特許拒絶査定不服審判
2021-011969
解析システム及びサーバ装置
- 審判番号
- 2021-011969
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-241631外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年09月08日
- 審決日
- 2022年09月13日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】矢崎エナジーシステム株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人栄光特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-241631「解析システム及びサーバ装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 7月 2日出願公開、特開2020-102146、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年12月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年12月22日付け 拒絶理由通知書
令和3年 2月22日 意見書、手続補正書の提出
令和3年 8月 2日付け 拒絶査定
令和3年 9月 8日 審判請求書、手続補正書の提出
令和4年 3月30日付け 拒絶理由通知書
令和4年 4月27日 意見書、手続補正書の提出
令和4年 6月 1日付け 拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和4年 6月29日 意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和3年8月2日付け拒絶査定)の概要は以下のとおりである。
この出願の請求項1ないし4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1:特開2002-216285号公報
2:韓国公開特許第10-2015-0129966号公報
3:特開2002-215963号公報
4:特開2007-26018号公報
第3 当審拒絶理由の概要
1 当審が令和4年3月30日付け拒絶理由通知書で通知した拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)は以下のとおりである。
この出願の請求項1ないし4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
A:特開2011-138555号公報
B:特開2005-55987号公報
2 当審が令和4年6月1日付け拒絶理由通知書で通知した拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)は以下のとおりである。
この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
第4 本願発明
本願の請求項1ないし3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明3」という。)は、令和4年6月29日にされた手続補正により、特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1ないし3は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
複数の第一クライアント装置と、車両に搭載され、前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と通信可能な車載器と、前記複数の第一クライアント装置と通信可能なサーバ装置と、を備える解析システムであって、
前記車載器は、前記車両の運行に関する運行データを収集して前記第一クライアント装置に送信し、
前記第一クライアント装置は、前記車載器から受信した前記運行データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法を実行可能であり、前記第一クライアント装置から受信した前記運行データに対して、前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法を適用することにより前記車両の挙動を解析し、解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、
前記サーバ装置と通信可能な、前記第一クライアント装置とは異なり且つ前記車載器とは通信しない第二クライアント装置をさらに備え、
前記サーバ装置は、
前記第一クライアント装置から受信した前記運行データに対して、前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる第一解析手法及び第二解析手法をそれぞれ適用することにより、前記車両の挙動を解析して前記第一解析手法による第一解析結果及び前記第二解析手法による第二解析結果をそれぞれ生成し、前記第一解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、かつ、前記第二解析結果を前記第二クライアント装置に送信し、
前記第一クライアント装置は、荷物の運搬を行う前記車両を利用する事業者が操作する装置であり、前記第二クライアント装置は、前記事業者に前記荷物の運搬を依頼する荷主が操作する装置であり、
前記サーバ装置は、前記第二解析結果として、前記車両が運搬する前記荷物の取り扱い状況を示す解析結果を、前記第二クライアント装置に送信し、
前記車載器と狭域無線通信可能であり、前記第一クライアント装置と有線接続された、アクセスポイントをさらに備え、前記事業者は構内で前記車両を利用し、前記アクセスポイントは、前記車両が利用される前記構内に設けられ、
前記車載器から前記アクセスポイントへ前記狭域無線通信により送信された前記運行データは、前記アクセスポイントから前記第一クライアント装置へ送信され、
前記第一クライアント装置は、広域通信により、前記運行データを前記サーバ装置に送信する
ことを特徴とする解析システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
標準的な解析手法である標準解析手法と、前記標準解析手法とは異なるパターンの解析手法であり且つ前記第一クライアント装置用にカスタマイズされた解析手法である個別解析手法と、を実行可能であり、
前記運行データに対して、前記第一解析手法又は前記第二解析手法として前記個別解析手法を適用した解析結果に基づいて、前記標準解析手法を更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の解析システム。
【請求項3】
複数の第一クライアント装置と、車両に搭載され、前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と通信可能な車載器と、前記複数の第一クライアント装置とは異なり且つ前記車載器とは通信しない第二クライアント装置と、前記第一クライアント装置及び第二クライアント装置のそれぞれと通信可能なサーバ装置と、を備える解析システムにおける、前記サーバ装置であって、
前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法を実行可能であり、かつ、
標準解析手法と、前記標準解析手法とは異なるパターンの解析手法である個別解析手法と、を実行可能であり、
前記第一クライアント装置から受信した、前記車載器が収集した前記車両の運行に関する運行データに対して、前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる第一解析手法及び第二解析手法をそれぞれ適用することにより、前記車両の挙動を解析して第一解析結果及び第二解析結果をそれぞれ生成し、前記第一解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、かつ、前記第二解析結果を前記第二クライアント装置に送信し、
前記運行データに対して、前記第一解析手法又は前記第二解析手法として前記個別解析手法を適用した解析結果に基づいて、前記標準解析手法を更新し、
前記第一クライアント装置は、荷物の運搬を行う前記車両を利用する事業者が操作する装置であり、前記第二クライアント装置は、前記事業者に前記荷物の運搬を依頼する荷主が操作する装置であり、
前記サーバ装置は、前記第二解析結果として、前記車両が運搬する前記荷物の取り扱い状況を示す解析結果を、前記第二クライアント装置に送信し、
前記車載器と狭域無線通信可能であり、前記第一クライアント装置と有線接続された、アクセスポイントをさらに備え、前記事業者は構内で前記車両を利用し、前記アクセスポイントは、前記車両が利用される前記構内に設けられ、
前記車載器から前記アクセスポイントへ前記狭域無線通信により送信された前記運行データは、前記アクセスポイントから前記第一クライアント装置へ送信され、
前記第一クライアント装置は、広域通信により、前記運行データを前記サーバ装置に送信する
ことを特徴とするサーバ装置。」
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2002-216285号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両運行、特にトラック輸送に適用するものであり、車両に積載された車載機からの実績データや、該実績データを分析して得られた分析データを、運送業者などの利用者間で共有しあうことにより、輸送の効率化、経済走行管理による燃費向上、及び排気ガスの濃度や成分改善などによる環境保全の推進が可能な運行情報システムに関する。」
「【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係わる運行情報システムのブロック図、図2は車載機の詳細構成を示すブロック図、図3は運行情報分析装置の詳細構成を示すブロック図、図4は運行情報分析のフローチャート、図5はメイン処理の選択画面を示す図、図6はサブ処理の選択画面を示す図であり、図6(a)は実績データ入力の入力方法の選択画面を示す図、図6(b)は帳票出力の出力処理の選択画面を示す図、図6(c)は実績データ表示の表示処理の選択画面を示す図、図7はサブ処理の選択画面を示す図であり、図7(a)は活性化分析の分析処理の選択画面を示す図、図7(b)はコスト分析の分析処理の選択画面を示す図、図7(c)は環境分析の分析処理の選択画面を示す図、図8は実績データの転送処理の実行画面を示す図であり、図8(a)は転送する実績データの指定画面を示す図、図8(b)は転送された実績データ明細のデータ画面を示す図、図9は運行軌跡のデータ画面を示す図、図10は分析データ一覧のデータ画面を示す図、図11は軌跡リストのデータ画面を示す図、図12は活性化指数の経時変化のデータ画面を示す図、図13は1日当たりの活性化度の走行距離による変化のデータ画面を示す図である。
