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特許拒絶査定不服審判

2021-013485

画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム

審判番号
2021-013485
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-152722外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年10月05日
審決日
2022年07月20日
公報発行日
2022年08月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (A61B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-152722「画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 2月20日出願公開、特開2020- 25780、請求項の数(21)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年8月14日の出願であって、令和2年7月20日付けで拒絶理由が通知され、同年9月24日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月9日付けで拒絶理由が通知され、令和3年2月12日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月29日付けで拒絶査定されたところ、同年10月5日に拒絶査定審判の請求がなされたものである。その後当審において、令和4年2月16日付けで拒絶理由が通知され、同年4月19日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 原査定の概要 原査定(令和3年6月29日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。 本願の請求項1ないし18に係る発明は、以下の引用文献4に記載された発明及び引用文献2、3、5ないし7に記載された事項に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 2.特開2005-218581号公報(周知技術を示す文献) 3.国際公開第2018/101985号(周知技術を示す文献) 4.特開平5-38334号公報 5.国際公開第2018/104682号(周知技術を示す文献) 6.国際公開第2017/091833号(周知技術を示す文献) 7.特開2005-129065号公報(周知技術を示す文献) 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は、次のとおりである。 本願の請求項1ないし18に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特開平4-261649号公報 引用文献2:特開2018-64627号公報 引用文献3:特表2000-506642号公報 引用文献4:特表2002-500795号公報 引用文献5:特開2005-218581号公報(原査定の引用文献2) 第4 本願発明 本願の請求項1ないし21に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明21」という。)は、令和4年4月19日提出の手続補正書により手続補正された特許請求の範囲の請求項1ないし21に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 なお、本願発明2ないし19は、本願発明1を減縮した発明である。また、本願発明20及び21は、それぞれ、本願発明1に対応する方法及びプログラムの発明であり、本願発明1とカテゴリー表現が異なるだけの発明である。 「 【請求項1】 放射線撮影された2次元画像内の照射野領域を抽出する画像処理装置であって、 グリッド除去処理、散乱線低減処理、ノイズ低減処理、対数変換処理及び正規化処理のうち少なくともいずれか一つの前処理を前記2次元画像に施す処理手段と、 2次元画像と、該2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかを示す情報とを含む学習データを用いて学習したニューラルネットワークに前記前処理された2次元画像を入力することにより、入力された前記前処理された2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかの確率を示す確率マップを、照射野候補領域として推論する推論手段と、 前記推論された照射野候補領域に対する輪郭抽出処理により得た前記照射野領域の輪郭候補と前記確率マップとを用いて前記照射野領域の輪郭に関する判定を行い、前記判定に基づいて前記照射野領域の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、 前記輪郭に基づいて前記照射野領域を抽出する領域抽出手段と、 を備える画像処理装置。」 第5 引用文献、引用発明等 1 引用文献1について (1)引用文献1の記載 当審拒絶理由に主たる文献として引用された特開平4-261649号公報(当審拒絶理由の引用文献1、以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審において付与した。以下同じ。) 「【0029】また、本発明による放射線画像解析装置は、被写体の放射線画像の画像データを出力する画像データ出力手段と、前記画像データを入力とし、前記放射線画像の分割パターン認識、照射野認識、撮影体位認識、および/または撮影部位認識の認識結果を表わす特徴量を出力とするニューラルネットワークからなる特徴量演算手段とを備えたことを特徴とするものである。」