態を発生させることが可能となるとともに、「設定キー操作部」に設定キーが挿入された状態での「クリア操作部」の操作を好適に行うことが可能となります。」と主張するところ、該主張を裏付ける作用効果に関する記載は本件の明細書又は図面に見当たらない。 さらに、「設定キー操作部」と「クリア操作部」を、それぞれ、右手又は左手のどちらの手を用いて操作するかに依って、操作者の手や袖が設定キーに引っ掛かるか否かが異なるうえ、補正の根拠である本件図面の図146に記載される程度に、横並びで配置されている設定キー971とRAMクリアスイッチ954のうち、設定キーを、RAMクリアスイッチ954より僅かに高い位置に配置することが、操作者の手や袖が設定キーに引っ掛かることが少なくなるという作用効果に寄与するものであるということに疑義がある。また、補正の根拠である図146の記載が、上述の操作者の手や袖が設定キーに引っ掛かることが少なくなるという作用効果を奏することを意図してなされたものと認めるに足りる根拠も見出せない。 ウ まとめ したがって、本件補正発明は、先願発明1と同一の発明である。また、本件出願の発明者が先願1の発明者と同一ではなく、また本件の出願日に、本件の出願人と先願1の出願人とが同一でもない。 よって、本件補正発明は、特許法第29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4 補正の却下の決定についてのむすび 上記3より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記第2のとおり却下された。 ここで、上記「第2」の「2(1)ア」のとおり、本件補正前の特許請求の範囲の記載について、令和3年3月11日付けで通知された最後の拒絶の理由の理由3(特許法第36条第6項第2号)において、請求項1には「当該遊技機」との記載があるが、この記載よりも前に「遊技機」の記載が無く、「当該遊技機」が何を指し示しているのかが不明確であるという指摘がなされ、その指摘を解消する目的で、本件補正により、本件補正後の請求項1の分説B、E、Fのように、「当該遊技機の」という文言を省く補正がなされた。 そこで、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2」の「1」で補正前として示した特許請求の範囲の請求項1に記載された事項から、不明確な記載である「当該遊技機の」という文言を削除した次のとおりのものと認定する(符号AA等は、分説のため当審で付した。なお、上記の解釈をした箇所は、以下で分説するBB、EE、FFの記載である。)。 本願発明 「【請求項1】 AA 遊技に関する制御を行う遊技制御手段と、 BB 電源遮断後においても各種情報を記憶領域に記憶保持することが可能な記憶手段と、 CC 前記遊技制御手段が行う制御に関する設定値を設定する際に操作される設定操作部と、 DD 前記記憶手段に記憶保持される情報を初期化するために操作されるクリア操作部と、 EE 電源投入を行うための電源投入手段と、 FF 外部に各種信号を出力可能な外部出力手段と、 を備え、 GG 少なくとも前記遊技制御手段と前記記憶手段とが遊技制御基板に備えられ、 GG1 前記遊技制御基板と前記設定操作部を構成する設定基板とは一つのケースに収容されており、 AA1 前記設定操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入された場合、前記設定値を設定可能とする設定状態を発生させることが可能であり、 AA2 前記設定操作部に対する操作を行って前記クリア操作部に対する操作を行うことなく前記電源投入手段により電源投入された場合、前記設定値を確認可能とする確認状態を発生させることが可能である HH ことを特徴とする遊技機。」 2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由2の概要は次のとおりである。 「2.(拡大先願)この出願の、令和2年10月8日付け手続補正書により補正された請求項1、2に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 ●理由2(拡大先願)について ・請求項 1、2 ・引用文献等 1-3 <引用文献等一覧> 1.特願2017-156278(特開2019-33843) 2.特開2005-211650号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2006-95049号公報(周知技術を示す文献)」 3 引用文献等 (1)先願2 原査定の拒絶の理由である拡大先願の引用文献等1として引用され、本願の出願日前の特許出願であって、本願の出願日後に出願公開された特願2017-156278(特開2019-33843)(出願日:平成29年8月12日、出願公開日:平成31年3月7日、出願人:株式会社三洋物産、発明者:倉田豪)(以下「先願2」という。)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「先願2明細書等」という。)には、「遊技機」に関し、次の事項が図とともに記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 ア 記載事項 (ア)「【発明を実施するための形態】 【0010】 本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。 A.第1実施形態: B.他の構成への適用: C.上記各実施形態等から抽出される発明群について: 【0011】 A.第1実施形態: A1.遊技機の構造: 図1は、第1実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。