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特許拒絶査定不服審判

2021-013769

配索材及び配索材の製造方法、並びに配索材の接続構造

審判番号
2021-013769
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-086562外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年10月08日
審決日
2022年06月27日
公報発行日
2022年08月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H01B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017- 86562「配索材及び配索材の製造方法、並びに配索材の接続構造」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 6月28日出願公開、特開2018-101600、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年4月25日(優先権主張 平成28年12月16日)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 3年 1月20日付け :拒絶理由通知書 令和 3年 3月12日 :意見書、補正書の提出 令和 3年 8月25日付け :拒絶査定(原査定) 令和 3年10月 8日 :審判請求書、補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和3年8月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願の請求項1-8に係る発明は、以下の引用文献1及び2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開昭55-113211号公報 2.特開2002-84634号公報(周知技術を示す文献) 第3 本願発明 本願の請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は、令和3年10月8日にされた手続補正の特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-8は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 板厚方向に積層された複数の平型導体と、 隣接する前記平型導体間に介装されて各平型導体間を電気的に絶縁する絶縁シート材と、 前記絶縁シート材を挟んで積層された前記複数の平型導体の周囲に形成された絶縁層と、 前記絶縁層で覆われた前記複数の平型導体の周囲を覆うシールド層と、 前記シールド層の外側に設けられた他の絶縁層と、 を備え、 前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の長手方向の両端部に位置する一対の接続部のみが露出し、 前記複数の平型導体の前記長手方向の一端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記平型導体の幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の一側から他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の一側から他側に移動するように、配置され、 前記複数の平型導体の前記長手方向の他端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の前記一側から前記他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の前記他側から前記一側に移動するように、配置されていることを特徴とする配索材。 【請求項2】 複数の平型導体が電気的に互いに絶縁されるように、前記複数の平型導体のうち隣接する前記平型導体間に絶縁シート材を介装する絶縁工程と、 前記複数の平型導体を前記絶縁シート材と共に板厚方向に積層する積層工程と、 積層された前記複数の平型導体の周囲に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、 前記絶縁層で覆われた前記複数の平型導体の周囲をシールド層で覆うシールド層形成工程と、 前記シールド層の外側に他の絶縁層を設ける他の絶縁層形成工程と、 を含み、 前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の長手方向の両端部に位置する一対の接続部のみが露出し、 前記複数の平型導体の前記長手方向の一端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記平型導体の幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の一側から他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の一側から他側に移動するように、配置され、 前記複数の平型導体の前記長手方向の他端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の前記一側から前記他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の前記他側から前記一側に移動するように、配置されていることを特徴とする配索材の製造方法。 【請求項3】 前記絶縁層を形成する前に、積層された前記複数の平型導体を所定形状に折り曲げる曲げ工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の配索材の製造方法。 【請求項4】 請求項1に記載の複数の前記配索材における前記複数の平型導体の前記各接続部が互いに電気的に接続される接続部分には、前記両接続部間の設置高さの違いによる隙間を吸収するためのスペーサが介装されることを特徴とする配索材の接続構造。 