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特許拒絶査定不服審判

2021-008651

半導体装置

審判番号
2021-008651
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-207164外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年06月30日
審決日
2022年01月24日
公報発行日
2022年02月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第44条第1項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2019-207164「半導体装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 3月19日出願公開、特開2020- 43349、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 13項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成27年3月12日(優先権主張 平成26年3月14日(特願2014-52263号)、平成26年3月16日(特願2014-52864号)、平成26年3月18日(特願2014-55459号)、平成26年3月28日(特願2014-70518号)、平成26年4月30日(特願2014-93321号))に出願した特願2015-48995号の一部を、令和1年11月15日に特許法第44条第1項の規定による新たな特許出願(特願2019-207164号)としたものであって、同年11月18日付けで上申書が提出され、令和2年9月29日付けで拒絶理由通知がされ、同年11月11日付けで手続補正がされるとともに意見書が提出され、令和3年4月27日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年6月30日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和3年4月27日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1 本願請求項1、2に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

1.特開2012-256941号公報

2.特開2012-256405号公報

第3 本願発明

本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、令和3年6月30日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの上方の第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層の上方の容量と、
続きを表示(全11行)
前記容量の上方の第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上方の第2のトランジスタと、
前記第1の絶縁層を貫通する第1の電極と、
前記第2の絶縁層を貫通する第2の電極と、を有し、
前記容量の一対の電極の一方は、前記第1の絶縁層を介して前記第1のトランジスタのゲートと重なる領域と、前記第2の絶縁層を介して前記第2のトランジスタのゲートと重なる領域と、を有し、
前記第1のトランジスタのチャネル長方向と、前記第2のトランジスタのチャネル長方向とは、互いに異なる方向であり、
前記第1の電極と前記第2の電極は、重なりを有し電気的に接続されている、半導体装置。」