、 「【0031】 【作用および効果】本発明による放射線画像解析方法および装置は、放射線画像の各画素に対応する画像データをニューラルネットワークに入力することにより、放射線画像の分割パターン認識、照射野認識、撮影体位認識、および/または撮影部位認識の認識結果を表わす特徴量を出力するものであるから、簡単な構成により、精度の高い各種認識を行なうことができる。 【0032】なお、上記照射野内の各画素の画像データ全てをニューラルネットワークに入力することに代えて、例えば照射野の各画素をひとつおきに取り出して、この取り出した画像データを入力する等、照射野内の各画素に対応する画像データの一部のみをニューラルネットワークに入力するようにすると、記憶容量の低減化等を図ることができる。」、 「【0035】図示しないX線撮影装置を用いたX線撮影により得られた、X線画像が記録された蓄積性蛍光体シート11は、まず弱い光ビームで走査してこのシート11に蓄積された放射線エネルギーの一部のみを放出させて先読みを行なう先読手段100の所定位置にセットされる。」、 「【0038】得られた先読画像信号Spは、コンピュータシステム40に入力される。このコンピュータシステム40は、本発明の放射線画像解析装置の一例を内包するものであり、CPUおよび内部メモリが内蔵された本体部41,補助メモリとしてのフロッピィディスクが挿入されドライブされるドライブ部42,オペレータがこのコンピュータシステム40に必要な指示等を入力するためのキーボード43および必要な情報を表示するためのCRTディスプレイ44から構成されている。」、 「【0043】コンピュータシステム40においては、先読画像信号Spに基づいて、ニューラルネットワークを用いて放射線画像の分割パターン、照射野、撮影体位、および/または撮影部位が認識され、次いで本読みの際の読取条件が求められる。 【0044】前記先読画像信号Spは図2に示すように、ニューラルネットワーク45に入力され、放射線画像の分割パターン、照射野、撮影体位、および/または撮影部位が認識され、それぞれの認識結果である特徴量が出力される。」、 「【0047】図4は誤差逆伝播学習(バックプロパゲーション)機能を備えたニューラルネットワークの一例を表わした図である。誤差逆伝播学習(バックプロパゲーション)とは、前述したように、ニューラルネットワークの出力を正解(教師信号)と比べることにより、出力側から入力側に向かって順次結合の重み(シナプス結合のウェイト)を修正するというものである。」、 「【0056】照射野と撮影部位が既知の多数のX線画像を記録された蓄積性蛍光体シートから先読画像信号Spが間引きされて上記n1個の入力F1,F2,…,Fn1が求められる。このn1個の入力F1,F2,…,Fn1が図3に示すニューラルネットワークに入力され、各ユニットUk,iの出力Yk,iがモニタされる。 【0057】各出力Yk,iが求められると、最終的な出力であるY3,1,Y3,2と、この画像に関し正しい画像点を示す教師信号(x座標を示す“Y3,1”およびy座標を示す“Y3,2”)との二乗誤差 【0058】【数4】 [図:0001387205000001.jpg] 【0059】【数5】 [図:0001387205000002.jpg] 【0060】が求められる。この二乗誤差E1,E2がそれぞれ最小となるように、以下のようにして各結合の重みWk,i;k+1,jが修正される。」、 「【0101】慣性項α、学習係数ηとしてたとえばα=0.9、η=0.25を用いて各結合の重みWk,i;k+1,jの修正(学習)をたとえば20万回行ない、その後は、各結合の重みWk,i;k+1,jは最終の値に固定される。この学習の終了時には2つの出力Y3,1,Y3,2はそれぞれ照射野および撮影部位を略正しく表わす信号となる。」、 「【0104】学習が終了した後は、照射野および撮影部位が未知のX線画像を表わす先読画像信号Spが求められ、この先読画像信号Spが図4に示すニューラルネットワークに入力され、それにより得られた出力Y3,1,Y3,2がそのX線画像の照射野および撮影部位を表わす信号となる。この信号は、上記のようにして学習を行なった後のものであるため、照射野および撮影部位を精度良く表わしている。」、 「【0110】次に、上記のようにしてニューラルネットにより認識された照射野を表わす2値パターン信号の後処理方法について説明する。」、 「【0127】この2値画処理は図8に示すように照射野2値パターン信号の照射野エッジ部分に微分処理を施すことによって正確な照射野エッジを検出しようとするものである。 【0128】すなわち、ニューラルネットワークから出力された照射野2値パターン信号では2値の境界が本来の照射野エッジ位置と必ずしも一致しないが、その誤差量はわずかであるからこの照射野2値パターン信号における2値の境界付近のみに微分処理を施すことによって正確な照射野エッジを容易に検出することができる。 【0129】上記2つの2値画処理により求められた照射野に基づき、原画像の読取条件および画像処理条件が決定される。」