【0012】はじめに、本発明に係わる運行情報システムの全体構成について、図1、図5、図10により説明する。図1に示すように、運行情報システム1においては、複数のトラックなどの車両2には、車載機7と該車載機7に接続された無線通信装置8とが搭載され、該無線通信装置8は無線基地局6と無線接続され、該無線基地局6は、インターネットなどのネットワーク5と有線で接続されている。
【0013】そして、該ネットワーク5には、前記車両2の運行を管理する運送業者の配車担当者などの利用者3の端末9が接続されると共に、該端末9には、カードリーダなどの入力装置9aが設けられており、該入力装置9aに、前記車載機7に設けた書込み装置12で実績データを書き込んだメモリカード10をセットすることにより、実績データを端末9から入力できるようにしている。さらに、ネットワーク5には、運行情報分析センタ4内の運行情報分析装置11が接続されており、該運行情報分析装置11には、前記車載機7で検出又は入力された実績データが、前記メモリカード10により間接的に、又は無線により直接的に、ネットワーク5を介して送信される構成としている。なお、実績データの送信にメモリカード10を用いるか、無線を用いるかは、運行状況や利用目的などに応じて、いずれか一方を選択してもよい。
【0014】すなわち、このように、車載機7には、書込み手段である書込み装置12を備え、該書込み装置12により前記実績データを記録媒体であるメモリカード10に書き込み、該メモリカード10を介して、前記端末9の入力手段であるカードリーダ9aに実績データを入力するので、地下駐車場やトンネルなどの電波が通りにくい場所で検出した実績データも、一旦メモリーカード10に書き込み保存した後、前記端末9から確実に送信することができ、種々の運行環境下での実績データを確実に送信できると共に、後から、利用者3自身による実績データのデータベース化や分析を自在に行うことができ、実績データの活用範囲が大きく拡大する。
【0015】また、車載機7には、無線通信手段である無線通信装置8を接続し、該無線通信装置8により、前記ネットワーク5に接続された無線基地局6に、前記実績データを無線で送信するので、車両2運行中にリアルタイムで実績データの収集・分析を自動的に行うことができ、その分析結果を元に、利用者3は、車両2の運転者に対して適正な道順や走行方法などを即時指示し、車両2による輸送の効率化や燃費の向上などを、次回の配送計画を待つまでもなく実行することができ、更には、端末9からの実績データの入力作業を省いて、入力忘れや二重入力などの誤入力を防止することができる。
【0016】そして、運行情報分析装置11により蓄積された実績データや、該実績データの収集・データベース化・分析を経て得られたデータ(以下「分析データ」とする)は、リスト化あるいはグラフ化された後、前記運行情報分析センタ4が開いたホームページ上で、図10に示すようなリストやグラフなどを表示する画面(以下「データ画面」とする)として表示され、該データ画面には、図5に示すような次処理を選択する画面(以下「選択画面」とする)を通じてリンクされている。
【0017】このような構成においては、前記運行情報分析センタ4は、ネットワーク5を介し、不特定多数の利用者3から前提条件の異なる多量の実績データを収集することができ、さらに、利用者3も、前記ホームページを通じて、互いの運行情報を自由に閲覧・利用することが可能となる。
【0018】すなわち、車両2の運行情報の収集・分析を行う運行情報システム1において、前記車両2には各種実績データを検出可能な車載機7を備え、該車載機7をインターネットなどのネットワーク5を介して運行情報分析手段である運行情報分析装置11に接続すると共に、該ネットワーク5には前記運行情報の利用者3の端末9を接続し、該端末9には、前記運行情報分析装置11に蓄積された実績データ、及び該実績データより得られた分析データなどの運行情報を表示可能として、該運行情報を前記利用者3間で共有可能な構成としたので、多量かつ多様な実績データを収集して、高精度の分析結果を得ることができると共に、該実績データから実態に即した分析モデルを確立し、輸送の効率や業務の付加価値を示す客観的かつ定量的な指標を明らかにすることができるのである。さらには、利用者3間の運行情報の共有化が進み、自社の客観的な実力把握も容易となる。
【0019】次に、前記車載機7について、図2により説明する。車載機7は、位置データ、車両データ、作業状況データ、運行状況データからなる実績データを入力する入力部21と、各装置の動作制御を行う制御装置13と、該制御装置13に接続され実績データを出力する出力部22とから構成されている。
【0020】このうち、入力部21は、前記GPSからの位置信号を受けて車両位置を連続的にデータ化する車両位置検出装置15と、エンジン回転数、車速、燃料消費量、排気ガス成分・濃度、排塵成分・濃度、イグニッション入切などの駆動系データ、荷台ドアの開閉、コンテナ内温度・湿度などの荷台データ、運転室内温度・湿度などの運転室データといった車両データを検出する複数のセンサ類からなる検出装置16と、該検出装置16からの検出信号を受けてデータ化する車両データ検出装置14と、積荷、荷下ろし、休憩、待機などの運転者の作業状況や、高速道路を走行中、渋滞中などの運行状況を入力する、キーボード、タッチパネル、音声入力機器、マウスなどの作業・運行状況入力装置20とから構成され、このうち車両位置検出装置15、車両データ検出装置14、作業・運行状況入力装置20は、いずれも前記制御装置13に接続され、制御装置13に各種実績データを入力できるようにしている。
【0021】また、前記出力部22は、前記実績データをメモリカード10などの記録媒体に書き込み処理する書込み装置12と、前記無線通信装置8に接続される無線通信インターフェース23とから構成されており、前記入力部21により検出又は入力された実績データを、メモリカード10や無線で前記ネットワーク5に接続できるようにしている。なお、記録媒体としては、メモリーカード10以外に、可搬式ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、あるいは最近急速に普及した光磁気ディスクなどでもよく、書込み精度が高く、安全に端末9まで運搬できるものであれば、特に限定されない。
【0022】すなわち、車載機7には、車両位置を検出する車両位置検出手段15と、エンジン回転数、排気ガス濃度などの車両の稼動状況を検出する車両データ検出手段14と、荷下ろし、休憩などの作業者の作業状況、及び道路の種類、渋滞の有無などの運行状況を入力する作業・運行入力手段20とを備えるので、効率的な配送計画に必要な、車両位置、作業状況、運行状況などのデータに加え、同時に、経済走行や環境保全に必要な、エンジン回転数、排気ガス濃度などのデータも収集することができる。
【0023】次に、前記運行情報分析装置11について、図3により説明する。該運行情報分析装置11は、キーボード、タッチパネル、音声入力機器、マウスなどの入力装置24と、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの表示機器やレーザープリンタなどの印刷機器に代表される出力装置25と、制御プログラムや実績データを分析するための分析プログラムなどの各種プログラムを読み込むメインメモリ27と、該プログラムの指令を受けて各種処理を行う中央処理装置26と、ハードディスクなどの記憶装置28と、通信インターフェース29とから構成され、該通信インターフェース29を介して前記ネットワーク5に接続されている。
【0024】そして、該記憶装置28内には、前記車載機7から送信されてきた位置データや車両データからなる実績データを蓄積する実績データベース28aと、いわゆるVICSといわれる道路交通情報通信システムなどからの道路状態や渋滞具合の情報などの既存データを蓄積した既存データベース28bと、該既存データベース28bと前記実績データベース28aからのデータを各種分析にかけて得られた分析データを蓄積した分析データベース28cとを設け、更に、必要に応じ、各種分析を実行するに必要な分析モデルに関する情報や分析プログラムを蓄積した分析モデルデータベース28dも設けている。
【0025】このような構成において、前記ネットワーク5を介して送信されてきた実績データは実績データベース28aに蓄積されると共に、該実績データベース28aと前記既存データベース28bからは、それぞれ実績データと既存データとが読み出され、該実績データと既存データに対しては、前記分析モデルデータベース28dからメインメモリ27に読み込まれた分析モデルプログラムに基づき、中央処理装置26が運行情報分析処理を実行し、その結果は、分析データとして前記分析データベース28cに蓄積されるのである。蓄積された実績データや分析データは、ネットワーク5を介して、図示せぬサーバ又は運行情報分析センタ4内に開いたホームページ(以下「運行情報用ホームページ」とする)上に表示され、該運行情報用ホームページには、不特定の利用者3が、端末9から自由にアクセスできるようにしている。
【0026】なお、運行情報用ホームページからは、前記実績データの入力以外に、利用者3からの意見や、利用者や他の技術者等が案出した分析モデルなどに関する利用者データも入力可能とし、前記記憶装置28内に設けた分析モデルデータベース28dを初めとするデータベースに蓄積することができる。
【0027】すなわち、このように、運行情報分析手段である運行情報分析装置11内、またはネットワーク5内には、記憶手段である記憶装置28を備え、該記憶装置28には前記車載機7からの実績データから成る実績データベース28a、道路交通情報通信システムによる道路交通情報などの既存データから成る既存データベース28b、及び該実績データベース、既存データベースなどを分析して得られた分析データベース28cとを備えるので、実績データや分析データを自在に読み出し、利用者3に対して何時でも提供することができ、利用者3間での運行情報の共有化を確実に進めることができるのである。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(韓国公開特許第10-2015-0129966号公報)には、次の事項が記載されている。なお、引用文献2の記載事項は、当審の訳文で示す。
「技術分野
[0001]本発明は車両の運行記録を管理する装置に関する。」
「[0018]運行記録器(110)は車両に搭載されて車両の運行記録を生成して保存することができる。運行記録器(110)は車両に搭載された各種センサーと通信することで運行記録を獲得するか車両を制御するECU(electronic control unit)から運行記録を獲得することができる。」
「[0023]端末機(130)は運行記録器(110)と第1サーバー(150)の間で運行記録を中継することができる。この時、端末機(130)はCDMA、Wi-Fiなどの無線通信網を通じて第1サーバー(150)で運行記録を転送することができる。そして、端末機(130)はWi-Fi、Bluetoothなどの無線通信網、有線通信網、外部メモリーを利用して運行記録器(110)から運行記録を獲得することができる。」
「[0053]図3は運行記録器(110)から獲得された運行記録を示した写真である。
