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特許拒絶査定不服審判

2021-011228

支援システムおよびその制御方法、コンピュータプログラム

審判番号
2021-011228
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-030169
請求日
2021年08月24日
審決日
2022年04月14日
公報発行日
2022年05月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】キヤノン株式会社
  • 【請求人代理人】鈴木 正剛
審判長/審判官
  • 審判長 瀧内 健夫
  • 審判官 丸山 高政
  • 審判官 福田 正悟
分類
P18 .113-WY (H04Q) / P18 .121-WY (H04Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第37条、特許法第17条の2第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 30169「支援システムおよびその制御方法、コンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 6月18日出願公開、特開2020- 96366、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成25年8月21日に出願した特願2013-171550号の一部を平成30年2月2日に新たな特許出願とした特願2018-16958号の一部を令和2年2月26日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。 令和 2年 3月26日 手続補正書・上申書 令和 3年 1月26日付け 拒絶理由通知書 4月 5日 意見書・手続補正書 5月18日付け 拒絶査定 8月24日 手続補正書・審判請求書 第2 本件補正について 令和3年8月24日の手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)の内容は以下の1のとおりであり、その適法性は以下の2のとおりである。 1 本件補正の内容 本件補正により、特許請求の範囲の記載は、以下の(2)から(1)のとおり補正された。なお、(1)における下線は補正箇所を示し、(2)は令和3年4月5日の手続補正書により補正されたものである。 (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 「【請求項1】 支援装置と情報処理装置とを含む支援システムであって、 前記支援装置は、 前記支援装置のオペレータによる支援種別の選択を受け付ける受付手段と、 前記選択された支援種別の支援処理の実行要求を前記情報処理装置に対して送信する送信手段と、を有し、 前記情報処理装置は、 それぞれ異なる支援処理を実行する複数の処理手段と、 前記支援装置から送信された実行要求を受信する受信手段と、 前記複数の処理手段のうち、前記受信した実行要求に係る支援処理に対応する処理手段を実行させる実行手段と、を有し、 前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける遠隔操作処理である場合、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該遠隔操作処理に対応する処理手段を実行させ、 前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記遠隔操作処理とは異なる別の支援処理である場合、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該別の支援処理に対応する処理手段を実行させることを特徴とする支援システム。 【請求項2】 前記複数の処理手段のうちの一つは、前記情報処理装置が取得した支援用画像を前記情報処理装置の有する表示部に表示させる支援用画像表示手段であり、 前記送信手段は、前記支援用画像表示手段による支援処理の実行要求を送信する際に、第1の表示部に表示させる前記支援用画像を送信することを特徴とする 請求項1に記載の支援システム。 【請求項3】 前記複数の処理手段のうちの一つは、前記情報処理装置のエラー発生箇所の画像を前記支援装置に送信する画像送信手段に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける操作手段であることを特徴とする 請求項1または2に記載の支援システム。 【請求項4】 支援装置と情報処理装置とを含む支援システムの制御方法であって、 前記支援装置が、前記支援装置のオペレータによる支援種別の選択を受け付ける受付工程と、 前記支援装置が、前記選択された支援種別の支援処理の実行要求を前記情報処理装置に対して送信する送信工程と、 前記情報処理装置が、それぞれ異なる支援処理を実行する複数の処理工程と、 前記情報処理装置が、前記支援装置から送信された実行要求を受信する受信工程と、 前記情報処理装置が、前記複数の処理工程のうち、前記受信した実行要求に係る支援処理に対応する処理工程を実行させる実行工程と、を有し、 前記実行工程は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける遠隔操作処理である場合、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該遠隔操作処理に対応する処理工程を実行させ、 前記実行工程は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記遠隔操作処理とは異なる別の支援処理である場合、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該別の支援処理に対応する処理工程を実行させることを特徴とする制御方法。 