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意匠拒絶査定不服審判

2021-011924

Sex toy

審判番号
2021-011924
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2020-500388外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
1705084
請求日
2021年09月08日
審決日
2021年12月02日
公報発行日
2022年01月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
D18 .113-WY (J7-1)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
意匠法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

意願2020-500388「Sex toy」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 9項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は,令和1年(2019年)9月25日の世界知的所有権機関(WIPO)への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,国際登録日を2020年3月24日とする国際意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。

令和2年10月28日 :手続補正書の提出
令和3年 1月28日付け :拒絶の通報
3月26日 :電話応対
3月29日 :電話応対
4月27日 :意見書の提出
7月15日付け :拒絶査定

9月 8日 :審判請求書の提出

第2 本願意匠

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「Sex toy」(参考訳:「セックス・トイ」,以下日本語訳で示す。)とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠

公報発行官庁: 世界知的所有権機関
文献名: 国際意匠公報
意匠登録番号: DM/103100「意匠番号47」

「大人のおもちゃ」の意匠

公報発行日: 2019年 1月 4日
出願日: 2018年 6月30日
登録日: 2018年 6月30日
出願番号: DM/103100
権利者の氏名/名称: EIS GmbH
権利者の住所/居所: Am Lenkwerk 3 33609 Bielefeld(DE)

(特許庁意匠課公知資料番号:HH31500106)

なお,令和3年1月28日付けの「拒絶の通報」においては,「意匠番号」を「1」とし,「特許庁意匠課公知資料番号」を「HH315000106」としているが,上記のとおり,「意匠番号」は「47」の,「特許庁意匠課公知資料番号」は「HH31500106」の誤りである。

しかし,この点につき,本件請求人(本願の出願人と同じ。)は,この誤記につき,審査官と電話応対をした上で了承し,正しく理解して,意見書にて意見を述べ,審判請求書にて請求理由を主張しているから,上記のとおりに誤りを正した上で審理するものとする。

第4 当審の判断

1.本願意匠

本願意匠は,上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると,以下のとおりである。

(1)意匠に係る物品

本願意匠の意匠に係る物品は「セックス・トイ」である。

(2)本願意匠の形状

ア.基本的構成態様

〔形状A1〕下端が丸い,略倒立円錐形状の把持部の上に,僅かに扁平な球状の下側を約4分の1切り取った形状の振動ヘッド(以下,単に「ヘッド部」という。)を載せたような形状である。

〔形状A2〕各部の寸法比率は,ヘッド部の最大幅:ヘッド部と把持部のつなぎ目箇所の幅:全体の縦長さ:ヘッド部の縦長さ:把持部の縦長さは,約5:4:8:3:5である。

イ.具体的態様

〔形状A3〕上端からヘッド部の高さの下から約4分の1の高さまでが凸曲面であって,ヘッド部の高さの下から約4分の1の高さから把持部の高さの上から約3分の1の高さまでが凹曲面である。

〔形状A4〕ヘッド部においては,ヘッド部の下端近くまで,狭角が鋭角で,頂角が丸い,やや斜めになった山型の畝が15条,側面視で「ノ」の字状に成るよう斜めに設けてある。

〔形状A5〕ヘッド部と把持部のつなぎ目と,そのやや下に,水平方向に極細の筋を設けている。

〔形状A6〕把持部の正面に,上下中央から下に向けて,徐々に僅かな段差を作り,その段差の正面視形状を下半分縦長楕円形としたものであって,その箇所には,上に「+」模様,下に「-」模様を施している。

2.引用意匠

(1)意匠に係る物品

引用意匠の意匠に係る物品は「大人のおもちゃ」である。

(2)引用意匠の形状

ア.基本的構成態様

〔形状B1〕下端が丸い,略倒立円錐形状の把持部の上に,僅かに扁平な球状の下側を約4分の1切り取った形状のヘッド部を載せたような形状である。

〔形状B2〕各部の寸法比率は,ヘッド部の最大幅:ヘッド部と把持部のつなぎ目箇所の幅:全体の縦長さ:ヘッド部の縦長さ:把持部の縦長さは,約5:4:8:3:5である。

