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特許拒絶査定不服審判

2021-009711

抵抗性周囲電極

審判番号
2021-009711
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-024441
請求日
2021年07月20日
審決日
2022年06月08日
公報発行日
2022年07月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】ぺんてる株式会社
  • 【請求人代理人】誠真IP特許業務法人
審判長/審判官
  • 審判長 角田 慎治
  • 審判官 林 毅
  • 審判官 ▲高▼瀬 健太郎
分類
P18 .537-WY (G06F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項1号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

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特願2017- 24441「抵抗性周囲電極」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月24日出願公開、特開2017-146970、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年2月13日(優先権主張 平成28年2月15日)の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。 令和2年 9月 9日付け:拒絶理由通知書 令和2年10月 1日 :意見書、手続補正書の提出 令和2年11月30日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 令和3年 1月 7日 :意見書、手続補正書の提出 令和3年 6月 1日付け:拒絶査定(原査定) 令和3年 7月20日 :審判請求書の提出 令和4年 1月25日付け:拒絶理由(当審拒絶理由1)通知書 令和4年 3月 7日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 4月 5日付け:拒絶理由(当審拒絶理由2)通知書 令和4年 4月27日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、令和4年4月27日に提出された手続補正書に係る手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。 (本願発明1) 「基材上の表面に設けられた面抵抗体膜と、前記基材の表面に形成された前記面抵抗体膜上に、前記面抵抗体膜を取り囲む様に形成された抵抗性周囲電極と、前記抵抗性周囲電極に引き出し線を接続する端子部を前記抵抗性周囲電極に設けた座標入力パネルの抵抗性周囲電極において、前記抵抗性周囲電極表面の導電性物質と非導電性物質の露出量で前記導電性物質が61パーセント以上、95パーセント未満で、前記非導電性物質がガラス粒子であり、また前記抵抗性周囲電極の膜厚が10μm以上で、前記抵抗性周囲電極表面の表面粗さ(Ra)が0.3μm以上1.0μm以下であることを特徴とする抵抗性周囲電極。」 第3 原査定の概要 この出願は、特許請求の範囲の記載が以下の理由で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 (理由) 請求項1及び2に記載の「導電性物質が銀粒子であり、非導電性物質がガラス粒子であり、また前記抵抗性周囲電極の膜厚が10μm以上で、前記抵抗性周囲電極表面の表面粗さ(Ra)が0.3μm以上1.0μm以下であること」は、課題を解決することが可能とされる実施例との対応関係が明確ではないため、請求項1及び2に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に記載された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。 第4 当審拒絶理由の概要 令和4年1月25日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)及び令和4年4月5日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)の概要は、次のとおりである。 1 当審拒絶理由1の概要 この出願は、特許請求の範囲の記載が以下の理由で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 (理由) (1)請求項1及び2に記載の「導電性物質」が「銀粒子」であることの技術的意義が不明である。 (2)請求項2に記載の「1層以上」は「1層」しかない場合を含み、この場合、「最上層以外のすべての層」が存在しないこととなり矛盾する。 (3)請求項2の記載において、「引き出し線を接続する端子部」、「引き出し線端子部」及び「引き出し線部」の関係(異同)が明確ではない。 (4)請求項2に記載の「引き出し線端子部が1層以上形成され」は、「端子部」が複数の層にわたって複数個形成されるという技術的に不可解な態様を含む。 2 当審拒絶理由通知2の概要 この出願は、特許請求の範囲の記載が以下の理由で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 (理由) 請求項2に記載の「前記端子部が2以上の層で形成され、且つ、前記端子部の最上層以外のすべての層は、前記最上層より表面の前記導電性物質と前記非導電性物質の露出比率で前記導電性物質が少ない」との事項は、発明の詳細な説明に記載したものではない。 第5 当審拒絶理由についての判断 1 当審拒絶理由1についての判断 本件補正により、請求項2は削除され、また、本件補正後の請求項1及び明細書の【0007】及び【0008】において、「前記導電性物質が銀粒子であり」との記載は削除されている。 以上より、請求項1に係る発明は、明確となり、当審拒絶理由1は解消した。 2 当審拒絶理由2についての判断 本件補正により、請求項2は削除され、当審拒絶理由2は解消した。 第6 原査定についての判断 特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきである。 1 特許請求の範囲の記載 請求項1及び2に係る発明は、「抵抗性周囲電極」の組成及び構造に関して、次の構成を含む。 [構成A] 「表面の導電性物質と非導電性物質の露出量で前記導電性物質が61パーセント以上、95パーセント未満」 [構成B] 「前記非導電性物質がガラス粒子」 [構成C] 「膜厚が10μm以上」 [構成D] 「表面の表面粗さ(Ra)が0.3μm以上1.0μm以下」 [構成E](請求項2のみ) 「前記端子部が2以上の層で形成され、かつ、前記端子部の最上層以外のすべての層は、前記最上層より表面の前記導電性物質と前記非導電性物質の露出比率で前記導電性物質が少ない」 2 明細書の記載 本願明細書には、次のように記載されている。(下線は、強調のため、当審が付与した。) (1)本願が解決しようとする課題について 「 【0006】 座標入力パネルの抵抗性周囲電極用に用いるためには、はんだ濡れ性、耐はんだくわれ性に加え、基材上の表面に設けられた面抵抗体膜への抵抗性周囲電極の接着力が必要である。また、座標入力パネルの抵抗性周囲電極として機能するための抵抗値調整が必要である。」 (2)「導電性物質」について 「 【0016】 (導電性物質) 導電性物質は、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の貴金属粒子で形成されており、焼成後の抵抗体において電気導通経路を形成する。前記貴金属粉末を単体または2種類以上を混合して用いる。また、前記貴金属単体または混合物にニッケル、銅、スズ等を添加しても構わない。また、貴金属粒子および金属粒子の形状、粒径は、特に限定されない。」 (3)「非導電性物質」について 「 【0017】 (非導電性物質) 非導電性物質は、ガラス粒子または、樹脂を用いる。また、ガラス粒子は、基板などに対する濡れ性を高めて密着性を向上させるとともに、抵抗膜全体にわたって溶融固化することにより強靭な抵抗体を形成するために配合され、絶縁性であるため、抵抗調整の役割も有している。」 (4)「導電性物質」と「非導電性物質」の「露出量」について 「 【0011】 …(中略)…また、形成された抵抗性周囲電極4の表面は導電性物質が面積換算で60パーセント以上、95パーセント未満露出しているようにする。これは、導電性物質が面積換算で60パーセント未満であるとはんだ乗り性が低下するからである。 また導電性物質が面積換算で95パーセント以上であると、耐はんだ食われの低下や、基材または、基材上の表面に設けられた面抵抗体膜と抵抗性周囲電極4との密着性が低下する。(以下、省略)」 (5)「膜厚」について 「 【0011】 …(中略)… さらに、抵抗性周囲電極4の膜厚は、はんだくわれによる導電性物質の損失を考慮し10μm以上(好ましくは15μm以上)が望ましい。」 (6)「表面粗さ」について 「 【0013】 また、抵抗性周囲電極4の表面は導電性物質が面積換算で60パーセント以上、95パーセント未満露出していることに加え、表面粗さ(Ra)が、0.3μm以上1.0μm以下であることが好ましい。これは、はんだが周囲電極4上に乗った際、周囲電極上に一定の凹凸があった方が、アンカー効果で密着強度を得ることができるためである。」 (7)「引き出し線を接続する端子部」の層構造について 「 【0014】 その後、基材2の表面の抵抗性周囲電極4の各頂点6-a、6-b、6-c、6-d(4カ所)には、信号線になる引き出し線5のケーブルをはんだ付け等の手段により、接続し、信号処理部7に接続される。 