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手段としてコンピューターを機能させるためのコンピュータプログラム。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 「【請求項1】 支援装置と情報処理装置とを含む支援システムであって、 前記支援装置は、 前記支援装置のオペレータによる支援種別の選択を受け付ける受付手段と、 前記選択された支援種別の支援処理の実行要求を前記情報処理装置に対して送信する送信手段と、を有し、 前記情報処理装置は、 それぞれ異なる支援処理を実行する複数の処理手段と、 前記支援装置から送信された実行要求を受信する受信手段と、 前記複数の処理手段のうち、前記受信した実行要求に係る支援処理に対応する処理手段を実行させる実行手段と、を有し、 前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける遠隔操作処理である場合、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける操作手段を実行させ、 前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記遠隔操作処理とは異なる別の支援処理である場合、当該別の支援処理に対応する処理手段を実行させることを特徴とする 支援システム。 【請求項2】 前記複数の処理手段のうちの一つは、前記情報処理装置が取得した支援用画像を前記情報処理装置の有する表示部に表示させる支援用画像表示手段であり、 前記送信手段は、前記支援用画像表示手段による支援処理の実行要求を送信する際に、第1の表示部に表示させる前記支援用画像を送信することを特徴とする 請求項1に記載の支援システム。 【請求項3】 前記複数の処理手段のうちの一つは、前記情報処理装置のエラー発生箇所の画像を前記支援装置に送信する画像送信手段に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける操作手段であることを特徴とする 請求項1または2に記載の支援システム。 【請求項4】 支援装置と情報処理装置とを含む支援システムの制御方法であって、 前記支援装置が、前記支援装置のオペレータによる支援種別の選択を受け付ける受付工程と、 前記支援装置が、前記選択された支援種別の支援処理の実行要求を前記情報処理装置に対して送信する送信工程と、 前記情報処理装置が、それぞれ異なる支援処理を実行する複数の処理工程と、 前記情報処理装置が、前記支援装置から送信された実行要求を受信する受信工程と、 前記情報処理装置が、前記複数の処理工程のうち、前記受信した実行要求に係る支援処理に対応する処理工程を実行させる実行工程と、を有し、 前記実行工程は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける遠隔操作処理である場合、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける操作手段を実行させ、 前記実行工程は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記遠隔操作処理とは異なる別の支援処理である場合、当該別の支援処理に対応する処理手段を実行させることを特徴とする制御方法。 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手段としてコンピューターを機能させるためのコンピュータプログラム。」 2 本件補正の適法性 (1)本件補正は、請求項1に対し、以下の(A)及び(B)の補正をするものである。 (A)本件補正前の請求項1の「前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける遠隔操作処理である場合、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける操作手段を実行させ、」との記載を、 「前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける遠隔操作処理である場合、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該遠隔操作処理に対応する処理手段を実行させ、」 との記載とする。なお、下線は前記1(1)のとおり。 (B)本件補正前の請求項1の「前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記遠隔操作処理とは異なる別の支援処理である場合、当該別の支援処理に対応する処理手段を実行させる」との記載を、 「前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記遠隔操作処理とは異なる別の支援処理である場合、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該別の支援処理に対応する処理手段を実行させる」 との記載とする。なお、下線は前記1(1)のとおり。 (2)前記(A)について、補正箇所である下線部を検討すると、 (A1)「実行手段」が「実行させ」る内容に「前記情報処理装置のユーザ操作なしに、」との限定が本件補正によって付加される一方、 (A2)「実行手段」が「実行させ」る内容は「前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける操作手段」から「当該遠隔操作処理に対応する処理手段」へと変更されている。 (3)前記(A2)についてさらに検討すると、本件補正後における前記「当該遠隔操作処理に対応する処理手段」は、「前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける遠隔操作処理である場合」に実行されるものであるから、当然、「前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける」動作を行うものであると解される。 そうすると、前記(A2)の変更は、実質的に「実行手段」が「実行させ」る内容を変えるものではない。 (4)前記(3)のとおり前記(A2)の変更は内容を変えずに表現のみを変えたに過ぎず、前記(A1)は明らかに限定を付加するものである。 そして、前記(B)の補正は、「実行手段」が「実行させ」る内容に「前記情報処理装置のユーザ操作なしに、」との限定を付加するものである。 加えて、本件補正の前後において、請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。 よって、本件補正の目的は、特許法第17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮に該当する。 また、請求項4についての補正も同様である。 (5)そして、本件補正後の請求項1に係る発明及び請求項4に係る発明が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件(いわゆる独立特許要件)に適合することは、以下の第3~第7のとおりである。 (6)前記(A)及び(B)の補正により付加された限定事項である「前記情報処理装置のユーザ操作なしに、」との事項は、願書に最初に添付した明細書及び図面(図4及び図5並びに対応する明細書の記載)から明らかな事項であるから、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項の規定を満たす。 (7)本件補正前の各請求項により特定される発明は、いずれも、拒絶査定の理由において、特許をすることができないものか否かについて判断が示されたものである。 そして、前記(1)~(4)のとおり、本件補正後の各請求項により特定される発明は、本件補正前の各請求項により特定される発明における「実行される」内容に「前記情報処理装置のユーザ操作なしに、」との限定を付加したものであるから、本件補正前の各請求項により特定される発明と、本件補正後の各請求項により特定される発明とは、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当する。 よって、本件補正は特許法第17条の2第4項の規定を満たす。 (8)前記(1)~(7)によれば、本件補正は適法である。 第3 本願発明 本願の請求項1~5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明5」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される発明であり、前記第2、1(1)のとおりである。 第4 原査定の概要 令和3年5月18日付け拒絶査定(以下、「原査定」という。)の概要は次のとおりである。 1.(新規性)本願の請求項1、2、4及び5に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 2.(進歩性)本願の請求項1、2、4及び5に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明である以上、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者であれば容易になし得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 引用文献1.特開2012-256301号公報 第5 引用文献の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された特開2012-256301号公報(以下、単に「引用文献」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は強調のために当審で付した。 1 「【技術分野】 【0001】 本発明は、公衆回線網を介して接続されたユーザの端末を、リモートからサポートするリモートシステム、リモート操作方法に関する。」 2 「【0052】 [フルリモートのP2P型制御処理] 最初に、ユーザ端末10は、ユーザからサポートを要求する操作を受付ける(ステップS20)。ユーザ端末10には、リモートサポートを受けるためのアプリケーションがインストールされており、例えば、このアプリケーションを起動する操作をユーザから受付ける。 【0053】 ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けた場合(ステップS20:「YES」)には、ユーザ端末10は、サポート端末150に接続して、サポート要求があった旨をサポート端末150に通知して、ステップS21に処理を移す。ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けない場合(ステップS20:「NO」)は、ステップS20の処理をループする。 【0054】 次に、サポート端末150は、ユーザ端末10に画面情報の取得を要求する(ステップS21)。 【0055】 この要求に応じて、ユーザ端末10は、サポート端末150に要求された画面情報を送信する(ステップS22)。サポート端末150は、ユーザ端末10から送信された画面情報を受信し、画面情報をサポート端末150に表示する(ステップS23)。 【0056】 なお、ステップS20からステップS23までの処理は、ユーザ端末10に表示される画面情報が更新されるごとに、実行する必要がある。したがって、これらの処理は、逐次、実行されるべき処理であるため、例えば、定期的な時間(1秒等)毎に、繰り返し実行される処理であってよい。 