特許拒絶査定不服審判
2021-009622
冷凍システム
- 審判番号
- 2021-009622
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-550897
- 請求日
- 2021年07月19日
- 審決日
- 2022年04月06日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ダイキン工業株式会社
- 【請求人代理人】福井 宏司
- 審判長/審判官
- 審判長 平城 俊雅
- 審判官 河内 誠
- 審判官 林 茂樹
- 分類
- P18 .57 -Z (F25D) / P18 .575-Z (F25D) / P18 .121-Z (F25D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-550897「冷凍システム」拒絶査定不服審判事件〔2019年 5月 2日国際公開、WO2019/082599〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)9月28日(優先権主張 平成29年10月25日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 3年 2月 3日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 4月 7日 :意見書及び手続補正書の提出
令和 3年 4月19日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和 3年 7月19日 :審判請求書、同時に手続補正書の提出
令和 3年10月 6日 :上申書の提出
第2 令和3年7月19日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年7月19日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「冷凍装置(20)を備えるコンテナ(1A,1B,1C)を複数台連結して倉庫を構成する冷凍システム(1)であって、
前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)はそれぞれ、制御部(51,61,71)と、通信部(52,62,72)と、を備え、
前記通信部(52,62,72)は、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の冷凍装置(20)の制御部(51,61,71)同士が通信接続するように構成され、
前記制御部(51,61,71)は、互いに送信し合う応答信号の可否によって親機および子機のいずれかに設定変更可能に構成され、前記親機に設定された前記制御部が前記親機としての機能に支障をきたした場合、前記子機のいずれか1つが親機に設定され、
前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)のうちの1つの冷凍装置の制御部(51)が前記親機として主制御部に設定され、残りの冷凍装置(20)の制御部(61,71)が前記子機として従制御部に設定され、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)における前記通信部(52,62,72)によって、前記主制御部(51)と前記従制御部(61,71)とが通信可能であり、
前記主制御部(51)は、前記主制御部(51)の1つの時計(54)の時刻情報に関する信号を前記従制御部(61,71)に通信するものであり、除霜運転の場合に、前記1つの時計(54)の時刻が前記除霜運転に関する所定動作の予定時刻になるときに前記所定動作を行わせる指令を前記信号として前記従制御部(61,71)に送信することによって、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる
冷凍システム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年4月7日の手続補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「冷凍装置(20)を備えるコンテナ(1A,1B,1C)を複数台連結して倉庫を構成する冷凍システム(1)であって、
前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)はそれぞれ、制御部(51,61,71)と、通信部(52,62,72)と、を備え、
前記通信部(52,62,72)は、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の冷凍装置(20)同士が通信接続するように構成され、
前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)のうちの1つの冷凍装置の制御部(51)が主制御部に設定され、残りの冷凍装置(20)の制御部(61,71)が従制御部に設定され、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)における前記通信部(52,62,72)によって、前記主制御部(51)と前記従制御部(61,71)とが通信可能であり、
前記主制御部(51)は、1つの時計(54)の時刻情報を前記従制御部(61,71)に通信し、除霜運転の場合に、前記1つの時計(54)の時刻情報に基づいて、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる
冷凍システム。」
2 補正の適否(補正の目的について)
本件補正は、本件補正前の請求項1における「前記主制御部(51)は、1つの時計(54)の時刻情報を前記従制御部(61,71)に通信し、除霜運転の場合に、前記1つの時計(54)の時刻情報に基づいて、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる」という記載を「前記主制御部(51)は、前記主制御部(51)の1つの時計(54)の時刻情報に関する信号を前記従制御部(61,71)に通信するものであり、除霜運転の場合に、前記1つの時計(54)の時刻が前記除霜運転に関する所定動作の予定時刻になるときに前記所定動作を行わせる指令を前記信号として前記従制御部(61,71)に送信することによって、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる」という記載にする補正事項を含むものである。
当該補正事項により、「主制御部(51)」が「従制御部(61,71)に通信」する対象が、本件補正前の請求項1では、「1つの時計(54)の時刻情報」であったところ、本件補正後の請求項1では、「1つの時計(54)の時刻情報に関する信号」となった。
ここで、本件補正後の「1つの時計(54)の時刻情報に関する信号」には、「1つの時計(54)の時刻情報(ないし当該情報に相当する信号)」のみならず、「1つの時計(54)の時刻情報に関連はするものの1つの時計(54)の時刻情報を含まない情報(ないし当該情報に相当する信号)」も含まれると認められる。そして、本件補正後の請求項1において「前記信号として前記従制御部(61,71)に送信」されるものとして特定されている「所定動作を行わせる指令」は、「1つの時計(54)の時刻が前記除霜運転に関する所定動作の予定時刻になるときに」「送信」されるものであるから、1つの時計(54)の時刻情報に関連するとはいえるものの、その指令内容は、あくまで所定動作を行わせるためのものでしかないため、「1つの時計(54)の時刻情報(ないし当該情報に相当する信号)」を含むとまではいえない。
つまり、本件補正前の請求項1では「主制御部(51)は、1つの時計(54)の時刻情報を前記従制御部(61,71)に通信」する点が特定されていたにもかかわらず、上記補正事項により、本件補正後の請求項1では当該点が必ずしも特定されているとはいえないものに拡張又は変更された。
よって、上記補正事項は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当しない。
また、本願の発明の詳細な説明の段落【0072】には「各制御装置50,60,70は、親機の時計54の時刻情報や各コンテナ1A~1Cの運転に関する情報を互いに通信している。」と記載されていることに鑑みると、本件補正前の請求項1における「前記主制御部(51)は、1つの時計(54)の時刻情報を前記従制御部(61,71)に通信し」という記載内容は、発明の詳細な説明に記載された事項であるといえる。このことを考慮すると、当該記載内容が、本件補正後の請求項1における「前記主制御部(51)は、前記主制御部(51)の1つの時計(54)の時刻情報に関する信号を前記従制御部(61,71)に通信する」という記載内容の誤記であったとは認められない。
よって、上記補正事項は、特許法第17条の2第5項第3号に掲げる誤記の訂正を目的とする補正に該当しない。
そして、上記補正事項が、同法第17条の2第5項第1及び4号にそれぞれ掲げる請求項の削除及び明りようでない記載の釈明のいずれにも該当しないことは明らかである。
よって、上記補正事項を含む本件補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
3 補正の適否(独立特許要件について)
本件補正が目的外補正であることを理由として却下されるべきものであることは、上記2で説示したとおりであるが、仮に、本件補正が特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとした場合に、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかどうか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかどうか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用例の記載事項
