2021-010352
コンベヤ装置管理システム
- 審判番号
- 2021-010352
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-093511外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年08月04日
- 審決日
- 2023年04月18日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】三ツ星ベルト株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人ATEN
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、令和2年5月28日の出願(優先権主張令和2年4月24日)であって、同年12月28日付けで拒絶理由通知がされ、令和3年2月15日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ、同年4月30日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年8月4日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正(以下、「審判請求時補正」という。)がされ、令和4年12月8日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、令和5年2月1日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和3年4月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1~9に係る発明は、以下の引用文献A~Cに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。
理由1(進歩性)
本願請求項1~9に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第4 本願発明
本願請求項1~6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明6」という。)は、令和5年2月1日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される発明であって、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報を読み取り可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品に対する不具合を含むメンテナンス情報を入力可能な、端末装置がネットワークを介して接続される、管理サーバを備えた、コンベヤ装置管理システムであって、前記管理サーバは、前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、前記コンベヤ装置を構成する前記複数の部品の情報と、前記部品それぞれに対応する、前記メンテナンス情報と、が対応付けられて記憶されている記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記端末装置から送信された、前記識別情報、及び、前記コンベヤ装置の使用開始日の情報を受信した場合、前記使用開始日に、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の交換の目安となる使用期間を加算した交換時期を、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の情報に対応付けて、前記記憶部に記憶する処理、及び、前記端末装置から送信された、前記識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した場合、当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より前であれば、前記部品の管理者に、前記メンテナンス情報を通知し、当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より後であれば、前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する処理、を実行する。」
第5 引用文献、引用発明
1 引用文献1
(1)引用文献1に記載された事項
原査定及び当審拒絶理由通知で引用された引用文献1(原査定の引用文献B)には、図面とともに次の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付した。引用文献2、Aについても同様。)
「【0001】本発明は、製品を構成する部品をユーザに選択させるために必要な情報を端末装置に提供するサーバ装置等に関する。」
「【0011】図1に示すように、発注支援システム1は、発注支援サーバ2と、受注処理サーバ3と、それらのサーバ2、3とネットワーク4を介して通信可能に接続されたクライアントとしての端末装置5とを含んでいる。端末装置5は、例えば据え置き型のPC(パーソナルコンピュータの略)5a、ブック型のPC5b、あるいはスマートフォン等の携帯端末5cといったネットワーク接続が可能な各種のデバイスを含んでよい。【0012】発注支援サーバ2は、ユーザが製品を構成する部品を発注するために必要な各種の手順を端末装置5を介してユーザに案内する。それにより、発注支援サーバ2は、本発明に係るサーバ装置の一例として機能する。一例として、発注支援サーバ2は、端末装置5からのアクセスに応じて各種のウェブページを端末装置5上に表示させるウェブサーバとして構成される。受注処理サーバ3は、発注支援サーバ2によって確定された発注に対応して、ユーザが発注した部品の手配、配送、購入代金の請求といった処理を担当する。受注処理サーバ3による処理は、公知の各種の受注処理サーバと同様でよく、その詳細な説明は省略する。続きを表示(全15行)【0013】発注支援システム1において、製品及び部品のそれぞれは型番によって管理される。以下、図2及び図3を参照して、型番による製品及び部品の管理の一例を説明する。まず、図2を参照して、発注支援システム1における製品と部品との関係の一例を説明する。図示の例において、製品Aは複数の部品を組み合わせて構成されている。それらの部品は、仕様の異同を除いて構成が共通する部品ごとに区分することが可能である。図2の例では部品の区分数をNとし、区分ごとに番号#1、#2、…#Nを付して部品を区別する。以下では、区分#1の部品を部品#1と表現し、区分#2以下も同様に表記することがある。【0014】一つの区分にはさらに仕様が異なる複数の部品が用意されている。図2の例では、仕様a、b、c…を付して仕様の相違を表現している。したがって、製品Aを構成する各部品は、部品の区分と仕様とが特定されることによって一義的に特定される。図2では図示を省略したが、製品A以外の製品であっても、同様に具体的な仕様が定まらないと一義的に特定することが不可能な部品が存在する。ただし、区分ごとの仕様数は適宜である。一つの製品を構成する部品群には、仕様が一定である部品、言い換えれば仕様違いが存在しない部品が含まれていてもよい。【0015】製品とそれを構成する複数の部品とをそれぞれ一義的に特定するため、発注支援システム1では、例えば図3に示すように製品型番と部品型番とが設定されて製品及び部品が管理される。なお、図3では、製品の一例としてベルトコンベアが想定されている。製品型番は、製品ごとにユニークに設定される製品識別情報の一例に相当し、部品型番は部品ごとにユニークに設定される部品識別情報の一例に相当する。【0016】図3の例において、製品型番は、製品の型式、ベルト幅、プーリ間隔、モータ、ベルト仕様及びモータメーカのそれぞれを指定する情報を、ハイフン記号を介して連ねるように組み合わせて構成されている。製品の型式を指定する情報は、製品の種別及びモータ位置をそれぞれ指定する情報にさらに区分して設定される。例えば、製品の種別が”CVMA”、モータ位置が”TM1”にそれぞれ設定される場合、ベルトコンベアの型式は”CVMATM1”として設定される。・・・【0019】一方、部品型番は、仕様の異同を除いて構成が共通する部品間で共通に設定される部品共通コードと、仕様に応じて異なる値に設定される部品仕様変数とを組み合わせて設定される。・・・」