・・・中 略・・・
[0059]3項目の車両類型は車両の用途または車両所有者の運輸業種と関係することである。一例では、16は貸切バス、32は貨物車などに前もって設定される。」
「[0138]一方、第1サーバー(150)は収集された運行記録を管理してその結果をサービスの形態で各端末機(130)で提供することができる。
[0139]このために端末機(130)の通信部(135)は変換部(133)で変換された運行記録を第1サーバー(150)に送信して、第1サーバー(150)から運行記録を基礎に生成されたサービス情報を受信することができる。 第1サーバー(150)は端末機(130)の無欠性を確認するために該当の端末機(130)でログインを要求することができる。 これによると運行記録を第1サーバー(150)で転送する度にまたは第1サーバー(150)のサービスを利用する度にアイディーとパスワードを入力するログイン過程を通さなければならない。」
「[0143]サービス情報は大きく運輸会社/個人事業者サービス、GIS分析サービス、地域本部/支社業務サービス、統計分析サービス、情報広場サービス、システム紹介サービス、システム管理サービスなどを含むことができる。」
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2002-215963号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば機器設計のための解析および最適化、各種の事故解析、および自然現象の数理科学的な解析シミュレーションを行うサービスを提供する解析シミュレーション支援システム、コンピュータの利用方法およびプログラムに関する。」
「【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、ネットワークを利用して解析シミュレーションを行うサービスを提供する解析シミュレーション支援システムであって、前記ネットワークに接続されたクライアント端末から閲覧可能な解析シミュレーションを行うサービス提供サイトを公開する手段と、前記サービス提供サイトにおいて、前記クライアント端末からの解析条件に関する要望をアンケート形式で受け付ける要望受付手段と、前記要望受付手段により受け付けられた要望に基づいて解析処理を実行するのに必要な条件を決定する解析条件決定手段と、前記解析条件決定手段により決定された条件に基づいて解析処理を実行する解析処理実行手段と、前記解析処理実行手段により実行された解析結果を前記クライアント端末に受け渡す解析結果受渡手段とを具備する。請求項2記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、ネットワークを利用して解析シミュレーションを行うサービスを提供する解析シミュレーション支援システムであって、前記ネットワークに接続されたクライアント端末から閲覧可能な解析シミュレーションを行うサービス提供サイトを公開する手段と、前記サービス提供サイトにおいて、前記クライアント端末からの解析条件に関する要望をアンケート形式で受け付ける要望受付手段と、解析の内容に応じて設定された複数の解析処理実行手段と、前記要望受付手段により受け付けられた要望に基づいて前記複数の解析処理実行手段の中から最適な解析処理実行手段を少なくとも一つ検索する検索手段と、前記検索手段により検索された前記解析処理実行手段が解析処理を実行するのに必要な条件を決定する解析条件決定手段と、前記解析条件決定手段によって決定された解析条件に基づいて前記解析処理実行手段毎に見積もり額を見積もり提示する見積もり手段と、前記見積もり手段が提示した中からユーザに選択された解析処理実行手段にて実行した解析結果を前記クライアント端末に受け渡す解析結果受渡手段とを具備する。請求項3記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項1,2いずれか記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記要望受付手段は、包括的質問からなる層から始まり、下層に行くに従って詳細な質問までを含む、問題探索のための階層化された対話形式のアンケートを行う手段を具備する。請求項4記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項1,2いずれか記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記要望受付手段により受け付けられた要望の中で回答内容の不整合もしくは未回答が存在した場合に、入力された要望の中から信頼性の高いものを選出し、その回答から未回答の部分を推測しあいるは不整合の回答の一部または全部を修正する潜在的要望探索手段を具備する。請求項5記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項1,2いずれか記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記要望受付手段により受け付けられた要望から支配的な現象を見い出し、特定の問題を定義・構築し、前記解析条件決定手段による解析条件の決定を補助する問題構築手段を具備する。請求項6記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項1,2いずれか記載の解析シミュレーション支援システムであって、種々の問題に対する解析条件、物性、相関式に関するデータを保存し、前記解析条件決定手段が解析条件を決定する上で参照する解析手段決定データベースを具備する。請求項7記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項4記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記要望受付手段により受け付けられる要望の中のある入力項目の回答値と、他の要望の入力項目の回答値との相関性に関するデータを保存し、前記潜在的要望探索手段が回答を推測あるいは修正する上で参照する潜在的要望探索データベースを具備する。請求項8記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項5記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記要望受付手段により受け付けられたある要望に関連する特定の問題の種別とその要望・問題間の相関に関するデータとを保存し、前記問題構築手段が解析条件の決定を補助する上で参照する問題構築データベースを具備する。請求項9記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項6,7,8いずれか1記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記解析処理実行手段により実行された解析結果に基づいて、前記解析手段決定データベース、前記潜在的要望探索データベース、前記問題構築データベースのうちの少なくとも1つの更新を行うデータベース更新手段を具備する。請求項10記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項1記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記解析条件決定手段によって決定された解析条件に基づいて計算コストあるいは計算時間を見積もり提示する見積もり手段を具備する。請求項11記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項2,10いずれか記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記見積もり手段により提示された見積もり額に対し、解析処理の実行、中止、あるいは再見積のいずれかをユーザに選択させる手段を具備することを特徴とする。請求項12記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項1,2いずれか記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記解析結果受渡手段は、前記解析処理実行手段により得られた解析結果の受渡形態を、データ、表、グラフ、画像の中からユーザに選択させる手段と、前記解析結果を、選択されたいずれかの形態にして受け渡す手段とを具備する。請求項13記載の発明の解析シミュレーション支援システムは、請求項2,10いずれか記載の解析シミュレーション支援システムであって、前記見積もり手段は、今後の事例として利用可能なデータもしくは実験値がユーザから提供された場合に、その価値に応じて前記計算コストあるいは計算時間を減じた額を提示する手段を具備する。請求項14記載の発明のコンピュータの利用方法は、ネットワークを利用して解析シミュレーションを行うサービスを提供するためのコンピュータの利用方法であって、前記ネットワークに接続されたクライアント端末から閲覧可能な解析シミュレーションを行うサービス提供サイトを前記コンピュータが公開する段階と、前記サービス提供サイトにおいて、前記クライアント端末からの解析条件に関する要望を前記コンピュータがアンケート形式で受け付ける段階と、前記コンピュータが受け付けた要望に基づいて解析処理を実行するのに必要な条件を決定する段階と、決定した条件に基づいて前記コンピュータが解析処理を実行する段階と、前記コンピュータが実行した解析結果を前記クライアント端末に受け渡す段階とを有する。請求項15記載の発明のプログラムは、ネットワークを利用して解析シミュレーションを行うサービスを提供するコンピュータに処理を実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記ネットワークに接続されたクライアント端末から閲覧可能な解析シミュレーションを行うサービス提供サイトを公開させ、前記サービス提供サイトにおいて、前記クライアント端末からの解析条件に関する要望をアンケート形式で受け付けさせ、受け付けた要望に基づいて解析処理を実行するのに必要な条件を決定させ、決定した条件に基づいて解析処理を実行させ、実行した解析結果を前記クライアント端末に受け渡させるためのプログラムである。
【0012】この発明の場合、クライアント端末のユーザは、複数の階層に分類された同一の層の中では、極力独立な分類がなされたアンケートの項目に順次答えてゆくことで、解析条件を設定することが困難な非専門家であっても、解析条件が次第に明確に認識されるようになる。