【請求項5】 請求項1に記載の複数の前記配索材における前記複数の平型導体の前記各接続部が互いに電気的に接続される接続部分には、前記両接続部間の設置高さの違いによる隙間を吸収するための折り曲げ部が少なくとも一方の前記平型導体の前記各接続部に形成されることを特徴とする配索材の接続構造。 【請求項6】 請求項1に記載の前記配索材における前記複数の平型導体の前記各接続部と、前記各接続部に電気的に接続される分岐接続部材の各接続片との間には、両部材間の設置高さの違いによる隙間を吸収するためのスペーサが介装されることを特徴とする配索材の接続構造。 【請求項7】 請求項1に記載の前記配索材における前記複数の平型導体の前記各接続部と、前記各接続部に電気的に接続される分岐接続部材の各接続片との少なくとも一方には、両部材間の設置高さの違いによる隙間を吸収するための折り曲げ部が形成されることを特徴とする配索材の接続構造。 【請求項8】 請求項6又は7に記載の前記分岐接続部材が、絶縁性の分岐ボックス内に収容されていることを特徴とする配索材の接続構造。」 第4 引用文献・引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている。(当審注:下線は、参考のために当審で付与したものである。以下同様である。) 「本発明は,通信機,電子計算機等の電子機器類の装置筐体内の電源供給線として使用されるラミネート・パワーバスバーに関する。 一般に,ラミネート・パワーバスバーというのは,積層構造をした導体板からなり電源供給等に用いる母線を意味する。このラミネート・パワーバスバーを電源供給線路として使用した場合,低い特性インピーダンスの給電線とすることができ,良質の電源を供給することができる。また,その使用は,配線スペース,実装スペース等の見地からも効果的である。このため,近年,この種のラミネート・パワーバスバーが,広く通信機等の筐体内の電源供給線として使用されている。 第1図は,従来より一般的に使用されているラミネート・パワーバスバーの構造を示すもので,第2図は,その断面図である。このラミネート・パワーバスバーは,複数の板状導体1をポリ塩化ビニルシート等からなる絶縁体2を介して積層したものである。板状導体1には,配線用引出し端子3が突出して設けられている。また,板状導体1と絶縁体2とを積層したものの外面,特に側壁には,エポキシ樹脂等の絶縁被覆4が施されている。」(第1頁左欄第16行~第2頁左上欄第2行) 「この発明は,かかる問題点を解決すべくなされたもので,交流周波数に対しシールド効果を有し,交流電源供給線として使用し得るラミネート・パワーバスバーを得ることを目的としている。 以下,本発明を図面に示した実施例に基いて説明する。 第3図は,本発明のラミネート・パワーバスバーの一部を示すもので,第4図は,そのA-A断面図である。図面中,第1図または第2図と同符号のものは,同一物を指称するものであるから,説明を省略する。 本発明のラミネート・パワーバスバーは,複数枚の板状導体1を絶縁体2を介して積層すると共に,該板状導体1の1又は2以上をその間に挾むようにシールド用板状導体5を複数枚積層し,かつ,該シールド用板状導体5に挾まれる板状導体1の少なくとも一方の側面を絶縁体2aを介して覆うように該シールド用板状導体5の側面を互に導体5aで結合したものである。 シールド用板状導体5は,この実施例では板状導体2枚ごとに設けられているが,間に挾む板状導体1の枚数によって適当な間隔をもって積層される。その形状は,板状導体1と同様か,または,それよりやや幅の広いものが用いられる。 シールド用板状導体5の側面を結合する導体5aは,板状導体1の側面を電磁的に遮蔽するためのものである。これには,たとえば,金属の薄板,金属箔,金属網等が用いられる。また,シールド用板状導体5の少なくとも一方の面を結合すれば,板状導体1の大部分を導体で囲むことになるので,十分なシールド効果を持たせることができる。図面に示した実施例は,配線用引出し端子3a等が設けられていない側面において,シールド用板状導体5を導体5aにより結合した例である。 絶縁体2aは,シールド用板状導体5の側面を結合する導体5aと板状導体lとを絶縁するものである。これには,たとえば板状導体1を積層する際に使用する絶縁体2と同一の材料を用いることができる。 このような構成によれば,板状導体1が,シールド用板状導体5及び導体5aとによつて囲まれているため,複数組の板状導体1が互いに電磁遮蔽され,他の部分の影響を受けないようにすることができる。」(第2頁左上欄第15行~右下欄第4行) 「第3図 [図:0001387214000001.jpg] 」 第3図から、各板状導体1の側端部に突出して設けられた配線用引出し端子3a~3eは、それぞれが重ならないように配置され、絶縁被覆4が施された側壁から露出していることが見て取れる。また、絶縁体2は、板状導体1とシールド用板状導体5の間にも形成されていることが見て取れる。 上記記載から、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「複数枚の板状導体1をポリ塩化ビニルシート等からなる絶縁体2を介して積層すると共に,該板状導体1の1又は2以上をその間に挾むようにシールド用板状導体5を複数枚積層するとともに、板状導体1とシールド用板状導体5の間に絶縁体2を形成し、かつ、該シールド用板状導体5に挾まれる板状導体1の少なくとも一方の側面を絶縁体2aを介して覆うように該シールド用板状導体5の側面を互に導体5aで結合したものであり、各板状導体1の側端部に突出して設けられた線用引出し端子3a~3eは、それぞれが重ならないように配置され、絶縁被覆4が施された側壁から露出する、ラミネート・パワーバスバー。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,自動車に搭載される高電圧用電気接続箱に収容されるバスバーおよび該バスバーの作成方法に関するものである。」 「【0019】上記電気接続箱3の内部には図2に示すように,略平板形状の回路体5を上下に積層配置している。これら積層配置される1つの回路体5は,上記低電圧系バスバー10と高電圧系バスバー11とを一つの絶縁板12に配置している。上記低電圧系バスバー10,高電圧系バスバー11とは,回路設計上の効率によりランダムに配置位置を設定している。