「【0025】図4は、発注支援サーバ2が端末装置5上に表示させるウェブページの相互の関係の一例を示している。図示の例では、所定のフロントページP1、製品検索ページP2、製品詳細ページP3といった複数のウェブページを入り口として、それらのウェブページP1~P3からリンクをたどるといった操作をユーザが適宜に行うことにより、部品一覧ページP4へとユーザが誘導される。製品検索ページP2及び製品詳細ページP3はフロントページP1から適宜に呼び出すことが可能とされてよい。【0026】部品一覧ページP4には、製品を構成する部品が一覧表示される。ユーザがその一覧から購入を希望する部品及びその数量を選択することにより部品が発注され、その発注内容に従って受注処理サーバ3が受注を処理する。ただし、部品一覧ページP4が表示された段階で、製品の少なくとも一部の仕様が未確定な状態である場合、製品詳細ページP3へとユーザが再誘導される。再誘導された製品詳細ページP3にてユーザが未確定な仕様を確定させることにより、部品一覧ページP4にすべての部品の一覧が表示される。なお、図4の関係はあくまで一例であり、部品一覧ページP4にユーザを誘導するためのウェブページ間の関係は、製品型番の少なくとも一部の入力に対応して部品一覧ページP4が呼び出される限りにおいて適宜に変更可能である。また、部品一覧ページP4から部品詳細ページへ移行して、その部品詳細ページからユーザが部品を発注できるように構成してもよい。部品詳細ページは例えば製品詳細を示す製品詳細ページP3と同様に部品詳細を示すウェブページとして構成されてよい。・・・【0030】図8は部品一覧ページP4の一例を示している。図8の部品一覧ページP4には、製品の分解斜視図、型番等を示す情報表示部130と、製品型番に基づいて特定された各種の部品の情報が一覧形式で表示される一覧表示部131とが設けられている。一覧表示部131には、一例として部品の番号(情報表示部130に示される分解斜視図の部品番号に対応する。)と、部品の名称、部品型番、単価、使用数量(一つの製品に用いられている部品の個数)とが表示される。また、一覧表示部131には、購入対象をユーザが指定するチェックボックス132、購入数量をユーザが指定する数量指定部133、及び出荷日の目安を示す出荷日情報134も併せて表示される。ユーザが購入を希望する部品のチェックボックス132をチェックし、数量指定部133にて購入数量を指定し、発注指示ボタン135をクリック操作すると、その操作をトリガとして発注内容が確定され、発注内容を示す情報が受注処理サーバ3に引き渡されて部品の受注処理が開始される。なお、製品又は部品の受注処理は、発注ボタン135の操作に応じて発注内容を確認するページを端末装置5に表示させ、ユーザが発注を確定する操作を行うことを条件として開始される、といったように複数の段階を経て開始されてもよい。」
「【0035】次に、図12~図14を参照して、発注支援サーバ2の具体的な構成例を説明する。図12は発注支援サーバ2の制御系の概略構成の一例を示している。発注支援サーバ2には、制御装置10と、記憶装置11とが設けられている。制御装置10はマイクロプロセッサと、その動作に必要な内部記憶装置等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。記憶装置11は、磁気記憶媒体、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を利用して各種の情報を記憶することにより制御装置10に対する外部記憶装置として機能する。ただし、記憶装置11は発注支援サーバ2の一部として設けられる例に限らず、発注支援サーバ2と協働するデータベースサーバとして設けられてもよい。【0036】記憶装置11には、製品あるいは部品の発注に必要な各種の処理を制御装置10に実行させるためのコンピュータプログラムとして発注支援プログラムPGが記録されている。制御装置10が発注支援プログラムPGを読み込んで実行することにより、制御装置10には、コンピュータハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置として、情報取得部12と、型番確定部13と、発注処理部14とが設けられる。情報取得部12は、端末装置5から製品型番を特定するために必要な情報を取得する。情報取得部12は、例えば上述した図4~図11にて説明したように、製品型番の少なくとも一部の変数の値が未確定な状態とされた情報と、その未確定な値を確定させるための情報とに分けて情報を取得してもよい。【0037】情報取得部12は、記憶装置11に記録された購入履歴データD1を参照することにより製品型番を取得することも可能である。購入履歴データD1には、発注支援サーバ2にアクセスしたユーザが過去に購入した製品、あるいは部品の購入履歴がユーザの識別情報と対応付けて記録されている。例えば、ユーザが購入した製品、あるいは部品のシリアル番号と製品型番、あるいは部品型番とがユーザの識別情報と対応付けて購入履歴データD1に記録されている。したがって、情報取得部12は、端末装置5からアクセスしたユーザを認証してその識別情報を判別するとともに、端末装置5から製品等のシリアル番号を取得し、ユーザ識別情報及びシリアル番号を参照して、ユーザが過去に購入した製品又は部品の型番を取得することが可能である。」
「【0039】記憶装置11に記録された構成部品データD2は、製品とその製品を構成するすべての部品との対応関係を、製品型番の少なくとも型式と部品型番の少なくとも共通コードとを用いて記述したデータである。例えば、図2の製品Aを例にして説明すると、構成部品データD2は、図13(a)に示したように、製品Aの製品型番の型式部分と、製品Aを構成するすべての部品(区分#1~#Nの各部品)の部品型番の共通コードとを対応付けて記述することにより構成される。あるいは、図13(b)に示すように、構成部品データD2は、製品Aの製品型番と製品Aを構成するすべての部品の部品型番とを対応付けて記述することにより構成されてもよい。規則データD3は、製品型番と部品型番との間に設定される対応関係の規則を記述したデータである。」
「【0042】次に、図14を参照して、制御装置10がユーザによる部品の発注内容を確定させるために実行する発注支援処理の一例を説明する。図示の発注支援処理は、例えばユーザが発注支援サーバ2にアクセスし、ウェブページに対して製品型番の少なくとも一部を入力したことをトリガとして開始される。発注支援処理が開始されると、制御装置10の情報取得部12は、ユーザが製品型番を指定するために端末装置5に入力した情報を取得し、得られた情報を型番確定部13に提供する(ステップS11)。この場合、端末装置5に入力される製品型番は少なくとも型式の部分を含めばよく、一部の変数部分は値が未確定な状態であってもよい。一部の変数が未確定な状態で製品型番が入力された場合、その入力された情報は第1の情報の一例に相当する。端末装置5には、ユーザが購入を希望する部品が装着されるべき製品のシリアル番号が入力されてもよい。その場合、情報取得部12は購入履歴データD1に基づいてシリアル番号に対応する製品型番を特定し、特定された製品型番を型番確定部13に提供する。・・・【0044】ユーザが製品の仕様を指定すると、情報取得部12は端末装置5から仕様を指定する値を取得し、得られた値を型番確定部13に提供する(ステップS14)。この段階で取得される情報は第2の情報の一例に相当する。型番確定部13は、ステップS11及びステップS14にて得られた情報に従って製品型番を確定させ(ステップS15)、得られた製品型番に対応する部品型番を確定する(ステップS16)。この場合、型番確定部13はまず構成部品データD2を参照して、製品型番の少なくとも型式に対応付けられた全ての部品型番の共通コードを特定し、製品型番に含まれている各種の値を規則データD3に従って部品型番の仕様変数の値へと変換することにより、製品型番に対応するすべての部品型番の仕様変数の値を確定させる。なお、ステップS12で未確定の値が含まれていないと判断された場合にはステップS13及びS14の処理がスキップされてステップS15へと処理が進められる。この場合には、ステップS11にて製品型番を確定させるに足りる情報が型番確定部13に提供されているので、型番確定部13はその情報に従ってステップS15で製品型番を確定すればよい。【0045】型番確定部13にて部品型番が確定されると、その確定情報は情報取得部12に提供される。情報取得部12は、すべての情報が確定している場合の部品一覧ページP4(一例として図8)を端末装置5に表示させる(ステップS17)。その後、情報取得部12はユーザが部品の発注を指示したか否かを判別する(ステップS18)。例えば、図8の発注指示ボタン135が操作された場合に発注が指示されたと判断してもよい。・・・【0047】ステップS18にてユーザが発注を指示したと判断された場合、情報取得部12は端末装置5から発注内容、すなわちユーザが購入を希望する部品の部品型番及び購入数量を取得し、これを発注処理部14に提供する(ステップS21)。これを受けて、発注処理部14は発注を確定させる処理を実行し、その実行結果を受注処理サーバ3に提供して受注処理を開始させる。以上により、図14の処理が完了する。」