、 【0140】「本発明は、蓄積性蛍光体シートを用いるシステムにのみ用い得るものではなく、従来のX線フイルムを用いる装置等にも用いることができる」、 図2 「 [図:0001387205000003.jpg] 」、 図4 「 [図:0001387205000004.jpg] 」、 図5 「 [図:0001387205000005.jpg] 」、 図8 「 [図:0001387205000006.jpg] 」 (2)引用文献1に記載された発明 上記(1)の記載及び図面を総合すると、引用文献1は、【0032】の記載を踏まえると、記憶容量との関係において、放射線画像の各画素に対応する全ての画像データをニューラルネットワークに入力することを否定するものでないことが理解できるから、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 「X線撮影により得られた放射線画像の照射野を求める放射線画像解析装置であって、 照射野が未知の放射線画像の各画素に対応する全ての画像データをニューラルネットワークに入力することにより、認識された照射野を表わす照射野2値パターン信号を出力し、 ニューラルネットワークから出力された照射野2値パターン信号の照射野エッジ部分に微分処理を施すことによって正確な照射野エッジを検出し、微分処理を施した照射野2値パターン信号に基づいて照射野を求めるものであり、 ニューラルネットワークは、その出力を正解(教師信号)と比べる誤差逆伝播学習機能を備え、照射野が既知の放射線画像の各画素に対応する全ての画像データをニューラルネットワークに入力し、その出力と正しい画像点を示す教師信号との二乗誤差が最小となるように、ニューラルネットワークの各結合の重みの修正(学習)を行なうものである、 放射線画像解析装置。」 2 引用文献2について 当審拒絶理由に引用された特開2018-64627号公報(当審拒絶理由の引用文献2、以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。 【0026】「前処理回路109は、画像データの前処理を行う回路を具備している。ここで、前処理とは、データ収集装置106により収集された生の画像データに対して、放射線検出装置104の特性に起因する特性バラつきを補正し、後段の処理を適切に行うようにするための各種補正処理を含む。」、 【0027】「前処理回路109は、放射線検出装置104の種類によって適切な補正を選ぶようになっている。補正には、ダーク補正、ゲイン補正、欠陥補正、及び画像データの対数変換処理などがある。ダーク補正は、放射線検出装置104の固定パターンノイズなどを除去するための補正である。ゲイン補正は、放射線検出装置104の感度を撮像面内で均一化するための補正である。欠陥補正は、放射線検出装置104の製造過程で含まれる欠陥画素を周囲の画素から補間するための補正である。」、 【0049】「ステップS301において、前処理回路109により得られた前処理済み画像に対して、解析準備処理が行われる。解析準備処理は、後段の処理での輪郭抽出精度を向上することを目的とした処理で、対象構造に合わせた処理が選択される。解析準備処理は、画像信号の正規化処理、抽出する輪郭を強調するためのエッジ強調処理、階調変換処理、ノイズ低減処理、及び演算される画像方向を一定にするための回転処理を含む。また、解析準備処理は、放射線検出装置104のピクセルサイズが異なる場合に画像上の被写体サイズを正規化するための拡大縮小処理を含む。」 上記記載によれば、引用文献2には、次の技術的事項が記載されている。 「生の放射線画像データに対して、放射線検出装置の特性に起因する特性バラつきを補正するために、ダーク補正、ゲイン補正、欠陥補正、及び画像データの対数変換処理などの前処理を行い、前処理済み画像に対して、後段の処理での輪郭抽出精度を向上することを目的として、エッジ強調処理、階調変換処理、画像信号の正規化処理、ノイズ低減処理、及び回転処理を含む解析準備処理を行うこと、また、解析準備処理は、放射線検出装置のピクセルサイズが異なる場合に画像上の被写体サイズを正規化するための拡大縮小処理を含むこと。」 3 引用文献3について 当審拒絶理由に引用された特表2000-506642号公報(当審拒絶理由の引用文献3、以下「引用文献3」という。)には、次の(1)及び(2)の事項が記載されている。 (1)「図5は、ニューラルネットワーク検出器/分類器を用いた微少石灰化検出のための通常のCADシステム500の一般処理ブロックを示している。このシステムは、前処理部520、特徴抽出およびルールベース/ヒューリスティック分析部530、並びに統計/ニューラルネットワーク(NN)分類器540を含んでいる。 第1に、このシステムは、ディジタル/ディジタル化マンモグラム510を受け取る。ここで、前処理部520は、胸部領域を区分し、画像中の全信号対雑音比レベルを高める。この初期状態では、複数の対象となる領域(region of interest:ROI)が、石灰化のクラスタを潜在的に含む胸部の局所領域を表すように定められる。 ・・・ 最後に、残りのROIが、正および負のROI間で識別を行うように訓練された統計分類器またはニューラルネットワークによって処理される。」(第28頁下から5行目~第29頁11行目)、 図5 「 [図:0001387205000007.jpg] 」 上記(1)の記載及び図面によれば、引用文献3には、次の技術的事項が記載されている。 「ニューラルネットワーク検出器/分類器を用いた微少石灰化検出のための通常のCADシステム500の一般処理では、ディジタル化マンモグラム510は、前処理部520により、画像中の全信号対雑音比レベルを高めてから、ニューラルネットワーク検出器/分類器540に入力し、ニューラルネットワークによって処理され、微少石灰化(クラスタ)位置が出力されること。」 (2)「図7は、ニューラルネットワーク710~716への入力として提供される入力画像から「統合特徴ピラミッド(integrated feature pyramid)」(IFP)を生成する。このIFPは、幾つかのスケールで構築された特徴を含んでおり、ニューラルネットワークがcoarse-to-fine探索を利用し、画像全体のうちの小領域のみを処理できるようにしている。 すなわち、IFPは、4レベル階層構造(レベル0からレベル3まで)を含むHPNNアーキテクチャへの入力として用いられる。HPNNへの入力は、画像ピラミッドの四つの異なるレベルにおける各特徴である。結果として、HPNNは、四つのニューラルネットワーク710、712、714および716を備える。