【0057】 次に、サポート端末150は、ユーザ端末10の画面情報が表示された状態で、いわば、リモートログイン状態となるが、この画面情報に対して、リモート操作者からの操作入力を受付ける(ステップS24)。リモート操作者からの操作があった場合は、サポート端末150は、リモート操作者からの操作入力があったことをユーザ端末10に通知し、これに応じて、ユーザ端末10は、操作入力を実際の操作としてリアルタイムに反映する(ステップS25)。具体的には、リモート操作者からの操作入力が、リモートログインにより、ユーザ端末10の操作入力として反映される。 【0058】 なお、ステップS24とステップS25の処理は、サポート端末150からの操作入力が行われるごとに、実行する必要がある。 【0059】 サポート端末150は、リモート操作者から、ユーザ端末10に送信する関連データの指定を受ける(ステップS26)。 【0060】 サポート端末150は、リモート操作者から指定された関連データを検索し、ユーザ端末10に、検索した関連データを送信する(ステップS27)。ここで、サポート端末150は、関連データを予め記憶しておいてもよいし、関連データが、このサポート端末150そのものではなく、通信可能な他のサーバに記憶されている場合は、当該他のサーバから関連データを取得し、ユーザ端末10に転送してもよい。すなわち、例えば、関連データが動画の場合に、他のサーバに動画が記憶されている場合は、関連データとして、動画そのものを送信してもよい。 【0061】 なお、他のサーバから取得した動画そのものをサポート端末150がユーザ端末10に送信するのではなく、ユーザ端末10が、直接的に他のサーバにアクセスして動画を再生するためのリンクデータのみを関連データとして、サポート端末150が、このリンクデータである関連データをユーザ端末10に転送してもよい。 【0062】 ユーザ端末10は、関連データを受信すると、この関連データを記憶するためのフォルダを生成する(ステップS28)。 【0063】 ユーザ端末10は、受信した関連データを生成したフォルダに記憶する(ステップS29)。そして、当該関連データは、対応する所定の閲覧アプリケーションで、ユーザからの操作に応じて、閲覧可能に出力される。音声で出力されてもよい。」 3 図2 [図:0001383943000001.jpg] 4 図4 [図:0001383943000002.jpg] 5 前記1~4の記載によれば、引用文献には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「ユーザの端末を、リモートからサポートするリモートシステムであって(【0001】)、 最初に、ユーザ端末10は、ユーザからサポートを要求する操作を受付け(【0052】)、 ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けた場合には、ユーザ端末10は、サポート端末150に接続して、サポート要求があった旨をサポート端末150に通知し(【0053】)、 次に、サポート端末150は、ユーザ端末10に画面情報の取得を要求し(【0054】)、 この要求に応じて、ユーザ端末10は、サポート端末150に要求された画面情報を送信し(【0055】)、 次に、サポート端末150は、ユーザ端末10の画面情報が表示された状態で、いわば、リモートログイン状態となるが、この画面情報に対して、リモート操作者からの操作入力を受付け、リモート操作者からの操作があった場合は、サポート端末150は、リモート操作者からの操作入力があったことをユーザ端末10に通知し、これに応じて、ユーザ端末10は、操作入力を実際の操作としてリアルタイムに反映し(【0057】)、 サポート端末150は、リモート操作者から、ユーザ端末10に送信する関連データの指定を受け(【0059】)、 サポート端末150は、リモート操作者から指定された関連データを検索し、ユーザ端末10に、検索した関連データを送信し(【0060】)、 ユーザ端末10は、関連データを受信すると、この関連データを記憶するためのフォルダを生成し(【0062】)、 ユーザ端末10は、受信した関連データを生成したフォルダに記憶し、そして、当該関連データは、対応する所定の閲覧アプリケーションで、ユーザからの操作に応じて、閲覧可能に出力される(【0063】)、 リモートシステム。」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 ア 引用発明は「ユーザの端末を、リモートからサポートするリモートシステム」であるから、引用発明の「リモートシステム」は支援システムである。 そして、引用発明の「ユーザ端末10」及び「サポート端末150」は、それぞれ本願発明1の「情報処理装置」及び「支援装置」に対応することが明らかである。 よって、本願発明1と引用発明とは「支援装置と情報処理装置とを含む支援システム」である点で一致する。 イ(ア)引用発明の「サポート端末150」は、ユーザ端末10に画面情報の取得を要求」するものであり、引用発明の「画面情報の取得」に対応するユーザ端末10の処理は、本願発明1の「支援処理」に相当する。そうすると、引用発明の「画面情報の取得」の「要求」は、本願発明1の「支援処理の実行要求」に相当する。 なお、引用発明の「画面情報の取得」の「要求」は、ユーザ端末10がサポート端末150に接続することに応じて自動的に発せられるものであって、リモート操作者が本願発明1でいう「支援種別」を選択することに応じて発せられるものではない。 (イ)本願発明1の「支援種別」には実施形態における「操作部遠隔操作」が含まれると解され、オペレータが「操作部遠隔操作」を選択した場合の実施形態の動作は、支援種別を「操作部遠隔操作」とした「Request」が生成されて送信され(【0044】)、その後、リモート支援装置102のUI部が操作部画像に対する操作内容をキーボードI/F227から取得し、操作内容を遠隔操作コマンドとしてPOSTする(【0045】)、というものである。 