第4 引用文献、引用発明等

1 引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【技術分野】
【0001】
記憶装置と、当該記憶装置を用いた半導体装置に関する。」
「【0022】
(実施の形態1)
図1(A)に、本発明の一態様に係る記憶装置のメモリセルの構成を、一例として回路図で示す。図1(A)に示す回路図では、メモリセル101が、記憶素子として機能するトランジスタ102と、スイッチング素子として機能するトランジスタ103と、容量素子104とを有する。記憶素子として機能するトランジスタ102は、ゲート電極と活性層の間に形成されるゲート容量に、電荷を蓄積させることで、データを記憶する。
・・・
続きを表示(全30行)
【0025】
図1(A)に示すメモリセル101では、トランジスタ103の第1端子に接続されているノードに、データを含む信号の電位が与えられている。また、トランジスタ103の第2端子は、トランジスタ102のゲート電極に接続されている。容量素子104が有する一対の電極は、一方がトランジスタ102のゲート電極に接続され、他方が所定の電位が与えられているノードに接続されている。
・・・
【0037】
次いで、図1(C)に、図1(A)が有するトランジスタ103と、容量素子104の断面図の一例を示す。なお、図1(C)では図1(A)に示すメモリセル101の断面構造を示しているが、図1(B)が有するトランジスタ103と、容量素子105も、図1(C)と同様の構成を採用することができる。
【0038】
図1(C)に示す断面図では、絶縁表面を有する基板110上に、容量素子104とトランジスタ103が形成されており、容量素子104とトランジスタ103は、絶縁膜111を間に挟んで重なっている。
【0039】
具体的に、容量素子104は、絶縁表面を有する基板110上に形成された電極112と、電極112上の絶縁膜113と、絶縁膜113を間に挟んで電極112と重なる電極114とを有する。電極112と、絶縁膜113と、電極114とが重なった部分が、容量素子104として機能する。
【0040】
また、トランジスタ103は、電極114を覆っている絶縁膜111上に、ゲート電極115と、ゲート電極115上の絶縁膜116と、絶縁膜116を間に挟んでゲート電極115と重なる、酸化物半導体を含んだ活性層117と、活性層117上のソース電極118、ドレイン電極119と有している。さらに、トランジスタ103は、活性層117、ソース電極118及びドレイン電極119を覆っている絶縁膜120を構成要素に含んでいても良い。トランジスタ103は、ボトムゲート型であり、なおかつ、ソース電極118とドレイン電極119の間において、活性層117の一部がエッチングされたチャネルエッチ構造である。
・・・
【0053】
図1(D)に示す断面図では、図1(C)と同様に、絶縁表面を有する基板110上に、容量素子104とトランジスタ103が形成されており、容量素子104とトランジスタ103は、絶縁膜111を間に挟んで重なっている。
【0054】
具体的な容量素子104と、トランジスタ103の構成は、図1(C)と同じである。そして、図1(D)では、遮光性を有する導電膜で配線123を形成し、配線123によりトランジスタ103を覆っている。具体的には、トランジスタ103の活性層117と重なるように、遮光性を有する配線123を形成する。
・・・
【0056】
さらに、図1(D)では、図1(C)と同様に、容量素子104が有する電極112或いは電極114の少なくとも一方が遮光性を有する。そして、遮光性を有する電極112或いは電極114が、トランジスタ103の活性層117と重なる位置に形成されている。
【0057】
上記構成により、図1(D)では、遮光性を有する電極112或いは電極114と、遮光性を有する配線123との間に活性層117が挟まれるので、酸化物半導体の吸収端波長近傍の光、もしくはこれよりも短い波長領域の光が、活性層117に入射するのを防ぐことができる。
・・・
【0060】
本発明の一態様では、酸化物半導体を活性層117に含むトランジスタ103を、記憶素子として用いるトランジスタ102または容量素子105における電荷の保持を制御するためのスイッチング素子として用いることで、上記電荷のリークを防ぐことができる。また、遮光性を有する電極、導電膜、絶縁膜などの層で、上記活性層117を挟むことで、光によって上記トランジスタ103の特性が劣化するのを防ぐことができる。具体的には、閾値電圧のシフトを抑制し、オフ電流が上昇するのを防ぐことができる。さらに、本発明の一態様では、上記遮光性を有する電極を、容量素子104または容量素子105の電極112或いは電極114として用いる。よって、容量素子104または容量素子105とトランジスタ103とが重なるようにメモリセル101内に配置されるため、容量素子104または容量素子105の専有面積、或いは容量値を確保しつつも、メモリセル101の占める面積を縮小化することができる。
【0061】
したがって、本発明の一態様に係る記憶装置は、データを保持する期間を確保しつつ、単位面積あたりの記憶容量を高めることができる。或いは、本発明は、上記記憶装置を半導体装置に用いることで、半導体装置の信頼性を高め、高機能化させることができる。」
「【0061】
次いで、図2に、メモリセル101における各種配線の、より具体的な接続構成の例を示す。
・・・
【0071】