【0013】請求項1,14,15記載の発明では、解析シミュレーションを行うサービス提供サイトをコンピュータ(サービス提供サーバ)がネットワーク上に公開し、このサービス提供サイトにおいて、クライアント端末からの解析条件に関する要望をアンケート形式で受け付け、受け付けた要望に基づいて解析処理を実行するのに必要な条件を決定し、決定した条件に基づいてコンピュータが解析処理を実行し、その解析結果をクライアント端末に受け渡すので、クライアント端末のユーザは、人間の手を一切介することなく、しかもアンケートに答えてゆくだけで解析の依頼を容易に行い、解析結果を得ることができる。また、人手が不要なことからこの解析サービスのサイトを運営する側も、このサービスを低コストに提供することができる。さらに、従来のように人手を介して解析を実行した場合に発生する解析実行者の相違に依存する結果の差異をなくすことができる。請求項2記載の発明では、解析の内容に応じた性能(ハードウェアのスペック、解析処理能力の異なる解析エンジンなど)の解析処理実行手段を複数設定しておき、ユーザが要望する解析条件から最適な解析処理実行手段を少なくとも一つ検索し、検索された解析処理実行手段毎に見積もりを提示した上で解析処理を実行するので、ユーザが検討する上での選択肢を広げることができる。請求項3記載の発明では、請求項1,2記載の発明の作用に加え、解析のための手法や過程に対するあやふやな知識しか有していないクライアント端末のユーザや、解析しようとする問題がはっきりしないクライアント端末のユーザでも容易に入力が可能になる。請求項4記載の発明では、潜在的要望探索手段を備えることで、請求項1,2記載の発明の作用に加え、クライアント端末のユーザが要望を入力する際に、全ての問いに一貫性を保って正確に答えるだけの知識を有していなかったり、アンケートへの回答の際に誤記入があった場合でも、サービス提供サーバは、本来のクライアント端末のユーザの意図を汲み取った上で解析条件を決定することができる。請求項5記載の発明では、解析条件決定手段による解析条件の決定を補助する問題構築手段を備えることで、請求項1,2記載の発明の作用に加え、解析条件を決定する際に、解析しようとする体系において重要でない現象に解析のリソースを割くことなく、支配的な現象を的確に解析できる解析条件を選択することができる。請求項6記載の発明では、種々の問題に対する解析条件、物性、相関式に関するデータを保存した解析手段決定データベースを備えることで、請求項1,2記載の発明の作用に加え、的確な解析条件を導き出すことのできる範囲を拡張することができる。請求項7記載の発明では、受け付けられた要望の中のある入力項目の回答値と、他の要望の入力項目の回答値との相関性に関するデータを保存した潜在的要望探索データベースを備えることで、請求項4記載の発明の作用に加え、ユーザの要望を推測する精度および信頼性を、より向上することができる。請求項8記載の発明では、受け付けられたある要望に関連する特定の問題の種別とその要望・問題間の相関に関するデータとを保存した問題構築データベースを備えることで、請求項5記載の発明の作用に加え、判定し得る特定の問題の数を拡張することができる。請求項9記載の発明では、データベースの更新を行うデータベース更新手段を備えることで、請求項6,7,8記載の発明の作用に加え、不特定多数のユーザから入力された要望、問題、解析条件の関係の傾向を各データベースに反映させることができるので、より的確に解析条件を決定することができる。さらにこの場合、正解と判断し得る過去の解析における解析条件および解析結果と、実験によって得られた結果とを保存した事例データベースを備えることが好適である。これにより、解が物理的に誤っていても収束点を解として出力してしまうような誤りを減らすことができ、解析結果の信頼性を向上することができる。すなわち、本システムが提供する結果について責任を持つことができる。請求項10記載の発明では、見積もり手段を備え、解析実施前に見積もりを算出および提示することにより、このサービスを実際に依頼するか、再見積を出してもらうか、依頼を止めるかなど、ユーザに検討の余地を与えることができる。請求項11記載の発明では、請求項10記載の発明の作用に加え、実際に行われる解析の内容をクライアント端末のユーザが確認できるので、ユーザの要望と異なった解析の実施を未然に防止することができる。また、解析の実施の前に見積もりを提示することにより、クライアント端末のユーザが再度要望する精度を変更することも可能になる。請求項12記載の発明では、解析結果を適切に視覚化する手段を持たないクライアント端末のユーザや、全解析結果の受け渡しに困難のあるクライアント端末のユーザに対しても、解析結果を受け渡すことが可能となる。請求項13記載の発明では、ユーザから正解のデータや実験値のデータが提供され、それが本システムで利用し得るデータの場合には割り引きを行い、コストを安くすることにより、事例データベースを早期に成長させることができる。また、これにより、計算時間の短縮および計算コストの低減が可能になると共に、システムが提供する解析結果の精度を向上させることができる。」
4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2007-26018号公報)には、次の事項が記載されている。
「【技術分野】
【0001】
この発明は、物流用移動体の移動管理方法及び物流用移動体の移動管理システムに関する。」
「【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、実施形態に係る物流用移動体の移動管理システム(以下、単に「移動管理システム」と表記する。)について図面を参照して説明する。
この実施形態は、図1に示すように、物品を保管する複数の保管棚S(S1~S6)が配設された倉庫に適用した例である。
倉庫の概要について説明すると、各保管棚Sの間には通路が備えられており、各通路には車載端末11を備えたフォークリフトL(L1、L2)や、携行端末13を携行する作業者M(M1~M8)が作業内容に応じて存在する。
各通路には、所定領域の一部を構成し、保管棚Sの位置に応じて複数の作業領域E(E1~E11)が設定されている。
つまり、換言すると、各通路は少なくとも1以上の作業エリアEから構成されるほか、全ての作業領域E1~E11により所定領域が設定される。
【0020】
次に、この実施形態の移動管理システムの概要を説明する。
移動管理システムは、図2に示すように、複数のフォークリフトLの車載端末11と、複数の携行端末12と、無線通信を行うアクセスポイント13と、物品管理サーバ14と、端末位置管理サーバ15とを含むLANが構築されている。
物品管理サーバ14と、端末位置管理サーバ15と、アクセスポイント13は有線LAN16の環境下に置かれ、車載端末11及び携行端末12はアクセスポイント13との無線通信による無線LAN17の環境下に置かれている。
【0021】
〔車載端末について〕
車載端末11は、物品の入出庫を行なう移動体としてのフォークリフトLに搭載される端末であり、移動体の端末に相当する。
なお、特定のフォークリフトL1の車載端末11から見たとき、他のフォークリフトL2に搭載される車載端末11は別の端末に相当する。
また、フォークリフトL2の車載端末11から見たフォークリフトL1の車載端末11は別の端末に相当する。
車載端末12は、図示しないが、アクセスポイント13と無線通信する送受信部と、物品管理サーバ14からの各種情報を表示する表示部と、車載端末11を操作する各種のボタンと、警告音等の音声を発生するスピーカを備えている。
なお、表示部やスピーカは、画像や音声により運転者に対する告知表現(告知のための表現)を行う機能を有する。
車載端末11は、例えば、物品管理サーバ14からの入出庫の指示を表示したり、入出庫の指示に基づく作業の完了登録を行うことにより情報を物品管理サーバ14へ伝達するほか、例えば、フォークリフトL1の特定の移動先までの移動経路Rや、他のフォークリフトL2や作業者M1~M8の位置を表示する機能を有する。
【0022】
〔携行端末について〕
携行端末12は、主に出庫作業を行う作業者Mが携行する端末であり、移動体の端末に対する別の端末に相当する。
携行端末12は、図示しないが、アクセスポイント13と無線通信する送受信部と、物品が備えるピッキングラベル等のコードを読み取る情報読取部と、番号入力する操作ボタンと、各種の情報を表示する表示部と、警告音等の音声を発生するスピーカーを備えている。
携行端末12は、例えば、物品管理サーバ15からの出庫の指示を表示したり、入出庫の指示に基づく作業の完了登録を行うことにより情報を物品管理サーバ14へ伝達したり、フォークリフトLの接近していることを告知する警告音を発生する機能を有する。
【0023】
〔アクセスポイントについて〕
アクセスポイント13は、車載端末11や携行端末12との無線通信を行う機器であり、無線通信を通じた車載端末11や携行端末12との情報の授受を行うほか、有線通信により物品管理サーバ14との間で情報の授受を行う機能を有する。
この実施形態では、図1において、車載端末11及び携行端末12と無線通信ができるように複数のアクセスポイント13が適宜配置される。
【0024】
〔物品管理サーバについて〕
物品管理サーバ14は、物品の入出庫を管理するサーバであり、ホストコンピュータとしての機能を有する。
物品管理サーバ14は、物品の入出庫の指示を車載端末11や携行端末12に伝達したり、車載端末11や携行端末12からの各種の情報の伝達を受けることができる。
【0025】
また、物品管理サーバ14は、例えば、図1に対応する保管棚Sの配置及び通路のマップ情報を有しており、位置情報管理サーバ15が管理する全て端末11、12の位置情報をマップ情報においてリアルタイムに展開する機能を有する。
そして、マップ情報に展開された全ての端末11、12の位置情報に基づいて、フォークリフトL毎に最適な移動経路Rを選択する機能や、最適な移動経路R及び最適な移動経路Rに存在又は近接する別の端末(車載端末11及び携行端末12)の位置を車載端末11に表示する機能を有する。
さらに、物品管理サーバ14は、フォークリフトLが最適な移動経路Rを移動し、別のフォークリフトLや作業者Mと接近する場合に、該当する車載端末11や携帯用端末12に警告音を発生させる機能を有する。
つまり、物品管理サーバ14は、全端末11、12の位置情報に基いて、その時点におけるフォークリフトLの最適な移動経路Rを選択し、選択された最適な移動経路Rにおける別の端末11、12の有無に応じて、対象となる別の端末11にフォークリフトLの接近を告知する警告を表現するという一連の処理を行う。」(なお、段落【0019】の「携行端末13」の記載は、「携行端末12」の誤記である。)
上記記載から引用文献4には、次の事項(以下、「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。
「物流用移動体の移動管理システムにおいて、
物品を保管する複数の保管棚S(S1~S6)が配設された倉庫を備え、
各保管棚Sの間には通路が備えられており、各通路には車載端末11を備えたフォークリフトL(L1、L2)や、携行端末12を携行する作業者M(M1~M8)が作業内容に応じて存在し、
複数のフォークリフトLの車載端末11と、複数の携行端末12と、無線通信を行うアクセスポイント13と、物品管理サーバ14と、端末位置管理サーバ15とを含むLANが構築され、
物品管理サーバ14と、端末位置管理サーバ15と、アクセスポイント13は有線LAN16の環境下に置かれ、車載端末11及び携行端末12はアクセスポイント13との無線通信による無線LAN17の環境下に置かれること。」
5 引用文献Aについて