また、はんだ付けによる局部加熱によって生じるガラス基材の割れ、または、はんだ熱収縮によるガラス基材2またはガラス基材2に形成された面抵抗体膜3と抵抗性周囲電極4との接着力の低下を抑制するために抵抗性周囲電極4の各頂点6-a、6-b、6-c、6-d(4カ所)の下層に抵抗性周囲電極4より非導電性物質を多く添加した中間層8を1層以上形成してもよい。」 (8)実施例及び比較例について 「 【0022】 (実施例1) 座標入力パネル1は、次のようにして作成した。基材として、ソーダガラス(厚さ3mm)を略469×375mmの大きさに切断したものを用い、基材の表面に、スパッタ法によってITO(錫を添加した酸化インジウム)膜(シート抵抗値300Ω/□)を形成して面抵抗体12とした。次に、抵抗性周囲電極3、及び、引き出し線接続用端子部6を、奥野製薬工業株式会社製導電性ペーストG3-6581に奥野製薬工業株式会社製ガラスフリットGF3410を重量比15:1で混練したペーストにて、スクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)することで形成した。 抵抗性周囲電極3のパターンは図3のパターンを用い、一片を図4の様な線対称の形状にし、四隅は図5に示したように少なくとの第二の階段状の導電性セグメント18bが、第一の直線状の導電性セグメント18aに近い段で、引き出し線接続用端子部6に直接接続させた。また、導電性セグメントは、表1の寸法条件(図6参照)で座標入力パネル1を作成した。 評価は、株式会社小島半田製造所製KS-218SUPER直径0.8mmを用い、引き出し線接続用端子部6へのはんだ乗り性、耐はんだくわれを目視にて行った。 また、抵抗性周囲電極3および引き出し線接続用端子部6の密着性確認は、密着性評価用引き出し線として三山電線株式会社製AWM1007、VW-1、26AWG、TR-64を予備はんだ後、引き出し線接続用端子部6に株式会社小島半田製造所製KS-218SUPER直径0.8mmにてはんだ付けした。この引き出し線を株式会社イマダ製デジタルフォースゲージDS2-50Nにて引っ張り、引き出し線がパネルから取れる値を測定し、引き出し線がとれた箇所を目視により確認した。(以下省略)」 「 【0024】 (実施例2) 実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を7.7:1に変更した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。 【0025】 (実施例3) 実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を5:1に変更した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。 【0026】 (実施例4) 実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を4.5:1に変更した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。 【0027】 (実施例5) 実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を2.5:1に変更した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。 【0028】 (実施例6) 実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を2.0:1に変更した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。 【0029】 (比較例1) 実施例1で用いた混錬するペーストを奥野製薬工業製導電性ペーストG3-6581のみに変更した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。 【0030】 (比較例2) 実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を1.6:1に変更した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。 【0031】 (比較例3) 実施例1で用いた混錬するペースト(導電性ペーストとガラスフリット)の重量比を1.3:1に変更した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。 【0032】 (実施例7) 基材2を、アルミナセラミックス板(厚さ3mm)を略469×375mmに変更し、基材2の表面に、スパッタ法によってITO(錫を添加した酸化インジウム)膜(シート抵抗値300Ω/□)を形成して面抵抗体12とした。次に、実施例5で用いた混錬ペーストにて抵抗性周囲電極3、及び、引き出し線接続用端子部6をスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)し座標入力パネル1を作成した。 また、抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価も、実施例1と同様に実施した。 