図2(C)に示すメモリセル101は、一つのデータ線DLが、第1データ線DLaと第2データ線DLbの機能を併せ持っている点において、図2(B)に示すメモリセル101と異なっている。具体的に、図2(C)に示すメモリセル101は、スイッチング素子として機能するトランジスタ103と、記憶素子として機能するトランジスタ102と、容量素子104とを有する。トランジスタ103のゲート電極は、第1ワード線WLaに接続されている。また、トランジスタ103の第1端子はデータ線DLに接続されており、第2端子はトランジスタ102のゲート電極に接続されている。トランジスタ102の第1端子はデータ線DLに接続されており、第2端子はグラウンドなどの固定電位が与えられているノードに接続されている。容量素子104が有する一対の電極は、一方がトランジスタ102のゲート電極に接続され、他方が第2ワード線WLbに接続されている。
【0072】
図2(C)に示すメモリセル101は、データの書き込み、保持、読み出しなどの動作を、図2(B)に示すメモリセル101と同様に行うことができる。」
「【0077】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る記憶装置が有するメモリセルの、具体的な構成の一例について説明する。なお、本実施の形態では、図2(C)に示す回路構成を有したメモリセルを例に挙げて、その構造について説明する。
【0078】
続きを表示(全28行)
図3に、メモリセルの上面図の一例を示す。なお、図3では、メモリセルの構成を明確にするために、遮光性を有する絶縁膜以外の絶縁膜は、全て省略して示している。また、図3の破線A1-A2における断面図を、図4に示す。
【0079】
図3、図4に示すメモリセルは、絶縁表面を有する基板110上に、トランジスタ102と、トランジスタ103と、容量素子104とを有する。そして、基板110上に形成された容量素子104は絶縁膜111に覆われており、絶縁膜111上にはトランジスタ102と、トランジスタ103とが形成されている。そして、容量素子104と、トランジスタ102及びトランジスタ103とは、絶縁膜111を間に挟んで重なっている。
【0080】
具体的に、容量素子104は、絶縁表面を有する基板110上に形成された電極112と、電極112上の絶縁膜113と、絶縁膜113を間に挟んで電極112と重なる電極114とを有する。電極112と、絶縁膜113と、電極114とが重なった部分が、容量素子104として機能する。
【0081】
また、トランジスタ103は、絶縁膜111上に、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜130及び導電膜131と、導電膜130及び導電膜131に接する、酸化物半導体を含んだ活性層132と、導電膜130、導電膜131、活性層132を覆っている絶縁膜133と、絶縁膜133を間に挟んで活性層132と重なるゲート電極134とを有する。
【0082】
図3、図4に示すトランジスタ103は、トップゲート型であり、なおかつ、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜130及び導電膜131が、活性層132の下側で接している、ボトムコンタクト構造である。
【0083】
また、トランジスタ102は、絶縁膜111上に、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜131及び導電膜135と、導電膜131及び導電膜135に接する、酸化物半導体を含んだ活性層136と、導電膜131、導電膜135、活性層136を覆っている絶縁膜133と、絶縁膜133を間に挟んで活性層136と重なるゲート電極137とを有する。
【0084】
図3、図4に示すトランジスタ102は、トランジスタ103と同様にトップゲート型であり、なおかつ、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜131及び導電膜135が、活性層136の下側で接している、ボトムコンタクト構造である。
・・・
【0086】
そして、導電膜130は、絶縁膜111に形成されたコンタクトホール138を介して、電極114に接している。
【0087】
また、トランジスタ102及びトランジスタ103を覆うように、絶縁膜139が形成されている。そして、絶縁膜139上には、絶縁膜139に形成されたコンタクトホール140を介してトランジスタ102のゲート電極137に接続された、遮光性を有する導電膜141が形成されている。また、導電膜141は、絶縁膜139及び絶縁膜133に形成されたコンタクトホール142を介して、導電膜130に接続されている。また、絶縁膜139上には、絶縁膜139に形成されたコンタクトホール143を介してトランジスタ103のゲート電極134に接続された、遮光性を有する導電膜144が形成されている。
【0088】
遮光性を有する導電膜141は、少なくともトランジスタ102の活性層136の一部と重なる位置に形成する。なお、活性層136に入射する光をより防ぐためには、活性層136全体を完全に導電膜141で覆うのが望ましい。
【0089】
また、遮光性を有する導電膜144は、少なくともトランジスタ103の活性層132の一部と重なる位置に形成する。なお、活性層132に入射する光をより防ぐためには、活性層132全体を完全に導電膜144で覆うのが望ましい。
【0090】
さらに、本発明の一態様では、容量素子104が有する電極112或いは電極114の少なくとも一方が遮光性を有する。そして、遮光性を有する電極112或いは電極114が、トランジスタ103の活性層132、トランジスタ102の活性層136と重なる位置に形成されている。活性層132と、活性層136とは、少なくともその一部が電極112或いは電極114と重なっていれば良い。しかし、活性層132或いは活性層136に入射する光をより防ぐためには、活性層132全体、或いは活性層136全体が、完全に電極112或いは電極114と重なるようにするのが望ましい。」