ア 引用例1
原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例である、特開2002-181430号公報(平成14年6月26日出願公開。以下「引用例1」という。)には、図面とともに次の記載がある(なお、下線は理解の一助のために当審が付与した。以下同様。)。
(ア)引用例1の記載
「【0025】各図において、プレハブ冷蔵庫1は例えばスーパーマーケットにて陳列販売される食品や飲料などを庫内で冷蔵する比較的大型のプレハブ冷蔵庫であり、複数枚の断熱プレハブパネルにて組み立てられた断熱壁4にて構成されている。この断熱壁4の正面には当該断熱壁4の庫内に食品などを納出するため、使用者(作業者)が出入りすることができる断熱扉6が取り付けられている。また、断熱壁4の天井には複数台(実施例では三台)の冷却ユニット2・・が並べて設置されている。
【0026】各冷却ユニット2は、コンプレッサ7や図示しない凝縮器、減圧装置及び冷却器などから構成された冷媒回路と、凝縮器やコンプレッサ7を空冷するための凝縮器用送風機や冷却器と熱交換した冷気を庫内に吐出させるための送風機を備えた冷却装置を有している。また、各冷却ユニット2は、庫内温度を検出する温度センサ8を有するプレハブコントローラ(制御装置)9を備えている。更に、このプレハブコントローラ9はLCDなどから構成された表示部11と操作用のスイッチ12を有する表示装置3を有している。
【0027】各プレハブコントローラ9はROM、RAMなどのメモリを有する汎用の1チップマイクロコンピュータにて構成されている。そして、表示装置3や温度センサ8は係るプレハブコントローラ9の入力に接続され、前記コンプレッサ7や送風機などはプレハブコントローラ9の出力に接続されている。更に、プレハブコントローラ9はデータ送受信回路を備えており、各プレハブコントローラ9は通信線13にて接続され、全てのプレハブコントローラ9が他のプレハブコントローラ9と相互にデータの送受信が可能とされている。
【0028】ここで、上記何れかの冷却ユニット2(実施例では図1の最も左側(断熱扉6に最も近い位置)の冷却ユニット。以後、2Aとする)のプレハブコントローラ9を親機(主制御装置。以後9Aとする)とし、他の冷却ユニット2、2のプレハブコントローラ9は子機に設定する。これら親機・子機の設定は前記スイッチ12によって行われる。また、図1ではプレハブコントローラ9A(親機)の表示装置3のみを断熱扉6の近傍の断熱壁4外面に取り付けているが、実際には全冷却ユニット2のプレハブコントローラ9の表示装置3が同様に断熱壁4外面に取り付けられているものとする。
【0029】以上の構成で次に動作を説明する。各冷却ユニット2(2A)の温度センサ8は、当該冷却ユニット2(2A)が設置された位置の下方の領域の庫内温度をそれぞれ検出し、それが接続されたプレハブコントローラ9(9A)に出力している。従って、冷却ユニット2Aのプレハブコントローラ9Aの温度センサ8は最も温度が上昇し易い断熱扉6付近の温度を検出しており、図1においてその右隣(中央)の冷却ユニット2の温度センサ8はそれに近い温度を検出するかたちとなる。また、最も右の冷却ユニット2の温度センサ8は断熱扉6から最も離れた位置の庫内温度、即ち、温度が最も低くなりがちな領域の温度を検出していることになる。
【0030】次に、冷却ユニット2Aのプレハブコントローラ9A(親機)は、自らに接続された温度センサ8が検出する温度データと設定温度(上限温度と下限温度)に基づき、コンプレッサ7と前記送風機の運転をON-OFF制御する。即ち、温度データが上限温度に達したらコンプレッサ7を起動(ON)し、下限温度に達したら停止(OFF)する。このとき、前記凝縮器用送風機はコンプレッサ7に同期させるが、冷却器の送風機は連続運転でもコンプレッサ7に同期させる制御の何れでもよい。
【0031】また、プレハブコントローラ9Aは、所定時刻となった場合、或いは、コンプレッサ7の運転積算時間が所定時間となった場合、若しくは、自らの表示装置3に配された霜取スイッチが使用者により操作された場合、冷却器の霜取を開始する。この霜取は冷却器の温度が所定の霜取終了温度に達した時点で終了する(他の冷却ユニット2も同様)。
【0032】更に、プレハブコントローラ9A(親機)は他の冷却ユニット2、2のプレハブコントローラ9、9(子機)に通信線13を介して、自らの温度センサ8が検出した温度データと、コンプレッサ7のON-OFFデータと、霜取開始データから成る運転制御用データを配信する。そして、各プレハブコントローラ9、9(子機)はプレハブコントローラ9A(親機)から送信された運転制御用データを受信し、メモリに記憶すると共に、配信された運転制御用データ中のON-OFFデータに基づいて、自らの冷却ユニット2のコンプレッサ7を起動(ON)し、停止(OFF)する制御を実行する。この場合も、各冷却ユニット2、2の凝縮器用送風機はコンプレッサ7に同期させるが、冷却器の送風機は連続運転でもコンプレッサ7に同期させる制御の何れでもよい。
【0033】これにより、断熱壁4の庫内には各冷却ユニット2A、2、2の冷却器と熱交換した冷気が送風機によりそれぞれ吐出され、庫内に収納された食品などの物品は設定温度に冷蔵されることになる。また、各冷却ユニット2、2のコンプレッサ7は冷却ユニット2Aのコンプレッサ7に同期して運転・停止制御されるようになり、各冷却ユニット2A、2、2の運転率は均一化され、庫内の領域によって温度斑が発生した場合にも、運転率が極端に低下する冷却ユニットが生じる不都合を解消し、コンプレッサ7などの機器に加わる悪影響を未然に防止して故障発生率の低下と長寿命化を図ることが可能となる。
【0034】更にこのとき、子機となるプレハブコントローラ9、9は、コンプレッサ7の起動タイミングを冷却ユニット2Aのコンプレッサ7とは例えば数秒程遅延させる(ずらす)。また、相互の冷却ユニット2、2の間でもコンプレッサ7の起動をずらす(例えば右側の冷却ユニット2のコンプレッサ7は中央の冷却ユニット2のコンプレッサ7から数秒遅れて起動される)制御を実行する。これにより、各冷却ユニット2A、2、2が同期して運転する際して、各冷却ユニット2A、2、2のコンプレッサ7・・が同時に起動されて過大な起動電流がプレハブ冷蔵庫1に流れる不都合を解消することができるようになる。
【0035】また、各プレハブコントローラ9、9(子機)はプレハブコントローラ9A(親機)から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、自らの冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始する。これにより、各冷却ユニット2、2は冷却ユニット2Aに同期して冷却器の霜取を開始することができるようになる。
【0036】尚、上述した例では運転制御用データ中にコンプレッサ7のON-OFFデータを含めてプレハブコントローラ9A(親機)から他のプレハブコントローラ9、9(子機)に送信したが、それに限らず、コンプレッサ7のON-OFFデータを含めなくともよい。その場合には、プレハブコントローラ9A(親機)から送信された運転制御用データ中の温度データを用い、各プレハブコントローラ9、9(子機)が自らに設定された設定温度(上限温度、下限温度)と受信した温度データに基づいてコンプレッサ7をON-OFF制御するようにしてもよい。
【0037】その場合にも通常設定温度はプレハブコントローラ9Aと同一値に設定されるので、各冷却ユニット2A、2、2のコンプレッサ7・・は実質的に同期してON-OFFされることになる。」
「【0042】また、プレハブコントローラ9A(親機)は、自らの温度センサ8が検出している温度データが異常値を示している場合、或いは、温度データをとれない場合など、当該温度センサ8に異常を来したと判断した場合、先ず、子機となる各プレハブコントローラ9、9から上述の如く受信した温度データと自らの温度センサ8が異常発生前に検出していた温度データとを比較し、自らの温度センサ8が検出していた温度データと最も近似した温度データの冷却ユニット2を選択する。
【0043】この場合は、例えば冷却ユニット2Aに最も近い図1の中央の冷却ユニット2からの温度データが最も近似していたものとすると、現在親機となっているプレハブコントローラ9Aは、当該中央の冷却ユニット2のプレハブコントローラ9に親機となる旨の命令データを送信し、自らは子機設定に切り替わる。中央の冷却ユニット2のプレハブコントローラ9はこの命令データを受けて自らが親機となる設定に切り替わる。
【0044】以後、この中央の冷却ユニット2のプレハブコントローラ9(親機となったプレハブコントローラ)は自らの温度センサ8が検出した温度データに基づいてコンプレッサ7などの制御を実行すると共に、上述した運転制御用データを他の冷却ユニット2A、2のプレハブコントローラ9A、9に送信して上述同様の同期制御を実行する。
【0045】このような構成により、親機とされたプレハブコントローラ9Aの温度センサ8の異常時にも、当該温度センサ8が検出している庫内温度に最も近い庫内温度を検出している温度センサ8を有するプレハブコントローラ9が親機にとって代わることになるため、以後支障無く各冷却ユニット2A、2、2の制御は実行されることになる。」
「【図1】
[図:0001385951000001.jpg]
【図2】
[図:0001385951000002.jpg]
【図3】
[図:0001385951000003.jpg]
」
