2021-011840
口腔ヘルスケアデバイスのユーザの動きを検出してフィードバックを提供するシステム及び方法
- 審判番号
- 2021-011840
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-553231外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年09月07日
- 審決日
- 2022年05月24日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】宮崎 修
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F) / P18 .536-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 22項目
第1 手続きの経緯
本願は、2017年(平成29年)4月7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年4月15日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和3年5月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
理由2(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
理由4(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
理由5(実施可能要件)この出願は、発明の詳細な説明の記載について下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
記(引用文献等については引用文献等一覧参照)
理由2について
・請求項 1~3、8~9、13
・引用文献等 1、2
・請求項 4~5、7、10~11
・引用文献等 1~3
・請求項 6、12
・引用文献等 1~3、7
理由4について
・請求項5、11
・備考
請求項5及び11中の「線形又は非線形特徴のセット」という記載の技術的意味が不明確である。
・請求項8、13
・備考
請求項8及び13中には「前記視覚的画像」とあるが、これらの請求項が引用する請求項1及び9には、「視覚的画像」が記載されていないため、「前記」に対応する構成が不明確である。
理由5について
・請求項9~13
・備考
請求項9~13には、「ユーザの頭の位置」について記載されているが、発明の詳細な説明には「動き」について記載されており、「位置」についての実質的な説明は記載されていない。
<引用文献等一覧>
1.国際公開第2014/202438号
2.特表2012-509508号公報
3.国際公開第2016/020803号
7.米国特許出願公開第2016/0027467号明細書
第3 本願発明
本願請求項1~11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明11」という。)は、令和3年9月7日になされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載された事項により特定される発明であり、このうち、本願発明1及び本願発明8は、以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】口腔ヘルスケアデバイスのユーザにフィードバックを提供する方法であって、前記口腔ヘルスケアデバイスの使用中の前記ユーザの頭の動きを検出するステップと、前記頭の動きの量が閾値に達しているか或いは閾値を超えているか否かを決定するステップと、前記頭の動きが前記閾値に達しているか或いは前記閾値を超えている事態において、前記ユーザに視覚的表示を提供するために前記口腔ヘルスケアデバイスと関連付けられるユーザインターフェースを変更することによって前記ユーザに前記頭の動きを通知するステップとを含む、方法。」
「 【請求項8】口腔ヘルスケアデバイスのユーザにフィードバックを提供するシステムであって、前記口腔ヘルスケアデバイスの使用中の前記ユーザの頭の位置を決定するように構成される位置センサと、該位置センサと通信するプロセッサであって、前記決定する頭の位置の間の差を計算して、該差が前記ユーザに通知するための閾値に達しているか或いは前記ユーザに通知するための閾値を超えているか否かを決定するように構成される、プロセッサと、該プロセッサと通信するユーザインターフェースであって、前記決定する頭の位置の間の前記差が前記閾値に達しているか或いは前記閾値を超えている事態において、前記ユーザに視覚的表示を提供するように構成される、ユーザインターフェースとを含む、システム。」
また、本願発明2~7は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明9~11は、本願発明8を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献2、引用方法発明及び引用システム発明について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、強調のために当審が付与した。以下同様。)
「【0024】概要:本発明による個人衛生機器、システム及び/又は方法は、ユーザーが個人衛生ルーチンを改善するのを支援することができる。例えば、本発明の個人衛生機器は、ユーザーが歯をより効果的かつ効率的に磨くのを支援することができる。別の例として、本発明の個人衛生機器は、ユーザーが顔の毛又は体毛をより効果的に剃毛又はトリミングするのを支援することができ、及び/あるいはユーザーが所望の顔の毛又は体毛の左右対称な外観をより効率的に得るのを支援することができる。別の例として、本発明の個人衛生機器は、ユーザーがより効果的及び効率的に顔及び/又は体を洗うのを支援することができる。更に別の例として、本発明の個人衛生機器は、ユーザーがより効果的及び効率的に化粧品製品(例えば、メークアップ及びセルフタンニング製品)を適用する及び除去するのを支援することができる。本発明の個人衛生機器は、ある程度、個人衛生用具の位置及び/又は向きを測定することにより、並びに一部の実施形態では、ユーザーの体の少なくとも一部分の位置及び/又は向きを同様に測定することにより、上記のようにユーザーを支援することができる。【0025】図1に図示ように、個人衛生機器100の実施形態は、位置確認部材90と個人衛生用具10とを含むことができる。一部の実施形態では、位置確認部材90は、カメラ20と、ディスプレイ装置30と、受信ユニット40とを備えていてもよい。これらの実施形態では、カメラ20及びディスプレイ装置30は受信ユニット40と信号通信していてもよく、これにより、カメラ20が画像データを受信ユニット40に送信し、次に受信ユニット40が、画像データをディスプレイ装置30に送信するのが可能となる。これに加え、このような実施形態では、受信ユニット40及びディスプレイ装置30は一体に形成されていてもよい。あるいは、受信ユニット40はカメラ20と一体に形成されてもよく、又はカメラ20はディスプレイ装置30と一体に形成されてもよい。他の実施形態では、受信ユニット40、ディスプレイ装置30、及びカメラ20は一体に形成されてもよい。更に他の実施形態では、受信ユニット40、ディスプレイ装置30及びカメラ20は、それぞれ個別の部品であってもよい。【0026】一部の実施形態では、位置確認部材90は、ユーザーの体の少なくとも一部分、及び/又は個人衛生用具10の少なくとも一部分の位置及び/又は向きを測定することができる。位置確認部材90は、多数の異なる技術を利用してこのタスクを実行することができる。非限定的な例には、視覚的マーカー、非視覚的マーカー(例えば、音声、ソーナー、レーダー、ドップラー)、物体認識、磁気、レーザー及び/又はマシンビジョン等に関連する技術が挙げられる。1つの特定の実施形態では、位置確認部材90はマーカーレス技術を利用してもよく、物体認識可能であってもよい。利用する技術に関わらず、位置確認部材90は、ユーザーの体の少なくとも一部分及び/又は個人衛生用具10の少なくとも一部分の位置及び/又は向きを測定するために、ユーザー80及び/又は個人衛生用具10に関する指定された特徴を利用することができる。レーザースキャナを含む実施形態が以下に記載される。」
「【図1】[図:0001385041000001.jpg]」
「【0028】マーカーレス技術では、指定された特徴は、対象物の位置/向きが求められる対象物の特徴を含むことができる。例えば、ユーザー80に関する指定された特徴は、ユーザー80の体にある解剖学的ランドマーク、又はユーザー80の体全体を含んでもよい。ユーザー80の体に関する解剖学的ランドマークの非限定的な例には、顔ランドマーク、頭上ランドマーク、胴体ランドマーク、手足ランドマーク、手指、足指、及び口腔ランドマークを挙げることができる。図1に関し、顔ランドマークの非限定的な例には、目の端50、鼻孔60、口角70、これらの組み合わせなどが挙げられる。口腔ランドマークの非限定的な例には、個々の歯、歯の表面、以前の歯の治療、歯肉、頬、唇、及び舌が挙げられる。」
