審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標異議申立

2023-900133

ルージュプレミア、ルージュプルミエ、プレミア、プルミエ

審判番号
2023-900133
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-115016
登録番号
6688374
請求日
2023年06月02日
審決日
2024年03月11日
公報発行日
2024年07月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】シャネル エス アー エール エル
  • 【異議申立人】パルファン クリスチャン ディオール
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T1651.13 -Y (W03) / T1651.16 -Y (W03) / T1651.272-Y (W03) / T1651.261-Y (W03) / T1651.262-Y (W03) / T1651.263-Y (W03)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第11号、商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6688374号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6688374号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6688374号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROUGE PREMIER」の欧文字を標準文字で表してなり、令和4年10月6日に登録出願、第3類「メイクアップ用化粧品」を指定商品として、同5年1月19日に登録査定、同年4月11日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第6253404号商標(以下「引用商標」という。)は、「グレイシィ プレミアムルージュ」の片仮名及び「Gracy Premium Rouge」の欧文字を上下二段に書してなり、令和元年6月27日に登録出願、第3類「口紅」を指定商品として、同2年5月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第3条第1項第3号、同項第6号、同法第4条第1項第11号及び同項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第48号証を提出した。 (1)商標法第3条第1項第3号該当性 ア 「ROUGE」の記述性 ROUGEの語は本来、フランス語で「赤い」の意味を有する形容詞であり(甲2)、フランス語においては口紅を表す場合の接尾辞としても使用される。日本語でも、「口紅」は「ルージュ」と呼ばれており、当該色と口紅の関連性は密接である。ROUGEに相当する片仮名「ルージュ」について、広辞苑第七版には「(「赤」の意)口紅。頬紅。」の記載があり(甲3)、一般的に「ルージュ」の語は「口紅」を意味するものと理解されるといえる(口紅で伝言を書くという意味の歌詞の「ルージュの伝言」というヒット曲(1975年)以来、特に一般化したともいえる)。特許庁類似商品・役務審査基準にも、第3類「化粧品」の範ちゅうに、商品「紅」が掲載されており、参考英語訳として「cosmetic rouge」が用いられている。特許庁J-PlatPat上の商品・役務名検索では、「ほお紅及び口紅」の対訳として「Rouge」が使用されている。「ROUGE」又は「ルージュ」の語は、「口紅」を表す一般的な語であるところ、日本国内における取引者及び需要者によって一般的に使用されている取引の実情を示す(甲4~甲16)。これらの証拠中では、「ルージュ(口紅)」の表記や、口紅を意味する語として単に「ルージュ」のみの使用が認められる。 また、「Rouge」及び「ルージュ」の語は、口紅の商品名として日本国内で一般的に使用されている(甲17~甲38)。 以上に示したとおり、日本語の辞書的意味において、また、化粧品業界における取引の実情においても、「ROUGE」ないし「ルージュ」の語は「口紅」を表すものとして一般的に通用されており、当該語が化粧品等の商品について使用された場合、取引者及び需要者はその商品が「口紅」であることを単に認識するにとどまり、出所表示機能又は自他商品役務識別機能を果し得ない。 イ 「PREMIER」の記述性 PREMIERは、英語で「最高級の、第一級の」という意味の形容詞であって(甲39)、例えば、英国サッカーの最高峰リーグである「プレミアリーグ」を示す外来語としても認識されている。よって、PREMIERの語が化粧品について使用された場合、その商品が「最高級の」「第一級の」品質を持つという意味が単に認識されるものであり、やはり識別力を欠く語である(甲40、甲41)。 プレミア(Premier)と共通性の高い語として、プレミアム(Premium)の語がある。