(イ)上記記載から、引用例1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a 段落【0025】の「プレハブ冷蔵庫1は・・・大型のプレハブ冷蔵庫であり、・・・複数台(実施例では三台)の冷却ユニット2・・が並べて設置されている。」という記載(なお、「・・・」は省略を意味する。以下同様。)から、「大型のプレハブ冷蔵庫1は、複数台の冷却ユニット2が設置されたものである」ことがわかる。
b 段落【0026】の「各冷却ユニット2は、庫内温度を検出する温度センサ8を有するプレハブコントローラ(制御装置)9を備えている。」及び段落【0027】の「プレハブコントローラ9はデータ送受信回路を備えており」という記載から、「各冷却ユニット2は、データ送受信回路を備えるプレハブコントローラ9を備える」ことがわかる。
c 段落【0027】の「プレハブコントローラ9はデータ送受信回路を備えており、各プレハブコントローラ9は通信線13にて接続され、全てのプレハブコントローラ9が他のプレハブコントローラ9と相互にデータの送受信が可能とされている」という記載から、「データ送受信回路を備える各プレハブコントローラ9は、通信線13にて接続され、全ての冷却ユニット2のプレハブコントローラ9が他の冷却ユニット2のプレハブコントローラ9と相互にデータの送受信が可能とされる」ことがわかる。
d 段落【0042】の「プレハブコントローラ9A(親機)は、自らの温度センサ8・・・に異常を来したと判断した場合、・・・自らの温度センサ8が検出していた温度データと最も近似した温度データの冷却ユニット2を選択する。」及び段落【0043】の「現在親機となっているプレハブコントローラ9Aは、当該中央の冷却ユニット2のプレハブコントローラ9に親機となる旨の命令データを送信し、自らは子機設定に切り替わる。中央の冷却ユニット2のプレハブコントローラ9はこの命令データを受けて自らが親機となる設定に切り替わる」という記載から、「親機に設定されたプレハブコントローラ9が自らの温度センサ8に異常を来したと判断した場合、親機は、自らの温度センサ8が検出していた温度データと最も近似した温度データの冷却ユニット2のプレハブコントローラ9に親機となる旨の命令データを送信し、自らは子機設定に切り替わり、この命令データを受けた冷却ユニット2のプレハブコントローラ9は、自らが親機となる設定に切り替わる」ことがわかる。
e 段落【0027】の「プレハブコントローラ9はデータ送受信回路を備えており、各プレハブコントローラ9は通信線13にて接続され、全てのプレハブコントローラ9が他のプレハブコントローラ9と相互にデータの送受信が可能とされている」及び段落【0028】の「上記何れかの冷却ユニット2・・・のプレハブコントローラ9を親機(主制御装置。以後9Aとする)とし、他の冷却ユニット2、2のプレハブコントローラ9は子機に設定する。これら親機・子機の設定は前記スイッチ12によって行われる」という記載から、「複数台の冷却ユニット2のうちの何れかの冷却ユニット2のプレハブコントローラ9が親機に設定され、他の冷却ユニット2のプレハブコントローラ9が子機に設定され、複数台の冷却ユニット2におけるデータ送受信回路を備えるプレハブコントローラ9によって、親機と子機とが相互にデータの送受信が可能とされる」ことがわかる。
f 段落【0031】の「プレハブコントローラ9Aは、所定時刻となった場合、・・・冷却器の霜取を開始する」、段落【0032】の「プレハブコントローラ9A(親機)は他の冷却ユニット2、2のプレハブコントローラ9、9(子機)に通信線13を介して、自らの温度センサ8が検出した温度データと、コンプレッサ7のON-OFFデータと、霜取開始データから成る運転制御用データを配信する」及び段落【0035】の「各プレハブコントローラ9、9(子機)はプレハブコントローラ9A(親機)から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、自らの冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始する。これにより、各冷却ユニット2、2は冷却ユニット2Aに同期して冷却器の霜取を開始することができるようになる」という記載から、「親機は、所定時刻となった場合、親機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、親機は、自らの温度センサ8が検出した温度データと、コンプレッサ7のON-OFFデータと、霜取開始データから成る運転制御用データを子機に配信し、子機は、親機から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、子機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、これにより、子機を備える冷却ユニット2は親機を備える冷却ユニット2に同期して冷却器の霜取を開始する」ことがわかる。
g 段落【0030】の「冷却ユニット2Aのプレハブコントローラ9A(親機)は、自らに接続された温度センサ8が検出する温度データと設定温度(上限温度と下限温度)に基づき、コンプレッサ7と前記送風機の運転をON-OFF制御する」及び段落【0036】の「各プレハブコントローラ9、9(子機)が自らに設定された設定温度(上限温度、下限温度)と受信した温度データに基づいてコンプレッサ7をON-OFF制御するようにしてもよい」という記載から、「親機は自らに設定された設定温度に基づいてコンプレッサ7をON-OFF制御し、各子機は自らに設定された設定温度に基づいてコンプレッサ7をON-OFF制御する」ことがわかる。
(ウ)引用例1に記載された発明について
a 上記(ア)、(イ)a~fから、引用例1には、次の発明(以下「引用発明A」という。)が記載されていると認められる。
「複数台の冷却ユニット2が設置された大型のプレハブ冷蔵庫1であって、
各冷却ユニット2は、データ送受信回路を備えるプレハブコントローラ9を備え、
データ送受信回路を備える各プレハブコントローラ9は、通信線13にて接続され、全てのプレハブコントローラ9が他のプレハブコントローラ9と相互にデータの送受信が可能とされ、
親機に設定されたプレハブコントローラ9が自らの温度センサ8に異常を来したと判断した場合、親機は、自らの温度センサ8が検出していた温度データと最も近似した温度データの冷却ユニット2のプレハブコントローラ9に親機となる旨の命令データを送信し、自らは子機設定に切り替わり、この命令データを受けた冷却ユニット2のプレハブコントローラ9は、自らが親機となる設定に切り替わり、
複数台の冷却ユニット2のうちの何れかの冷却ユニット2のプレハブコントローラ9が親機に設定され、他の冷却ユニット2のプレハブコントローラ9が子機に設定され、複数台の冷却ユニット2におけるデータ送受信回路を備えるプレハブコントローラ9によって、親機と子機とが相互にデータの送受信が可能とされ、
親機は、所定時刻となった場合、親機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、親機は、自らの温度センサ8が検出した温度データと、コンプレッサ7のON-OFFデータと、霜取開始データから成る運転制御用データを子機に配信し、子機は、親機から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、子機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、これにより、子機を備える冷却ユニット2は親機を備える冷却ユニット2に同期して冷却器の霜取を開始する
プレハブ冷蔵庫1。」
b 上記(ア)、(イ)a~gから、引用例1には、次の発明(以下「引用発明B」という。)が記載されていると認められる。
「引用発明Aのプレハブ冷蔵庫1であって、
親機は設定温度に基づいてコンプレッサ7をON-OFF制御し、各子機は自らに設定された設定温度に基づいてコンプレッサ7をON-OFF制御する
プレハブ冷蔵庫1。」
イ 引用例2
同じく原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例である、中国特許出願公開第102889010号明細書(2013年1月23日出願公開。以下「引用例2」という。)には、図面とともに次の記載がある(なお、日本語訳は当審が翻訳した。)。
(ア)引用例2の記載
「
[図:0001385951000004.jpg]
」
(当審訳:[0002] 既存の冷蔵倉庫は、一般的に、内部および外部の断熱構造が追加された大きな建物として設計されており、内部の使用可能面積は、使用要件に応じて設計および構築できるが、不利な点は、一定の建設期間があり、一般的に完成後の移動が難しいことである。冷蔵倉庫には、冷蔵倉庫として使用される冷蔵コンテナもあり、その特徴は、現場でのサポートベースの施工と電力供給の必要があることである。冷蔵コンテナは工場で加工され、完成される。冷蔵コンテナは使用場所に輸送され、電源に接続するとすぐに使用でき、建設期間は比較的短い。そして、冷蔵倉庫は、必要に応じて、元の使用場所からの移動を含む移動が可能である。しかし、冷蔵コンテナは比較的狭い使用面積の冷蔵倉庫として使用されるため、箱の幅を広げても、使用空間を大幅に広くすることは困難である。)
「
[図:0001385951000005.jpg]
」
(当審訳:[0026] 実施例1