「【0034】本明細書に記載の指定された特徴を利用することにより、位置確認部材90が、ユーザー80の顔/体の少なくとも一部分の向き及び/又は場所、並びに/あるいは個人衛生用具10の少なくとも一部分の場所を測定することが可能になり得る。図1を参照すると、一例として、カメラ20は、ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信してもよい。画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニット40は、ユーザー80の目の端50、鼻孔60、及び口角70の場所/向きを判定することができる。目の端50、鼻孔60、及び口角70の場所/向きを判定することによって、受信ユニット40は次に、ユーザー80の頭部の場所及び/又は向きを判定することができる。別の例として、カメラ20は、個人衛生用具10に関する画像データを受信ユニット40に送信してもよい。画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニット40は、個人衛生用具10の場所を判定することができる。更に別の例として、カメラ20は、ユーザー80及び個人衛生用具10両方の画像データを送信してもよい。前述同様に、画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニット40は、ユーザー80及び個人衛生用具10の場所を判定することができる。一般に、上述のようにユーザー80及び/又は個人衛生用具10の位置及び/又は向きを位置確認部材90が測定可能なだけの十分な速度でカメラが受信ユニット40に画像データを送信できるように、カメラ20が選択される。【0035】図2A及び図2Bを参照すると、カメラ20(図1に図示)は、カメラ20の表示画面200内のユーザー80の頭部に関する画像データを、受信ユニット40に送信することができる。表示画面200は、x軸212に沿った所与の数のピクセルと、y軸214に沿った所与の数のピクセルとによって画定され得る。カメラ20により供給された画像データから、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿ってほぼ同じ距離である場合には、受信ユニット40は、ユーザー80の頭部の向きがほぼ直立であるのを判定することができる(この直立位置は図2Aに例示されている)。これに対して、カメラ20により供給された画像データから、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿って所定の距離だけオフセットしている場合には、受信ユニット40は、ユーザーの頭部の向きが傾いているのを判定することができる(この傾いた位置は図2Bに例示されている)。個人衛生用具10の場所及び/又は向きは、個人衛生機器10の指定された特徴を利用して、同様に判定され得る。x軸212及びy軸214に沿った向き/位置に加え、位置確認部材90はまた、ユーザー80の少なくとも一部分及び/又は個人衛生用具10の少なくとも一部分のz軸に沿った向き/位置、並びに/あるいは軸のそれぞれに沿った回転(即ちロール、ピッチ、ヨー)を判定するように構成されてもよい。」
「【図2A】[図:0001385041000002.jpg]」
「【図2B】[図:0001385041000003.jpg]」
「【0037】具体例として、図2Cに例示されているように、ユーザー80の頭部は、カメラ20(図1に図示)の表示画面200の右縁部210の近くに示されている。個人衛生機器100の一部の実施形態では、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って全ピクセルの10%以内にある場合(x軸に沿って左から右に数える)、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って総ピクセル数の40%以内のみにあるようにカメラが右側に調節されるように、受信ユニット40を構成してもよい。図2Dに示されるように、ユーザー80の頭部の画像、したがって上記の例に関して指定された特徴(例えば、目の端50)は、表示画面200のより中央部分へとシフトされている。別の例として、選択された指定された特徴が、底縁部211のy軸214に沿って総ピクセル数の10%以内にある場合(y軸に沿って上から下に数える)、受信ユニット40は、選択された指定された特徴を表示画面200のより中央部分へとシフトするために、カメラを下方へ操作することができる。他の様々な方向へのカメラの移動に対する同様の操作もまた想到される。更に、受信ユニット40は、選択された指定された特徴に合わせてカメラ20(図1に図示)の焦点を自動的に調節してもよい。好適な調節可能カメラの非限定的な例は、Logitech(登録商標)(Fremont、California、United States)から商標名Quick Cam(登録商標)Orbit AFで販売されている。その他の好適な例は以下に論じられる。」
「【図2C】[図:0001385041000004.jpg]」
「【図2D】[図:0001385041000005.jpg]」
「【0041】図1に戻って参照すると、前述したように、カメラ20は受信ユニット40と信号通信していてもよく、受信ユニット40に画像データを送ってもよい。ディスプレイ装置30に供給される画像データは、処理された画像データ及び/又は実画像データであることができる。例えば、受信ユニット40は、カメラ20からの実画像データを処理し、ディスプレイ装置3に処理された画像データを供給してもよい。別の例では、受信ユニット40は、カメラ20からの実画像データをディスプレイ装置30に供給してもよい。更に別の例として、受信ユニット40は、処理された画像データ及び実画像データの両方をディスプレイ装置30に供給してもよい。」
「【0043】ディスプレイ装置30に転送される画像データの種類に関わらず、ディスプレイ装置30に提供される視覚表示は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができる。例えば、ディスプレイ装置30は、使用中の個人衛生用具10の少なくとも一部分の視覚表示(例えば、歯ブラシのヘッド又は化粧品アプリケータ)を表示してもよい。別の例として、ディスプレイ装置30は、ユーザー80の体の少なくとも一部分(例えば、口腔、顔、胴体又は脚)の視覚表示を表示してもよい。更に別の例として、ディスプレイ装置30は、個人衛生用具10の一部分及びユーザー80の体の一部分の両方の視覚表示を表示してもよい。あるいは、ディスプレイ装置30は、LED表示装置によってもたらされる光の視覚表示だけを表示してもよい。また更には、ディスプレイ装置30は、視覚表示と共に又は視覚表示に代えて利用される音又は振動を放出してもよいので、ディスプレイ装置30は視覚表示を表示すらしなくてもよい。【0044】個人衛生機器100の特定の一実施形態では、複数の発光ダイオードをディスプレイ装置30として利用して、ある種の状態を知らせてもよい。例えば、1つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードに電流を流して、個人衛生ルーチンにおける特定の事象を知らせることができる。例えば、特定の事象には、十分な期間の歯磨き又は所定領域の効果的な洗浄を挙げることができる。」
「【0051】口腔衛生の実施形態:再度図1を参照すると、位置及び/又は向きに関するデータは、多くの異なる方法でユーザーの個人衛生ルーチンと共に利用され得る。例えば、個人衛生用具10が歯ブラシである個人衛生機器100の実施形態では、受信ユニット40は、歯ブラシ及びユーザー80の頭部に関して収集された位置データに基づき、効果的にブラッシングされた歯及び効果的にブラッシングされなかった歯をモニタリングすることができる。更に、受信ユニット40は、処理された画像データをディスプレイ装置30に供給して、どの歯がブラッシングされ、どの歯がブラッシングされていないかを示すことができる。」
したがって、上記引用文献2には次の方法の発明(以下、「引用方法発明」という。)及びシステムの発明(以下、「引用システム発明」という。)が記載されていると認められる。
<引用方法発明>
「ユーザーが個人衛生ルーチンを改善するのを支援する個人衛生機器における方法であって、個人衛生機器は、ユーザーが歯をより効果的かつ効率的に磨くのを支援することができ、個人衛生機器100は、位置確認部材90と個人衛生用具10とを含み、位置確認部材90は、カメラ20と、ディスプレイ装置30と、受信ユニット40とを備え、カメラ20及びディスプレイ装置30は受信ユニット40と信号通信し、これにより、カメラ20が画像データを受信ユニット40に送信し、次に受信ユニット40が、画像データをディスプレイ装置30に送信し、位置確認部材90は、ユーザーの体の少なくとも一部分、及び個人衛生用具10の少なくとも一部分の位置及び向きを測定することができ、位置確認部材90はマーカーレス技術を利用してもよく、マーカーレス技術では、指定された特徴は、対象物の位置/向きが求められる対象物の特徴を含み、例えば、ユーザー80に関する指定された特徴は、ユーザー80の体にある解剖学的ランドマークを含み、解剖学的ランドマークの例には、顔ランドマークを挙げることができ、顔ランドマークの例には、目の端50、鼻孔60、口角70、これらの組み合わせなどが挙げられ、続きを表示(全13行)指定された特徴を利用することにより、位置確認部材90が、ユーザー80の顔の少なくとも一部分の向き及び場所、並びに個人衛生用具10の少なくとも一部分の場所を測定することが可能になり、カメラ20は、ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信し、受信ユニット40は、ユーザー80の目の端50、鼻孔60、及び口角70の場所/向きを判定することによって、ユーザー80の頭部の場所及び向きを判定することができ、カメラ20は、ユーザー80及び個人衛生用具10両方の画像データを送信してもよく、