プレミアムの語は、本来的には「割増金」等の意味であって、通常よりも高い価値があることを意味する語であり、「Premier」と「Premium」の両語は、外国語においては本来的な意味に若干の差異があるが、広辞苑第七版で「プレミア」の語を引くと、「プレミアムの略」との記載があり、日本語において「プレミア」及び「プレミアム」の両語は同義の意味を持つ語として使用、認識されていることが確認できる。このことは審決(甲42)でも認定されている事実であり、両語が同義語として理解されているとみるのが相当であるとされている。また、日本語においては「プレミア」が「プレミアム」の略語として使用されており、両語は同義の語として認識されている(甲43)。 「PREMIRE(プレミア)」及び「PREMIUM(プレミアム)」の語について、単に商品の品質を表す語であるから識別力がないと判断された例は多数ある。 本件商標についても、「PREMIER」の文字からは「第一級の、高級の」という意味が単に生じるものであって、商品の品質表示にすぎない。また、化粧品業界における宣伝広告において、「PREMIER」又は「PREMIUM」の語が商品の品質を表す語として一般的に使用されている取引の実情を示す(甲43~甲47)。これらの使用例においては、「プレミアム」の語は単に「高品質な」という意味で商品・役務の品質・質を表しており、出所識別標識として機能していないことは明らかである。 ウ 「ROUGE PREMIER」全体の記述性 上記ア及びイで詳述した内容をまとめると、本件商標の文字は、化粧品に係る取引者及び需要者をして、「第一級の口紅」、「最高の口紅」や「高級な口紅」の意味合いを理解させる。たとえ「口紅」が想起されないとしても、「ROUGE」(ルージュ)からは、「ほお紅」などの「紅」(cosmetic rouges)が想起されるため、本件商標が指定商品「メイクアップ用化粧品」について使用された場合、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章というべきであり、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第1項第6号該当性 本件商標が単に前記意味合いを生じるものであること、また高級品や廉価品を問わず、これらの広告宣伝等において一般的に使用されている語から構成されていることを考慮すると、仮に商標法第3条第1項第3号に該当しないとしても、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであり、需要者は何人かの業務に係る商品であることを認識できないものであって、同項第6号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第16号該当性 上記のとおり、本件商標からは「第一級の口紅(もしくは紅)」の意味が生じるため、本件指定商品「メイクアップ用化粧品」中の「紅」以外の商品に本件商標が使用された場合、それらの商品との関係において不実を表すものであり、品質の誤認を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第11号該当性 「ルージュ」の語が口紅の商品名称として一般的に使用されていることを既に述べたが、株式会社資生堂が商品名「プレミアムルージュ」を使用している。当該商品は、「GRACY」というラインナップで販売されている(甲38)。 株式会社資生堂は、「グレイシィ プレミアムルージュ\Gracy Premium Rouge」の文字からなる引用商標を保有しているが、前記のとおり「グレイシィ\Gracy」の文字は製品ラインナップのブランド名であるところ、その余の「Premium Rouge」の文字から生ずる観念は「高品質な口紅」の意味合いであり、本件商標「Rouge Premier」と同一又は類似する。 引用商標は識別力のある「Gracy」の文字を含んでいるため、全体として出所識別機能を有しているが、前記のとおり、本件商標については識別力が認められない。 しかしながら、もし本件商標に識別力が認められるとすれば、引用商標の構成中の「プレミアムルージュ\Premium Rouge」部分と生ずる観念が同一又は類似するものである。また、当該部分を比較すれば、「Rouge」と「Premier」ないし「Premium」の語順が逆であるのみで、外観上相紛らわしいものであり、称呼の類似性も認められる。 また、識別力あるブランド名と個別商品名は、観念的な連関性がなく分離観察され得るので、引用商標の「Premium Rouge」部分と本件商標「Rouge Premier」を対比した場合には、両商標は類似する商標といえる。 すなわち、本件商標は、引用商標と類似する商標であるにもかかわらず、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は、上記1のとおり、「ROUGE PREMIER」の欧文字を標準文字で表してなるものである。 ア 本件商標の構成中「ROUGE」は、フランス語で「赤い」の意味を有し(甲2)、当該文字に通ずる片仮名「ルージュ」は、広辞苑第七版に「(「赤」の意)口紅。