言い換えれば,低電圧系バスバー10を一方側にまとめ,高電圧系バスバー11を他方側にまとめて配置することはしていない。 【0020】上記高電圧系バスバー11および低電圧系バスバー10には,接続相手方の端子との電気接触部となるタブ10a、11aを屈折して形成している。上記高電圧系バスバー11には,上記タブ11aを除いて,その全面に絶縁樹脂系の塗料20を塗布している。 【0021】上記のように,高電圧系バスバー11に絶縁塗料20を塗布しておくと,低電圧系バスバー10と隣接配置された箇所,および高電圧系バスバー同士が隣接配置された箇所において,リーク電流が発生するのを防止することができる。 【0022】上記回路体5の作成手順は下記の工程よります。 (1)一枚の導電板を回路形状に沿って打抜加工し,その後,所要箇所にタブを折り曲げ加工して形成する。この状態では,各回路は分断されていない。 (2)この状態で絶縁板上に分断前のバスバーを配置する。 (3)絶縁板上に載置したバスバーをカッターで分断して,回路毎に分離する。 (4)ついで,バスバーに穿設されている穴に絶縁板に突設したリブを挿入してバスバーを絶縁板に加締め固定する。 (5)バスバーに設けたタブ等の電気接触部をマスキングする。 (6)絶縁塗料をバスバーの表面に吹き付け塗布し,塗布後にマスキングを外す。 【0023】上記作成手順によると,絶縁板上に露出しているバスバーの表面に絶縁塗料を容易に塗布することができる。 【0024】なお,バスバーのみをタブをマスキングして,絶縁塗料槽に浸漬して,図3に示すように、バスバーの全周に絶縁塗料20を塗布してもよい。」(当審注:上記記載の(1)ないし(6)は、それぞれ○の中に数字の1ないし6が記載された文字を示す。) 「【図3】 [図:0001387214000002.jpg] 」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「ポリ塩化ビニルシート等からなる絶縁体2を介して積層」される「複数枚の板状導体1」は、本願発明1の「板厚方向に積層された複数の平型導体」に相当し、引用発明の「複数枚の板状導体1をポリ塩化ビニルシート等からなる絶縁体2を介して積層する」際に用いられる「ポリ塩化ビニルシート等からなる絶縁体2」は、本願発明1の「隣接する前記平型導体間に介装されて各平型導体間を電気的に絶縁する絶縁シート材」に相当する。 イ 引用発明の「板状導体1とシールド用板状導体5の間に」形成された「絶縁体2」及び「板状導体1の少なくとも一方」に形成された「絶縁体2a」と、本願発明1の「前記絶縁シート材を挟んで積層された前記複数の平型導体の周囲に形成された絶縁層」は、「前記絶縁シート材を挟んで積層された前記複数の平型導体の外部に形成された絶縁層」である点で共通する。 ウ 引用発明の「シールド用板状導体5」及び「該シールド用板状導体5に挾まれる板状導体1の少なくとも一方の側面を絶縁体2aを介して覆うように該シールド用板状導体5の側面を互に導体5a」と、本願発明1の「前記絶縁層で覆われた前記複数の平型導体の周囲を覆うシールド層」は、「前記絶縁層で覆われた前記複数の平型導体の外部を覆うシールド層」である点で共通する。 エ 引用発明の「各板状導体1の側端部に突出して設けられた線用引出し端子3a~3eは、それぞれが重ならないように配置され、絶縁被覆4が施された側壁から露出する」構成は、本願発明1の「前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の長手方向の両端部に位置する一対の接続部のみが露出」する構成と「前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の端部に位置する接続部が露出」している構成である点では共通するといえる。 オ 引用発明の「ラミネート・パワーバスバー」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「配索材」に相当するといえる。 カ したがって、本願発明1と引用発明との間には、以下の一致点及び相違点があるといえる。 (一致点) 「板厚方向に積層された複数の平型導体と、 隣接する前記平型導体間に介装されて各平型導体間を電気的に絶縁する絶縁シート材と、 前記絶縁シート材を挟んで積層された前記複数の平型導体の周囲に形成された絶縁層と、 前記絶縁層で覆われた前記複数の平型導体の周囲を覆うシールド層と、 を備え、 前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の端部に位置する接続部が露出している、 ことを特徴とする配索材。」 (相違点1) 本願発明1は、「シールド層の外側に設けられた他の絶縁層」を備えるのに対し、引用発明は、最上面の「シールド用板状導体5」、最下面の「シールド用板状導体5」及び「導体5a」の外側に絶縁層を備えていない点。 (相違点2) 本願発明1は、「前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の長手方向の両端部に位置する一対の接続部のみが露出し、前記複数の平型導体の前記長手方向の一端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記平型導体の幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の一側から他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の一側から他側に移動するように、配置され、前記複数の平型導体の前記長手方向の他端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の前記一側から前記他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の前記他側から前記一側に移動するように、配置されている」のに対し、引用発明では、対応する特定事項を備えていない点。 (2)判断 事案に鑑みて上記相違点2について、先に検討する。 引用文献2には、バスバーの長手方向の両端部のタブ11a(「接続部」に相当する。)を除いて絶縁塗料を塗布し、バスバーの長手方向の両端部のタブ11aを露出することが示されている(図3参照。)