当審拒絶理由1の拒絶の理由に引用された引用文献A(特開2011-138555号公報)には、次の事項が記載されている。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運行データを処理して運転日報などの各種管理帳票を出力する運行管理のデータ処理システムに関し、また当該システムにおけるデータ処理装置および端末装置に関するものである。」
「【0013】
図1は、本発明に係る運行管理のデータ処理システムの一例を示す構成図である。図において、100は情報提供サービス会社(以下、センターという)、200a,200b,200c(以下、200で代表する)は各運送会社、300はセンター100および運送会社200を結ぶ通信ネットワークとしてのインターネットである。
【0014】
センター100には、大容量記憶装置からなるデータファイル2を備えたサーバー1が設けられている。このサーバー1は、データ処理装置を構成するものであって、インターネット300に接続されている。
【0015】
各運送会社200には、端末装置としてのパソコン3a,3b,3c(以下、3で代表する)と、印字装置としてのプリンタ4a,4b,4c(以下、4で代表する)と、読取装置としてのカード処理機5a,5b,5c(以下、5で代表する)とが設けられており、これらは運送会社の営業所に設置される。カード処理機5はパソコン3に接続されており、パソコン3にはプリンタ4が接続されている。また、パソコン3はインターネット300に接続されている。6a,6b,6c(以下、6で代表する)は、カード本体に半導体メモリチップが内蔵された記録媒体としてのメモリカード、7a,7b,7c(以下、7で代表する)は荷物を運送する車両としてのトラックである。
【0016】
各トラック7の運転席には、デジタル式運行記録計8a~8c(以下、8で代表する)が搭載されており、この運行記録計8と、上記のパソコン3、カード処理機5、インターネット300、およびサーバー1によって、運行管理のデータ処理システムが構成される。このシステムの動作の概要を以下に説明する。
【0017】
トラック7の乗務員は、乗務開始時にメモリカード6を運行記録計8にセットして運行を開始する。トラック運行中の各種データは、運行記録計8によって自動的にメモリカード6に記録される。1日の乗務が終了して営業所に戻り、メモリカード6をカード処理機5に挿入すると、カード6に記録されている運行データが読み取られ、パソコン3に送られる。パソコン3は、取り込んだ運行データをインターネット300を介して、センター100のサーバー1へ送信する。
【0018】
サーバー1では、パソコン3から送られてきた運行データをもとにして、運行管理帳票のデータを作成し、これをデータファイル2へ保存する。その後、パソコン3からインターネット300を介してサーバー1へアクセスすると、サーバー1はデータファイル2を検索して、アクセスのあった運送会社に対応する運行管理帳票のデータを、インターネット300を介して当該運送会社のパソコン3に配信する。
【0019】
配信を受けたパソコン3の画面には、まず運行管理帳票のタイトル一覧が表示され、この中から所望する管理帳票を選択すると、選択した管理帳票、たとえば運転日報が画面に表示される。そして、パソコン3において印字操作を行うと、画面に表示された運行管理帳票がプリンタ4によって印刷される。図11ないし図14に、プリンタ4で印刷された各種の運行管理帳票の例を示す。
【0020】
このように、図1のシステムでは、センター100のサーバー1において運行管理帳票が作成され、これがインターネット300を介して各運送会社200に配信されるようになっているので、パソコン3ではカード処理機5からの運行データをサーバー1へ送信し、サーバー1で作成された運行管理帳票のデータを受信するだけで済む。
・・・中 略・・・
【0024】
なお、上記のような各種運行管理帳票は、運送会社ごとにそのフォーマットが異なるので、サーバー1ではあらかじめ決められたフォーマットに従って運行管理帳票のデータを作成し、運送会社別にデータファイル2に格納する。」
「【0033】
図15は、本発明の他の実施形態によるデータ処理システムを示している。図15においては、図1のシステムに荷主400が追加されている。荷主400は、運送会社200に荷物の配送を依頼した者であり、この荷主400のパソコン9とセンター100のサーバー1とが、インターネット300により結ばれている。この場合、運送会社200のパソコン3は第1の端末装置を構成し、荷主400のパソコン9は第2の端末装置を構成する。その他は図1と全く同じであるので、図1と同一部分には同一符号を付して、重複部分の説明は省略する。
【0034】
図15のシステムは、運送会社200からセンター100へ送られてくる運行データの中に、荷物情報(図3の2f参照)が含まれていることを利用して、センター100が運送会社200に代わって、荷物の配送状況を荷主400に通知するようにしたものである。荷物情報のデータは、たとえば車両の位置、積荷・積降し作業の有無、作業時刻などからなり、これを参照することで、配送先に荷物が届いたか否か等の荷物配送状況を確認することができる。
【0035】
図16は、図15のシステムにおける荷主側の処理手順を示している。荷物の配送状況を確認したい荷主は、パソコン9においてユーザーIDやパスワード等を入力してサーバー1へアクセスを行う(ステップS41)。続いて、荷物を特定するための伝票番号を入力すると、センター100から当該番号に相当する荷物の配送状況データが送信されてくるので、パソコン9はこれを取得する(ステップS43)。取得したデータはパソコン9の画面に表示され、配送状況を閲覧できる(ステップS44)。パソコン9にプリンタ(図示省略)を接続すれば、配送状況を印字することも可能である。
【0036】
図17は、図15のシステムにおけるサーバー側の処理手順を示している。サーバー1が荷主400のパソコン9から荷物情報の要求を受信すると(ステップS51)、データファイル2の荷物情報データ領域2f(図3)を参照して、指定された伝票番号に相当する荷物のデータを検索する(ステップS52)。該当する荷物の配送状況データが抽出されれば、これをインターネット300を介してパソコン9へ送信する(ステップS53)。」
そうすると、引用文献Aには、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。
「センター100に、インターネット300に接続されたサーバーを設け、
各運送会社200に、インターネットに接続されたパソコン3と、パソコン3に接続されたカード処理機5を設け、
各トラック7の運転席には、デジタル式運行記録計8が搭載され、
トラック7の乗務員は、乗務開始時にメモリカード6を運行記録計8にセットして運行を開始し、トラック運行中の各種データは、運行記録計8によって自動的にメモリカード6に記録され、1日の乗務が終了して営業所に戻り、メモリカード6をカード処理機5に挿入すると、カード6に記録されている運行データが読み取られ、パソコン3に送られ、
パソコン3は、取り込んだ運行データをインターネット300を介して、センター100のサーバー1へ送信し、
サーバー1は、パソコン3から送られてきた運行データをもとにして、運送会社ごとにあらかじめ決められたフォーマットに従って運行管理帳票のデータを作成し、これをデータファイル2へ保存し、
パソコン3からインターネット300を介してサーバー1へアクセスすると、サーバー1はデータファイル2を検索し、アクセスのあった運送会社に対応する運行管理帳票のデータを、インターネット300を介して当該運送会社のパソコン3に配信し、
さらに、運送会社200に荷物の配送を依頼した者である荷主400は、センター100のサーバー1とインターネット300により結ばれているパソコン9を備え、
荷物の配送状況を確認したい荷主が、パソコン9においてサーバー1へアクセスを行い、荷物を特定するための伝票番号を入力すると、運行データに含まれる荷物情報を利用して、センター100から当該番号に相当する荷物の配送状況データが送信され、配送状況を閲覧する、
運行管理のデータ処理システム。」
加えて、引用文献Aには、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。
「センター100に設けられた、インターネット300に接続されたサーバー1であって、
各運送会社200に、インターネットに接続されたパソコン3と、パソコン3に接続されたカード処理機5を設け、
各トラック7の運転席には、デジタル式運行記録計8が搭載され、
トラック7の乗務員は、乗務開始時にメモリカード6を運行記録計8にセットして運行を開始し、トラック運行中の各種データは、運行記録計8によって自動的にメモリカード6に記録され、1日の乗務が終了して営業所に戻り、メモリカード6をカード処理機5に挿入すると、カード6に記録されている運行データが読み取られ、パソコン3に送られ、
パソコン3は、取り込んだ運行データをインターネット300を介して、センター100のサーバー1へ送信し、
サーバー1は、パソコン3から送られてきた運行データをもとにして、運送会社ごとにあらかじめ決められたフォーマットに従って運行管理帳票のデータを作成し、これをデータファイル2へ保存し、
パソコン3からインターネット300を介してサーバー1へアクセスすると、サーバー1はデータファイル2を検索し、アクセスのあった運送会社に対応する運行管理帳票のデータを、インターネット300を介して当該運送会社のパソコン3に配信し、
さらに、運送会社200に荷物の配送を依頼した者である荷主400は、センター100のサーバー1とインターネット300により結ばれているパソコン9を備え、
荷物の配送状況を確認したい荷主が、パソコン9においてサーバー1へアクセスを行い、荷物を特定するための伝票番号を入力すると、運行データに含まれる荷物情報を利用して、センター100から当該番号に相当する荷物の配送状況データが送信され、配送状況を閲覧する、
運行管理のデータ処理システムのサーバ1。」
6 引用文献Bについて
当審拒絶理由1の拒絶の理由に引用された引用文献B(特開2005-55987号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、運行管理システムに関し、特に、トラック,タクシー,オートバイなどの車両の運行を管理する運行管理システムに関する。」
「【0044】本例の場合は、前記カードインターフェース15に無線通信カード8を取り付けているので、車載装置1aはサーバ4に接続された端末10の無線LANのエリア内に入ることでサーバ4とLAN接続されて互いにデータの通信を行なうことが可能となる。したがって、乗務員6は図16に示した従来例のようにメモリカード88を用いるまでもなく、サーバ4からの運行指示データのダウンロードやサーバ4に対する運行管理データのアップロードを自動的に行うことができる。」
上記記載から引用文献Bには、次の事項(以下、「引用文献B記載事項」という。)が記載されている。