ここで、ニューラルネットワーク716は、レベル3特徴からのデータを、ニューラルネットワーク714への入力として機能するその隠れユニット(図示せず)の出力を用いて処理するなど、各ニューラルネットワークは、階層的方法によって処理を行う。 IFP内の複数の特徴は、可操縦フィルタ(steerable filter;以下で説明する)を介して、数個の画像スケール720~726における方位付け「エネルギ」に分類される。すなわち、ガウスピラミッド発生器705は、入力信号、例えば入力画像(マンモグラム、写真、ビデオフレームなど)の標本の数個の画像スケール720~726を有するガウスピラミッドを構築する。 ・・・ HPNNは、探索中の解像度における特徴画像の各々の同じ位置から単一の画素を入力として受け取る。HPNNは、階層的文脈入力(すなわち、レベル3ネットの隠れユニットの出力はレベル2ネットへの入力である)も受け取る。HPNNの出力は、所与の位置に微少石灰化が存在する確率であってその入力に基づいて条件付けされた確率の推定値である。HPNNを微少石灰化検出のタスクに適用する際、検出結果は、特定の隠れユニットがダクトの位置に関する情報を表すように見えることを示し、HPNNが文脈(context)を用いて微少石灰化の検出精度を高めることを暗に示している。 X線医は個々の石灰化の位置を特定する際に小さな誤差を生じさせることが多いので、偽陽性を削減するために式9のDL誤差関数を用いてニューラルネットワークを訓練する。このような誤差は、一般に、正しい位置の±2画素以内にあるものと思われる。 ラスタ走査ではHPNNが入力の各画素ごとに適用され、レベル0ネットワークの出力から確率マップが構築される。このマップは、微少石灰化が所与の画素位置にある確率(0.0~1.0で連続)のネットワークの推定値を表す。訓練およびテストは、ジャックナイフプロトコルを用いて行った。このプロトコルによれば、データの半分が訓練に使用され、残りの半分がテストに使用される。 所与のROIに対して、ネットワークによって作成された確率マップは、バイナリ検出マップを作成するために所与の値(0.0~1)にしきい値が設定される。領域成長(region growing)は、個々の領域の数を計数するために用いられる。この領域の数が特定のクラスタ基準以上であるとROIは正に分類され、それ以外の場合は負に分類される。」(第30頁1行目~第33頁4行目)、 図7 「 [図:0001387205000008.jpg] 」 上記(2)の記載及び図面によれば、引用文献3には、次の技術的事項が記載されている。 「HPNNは、四つのニューラルネットワーク710、712、714および716を備え、HPNNが入力画像(マンモグラムなど)の各画素ごとに適用され、レベル0ネットワークの出力から確率マップが構築され、このマップは、微少石灰化が所与の画素位置にある確率(0.0~1.0で連続)のネットワークの推定値を表すこと。」 4 引用文献4について 当審拒絶理由に引用された特開2002-500795号公報(当審拒絶理由の引用文献4、以下「引用文献4」という。)には、次の事項が記載されている。 「【特許請求の範囲】 1.対象輪郭を表わす最小路を決める点を自動的に供給する段階を含む、対象を表わす点によって形成される強度画像を処理する方法であって、 強度画像のデータを捕捉する段階と、 画像の所与の点が対象に関連する画像の所定の領域に属する可能性を示す確率値の数値を求め、該確率値から対象の輪郭モデルを導出する段階と、 該画像モデル及び該確率値に基づいて画像を3次元マトリックス画像へ変換する段階と、 該3次元マトリックス画像中で該最小路を決定するために動的プログラミングを行う段階とを含む方法。 ・・・ 4.確率値は、原画像の点に関連する局部及び文脈上の強度情報を考慮に入れるベクトルのための入力と、点が原画像の所定の領域に属する確率を示す確率値を与えるための出力とを有するニューラルネットワークによって与えられる、請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の方法。 ・・・ 6.処理された画像は医用X線ディジタル画像であり、対象は心臓の左心室であり、対象輪郭は大動脈弁限界点及び頂部によって構成される少なくとも3つの重要な点を含む、請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の方法。」 上記記載によれば、引用文献4には、次の技術的事項が記載されている。 「心臓の左心室を表わす点によって形成される医用X線ディジタル画像を処理する際、画像の所与の点が心臓の左心室に関連する画像の所定の領域に属する可能性を示す確率値の数値を求め、該確率値から左心室の輪郭モデルを導出するものであり、確率値は、画像の点が画像の所定の領域に属する確率を示す確率値を与えるための出力を有するニューラルネットワークによって与えられること。」 5 引用文献5について 当審拒絶理由及び原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-218581号公報(当審拒絶理由の引用文献5、原査定の引用文献2、以下「引用文献5」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0049】 本実施形態では、矩形と判定された場合、ステップS201で抽出された上下左右の4方向の照射野端候補点に対し別々に最も多くの照射野端候補点を通る直線を算出する。 【0050】 具体的には、例えば、Hough変換を用いて直線を算出すれば良い。抽出された照射野端候補点の座標を(xi,yi)、その点を通る直線と原点の距離をρ、その直線の法線がx軸となす角をθとするとき、この直線は、以下の(4)式で表される。 