頬紅。」の記載がある(甲3)。 また、「ルージュ(ROUGE)」の語は、本件商標の登録査定前から口紅を表すものとして使用されているといえる(甲4、甲7、甲8、甲10~甲13、甲15~甲17、甲35、甲36)。 イ 本件商標の構成中「PREMIER」は、名詞として「総理大臣、首相」の意味を有し、形容詞として「第1位の、首位の、最初の」の意味を有する英語である(甲39)。 また、NHK放送文化研究所のウェブサイトには、「「プレミアム」か?「プレミア」か?」の見出しの下、「解説」の項に「プレミア 「プレミアム」の略。・・・英語では「プレミアム」と「プレミア」とで意味が異なります。「premium」(プレミアム)は、「賞、賞品」「割増金」などの意味や、「上等な、上質な」といった意味があり、「premiere」(プレミア)は「初日、初演」「最初の、主要な」、「premier」(プレミア)は「首相」「最高の」という意味があります(「ランダムハウス英和大辞典」小学館・2002)。」の記載がある(甲43)。 以上からすると、片仮名「プレミア」が「プレミアムの略」であるとしても、本件商標の構成中「PREMIER」は、「第1位の、首位の、最初の」の意味を有するものの、「上等な、上質な」という商品の品質を表す意味を有するものとはいえない。 ウ 上記ア及びイからすれば、本件商標の「ROUGE PREMIER」の欧文字からは、「首位の紅」程の漠然とした意味合いを連想、想起させ得るとしても、全体として商品の具体的な品質等を表したものとは認識されるとはいい難い。 そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、商品の品質等を具体的に表示するものではなく、商品の品質について誤認を生ずるおそれもない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 (2)商標法第3条第1項第6号該当性について 本件商標は、上記(1)のとおり、申立人提出の証拠によれば、「首位の紅」程の意味合いを連想、想起させ得るものの、その指定商品の具体的な品質等を表すものとはいい難く、また、その指定商品を取り扱う業界において一般に広く使用されているともいい難い。 そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、自他商品の出所識別標識としての機能を有しないものとはいえず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とは認められない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標は、上記1のとおり、「ROUGE PREMIER」の欧文字を標準文字で、同書、同大にまとまりよく一体的に表したものであるから、その構成文字に相応して、「ルージュプレミア」の称呼を生じ、「首位の紅」程の意味合いを認識させる。 イ 引用商標は、上記2のとおり、「グレイシィ プレミアムルージュ」の片仮名及び「Gracy Premium Rouge」の欧文字を上下二段に書してなるところ、上段の片仮名は、下段の欧文字の読みを特定するために付されたものと容易に認識され、その構成文字は、まとまりよく一連一体に表されていることより、当該構成文字に相応して、「グレイシィプレミアムルージュ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。 ウ 本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、横一列と二段書き、「グレイシィ」及び「Gracy」の文字の有無、「PREMIER」と「プレミアム」及び「Premium」の文字の相違、かつ、「ROUGE」の文字が語頭又は語尾に配置されている点において相違し、互いに異なる語を表してなると認識、理解できるから、外観上の印象に差異がある。 また、称呼においては、本件商標から生じる「ルージュプレミア」の称呼と引用商標から生じる「グレイシィプレミアムルージュ」の称呼とは、全体の音数において明らかな差異を有し、互いに聴別することができ、紛れるおそれはない。 そして、観念においては、「首位の紅」程の意味合いを認識する本件商標に対して、特定の観念を生じない引用商標とは、観念において紛れるおそれはない。 以上を踏まえると、本件商標と引用商標は、外観上の印象に差異があり、称呼及び観念において相紛れるおそれはないから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 エ したがって、本件商標は、引用商標とは、同一又は類似する商標ではないから、その指定商品が同一又は類似するかに関わらず、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号、同法第4条第1項第11号及び同項第16号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2023-900133

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存