「トラックなどの車両の運行を管理する運行管理システムにおいて、運行管理データのアップロードを自動的に行うために、メモリカードを用いることなく、車載装置1aが、端末10の無線LANのエリア内に入ることでサーバ4とLAN接続されて互いにデータの通信を行うこと。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明1の「パソコン3」は、「各運送会社200」に設けられていることから、複数存在することは明らかである。そうすると、この「各運送会社200」に設けられた、複数の「パソコン3」は、本願発明1の「複数の第一クライアント装置」に相当する。
また、引用発明1は、「パソコン3」が「取り込んだ運行データをインターネット300を介して、センター100のサーバー1へ送信し」ていることから、引用発明1の「サーバー1」は、「パソコン3」と通信可能であるといえる。そうすると、引用発明1の「サーバー1」は、本願発明1の「前記複数の第一クライアント装置と通信可能なサーバ装置」に相当する。
イ 引用発明1の「トラック運行中の各種データ」は、本願発明1の「運行データ」に相当する。
そして、引用発明1は、「デジタル式運行記録計8」により、「トラック運行中の各種データは、デジタル式運行記録計8によって自動的にメモリカード6に記録」するものであるから、このことは、本願発明1の「前記車載器」が、「前記車両の運行に関する運行データを収集」することに相当する。
また、引用発明1の「トラック運行中の各種データは、デジタル式運行記録計8によって自動的にメモリカード6に記録され」、「メモリカード6をカード処理機5に挿入すると、カード6に記録されている運行データが読み取られ、パソコン3に送られ」ることと、本願発明1の「前記車載器は、前記車両の運行に関する運行データを収集して前記第一クライアント装置に送信」することとは、「前記車載器は、前記車両の運行に関する運行データを収集して前記第一クライアント装置に渡す」点で共通する。
そして、引用発明1の「デジタル式運行記録計8」は、「各トラック7の運転席に」「搭載され」ており、また、「トラック7の乗務員」が、「乗務開始時にメモリカード6を運行記録計8にセットして運行を開始し、トラック運行中の各種データは、運行記録計8によって自動的にメモリカード6に記録され、1日の乗務が終了して営業所に戻り、メモリカード6をカード処理機5に挿入すると、カード6に記録されている運行データが読み取られ、パソコン3に送られ」ているから、引用発明1の「デジタル式運行記録計8」と本願発明1の「車両に搭載され、前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と通信可能な車載器」とは、「車両に搭載され、前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と情報のやり取りが可能な車載器」である点で共通する。
ウ 引用発明1の「パソコン3は、取り込んだ運行データをインターネット300を介して、センター100のサーバー1へ送信」することと、本願発明1の「前記第一クライアント装置は、前記車載器から受信した前記運行データを前記サーバ装置に送信」することは、「前記第一クライアント装置は、前記車載器からの前記運行データを前記サーバ装置に送信」する点で共通する。
エ 引用発明1の「サーバー1」は、「パソコン3から送られてきた運行データをもとにして、運送会社ごとにあらかじめ決められたフォーマットに従って運行管理帳票のデータを作成」するものであり、この「運行管理帳票のデータ」を作成するためには、「パソコン3から送られてきた運行データ」について、運送会社ごとにあらかじめ決められた何らかの解析手法で解析をおこなうことは明らかである。
してみると、引用発明1の「運行管理帳票のデータを作成」するための解析手法は、本願発明1の「前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法」に相当する。
そして、引用発明1は、本願発明1の「前記サーバ装置は、前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法を実行可能であり、前記第一クライアント装置から受信した前記運行データに対して、前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法を適用することにより前記車両の挙動を解析」することと同様の解析をおこなっている。
オ 引用発明1の「アクセスのあった運送会社に対応する運行管理帳票のデータを、インターネット300を介して当該運送会社のパソコン3に配信」することは、本願発明1の「解析結果を前記第一クライアント装置に送信」することに相当する。
カ 引用発明1の「荷主400」が備える、「センター100のサーバー1とインターネット300により結ばれているパソコン9」は、「パソコン3」とは異なるものであり、「デジタル式運行記録計8」と通信しないことは明らかであるから、引用発明1の「パソコン9」は、本願発明1の「前記サーバ装置と通信可能な、前記第一クライアント装置とは異なり且つ前記車載器とは通信しない第二クライアント装置」に相当する。
キ 引用発明1は、「サーバー1」が作成する、「パソコン3」に配信する「トラック運行中の各種データ」を用いて作成された「運行管理帳票のデータ」、及び「パソコン9」に配信する「運行データに含まれる荷物情報を利用して」作成された「荷物の配送状況データ」は、それぞれ、本願発明1の「第一解析結果」及び「第二解析結果」に相当する。そして、引用発明1の「運行管理帳票のデータ」を生成するための解析手法、及び「荷物の配送状況データ」を生成するための解析手法は、それぞれ、本願発明1の「第一解析手法」及び「第二解析手法」に相当する。
そうすると、引用発明1の「サーバー1」は、本願発明1の「前記第一クライアント装置から受信した前記運行データに対して、前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる第一解析手法及び第二解析手法をそれぞれ適用することにより、前記車両の挙動を解析して前記第一解析手法による第一解析結果及び前記第二解析手法による第二解析結果をそれぞれ生成し、前記第一解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、かつ、前記第二解析結果を前記第二クライアント装置に送信」することについて、「前記第一クライアント装置から受信した前記運行データに対して、第一解析手法及び第二解析手法をそれぞれ適用することにより、前記車両の挙動を解析して前記第一解析手法による第一解析結果及び前記第二解析手法による第二解析結果をそれぞれ生成し、前記第一解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、かつ、前記第二解析結果を前記第二クライアント装置に送信」する点で共通する。
ク 引用発明1の「パソコン3」は、「各運送会社200」に設けられたものであり、「各運送会社200」で操作するものであるから、引用発明1の「パソコン3」は、本願発明1の「荷物の運搬を行う前記車両を利用する事業者が操作する装置であ」る「前記第一クライアント装置」に相当する。
ケ 引用発明1の「パソコン9」は、「運送会社200に荷物の配送を依頼した者である荷主400」が備えるものであり、「荷主400」が操作するものであるから、引用発明1の「パソコン9」は、本願発明1の「前記事業者に前記荷物の運搬を依頼する荷主が操作する装置であ」る「第二クライアント装置」に相当する。
コ 引用発明1の「荷物の配送状況データ」は、本願発明1の「前記第二解析結果として」の「前記車両が運搬する前記荷物の取り扱い状況を示す解析結果」に相当する。
そして、引用発明1の「サーバー1」も、本願発明1の「前記第二解析結果として、前記車両が運搬する前記荷物の取り扱い状況を示す解析結果を、前記第二クライアント装置に送信する」と同様の動作を行っている。
サ 本願の発明の詳細な説明に「ネットワーク70は、インターネット等のネットワーク(パケット通信網)であり、事務所PC30とサーバ50との間で行われるデータ通信を中継する。」(【0018】)、「そして、事務所PC30は、運行データをインターネットを介してサーバ50へ送信する。」(【0040】)と記載されているように、本願発明1の「第一クライアント装置」(「事務所PC30」)と「サーバ装置」(「サーバ50」)との間で「運航データを」「送信する」、「広域通信」として、「インターネット等のネットワーク(パケット通信網)」が示されているから、引用発明1の「インターネット300」は、本願発明1の「広域通信」に相当する。
そうすると、引用発明1の「パソコン3は、取り込んだ運行データをインターネット300を介して、センター100のサーバー1へ送信」することは、本願発明1の「前記第一クライアント装置は、広域通信により、前記運行データを前記サーバ装置に送信する」ことに相当する。
シ そして、引用発明1の「運行管理のデータ処理システム」は、本願発明1の「解析システム」に対応する。
ス そうすると、本願発明1と引用発明1とは、以下の点で一致し、又相違する。
[一致点]
「複数の第一クライアント装置と、車両に搭載され、前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と情報のやり取りが可能な車載器と、前記複数の第一クライアント装置と通信可能なサーバ装置と、を備える解析システムであって、
前記車載器は、前記車両の運行に関する運行データを収集して前記第一クライアント装置に渡し、
前記第一クライアント装置は、前記車載器からの前記運行データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法を実行可能であり、前記第一クライアント装置から受信した前記運行データに対して、前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法を適用することにより前記車両の挙動を解析し、解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、
前記サーバ装置と通信可能な、前記第一クライアント装置とは異なり且つ前記車載器とは通信しない第二クライアント装置をさらに備え、
前記サーバ装置は、
前記第一クライアント装置から受信した前記運行データに対して、第一解析手法及び第二解析手法をそれぞれ適用することにより、前記車両の挙動を解析して前記第一解析手法による第一解析結果及び前記第二解析手法による第二解析結果をそれぞれ生成し、前記第一解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、かつ、前記第二解析結果を前記第二クライアント装置に送信し、
前記第一クライアント装置は、荷物の運搬を行う前記車両を利用する事業者が操作する装置であり、前記第二クライアント装置は、前記事業者に前記荷物の運搬を依頼する荷主が操作する装置であり、
前記サーバ装置は、前記第二解析結果として、前記車両が運搬する前記荷物の取り扱い状況を示す解析結果を、前記第二クライアント装置に送信し、
前記第一クライアント装置は、広域通信により、前記運行データを前記サーバ装置に送信する
ことを特徴とする解析システム。」
[相違点1]
本願発明1の「車載器」は、「前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と通信可能な車載器」であるのに対して、引用発明1の「デジタル式運行記録計8」は、そのような特定がされていない点。