受信ユニット40は、ユーザー80及び個人衛生用具10の場所を判定することができ、カメラ20は、カメラ20の表示画面200内のユーザー80の頭部に関する画像データを、受信ユニット40に送信し、表示画面200は、x軸212に沿った所与の数のピクセルと、y軸214に沿った所与の数のピクセルとによって画定され、カメラ20により供給された画像データから、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿ってほぼ同じ距離である場合には、受信ユニット40は、ユーザー80の頭部の向きがほぼ直立であるのを判定することができ、これに対して、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿って所定の距離だけオフセットしている場合には、受信ユニット40は、ユーザーの頭部の向きが傾いているのを判定することができ、個人衛生用具10の場所及び向きは、個人衛生機器10の指定された特徴を利用して、同様に判定され、x軸212及びy軸214に沿った向き/位置に加え、位置確認部材90はまた、ユーザー80の少なくとも一部分及び個人衛生用具10の少なくとも一部分のz軸に沿った向き/位置、並びに軸のそれぞれに沿った回転を判定するように構成され、具体例として、ユーザー80の頭部は、カメラ20の表示画面200の右縁部210の近くに示され、個人衛生機器100では、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って全ピクセルの10%以内にある場合、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って総ピクセル数の40%以内のみにあるようにカメラが右側に調節されるように、受信ユニット40を構成してもよく、ユーザー80の頭部の画像、したがって指定された特徴(例えば、目の端50)は、表示画面200のより中央部分へとシフトされ、別の例として、選択された指定された特徴が、底縁部211のy軸214に沿って総ピクセル数の10%以内にある場合、受信ユニット40は、選択された指定された特徴を表示画面200のより中央部分へとシフトするために、カメラを下方へ操作することができ、他の様々な方向へのカメラの移動に対する同様の操作もまた想到され、更に、受信ユニット40は、選択された指定された特徴に合わせてカメラ20の焦点を自動的に調節してもよく、カメラ20は受信ユニット40と信号通信し、受信ユニット40に画像データを送り、ディスプレイ装置30に供給される画像データは、処理された画像データであることができ、例えば、受信ユニット40は、カメラ20からの実画像データを処理し、ディスプレイ装置3に処理された画像データを供給し、ディスプレイ装置30に提供される視覚表示は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができ、例えば、ディスプレイ装置30は、使用中の個人衛生用具10の少なくとも一部分の視覚表示(例えば、歯ブラシのヘッド)を表示し、ディスプレイ装置30は、ユーザー80の体の少なくとも一部分(例えば、口腔、顔、)の視覚表示を表示し、ディスプレイ装置30は、個人衛生用具10の一部分及びユーザー80の体の一部分の両方の視覚表示を表示してもよく、個人衛生機器100では、複数の発光ダイオードをディスプレイ装置30として利用して、ある種の状態を知らせてもよく、例えば、1つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードに電流を流して、個人衛生ルーチンにおける特定の事象を知らせることができ、例えば、特定の事象には、十分な期間の歯磨き又は所定領域の効果的な洗浄を挙げることができ、個人衛生用具10が歯ブラシである個人衛生機器100では、受信ユニット40は、歯ブラシ及びユーザー80の頭部に関して収集された位置データに基づき、効果的にブラッシングされた歯及び効果的にブラッシングされなかった歯をモニタリングすることができ、更に、受信ユニット40は、処理された画像データをディスプレイ装置30に供給して、どの歯がブラッシングされ、どの歯がブラッシングされていないかを示すことができる、ユーザーが個人衛生ルーチンを改善するのを支援する個人衛生機器における方法。」
<引用システム発明>
「ユーザーが個人衛生ルーチンを改善するのを支援する個人衛生機器におけるシステムであって、個人衛生機器は、ユーザーが歯をより効果的かつ効率的に磨くのを支援することができ、個人衛生機器100は、位置確認部材90と個人衛生用具10とを含み、位置確認部材90は、カメラ20と、ディスプレイ装置30と、受信ユニット40とを備え、カメラ20及びディスプレイ装置30は受信ユニット40と信号通信し、これにより、カメラ20が画像データを受信ユニット40に送信し、次に受信ユニット40が、画像データをディスプレイ装置30に送信し、位置確認部材90は、ユーザーの体の少なくとも一部分、及び個人衛生用具10の少なくとも一部分の位置及び向きを測定することができ、位置確認部材90はマーカーレス技術を利用してもよく、マーカーレス技術では、指定された特徴は、対象物の位置/向きが求められる対象物の特徴を含み、例えば、ユーザー80に関する指定された特徴は、ユーザー80の体にある解剖学的ランドマークを含み、解剖学的ランドマークの例には、顔ランドマークを挙げることができ、顔ランドマークの例には、目の端50、鼻孔60、口角70、これらの組み合わせなどが挙げられ、続きを表示(全13行)指定された特徴を利用することにより、位置確認部材90が、ユーザー80の顔の少なくとも一部分の向き及び場所、並びに個人衛生用具10の少なくとも一部分の場所を測定することが可能になり、カメラ20は、ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信し、受信ユニット40は、ユーザー80の目の端50、鼻孔60、及び口角70の場所/向きを判定することによって、ユーザー80の頭部の場所及び向きを判定することができ、カメラ20は、ユーザー80及び個人衛生用具10両方の画像データを送信してもよく、受信ユニット40は、ユーザー80及び個人衛生用具10の場所を判定することができ、カメラ20は、カメラ20の表示画面200内のユーザー80の頭部に関する画像データを、受信ユニット40に送信し、表示画面200は、x軸212に沿った所与の数のピクセルと、y軸214に沿った所与の数のピクセルとによって画定され、カメラ20により供給された画像データから、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿ってほぼ同じ距離である場合には、受信ユニット40は、ユーザー80の頭部の向きがほぼ直立であるのを判定することができ、これに対して、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿って所定の距離だけオフセットしている場合には、受信ユニット40は、ユーザーの頭部の向きが傾いているのを判定することができ、個人衛生用具10の場所及び向きは、個人衛生機器10の指定された特徴を利用して、同様に判定され、x軸212及びy軸214に沿った向き/位置に加え、位置確認部材90はまた、ユーザー80の少なくとも一部分及び個人衛生用具10の少なくとも一部分のz軸に沿った向き/位置、並びに軸のそれぞれに沿った回転を判定するように構成され、具体例として、ユーザー80の頭部は、カメラ20の表示画面200の右縁部210の近くに示され、個人衛生機器100では、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って全ピクセルの10%以内にある場合、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って総ピクセル数の40%以内のみにあるようにカメラが右側に調節されるように、受信ユニット40を構成してもよく、ユーザー80の頭部の画像、したがって指定された特徴(例えば、目の端50)は、表示画面200のより中央部分へとシフトされ、別の例として、選択された指定された特徴が、底縁部211のy軸214に沿って総ピクセル数の10%以内にある場合、受信ユニット40は、選択された指定された特徴を表示画面200のより中央部分へとシフトするために、カメラを下方へ操作することができ、他の様々な方向へのカメラの移動に対する同様の操作もまた想到され、更に、受信ユニット40は、選択された指定された特徴に合わせてカメラ20の焦点を自動的に調節してもよく、カメラ20は受信ユニット40と信号通信し、受信ユニット40に画像データを送り、ディスプレイ装置30に供給される画像データは、処理された画像データであることができ、例えば、受信ユニット40は、カメラ20からの実画像データを処理し、ディスプレイ装置3に処理された画像データを供給し、ディスプレイ装置30に提供される視覚表示は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができ、例えば、ディスプレイ装置30は、使用中の個人衛生用具10の少なくとも一部分の視覚表示(例えば、歯ブラシのヘッド)を表示し、ディスプレイ装置30は、ユーザー80の体の少なくとも一部分(例えば、口腔、顔、)の視覚表示を表示し、ディスプレイ装置30は、個人衛生用具10の一部分及びユーザー80の体の一部分の両方の視覚表示を表示してもよく、個人衛生機器100では、複数の発光ダイオードをディスプレイ装置30として利用して、ある種の状態を知らせてもよく、例えば、1つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードに電流を流して、個人衛生ルーチンにおける特定の事象を知らせることができ、例えば、特定の事象には、十分な期間の歯磨き又は所定領域の効果的な洗浄を挙げることができ、個人衛生用具10が歯ブラシである個人衛生機器100では、受信ユニット40は、歯ブラシ及びユーザー80の頭部に関して収集された位置データに基づき、効果的にブラッシングされた歯及び効果的にブラッシングされなかった歯をモニタリングすることができ、更に、受信ユニット40は、処理された画像データをディスプレイ装置30に供給して、どの歯がブラッシングされ、どの歯がブラッシングされていないかを示すことができる、ユーザーが個人衛生ルーチンを改善するのを支援する個人衛生機器におけるシステム。」