「【図8】[図:0001396642000001.jpg]」
「【図12】[図:0001396642000002.jpg]」
「【図14】[図:0001396642000003.jpg]」
(2)引用文献1に記載された発明
上記(1)の摘記事項から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「発注支援サーバ2と、受注処理サーバ3と、それらのサーバ2、3とネットワーク4を介して通信可能に接続されたクライアントとしての端末装置5とを含む発注支援システム1であって、(【0011】)発注支援システム1では、製品及び部品のそれぞれは型番によって管理され、ベルトコンベアの製品とそれを構成する複数の部品とをそれぞれ一義的に特定するため、製品型番と部品型番とが設定されて製品及び部品が管理され、(【0013】、【0015】)発注支援サーバ2は、ユーザが製品を構成する部品を発注するために必要な各種の手順を端末装置5を介してユーザに案内し、端末装置5からのアクセスに応じて各種のウェブページを端末装置5上に表示させるウェブサーバとして構成され(【0012】)、制御装置10と、記憶装置11とが設けられ(【0035】)、記憶装置11には、ユーザが購入した製品、あるいは部品のシリアル番号と製品型番、あるいは部品型番とがユーザの識別情報と対応付けて記録されている購入履歴データD1と、製品とその製品を構成するすべての部品との対応関係を、製品Aの製品型番と製品Aを構成するすべての部品の部品型番とを対応付けて記述したデータである構成部品データD2が記録され、(【0037】、【0039】)制御装置10には、情報取得部12と、型番確定部13と、発注処理部14とが設けられ(【0036】)、制御装置10がユーザによる部品の発注内容を確定させるために実行する発注支援処理が開始されると、制御装置10の情報取得部12は、ユーザが製品型番を指定するために端末装置5に入力した情報を取得し、得られた情報を型番確定部13に提供し(【0042】)、端末装置5に、ユーザが購入を希望する部品が装着されるべき製品のシリアル番号が入力される場合、情報取得部12は記憶装置11に記録された購入履歴データD1に基づいてシリアル番号に対応する製品型番を特定し、特定された製品型番を型番確定部13に提供し、(【0037】、【0042】)型番確定部13は、得られた情報に従って製品型番を確定させ、得られた製品型番に対応する部品型番を確定し(【0044】)、その確定情報が提供された情報取得部12は、すべての情報が確定している場合の部品一覧ページP4を端末装置5に表示させ、その後、情報取得部12はユーザが部品の発注を指示したか否かを判別し(【0045】)、ユーザが発注を指示したと判断された場合、情報取得部12は端末装置5から発注内容、すなわちユーザが購入を希望する部品の部品型番及び購入数量を取得し、これを発注処理部14に提供し、発注処理部14は発注を確定させる処理を実行し、その実行結果を受注処理サーバ3に提供して受注処理を開始させ、(【0047】)発注支援サーバ2が端末装置5上に表示させるウェブページのうち、部品一覧ページP4は、製品を構成する部品が一覧表示されるものであって(【0025】、【0026】)、製品の分解斜視図、型番等を示す情報表示部130と、製品型番に基づいて特定された各種の部品の情報が一覧形式で表示される一覧表示部131とが設けられ、一覧表示部131には、部品の名称、部品型番、単価、使用数量、購入対象をユーザが指定するチェックボックス132、購入数量をユーザが指定する数量指定部133、及び出荷日の目安を示す出荷日情報134が表示され、ユーザが購入を希望する部品のチェックボックス132をチェックし、数量指定部133にて購入数量を指定し、発注指示ボタン135をクリック操作すると、その操作をトリガとして発注内容が確定される、(【0030】)発注支援システム1。」
2 引用文献2
(1)引用文献2に記載された事項
原査定及び当審拒絶理由通知で引用された引用文献2(原査定の引用文献C)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0024】次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報提供システムの構成を示す模式図である。なお、以下の説明では、作業機械としての農業機械に関する情報を提供する情報提供システムについて説明するが、本発明の情報提供システムは、船舶・建設機械など、その他の作業機械に関する情報を提供する情報提供システムとして構成しても差し支えない。」
「【0029】以下、情報提供システム1の構成を詳しく説明する。本実施形態の情報提供システム1は、携帯電話サーバ11、情報提供サーバ12、販売物流サーバ13及び注文管理サーバ14からなるハードウェアと、上記サーバ11,12,13,14で実行されるサーバアプリケーション及び携帯電話2で実行される後述のクライアントアプリケーションからなるソフトウェアと、から構成されている。【0030】携帯電話サーバ11は、携帯電話2からアクセス可能に構成される。携帯電話サーバ11は、情報提供システム1にアクセスした携帯電話2が、当該携帯電話サーバ11を介して、情報提供サーバ12、販売物流サーバ13、注文管理サーバ14にアクセスできるように構成されている。続きを表示(全15行)【0031】情報提供サーバ12は、部品カタログサーバ、取扱説明書提供サーバ、ニュース提供サーバ等として機能するように構成されている。【0032】部品カタログサーバとしての情報提供サーバ12は、クライアントに対して、農業機械の部品のカタログデータを提供するように構成されている。具体的には、情報提供サーバ12には、部品データベースと、図面データと、が記憶されている。【0033】前記部品データベースには、農業機械に用いられる部品の名称、品番等が記憶されるとともに、その部品はどの型式の機種に適合するのか、どのブロック(機体の中の特定の区画)に用いられる部品か、という情報が記憶されている。例えば、「部品Aは、Xという型式の機種のエンジンに用いられる」という情報が各部品ごとに記憶されている。また情報提供サーバ12は、部品データベースの検索機能も提供している。従って、情報提供サーバ12のクライアントは、例えば、「型式Xの機種のエンジンに用いられている部品はどのようなものがあるか」という検索を行うことができる。・・・【0036】取扱説明書提供サーバとしての情報提供サーバ12は、クライアントに対して、農業機械の取扱説明書データを提供するように構成されている。具体的には、情報提供サーバ12には、様々な型式の農業機械に関する取扱説明書の内容が、データとして記憶されている。なお、ここでいう農業機械の取扱説明書とは、具体的には、当該農業機械のメンテナンス等のときに参照するためのサービスマニュアルのことである。もっとも、情報提供サーバ12が提供する取扱説明書データとして、いわゆるユーザマニュアルのデータを提供しても良いことは勿論である。【0037】取扱説明書のデータを取得しようとする情報提供サーバ12のクライアントは、農業機械の型式を指定して、取扱説明書のデータを要求するメッセージを情報提供サーバ12に送信する。情報提供サーバ12は、当該型式の農業機械に関する取扱説明書のデータを、クライアントに対して送信する。このように、情報提供サーバ12のクライアントは、情報提供サーバ12が記憶している様々な型式の農業機械に関する取扱説明書データの中から、所望の型式の農業機械に関する取扱説明書データを取得することができる。」
「【0042】また、販売物流サーバ13は、受注履歴管理サーバとしても機能するように構成されている。具体的には、販売物流サーバ13は、販売店舗等から部品の発注を受けると、受注した部品を特定する情報と、当該部品の交換を行う農業機械を特定する情報(機体識別情報)と、受注年月日と、を関連付けた受注履歴を記録する。これにより、農業機械のメーカ側で、どの機体のどの部品がいつ交換されたか、という情報を管理することができる。従って、例えば次の部品交換時期等を機体ごとに予測することができる。」