[相違点2]
本願発明1の「車載器」は、「前記車両の運行に関する運行データを収集して前記第一クライアント装置に送信し」ているのに対して、引用発明1の「デジタル式運行記録計8」は、「前記車両の運行に関する運行データを収集して」いるといえるものの、「トラック運行中の各種データ」を「パソコン3」に送信しているとはいえない点。
[相違点3]
本願発明1の「第一クライアント装置」は、「前記車載器から受信した前記運行データを前記サーバ装置に送信し」ているのに対して、引用発明1の「パソコン3」は、「前記運行データを前記サーバ装置に送信し」ているといえるものの、「デジタル式運行記録計8」からの「前記車両の運行に関する運行データ」を受信しているとはいえない点。
[相違点4]
本願発明1の「第一解析手法及び第二解析手法」は、「前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる」のに対して、引用発明1の「運行管理帳票のデータ」は、「前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる」解析手法で解析されているといえるものの、「荷物の配送状況データ」を解析する解析手法は、本願発明1の「前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる」ことに対応する特定がされていない点。
[相違点5]
本願発明1は、「前記車載器と狭域無線通信可能であり、前記第一クライアント装置と有線接続された、アクセスポイントをさらに備え、前記事業者は構内で前記車両を利用し、前記アクセスポイントは、前記車両が利用される前記構内に設けられ、
前記車載器から前記アクセスポイントへ前記狭域無線通信により送信された前記運行データは、前記アクセスポイントから前記第一クライアント装置へ送信され」ているのに対して、引用発明1は本願発明1の「アクセスポイント」に対応する構成を備えておらず、そのため、対応する特定がされていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、上記相違点5について先に検討する。
引用発明1は「トラック7の乗務員は、乗務開始時にメモリカード6を運行記録計8にセットして運行を開始し」、「1日の乗務が終了して営業所に戻り、メモリカード6をカード処理機5に挿入する」から、引用発明1の「トラック7」は「営業所」の外で利用されるものであるといえる。
そうすると、引用発明1に、自動化を目的として、引用文献B記載事項を適用し、引用発明1の「メモリカード6をカード処理機5に挿入する」ことに換えて、「営業所」に「無線LANのエリア」を設けたとしても、引用発明1の「トラック7」は「営業所」の外で利用するものであるから、相違点5に係る本願発明1の「前記車両が利用される前記構内に設けられ」る「アクセスポイント」に相当する構成を備えることとはならない。
また、引用文献4記載事項に示すように、
「物流用移動体の移動管理システムにおいて、
物品を保管する複数の保管棚S(S1~S6)が配設された倉庫を備え、
各保管棚Sの間には通路が備えられており、各通路には車載端末11を備えたフォークリフトL(L1、L2)や、携行端末12を携行する作業者M(M1~M8)が作業内容に応じて存在し、
複数のフォークリフトLの車載端末11と、複数の携行端末12と、無線通信を行うアクセスポイント13と、物品管理サーバ14と、端末位置管理サーバ15とを含むLANが構築され、
物品管理サーバ14と、端末位置管理サーバ15と、アクセスポイント13は有線LAN16の環境下に置かれ、車載端末11及び携行端末12はアクセスポイント13との無線通信による無線LAN17の環境下に置かれること。」
は、公知の構成であるが、引用発明1の「営業所」の外で利用される「トラック7」を、引用文献4記載事項に示す「フォークリフトL」とし、引用文献4記載事項に示された構成を採用し、本願発明1の相違点5に係る構成とすることは、動機付けが存在しない。
加えて、引用文献1ないし3には、本願発明1の相違点5に係る構成は記載されておらず、又周知の構成であるともいない。
そうすると、当業者であっても、引用発明1、並びに引用文献1ないし4及び引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
2 本願発明2について
本願発明2は、本願発明1の上記相違点5に係る「前記車載器と狭域無線通信可能であり、前記第一クライアント装置と有線接続された、アクセスポイントをさらに備え、前記事業者は構内で前記車両を利用し、前記アクセスポイントは、前記車両が利用される前記構内に設けられ、前記車載器から前記アクセスポイントへ前記狭域無線通信により送信された前記運行データは、前記アクセスポイントから前記第一クライアント装置へ送信され」ることと、同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1並びに引用文献1ないし4及び引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
3 本願発明3について
(1)対比
本願発明3と引用発明2とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明2の「パソコン3」は、「各運送会社200」に設けられていることから、複数存在することは明らかである。そうすると、引用発明2の「各運送会社200」に設けられた、複数の「パソコン3」は、本願発明3の「複数の第一クライアント装置」に相当する。そして、引用発明2の「パソコン3」は、本願発明3の「荷物の運搬を行う前記車両を利用する事業者が操作する装置」に相当する。
イ 引用発明2の「デジタル式運行記録計8」は、「各トラック7の運転席に」「搭載され」ており、また、「トラック7の乗務員」が、「乗務開始時にメモリカード6を運行記録計8にセットして運行を開始し、トラック運行中の各種データは、運行記録計8によって自動的にメモリカード6に記録され、1日の乗務が終了して営業所に戻り、メモリカード6をカード処理機5に挿入すると、カード6に記録されている運行データが読み取られ、パソコン3に送られ」ているから、引用発明2の「デジタル式運行記録計8」と本願発明3の「車両に搭載され、前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と通信可能な車載器」とは、「車両に搭載され、前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と情報のやり取りが可能な車載器」である点で共通する。
ウ 引用発明2の「運送会社200に荷物の配送を依頼した者である荷主400」が備える「センター100のサーバー1とインターネット300により結ばれているパソコン9」は、「パソコン3」とは異なるパソコンであり、「デジタル式運行記録計8」と「運行データ」の通信をしないことは明らかであるから、引用発明2の「パソコン9」は、本願発明3の「前記複数の第一クライアント装置とは異なり且つ前記車載器とは通信しない第二クライアント装置」に相当する。そして、引用発明2の「パソコン9」は、本願発明3の「前記事業者に前記荷物の運搬を依頼する荷主が操作する装置」に相当する。
エ 引用発明2は、「パソコン3は、取り込んだ運行データをインターネット300を介して、センター100のサーバー1へ送信し」、「パソコン3からインターネット300を介してサーバー1へアクセスすると、サーバー1はデータファイル2を検索し、アクセスのあった運送会社に対応する運行管理帳票のデータを、インターネット300を介して当該運送会社のパソコン3に配信し」、「荷物の配送状況を確認したい荷主が、パソコン9においてサーバー1へアクセスを行い、荷物を特定するための伝票番号を入力すると、運行データに含まれる荷物情報を利用して、センター100から当該番号に相当する荷物の配送状況データが送信」するから、引用発明2の「サーバー1」は「パソコン3」及び「パソコン9」と通信可能であるといえるから、引用発明2の「サーバー1」は、本願発明3の「前記第一クライアント装置及び第二クライアント装置のそれぞれと通信可能なサーバ装置」に相当する。
オ 引用発明2の「運行管理のデータ処理システム」は、本願発明3の「解析システム」に相当する。
カ 引用発明2の「運行記録計8によって自動的にメモリカード6に記録され、1日の乗務が終了して営業所に戻り、メモリカード6をカード処理機5に挿入すると、カード6に記録されている運行データが読み取られ、パソコン3に送られ」る「運行データ」は、本願発明3の「前記車載器が収集した前記車両の運行に関する運行データ」に相当する。
そして、引用発明2は、「パソコン3は、取り込んだ運行データをインターネット300を介して、センター100のサーバー1へ送信し」ているから、「サーバー1」は、「パソコン3」からの「運行データ」を受信しているといえる。そうすると、引用発明2の「サーバー1」が受信する「運行データ」は、本願発明3の「前記第一クライアント装置から受信した、前記車載器が収集した前記車両の運行に関する運行データ」に相当する。
キ 引用発明2の「サーバー1」は、「パソコン3から送られてきた運行データをもとにして、運送会社ごとにあらかじめ決められたフォーマットに従って運行管理帳票のデータを作成」するものであり、この「運行管理帳票のデータ」を作成するためには、「パソコン3から送られてきた運行データ」について、運送会社ごとにあらかじめ決められた何らかの解析手法で解析をおこなうことは明らかである。
そうすると、引用発明2の「運行管理帳票のデータを作成」するための解析手法は、本願発明3の「前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法」に相当する。
してみると、引用発明2の「サーバー1」は、本願発明3の「サーバ装置」が実行可能である「前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法」と同様の解析手法の実行が可能であることとなる。
ク 引用発明2は、「荷物の配送状況を確認したい荷主が、パソコン9においてサーバー1へアクセスを行い、荷物を特定するための伝票番号を入力すると、運行データに含まれる荷物情報を利用して、センター100から当該番号に相当する荷物の配送状況データが送信」している。そして、「サーバー1」が、入力された「荷物を特定するための伝票番号」から「運行データに含まれる荷物情報を利用して」、「当該番号に相当する荷物の配送状況データ」を作成するためには、「荷物の配送状況データ」を作成するための何らかの解析手法を備えることは明らかである。
ケ 引用発明2は、「運行管理帳票のデータ」が該当する「運送会社のパソコン3に配信」されること、及び、「荷物の配送状況データ」が「荷主400」が備える「パソコン9」に送信されることから、引用発明2の「運行管理帳票のデータ」及び「荷物の配送状況データ」は、それぞれ、本願発明3の「前記第一クライアント装置に送信」される「第一解析結果」及び「前記第二クライアント装置に送信」される「第二解析結果」に相当する。