2.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
「Abstract: The invention relates to a method for at least partly determining a movement pattern of a dental treatment means, in particular a toothbrush, said movement pattern resulting during a dental treatment, in particular a teeth cleaning. The method has at least the following steps: moving the dental treatment means at least on an X/Y plane in order to treat surface portions of the teeth, wherein data relating to at least one movement parameter, in particular the movement direction or rotation, the acceleration, the path, and/or the speed, of the dental treatment means relative to a reference system which moves together with the head of the treated person is detected by means of an optical detection device; and providing the detected data to a processing device in order to determine the movement pattern.」(第1頁 要約欄)
(当審対訳)
「要約:本発明は、歯科治療手段、特に歯ブラシの移動パターンを少なくとも部分的に決定する方法に関し、前記移動パターンは、歯科治療、特に歯の清掃中に生じる。当該方法は、歯の表面部分を処置するために、少なくともX/Y平面上で歯科治療手段を移動させるステップを少なくとも有し、データは、基準系に対する歯科治療手段の少なくとも1つの移動パラメータ、特に、移動方向又は回転、加速度、経路、及び/又は速度に関する。その基準系は、被治療者の頭部と共に移動し、光学検出装置によって検出され、移動パターンを決定するために、検出されたデータを処理装置に提供する。」
3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、引用文献3についての当審対訳は、引用文献3に関連する公表公報(特表2017-532076号公報)を参考とした。
(1)第1頁 要約欄
「Abstract: A system for checking a correct oral hygiene procedure characterised by comprising: a video camera for acquiring the images of the face of a person brushing their teeth with a toothbrush comprising a marker; processing means for analysing said images and for locating the salient points of said face of a person; processing means for analysing said images and for locating said toothbrush; processing means for following the movements of said salient points; processing means for following the movements of said toothbrush; processing means for calculating the movement between said face and said toothbrush; processing means for checking that said relative movement between said face and said toothbrush corresponds with a relative pre-set movement; where said marker is divided into a plurality of areas; and where each of said plurality of areas is coloured, with a colour chosen from a predefined number of colours, to maximise the colour contrast between said areas close to each other.」
(当審対訳)
「要約:本発明の適切な口腔衛生処置をチェックするシステムは、マーカーを有する歯ブラシで歯磨きを行っている使用者の顔の画像を取得するビデオカメラ;これら画像を解析し、かつ使用者の顔の特徴点を見つけ出す処理手段;前記画像を解析し、前記歯ブラシを見つけ出す処理手段;これら特徴点の動きに追従する処理手段;前記歯ブラシの動きに追従する処理手段;前記顔と前記歯ブラシとの間の動作を計算する処理手段;および前記顔と前記歯ブラシとの前記相対動作が所定の相対動作に対応しているかどうかをチェックする処理手段;を有し、前記マーカーを複数のエリアに分割し、そして所定数の色から選択される色で前記複数のエリアそれぞれを着色して、相互に接近する前記エリア間の色コントラストを最大化することを特徴とする。」
(2)第24頁第1行~第26頁第6行
「In an embodiment of the present invention, a predefined number of points have been defined which identify the eyes, nose and mouth of the face in question. In particular, 6 points have been used for the mouth, 4# for each eye, 12 for the jaw line from ear to ear, 10 for the nose and 6 for each eyebrow.In the toothbrush embodiment phase, the rotation and the distance of the marker with respect to the head must be known, in particular, since the intention is to determine the position and the movement impressed on the toothbrush head with respect to the dental arcs of the user, even though different choices may be adopted, and the north pole of the toothbrush has been aligned, the centre of the circumference in fig. 3, with the direction of the bristles of the toothbrush head.When the position and spatial rotation of the marker placed at the end of the toothbrush, which is visible to the video camera during most of the teeth cleaning action, are known, it is possible to identify the position and spatial rotation of the head which, in contrast, is hidden in the mouth or covered by the toothpaste during most of the teeth cleaning action. When the position of the user's mouth is also known, it is possible to identify on which dental arc