「【0050】図2に、本実施形態の情報提供システム1の対象となる農業機械としてのトラクタ4の側面図を示す。このトラクタ4は、左右一対の前輪5と左右一対の後輪6とを有する四輪駆動式の農用トラクタであり、前輪5の舵角を変更して車体の操向操作を行うためのステアリングハンドル7を有する。【0051】このトラクタ4の適宜の位置には、QRコードが印刷されたシール9が貼り付けられている。シール9を貼り付ける位置は特に限定されないが、当該シール9を見つけ易く、QRコードを読み取り易く、しかもQRコードが汚れにくい位置であることが好ましい。従って、例えば図2に示すように、ステアリングコラム8の側面などがシール9を貼り付ける位置として好適である。続きを表示(全20行)【0052】前記QRコードには、トラクタ4の型式を特定する情報(型式特定情報)と、当該トラクタ4の機体識別情報と、が情報として記憶されている。前記型式特定情報は、例えば、英数字からなる文字列データで表現されたトラクタ4の型式である。また前記機体識別情報とは、トラクタ4を個別に識別可能な情報であり、例えば、複数桁の数字からなる文字列データで表現されたトラクタ4のシリアルナンバーである。【0053】次に、前記クライアントアプリケーションの機能について、サービスマンが携帯電話2で部品を発注するまでの流れに沿って説明する。【0054】例えば図2のトラクタ4にトラブルが発生した場合、農業機械のサービスマンは、顧客の元に赴き、当該トラクタ4を現場で検分してトラブルの原因を特定する。ここで、トラブルの原因を特定するために、サービスマニュアル等の閲覧が必要な場合がある。前述のように、本実施形態の情報提供システム1は携帯電話2から利用することができるので、サービスマンは現場でサービスマニュアル等を確認することができる。【0055】以下、具体的に説明する。本実施形態の情報提供システム1を携帯電話2から利用しようとするサービスマン(以下、単に利用者という)は、まず、当該携帯電話2において前記クライアントアプリケーションを起動する。【0056】クライアントアプリケーションが起動されると、当該クライアントアプリケーションは、QRコード読取モードに移行する。このQRコード読取モードでは、携帯電話2のカメラがアクティブになり、当該カメラによって農業機械が備えるQRコードを読み取ることができるようになる。そして、農業機械が備える前記QRコードを携帯電話2のカメラで読み取ることにより、クライアントアプリケーションは、前記農業機械の型式特定情報と機体識別情報とを取得することができるように構成されている。具体的には、例えば図2のトラクタ4において、シール9に印刷されたQRコードを読み取ることにより、当該トラクタ4の型式情報及び機体識別情報をクライアントアプリケーションが取得できる。これにより、手作業で型式情報等を入力する構成と比べて、簡単かつ確実に、農業機械の型式等を特定することができる。【0057】QRコードを読み取ることにより農業機械の型式特定情報及び機体識別情報を取得すると、クライアントアプリケーションは、利用者の操作に応じて情報提供サーバ12と通信を行い、当該情報提供サーバ12から各種の情報を取得することができるように構成されている。以下、具体的に説明する。【0058】農業機械が備えるQRコードを携帯電話2で読み取った後、利用者が適宜の「取扱説明書閲覧」操作を行うと、クライアントアプリケーションは、取扱説明書のデータを要求するメッセージと、型式特定情報と、を携帯電話サーバ11を介して情報提供サーバ12に送信するように構成されている。情報提供サーバ12は、取扱説明書提供サーバとして機能することにより、受信した型式特定情報から特定される型式の農業機械に関する取扱説明書のデータを、携帯電話サーバ11を介して携帯電話2に送信する。そして、携帯電話2が取扱説明書のデータを受信すると、クライアントアプリケーションは、前記取扱説明書の内容をディスプレイ21に表示するように構成されている。【0059】例えば、図2のトラクタ4からQRコードを読み取った後、利用者が「取扱説明書閲覧」操作を行うことにより、携帯電話2のディスプレイでトラクタ4の取扱説明書を閲覧することができる。このように、農業機械が備えるQRコードから取得した情報に基づいて情報提供サーバ12から取扱説明書データを取得することにより、所望の取扱説明書を簡単に閲覧することができる。」
「【0063】利用者であるサービスマンは、農業機械に発生しているトラブルの原因を特定すると、部品の交換が必要か否かを判断する。部品の交換が必要であると判断した場合、利用者は、以下のようにして部品の発注を行う。【0064】まず、利用者は、どの部品を発注するかを特定する。具体的には、利用者が適宜の「部品検索」操作を行うと、クライアントアプリケーションは、部品の検索を要求するメッセージと、QRコードから取得した型式特定情報と、を携帯電話サーバ11を介して情報提供サーバ12に送信するように構成されている。情報提供サーバ12は、部品カタログサーバとして機能することにより、受信した型式情報から特定される機種に適合する部品を検索し、当該検索結果を携帯電話サーバ11を介して携帯電話2に送信する。続きを表示(全15行)【0065】携帯電話2が前記検索結果を受信すると、クライアントアプリケーションは、当該検索結果に含まれる部品を一覧表にしてディスプレイ21に表示する。なお、部品の検索を行う際には、ブロックを指定して絞り込み検索を行うことができる。例えば、図2のトラクタ4からQRコードを読み取った後、利用者が「エンジン」を指定して「部品検索」操作を行うことにより、携帯電話2のディスプレイでトラクタ4のエンジンに用いられている部品の一覧表を閲覧することができる。このように、農業機械が備えるQRコードから取得した情報に基づいて情報提供サーバ12で部品の検索を行うことにより、当該農業機械に適合する部品を簡単に調べることができる。【0066】次に、利用者は、携帯電話2のディスプレイ21に表示された部品の一覧表の中から、発注する部品を特定する。具体的には、クライアントアプリケーションは、利用者が適宜の操作を行うことにより、前記部品の一覧表の中から、発注予定の部品を選択することができるように構成されている。このように、所望の型式の農業機械に適合する部品の一覧表の中から発注予定の部品を指定するので、当該農業機械に適合しないような部品を誤って発注してしまうことを未然に防ぐことができる。・・・【0068】利用者は、発注予定の部品を全て選択すると、実際に部品の発注を行う。具体的には、クライアントアプリケーションは、利用者が適宜の「発注」操作を行うことにより、前記発注する部品を特定する情報と、農業機械が備えるQRコードから取得した機体識別番号と、を携帯電話サーバ11を介して注文管理サーバ14に送信するように構成されている。注文管理サーバ14は、携帯電話2から部品の発注を受けると、発注元を特定する情報と、前記発注する部品を特定する情報と、前記機体識別番号と、を販売物流サーバ13に送信する。【0069】販売物流サーバ13においては、発注元を特定する情報と、発注する部品を特定する情報と、を関連付けて記憶する。これにより、部品の受注処理が終了する。【0070】また、販売物流サーバ13は、受注履歴管理サーバとして機能することにより、発注する部品を特定する情報と、機体識別情報と、受注年月日と、を記憶する。これにより、農業機械の機体ごとに、どの部品をいつ交換したか、という部品受注履歴を記憶しておくことができる。即ち、例えばトラクタ4がエンジンのタイミングベルトをいつ交換したか、という情報をメーカ側で管理することができるので、当該タイミングベルトの次の交換時期をメーカ側で予測することができるなど、農業機械のメンテナンスサービスや部品流通の効率化に役立てることができる。」
「【0079】また本実施形態の情報提供システム1は、以下のように構成されている。即ち、情報提供システム1は、受注履歴管理サーバとしての販売物流サーバ13を備える。携帯電話2は、農業機械に設けられた前記QRコードから、農業機械それぞれを個別に識別可能な機体識別情報を取得することが可能である。携帯電話2は、前記機体識別情報と、発注する部品を特定する情報と、を販売物流サーバ13に送信可能である。販売物流サーバ13は、前記機体識別情報と、前記発注する部品を特定する情報と、に基づいて、機体ごとの部品受注履歴を記録する。」
「【0084】図1は情報提供システムの構成を概念的に図示したものであって、情報提供システムの構成を限定するものではない。例えば、上記サーバは、互いにLANケーブル等によって接続されたサーバ専用機としても良いし、サーバラックに取り付けられたサーバモジュールとしても良いし、汎用コンピュータにサーバ機能を持たせたものでも良い。また各サーバの機能を複数のハードウェアで実現する構成の代わりに、携帯電話サーバ11、情報提供サーバ12、販売物流サーバ13及び注文管理サーバ14としての機能を、例えば1台のハードウェアで実現しても良い。」
「【図1】[図:0001396642000004.jpg]」
(2)引用文献2に記載された技術的事項