図1、図2に示すように、4つのコンテナユニットを組み合わせることにより冷蔵コンテナ組み合わせ冷蔵倉庫を構成し、それぞれの冷蔵コンテナユニットは標準のコンテナサイズで作製され、そして、組み合わせ冷蔵倉庫の必要によって、サイドウォールとエンドパネルを設置する。サイドフレームに沿って2つの隣接するコンテナを接続し、中央に接続された箱体にはサイドウォールはなく、両端の箱体には片側にサイドウォールを設けたため、接続された箱体は閉鎖された大空間を形成する。図に示された組み合わせ冷蔵倉庫の両端の冷蔵コンテナユニットには、片側にサイドウォールがある。必要に応じて、前後端には、冷機、箱ドアあるいはエンドパネルを設置することができる。;中間に組み合わせられたコンテナユニットの側壁にはフレームのみがあり、壁はない。隣接した2個のコンテナを上部梁と底部梁に沿って配列し、箱体の間に5-80mmの隙間を残すと、組み合わせ後に遮熱シール手段(シーリング材14と遮熱充填ブロック20等)を取り付けることに便利である。使い勝手が良いように、コンテナの上部にはいくつかの天井照明を設置する。本実施例では、組み合わせ冷蔵倉庫の端部には、三台の冷機22と2つの箱ドア23が設けられていて、箱ドアと冷機は貯蔵品の需要によって増減させることができ、組み合わせ冷蔵倉庫での貯蔵品の保管に最適なコストパフォーマンスを実現することを確保している。)
「
[図:0001385951000006.jpg]
」
(当審訳:図1)
「
[図:0001385951000007.jpg]
」
(当審訳:図2)
(イ)上記記載から、引用例2には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a 段落[0026]の「図1、図2に示すように、4つのコンテナユニットを組み合わせることにより冷蔵コンテナ組み合わせ冷蔵倉庫を構成し・・・本実施例では、組み合わせ冷蔵倉庫の端部には、三台の冷機22と2つの箱ドア23が設けられていて」という記載及び図2から、「冷機22が設置された冷蔵コンテナユニットが3つと、冷機22が設置されていない冷蔵コンテナユニットが1つと、の合計4つの冷蔵コンテナユニットを組み合わせることにより、冷蔵コンテナユニット組み合わせ冷蔵倉庫を構成している」ことがわかる。
b 段落[0025]の「冷蔵コンテナは比較的狭い使用面積の冷蔵倉庫として使用されるため、箱の幅を広げても、使用空間を大幅に広くすることは困難である」及び段落[0026]の「接続された箱体は閉鎖された大空間を形成する。」という記載から、「冷蔵コンテナユニット組み合わせ冷蔵倉庫の使用空間は大きい」ことがわかる。
(ウ)上記(ア)、(イ)から、引用例2には、次の技術(以下「引2技術」という。)が記載されていると認められる。
「冷機22が設置された冷蔵コンテナユニットが3つと、冷機22が設置されていない冷蔵コンテナユニットが1つと、の合計4つの冷蔵コンテナユニットを組み合わせることにより、使用空間の大きな、冷蔵コンテナユニット組み合わせ冷蔵倉庫を構成する技術。」
ウ 引用例3
本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例である、特開2013-54482号公報(平成25年3月21日出願公開。以下「引用例3」という。)には、図面とともに次の記載がある。
(ア)引用例3の記載
「【0008】
[実施形態1]
まず、用語について説明する。本発明の情報処理装置とは、情報を処理するものであれば、何でも良く、例えば、画像データを処理する画像処理装置である。画像処理装置とは、画像データを処理するものであり、画像を形成する画像形成装置や、画像を表示する画像表示装置(例えば、プロジェクタ)や、画像データを補正する画像補正装置などがある。」
「【0019】
以下では、親画像形成装置100を親機100といい、子画像形成装置2001~2003を子機2001~2003という。次に、本実施例の親機100の具体的な処理について説明する。図4に、親機100の処理フローを示す。ここでは、当該所定のジョブとは、「コピージョブ」とし、ユーザを「甲」とする。まず、ユーザ甲が、ユーザ端末装置50から、ログインをする。当該ログインとは、ユーザ甲は、ユーザ識別情報をユーザ端末装置50に入力することである。」
「【0052】
そこで、親機100は、当該親機100または子機2001~2003から、過去に取得した差分値の逆数の比に応じて、割り振る上限値を定めることが出来る。
[実施形態4]
次に、実施形態4の画像形成装置(親機100-4)について説明する。画像形成システムにおいて、親機100が故障したり、親機100に接続されているネットワーク30が断線して、親機との通信が故障する場合(以下では、親機が異常になる、という。)がある。親機が異常になった場合には、当該親機は権限情報やユーザ識別情報の管理(図3で説明)を行なうことが出来なくなる。そこで、本実施形態4では代理機を用いる。代理機とは、1以上の子機のうちの何れか1つであり、親機が異常になった場合に、当該親機の処理(例えば、権限情報の管理や、全体差分値の割り振りなど)を代理する代理機を用いる。代理機は、1以上の子機のうちの1つであり、代理機は予め管理者により定められる。従って、親機が異常になった場合であっても、適切に、全体上限値などの保持や、親機の処理を担保することが出来る。」
「【0057】
そして、図13Aに示すように、親機である機器11が異常になったとする。そうすると、代理機である機器12が親機となる。そして、機器13が代理機となる。このように、親機(機器11)が異常になった場合には、代理機であった機器12が親機になるのであるが、この機器12が保持している権限情報を代理機になる機器13に送信する。従って、図13の状態では、機器12(親機)と機器13(代理機)とが、権限情報を保持していることになる。また、図13Bに示すように、連携テーブルも更新される。」
「【0067】
次に、図18に、ステップS24の処理の詳細を示す。子機12~14は、親機11の状態を監視する。監視手法の一例として、子機12~14は親機11に対して、親機11が正常か否かを判断するための確認情報を送信する。もし、親機11が正常である場合には、当該確認情報に対する応答情報を、子機12~14それぞれに対して送信する。また、親機11が異常である場合には、当該確認情報に対する応答情報を、子機12~14それぞれに対して送信することが出来ない。つまり、子機12~14は、親機11から応答情報を受信していない場合には、親機が異常であると認識する。
【0068】
各子機12~14それぞれの制御手段106は、親機11が異常であるか否かを判断する(ステップS244)。当該判断の手法は、親機11から応答情報が返信されたら親機11は正常であり、親機11から応答情報が返信されなかったら親機11は異常であると判断する。
【0069】
各子機12~14それぞれの制御手段106は、親機11が正常であると判断すると(ステップS244のNo)、ステップS242の処理に戻る。また、各子機12~14それぞれが、親機11が異常であると判断すると(ステップS244のYes)、各子機12~14それぞれは、他の子機に対して親機の変更可否を確認する(ステップS246)。そして、全ての子機12~14それぞれの制御手段106は、親機変更可能か否かを判断する(ステップS248)。当該判断は、他の子機から親機の変更可能である旨の情報を受信したら、親機変更可能であると判断する。
【0070】
親機変更可能である判断されたら(ステップS248のYes)、ステップS26に移行する。また、親機変更不可能であると判断されたら(ステップS248のNo)、ステップS246に戻り、全ての子機から確認とれるまで待機する。また、ステップS26において、代理機に親機を変更する旨を通知する際には、図12~図16で説明したように、子機を代理機に指定し、連携テーブルを更新させる。
【0071】
この実施形態4の画像形成装置によれば、親機が異常になった場合でも、代理機が親機の処理を代理することから、権限情報の整合をとることができ、適切にユーザごとに定められた権限情報を遵守することが出来る。また、親機、子機それぞれに上限値、差分値が割り振られている。従って、例えば、子機13に接続されているネットワークが断線され、子機13がスタンドアローンの状態になった場合であり、かつ、ユーザが子機13に対して、処理を実行させようとしている場合でも、子機13は、割り振られた差分値を遵守して、ユーザに入力されたジョブを実行することが出来る。」
「【図18】
[図:0001385951000008.jpg]
」
(イ)上記記載から、引用例3には、次の技術(以下「引3技術」という。)が記載されていると認められる。
「情報処理装置の子機は情報処理装置の親機に対して確認情報を送信し、親機が正常である場合には、当該確認情報に対する応答情報を子機それぞれに対して送信し、
子機が親機から応答情報を受信していない場合には、親機が異常であり、親機が親機としての処理を行うことが出来ないと認識し、子機のうちの何れか1つである代理機を親機にする技術。」
エ 引用例4
原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例である、特開平11-23040号公報(平成11年1月26日出願公開。以下「引用例4」という。)には、次の記載がある。
(ア)引用例4の記載
「【0037】なお、本実施例では親機無線手段17は内部に時計機能を保有し、第1子機無線手段14との送受信で時間情報を第1子機無線手段14に送信し、第1子機無線手段14は受信した時間情報で内部時計を補正する機能を有するため、第1子機無線手段と親機無線手段との時間ずれがない。」
(イ)上記記載から、引用例4には、次の技術(以下「引4技術」という。)が記載されていると認められる。
「親機無線手段17は内部に時計機能を保有し、第1子機無線手段14との送受信で時間情報を第1子機無線手段14に送信し、第1子機無線手段14は受信した時間情報で内部時計を補正する機能を有するため、第1子機無線手段と親機無線手段との時間ずれがない、という技術。」
オ 引用例5
同じく原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例である、特開2001-305255号公報(平成13年10月31日出願公開。以下「引用例5」という。)には、次の記載がある。
(ア)引用例5の記載
