商標拒絶査定不服審判
2021-016463
ケアドライヤー、ケア
- 審判番号
- 2021-016463
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-117205
- 請求日
- 2021年12月01日
- 審決日
- 2022年10月14日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ツインバード工業株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W11)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-117205拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「CARE DRYER」の欧文字及び「ケアドライヤー」の片仮名を2段に書してなり、第11類「美容院用頭髪乾燥機,家庭用電熱用品類」(以下「原審商品」という。)を指定商品として、令和2年9月23日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年2月8日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月22日に意見書が提出されたが、同年9月7日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対し、令和3年12月1日に拒絶査定不服審判の請求がされ、本願の指定商品は、同日受付の手続補正書により、第11類「美容院用頭髪乾燥機,家庭用ヘアドライヤー」(以下「当審補正商品」という。)に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「CARE DRYER」の欧文字及び「ケアドライヤー」の片仮名を普通に用いられる方法で2段に表してなるところ、構成中の「CARE」の欧文字は「〔物の〕手入れ、ケア」の意味を、「DRYER」の欧文字は「乾燥器、ドライヤー」の意味を有する語として、一般に使用されており、また、構成中の「ケアドライヤー」の片仮名は、「CARE DRYER」の欧文字の読みを表したものと容易に理解されるものであって、原審商品を取り扱う業界において、頭髪や頭皮などの手入れ(ケア)のできる機能を有するドライヤーが取引されている実情があり、そのようなドライヤーに、「ケアドライヤー」の文字が使用されている。そうすると、本願商標を、原審商品中、「美容院用頭髪乾燥機,家庭用ヘアドライヤー」に使用する場合は、これに接する取引者、需要者は、「(頭髪などの)手入れをすることのできるドライヤー」であることを認識するにとどまるものである。したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「(頭髪などの)手入れをすることのできるドライヤー」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和4年6月24日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲1及び別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和4年7月14日受付の回答書(以下「回答書」という。)を提出し、回答書において、要旨、以下、1及び2のとおりの意見を述べた。
1 「ドライヤー」は、本来的に頭髪を「ケア」するものではないため、「ケア」という語はドライヤーという商品の一般名称ではない。また、審尋で引用されたウェブサイトにおいて、「〇〇ケアドライヤー」と文中で記載しているものはあるが、語頭に何の語も結合されずに「ケアドライヤー」と称しているものはなく、請求人以外の者が、頭髪や頭皮のケア(手入れ)ができるドライヤーを「ケアドライヤー(care dryer)」と称して使用している実情を見いだすことはできない。
2 「ケアドライヤー」と同様に、「○○ドライヤー」の登録例が多数あり、これらの登録例は、独自の識別力を有するものとして、登録に至ったものであるから、本願商標も同様に、登録されるべきである。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性
本願商標は、「CARE DRYER」の欧文字及び「ケアドライヤー」の片仮名を2段に書してなるところ、その構成中の「ケアドライヤー」の片仮名は、「CARE DRYER」の欧文字の読みを表したものと理解されるものであり、本願商標の構成中の「CARE」の欧文字及び「ケア」の片仮名は、「手入れ、ケア」を、「DRYER」の欧文字及び「ドライヤー」の片仮名は、「乾燥機、ドライヤー」(いずれも「ジーニアス英和辞典 第5版」発行者:株式会社大修館書店)の意味を有する語であるから、本願商標は、構成全体として「ケア(手入れ)をするドライヤー」程の意味合いを認識させるものである。
そして、別掲1のとおり、当審補正商品を取り扱う業界において、頭髪や頭皮のケア(手入れ)をするドライヤーが製造、販売されている実情があることが認められ、また、別掲2のとおり、当審補正商品を取り扱う業界において、請求人以外の者が、頭髪や頭皮のケア(手入れ)ができるドライヤーを「ケアドライヤー(care dryer)」と称している実情があることが認められる。
そうすると、本願商標を、当審補正商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、「頭髪や頭皮のケア(手入れ)をする商品」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第4条第1項第16号該当性について
上記第1のとおり、本願の指定商品は、当審補正商品に補正されたことにより、本願商標を当審補正商品に使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれはない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、「「ドライヤー」は、本来的に頭髪を「ケア」するものではないため、「ケア」という語はドライヤーという商品の一般名称ではない。また、審尋で引用されたウェブサイトにおいて、「〇〇ケアドライヤー」と文中で記載しているものはあるが、語頭に何の語も結合されずに「ケアドライヤー」と称しているものはなく、請求人以外の者が、頭髪や頭皮のケア(手入れ)ができるドライヤーを「ケアドライヤー(care dryer)」と称して使用している実情を見いだすことはできない。」旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、構成全体として「ケア(手入れ)をするドライヤー」程の意味合いを認識させるものであり、別掲1のとおり、当審補正商品を取り扱う業界において、頭髪や頭皮のケア(手入れ)をするドライヤーが製造、販売されている実情があり、別掲2のとおり、請求人以外の者が、頭髪や頭皮のケア(手入れ)ができるドライヤーを「ケアドライヤー(care dryer)」と称している実情があることが認められることから、本願商標を、当審補正商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、「頭髪や頭皮のケア(手入れ)をする商品」であることを無理なく理解するものと判断するのが相当である。
また、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号,同年9月4日判決参照)と判示されていることからすると、仮に、請求人以外の者が、頭髪や頭皮のケア(手入れ)ができるドライヤーを、語頭に何の語も結合せず、「ケアドライヤー(care dryer)」のみで使用している事例がないとしても、上記のとおり、本願商標を、当審補正商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、「頭髪や頭皮のケア(手入れ)をする商品」であることを無理なく理解するものと判断するのが相当であって、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性が否定されるものではない。
(2)請求人は、「「ケアドライヤー」と同様に、「○○ドライヤー」の登録例が多数あり、これらの登録例は、独自の識別力を有するものとして、登録に至ったものであるから、本願商標も同様に、登録されるべきである。」旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、請求人の挙げる登録例の存在によって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するという判断に影響を与えるものではない。
(3)以上のとおり、請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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