【0051】 【数4】 [図:0001387205000009.jpg] 【0052】 ここで、x-y平面上の2点の照射野端候補点を通る直線を定めるパラメータ値ρ、θは、2点の照射野端候補点に対応する曲線の交点の座標として与えられる。 よってρ-θパラメータ平面において、最も多くの曲線が交差する点に対応する直線が最も多くの照射野端候補点を通る直線となる。そこで、このように算出した4つの直線に囲まれる領域を、図6のように矩形の照射野領域とすればよい。また、直線の決定方法は、その他のものを用いてもよく、例えば、各照射野端候補点との平均2乗誤差が最小となる直線を算出してもよい。 【0053】 以上のようにして照射野領域を決定することで、図5のように照射野端の角の特徴点を抽出できない場合や誤抽出された特徴点が存在する場合においても高精度に矩形の照射野領域を抽出することが可能である。ここで、矩形用の照射野認識は、本実施形態で述べた方法に限定されるものではなく、矩形に特化したその他の照射野認識方法を用いてもよい。」、 図2 「 [図:0001387205000010.jpg] 」、 図5 「 [図:0001387205000011.jpg] 」、 図6 「 [図:0001387205000012.jpg] 」 6 引用文献6について 原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2018/101985号(原査定の引用文献3、以下「引用文献6」という。)には、次の事項が記載されている。原文に続けて訳文を記載する。訳文は対応する特表2019-508072号公報を参考にした。 「In another embodiment, the controller 17 may be configured to continuously train the deep neural network online to automatically detect the scenes 12 containing the target anatomical object(s) 30 or 149, additional anatomical objects 32, landmarks 42, etc. after the initial training is complete.」(第16頁9~12行目) 「別の実施形態では、コントローラ17は、初期訓練が完了した後、標的の解剖学的対象物30または149、追加の解剖学的対象物32、ランドマーク42などを含むシーン12を自動的に検出するために、ディープニューラルネットワークをオンラインで連続的に訓練するように構成することができる。」 7 引用文献7について (1)引用文献7の記載 原査定の拒絶の理由に主たる文献として引用された特開平5-38334号公報(原査定の引用文献4、以下「引用文献7」という。)には、次の事項が記載されている。 「【請求項4】 照射野絞りをかけて放射線が照射されて放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに励起光を照射し、この励起光照射により前記シートから発せられた輝尽発光光を光電的に読み取って前記放射線画像情報を担う画像信号を得る光検出手段と、 前記画像信号から、前記蓄積性蛍光体シート上の各位置におけるデジタル画像データを求める信号変換手段と、 放射線照射野内に含まれる所定の点からシート端部に向かう放射状の複数の方向に沿った前記画像データを入力とし、前記蓄積性蛍光体シート上の放射線照射野のエッジ部分であると考えられるエッジ候補点検出のためのしきい値を出力とするニューラルネットワークと、 前記しきい値に基づいてエッジ候補点を求めるエッジ候補点検出手段と、 これらのエッジ候補点に沿った線で囲まれる領域を放射線照射野と認識する認識手段とからなることを特徴とする放射線照射野認識装置。」 (2)引用文献7に記載された発明 上記(1)の記載を総合すると、引用文献7には、次の発明(以下「原査定引用発明」という。)が記載されている。 「照射野絞りをかけて放射線が照射されて放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに励起光を照射し、この励起光照射により前記シートから発せられた輝尽発光光を光電的に読み取って前記放射線画像情報を担う画像信号を得る光検出手段と、 前記画像信号から、前記蓄積性蛍光体シート上の各位置におけるデジタル画像データを求める信号変換手段と、 放射線照射野内に含まれる所定の点からシート端部に向かう放射状の複数の方向に沿った前記画像データを入力とし、前記蓄積性蛍光体シート上の放射線照射野のエッジ部分であると考えられるエッジ候補点検出のためのしきい値を出力とするニューラルネットワークと、 前記しきい値に基づいてエッジ候補点を求めるエッジ候補点検出手段と、 これらのエッジ候補点に沿った線で囲まれる領域を放射線照射野と認識する認識手段とからなる、 放射線照射野認識装置。」 8 引用文献8について 原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2018/104682号(原査定の引用文献5、以下「引用文献8」という。)には、次の事項が記載されている。原文に続けて訳文を記載する。訳文は対応する特表2020-501289号公報を参考にした。 