and on which side of the arc the toothbrush head is positioned.The motion of the toothbrush is then analysed by an optical flow algorithm, i.e. an algorithm which is capable of determining, for a set of significant points, their motion between the different frames, thus defining a vectorial field where each vector originates in the position of the point in the first image and ends in the corresponding position in the second image.For this purpose, there is also an approach not in the prior art, such as the one described in the article by B. Horn and B Schunck, "Determining Optical Flow" Artificial Intelligence, 16 185-203, 1981, which gives good results in view of the high separability of saturated colours of the marker from the image as a whole.It is therefore possible to analyse the motion of the toothbrush imparted by the user for each surface of each dental arc. From joint analyses of rotation of the toothbrush and spatial orientation of the mouth, it is possible to identify on which surface of the dental arc the toothbrush bristles are resting and it is therefore possible to check whether its movement is correct.Correct brushing is intended as a vertical movement on the vertical surfaces of the dental arc and a horizontal movement on the contact surfaces of the molars and premolars. Different or other additional procedures to the above may be provided.」
(当審対訳)
「本発明の一実施態様では、対象となる顔の両眼、鼻および口を特定する所定数の点を設定しておく。具体的には、6つの点を口に、4の点を各眼に、12の点を耳から耳までの顎線、10の点を鼻に、そして6の点を各眉毛に設定しておく。歯ブラシを使用する実施態様では、具体的には、歯ブラシヘッドに対するマーカーの回転および距離を知っておく必要がある。理由は、本発明の場合、使用者の歯列弓に関する歯ブラシヘッドの位置およびこれに作用する動きを決定しておく必要があるからである。これについは、他の選択肢もある。歯ブラシの北極については、図3の円周の中心において、歯ブラシヘッドのブラシの方向に対して整合している。歯磨き時の大半を通じてビデオカメラに捉えられている歯ブラシの端部のマーカーの位置および空間回転が分かっている場合には、マーカーとは対照的に、口の中に隠れているか、あるいは歯磨き時の大半を通じて練歯磨きが付着しているヘッドの位置および空間回転を確認することが可能である。使用者の口の位置が判明している場合にも、歯ブラシヘッドがどの歯列弓に位置しているかを、また歯列弓のどの側に位置しているかを確認することが可能である。次に、オプチカルフローアルゴリズムによって、即ち一組の特徴点について、異なる画面情報間の動きを決定できるアルゴリズムによって歯ブラシの動きを解析でき、従って各ベクトルが第1画像の所定ポイントの位置で発生し、そして第2画像の対応する位置で終了するベクトル場を決定することができる。この点は、従来技術には、例えばB.HornおよびB.Schunckの論文“Determining Optical Flow”、Artificial Intelligence、16 185-203、1981に記載されている従来技術に見られない点である。なお、この従来技術は、全体として画像からのマーカーの飽和色の高い分離性においてはすぐれた技術である。従って、各歯列弓の表面毎に使用者による歯ブラシの動きを解析することが可能になる。また、歯ブラシの回転および口の空間的配位を複合的に解析できるため、歯列弓のどの面に歯ブラシが位置している(toothbrush bristles are resting)かを確認することができ、従って歯ブラシの動きが適切であるかどうかをチェックすることが可能になる。適切な歯ブラシの動きについては、歯列弓の垂直面における垂直な動きであり、そして臼歯および前臼歯の接触面における水平な動きである。上記とは異なる又は他の追加の処置も可能である。」
(3)図1
「[図:0001385041000006.jpg]」
(4)図2
「[図:0001385041000007.jpg]」
4.引用文献7について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献7には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)第1頁 要約欄
「 ABSTRACTA system monitors a person in a dwelling. A detection device is in communication with the user monitoring device. The detection device includes at least one motion/movement gesture sensing device configured to detect at least one of a person's motion, movement and gesture. A user monitoring device includes at least two elements selected from: a proximity sensor; a temperature sensor/humidity sensor; a particulate sensor; a light sensor; a microphone; a speaker; two RF transmitters (BLE/ANT+WIFI); a memory card; and LED's. Recording of a sound of a person's motion, movement and gesture is not always preserved.」
(当審対訳)
「 要約このシステムは、住居にいる人をモニタする。検出装置は、ユーザー監視装置と通信する。検出装置は、少なくとも人間の動き、動作及びジェスチャーの1つを検出するように構成された少なくとも1つの動き/動作ジェスチャー検知装置を含む。ユーザモニタリング装置は、近接センサ、温度センサ/湿度センサ、粒子センサ、光センサ、マイク、スピーカー、2台のRF送信機(BLE/ANT+WIFI)、メモリカード及びLEDのうちから選択される少なくとも2つの要素を含む。人の動き、動作及びジェスチャーの音の記録は、常に保存される訳ではない。」
(2)段落【0163】
「[0163] The system can calculate a distance between the selected time series of motion reading vectors and each of the motion patterns. This distance will be referred to as a motion deviation distance. Calculating the motion deviation distance can include applying dynamic time warping based on the motion pattern times of the motion pattern and the motion reading times of the series of motion reading vectors. Calculating the motion deviation distance can include calculating a vector distance between (1) each motion reading vector in the selected time series of motion reading vectors, and (2) each motion pattern vector in the motion pattern. The system can then calculate