してみると、引用発明2の「運行管理帳票のデータ」を作成するための解析手法、及び、「荷物の配送状況データ」を作成するための解析手法は、それぞれ、本願発明3の「前記車両の挙動を解析して第一解析結果」を生成する「第一解析手法」、及び、「前記車両の挙動を解析して」「第二解析結果」を生成する「第二解析手法」に相当する。
また、引用発明2の「荷物の配送状況データ」は、本願発明3の「前記車両が運搬する前記荷物の取り扱い状況を示す解析結果」に相当する。
そうすると、引用発明2の「サーバー1」は、本願発明3の「サーバ装置」が、「前記第一クライアント装置から受信した、前記車載器が収集した前記車両の運行に関する運行データに対して、前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる第一解析手法及び第二解析手法をそれぞれ適用することにより、前記車両の挙動を解析して第一解析結果及び第二解析結果をそれぞれ生成し、前記第一解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、かつ、前記第二解析結果を前記第二クライアント装置に送信」することについて、「前記第一クライアント装置から受信した、前記車載器が収集した前記車両の運行に関する運行データに対して、第一解析手法及び第二解析手法をそれぞれ適用することにより、前記車両の挙動を解析して第一解析結果及び第二解析結果をそれぞれ生成し、前記第一解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、かつ、前記第二解析結果を前記第二クライアント装置に送信」する点で共通する。
加えて、引用発明2と本願発明3は、「前記サーバ装置」が、「前記第二解析結果として、前記車両が運搬する前記荷物の取り扱い状況を示す解析結果を、前記第二クライアント装置に送信」する点で共通する。
コ 本願の発明の詳細な説明に「ネットワーク70は、インターネット等のネットワーク(パケット通信網)であり、事務所PC30とサーバ50との間で行われるデータ通信を中継する。」(【0018】)、「そして、事務所PC30は、運行データをインターネットを介してサーバ50へ送信する。」(【0040】)と記載されているように、本願発明3の「第一クライアント装置」(「事務所PC30」)と「サーバ装置」(「サーバ50」)との間で「運航データを」「送信する」、「広域通信」として、「インターネット等のネットワーク(パケット通信網)」が示されているから、引用発明2の「インターネット300」は、本願発明3の「広域通信」に相当する。
そうすると、引用発明2の「パソコン3は、取り込んだ運行データをインターネット300を介して、センター100のサーバー1へ送信」することは、本願発明3の「前記第一クライアント装置は、広域通信により、前記運行データを前記サーバ装置に送信する」ことに相当する。
サ そうすると、本願発明3と引用発明2とは、以下の点で一致し、又相違する。
[一致点]
「複数の第一クライアント装置と、車両に搭載され、前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と情報のやり取りが可能な車載器と、前記複数の第一クライアント装置とは異なり且つ前記車載器とは通信しない第二クライアント装置と、前記第一クライアント装置及び第二クライアント装置のそれぞれと通信可能なサーバ装置と、を備える解析システムにおける、前記サーバ装置であって、
前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法を実行可能であり、かつ、
前記第一クライアント装置から受信した、前記車載器が収集した前記車両の運行に関する運行データに対して、第一解析手法及び第二解析手法をそれぞれ適用することにより、前記車両の挙動を解析して第一解析結果及び第二解析結果をそれぞれ生成し、前記第一解析結果を前記第一クライアント装置に送信し、かつ、前記第二解析結果を前記第二クライアント装置に送信し、
前記第一クライアント装置は、荷物の運搬を行う前記車両を利用する事業者が操作する装置であり、前記第二クライアント装置は、前記事業者に前記荷物の運搬を依頼する荷主が操作する装置であり、
前記サーバ装置は、前記第二解析結果として、前記車両が運搬する前記荷物の取り扱い状況を示す解析結果を、前記第二クライアント装置に送信し、
前記第一クライアント装置は、広域通信により、前記運行データを前記サーバ装置に送信する
ことを特徴とするサーバ装置。」
[相違点6]
本願発明3の「車載器」は、「前記複数の第一クライアント装置のいずれか一と通信可能な車載器」であるのに対して、引用発明2の「デジタル式運行記録計8」は、そのような特定がされていない点。
[相違点7]
本願発明3の「サーバ装置」は、「標準解析手法と、前記標準解析手法とは異なるパターンの解析手法である個別解析手法と、を実行可能であ」るのに対して、引用発明2は、そのような特定がされていない点。
[相違点8]
本願発明3の「サーバ装置」は、「前記運行データに対して、前記第一解析手法又は前記第二解析手法として前記個別解析手法を適用した解析結果に基づいて、前記標準解析手法を更新し」ているのに対して、引用発明2は、そのような特定がされていない点。
[相違点9]
本願発明3の「第一解析手法及び第二解析手法」は、「前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる」のに対して、引用発明2の「運行管理帳票のデータ」は、「前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる」解析手法で解析されているといえるものの、「荷物の配送状況データ」を解析する解析手法は、本願発明3の「前記第一クライアント装置用に予め定められた解析手法に含まれる」ことに対応する特定がされていない点。
[相違点10]
本願発明3は、「前記車載器と狭域無線通信可能であり、前記第一クライアント装置と有線接続された、アクセスポイントをさらに備え、前記事業者は構内で前記車両を利用し、前記アクセスポイントは、前記車両が利用される前記構内に設けられ、
前記車載器から前記アクセスポイントへ前記狭域無線通信により送信された前記運行データは、前記アクセスポイントから前記第一クライアント装置へ送信され」ているのに対して、引用発明2は本願発明3の「アクセスポイント」に対応する構成を備えておらず、そのため、対応する特定がされていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、「標準解析手法」及び「個別解析手法」に関する、上記相違点7及び8について先に検討する。
引用文献1ないし4及び引用文献Bには、「サーバ装置」が、「標準解析手法と、前記標準解析手法とは異なるパターンの解析手法である個別解析手法と、を実行可能であり」、「前記運行データに対して、前記第一解析手法又は前記第二解析手法として前記個別解析手法を適用した解析結果に基づいて、前記標準解析手法を更新」する点は、記載されておらず、又周知の技術であるともいえない。
そうすると、当業者であっても、引用発明2、並びに引用文献1ないし4及び引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第7 原査定についての判断
令和4年6月29日にされた手続補正により、補正後の請求項1及び2は、「前記車載器と狭域無線通信可能であり、前記第一クライアント装置と有線接続された、アクセスポイントをさらに備え、前記事業者は構内で前記車両を利用し、前記アクセスポイントは、前記車両が利用される前記構内に設けられ、前記車載器から前記アクセスポイントへ前記狭域無線通信により送信された前記運行データは、前記アクセスポイントから前記第一クライアント装置へ送信され」るという技術的事項を、また、補正後の請求項3は、「サーバ装置」は、「前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法を実行可能であり」、「前記運行データに対して、前記第一解析手法又は前記第二解析手法として前記個別解析手法を適用した解析結果に基づいて、前記標準解析手法を更新」するという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、原査定における引用文献1ないし4には記載されておらず、本願の出願前における周知技術でもないので、本願発明1ないし3は、当業者であっても、原査定における引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて、容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第8 当審拒絶理由についての判断
1 当審拒絶理由1(特許法第29条第2項)について
令和4年6月29日にされた手続補正により、補正後の請求項1及び2は、「前記車載器と狭域無線通信可能であり、前記第一クライアント装置と有線接続された、アクセスポイントをさらに備え、前記事業者は構内で前記車両を利用し、前記アクセスポイントは、前記車両が利用される前記構内に設けられ、前記車載器から前記アクセスポイントへ前記狭域無線通信により送信された前記運行データは、前記アクセスポイントから前記第一クライアント装置へ送信され」るという技術的事項を、また、補正後の請求項3は、「サーバ装置」は、「前記複数の第一クライアント装置のそれぞれに対応して予め定められた少なくとも一つの解析手法を実行可能であり」、「前記運行データに対して、前記第一解析手法又は前記第二解析手法として前記個別解析手法を適用した解析結果に基づいて、前記標準解析手法を更新」するという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、当審拒絶理由1における引用文献A及びBには記載されておらず、本願の出願前における周知技術でもないので、本願発明1ないし3は、当業者であっても、当審拒絶理由1における引用文献A及びBに記載された発明に基づいて、容易に発明をすることができたものではない。
したがって、この拒絶理由は解消した。
2 当審拒絶理由2(特許法第36条第6項第2号)について
当審では、請求項1及び3の「前記アクセスポイントは、前記事業者が利用する前記車両が配置される構内に設けられ」の記載だけでは、請求項1ないし3に記載された発明が明確であるとはいえないとの拒絶の理由を通知しているが、令和4年6月29日にされた手続補正により「前記車載器と狭域無線通信可能であり、前記第一クライアント装置と有線接続された、アクセスポイントをさらに備え、前記事業者は構内で前記車両を利用し、前記アクセスポイントは、前記車両が利用される前記構内に設けられ、前記車載器から前記アクセスポイントへ前記狭域無線通信により送信された前記運行データは、前記アクセスポイントから前記第一クライアント装置へ送信され」ると補正された結果、この拒絶の理由は解消した。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由並びに当審拒絶理由1及び2によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-011969