図1~4は、以下のとおりのものである。

図3から、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜131及び導電膜135と、ゲート電極137を有するトランジスタ102のチャネル長方向と、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜130及び導電膜131と、ゲート電極134とを有するトランジスタ103のチャネル長方向とは、互いに異なる方向であることが見てとれる。

また、図3、4から、導電膜141と導電膜130は、重なりを有することが見てとれる。

[図:0001381587000001.jpg]

[図:0001381587000002.jpg]

[図:0001381587000003.jpg]

【図4】

[図:0001381587000004.jpg]

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「トランジスタ102と、トランジスタ103と、容量素子104とを有するメモリセルを有する記憶装置であって、
基板110上に形成された容量素子104は絶縁膜111に覆われており、絶縁膜111上にはトランジスタ102と、トランジスタ103とが形成されており、
容量素子104と、トランジスタ102及びトランジスタ103とは、絶縁膜111を間に挟んで重なっており、
容量素子104は、基板110上に形成された電極112と、電極112上の絶縁膜113と、絶縁膜113を間に挟んで電極112と重なる電極114とを有し、
導電膜130が、絶縁膜111に形成されたコンタクトホール138を介して、電極114に接しており、
トランジスタ103は、絶縁膜111上に、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜130及び導電膜131と、活性層132と重なるゲート電極134とを有し、
トランジスタ102は、絶縁膜111上に、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜131及び導電膜135と、活性層136と重なるゲート電極137とを有し、
トランジスタ102のチャネル長方向と、トランジスタ103のチャネル長方向とは、互いに異なる方向であり、
トランジスタ102及びトランジスタ103を覆うように、絶縁膜139が形成されており、絶縁膜139上には、絶縁膜139に形成されたコンタクトホール140を介してトランジスタ102のゲート電極137に接続された、遮光性を有する導電膜141が形成されており、導電膜141は、絶縁膜139及び絶縁膜133に形成されたコンタクトホール142を介して、導電膜130に接続されており、導電膜141と導電膜130は、重なりを有し、
電極112或いは電極114が、トランジスタ103の活性層132、トランジスタ102の活性層136と重なる位置に形成されている、記憶装置。」