「The invention concerns a method for detecting a nerve in a series of echographic images comprising, for each image of said series: - a step (E2) of generating a map of probabilities over regions of the image, consisting of applying a plurality of texture descriptors in order to generate, for each pixel, a vector determining the response of the pixel for each of the descriptors, and then deducing a probability for each pixel of belonging to a nerve as a function of a probabilistic model; - a classification step (E3) applied on the zones determined by this probability map, consisting of searching models corresponding to a nerve type, in a window sliding over these zones, assigning a degree of confidence to each position of the window and retaining an optimum position for each model; then analysing the consistency of these optimum positions by measuring their stability over a set of images of the series in order to select the window having the maximum consistency, which corresponds to a detected nerve.」(要約欄) 「本発明は、一連のエコー画像において神経を検出する方法であって、各画像に対して、前記画像の領域に亘って確率マップを生成するステップ(E2)であって、複数のパターン記述子を適用し、各画素に対して、各記述子に対する前記画素の応答を決定するベクトルを生成し、確率モデルの関数として神経に属する画素の確率を導出するステップと、前記確率マップによって決定された領域に対して適用される分類ステップ(E3)であって、これらの領域に亘るスライディングウィンドウ内において、神経タイプに相当するモデルを探索し、前記ウィンドウ位置に信用度合いを割り当てるとともに各モデルに対する最適位置を保持し、最大の一貫性を示すウィンドウを選択するために前記一連の画像に対する安定性を測定して前記最適位置の一貫性を解析するステップと、を備え、前記最大の一貫性を示すウィンドウが検出した神経に相当する、方法に関する。」 9 引用文献9について 原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2017/091833号(原査定の引用文献6、以下「引用文献9」という。)には、次の事項が記載されている。原文に続けて訳文を記載する。訳文は対応する特表2019-504659号公報を参考にした。 「Systems and methods for automated segmentation of anatomical structures, such as the human heart. The systems and methods employ convolutional neural networks (CNNs) to autonomously segment various parts of an anatomical structure represented by image data, such as 3D MRI data. The convolutional neural network utilizes two paths, a contracting path which includes convolution/pooling layers, and an expanding path which includes upsampling / convolution layers. The loss function used to validate the CNN model may specifically account for missing data, which allows for use of a larger training set. The CNN model may utilize multi-dimensional kernels (e.g., 2D, 3D, 4D, 6D), and may include various channels which encode spatial data, time data, flow data, etc. The systems and methods of the present disclosure also utilize CNNs to provide automated detection and display of landmarks in images of anatomical structures.」(要約欄) 「ヒト心臓などの解剖構造の自動化されたセグメンテーションのためのシステム及び方法。このシステム及び方法は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を利用して、3D MRIデータなどの画像データによって表される解剖構造の様々な部分を自律的にセグメント化する。畳み込みニューラルネットワークは、2つの経路、すなわち、畳み込み/プーリングレイヤを含む収縮経路、及びアップサンプリング/畳み込みレイヤを含む拡張経路を利用する。CNNモデルを検証するために使用される損失関数は、欠損データを明確に説明することができ、それによって、より大きなトレーニングセットの使用を可能にする。