商標拒絶査定不服審判
2021-015261
ヒナタバイコスメクリニック、バイコスメクリニック、ヒナタ、コスメクリニック
- 審判番号
- 2021-015261
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-150774
- 請求日
- 2021年11月09日
- 審決日
- 2022年08月17日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社コスメクリニック
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 【請求人代理人】古岩 信幸
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35) / T18 .265-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-150774拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は,令和2年12月7日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年4月30日付け:拒絶理由通知
令和3年5月14日 :意見書の提出
令和3年9月7日付け :拒絶査定
令和3年11月9日 :審判請求書及び手続補正書の提出
第2 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,登録出願され,指定役務については,上記第1の手続補正書により,第35類「商品の販売に関する情報の提供,商取引の受注管理,商取引の媒介・取次ぎ又は代理,商品・役務の買い手及び売り手のためのオンライン市場の提供,広告業,マーケティング,輸出入に関する事務の代理又は代行,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おむつの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下に掲げるとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第4642112号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 ヒナタ (標準文字)
指定商品 第5類「芳香効果・消臭効果を有する防虫剤,その他の防虫剤,その他の薬剤」
登録出願日 平成14年4月3日
設定登録日 平成15年1月31日
2 登録第6185337号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 hinata(標準文字)
指定商品 第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」を含む第21類及び第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
登録出願日 平成30年1月24日
設定登録日 令和元年10月4日
3 登録第6227062号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 hinata(標準文字)
指定商品 第3類「身体用消臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」を含む第3類,第5類及び第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
登録出願日 平成30年1月24日
設定登録日 令和2年2月18日
以下,引用商標1ないし引用商標3をまとめて「引用商標」という。
第4 当審の判断
1 本願商標と引用商標について
(1)本願商標と引用商標1について
本願は,その指定役務について,上記第1の手続補正書により,上記第2のとおりの役務に補正された結果,引用商標1と類似の役務は削除されたと認められる。
その結果,本願の指定役務は,引用商標1の指定商品と類似しない役務となった。
(2)本願商標と引用商標2及び引用商標3(以下,これらをまとめて「対象引用商標」という。)について
ア 本願商標
本願商標は,別掲のとおり,「hinata」の欧文字(以下「上段文字部分」という。)を筆記体風の書体で横書きし,その下に,「by Cosme Clinic」の欧文字(以下「下段文字部分という。」)をゴシック体風の書体で小さく横書きしてなるところ,上段文字部分と下段文字部分は異なる書体で表されていることに加え,下段文字部分の構成文字は,上段文字部分の構成文字のおよそ10分の1ないし15分の1程度の大きさで,非常に小さく表されていることから,視覚上分離して看取されるものである。
そして,大きく表された上段文字部分は,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを生じることのない一種の造語として理解されるものである。また,下段文字部分は,その構成中,「by」の文字が「《手段・方法・原因》~によって」等の意味を,「Clinic」の文字が「(医科大学・病院などの)外来患者診療所」等の意味を有する語(ともに「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館)である一方,「Cosme」の文字は,「化粧品」との関係において,「化粧品」の意味を有する「コスメティック」の語に通じる場合があるから,下段文字部分全体として,「化粧品の診療所による」程度を暗示させるものの,特定の意味合いを生じるとまではいえないものである。
してみれば,上段文字部分と下段文字部分は,観念的な繋がりを有するものではない。
また,本願商標全体から生じる「ヒナタバイコスメクリニック」の称呼は,若干冗長であり,その他に,上段文字部分と下段文字部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせないから,上段文字部分は,独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえ,本願商標は,上段文字部分を要部として抽出し,他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである。
したがって,本願商標は,構成文字全体に相応して生じる「ヒナタバイコスメクリニック」の称呼のほかに,その構成中,独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得る,大きく表された上段文字部分の構成文字に相応して,「ヒナタ」の称呼をも生じ,特定の観念は生じないものである。
イ 対象引用商標
対象引用商標は,いずれも「hinata」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,上記アのとおり,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを生じることのない一種の造語として理解されるものである。
したがって,対象引用商標は,いずれもその構成文字に相応して,「ヒナタ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
ウ 本願商標と対象引用商標の類否
本願商標の要部である上段文字部分と対象引用商標とを比較すると,外観は,それぞれの構成文字の書体における若干の差異はあるものの,いずれも「hinata」の文字を表したものと容易に認識できる一般的な書体といえるものであって,文字のつづりを共通にするものであるから,両者は外観において似通った印象を与えるものである。
また,称呼においては,上段文字部分と対象引用商標は,いずれも「ヒナタ」の称呼を生じるから,両者は,称呼上,同一である。
さらに,観念においては,上段文字部分と対象引用商標とは,いずれも特定の観念を生じないから,両者は,観念上,比較することはできない。
以上によれば,上段文字部分と対象引用商標とは,観念上比較することはできないものの,外観が似通った印象を与えるものであって,称呼を同一とするものであるから,その外観,称呼及び観念が,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合すれば,本願商標と対象引用商標は,商品又は役務の出所について誤認を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標の指定役務と対象引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定役務中の第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は,引用商標2の指定商品中の第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」と,また,本願商標の指定役務中の第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は,引用商標3の指定商品中の第3類「身体用消臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」と同一又は類似の商品を取扱商品とするものである。
そして,小売等役務とその取扱商品という関係にあるものは,一般的に,同一の事業者に係るものが多く,その商品の販売場所と役務の提供場所,及び取引者,需要者の範囲を共通にするものである。
そうすると,本願の上記指定役務と対象引用商標の上記指定商品に,同一又は類似の商標の使用をするときは,それぞれの商品と役務の間に出所の混同を生じるおそれがあるものであるといえる。
してみれば,本願の上記指定役務と対象引用商標の上記指定商品とは,互いに類似するものと認められる。
オ 小括
本願商標と対象引用商標とは,相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定役務は,対象引用商標の指定商品と類似のものを含むものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は,「日向(ひなた)」の語は、日常的に使用される既成語であり,商標として又は商標の一部として頻繁に使用されるから,「hinata」の文字は、自他役務識別標識として機能し難い一方で,「by Cosme Clinic」の文字がより強い自他役務識別機能を発揮し得ること,さらに「ヒナタバイコスメクリニック」の称呼がさほど冗長でないことから,本願商標が全体として構成上まとまりのよい印象を与え,「hinata」の文字のみが抽出されて「ヒナタ」の称呼が生じることはない旨述べているが,上記(2)アのとおり,本願商標の上段文字部分は,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを生じることのない一種の造語として理解されるものであり,独立して自他役務の識別標識として機能を有するものである。
したがって,請求人の主張は採用できない。
2 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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