the motion deviation distance based on each vector distance. Calculating the motion deviation distance based on each vector distance can include identifying a series of vector distances ordered according to the motion pattern times and the motion reading times (e.g., the identified shortest path described above with respect to FIG. 9B ). The system can designate a measurement of the vector distances in the identified series as the motion deviation distance. The measurement can include at least one of a sum or a weighted sum of the vector distances in the identified series. The vector distances can include at least one of a Euclidean distance between a motion pattern vector and a motion reading vector or a Manhattan distance between a motion pattern vector and a motion reading vector.」
(当審対訳)
「[0163] システムは、選択された時系列の動作読み取りベクトルとそれぞれの動作パターンとの間の距離を計算することができる。この距離は、動作偏差距離と呼ぶことにする。動作偏差距離を計算することは、動作パターンの動作パターン時間と動作読み取りベクトルの一連の動作読み取り時間に基づく動的時間ワーピングを適用することを含み得る。動作偏差距離を計算することは、動作読み取りベクトルの選択された時系列における各動作読み取りベクトル(1)と、動作パターンにおける各動作パターンベクトル(2)の間のベクトル距離を計算することを含み得る。次に、システムは各ベクトル距離に基づいて動作偏差距離を計算することができる。各ベクトル距離に基づいて動作偏差距離を算出することは、動作パターン時間と動作読み取り時間に従って順序付けられた一連のベクトル距離 (例えば、図9Bに関連して上述した特定した最短経路)を識別することを含み得る。システムは、識別された一連の動作偏差距離として、ベクトル距離の測定を指定することができる。測定は、識別された一連のベクトル距離の和又は加重和のうちの少なくとも1つを含み得る。ベクトル距離は、動作パターンベクトルと動作読み取りベクトル間のユークリッド距離、又は動作パターンベクトルと動作読み取りベクトル間のマンハッタン距離のうちの少なくとも1つを含み得る。」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用方法発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用方法発明の「ユーザー」は、本願発明1の「ユーザ」に相当する。また、引用方法発明の「ユーザーが歯をより効果的かつ効率的に磨くのを支援することができ」る「個人衛生機器100」は、「位置確認部材90と個人衛生用具10とを含」むものであり、この「個人衛生用具10」は「口腔」で使用する「歯ブラシ」であることから、本願発明1の「口腔ヘルスケアデバイス」に相当する。そして、引用方法発明の「方法」は、「効果的にブラッシングされた歯及び効果的にブラッシングされなかった歯をモニタリングすることができ」、「処理された画像データをディスプレイ装置30に供給して、どの歯がブラッシングされ、どの歯がブラッシングされていないかを示すことができる」ことから、「ユーザー」に「ブラッシング」に関して「フィードバックを提供」しているものといえる。
以上のことから、引用方法発明の当該「方法」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「口腔ヘルスケアデバイスのユーザにフィードバックを提供する方法」に相当する。
イ 引用方法発明の「ユーザー80の頭部」は、本願発明1の「前記ユーザの頭」に相当する。そして、引用方法発明の「個人衛生機器100」に含まれる「位置確認部材90」は、「カメラ20と、ディスプレイ装置30と、受信ユニット40とを備え」ており、「カメラ20は、ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信し、受信ユニット40は、ユーザー80の目の端50、鼻孔60、及び口角70の場所/向きを判定することによって、ユーザー80の頭部の場所及び向きを判定することができ、カメラ20は、ユーザー80及び個人衛生用具10両方の画像データを送信してもよく、受信ユニット40は、ユーザー80及び個人衛生用具10の場所を判定することができ」、そして、「受信ユニット40は、カメラ20からの実画像データを処理し、ディスプレイ装置3に処理された画像データを供給し、ディスプレイ装置30に提供される視覚表示は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができ、例えば、ディスプレイ装置30は、使用中の個人衛生用具10の少なくとも一部分の視覚表示(例えば、歯ブラシのヘッド)を表示」することから、引用方法発明の「カメラ20」が「ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信」するのは、「ユーザー80」が「個人衛生用具10」を「使用中」のときであるといえる。
したがって、引用方法発明の「ユーザー80」が「個人衛生用具10」を「使用中」に、「カメラ20」は「ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信」し、「受信ユニット40」は「ユーザー80の頭部の場所及び向きを判定する」ことは、本願発明1の「前記口腔ヘルスケアデバイスの使用中の前記ユーザの頭の動きを検出するステップ」とは、「前記口腔ヘルスケアデバイスの使用中の前記ユーザの頭のデータを検出するステップ」である点で共通する。
ウ
(ア)引用方法発明の「視覚表示」及び「ディスプレイ装置」は、本願発明1の「視覚的表示」及び「ユーザインターフェース」に相当する。
(イ)引用方法発明において、「個人衛生ルーチンにおける特定の事象を知らせる」ために「複数の発光ダイオードをディスプレイ装置30として利用して」、「例えば、1つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードに電流を流」すことは、本願発明1の「ユーザインターフェースを変更すること」に相当する。
(ウ)引用方法発明において、「ユーザー」に「視覚表示を表示」するために、「個人衛生用具10の一部分及びユーザー80の体の一部分の両方」を「ディスプレイ装置30」によって「表示」し、さらに、「複数の発光ダイオードをディスプレイ装置30として利用して」、「例えば、1つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードに電流を流」すことで、例えば、「十分な期間の歯磨き又は所定領域の効果的な洗浄」についての「個人衛生ルーチンにおける特定の事象を知らせる」ことは、上記(ア)及び(イ)を踏まえると、本願発明1の「前記ユーザに視覚的表示を提供するために前記口腔ヘルスケアデバイスと関連付けられるユーザインターフェースを変更することによって前記ユーザに前記頭の動きを通知するステップ」とは、「前記ユーザに視覚的表示を提供するために前記口腔ヘルスケアデバイスと関連付けられるユーザインターフェースを変更することによって前記ユーザに通知するステップ」である点で共通する。
したがって、本願発明1と引用方法発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
<一致点>
「 口腔ヘルスケアデバイスのユーザにフィードバックを提供する方法であって、前記口腔ヘルスケアデバイスの使用中の前記ユーザの頭のデータを検出するステップと、前記ユーザに視覚的表示を提供するために前記口腔ヘルスケアデバイスと関連付けられるユーザインターフェースを変更することによって前記ユーザに通知するステップとを含む、方法。」
<相違点>
(相違点1)
口腔ヘルスケアデバイスの使用中に検出するユーザの頭の「データ」は、本願発明1では、「動き」であるのに対し、引用方法発明では、「場所及び向き」である点。
(相違点2)
本願発明1は、「前記頭の動きが前記閾値に達しているか或いは閾値を超えているか否かを決定するステップ」を有するのに対し、引用方法発明には、そのような特定がされていない点。
(相違点3)
前記ユーザに視覚的表示を提供するために前記口腔ヘルスケアデバイスと関連付けられるユーザインターフェースを変更することによって前記ユーザに通知するのは、本願発明1では、「前記頭の動きが前記閾値に達しているか或いは前記閾値を超えている事態において」であって、前記ユーザに通知するのは「前記頭の動き」であるのに対し、引用方法発明では、例えば、「十分な期間の歯磨き又は所定領域の効果的な洗浄」についての「個人衛生ルーチンにおける特定の事象を知らせる」場合であって、前記ユーザに通知するのは、前記「特定の事象」であり、本願発明1のような特定はされていない点。