・・・ ・・・ 【0018】 第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。・・・ ・・・ 【0049】 主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU62xと、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムをCPU62xが実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、入出力ポート62aとを備えている。MPU62は、さらに、遊技履歴管理チップ300と、検査用端子65とを備えている。 ・・・ 【0107】 図10は、第1実施形態のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。以下では、MPU62、CPU62x、ROM63及びRAM64を、それぞれ主側MPU62、主側CPU62x、主側ROM63及び主側RAM64とも呼ぶ。」 (イ)「【0292】 また、この態様11では、パチンコ機10への電源の供給が絶たれても、コンデンサ87から供給されるバックアップ電源によって、主側RAM64に記憶された短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が数日間保持されるように構成されている。」 (ウ)「【0319】 <態様16> 上記第1実施形態及び上記の他の態様において、主側RAM64を初期化するためのRAMクリアボタンを主制御装置60に設け、RAMクリアボタンを押下しながら電源ボタンを押下するという操作(以下では「消去用操作」とも呼ぶ)が実行された場合に、主側RAM64に記憶されている情報を消去する(初期化する)構成としてもよい。」 (エ)「【0572】 <態様57> 上記第1実施形態及び上記の各態様において、パチンコ機10の主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選する確率の異なる複数の設定を有する構成としてもよい。具体的には、例えば、同じ低確率モードであっても、大当たり抽選において大当たりに当選する確率の異なる6段階の抽選設定(「抽選設定1」~「抽選設定6」)を有する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。」 (オ)「【0814】 <態様87> 上記各態様のうち、設定変更モード及び設定確認モードを実行可能な構成において、パチンコ機10の電源を一旦OFFにした後でなければ設定変更モード及び設定確認モードを実行することができない構成としてもよい。すなわち、パチンコ機10の電源を一旦OFFにし、当該パチンコ機10の電源をONにする際に所定の操作が為された場合に、当該パチンコ機10が設定変更モード又は設定確認モードを実行する構成としてもよい。以下、具体的に説明する。 【0815】 なお、上記各態様における「設定変更用の鍵穴」及び「設定変更用の鍵」は、本態様及び以下に説明する態様では、抽選設定を変更する設定変更モードに移行させる場合に限らず、抽選設定を確認する設定確認モードに移行させる場合にも用いられるため、それぞれ単に「設定用の鍵穴」及び「設定用の鍵」とも呼ぶ。 【0816】 本態様では、パチンコ機10の背面側に位置する主制御基板61には、電源スイッチと、RAMクリアボタンと、設定用の鍵穴と、設定変更用のボタンと、情報表示部45zとが設けられている。本態様のパチンコ機10は、電源スイッチが操作されて電源がONにされ、遊技の進行が可能な遊技進行モードの実行が開始された後は、当該パチンコ機10の電源を一旦OFFにした後でなければ、設定変更モード及び設定確認モードには移行できないように構成されている。そして、当該パチンコ機10の電源がONにされた際に所定の条件が満たされている場合に、設定変更モード又は設定確認モードが実行されるように構成されている。 【0817】 具体的には、本態様のパチンコ機10は、電源の投入時(ON時)に、以下の条件A1~A3の全てを満たしている場合に、設定変更モードを実行する。 条件A1:内枠13及び前扉枠14が開放状態であること 条件A2:設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していること 条件A3:RAMクリアボタンが押下されていること 【0818】 また、本態様のパチンコ機10は、電源の投入時(ON時)に、以下の条件B1~B3の全てを満たしている場合に、設定確認モードを実行する。 条件B1:内枠13及び前扉枠14が開放状態であること 条件B2:設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していること 条件B3:RAMクリアボタンが押下されていないこと ・・・ 【0833】 ここで復電フラグについて説明する。本態様では、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させる。そして、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶する。なお、商用電源からの電源の供給が絶たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わる。このように、復電フラグは、前回の電源OFF時の状態に復帰させるための情報が主側RAM64に記憶されているか否かを電源投入時に識別するためのフラグである。 ・・・ 【0853】 さらに、設定変更報知開始処理では、設定変更モードを開始したこと示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定変更モードを開始したこと示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定変更モード中のパチンコ機10の情報を表示する。ステップS11301を実行した後、ステップS11302に進む。 ・・・ 【0862】 さらに、設定確認報知開始処理では、設定確認モードを開始したこと示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する。設定確認モードを開始したこと示す情報を受信したホールコンピュータは、管理画面に設定確認モード中のパチンコ機10の情報を表示する。ステップS11401を実行した後、ステップS11402に進む。」 (カ)「【0982】 <態様98> 上記第1実施形態及び上記の態様1から態様97に含まれる1又は複数の構成を適宜差し替えたり組み合わせた構成を採用してもよい。また、上記第1実施形態及び上記の態様1から態様97に含まれる1又は複数の構成と第1実施形態以外の実施形態に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよい。また、上記第1実施形態及び上記の態様1から態様97に含まれる構成のうち、必須でない構成は、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜省略することが可能である。」 イ 先願発明2 第1実施形態及び各態様について、先願2明細書等の【0982】に「<態様98>上記第1実施形態及び上記の態様1から態様97に含まれる1又は複数の構成を適宜差し替えたり組み合わせた構成を採用してもよい。また、上記第1実施形態及び上記の態様1から態様97に含まれる1又は複数の構成と第1実施形態以外の実施形態に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよい。」と記載され、第1実施形態に複数の態様を任意の組合せで適用することの示唆がなされていることから、第1実施形態、態様11、態様16、態様57及び態様87を組み合わせることにより、先願2明細書等に記載された発明の認定を行う。 上記アの記載事項を総合すると、先願2明細書等には、以下の発明(以下「先願発明2」という。)が記載されている(符号aa~hhは、本願発明の分説AA~HHにおおむね対応させて、当審で付した。)。 先願発明2 「aa、bb、gg、gg1 主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備え、主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備え、MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU62xと、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムをCPU62xが実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである主側RAM64とを備えていて(【0049】、【0107】)、 パチンコ機10への電源の供給が絶たれても、コンデンサ87から供給されるバックアップ電源によって、主側RAM64に記憶された短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が数日間保持されるように構成されていて(【0292】)、また、パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合には、主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させ、これらの情報の主側RAM64への退避が完了した場合に、復電フラグをONにするとともに、RAM判定値(例えばチェックサム値)を算出し、算出したRAM判定値を主側RAM64に記憶し、商用電源からの電源の供給が絶たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わり(【0833】)、 主制御基板61は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容され(【0018】、【0049】)、 cc、dd、ee パチンコ機10の背面側に位置する主制御基板61には、電源スイッチと、主側RAM64を初期化するためのRAMクリアボタンと、設定用の鍵が挿入される設定用の鍵穴と、設定変更用のボタンと、情報表示部45zとが設けられ(【0319】、【0816】)、 主制御装置60は、大当たり抽選において大当たりに当選する確率の異なる複数の設定、具体的には、大当たり抽選において大当たりに当選する確率の異なる6段階の抽選設定(「抽選設定1」~「抽選設定6」)を有し(【0572】)、 ff 設定変更報知開始処理では、設定変更モードを開始したこと示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信する(【0853】)とともに、設定確認報知開始処理では、設定確認モードを開始したこと示す情報を外部端子を介して遊技ホールのホールコンピュータに送信し(【0862】)、 aa1 電源の投入時(ON時)に、以下の条件A1~A3の全てを満たしている場合に、抽選設定を変更する設定変更モードを実行するとともに、 条件A1:内枠13及び前扉枠14が開放状態であること 条件A2:設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していること 条件A3:RAMクリアボタンが押下されていること(【0815】、【0817】)、 aa2 電源の投入時(ON時)に、以下の条件B1~B3の全てを満たしている場合に、抽選設定を確認する設定確認モードを実行する 条件B1:内枠13及び前扉枠14が開放状態であること 条件B2:設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していること 条件B3:RAMクリアボタンが押下されていないこと(【0815】、【0818】)、 hh パチンコ機10(【0816】)。」 (2)周知技術 原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用され、本願の出願日前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-211650号公報(周知例1)及び同特開2006-95049号公報(周知例2)に記載の事項は、それぞれ、上記「第2」の3(3)ア(ア)、同(イ)に記載のとおりであって、周知技術1は、同(ウ)に示したとおりであって、以下に再掲する。 周知技術1 「遊技機の分野において、設定キーを挿入する穴をはじめとする設定変更を行うための操作手段を構成する設定基板を設け、遊技制御を行う主基板と設定基板は一つのケースに収容されているものとする技術。」 4 対比 (1)構成AA、BB、GGについて 先願発明2の「遊技の主たる制御を司る主制御基板61」の「MPU62」が備える「各種制御プログラムを実行するCPU62x」は、本願発明の「遊技に関する制御を行う遊技制御手段」に相当する。 また、先願発明2の「主側RAM64」が、「パチンコ機10への電源の供給が絶たれても、コンデンサ87から供給されるバックアップ電源によって、主側RAM64に記憶された短期入球個数情報群及び遊技履歴情報が数日間保持されるように構成されてい」ること、及び、「パチンコ機10の電源スイッチがOFFにされた場合や停電が発生した場合に」「主側CPU62xのレジスタに格納されている各種情報(遊技状態を示す情報や制御情報等)を主側RAM64の所定の領域に退避させ・・・商用電源からの電源の供給が絶たれた後は、コンデンサ等のバックアップ電源からの電源供給に切り替わ」ることを勘案すると、先願発明2の「主側RAM64」は、本願発明の「電源遮断後においても各種情報を記憶領域に記憶保持することが可能な記憶手段」に相当する。 さらに、先願発明2の「主制御基板61」が備える「複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62」が、「各種制御プログラムを実行するCPU62xと、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムをCPU62xが実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである主側RAM64とを備えてい」ることは、本願発明の「少なくとも前記遊技制御手段と前記記憶手段とが遊技制御基板に備えられ」ていることに相当する。 してみれば、先願発明2の構成aa、bb、gg、gg1は、本願発明の構成AA、BB、GGに相当する構成を備えている。 (2)構成CC、DD、EEについて 先願発明2の「複数の設定、具体的には、大当たり抽選において大当たりに当選する確率の異なる6段階の抽選設定(「抽選設定1」~「抽選設定6」)」は、本願発明の「設定値」に相当する。次に、先願発明2の「設定用の鍵が挿入される設定用の鍵穴」は、「設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していること」が、構成aa1の「抽選設定を変更する設定変更モードを実行する」ための条件のひとつである「条件A2」であること、及び、構成aa2の「抽選設定を確認する設定確認モードを実行する」ための条件のひとつである「条件B2」であることから、本願発明の「前記遊技制御手段が行う制御に関する設定値を設定する際に操作される設定操作部」に相当する。 また、上記(1)より、先願発明2の「主側RAM64」が本願発明の「記憶手段」に相当するから、先願発明2の「主側RAM64を初期化するためのRAMクリアボタン」は、本願発明の「前記記憶手段に記憶保持される情報を初期化するために操作されるクリア操作部」に相当する。 さらに、先願発明2の「電源スイッチ」は、本願発明の「電源投入を行うための電源投入手段」に相当する。 してみれば、先願発明2の構成cc、dd、eeは、本願発明の構成CC、DD、EEに相当する。 (3)構成FFについて 先願発明2の「遊技ホールのホールコンピュータ」は、「パチンコ遊技機10」とは別のものであるから、本願発明の「外部」に相当し、先願発明2の「設定変更モードを開始したこと示す情報」や「設定確認モードを開始したこと示す情報」は、本願発明の「各種信号」に相当し、先願発明2の「送信する」こと、「外部端子」はそれぞれ、本願発明の「出力可能」であること、「外部出力手段」に相当する。 してみれば、先願発明2の構成ffは、本願発明の構成FFに相当する。 (4)構成GG1について 先願発明2の構成cc、dd、eeより、「設定用の鍵が挿入される設定用の鍵穴」(本願発明の「設定操作部」に相当。)は、「主制御基板61」(本願発明の「遊技制御基板」に相当。)に設けられているから、先願発明2の「設定用の鍵が挿入される設定用の鍵穴」が設けられた「主制御基板61」と本願発明の「前記設定操作部を構成する設定基板」とは、設定操作部である点で共通する。 