2021-009951
注射器用ピストン
- 審判番号
- 2021-009951
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2020-018421外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1707938
- 請求日
- 2021年07月27日
- 審決日
- 2021年12月21日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- D18 .113-WY (J7-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
本願は,令和2年(2020年)8月31日の意匠登録出願であって,令和3年1月27日付けの拒絶理由の通知に対し,同年3月18日に意見書が提出されたが,同年4月23日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年7月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「注射器用ピストン」としたものであって,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は,本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当し,意匠登録を受けることができないとしたものであって,当該拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1235031号
(意匠に係る物品,注射器)のピストン部の意匠
第4 当審の判断
1 両意匠の対比
以下,引用意匠の図面の向きを本願意匠の図面の向きに合わせて(右に90度回転させて)対比する。
(1)意匠に係る物品
本願意匠に係る物品は「注射器用ピストン」であり,引用意匠に係る物品は「注射器のピストン部」である。
(2)形状
(2-1)共通点
(2-2)相違点
なお,引用意匠の1段目の突条部は,上面の円錐形状の下端から,下側の形状線(水平線)より下の弧状線の下端とした。
相違点5:突条部の側面視端部の形状について,本願意匠は,1段目を,上下中央が頂部となる半円弧状に突出させ,2段目を,上辺が下辺よりも長く,下方寄りが頂部となる三角形状に突出させ,3段目を,上辺と下辺がほぼ同じ長さで,上下中央が頂部となる三角形状に突出させたものであるのに対して,引用意匠は,1段目を,上方が頂部となる凸弧状に突出させ,2段目及び3段目を,上下中央が頂部となる三角形状に突出させたものである。
2 両意匠の類否
(1)意匠に係る物品について
両意匠の意匠に係る物品は,表記は異なるが,共に注射器用のピストンと認められるから,同一である。
(2)形状について
(2-1)共通点の評価
共通点1ないし3を備えた形状は,この物品分野において極めてありふれた形状であるから,これらの共通点が両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
共通点4は,両意匠のみの特徴とはいえないし,具体的に見れば相違点2を含むものであって,両意匠に共通感をもたらす程の特徴とはならないから,この共通点が両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
共通点5は,この物品分野において極普通に見られるものであるから,この共通点が両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
(2-2)相違点の評価
この種物品においては,物品の用途として密封性及び摺動性等が重要であるから,ピストンの縦幅及び突条部を有する周面の形状が需要者の注目する最大の部分であるところ,相違点1は,ピストンの縦幅に係るものであり,本願意匠については,平べったいものという印象を与えるが,引用意匠については,そのような印象を与えないから,この相違点が両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
相違点2ないし5は,突条部を有する周面の形状の相違であり,前述のとおり需要者が特に注目する部分に係るもので,これらの相違が相まって密封性や摺動性等が異なるとの印象を起こさせるから,これらの相違点が両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
相違点6は,底面に各種の小突起を設けることは,本願の出願前よりありふれているから,本願意匠の特徴とはいえず,この相違点が両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
(2-3)形状の類否
両意匠の形状の共通点及び相違点の評価は上記のとおりであって,特に相違点1ないし相違点5は,両意匠に異なる印象をもたらすものであり,相違点が両意匠の類否判断に与える影響は,共通点のそれを凌駕するものといえるから,両意匠の形状は類似しない。
(3)小括
そうすると,両意匠は,意匠に係る物品は同一であるが,形状は類似しないから,本願意匠は,引用意匠に類似するものではない。
3 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとして,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2021-009951