「【0010】図1では、ビデオデッキ12がサイクルマスタとなっているものとする。ビデオデッキ12はチューナを内蔵しており、例えばテレビ信号に含まれる時報などによって定期的に自動で内蔵時計のずれを修正し、正確な時刻に設定し直す機能を備えている。ビデオデッキ12はカレンダクロックマスタとなり、保持している時刻データを定期的にIEEE1394バスを介して他のすべての電気電子機器(図1では、ステレオ装置10、TV装置14、エアコン16、コンピュータ18及び電話/FAX20)に送信する。ビデオデッキ12以外の機器10,14~20は、時刻データを受け取ると、それぞれが保持している時計装置の時刻データを更新する。このような構成とすることによって、IEEE1394バスで相互に接続する全ての電気電子機器が正確な時刻を保持するようになる。」
(イ)上記記載から、引用例5には、次の技術(以下「引5技術」という。)が記載されていると認められる。
「ビデオデッキ12は内蔵時計のずれを修正してカレンダクロックマスタとなり、保持している時刻データを定期的に他のすべての電気電子機器に送信し、ビデオデッキ12以外の機器は、時刻データを受け取ると、それぞれが保持している時計装置の時刻データを更新することで、相互に接続する全ての電気電子機器が正確な時刻を保持するようになる、という技術。」
カ 引用例6
同じく原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例である、特開2017-147923号公報(平成29年8月24日出願公開。以下「引用例6」という。)には、次の記載がある。
(ア)引用例6の記載
「【0063】
監視システム301は、太陽光発電システム401に用いられる。監視システム301では、子機である監視装置101におけるセンサの情報が、親機である収集装置151へ定期的または不定期に伝送される。」
「【0074】
監視装置101は、処理部12と、電圧計測部13と、通信部14と、記憶部15と、4つのセンサ16とを備える。なお、監視装置101は、出力ライン1の数に応じて、さらに多数または少数のセンサ16を備えてもよい。」
「【0143】
処理部12は、たとえば、通信部14経由で収集装置151から受信した時刻情報を用いて収集装置151との時刻同期をとる。より詳細には、処理部12は、時刻情報を用いてタイマ17のカウント値を修正することにより、現在時刻を補正する。」
(イ)上記記載から、引用例6には、次の技術(以下「引6技術」という。)が記載されていると認められる。
「子機である監視装置101が備える処理部12は、親機である収集装置151から受信した時刻情報を用いて現在時刻を補正することで、収集装置151との時刻同期をとるという技術。」
(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明Aとを対比する。
(ア)引用発明Aにおける「冷却ユニット2」は、本件補正発明における「冷凍装置」に相当し、同様に、「大型のプレハブ冷蔵庫1」は「倉庫を構成する冷凍システム」に相当する。
よって、引用発明Aにおける「複数台の冷却ユニット2が設置された大型のプレハブ冷蔵庫1」と、本件補正発明における「冷凍装置(20)を備えるコンテナ(1A,1B,1C)を複数台連結して倉庫を構成する冷凍システム(1)」とは、「冷凍装置を複数台備え、倉庫を構成する冷凍システム」という限りにおいて一致する。
(イ)引用発明Aにおける「データ送受信回路を備えるプレハブコントローラ9」のうち制御を行う部分は、本件補正発明における「制御部」に相当し、同様に、「データ送受信回路を備えるプレハブコントローラ9」のうち「データ送受信回路」は「通信部」に相当する。
よって、引用発明Aにおける「各冷却ユニット2は、データ送受信回路を備えるプレハブコントローラ9を備え」ることと、本件補正発明における「前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)はそれぞれ、制御部(51,61,71)と、通信部(52,62,72)と、を備え」ることとは、「複数台の冷凍装置はそれぞれ、制御部と、通信部と、を備える」という限りにおいて一致する。
(ウ)引用発明Aにおける「データ送受信回路を備える各プレハブコントローラ9は、通信線13にて接続され、全てのプレハブコントローラ9が他のプレハブコントローラ9と相互にデータの送受信が可能とされ」ることと、本件補正発明における「前記通信部(52,62,72)は、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の冷凍装置(20)の制御部(51,61,71)同士が通信接続するように構成され」ることとは、「通信部は、複数台の冷凍装置の制御部同士が通信接続するように構成される」という限りにおいて一致する。
(エ)引用発明Aにおける「親機は、・・・親機となる旨の命令データを送信し、自らは子機設定に切り替わり、この命令データを受けた冷却ユニット2のプレハブコントローラ9は、自らが親機となる設定に切り替わ」ることと、本件補正発明における「前記制御部(51,61,71)は、互いに送信し合う応答信号の可否によって親機および子機のいずれかに設定変更可能に構成され」ることとは、「制御部は、親機および子機のいずれかに設定変更可能に構成される」という限りにおいて一致する。
(オ)引用発明Aでは、「親機は、自らの温度センサ8が検出した温度データと、・・・から成る運転制御用データを子機に配信」するところ、「親機に設定されたプレハブコントローラ9が自らの温度センサ8に異常を来したと判断した場合」には、上記「配信」をする温度データを正確に取得することができなくなるため、上記「場合」には、親機としての、子機へ正確な温度データを配信する機能に支障をきたしているといえる。
また、引用発明Aにおける「自らの温度センサ8が検出していた温度データと最も近似した温度データの冷却ユニット2のプレハブコントローラ9」のうち制御を行う部分は、本件補正発明における「前記子機のいずれか1つ」に相当する。
よって、引用発明Aにおける「親機に設定されたプレハブコントローラ9が自らの温度センサ8に異常を来したと判断した場合、親機は、自らの温度センサ8が検出していた温度データと最も近似した温度データの冷却ユニット2のプレハブコントローラ9に親機となる旨の命令データを送信し、自らは子機設定に切り替わり、この命令データを受けた冷却ユニット2のプレハブコントローラ9は、自らが親機となる設定に切り替わ」ることは、本件補正発明における「前記親機に設定された前記制御部が前記親機としての機能に支障をきたした場合、前記子機のいずれか1つが親機に設定され」ることに相当する。
(カ)段落【0028】の「プレハブコントローラ9を親機(主制御装置。以後9Aとする)」という記載に鑑みると、引用発明Aにおける「親機」は「主制御部」であるといえる。また、このことから、引用発明Aにおける「子機」は「従制御部」であるともいえる。
よって、引用発明Aにおける「複数台の冷却ユニット2のうちの何れかの冷却ユニット2のプレハブコントローラ9が親機に設定され、他の冷却ユニット2のプレハブコントローラ9が子機に設定され、複数台の冷却ユニット2におけるデータ送受信回路を備えるプレハブコントローラ9によって、親機と子機とが相互にデータの送受信が可能とされ」ることと、本件補正発明における「前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)のうちの1つの冷凍装置の制御部(51)が前記親機として主制御部に設定され、残りの冷凍装置(20)の制御部(61,71)が前記子機として従制御部に設定され、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)における前記通信部(52,62,72)によって、前記主制御部(51)と前記従制御部(61,71)とが通信可能であ」ることとは、「複数台の冷凍装置のうちの1つの冷凍装置の制御部が親機として主制御部に設定され、残りの冷凍装置の制御部が子機として従制御部に設定され、複数台の冷凍装置における通信部によって、主制御部と従制御部とが通信可能である」という限りにおいて一致する。
(キ)引用発明Aにおける「子機は、親機から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、子機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始」するという事項から、引用発明Aにおける「霜取開始データ」は、本件補正発明における「除霜運転の場合に、」「所定動作を行わせる指令」に相当するといえる。
また、引用発明Aにおける、親機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取は、「所定時刻となった場合」に開始するものであるため、「霜取開始データ」は時刻情報に関するものであるといえる。
よって、引用発明Aにおける「親機は、所定時刻となった場合、親機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、親機は、自らの温度センサ8が検出した温度データと、コンプレッサ7のON-OFFデータと、霜取開始データから成る運転制御用データを子機に配信し、子機は、親機から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、子機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、これにより、子機を備える冷却ユニット2は親機を備える冷却ユニット2に同期して冷却器の霜取を開始する」ことと、本件補正発明における「前記主制御部(51)は、前記主制御部(51)の1つの時計(54)の時刻情報に関する信号を前記従制御部(61,71)に通信するものであり、除霜運転の場合に、前記1つの時計(54)の時刻が前記除霜運転に関する所定動作の予定時刻になるときに前記所定動作を行わせる指令を前記信号として前記従制御部(61,71)に送信することによって、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる」こととは、「主制御部は、時刻情報に関する信号を従制御部に通信するものであり、除霜運転の場合に、所定動作を行わせる指令を前記信号として従制御部に送信することによって、複数台の冷凍装置を同期して運転させる」という限りにおいて一致する。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明Aとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「冷凍装置を複数台備え、倉庫を構成する冷凍システムであって、