上記(1)の摘記事項から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されている。
「携帯電話サーバ11、情報提供サーバ12、販売物流サーバ13及び注文管理サーバ14からなるハードウェアと、上記サーバ11,12,13,14で実行されるサーバアプリケーション及び携帯電話2で実行されるクライアントアプリケーションからなるソフトウェアと、から構成され、作業機械としての農業機械に関する情報を提供する情報提供システム1であって、(【0024】、【0029】)情報提供サーバ12は、部品カタログサーバ、取扱説明書提供サーバ等として機能し、部品カタログサーバとしての情報提供サーバ12は、クライアントに対して、農業機械の部品のカタログデータを提供し、農業機械に用いられる部品の名称、品番等とともに、その部品はどの型式の機種に適合するのか、どのブロック(機体の中の特定の区画)に用いられる部品か、という情報が記憶された部品データベースが記憶され(【0031】~【0033】)、取扱説明書提供サーバとしての情報提供サーバ12は、クライアントから農業機械の型式が指定された取扱説明書のデータを要求するメッセージが送信されると、当該型式の農業機械に関する取扱説明書のデータを、クライアントに対して送信し、(【0036】、【0037】)販売物流サーバ13は、受注履歴管理サーバとして機能し、販売店舗等から部品の発注を受けると、受注した部品を特定する情報と、当該部品の交換を行う農業機械を特定する情報(機体識別情報)と、受注年月日と、を関連付けた受注履歴を記録することにより、農業機械のメーカ側で、どの機体のどの部品がいつ交換されたか、という情報を管理し、次の部品交換時期等を機体ごとに予測することができるものであり、(【0042】)農業機械としてのトラクタ4の適宜の位置には、トラクタ4の型式を特定する情報(型式特定情報)と、トラクタ4を個別に識別可能なシリアルナンバーである、当該トラクタ4の機体識別情報と、が情報として記憶されている、QRコードが印刷されたシール9が貼り付けられており、(【0050】~【0052】)情報提供システム1を携帯電話2から利用しようとする利用者が、当該携帯電話2において前記クライアントアプリケーションを起動すると、当該クライアントアプリケーションは、QRコード読取モードに移行し、携帯電話2のカメラによって農業機械が備えるQRコードを読み取ることにより、当該トラクタ4の型式情報及び機体識別情報を取得し、これにより、手作業で型式情報等を入力する構成と比べて、簡単かつ確実に、農業機械の型式等を特定することができ、(【0055】、【0056】)、農業機械が備えるQRコードを携帯電話2で読み取った後、利用者が「取扱説明書閲覧」操作を行うと、クライアントアプリケーションによって、取扱説明書のデータを要求するメッセージと、型式特定情報と、が携帯電話サーバ11を介して情報提供サーバ12に送信され、情報提供サーバ12は、受信した型式特定情報から特定される型式の農業機械に関する取扱説明書のデータを、携帯電話サーバ11を介して携帯電話2に送信し、携帯電話2のディスプレイ21に前記取扱説明書の内容が表示され、(【0058】)利用者が農業機械に発生しているトラブルの原因を特定し、部品の交換が必要であると判断した場合、「部品検索」操作を行うと、クライアントアプリケーションによって、部品の検索を要求するメッセージと、QRコードから取得した型式特定情報と、が携帯電話サーバ11を介して情報提供サーバ12に送信され、情報提供サーバ12は、受信した型式情報から特定される機種に適合する部品を検索し、当該検索結果を携帯電話サーバ11を介して携帯電話2に送信し、当該検索結果に含まれる部品の一覧表が携帯電話2のディスプレイ21に表示され(【0063】~【0065】)、利用者が、前記部品の一覧表の中から発注予定の部品を選択し、「発注」操作を行うと、前記発注する部品を特定する情報と、農業機械が備えるQRコードから取得した機体識別番号と、が携帯電話サーバ11、注文管理サーバ14を介して販売物流サーバ13に送信され、販売物流サーバ13は、注文管理サーバ14から送信される発注元を特定する情報と、発注する部品を特定する情報と、を関連付けて記憶することにより、部品の受注処理を実行するほか、受注履歴管理サーバとして、発注する部品を特定する情報と、機体識別情報と、受注年月日と、を記憶することにより、農業機械の機体ごとに、どの部品をいつ交換したか、という部品受注履歴を記憶し、次の交換時期をメーカ側で予測することができるなど、農業機械のメンテナンスサービスや部品流通の効率化に役立てることができ、(【0066】、【0068】、【0070】))携帯電話サーバ11、情報提供サーバ12、販売物流サーバ13及び注文管理サーバ14としての機能を、1台のハードウェアで実現しても良い、(【0084】)情報提供システム1。」
3 引用文献A
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Aには、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0007】本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、点検精度の低下を抑止しつつ、ゴム製品を効率良く点検でき、かつ補修や交換の要否を的確に判断できる点検情報管理システム、点検情報管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。」
「【0023】〔点検情報管理システム〕図1に示す点検情報管理システムは、ゴム製品を点検する作業員が所持する携帯端末1と、上記携帯端末1とネットワーク通信可能な情報管理サーバー2とを備えるゴム製品の点検情報管理システムである。当該点検情報管理システムが管理するゴム製品としては、特に限定されないが、例えばコンベヤベルト、ライニング材、ゴム堰、ゴム製の床材等を挙げることができる。当該点検情報管理システムは、中でも寿命に至る要因の種類が多いコンベヤベルトに特に好適に用いることができる。【0024】続きを表示(全45行)<携帯端末>携帯端末1は、記憶手段11と、表示手段12と、入力手段13と、通信手段14とを主に備える。【0025】携帯端末1としては、例えば公知のスマートフォン、ノートパッド、ノートブックパソコン等を用いることができる。これらの端末では、記憶手段11は、例えば固定ディスク、リムーバルディスク、半導体メモリ等で構成される。表示手段12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、入力手段13は、キーボードや液晶ディスプレイの表面に貼付されたタッチセンサ等のマンマシーンインターフェイルや、カメラ等の撮像装置などで構成される。通信手段14としては無線LAN(WiFi)等が用いられる。また、携帯端末1は例えばCPUで構成される演算処理部(不図示)を有し、記憶手段11、表示手段12、入力手段13、及び通信手段14は、この演算処理部により制御され、その制御プログラムは、通常、記憶手段11に格納されている。【0026】<情報管理サーバー>情報管理サーバー2は、携帯端末1とネットワーク通信可能に構成される。情報管理サーバー2は、データベース20と、記憶手段21と、管理識別情報登録手段22と、個別点検リスト決定手段23と、個別点検リスト送信手段24と、点検結果情報受信手段25と、点検結果情報集計手段26と、寿命予測解析手段27と、個別点検リスト修正手段28とを主に備える。・・・【0028】(データベース)データベース20は、複数の点検項目情報を蓄積する。上記点検項目情報は、点検項目と、その作業手順情報とを含む。【0029】点検項目とは、ゴム製品が寿命に至る要因となり得るため必要となる点検の種類を指す。例えばコンベヤベルトを例にとり説明すると、点検項目としては、本体ベルトの摩耗、カット傷、剥離、欠損、硬化、膨潤等を挙げることができる。さらにその発生位置等により、例えば運搬面の摩耗、スカート位置の摩耗、接合面の剥離や摩耗といったようにさらに細分化してもよい。【0030】作業手順情報とは、上述の各点検項目に対して行うべき作業内容を指す。1つの点検項目に対して1つの作業手順情報を蓄積してもよいが、複数の作業手順情報を蓄積してもよい。1つの点検項目に対して複数の作業手順情報を蓄積する場合は、点検の詳細度(精度)の異なるものを格納するとよい。例えば、本体ベルトの摩耗の点検であれば、複数の作業手順情報として、(1)幅方向中央部のベルト厚みの測定、(2)幅方向に異なる3点(中央部、左端、右端)のベルト厚みの測定、(3)幅方向に異なる3点×長さ方向に異なる2点のベルト厚みの測定、とできる。この場合、(1)、(2)、(3)の順に点検の詳細度が上がっている。