CNNモデルは、多次元カーネル(例えば、2D、3D、4D、6D)を利用することができ、空間データ、時間データ、流れデータなどを符号化する様々なチャンネルを含むことができる。また、本開示のシステム及び方法は、CNNを利用して、解剖構造の画像におけるランドマークの自動検出及び表示を提供する。」 10 引用文献10について 原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-129065号公報(原査定の引用文献7、以下「引用文献10」という。)には、次の事項が記載されている。 「【0042】 セグメント化及び境界探知はニューラルネットワークの使用を包含することが可能である。本システムは、1つのピクセルが第一領域内に位置していることの確率及びそのピクセルが第二領域内に位置していることの確率を決定する形態とされているニューラルネットワークを包含することが可能である。1つの実現例において、該ニューラルネットワークはゲーティングノードが存在するか否かに依存して、3個又は4個のレイヤーを包含している。ゲーティングノードが存在する場合には、ニューラルネットワークは4つのレイヤーを有している。第一レイヤーは入力ノードを包含している。第二レイヤーは隠れノードとゲーティングノードとを包含している。第三レイヤーは乗算ノードを包含している。第四レイヤーは出力ノードを包含している。ゲーティングノードが存在しない場合には、ニューラルネットワークは3つのレイヤーを有している。その第一レイヤーは入力ノードを包含している。その第二レイヤーは隠れノードを包含しており、且つその第三レイヤーは出力ノードを包含している。」、 「【0049】 本システムはトレーニング組を特定する第二入力を受取る(図2のステップ230)。第二入力はユーザ選択を包含することが可能である。その入力は第4領域及び第5領域を特定することが可能である。第4領域は、典型的に、前景内に位置していることが位置していることが知られているか又は位置している高い確率を有しているピクセルを包含している。これらのピクセルは前景の特性である色配置のサンプルを与える。第5領域は、典型的に、背景内に位置していることが知られているか又は位置している高い確率を有しているピクセルを包含している。これらのピクセルは背景の特性である色配置のサンプルを与える。一方、入力は境界の近似的な位置、更に、その境界のどちら側に前景が位置しているかを特定することが可能である。」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「X線撮影により得られた放射線画像の照射野を求める放射線画像解析装置」は、本願発明1の「放射線撮影された2次元画像内の照射野領域を抽出する画像処理装置」に相当する。 イ 引用発明の「照射野が既知の放射線画像の各画素に対応する全ての画像データ」及び「正しい画像点を示す教師信号」は、それぞれ、本願発明1の「2次元画像」及び「該2次元画像における各画素が照射野領域であるか」「を示す情報」に相当する。 よって、引用発明の「照射野が既知の放射線画像の各画素に対応する全ての画像データを」「入力し、その出力と正しい画像点を示す教師信号との二乗誤差が最小となるように、」「学習」「を行なう」「誤差逆伝播学習機能を備え」、「照射野が未知の放射線画像の各画素に対応する全ての画像データを」「入力することにより、認識された照射野を表わす照射野2値パターン信号を出力」する「ニューラルネットワーク」と、本願発明1の「2次元画像と、該2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかを示す情報とを含む学習データを用いて学習したニューラルネットワークに前記前処理された2次元画像を入力することにより、入力された前記前処理された2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかの確率を示す確率マップを、照射野候補領域として推論する推論手段」とは、「2次元画像と、該2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかを示す情報とを含む学習データを用いて学習したニューラルネットワークに前記放射線撮影された2次元画像を入力することにより、入力された前記放射線撮影された2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかを示すマップを、照射野候補領域として推論する推論手段」の点で共通する。 ウ 本願明細書の【0041】には、輪郭抽出処理を、まず、確率マップに対して微分フィルタを適用することでエッジを抽出することから始める旨の記載があることを踏まえると、引用発明では、「ニューラルネットワークから出力された照射野2値パターン信号の照射野エッジ部分に微分処理を施すことによって正確な照射野エッジを検出」することから、引用発明は、本願発明1の「前記推論された照射野候補領域に対する輪郭抽出処理により得た前記照射野領域の輪郭候補と前記確率マップとを用いて前記照射野領域の輪郭に関する判定を行い、前記判定に基づいて前記照射野領域の輪郭を抽出する輪郭抽出手段」のうち、「前記推論された照射野候補領域に対する輪郭抽出処理に基づいて前記照射野領域の輪郭を抽出する輪郭抽出手段」に対応する構成を備えている。 エ 引用発明では、「検出し」た「照射野エッジ」「に基づいて照射野を求める」ことから、引用発明は、本願発明1の「前記輪郭に基づいて前記照射野領域を抽出する領域抽出手段」に相当する構成を備えている。 してみると、本願発明1と引用発明とは、次の点で一致し、次の各点で相違する。 (一致点) 「 放射線撮影された2次元画像内の照射野領域を抽出する画像処理装置であって、 2次元画像と、該2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかを示す情報とを含む学習データを用いて学習したニューラルネットワークに前記放射線撮影された2次元画像を入力することにより、入力された前記放射線撮影された2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかを示すマップを、照射野候補領域として推論する推論手段と、 前記推論された照射野候補領域に対する輪郭抽出処理に基づいて前記照射野領域の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、 前記輪郭に基づいて前記照射野領域を抽出する領域抽出手段と、 を備える画像処理装置。」 (相違点1) 本願発明1では、「グリッド除去処理、散乱線低減処理、ノイズ低減処理、対数変換処理及び正規化処理のうち少なくともいずれか一つの前処理を前記2次元画像に施す処理手段」を備え、ニューラルネットワークに「前記前処理された2次元画像」を入力するのに対し、引用発明では、前処理を画像データに施す処理手段を備えることの特定がなく、ニューラルネットワークに入力される「照射野が未知の放射線画像」が、前処理されたものであるか不明である点。 (相違点2) 照射野候補領域が、本願発明1では、入力された放射線撮影された2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかの「確率」を示す「確率マップ」であるのに対し、引用発明では、「照射野を表わす照射野2値パターン信号」である点。 (相違点3) 照射野領域の輪郭の抽出について、本願発明1では、推論された照射野候補領域に対する輪郭抽出処理「により得た前記照射野領域の輪郭候補と、前記確率マップとを用いて前記照射野領域の輪郭に関する判定を行い、前記判定」に基づいて前記照射野領域の輪郭を抽出するのに対し、引用発明では、「出力された照射野2値パターン信号の照射野エッジ部分に微分処理を施すことによって正確な照射野エッジを検出」することにより、照射野領域の輪郭を抽出するが、本願発明1のような判定に基づいて照射野領域の輪郭を抽出していない点。 (2)判断 事案に鑑み相違点3について検討する。 相違点3に係る本願発明1の構成は、推論された照射野候補領域に対する輪郭抽出処理により得た照射野領域の輪郭候補と、入力された放射線撮影された2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかの確率を示す確率マップとを用いて、照射野領域の輪郭に関する判定を行い、この判定に基づいて照射野領域の輪郭を抽出するものであるところ、照射野領域の輪郭を抽出する際、相違点3に係る本願発明1の構成における判定、すなわち、「推論された照射野候補領域に対する輪郭抽出処理により得た照射野領域の輪郭候補と、入力された放射線撮影された2次元画像における各画素が照射野領域であるか、又は照射野領域でないかの確率を示す確率マップとを用いて、照射野領域の輪郭に関する判定」を行い、この判定に基づいて照射野領域の輪郭を抽出することは、引用文献2ないし10(第5の2~10を参照。)に記載も示唆もなく、また、相違点3に係る本願発明1の構成が、本願出願時における周知技術であるといえる証拠も見当たらない。 したがって、相違点3に係る本願発明1の構成は、引用発明及び引用文献2ないし10に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得ることではない。 そして、本願発明1が奏する「照射野領域内に照射野絞りの輪郭と区別が難しい強いエッジ成分を持った構造が含まれている場合においても、照射領域を正確に抽出できる」という効果は、引用発明及び引用文献2ないし10に記載された事項から当業者が予測し得ることではない。 (3)小括 したがって、その余の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2ないし10に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2 本願発明2ないし19について 本願発明2ないし19は、本願発明1を引用する発明であり、本願発明1の上記相違点3に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし10に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3 本願発明20及び21について 本願発明20及び21は、それぞれ、本願発明1に対応する方法及びプログラムの発明であり、本願発明1の上記相違点3に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし10に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第7 原査定についての判断 令和4年4月19日にされた手続補正により、本願発明1ないし19は、本願発明1の上記相違点3に係る構成、本願発明20及び21は、本願発明1の上記相違点3に対応する構成を備えるものとなった。本願発明1ないし19における本願発明1の相違点3に係る構成、本願発明20及び21における本願発明1の相違点3に対応する構成は、引用文献5ないし10には記載されておらず、本願出願時における周知技術であるともいえないので、本願発明1ないし21は、当業者であっても、原査定引用発明(引用文献7に記載された発明)及び引用文献5、6、8ないし10に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由及び当審の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-013485

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