複数台の冷凍装置はそれぞれ、制御部と、通信部と、を備え、
通信部は、複数台の冷凍装置の制御部同士が通信接続するように構成され、
制御部は、親機および子機のいずれかに設定変更可能に構成され、親機に設定された制御部が親機としての機能に支障をきたした場合、子機のいずれか1つが親機に設定され、
複数台の冷凍装置のうちの1つの冷凍装置の制御部が親機として主制御部に設定され、残りの冷凍装置の制御部が子機として従制御部に設定され、複数台の冷凍装置における通信部によって、主制御部と従制御部とが通信可能であり、
主制御部は、時刻情報に関する信号を従制御部に通信するものであり、除霜運転の場合に、所定動作を行わせる指令を前記信号として従制御部に送信することによって、複数台の冷凍装置を同期して運転させる
冷凍システム。」
<相違点1>
本件補正発明では、「冷凍装置」が「コンテナ」に「備え」られ、「倉庫」が「冷凍装置」「を備えるコンテナ」「を複数台連結して」「構成」されているのに対し、引用発明Aでは、「大型のプレハブ冷蔵庫1」に「複数台の冷却ユニット2が設置され」てはいるものの、「冷却ユニット2」がコンテナに備えられ、「大型のプレハブ冷蔵庫1」が「冷却ユニット2」を備えるコンテナを複数台連結して構成されたものであることまでは特定されていない点。
<相違点2>
「制御部は、親機および子機のいずれかに設定変更可能に構成され」ることにおける「設定変更」が、本件補正発明では、「互いに送信し合う応答信号の可否によ」る設定変更であるのに対し、引用発明Aでは、「親機に設定されたプレハブコントローラ9が自らの温度センサ8に異常を来したと判断した場合」に親機から送信される「命令データ」による設定変更である点。
<相違点3>
「時刻情報」が、本件補正発明では、「主制御部」「の1つの時計」「の時刻情報」であるのに対し、引用発明Aでは、どの時計の時刻情報であるのか特定されていない点。
<相違点4>
「除霜運転の場合に、所定動作を行わせる指令を前記信号として従制御部に送信する」タイミングが、本件補正発明では、「前記1つの時計(54)の時刻が前記除霜運転に関する所定動作の予定時刻になるとき」であるのに対し、引用発明Aでは、特定されていない点。
(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1について
引2技術における「冷機22」は、本件補正発明における「冷凍装置」に相当し、以下同様に、「冷蔵コンテナユニット」は「コンテナ」に、「冷蔵コンテナユニット組み合わせ冷蔵倉庫」は「倉庫を構成する冷凍システム」に、それぞれ相当する。
そして、引2技術は、冷機22が設置された冷蔵コンテナユニットを3つ含む冷蔵コンテナユニット組み合わせ冷蔵倉庫であるから、冷凍装置を備えるコンテナを複数台連結して構成された倉庫が開示されているといえる。
引用発明Aと引2技術とは、複数の冷凍装置を有する大型の冷蔵庫に関するものである点で共通しているため、引用発明Aに引2技術を適用する動機があるといえる。
よって、引用発明Aにおける、「プレハブ冷蔵庫1」の筐体の構成の仕方及び「プレハブ冷蔵庫1」への各冷凍装置の設置ないし配置の仕方として、引2技術を採用し、相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
なお、引2技術では、冷蔵コンテナユニット組み合わせ冷蔵倉庫を構成する各冷蔵コンテナユニットの全てに冷機22が設置されているわけではないが、引用例2の[0026]には貯蔵品の需要によって冷機22を増減することが記載されているため、冷蔵コンテナユニット組み合わせ冷蔵倉庫を構成する各冷蔵コンテナユニットの全てに冷機22を設置することは(本件補正発明もコンテナの全てが冷凍装置を備えるとまでは特定されていないが)、当業者が適宜なし得たことである。
イ 相違点2について
引3技術における、「子機」が「親機に対して確認情報を送信し、親機が」「当該確認情報に対する応答情報を子機それぞれに対して送信」する態様は、本件補正発明における、「制御部が」「応答信号」を「互いに送信し合う」態様に相当する。
また、引3技術における「子機が親機から応答情報を受信していない場合には、」「子機のうちの何れか1つである代理機を親機にする」態様は、本件補正発明における、「制御部」が「応答信号の可否によって親機および子機のいずれかに設定変更可能に構成され」る態様に相当する。
そして、引用発明Aと引3技術とは、親機の異常時における対処方法として、子機を親機にする点で、課題及びその解決手段が共通している。
また、引用発明Aは、「親機」が「運転制御用データを子機に配信」するものであるため、子機が親機から情報を受信しない状況では、引用発明Aを正常に実施することができないことは明らかであり、当該状況に対処することは、引用発明Aが内在する課題であるといえる。
そうすると、「子機が親機から応答情報を受信していない場合に」「親機が異常であ」ると「認識し、子機」「を親機にする技術」である引3技術は、引用発明Aにおいても有用な技術であり、引用発明Aに引3技術を適用する動機があるといえる。
よって、引用発明Aにおいて、引用発明Aにおける、「親機に設定されたプレハブコントローラ9が自らの温度センサ8に異常を来したと判断した場合」に親機から送信される「命令データ」により行う親機と子機との設定変更に加えて、引3技術における、「子機が親機から応答情報を受信していない場合」に行う親機と子機との設定変更も行うようになし、相違点2に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 相違点3について
引用発明Aでは、「親機は、所定時刻となった場合、」「霜取を開始」するところ、所定時刻となったか否かを判断するために用いる現在時刻の情報を、どこにある時計から得るのかまでは、明示的には特定されていない。しかしながら、制御装置に時計を備えさせることは極めて周知な、且つ、極めて慣用されている技術であり(もし必要であれば、引4技術及び引5技術等を参照されたい。以下「慣用技術」という。)、ましてや、時刻に基づいた制御を行う制御装置ともなれば、通常は時計を備えていると解するのが妥当である。そして、引用発明Aには、親機が時刻情報を、親機以外の装置が有する時計から得ている、といえるだけの特段の事情も存在しない。
そうすると、引用発明Aでは、時刻情報を「親機」の1つの時計から得ているといえる。もしそういえないとしても、引用発明Aに慣用技術を付加して、「親機」に時計を備えさせて、時刻情報を当該時計から得るようになすことは、当業者が適宜なし得る程度のことにすぎない。
よって、相違点3に係る本件補正発明の発明特定事項は、引用発明Aが備えているといえることであるか、又は、引用発明Aに慣用技術を適用して当業者が容易に想到し得たことである。
エ 相違点4について
引用発明Aの、「親機は、所定時刻となった場合、親機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、親機は、」「霜取開始データから成る運転制御用データを子機に配信し、子機は、親機から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、子機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、これにより、子機を備える冷却ユニット2は親機を備える冷却ユニット2に同期して冷却器の霜取を開始する」という事項において、霜取の開始が同期するということからは、「霜取開始データ」が、親機側において霜取を開始するという情報又は子機側で霜取を直ちに開始させる命令であって、これがリアルタイムで子機に配信され、子機が受信すると、子機側で直ちに霜取を開始している蓋然性が高いと考えられる。しかし、「霜取開始データ」が、所定時間経過後に子機側で霜取を開始させる命令であって、所定時刻の所定時間前に配信されるものである可能性もあるため、さらに検討する。
引用発明Aでは、「霜取開始データ」は、「温度データ」及び「コンプレッサ7のON-OFFデータ」とともに「運転制御用データ」として配信されるものであるため、「霜取開始データ」は、「コンプレッサ7のON-OFFデータ」の配信タイミングで配信することができる。そこで、「コンプレッサ7のON-OFFデータ」の配信タイミングについて検討する。
引用例1の段落【0030】、【0032】及び【0033】の各記載からは、親機における、温度センサ8が検出する温度データと設定温度に基づくコンプレッサ7のON-OFF制御と、親機から子機に配信されたコンプレッサ7のON-OFFデータに基づく子機の制御と、を同期させているということがわかる。
ここで、親機から子機へのコンプレッサ7のON-OFFデータの配信の態様が、親機における温度センサ8が検出する温度データと設定温度に基づくコンプレッサ7のON-OFF制御のデータそのものをリアルタイムで配信する態様であるのか、予測した温度データに基づくコンプレッサ7のON-OFFの予測データを事前に配信する態様であるのかまでは不明である。しかし、親機の制御と子機の制御とを同期させるのであるから、予測困難な温度データに基づくコンプレッサ7のON-OFFの予測データという不確実なものを用いる態様よりも、簡便に同期させることのできる態様である、リアルタイムで配信する態様を選択することは、当業者が適宜なし得たことといえる。