が、このタブ11aは、接続相手方の端子との電気接触部となるために、屈折して形成されているから、引用文献2に記載されたバスバー10、11は、絶縁体を介して積層された複数の板状導体からなるものではない。 そうすると、「複数枚の板状導体1をポリ塩化ビニルシート等からなる絶縁体2を介して積層する」構成を備える、引用発明の「ラミネート・パワーバスバー」に、上記引用文献2に記載されたバスバーの端子の構成を採用する動機付けはないといえる。 相違点2に係る本願発明1の「前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の長手方向の両端部に位置する一対の接続部のみが露出」し、「前記複数の平型導体の前記長手方向の一端部に位置する前記複数の接続部は,前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記平型導体の幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の一側から他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の一側から他側に移動するように、配置され、前記複数の平型導体の前記長手方向の他端部に位置する前記複数の接続部は,前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の前記一側から前記他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の前記他側から前記一側に移動するように、配置されている」という構成は,引用文献1,2には記載されておらず、示唆されてもおらず、本願の優先日前において周知技術であったともいえないから、引用発明において、相違点2に係る本願発明1の構成を想到することはできない。 したがって、相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献1及び2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.本願発明2、3について 本願発明2は、本願発明1の「配索材」に対応する「配索材の製造方法」の発明であり、上記相違点2に対応する 「前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の長手方向の両端部に位置する一対の接続部のみが露出し、前記複数の平型導体の前記長手方向の一端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記平型導体の幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の一側から他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の一側から他側に移動するように、配置され、前記複数の平型導体の前記長手方向の他端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の前記一側から前記他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の前記他側から前記一側に移動するように、配置されている」 と同様の構成を備えるものでありから、上記1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。 また、本願発明3は、本願発明2をさらに限定したものであるから、上記本願発明2と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。 3.本願発明4―8について 本願発明4-8は、本願発明1の「配索材」の接続構造に係るものであり、本願発明4-8は、本願発明1の「前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の長手方向の両端部に位置する一対の接続部のみが露出し、前記複数の平型導体の前記長手方向の一端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記平型導体の幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の一側から他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の一側から他側に移動するように、配置され、前記複数の平型導体の前記長手方向の他端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の前記一側から前記他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の前記他側から前記一側に移動するように、配置されている」と同じ構造を備えるものであるから、上記1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。 第6 原査定について 審判請求時の補正により、本願発明1-8は、 「前記複数の平型導体の各々は、前記平型導体の長手方向の両端部に位置する一対の接続部のみが露出し、前記複数の平型導体の前記長手方向の一端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記平型導体の幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の一側から他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の一側から他側に移動するように、配置され、前記複数の平型導体の前記長手方向の他端部に位置する前記複数の接続部は、前記板厚方向からみたときに互いに重ならないように前記幅方向にオフセットし、かつ、前記各接続部の前記板厚方向の位置が前記板厚方向の前記一側から前記他側に移動するにつれて前記各接続部の前記幅方向の位置が前記幅方向の前記他側から前記一側に移動するように、配置されている」 という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-013769

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