このように点検の詳細度を上げると点検作業に要する時間も長くなる。そこで、後述する個別点検リスト決定手段23において、ゴム製品が寿命に至る主要因となり得る点検項目については、詳細度の高い作業手順を選択し、ゴム製品が寿命に至る要因となる可能性が低い点検項目については、詳細度の低い作業手順を選択するとよい。このように詳細度の異なる複数の作業手順情報を格納することで、作業時間の増大を抑止しつつ、点検精度を高めることができる。・・・【0032】(管理識別情報登録手段)管理識別情報登録手段22は、ゴム製品の管理番号及び顧客情報を含む管理識別情報を登録する。この管理番号により点検対象のゴム製品を特定できる。また、顧客情報によりゴム製品を使用する顧客を特定できる。【0033】ここで、顧客を特定するのは、以下の理由による。上述のように本発明者らの知見によれば、ゴム製品が寿命に至る要因は、そのゴム製品の使用環境に強く依存する。また、本発明者らは、ゴム製品の使用環境は、主として顧客依存であることを知得している。従って、個別点検リストの決定に用いる管理識別情報に顧客情報を含めることで、ゴム製品の寿命に至る主要因となり得る項目選定の精度を高めることができるので、補修や交換の要否の判断精度が向上する。【0034】この管理識別情報は、記憶手段21にデータとして格納される。管理番号と顧客情報とは、セットで登録してもよいが、それぞれ別に登録してもよい。管理番号と顧客情報とを別に登録する場合は、例えば記憶手段21に格納される管理番号データにポインタを設け、このポインタにより管理番号に対応する顧客情報を紐付けする。このように管理番号と顧客情報とを別に登録することで、複数のゴム製品を使用する顧客に対しても顧客情報を一元管理できるので、管理識別情報のデータ管理が容易となる。顧客情報を紐付けて管理する場合、既に管理識別情報として顧客情報が登録されている場合は、新たに登録を行う必要はなく、登録済みの顧客情報を活用する。【0035】(個別点検リスト決定手段)個別点検リスト決定手段23は、管理識別情報登録手段22により登録された管理識別情報に基づき、上記データベース20の点検項目情報からゴム製品の個別点検リストを決定する。具体的には、個別点検リスト決定手段23では、点検対象のゴム製品の管理番号を基に、このゴム製品に対応する顧客情報を参照して顧客を特定する。そして、後述する点検結果集計手段26により顧客別に集計された点検結果情報から上記点検対象のゴム製品の寿命に至る主要因を特定する。特定された主要因を基に点検項目の優先順位及び複数の作業手順のうちの1つを選択する。このようにしてゴム製品の個別点検リストを決定できる。・・・【0038】(個別点検リスト送信手段)個別点検リスト送信手段24は、個別点検リストを携帯端末1に送信する。送信された個別点検リストは、携帯端末1の通信手段14を用いて携帯端末1に受信され、例えば携帯端末1の記憶手段11に記憶される。また、この個別点検リストは、作業員が点検を行う際に、表示手段12により携帯端末1に表示される。【0039】(点検結果情報受信手段)点検結果情報受信手段25は、携帯端末1からゴム製品の管理番号と共に点検結果情報を受信する。具体的には、上記個別点検リストに従って作業員がゴム製品を点検を完了すると、携帯端末1は通信手段14によってゴム製品の管理番号、点検日時と共に点検結果情報を情報管理サーバー2に送信する。情報管理サーバー2の点検結果情報受信手段25は、この情報を受け取る。・・・【0043】(寿命予測解析手段)寿命予測解析手段27は、少なくとも1以上の点検項目について、点検項目に起因するゴム製品の寿命を上記点検結果情報に基づいて予測する。ゴム製品の点検項目は、例えば本体ベルトの摩耗量のように経年により徐々に増大し、やがて許容値を超えるものが多い。このように数値が経年変化していく点検項目は、点検結果情報に基づいて例えば設置年数に対して線形近似等を行うことにより許容値に至るまでの年数、すなわち点検項目に起因するゴム製品の寿命を予測することができる。寿命予測解析手段27は、このようにして特定の点検項目に起因するゴム製品の寿命を予測する。・・・【0046】(個別点検リスト修正手段)個別点検リスト修正手段28は、寿命予測解析手段27の予測値に基づき上記個別点検リストを修正する。具体的には、個別点検リスト修正手段28は、個別点検リスト中の点検項目の優先順位や作業手順の選択を必要に応じて変更する。」
「【0057】作業員は、携帯端末1上で、個別点検リスト送信ステップで受信した個別点検リストを表示手段12に表示する。この個別点検リストは図3に示すように点検項目と優先順位及び具体的な作業手順を含み、これらが表示手段12により表示されるので、作業員は上記個別点検リストに従って効率的に点検作業を行うことができる。」
「【0062】(寿命予測解析ステップ)寿命予測解析ステップ(STEP7)では、少なくとも1以上の点検項目について、その点検項目に起因するゴム製品の寿命を上記点検結果情報に基づいて予測する。このステップは、寿命予測解析手段27により行われる。【0063】解析結果は、例えば情報管理サーバー2が有する通信手段により携帯端末1に送信され、携帯端末1の表示手段12により例えば図4のようにグラフ化されて表示される。作業員は、この解析結果を基にして、補修や交換の要否を判断したり、顧客へ報告を行ったりすることができる。なお、図2では解析結果の送信と、後述する個別点検リスト解析ステップでの修正個別点検リストの送信を別々に行う場合を示しているが、個別点検リスト解析ステップでまとめて送信することもできる。」
「【図1】[図:0001396642000005.jpg]」
「【図3】[図:0001396642000006.jpg]」
「【図4】[図:0001396642000007.jpg]」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「発注支援システム1」は、「ベルトコンベアの製品とそれを構成する複数の部品とをそれぞれ一義的に特定するため、製品型番と部品型番とが設定されて製品及び部品が管理され」るものであり、引用発明の「製品」である「ベルトコンベア」は、本願発明1の「コンベヤ装置」に相当し、引用発明の「それを構成する複数の部品」は、本願発明1の「前記コンベヤ装置を構成する複数の部品」に相当する。
また、引用発明の「発注支援システム1」では、「製品及び部品のそれぞれは型番によって管理され、ベルトコンベアの製品とそれを構成する複数の部品とをそれぞれ一義的に特定するため、製品型番と部品型番とが設定されて製品及び部品が管理され」る点で、「ベルトコンベア」を「管理」しているといえるから、以下の相違点を除き、本願発明1の「コンベヤ装置管理システム」に相当する。
そして、引用発明の「端末装置5」は、本願発明1の「端末装置」に、引用発明の「発注支援サーバ2」は、本願発明1の「管理サーバ」に、それぞれ相当し、引用発明の「端末装置5」は、「発注支援サーバ2」とネットワーク4を介して通信可能に接続されたものであるから、引用発明の「端末装置5」がネットワーク4を介して「発注支援サーバ2」に接続される「発注支援システム1」は、以下の相違点を除き、本願発明1の「端末装置がネットワークを介して接続される、管理サーバを備えた、コンベヤ装置管理システム」に相当する。
イ 引用発明の「端末装置5」は、ユーザによって「ユーザが購入を希望する部品が装着されるべき製品のシリアル番号」が入力される場合、当該「シリアル番号」に対応して特定された「製品型番」に基づいて「特定された各種の部品の情報」が一覧形式で表示されるものであるところ、「製品のシリアル番号」が各製品に個別に重複することなく割り当てられる番号であることは明らかである。そして、上記アのとおり、引用発明の「製品」は「コンベヤ装置」に相当するから 、引用発明の「製品のシリアル番号」は、本願発明1の「コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報」に相当する。
そして、上記の事項より、引用発明の「端末装置5」は、「ユーザが購入を希望する部品が装着されるべき製品のシリアル番号」のユーザによる入力を受け付けることができるものであり、かつ、当該「シリアル番号」に対応して特定された「製品型番」に基づいて、当該「製品型番」が設定された「ベルトコンベア」を構成する「特定された各種の部品の情報」を一覧形式で表示するものである。