そうすると、引用発明Aにおいて、「コンプレッサ7のON-OFFデータ」をリアルタイムで配信する際に「霜取開始データ」もリアルタイムで配信する、つまり、「親機を備える冷却ユニット2の冷却器」において「霜取」を「開始」するタイミングである「所定時刻となった場合」に「霜取開始データ」を配信することも、当業者が適宜なし得たことといえる。
よって、相違点4に係る本件補正発明の発明特定事項は、引用発明Aから当業者が容易に想到し得たことである。
オ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、「引用発明A、引2技術及び引3技術」又は「引用発明A、引2技術、引3技術及び慣用技術」の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
カ したがって、本件補正発明は、「引用発明A、引2技術及び引3技術」又は「引用発明A、引2技術、引3技術及び慣用技術」に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
キ 審判請求書における請求人の主張について
請求人は審判請求書の3.(3-3)において、要するに、原査定で引用された引用文献5(上記引用例6と同じ。)、引用文献8(上記引用例4と同じ。)及び引用文献9(上記引用例5と同じ。)の技術が、装置を同期させて運転させる技術ではなく、原査定で引用された引用文献5、8及び9は、本件補正発明における「前記主制御部(51)は、前記主制御部(51)の1つの時計(54)の時刻情報に関する信号を前記従制御部(61,71)に通信するものであり、除霜運転の場合に、前記1つの時計(54)の時刻が前記除霜運転に関する所定動作の予定時刻になるときに前記所定動作を行わせる指令を前記信号として前記従制御部(61,71)に送信することによって、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる」という構成(以下、審判請求書と同様に「本願構成A」という。)を開示しない、と主張している。
しかしながら、上記(3)ア(キ)、(3)イ及び(4)ウ~エで検討したとおりであるため、本願構成Aは、引用発明A、又は、引用発明A及び慣用技術から当業者が容易に想到し得たものである。
よって、請求人の上記主張は結論を左右するものではない。
ク 上申書における補正案について
請求人は、令和3年10月6日提出の上申書において補正案を示しているので、補正案の請求項1に係る発明(以下「補正案発明」という。)が進歩性を有するか否かについて検討する。
(ア)補正案発明
補正案発明は、本件補正発明において、本願構成Aを以下のように変更したものである。
「前記主制御部(51)および前記従制御部(61,71)それぞれは、前記主制御部(51)および前記従制御部(61,71)において個別に設定される設定温度に基づいて、前記冷凍装置(20)を冷凍・冷却運転させ、
前記主制御部(51)は、前記主制御部(51)に関係付けられる前記1つの時計(54)の時刻が前記所定時刻になるときに除霜運転を行わせる所定信号を前記従制御部(61,71)に送信することによって、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる」
(イ)引用発明との対比
a 補正案発明と引用発明Bとを対比する。
(a)補正案発明の発明特定事項のうち、本件補正発明と共通する発明特定事項と、引用発明Bが引用している引用発明Aを特定する事項と、を対比すると、上記(3)ア(ア)~(カ)と同様のことがいえる。
(b)引用発明Bにおける「親機は設定温度に基づいてコンプレッサ7をON-OFF制御し、各子機は自らに設定された設定温度に基づいてコンプレッサ7をON-OFF制御する」ことは、補正案発明における「前記主制御部(51)および前記従制御部(61,71)それぞれは、前記主制御部(51)および前記従制御部(61,71)において個別に設定される設定温度に基づいて、前記冷凍装置(20)を冷凍・冷却運転させ」ることに相当する。
(c)引用発明Bが引用する引用発明Aにおける「子機は、親機から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、子機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始」するという事項から、引用発明Bが引用する引用発明Aにおける「霜取開始データ」は、補正案発明における「除霜運転を行わせる所定信号」に相当するといえる。
よって、引用発明Bが引用する引用発明Aにおける「親機は、所定時刻となった場合、親機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、親機は、自らの温度センサ8が検出した温度データと、コンプレッサ7のON-OFFデータと、霜取開始データから成る運転制御用データを子機に配信し、子機は、親機から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、子機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、これにより、子機を備える冷却ユニット2は親機を備える冷却ユニット2に同期して冷却器の霜取を開始する」ことと、補正案発明における「前記主制御部(51)は、前記主制御部(51)に関係付けられる前記1つの時計(54)の時刻が前記所定時刻になるときに除霜運転を行わせる所定信号を前記従制御部(61,71)に送信することによって、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる」こととは、「主制御部は、除霜運転を行わせる所定信号を従制御部に送信することによって、複数台の冷凍装置を同期して運転させる」という限りにおいて一致する。
b 以上のことから、補正案発明と引用発明Bとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「冷凍装置を複数台備え、倉庫を構成する冷凍システムであって、
複数台の冷凍装置はそれぞれ、制御部と、通信部と、を備え、
通信部は、複数台の冷凍装置の制御部同士が通信接続するように構成され、
制御部は、親機および子機のいずれかに設定変更可能に構成され、親機に設定された制御部が親機としての機能に支障をきたした場合、子機のいずれか1つが親機に設定され、
複数台の冷凍装置のうちの1つの冷凍装置の制御部が親機として主制御部に設定され、残りの冷凍装置の制御部が子機として従制御部に設定され、複数台の冷凍装置における通信部によって、主制御部と従制御部とが通信可能であり、
主制御部および従制御部それぞれは、主制御部および従制御部において個別に設定される設定温度に基づいて、冷凍装置を冷凍・冷却運転させ、
主制御部は、除霜運転を行わせる所定信号を従制御部に送信することによって、複数台の冷凍装置を同期して運転させる
冷凍システム。」
<相違点5>
補正案発明では、「冷凍装置」が「コンテナ」に「備え」られ、「倉庫」が「冷凍装置」「を備えるコンテナ」「を複数台連結して」「構成」されているのに対し、引用発明Bでは、「大型のプレハブ冷蔵庫1」に「複数台の冷却ユニット2が設置され」てはいるものの、「冷却ユニット2」がコンテナに備えられ、「大型のプレハブ冷蔵庫1」が「冷却ユニット2」を備えるコンテナを複数台連結して構成されたものであることまでは特定されていない点。
<相違点6>
「制御部は、親機および子機のいずれかに設定変更可能に構成され」ることにおける「設定変更」が、補正案発明では、「互いに送信し合う応答信号の可否によ」る設定変更であるのに対し、引用発明Bでは、「親機に設定されたプレハブコントローラ9が自らの温度センサ8に異常を来したと判断した場合」に親機から送信される「命令データ」による設定変更である点。
<相違点7>
「除霜運転を行わせる所定信号を従制御部に送信する」タイミングが、補正案発明では、「前記主制御部(51)に関係付けられる前記1つの時計(54)の時刻が前記所定時刻になるとき」であるのに対し、引用発明Bでは、特定されていない点。
(ウ)判断
以下、相違点について検討する。
a 相違点5~6について
相違点5~6は、実質的には相違点1~2と同じであり、上記ア~イにおける相違点1~2についての判断と同様に判断される。
よって、引用発明Bに引2技術を適用し、相違点5に係る補正案発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、引用発明Bに引3技術を適用し、相違点6に係る補正案発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
b 相違点7について
相違点7については、上記エにおける相違点4についての判断と同様のことがいえ、引用発明Bにおいて、「霜取開始データ」を、「親機を備える冷却ユニット2の冷却器」において「霜取」を「開始」するタイミングである「所定時刻となった場合」にリアルタイムで配信することは、当業者が適宜なし得たことといえる。
そして、「親機」において「所定時刻となった」か否かの判断を行うための時刻を、親機に何らかの関係を有する1つの時計の時刻から得ることは至極当然のことでしかない。
よって、相違点7に係る補正案発明の発明特定事項は、引用発明Bから当業者が容易に想到し得たことである。
c よって、補正案発明は、引用発明B、引2技術及び引3技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
d なお、引用例1の段落【0037】には「通常設定温度はプレハブコントローラ9Aと同一値に設定される」と記載されているが、補正案発明では、主制御部において設定される設定温度と、従制御部において設定される設定温度と、を異ならせることまでは特定されていない。