<相違点についての判断>
事案に鑑み、先に相違点3について検討する。
「前記頭の動きが前記閾値に達しているか或いは前記閾値を超えている事態において」、前記ユーザに視覚的表示を提供するために前記口腔ヘルスケアデバイスと関連付けられるユーザインターフェースを変更することによって前記ユーザに「前記頭の動き」を通知する構成は、引用文献1~3及び7のいずれにも記載も示唆もされておらず、本願の優先日前において周知技術であったとも認められない。
特に、引用方法発明(引用文献2に記載された発明)には、「カメラ20」が「カメラ20の表示画面200内のユーザー80の頭部に関する画像データを、受信ユニット40に送信」することにより、「受信ユニット40は、」「カメラ20により供給された画像データから、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿ってほぼ同じ距離である場合には、」「ユーザー80の頭部の向きがほぼ直立であるのを判定することができ、」「これに対して、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿って所定の距離だけオフセットしている場合には、」「ユーザーの頭部の向きが傾いているのを判定することができ」ることにより、「ユーザー80の少なくとも一部分」である「頭部」の「x軸212及びy軸214に沿った向き/位置」を「判定する」構成が開示されているものの、当該「向き/位置」は、本願発明1のような、向きや位置の時間的な変動や変化を意味する「動き」とは異なるものである。
そして、引用方法発明には、「ユーザー80の頭部は、カメラ20の表示画面200の右縁部210の近くに示され、個人衛生機器100では、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って全ピクセルの10%以内にある場合、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って総ピクセル数の40%以内のみにあるようにカメラが右側に調節されるように、受信ユニット40を構成してもよく、ユーザー80の頭部の画像、したがって指定された特徴(例えば、目の端50)は、表示画面200のより中央部分へとシフトされ、別の例として、選択された指定された特徴が、底縁部211のy軸214に沿って総ピクセル数の10%以内にある場合、受信ユニット40は、選択された指定された特徴を表示画面200のより中央部分へとシフトするために、カメラを下方へ操作することができ、他の様々な方向へのカメラの移動に対する同様の操作もまた想到され、更に、受信ユニット40は、選択された指定された特徴に合わせてカメラ20の焦点を自動的に調節してもよ」い構成が開示されているものの、前記「カメラ20の表示画面200」の「右縁部210のx軸212に沿って全ピクセルの10%以内」或いは「底縁部211のy軸214に沿って総ピクセル数の10%以内」として特定された値は、「ユーザー80の頭部」の「特徴」である「例えば、目の端50」の「位置」が「カメラ20の表示画面200」の「右縁部210」或いは「底縁部211」のどれほど「近くに」あるのかを測る基準として示されたものであるから、本願発明1のような「頭の動き」を測る「閾値」とは異なるものである。
さらに、引用方法発明の前記「選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って総ピクセル数の40%以内のみにあるようにカメラが右側に調節されるように、受信ユニット40を構成」すること、或いは「選択された指定された特徴を表示画面200のより中央部分へとシフトするために、カメラを下方へ操作すること」は、「ユーザー80の頭部の画像、したがって指定された特徴」を「表示画面200のより中央部分へとシフト」するための構成であるから、本願発明1のような、ユーザインターフェースを変更することによって前記ユーザに「前記頭の動き」を通知する構成とは異なるものである。
また、引用文献1には、上記「第4 2.」で示したように、被治療者の頭部と共に移動する基準系に対する歯ブラシの移動パターンを決定する方法が開示され、また、引用文献3には、上記「第4 3.」で示したように、マーカーを有する歯ブラシで歯磨きを行っている使用者の顔の画像をビデオカメラで取得し解析することで、歯ブラシの動きが適切であるかどうかをチェックするシステムが開示され、また、引用文献7には、上記「第4 4.」で示したように、動作偏差距離を計算することにより、人間の動き、動作及びジェスチャーを検出する検出装置が開示されているが、何れの文献にも、上記相違点3に係る構成は開示されていない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用方法発明、引用文献1、3及び7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2.本願発明8について
(1)対比
本願発明8と引用システム発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用システム発明の「ユーザー」は、本願発明8の「ユーザ」に相当する。また、引用システム発明の「ユーザーが歯をより効果的かつ効率的に磨くのを支援することができ」る「個人衛生機器100」は、「位置確認部材90と個人衛生用具10とを含」むものであり、この「個人衛生用具10」は「口腔」で使用する「歯ブラシ」であることから、本願発明8の「口腔ヘルスケアデバイス」に相当する。そして、引用システム発明の「システム」は、「効果的にブラッシングされた歯及び効果的にブラッシングされなかった歯をモニタリングすることができ」、「処理された画像データをディスプレイ装置30に供給して、どの歯がブラッシングされ、どの歯がブラッシングされていないかを示すことができる」ことから、「ユーザー」に「ブラッシング」に関して「フィードバックを提供」しているものといえる。
以上のことから、引用システム発明の当該「システム」は、後述する相違点を除き、本願発明8の「口腔ヘルスケアデバイスのユーザにフィードバックを提供するシステム」に相当する。
イ 引用システム発明の「ユーザー80の頭部」は、本願発明8の「前記ユーザの頭」に相当する。また、引用システム発明の「頭部の場所」は、本願発明8の「頭の位置」に相当する。そして、引用システム発明の「個人衛生機器100」に含まれる「位置確認部材90」は、「カメラ20と、ディスプレイ装置30と、受信ユニット40とを備え」ており、「カメラ20は、ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信し、受信ユニット40は、ユーザー80の目の端50、鼻孔60、及び口角70の場所/向きを判定することによって、ユーザー80の頭部の場所及び向きを判定することができ、カメラ20は、ユーザー80及び個人衛生用具10両方の画像データを送信してもよく、受信ユニット40は、ユーザー80及び個人衛生用具10の場所を判定することができ」、そして、「受信ユニット40は、カメラ20からの実画像データを処理し、ディスプレイ装置3に処理された画像データを供給し、ディスプレイ装置30に提供される視覚表示は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができ、例えば、ディスプレイ装置30は、使用中の個人衛生用具10の少なくとも一部分の視覚表示(例えば、歯ブラシのヘッド)を表示」することから、引用システム発明の「カメラ20」が「ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信」するのは、「ユーザー80」が「個人衛生用具10」を「使用中」のときであるといえる。
したがって、引用システム発明の「受信ユニット40」が「ユーザー80の頭部の場所及び向きを判定する」ために、「ユーザー80」が「個人衛生用具10」を「使用中」に、「ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信」する「カメラ20」は、本願発明8の「前記口腔ヘルスケアデバイスの使用中の前記ユーザの頭の位置を決定するように構成される位置センサ」に相当する。
ウ 引用システム発明の「受信ユニット40」は、「カメラ20」から「ユーザー80の頭部に関する画像データ」を受信し、「ユーザー80の頭部の場所及び向きを判定」することから、本願発明8の「該位置センサと通信するプロセッサであって、前記決定する頭の位置の間の差を計算して、該差が前記ユーザに通知するための閾値に達しているか或いは前記ユーザに通知するための閾値を超えているか否かを決定するように構成される、プロセッサ」とは、「該位置センサと通信するプロセッサであって、前記決定する頭の位置を計算するように構成される、プロセッサ」である点で共通する。
エ
(ア)引用システム発明の「ディスプレイ装置30は受信ユニット40と信号通信」することから、本願発明8の「該プロセッサと通信するユーザインターフェース」に相当する。また、引用システム発明の「視覚表示」は、本願発明8の「視覚的表示」に相当する。