さらに、引用発明の「端末装置5」は、当該「特定された各種の部品の情報」が一覧形式で表示される「一覧表示部131」において、「ユーザが購入を希望する部品のチェックボックス132をチェックし、数量指定部133にて購入数量を指定し、発注指示ボタン135をクリック操作すると、その操作をトリガとして発注内容が確定される」ものであり、一覧表示された「特定された各種の部品」のうち、所望の部品に対して発注時に「購入数量」を指示する情報の入力が可能であるといえるから、本願発明1の「コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報を読み取り可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品に対する不具合を含むメンテナンス情報を入力可能な、端末装置」と、「コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報を取得可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品に対する情報を入力可能な、端末装置」である点で共通する。
したがって、引用発明の「端末装置5」がネットワーク4を介して「発注支援サーバ2」に接続される「発注支援システム1」は、本願発明1の「コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報を読み取り可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品に対する不具合を含むメンテナンス情報を入力可能な、端末装置がネットワークを介して接続される、管理サーバを備えた、コンベヤ装置管理システム」と、「コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報を取得可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品に対する情報を入力可能な、端末装置がネットワークを介して接続される、管理サーバを備えた、コンベヤ装置管理システム」である点で共通する。
ウ 引用発明の「発注支援サーバ2」に設けられた「記憶装置11」には、「ユーザが購入した製品、あるいは部品のシリアル番号と製品型番、あるいは部品型番とがユーザの識別情報と対応付けて記録されている購入履歴データD1」と「製品とその製品を構成するすべての部品との対応関係を、製品Aの製品型番と製品Aを構成するすべての部品の部品型番とを対応付けて記述したデータである構成部品データD2」が記録されている。ここで、引用発明の「購入履歴データD1」に含まれる「ユーザが購入した製品」「のシリアル番号」は、本願発明1の「前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報」に、引用発明の「構成部品データD2」に含まれる「製品Aを構成するすべての部品の部品型番」は、本願発明1の「コンベヤ装置を構成する前記複数の部品の情報」に、それぞれ相当する。
したがって、引用発明の「ユーザが購入した製品、あるいは部品のシリアル番号と製品型番、あるいは部品型番とがユーザの識別情報と対応付けて記録されている購入履歴データD1」と「製品とその製品を構成するすべての部品との対応関係を、製品Aの製品型番と製品Aを構成するすべての部品の部品型番とを対応付けて記述したデータである構成部品データD2」が記録されている「記憶装置11」は、本願発明1の「前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、前記コンベヤ装置を構成する前記複数の部品の情報と、前記部品それぞれに対応する、前記管理情報と、が対応付けられて記憶されている記憶部」と、「前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、コンベヤ装置を構成する前記複数の部品の情報と、が記憶されている記憶部」である点で共通する。
エ 引用発明の「発注支援サーバ2」に設けられた「制御装置10」は、「ユーザによる部品の発注内容を確定させるため」に「発注支援処理」を開始すると、まず、「制御装置10」に設けられた「情報取得部12」が、「端末装置5」に入力された「ユーザが購入を希望する部品が装着されるべき製品のシリアル番号」を取得した後、「記憶装置11に記録された購入履歴データD1に基づいてシリアル番号に対応する製品型番を特定」するものであり、その際に、「情報取得部12」が取得した「製品のシリアル番号」が、「端末装置5」から送信されたものであることは明らかであるから、引用発明の「情報取得部12」が取得する「製品のシリアル番号」は、本願発明1の「前記端末装置から送信された、前記識別情報」に相当する。
そして、引用発明の「制御装置10」に設けられた「型番確定部13」は、「情報取得部12」が特定した「製品型番」に対応する「部品型番」を確定し、その確定情報が提供された「情報取得部12」は、「すべての情報が確定している場合の部品一覧ページP4を端末装置5に表示させ」るものであるところ、この「部品一覧ページP4」は、「制御装置10」に設けられた「情報取得部12」によって「端末装置5」に送信される情報であるとともに、「製品型番に基づいて特定された各種の部品の情報が一覧形式で表示される一覧表示部131」が設けられたものであって、上記イで示したように、当該「一覧表示部131」において、「ユーザが購入を希望する部品のチェックボックス132をチェックし、数量指定部133にて購入数量を指定し、発注指示ボタン135をクリック操作すると、その操作をトリガとして発注内容が確定される」ものであるから、当該「一覧表示部131」が設けられた「部品一覧ページP4」は、本願発明1の「前記部品の購入に必要な情報」に相当するといえる。
したがって、引用発明において、「端末装置5」に入力された「ユーザが購入を希望する部品が装着されるべき製品のシリアル番号」を取得して「部品型番」を確定し、その確定情報に基づいて、「端末装置5」のユーザが購入を希望する部品及び購入数量を指定する際に用いられる「部品一覧ページP4を端末装置5に表示させ」る「制御装置10」は、本願発明1の「前記端末装置から送信された、前記識別情報、及び、前記コンベヤ装置の使用開始日の情報を受信した場合、前記使用開始日に、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の交換の目安となる使用期間を加算した交換時期を、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の情報に対応付けて、前記記憶部に記憶する処理、及び、/ 前記端末装置から送信された、前記識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した場合、当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より前であれば、前記部品の管理者に、前記メンテナンス情報を通知し、/ 当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より後であれば、前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する処理、を実行する」(「/」は改行を表す。)「制御部」と、「前記端末装置から送信された、前記識別情報を受信した場合、前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する処理、を実行する」「制御部」である点で共通する。
オ 以上、ア~エによれば、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「コンベヤ装置毎に個別に重複することなく割り当てられた識別情報を取得可能で、且つ、前記コンベヤ装置を構成する複数の部品に対する情報を入力可能な、端末装置がネットワークを介して接続される、管理サーバを備えた、コンベヤ装置管理システムであって、前記管理サーバは、前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報と、前記コンベヤ装置を構成する前記複数の部品の情報と、が記憶されている記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記端末装置から送信された、前記識別情報を受信した場合、前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する処理、を実行する。」
[相違点]
(相違点1)
本願発明1は、「端末装置」が「識別情報を読み取り可能」であるのに対し、引用発明の「端末装置5」は、「識別情報」をユーザが入力することによって取得するものであって、「読み取」るものではない点。
(相違点2)