本願発明1の実施形態の上記動作を踏まえて、引用発明の「操作入力」を「リアルタイムに反映する」「リモートログイン状態」の動作を見ると、引用発明の「操作入力」は本願発明1の実施形態における「操作内容」(後述のオのとおり、本願発明1の「遠隔操作」)に対応することが明らかである。 なお、引用発明において「操作入力」を「リアルタイムに反映する」動作を行ういわゆる「リモートログイン状態」になるのは、前記(ア)の「画面情報の取得」後、該「画面情報」が表示された際に自動的になるのであって、リモート操作者が本願発明1でいう「支援種別」を選択することに応じてなるものではない。 加えて、引用発明の「サポート端末150」は、「リモートログイン状態」にするための要求を発してはいない。 (ウ)引用発明の「サポート端末150」は、「リモート操作者から、ユーザ端末10に送信する関連データの指定を受け」、「リモート操作者から指定された関連データを検索し、ユーザ端末10に、検索した関連データを送信」することで、ユーザ端末10において「受信した関連データを生成したフォルダに記憶し、そして、当該関連データは、対応する所定の閲覧アプリケーションで、ユーザからの操作に応じて、閲覧可能に出力される」ようにしている。 ここで、引用発明の「関連データ」は、「リモート操作者」から「指定」されるものであるが、これは、ユーザ端末10において格納ないし閲覧可能とされる「データ」を指定するものであり、ユーザ端末10における処理(この場合、データを格納するないし閲覧可能とすること)を指定するものではない。 この観点から、引用発明の「関連データ」は本願発明1の「支援種別」とは異なるものである。 (エ)前記(ア)によれば、本願発明1と引用発明とは「前記支援装置は」が「支援処理の実行要求を前記情報処理装置に対して送信する送信手段」を有する点で共通するといえるものの、前記(ア)~(ウ)によれば、引用発明は「前記支援装置のオペレータによる支援種別の選択を受け付ける受付手段」を有しておらず、かつ、引用発明の「画面情報の取得」は、本願発明1でいう「支援処理」ではあるが「前記選択された支援種別の支援処理」ではない。 ウ(ア)引用発明の「ユーザ端末10」は、以下の(A)~(C)の処理を行うものである。 (A)「サポート端末150に要求された画面情報を送信」する処理(前記イ(ア)のサポート端末150の「画面情報の取得」に対応するユーザ端末10の処理) (B)リモート操作者からの操作があった場合は、「これに応じて、ユーザ端末10は、操作入力を実際の操作としてリアルタイムに反映」する処理(前記イ(イ)の「リモートログイン状態」のユーザ端末10の処理) (C)受信した関連データを生成したフォルダに記憶し、当該関連データを対応する所定の閲覧アプリケーションで、ユーザからの操作に応じて、閲覧可能に出力する処理(前記イ(ウ)の処理) (イ)前記(A)~(C)の処理は、いずれも、ユーザを支援するための処理であると認められるから、これらの処理は、本願発明1の「それぞれ異なる支援処理」に相当する。 (ウ)引用発明の「ユーザ端末10」は、前記(A)~(C)の支援処理を実行するのであるから、それぞれの支援処理に対応する「処理手段」を有することが明らかである。 (エ)前記(ア)~(ウ)によれば、本願発明1と引用発明とは、「前記情報処理装置」が「それぞれ異なる支援処理を実行する複数の処理手段」を有する点で一致する。 エ 引用発明では、「サポート端末150」が「ユーザ端末10に画面情報の取得を要求」し、「ユーザ端末10」が「この要求に応じて、ユーザ端末10は、サポート端末150に要求された画面情報を送信」するのであるから、引用発明の「ユーザ端末10」が「画面情報の取得」の「要求」を受信する手段を有することは明らかである。 そうすると、本願発明1と引用発明とは「前記情報処理装置」が「前記支援装置から送信された実行要求を受信する受信手段」を有する点で共通するといえる。 加えて、引用発明の「ユーザ端末10」は前記「要求」に応じて「サポート端末150に要求された画面情報を送信」するから、前記「要求」に係る支援処理(前記ウ(ア)の(A)の処理)に対応する処理手段を実行させる実行手段を有していることは明らかである。 そうすると、本願発明1と引用発明とは「前記情報処理装置」が「前記複数の処理手段のうち、前記受信した実行要求に係る支援処理に対応する処理手段を実行させる実行手段」を有する点で共通するといえる。 オ 本願発明1の「前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作」は、実施形態の「操作内容」(【0045】)に対応し、本願発明1の「前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける遠隔操作処理」は、実施形態の「操作部遠隔操作」の処理(【0044】、【0045】)に対応すると解される。 そして、前記イ(イ)のとおり、引用発明の「操作入力」は本願発明1の実施形態における「操作内容」に対応するから、引用発明の「操作入力」は本願発明1の「前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作」に相当する。 加えて、引用発明では「操作入力を実際の操作としてリアルタイムに反映」するのであるから、引用発明の「操作入力」は「ユーザ装置10」の「ユーザ」の操作なしに「ユーザ装置10」への操作として反映されている。 したがって、本願発明1と引用発明とは「前記実行手段は、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該遠隔操作処理に対応する処理手段を実行させ」る点で共通するといえる。 カ 引用発明の前記ウ(ア)の(A)の処理は、本願発明1の「前記遠隔操作処理とは異なる別の支援処理」に相当する。 そして、引用発明の前記ウ(ア)の(A)の処理は、「サポート端末150」が「ユーザ端末10に画面情報の取得を要求」したのに応じて実行されるから、「ユーザ装置10」の「ユーザ」の操作なしに実行されることである。 