(イ)引用システム発明において、「ユーザー」に「視覚表示を表示」するために、「個人衛生用具10の一部分及びユーザー80の体の一部分の両方」を「表示」し、さらに、「複数の発光ダイオードをディスプレイ装置30として利用して」、「例えば、1つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードに電流を流」すことで、例えば、「十分な期間の歯磨き又は所定領域の効果的な洗浄」についての「個人衛生ルーチンにおける特定の事象を知らせる」「ディスプレイ装置30」は、上記(ア)を踏まえると、本願発明8の「該プロセッサと通信するユーザインターフェースであって、前記決定する頭の位置の間の前記差が前記閾値に達しているか或いは前記閾値を超えている事態において、前記ユーザに視覚的表示を提供するように構成される、ユーザインターフェース」とは、「該プロセッサと通信するユーザインターフェースであって、前記ユーザに視覚的表示を提供するように構成される、ユーザインターフェース」である点で共通する。
したがって、本願発明8と引用システム発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
<一致点>
「口腔ヘルスケアデバイスのユーザにフィードバックを提供するシステムであって、前記口腔ヘルスケアデバイスの使用中の前記ユーザの頭の位置を決定するように構成される位置センサと、該位置センサと通信するプロセッサであって、前記決定する頭の位置を計算するように構成される、プロセッサと、該プロセッサと通信するユーザインターフェースであって、前記ユーザに視覚的表示を提供するように構成される、ユーザインターフェースとを含む、システム。」
<相違点>
(相違点4)
プロセッサは、本願発明8では、「頭の位置の間の差」を計算し、「該差が前記ユーザに通知するための閾値に達しているか或いは前記ユーザに通知するための閾値を超えているか否かを決定する」するのに対し、引用システム発明では、「頭の位置」を計算するものの、本願発明8のような特定はされていない点。
(相違点5)
ユーザインターフェースが、前記ユーザに視覚的表示を提供するのは、本願発明8では、「前記決定する頭の位置の間の前記差が前記閾値に達しているか或いは前記閾値を超えている事態において」であるのに対し、引用システム発明では、例えば、「十分な期間の歯磨き又は所定領域の効果的な洗浄」についての「個人衛生ルーチンにおける特定の事象を知らせる」場合であり、本願発明8のような特定はされていない点。
<相違点についての判断>
事案に鑑み、先に相違点5について検討する。
「前記決定する頭の位置の間の前記差が前記閾値に達しているか或いは前記閾値を超えている事態において」、前記ユーザに視覚的表示を提供するユーザインターフェースは、引用文献1~3及び7のいずれにも記載も示唆もされておらず、本願の優先日前において周知技術であったとも認められない。
特に、引用システム発明(引用文献2に記載された発明)には、「カメラ20」が「カメラ20の表示画面200内のユーザー80の頭部に関する画像データを、受信ユニット40に送信」することにより、「受信ユニット40は、」「カメラ20により供給された画像データから、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿ってほぼ同じ距離である場合には、」「ユーザー80の頭部の向きがほぼ直立であるのを判定することができ、」「これに対して、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿って所定の距離だけオフセットしている場合には、」「ユーザーの頭部の向きが傾いているのを判定することができ」ることにより、「ユーザー80の少なくとも一部分」である「頭部」の「x軸212及びy軸214に沿った向き/位置」を「判定する」構成が開示されているものの、当該「向き/位置」は、本願発明8のような、向きや位置の時間的な変動や変化を意味する「位置の間の差」とは異なるものである。
そして、引用システム発明には、「ユーザー80の頭部は、カメラ20の表示画面200の右縁部210の近くに示され、個人衛生機器100では、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って全ピクセルの10%以内にある場合、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って総ピクセル数の40%以内のみにあるようにカメラが右側に調節されるように、受信ユニット40を構成してもよく、ユーザー80の頭部の画像、したがって指定された特徴(例えば、目の端50)は、表示画面200のより中央部分へとシフトされ、別の例として、選択された指定された特徴が、底縁部211のy軸214に沿って総ピクセル数の10%以内にある場合、受信ユニット40は、選択された指定された特徴を表示画面200のより中央部分へとシフトするために、カメラを下方へ操作することができ、他の様々な方向へのカメラの移動に対する同様の操作もまた想到され、更に、受信ユニット40は、選択された指定された特徴に合わせてカメラ20の焦点を自動的に調節してもよ」い構成が開示されているものの、前記「カメラ20の表示画面200」の「右縁部210のx軸212に沿って全ピクセルの10%以内」或いは「底縁部211のy軸214に沿って総ピクセル数の10%以内」として特定された値は、「ユーザー80の頭部」の「特徴」である「例えば、目の端50」の「位置」が「カメラ20の表示画面200」の「右縁部210」或いは「底縁部211」のどれほど「近くに」あるのかを測る基準として示されたものであるから、本願発明8のような「頭の位置の間の差」を測る「閾値」とは異なるものである。
さらに、引用システム発明の前記「選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って総ピクセル数の40%以内のみにあるようにカメラが右側に調節されるように、受信ユニット40を構成」すること、或いは「選択された指定された特徴を表示画面200のより中央部分へとシフトするために、カメラを下方へ操作すること」は、「ユーザー80の頭部の画像、したがって指定された特徴」を「表示画面200のより中央部分へとシフト」するための構成であるから、引用システム発明の「ユーザー80の頭部の画像」の「視覚表示を表示」する「ディスプレイ装置30」は、本願発明8のような、「前記決定する頭の位置の間の前記差が前記閾値に達しているか或いは前記閾値を超えている事態において」前記ユーザに視覚的表示を提供するユーザインターフェースとは異なるものである。
また、引用文献1には、上記「第4 2.」で示したように、被治療者の頭部と共に移動する基準系に対する歯ブラシの移動パターンを決定する方法が開示され、また、引用文献3には、上記「第4 3.」で示したように、マーカーを有する歯ブラシで歯磨きを行っている使用者の顔の画像をビデオカメラで取得し解析することで、歯ブラシの動きが適切であるかどうかをチェックするシステムが開示され、また、引用文献7には、上記「第4 4.」で示したように、動作偏差距離を計算することにより、人間の動き、動作及びジェスチャーを検出する検出装置が開示されているが、何れの文献にも、上記相違点5に係る構成は開示されていない。
したがって、相違点4について判断するまでもなく、本願発明8は、当業者であっても、引用システム発明、引用文献1、3及び7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
3.本願発明2~7について
本願発明2~7は、本願発明1を減縮した発明であるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用方法発明、引用文献1、3及び7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
4.本願発明9~11について
本願発明9~11は、本願発明8を減縮した発明であるから、本願発明8と同様の理由により、当業者であっても、引用システム発明、引用文献1、3及び7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 原査定について
1.理由2(特許法第29条第2項)について
上記「第5 対比・判断」で示したとおり、本願発明1~11は、拒絶査定において引用された引用文献1~3、7に基づいて、容易に発明できたものとはいえないから、原査定の理由2を維持することはできない。
2.理由4(特許法第36条第6項第2号)について
(1)原査定では、請求項5及び11中の「線形又は非線形特徴のセット」という記載の技術的意味が不明確である旨の通知をしていたが、令和3年9月7日になされた手続補正により、当該請求項5及び11が削除された。
(2)原査定では、請求項8及び13中には「前記視覚的画像」とあるが、これらの請求項が引用する請求項1及び9には、「視覚的画像」が記載されていないため、「前記」に対応する構成が不明確である旨の通知をしていたが、令和3年9月7日になされた手続補正により、「前記視覚的画像」を「前記視覚的表示」とする補正がなされた結果、請求項1及び8に記載された「視覚的表示」を示すことが明確となった。
以上(1)、(2)により、原査定の理由4を維持することはできない。
3.理由5(特許法第36条第4項第1号)について
原査定では、請求項9~13には、「ユーザの頭の位置」について記載されているが、発明の詳細な説明には「動き」について記載されており、「位置」についての実質的な説明は記載されていない旨の通知をしていたが、令和3年9月7日になされた手続補正により、「頭の位置」を「頭の位置の間の前記差」とする補正がなされたことから、原査定の理由5を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1~11は、当業者が引用方法発明又は引用システム発明、及び引用文献1、3、7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-011840