また、もし仮に特定されていたとしても、補正案発明は進歩性を有しない。つまり、引用例1の段落【0037】における上記記載は、あくまで通常はそうするといっているにすぎない。異なる保管物質を異なる設定温度で保管したい場合があることは技術常識であるところ、引用発明Bは、設定温度を異ならせたい要望がある場合には設定温度を異ならせることができるように構成されている。
4 本件補正についてのむすび
本件補正は、上記2のとおり、特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
また、仮に、本件補正が特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとしても、本件補正発明は、上記3(4)カのとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年4月7日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例1に記載された発明、引用例2に記載された技術及び引用例4~6に示された周知な技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。
引用例1:特開2002-181430号公報(原査定における「引用文献1」。)
引用例2:中国特許出願公開第102889010号明細書(原査定における「引用文献2」。)
引用例4:特開平11-23040号公報(原査定における「引用文献8」。)
引用例5:特開2001-305255号公報(原査定における「引用文献9」。)
引用例6:特開2017-147923号公報(原査定における「引用文献5」。)
3 引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用例1~2、4~6及びその記載事項は、前記第2の[理由]3(2)に記載したとおりである。
4 対比
(1)本願発明と引用発明Aとを対比する。
ア 本願発明は、前記第2の[理由]3で検討した本件補正発明から、「冷凍装置(20)の制御部(51,61,71)同士が通信接続するように構成され」という事項における「の制御部(51,61,71)」という限定事項を削除し、「前記制御部(51,61,71)は、互いに送信し合う応答信号の可否によって親機および子機のいずれかに設定変更可能に構成され、前記親機に設定された前記制御部が前記親機としての機能に支障をきたした場合、前記子機のいずれか1つが親機に設定され」という事項を削除するとともに「前記親機として主制御部に設定され」における「前記親機として」及び「前記子機として従制御部に設定され」における「前記子機として」という限定事項を削除し、さらに、「前記主制御部(51)は、前記主制御部(51)の1つの時計(54)の時刻情報に関する信号を前記従制御部(61,71)に通信するものであり、除霜運転の場合に、前記1つの時計(54)の時刻が前記除霜運転に関する所定動作の予定時刻になるときに前記所定動作を行わせる指令を前記信号として前記従制御部(61,71)に送信することによって、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる」という事項を「前記主制御部(51)は、1つの時計(54)の時刻情報を前記従制御部(61,71)に通信し、除霜運転の場合に、前記1つの時計(54)の時刻情報に基づいて、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる」という事項に変更したものである。
よって、上記第2の[理由]3(3)ア(ア)~(ウ)、(カ)と同様のことがいえる。
イ 引用発明Aにおける「親機は、所定時刻となった場合、親機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、親機は、自らの温度センサ8が検出した温度データと、コンプレッサ7のON-OFFデータと、霜取開始データから成る運転制御用データを子機に配信し、子機は、親機から送信された運転制御用データ中の霜取開始データに基づいて、子機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、これにより、子機を備える冷却ユニット2は親機を備える冷却ユニット2に同期して冷却器の霜取を開始する」ことと、本願発明における「前記主制御部(51)は、1つの時計(54)の時刻情報を前記従制御部(61,71)に通信し、除霜運転の場合に、前記1つの時計(54)の時刻情報に基づいて、前記複数台のコンテナ(1A,1B,1C)の前記冷凍装置(20)を同期して運転させる」こととは、「主制御部は、除霜運転の場合に、複数台の冷凍装置を同期して運転させる」という限りにおいて一致する。
(2)以上のことから、本願発明と引用発明Aとの一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「冷凍装置を複数台備え、倉庫を構成する冷凍システムであって、
複数台の冷凍装置はそれぞれ、制御部と、通信部と、を備え、
通信部は、複数台の冷凍装置の制御部同士が通信接続するように構成され、
複数台の冷凍装置のうちの1つの冷凍装置の制御部が主制御部に設定され、残りの冷凍装置の制御部が従制御部に設定され、複数台の冷凍装置における通信部によって、主制御部と従制御部とが通信可能であり、
主制御部は、除霜運転の場合に、複数台の冷凍装置を同期して運転させる
冷凍システム。」
<相違点8>
本願発明では、「冷凍装置」が「コンテナ」に「備え」られ、「倉庫」が「冷凍装置」「を備えるコンテナ」「を複数台連結して」「構成」されているのに対し、引用発明Aでは、「大型のプレハブ冷蔵庫1」に「複数台の冷却ユニット2が設置され」てはいるものの、「冷却ユニット2」がコンテナに備えられ、「大型のプレハブ冷蔵庫1」が「冷却ユニット2」を備えるコンテナを複数台連結して構成されたものであることまでは特定されていない点。
<相違点9>
「主制御部」が、「除霜運転の場合に、複数台の冷凍装置を同期して運転させる」ことが、本願発明では、「前記主制御部(51)は、1つの時計(54)の時刻情報を前記従制御部(61,71)に通信し、」「前記1つの時計(54)の時刻情報に基づいて」なされるのに対し、引用発明Aでは、「親機は、所定時刻となった場合、親機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し、親機は、自らの温度センサ8が検出した温度データと、コンプレッサ7のON-OFFデータと、霜取開始データから成る運転制御用データを子機に配信し、」「霜取開始データに基づいて」なされる点。
5 判断
以下、相違点について検討する。
(1)相違点8について
相違点8は、実質的には相違点1と同じであり、上記第2の[理由]3(4)アにおける相違点1についての判断と同様に判断される。
よって、引用発明Aに引2技術を適用し、相違点8に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(2)相違点9について
引用発明Aは、「所定時刻となった場合」に「親機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始し」、これに同期して「子機を備える冷却ユニット2の冷却器の霜取を開始」するものである。ここでいう「同期」は、子機側において「霜取開始データ」に基づいて霜取を開始することによりなされているが、親機側では「所定時刻となった場合に」霜取を開始するのであるから、子機側でも、所定時刻となったかどうかを判断して所定時刻となった場合に霜取を開始することができるようになれば、親機側と子機側とで霜取の開始を同期させることが可能となるのは当然のことである。
ここで、上記第2の[理由]3(4)ウで検討したとおり、引用発明Aにおける親機は時計を備えるといえる。そして、引用発明Aでは、親機・子機の設定が切り替わるため、引用発明Aにおける子機には、親機として機能するために必要な構成が備えられているといえる。つまり、引用発明Aでは、親機のみならず子機も時計を備えるといえる。
そうすると、引用発明Aにおいて、「霜取開始データ」に基づいて霜取の開始を同期させることに代えて、親機側では親機の時計の時刻情報に基づいて霜取を開始し、子機側では子機の時計の時刻情報に基づいて霜取を開始することにより、霜取の開始を同期させるようになすことは、当業者が適宜なし得た設計変更といえる。
そして、複数の時計の時刻がそれぞれずれてくることは単なる技術常識であるから、親機の時計の時刻情報と子機の時計の時刻情報とがずれることにより、霜取の開始を同期できなくなってしまうことは、当然に当業者が認識する課題であるところ、親機から子機へ時刻情報を送信し、子機が時刻を補正することにより、親機と子機とで時刻を同期させることは、例えば引4技術、引5技術、引6技術等により、周知な技術である(以下「周知技術」という。)。
そうすると、引用発明Aにおいて霜取の開始の同期方法を設計変更するに際して周知技術を適用して、親機から子機へ親機の時計の時刻情報を送信し、親機側では親機の時計の時刻情報に基づいて霜取を開始し、子機側では親機の時計の時刻情報に基づいて補正された子機の時計の時刻情報に基づいて霜取を開始することにより、霜取の開始を同期させるようになすことは、当業者の通常の創作能力の発揮の範囲内である。
よって、引用発明Aに周知技術を適用して相違点9に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(3)したがって、本願発明は、引用例1に記載された発明である引用発明A、引用例2に記載された技術である引2技術及び引用例4~6に示された周知な技術である周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-009622