また、先願発明2の構成aa、bb、gg、gg1より、「主制御基板61は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容され」ているから、先願発明2の「基板ボックス」は本願発明の「一つのケース」に相当する。 そうすると、先願発明2の構成aa、bb、gg、gg1と本願発明の構成GG1とは、前記遊技制御基板と前記設定操作部とは一つのケースに収容されているという点で共通する。 (5)構成AA1について ア 上記(2)より、先願発明2の「抽選設定(「抽選設定1」~「抽選設定6」)」、「設定用の鍵が挿入される設定用の鍵穴」、「RAMクリアボタン」、「電源スイッチ」が、本願発明の「設定値」、「設定操作部」、「クリア操作部」、「電源投入手段」にそれぞれ相当することに加え、「電源スイッチ」を操作することにより電源が投入されることは明らかであるから、先願発明2の「電源の投入時(ON時)」は、本願発明の「前記電源投入手段により電源投入された場合」に相当する。 イ 先願発明2の「抽選設定を変更する設定変更モードを実行する」ことは、本願発明の「前記設定値を設定可能とする設定状態を発生させることが可能であ」ることに相当し、先願発明2において、「電源の投入時(ON時)に、」「設定変更モードを実行する」ために満たすことが必要な条件に含まれる「条件A2:設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していること」、「条件A3:RAMクリアボタンが押下されていること」はそれぞれ、本願発明の「前記設定操作部に対する操作」「を行って」いること、「前記クリア操作部に対する操作」「を行って」いることに相当する。 してみれば、先願発明2の構成aa1は、本願発明の構成AA1に相当する。 (6)構成AA2について 上記(5)アの検討を前提として、先願発明2の「抽選設定を確認する設定確認モードを実行する」ことは、本願発明の「前記設定値を確認可能とする確認状態を発生させることが可能である」ことに相当し、先願発明2において、「電源の投入時(ON時)に、」「設定確認モードを実行する」ために満たすことが必要な条件に含まれる「条件B2:設定用の鍵が設定用の鍵穴に挿入されてON側に位置していること」、「条件B3:RAMクリアボタンが押下されていないこと」はそれぞれ、本願発明の「前記設定操作部に対する操作を行って」いること、「前記クリア操作部に対する操作を行うことな」いことに相当する。 してみれば、先願発明2の構成aa2は、本願発明の構成AA2に相当する。 (7)構成HHについて 先願発明2の「パチンコ機10」は、本願発明の「遊技機」に相当するから、先願発明2の構成hhは、本願発明の構成HHに相当する。 (8)一致点・相違点 上記(1)~(7)より、先願発明2と本願発明とは、 [一致点] 「AA 遊技に関する制御を行う遊技制御手段と、 BB 電源遮断後においても各種情報を記憶領域に記憶保持することが可能な記憶手段と、 CC 前記遊技制御手段が行う制御に関する設定値を設定する際に操作される設定操作部と、 DD 前記記憶手段に記憶保持される情報を初期化するために操作されるクリア操作部と、 EE 電源投入を行うための電源投入手段と、 FF 外部に各種信号を出力可能な外部出力手段と、 を備え、 GG 少なくとも前記遊技制御手段と前記記憶手段とが遊技制御基板に備えられ、 GG1’ 前記遊技制御基板と前記設定操作部とは一つのケースに収容されており、 AA1 前記設定操作部に対する操作と前記クリア操作部に対する操作とを行って前記電源投入手段により電源投入された場合、前記設定値を設定可能とする設定状態を発生させることが可能であり、 AA2 前記設定操作部に対する操作を行って前記クリア操作部に対する操作を行うことなく前記電源投入手段により電源投入された場合、前記設定値を確認可能とする確認状態を発生させることが可能である HH 遊技機。」 である点で一致し、以下の相違点で一応相違する。 [相違点] ・相違点3(構成GG1) 設定操作部について、本願発明では、設定操作部を構成する「設定基板」を設けているのに対し、先願発明2では、「設定用の鍵が挿入される設定用の鍵穴」が「主制御基板61」に設けられている点。 5 当審の判断 (1)上記一応の相違点3(構成GG1)について検討する。 上記3(2)に示したとおり、遊技機の分野において、設定キーを挿入する穴をはじめとする設定変更を行うための操作手段を構成する設定基板を設け、遊技制御を行う主基板と設定基板は一つのケースに収容されているものとする技術は従来周知の技術(周知技術1)であって、設定用の鍵が挿入される設定用の鍵穴が主制御基板61に設けられている先願発明2において、当該周知技術1を採用して、設定用の鍵が挿入される設定用の鍵穴を備えた設定基板を設け、主制御基板61と設定基板は一つのケースに収納された設定基板に配置することは、単なる周知技術による転換あって、新たな効果を奏するものではない。 したがって、上記相違点3は、課題解決のための具体化手段における微差にすぎない。 (2)まとめ したがって、本願発明は、先願発明2と同一の発明である。また、本件出願の発明者が先願2の発明者と同一ではなく、また本件の出願日に、本件の出願人と先願2の出願人とが同一でもない。 よって、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである。 (2)請求人の主張について ア 請求人の主張の概要 請求人は、審判請求書において、概ね次の主張を行っている。 「(C)補正の却下の決定に至る審査について 審査官殿は最後の拒絶理由通知(令和3年3月11日起案)において「拡大先願」をご認定された「引用文献1」と異なる「新たな文献1」をあげ、最後の拒絶理由通知に応答した後の本願発明(令和3年4月26日付け提出の手続補正)においても「拡大先願」の拒絶の理由を有していることから「補正の却下の決定」をされ、拒絶査定に至ったものであります。 ・・・ このため、今回の審査の過程における最後の拒絶理由通知でご認定された「拡大先願」と「補正の却下の決定」でご認定された「拡大先願」は適用条文が共通する同じ拒絶の理由ではありますが、拡大先願とする文献がそれぞれのご認定で異なっていることから本質的に異なる拒絶の理由であったと思料いたします。 そして、意見書を提出する機会がなく「新たな文献1」によって「補正の却下の決定」がなされた点においては「不意打ち」であったのではないかと疑問に感じております。 今後、今回と同様に最後の拒絶理由通知にて「拡大先願」の拒絶の理由をご認定され、この最後の拒絶理由通知に応答した後の発明が最後の拒絶理由通知にて通知した「拡大先願」の拒絶の理由を解消された心象を有したものの、再サーチによって新たな文献が見つかり、これにより再度「拡大先願」の拒絶の理由がある場合は補正の機会をいただけたら幸いです。」 イ 当審の判断 (ア)上記「第2」の補正の却下の決定では、先願1に基づき拡大先願(特許法第29条の2)の要件を満たしていないことを理由に独立特許要件違反であるとして、審判請求時補正である本件補正を却下したものである。そして、当該先願1(上記アの請求人の主張における「最後の拒絶理由通知(令和3年3月11日起案)において「拡大先願」をご認定された「引用文献1」と異なる「新たな文献1」」を指す。)は、審査において、令和3年9月9日付けでなされた同年4月26日付け手続補正を却下する決定(以下「審査時補正却下」という。)において引用された先願である。 (イ)出願人である請求人は、本件審判請求を行うにあたり、審査時補正却下の理由を把握したうえで反論及び手続補正を行う機会があったものと認められ、また、現実に、請求人は、審判請求書において、原査定の理由のみならず、審査時補正却下の理由に対し反論を行っている(審判請求書における「2)理由2(拡大先願)を解消していることについて」「(B)令和3年9月9日付け起案の「補正の却下の決定」においてご認定された、以下の拒絶の理由を解消していることについて」の項目を参照。)。 そうすると、上記「第2」の補正の却下の決定において、独立特許要件違反であるとして本件補正を却下した理由が、請求人にとって全く予期し得ない想定外のものであったとはいえず、請求人にとって手続保障に欠けるところはない。 (ウ)また、本件補正を却下した後の本願発明の判断においては、上記のとおり、原査定で示された引用文献等1~3だけを引用しているのであるから、あらためて拒絶理由を通知しなくても、手続に法律上の違背はない。 (エ)よって、請求人の主張を採用することはできない。 6.むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないので、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2021-016932

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決541件(株式会社大一商会)
  • 2026-005347拒絶査定不服審判 / 2026-06-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
  • 2025-010763拒絶査定不服審判 / 2026-06-23 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
  • 2025-009717拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
  • 2025-009718拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
  • 2025-009719拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社大一商会
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)3,224件(161・A63F、537・A63F、55・A63F ほか)
  • 2021-016933拒絶査定不服審判 / 2022-09-06 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 161・A63F、537・A63F、55・A63F、575・A63F
  • 2021-016934拒絶査定不服審判 / 2022-09-06 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 161・A63F、537・A63F、55・A63F、575・A63F
  • 2023-022150拒絶査定不服審判 / 2024-07-01 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 161・A63F、537・A63F、55・A63F
  • 2023-000181拒絶査定不服審判 / 2024-03-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 161・A63F、537・A63F、55・A63F
  • 2022-003690拒絶査定不服審判 / 2022-11-22 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 537・A63F、55・A63F、575・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存