イ.具体的態様

〔形状B3〕上端からヘッド部の高さの下から約4分の1の高さまでが凸曲面であって,ヘッド部の高さの下から約4分の1の高さから把持部の高さの上から約3分の1の高さまでが凹曲面である。

〔形状B4〕ヘッド部においては,ヘッド部の下端近くまで,細くて浅い「V」の字状の溝を,間隔を空けて15条,側面視で縦長の略「S」の字状になるように設けてある。

〔形状B5〕ヘッド部と把持部のつなぎ目と,そのやや下に,水平方向に極細の筋を設けている。

〔形状B6〕把持部の正面に,上下中央から下に向けて,徐々に僅かな段差を作り,その段差の正面視形状を下半分縦長楕円形としたものであって,その箇所には,上に「+」模様,下に「-」模様を施している。

3.両意匠の対比

(1)意匠に係る物品の対比

本願意匠に係る物品は「セックス・トイ」であり,引用意匠に係る物品は「大人のおもちゃ」である。

(2)両意匠の形状の対比

両意匠の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。

ア.共通点について

〔共通点1〕下端が丸い,略倒立円錐形状の把持部の上に,僅かに扁平な球状の下側を約4分の1切り取った形状のヘッド部を載せたような形状である。(形状A1とB1)

〔共通点2〕各部の寸法比率は,ヘッド部の最大幅:ヘッド部と把持部のつなぎ目箇所の幅:全体の縦長さ:ヘッド部の縦長さ:把持部の縦長さは,約5:4:8:3:5である。(形状A2とB2)

〔共通点3〕上端からヘッド部の高さの下から約4分の1の高さまでが凸曲面であって,ヘッド部の高さの下から約4分の1の高さから把持部の高さの上から約3分の1の高さまでが凹曲面である。(形状A3とB3)

〔共通点4〕ヘッド部と把持部のつなぎ目と,そのやや下に,水平方向に極細の筋を設けている。(形状A5とB5)

〔共通点5〕把持部の正面に,上下中央から下に向けて,徐々に僅かな段差を作り,その段差の正面視形状を下半分縦長楕円形としたものであって,その箇所には,上に「+」模様,下に「-」模様を施している。(形状A6とB6)

イ.相違点について

ヘッド部の下端近くまでの形状につき,本願意匠は,狭角が鋭角で,頂角が丸い,やや斜めになった山型の畝が15条,側面視で「ノ」の字状に成るよう斜めに設けてあるのに対して,引用意匠は,細くて浅い「V」の字状の溝を,間隔を空けて15条,側面視で縦長の略「S」の字状になるように設けてある。

4.判断

(1)意匠に係る物品の類否判断

本願意匠に係る物品は「セックス・トイ」であり,引用意匠に係る物品は「大人のおもちゃ」であって,表記は異なるが,本願意匠に係る物品と引用意匠に係る物品は,共通する。

(2)両意匠における形状の評価

ア.共通点について

基本的構成態様の共通点1及び2,各部の面構成に関わる共通点3,そして,把持部における具体的態様である共通点4及び5によって,両意匠において,一定程度の共通感を醸し出しているが,限定的である。

イ.相違点について

相違点によって,本願意匠は,ヘッド部全体が凹凸感にあふれ,立体的な印象を強く与えるのに対して,引用意匠は,ヘッド部全体が平滑な半球形状であるという印象にとどまる。また,この種物品のヘッド部は,意匠的要部といえるところ,この相違点によって,両意匠に別異の印象を与えるものであるといえ,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。

(3)両意匠における形状の類否判断

以上のとおり,共通点は,両意匠の類否判断に与える影響は,限定的なものであり,これらの共通点によっては,両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して,相違点によっては,需要者に別異の印象を起こさせるものであるから,両意匠の類否判断を決するものといえる。

そうすると,本願意匠の形状と引用意匠の形状は,類似するとは認められない。

(4)両意匠における類否判断

よって,両意匠は,意匠に係る物品は共通するが,上記のとおり本願意匠と引用意匠の形状は類似するものではないから,本願意匠と引用意匠は類似するとはいえない。

5.結び

したがって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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