【0033】 (実施例8) 比較例3に用いた混錬ペーストを引き出し線接続用端子部6の箇所にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。続いて、実施例5で用いた混錬するペーストを抵抗性周囲電極3、及び、引き出し線接続用端子部6にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。 【0034】 (実施例9) 比較例3に用いた混錬ペーストを引き出し線接続用端子部6の箇所にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。続いて、実施例3に用いた混錬ペーストを引き出し線接続用端子部6の箇所にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。さらに、実施例5で用いた混錬するペーストを抵抗性周囲電極3、及び、引き出し線接続用端子部6にスクリーン印刷後、焼成(450℃、保持時間5分間)した。 抵抗性周囲電極3の導電性物質と非導電性物質の面積比率、及び、評価は、実施例1と同様に実施した。」 「【0035】 【表2】 [図:0001385953000001.jpg] 」 2 本願が解決しようとする課題 前記1(1)より、本願が解決しようとする課題は、 ア はんだ濡れ性、 イ 耐はんだくわれ性 ウ 面抵抗体膜への接着力 エ 抵抗値調整 と把握できる。 3 実施例1ないし9について 前記2(8)より、実施例1ないし9は、「抵抗性周囲電極」として、「奥野製薬工業株式会社製導電性ペーストG3-6581」に「奥野製薬工業株式会社製ガラスフリットGF3410」を混成したペーストを焼成したものを用いるものであるから、「抵抗性周囲電極」は、「導電性物質」と「非導電性物質」とから構成されたものといえる。また、「フリット」には、それ自体「ガラス粒子」の意味があることは技術常識であるから、「非導電性物質」は、「ガラス粒子」であるといえる。 そして、【表2】の「導電性物質露出量(%)」の最小値及び最大値に着目すれば、実施例1ないし9から、「前記抵抗性周囲電極表面の導電性物質と非導電性物質の露出量で前記導電性物質が61パーセント以上、95パーセント未満」との要件を導出することができる。 そして、実施例1ないし9は、「評価および確認項目」として、」「はんだ乗り性」、「耐はんだくわれ性」並びに「ガラス基板接着力」及び「接着力評価後の状態」を使用していることからすると、「前記抵抗性周囲電極表面の導電性物質と非導電性物質の露出量で前記導電性物質が61パーセント以上、95パーセント未満」との要件により、上掲の「ア はんだ濡れ性」、「イ 耐はんだくわれ性」及び「ウ 面抵抗体膜への接着力」という課題を解決しているといえる。 そして、前記2(3)に「絶縁性であるため、抵抗調整の役割も有している」と記載されているように、絶縁性物質(非導電性物質)が「抵抗調整」の役割を有していることは本願出願時における技術常識であることを踏まえれば、実施例1ないし9は、(「ガラス粒子」に限らず)「非導電性物質」を包含すること自体により上掲の「エ 抵抗値調整」の課題を解決しているといえる。 よって、実施例1ないし9は、上掲のアないしエのすべての課題を解決するものといえる。 4 本願発明1について 以上から、本願発明1の「抵抗性周囲電極」に係る構成のうち、「前記抵抗性周囲電極表面の導電性物質と非導電性物質の露出量で前記導電性物質が61パーセント以上、95パーセント未満」(構成A)及び「前記非導電性物質がガラス粒子」(構成B)との構成は、実施例1ないし9を反映したものといえるから、上掲のアないしエのすべての課題を解決するものといえる。 そして、本願発明1の「抵抗性周囲電極」に係る構成のうち、「前記抵抗性周囲電極の膜厚が10μm以上」(構成C)及び「前記抵抗性周囲電極表面の表面粗さ(Ra)が0.3μm以上1.0μm以下」(構成D)との各構成は、実施例1ないし9において採用されていることが具体的に特定されていない以上、上掲の課題を解決するために必要な構成とはいえないとしても、上記2(5)及び(6)及び本願出願時の技術常識を参酌すると、上掲の課題の解決を阻害するものともいえないから、これらの構成が含まれることのみをもって、本願発明1が上掲の課題を解決することができないものに変容するとはいえない。 5 小結 以上のとおりであるから、本願発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明であり、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明1は、発明の詳細な説明に記載したものであり、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている。 したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-009711

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