商標拒絶査定不服審判
2022-006500
モイストケア、モイスト、ケア
- 審判番号
- 2022-006500
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-027941
- 請求日
- 2022年04月28日
- 審決日
- 2023年03月02日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】高梨 範夫
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W05) / T18 .272-Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 27941拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年3月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月27日付け:拒絶理由通知書
令和3年12月 9日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 1月31日付け:拒絶査定
令和4年 4月28日 :審判請求書の提出
令和4年10月28日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「モイストケア」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、指定商品については、前記1における手続補正書により、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「モイストケア」の文字を標準文字で表示してなるところ、その構成中の「モイスト」及び「ケア」の各文字は、それぞれ、「湿った。湿気のある。湿潤。」及び「介護。世話。手入れ。」の意味を有する語として親しまれているから、その構成全体からは、「湿潤に関しての手入れ」程の意味合いを容易に認識させる。そして、医療や美容関係の分野では、創傷治療の一である湿潤治療を称する語として、あるいは保湿化粧品・せっけん類に関して、肌や髪などの乾燥・カサつきなどを防止、改善するといった意味合いで「モイストケア」の語が一般に使用されている。そうすると、本願商標をその指定商品中「湿潤治療用又は肌や髪などの保湿効果を有する薬剤・同医療用試験紙・同医療用油紙・同医療用接着テープ・同ガーゼ・同ばんそうこう・同包帯・同包帯液」に使用しても、これに接する取引者・需要者は、その商品の品質又は用途を表示したものであると理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識しない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記商品以外の「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,ガーゼ,ばんそうこう,包帯,包帯液」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和4年10月28日付け審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、前記4の審尋に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「モイストケア」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「モイスト」の文字は「湿り気があること。また、そのさま。湿潤。」の意味を有する英語「moist」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)の読みを片仮名表記したものであり、「ケア」の文字は「介護。世話。手入れ。」等の意味を有する語(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)であるから、本願商標の構成全体からは「湿潤の手入れ、湿潤に関する手入れ」程の意味合いを容易に認識し得るものである。
そして、医療に関する分野では、創傷治療の一つとして知られる「湿潤療法」を意味する語として「モイストケア」の文字が使用されており、当該療法では、傷口を水で洗い流し、創面を専用の創傷被覆材(ドレッシング材)で密封するところ(別掲1)、本願の指定商品を取り扱う分野では、湿潤療法(モイストケア)に用いられる創傷被覆材やドレッシング材が販売されている実情があることがうかがえる(別掲2)。
そうすると、本願商標をその指定商品中「湿潤治療用薬剤・同医療用試験紙・同医療用油紙・同医療用接着テープ・同ガーゼ・同ばんそうこう・同包帯・同包帯液」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「湿潤療法(モイストケア)用の商品」という商品の品質、用途を表示したものと認識、理解させるにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を前記商品以外の「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,ガーゼ,ばんそうこう,包帯,包帯液」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は特定の明確かつ具体的な意味合いを直ちに想起させるものではなく、実際の商品取引の場においても、本願商標「モイストケア」が本願の指定商品との関係において、商品の品質表示として使用されていない旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成全体から「湿潤の手入れ、湿潤に関する手入れ」程の意味合いを容易に認識し得るものであること、そして、本願の指定商品と密接な関係にある医療に関する分野では、創傷治療の一つとして知られる「湿潤療法」を意味する語として「モイストケア」の文字が使用されており、当該療法では、傷口を水で洗い流し、創面を専用の創傷被覆材(ドレッシング材)で密封するところ(別掲1)、本願の指定商品を取り扱う分野では、湿潤療法(モイストケア)に用いられる創傷被覆材やドレッシング材が販売されている実情があることから(別掲2)、本願商標をその指定商品中「湿潤治療用薬剤・同医療用試験紙・同医療用油紙・同医療用接着テープ・同ガーゼ・同ばんそうこう・同包帯・同包帯液」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「湿潤療法(モイストケア)用の商品」という商品の品質、用途を表示したものと認識、理解させるにとどまることは前記(1)のとおりである。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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