そうすると、本願発明1と引用発明とは「前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記遠隔操作処理とは異なる別の支援処理である場合、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該別の支援処理に対応する処理手段を実行させる」点で一致するといえる。 キ 前記ア~カによれば、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 〈一致点〉 「支援装置と情報処理装置とを含む支援システムであって、 前記支援装置は、 支援処理の実行要求を前記情報処理装置に対して送信する送信手段、を有し、 前記情報処理装置は、 それぞれ異なる支援処理を実行する複数の処理手段と、 前記支援装置から送信された実行要求を受信する受信手段と、 前記複数の処理手段のうち、前記受信した実行要求に係る支援処理に対応する処理手段を実行させる実行手段と、を有し、 前記実行手段は、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該遠隔操作処理に対応する処理手段を実行させ、 前記実行手段は、前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記遠隔操作処理とは異なる別の支援処理である場合、前記情報処理装置のユーザ操作なしに、当該別の支援処理に対応する処理手段を実行させることを特徴とする支援システム。」である点。 〈相違点〉 本願発明1の「支援装置」は「前記支援装置のオペレータによる支援種別の選択を受け付ける受付手段」を有しているのに対し、引用発明の「サポート端末150」は「支援種別の選択を受け付ける受付手段」を有していない点。 これに付随して、本願発明1の「送信手段」が送信する「支援処理の実行要求」は「前記選択された支援種別の」「支援処理の実行要求」であるのに対し、引用発明で送信される「支援種別の実行要求」は、ユーザ端末10がサポート端末150に接続することに応じて自動的に発せられる「画面情報の取得」の「要求」に限られる点。 加えて、本願発明1の「実行手段」が「遠隔操作処理」に対応する「処理手段」を実行させるのは「前記受信した実行要求に係る支援処理が、前記情報処理装置の表示部に表示される画面の遠隔操作を前記支援装置から受け付ける遠隔操作処理である場合」であるのに対し、引用発明では「遠隔操作」の「実行要求」が「サポート端末150」から発せられることは想定されておらず、「ユーザ端末10の画面情報が表示された状態で」「リモートログイン状態となる」点。 (2)相違点についての判断 引用発明は、「ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けた場合には、ユーザ端末10は、サポート端末150に接続して、サポート要求があった旨をサポート端末150に通知し」、「次に、サポート端末150は、ユーザ端末10に画面情報の取得を要求し」、「この要求に応じて、ユーザ端末10は、サポート端末150に要求された画面情報を送信し」、「次に、サポート端末150は、ユーザ端末10の画面情報が表示された状態で、いわば、リモートログイン状態となる」という一連の処理が自動的に行われるものであって、この際に「支援種別の選択」を行うことは想定されていない。 また、前記(1)イ(ウ)のとおり、引用発明の「サポート端末150」は、「リモート操作者から、ユーザ端末10に送信する関連データの指定を受け」、「リモート操作者から指定された関連データを検索し、ユーザ端末10に、検索した関連データを送信」することで、ユーザ端末10において「受信した関連データを生成したフォルダに記憶し、そして、当該関連データは、対応する所定の閲覧アプリケーションで、ユーザからの操作に応じて、閲覧可能に出力される」ようになされたものであるが、「リモート操作者」が「指定」する「関連データ」は、あくまで「データ」であって、「支援種別」ではない。 そうすると、前記相違点に係る本願発明1の構成は、引用発明において想定され得ない構成である。 また、引用文献のその余の部分を参照しても、前記構成は当業者といえども容易に想到し得るものではない。 そして、引用発明に前記相違点に係る本願発明1の構成を導入することを示唆する文献は存在せず、このことは技術常識でもない。 (3)本願発明1についての小括 前記(1)によれば、本願発明1と引用発明とは同一ではない。 そして、前記(2)のとおり、本願発明1は、当業者といえども引用発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。 2 本願発明2~5について (1)本願発明2、3及び5は、いずれも、請求項1を引用する形で特定された発明であるから、前記1(1)キの相違点を含み、新規性を有する。 また、前記1(2)のとおりであるから、本願発明2、3及び5は、いずれも、当業者といえども引用発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。 (2)本願発明4は、本願発明1を「支援システムの制御方法」として特定したものであって、「前記支援装置が、前記支援装置のオペレータによる支援種別の選択を受け付ける受付工程」を発明特定事項として有するから、前記1(1)キと同様の相違点が存在し、新規性を有する。 また、前記1(2)と同様の理由で、本願発明4は、当業者といえども引用発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。 第7 むすび 前記第6のとおり、本願発明1~5は、いずれも、引用発明とは同一ではなく、かつ、当業者といえども引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-011228

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