本願発明1の「端末装置」が、「前記コンベヤ装置を構成する複数の部品に対する不具合を含むメンテナンス情報」を「入力可能」であるのに対して、引用発明の「端末装置5」は、「前記コンベヤ装置を構成する複数の部品に対する情報」を「入力可能」とはいえるものの、当該情報が「部品に対する不具合を含むメンテナンス情報」であるか定かではない点。
(相違点3)
「管理サーバ」の「記憶部」に関して、本願発明1は、「前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報」と「前記コンベヤ装置を構成する複数の部品の情報」と「前記部品それぞれに対応する、前記メンテナンス情報」が「対応付けられて記憶されている」のに対し、引用発明の「記憶装置11」は、「前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報」と「コンベヤ装置を構成する複数の部品の情報」が記憶されているものの、「前記部品それぞれに対応する、前記メンテナンス情報」が記憶されているか明らかではなく、また、これらの情報(前記識別情報、部品の情報、前記メンテナンス情報)が対応付けられて記憶されているかも明らかではない点。
(相違点4)
本願発明1の「管理サーバ」の「制御部」は、「前記端末装置から送信された、前記識別情報、及び、前記コンベヤ装置の使用開始日の情報を受信した場合、前記使用開始日に、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の交換の目安となる使用期間を加算した交換時期を、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の情報に対応付けて、前記記憶部に記憶する処理」を実行するのに対し、引用発明の「制御装置10」は、そのような処理を実行するものではなく、したがって、本願発明1の「管理サーバ」の「制御部」が、「前記端末装置から送信された、前記識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した場合、当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より前であれば、前記部品の管理者に、前記メンテナンス情報を通知し」、「当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より後であれば、前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する処理」を実行するのに対し、引用発明の「制御装置10」は、そのような処理についても実行するものではない点。
(2)相違点に対する判断
事案に鑑み、相違点4について判断する。
ア 相違点4に関する判断
引用文献2に記載された技術的事項は、「作業機械としての農業機械に関する情報を提供する情報提供システム1」に関するものであり、当該システムの「販売物流サーバ13」は、「販売店舗等から部品の発注を受けると、受注した部品を特定する情報と、当該部品の交換を行う農業機械を特定する情報(機体識別情報)と、受注年月日と、を関連付けた受注履歴を記録することにより、農業機械のメーカ側で、どの機体のどの部品がいつ交換されたか、という情報を管理し、次の部品交換時期等を機体ごとに予測することができるもの」であり、これにより、「農業機械の機体ごとに、どの部品をいつ交換したか、という部品受注履歴を記憶し、次の交換時期をメーカ側で予測することができるなど、農業機械のメンテナンスサービスや部品流通の効率化に役立てることができ」るものである。
してみると、引用文献2に記載の「当該部品の交換を行う農業機械を特定する情報(機体識別情報)」、「受注した部品を特定する情報」は、「コンベヤ装置」ではないものの、それぞれ「前記装置に対応する前記識別情報」、「前記装置を構成する前記複数の部品の情報」である点で、本願発明1の「前記コンベヤ装置に対応する前記識別情報」、「前記コンベヤ装置を構成する複数の部品の情報」と共通する。
また、引用文献2の「販売物流サーバ13」は、「受注した部品を特定する情報」、「当該部品の交換を行う農業機械を特定する情報(機体識別情報)」と関連付けて「受注年月日」を記録することにより、農業機械の機体ごとに、どの部品をいつ交換したか、という部品受注履歴を記憶して、次の交換時期を予測することができ、農業機械のメンテナンスサービスや部品流通の効率化に役立てることができるものであるから、引用文献2の「販売物流サーバ13」において記録される「受注年月日」は、「部品に対する不具合を含む」情報ではないものの、装置を構成する部品を交換するメンテナンスサービスのための情報であり、「前記装置を構成する複数の部品に対するメンテナンス情報」である点で、本願発明1の「前記コンベヤ装置を構成する複数の部品に対する不具合を含むメンテナンス情報」と共通する。
そして、引用文献2の「販売物流サーバ13」において、「部品受注履歴」を記憶することによってメーカ側で予測が可能となる「交換時期」は、「前記使用開始日に、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の交換の目安となる使用期間を加算した」ものであるか定かではないものの、「前記識別情報に対応する前記装置を構成する各部品の交換の目安となる」点で、本願発明1の「前記使用開始日に、前記識別情報に対応する前記コンベヤ装置を構成する各部品の交換の目安となる使用期間を加算した交換時期」と共通するといえる。
しかしながら、本願発明1は、「制御部」が「前記端末装置から送信された、前記識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した場合、当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より前であれば、前記部品の管理者に、前記メンテナンス情報を通知し」、「当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日が、当該識別情報及び前記部品の情報に対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記交換時期より後であれば、前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する処理」を実行するのに対し、引用文献2には、「当該識別情報、前記部品の情報、及び、前記メンテナンス情報を受信した日」を「前記交換時期」と比較することや、当該比較の結果に応じて、当該「受信した日」が「前記交換時期」より前であれば「前記部品の管理者に、前記メンテナンス情報を通知し」、後であれば「前記部品の購入に必要な情報を、前記端末装置に送信する」という処理の切り替えを行う点に関しては、記載されていない。
そして、この点に関しては、引用文献Aにも記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
イ 作用効果について
そして、本願発明1は、相違点4に係る構成により、「コンベヤ装置の販売元が、販売日や販売者などの販売情報を、端末装置によって入力すると、管理サーバにおいて、コンベヤ装置を構成する各部品の交換時期を管理することができる。」(段落【0018】)という、明細書記載の作用効果を奏するものである。
ウ むすび
したがって、本願発明1は、その他の相違点である相違点1~3について判断するまでもなく、引用発明、及び引用文献2、引用文献Aに記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
2 本願発明2~4について
本願発明2~4は、本願発明1の上記相違点1~4に係る事項を備えるものであるから、上記1と同様の理由により、引用発明、及び引用文献2、引用文献Aに記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
3 本願発明5、6について
本願発明5及び本願発明6は、本願発明1と同様、「管理サーバ」を備える「コンベヤ管理システム」に関する発明であって、「管理サーバ」が備える「サーバ制御部」が行う処理は、本願発明1、本願発明5、本願発明6のいずれも同一の構成を備えているから、いずれも上記相違点1~4に係る構成を有しており、上記1と同様の理由により、引用発明、及び引用文献2、引用文献Aに記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
第7 原査定の理由について
令和5年2月1日にされた補正により、本願発明1~6は、上記相違点4に係る発明特定事項を含むものとなっており、拒絶査定によって引用された引用文献A~Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2021-010352