2 引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【技術分野】
【0001】
電源を切っても記憶している論理状態が消えない不揮発性の記憶回路を用いた信号処理回路に関する。また、当該信号処理回路を用いた電子機器に関する。」
「【0039】
(実施の形態1)
信号処理回路の一態様について説明する。図1(A)は、信号処理回路の構成を模式的に示すブロック図である。信号処理回路2000は、デコーダ2001、制御回路2002、ALU2003、レジスタ2004、メモリ2005、電源回路2006を有する。
・・・
続きを表示(全22行)
【0041】
(不揮発性の記憶回路)
制御回路2002、レジスタ2004、及びメモリ2005は、図1(B)に示す不揮発性の記憶回路100を有する構成とすることができる。なお、ALU2003も、図1(B)に示す不揮発性の記憶回路100を有する構成とすることができる。図1(B)において、不揮発性の記憶回路100は、トランジスタ101と容量素子102とを有する。トランジスタ101のゲートは端子Wと電気的に接続され、ソース及びドレインの一方は端子Bと電気的に接続され、他方は容量素子102の一対の電極のうちの一方と電気的に接続される。容量素子102の一対の電極のうちの他方は端子Cと電気的に接続される。
・・・
【0069】
(メモリ2005の構成)
(メモリセルアレイの構成)
メモリ2005は、図1(B)に示した不揮発性の記憶回路100をマトリクス状に複数有するメモリセルアレイを含んだ構成とすることができる。例えば、当該メモリセルアレイとして図2(B)に示す構成とすることができる。図2(B)に示すメモリセルアレイ400は、m×n(mは自然数、nは自然数)個の不揮発性の記憶回路100(i,j)(iはm以下の自然数、jはn以下の自然数)を有する。不揮発性の記憶回路100(i,j)は、図1(B)に示した不揮発性の記憶回路100とすることができる。以下、不揮発性の記憶回路100(i,j)をメモリセルとも呼ぶ。
・・・
【0074】
(メモリセルアレイ以外の構成)
メモリ2005は、メモリセルアレイ400に加えて、行デコーダ、列デコーダ、プリチャージ回路、センスアンプ回路、及び一時記憶回路のいずれかまたは全てを有する構成とすることができる。なお、これらの回路のうちのいくつかをまとめて1つの回路とすることもできる。例えば、センスアンプ回路は、一時記憶回路の機能を有していてもよい。
・・・
【0076】
図2(A)に、メモリ2005の構成の一態様を模式的に示す。図2(A)において、メモリ2005は、メモリセルアレイ400と、列デコーダ403と、行デコーダ404と、プリチャージ回路402と、センスアンプ回路401とを有する。
・・・
【0078】
ここで、図2(A)は、メモリ2005の構成の一態様を模式的に示したものであって、各回路の配置の仕方はこれに限定されない。例えば、実際には、メモリセルアレイ400と重なるように、その他の回路(列デコーダ403、行デコーダ404、プリチャージ回路402、及びセンスアンプ回路401)を形成することができる。また、メモリセルアレイ400を分割し、分割されたメモリセルアレイを互いに重ねて配置する(多層化する)こともできる。こうして、メモリセルアレイ400の占有面積を低減しつつ、記憶容量を増大させることができる。」
「【0113】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施に形態1において示した信号処理回路2000のより具体的な構成について説明する。なお、説明では図1の符号も参照する。
【0114】
続きを表示(全11行)
図6(A)は、信号処理回路2000の断面図である。図6(A)中、左半分は、制御回路2002、ALU2003、レジスタ2004が形成された領域の断面図である。制御回路2002、ALU2003、レジスタ2004における、揮発性の記憶回路200と不揮発性の記憶回路100の組のうち、揮発性の記憶回路200が有するトランジスタ103aと、不揮発性の記憶回路100の有するトランジスタ101a(図1(B)や図1(D)におけるトランジスタ101に相当)及び容量素子102a(図1(B)や図1(D)における容量素子102に相当)を代表で示す。図6(A)中、右半分は、メモリ2005が形成された領域の断面図である。メモリ2005における、メモリセル(不揮発性の記憶回路100)の有するトランジスタ101b(図1(B)や図1(D)におけるトランジスタ101に相当)及び容量素子102b(図1(B)や図1(D)における容量素子102に相当)を代表で示す。なお、メモリ2005のメモリセルが有するトランジスタ101bの下層に、例えば重なるようにトランジスタ103bを設けることができる。図6(A)において、基板700上に、トランジスタ103a、トランジスタ103bが形成され、その上方に層間絶縁層を介してトランジスタ101a及びトランジスタ101bが形成され、更にその上方に容量素子102a及び容量素子102bが形成された構成となっている。
・・・
【0117】
なお、図6では、容量素子102aは、一対の電極のうちの一方301aと、誘電体層302aと、一対の電極のうちの他方303とを有する。容量素子102bは、一対の電極のうちの一方301bと、誘電体層302aと、一対の電極のうちの他方303とを有する。容量素子102aの誘電体層302a及び容量素子102bの誘電体層302aを、互いに分離することなく共通に設けている。また、容量素子102aの一対の電極のうちの他方303及び容量素子102bの一対の電極のうちの他方303を、互いに分離することなく共通に設けている。この場合には、分離することなく共通に設けられた導電層(容量素子102a及び容量素子102bの一対の電極のうちの他方303)を、信号処理回路2000の遮蔽層(例えば、電界遮蔽層等)や遮光層として用いることができる。例えば、信号処理回路2000を構成するトランジスタ等の素子(例えば、トランジスタ103a、トランジスタ103b、トランジスタ101a、トランジスタ101b)を覆うように当該導電層を設けることによって、外部の電界等が信号処理回路2000を構成する素子に与える影響を低減することができる。このように、容量素子102aの一対の電極のうちの他方303及び容量素子102bの一対の電極のうちの他方303を遮蔽層や遮光層として機能させることにより、作製工程を増加させることなく、信頼性の高い信号処理回路2000を提供することができる。
・・・
【0121】
図6では、トランジスタ103a及びトランジスタ103bの上方に、トランジスタ101a及びトランジスタ101bを有し、更に上方に容量素子102a及び容量素子102bを有する構成を示したがこれに限定されない。トランジスタ103a及びトランジスタ103bの上方に、トランジスタ101aやトランジスタ101bでなる層と、容量素子102aや容量素子102bでなる層とを、多層に設けてもよい。この構成例を図7に示す。図7では、トランジスタ103a及びトランジスタ103bの上方に、トランジスタ101aやトランジスタ101bでなる層と、容量素子102aや容量素子102bでなる層と、トランジスタ101cやトランジスタ101dでなる層と、容量素子102cや容量素子102dでなる層と、を設けている。ここで、図6(B)と異なり、容量素子102aの一対の電極のうちの他方と容量素子102bの一対の電極のうちの他方とは分離されている。これは、容量素子102a及び容量素子102bの更に上方に設けられた回路と、下層の回路との電気的接続を行うためである。図7では、容量素子102cの一対の電極のうちの他方と容量素子102dの一対の電極のうちの他方とは、分離されることなく共通に設けられ、信号処理回路2000の遮蔽層として機能させることができる。このように、トランジスタ103a及びトランジスタ103bの上方に、トランジスタ101aやトランジスタ101bでなる層と、容量素子102aや容量素子102bでなる層とを、多層に設ける構成では、最上層に設けられる容量素子102cの一対の電極のうちの他方と容量素子102dの一対の電極のうちの他方を、分離されることなく共通に設けて遮蔽層とすることができる。」

図1、2、6、7は、以下のとおりのものである。

[図:0001381587000005.jpg]

[図:0001381587000006.jpg]

[図:0001381587000007.jpg]

[図:0001381587000008.jpg]

したがって、引用文献2には,以下の技術的事項が記載されていると認められる。

「信号処理回路2000におけるメモリ2005であって、
基板200上に、トランジスタ103b、トランジスタ101b、第1の絶縁層、容量素子102b、第2の絶縁層、トランジスタ101d、第3の絶縁層、容量素子102dを順に積層されたメモリ2005。」

第5 対比・判断

1 対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

(1)引用発明における「トランジスタ102」、「トランジスタ103」、「容量素子104」、「絶縁膜111」、「絶縁膜139」、「電極112」と「電極114」、「ゲート電極137」、「ゲート電極134」、「記憶装置」は、それぞれ、本願発明1における「第1のトランジスタ」、「第2のトランジスタ」、「容量」、「第2の絶縁層」、「第1の絶縁層」、「容量の一対の電極」、「第1のトランジスタのゲート」、「第2のトランジスタのゲート」、「半導体装置」に相当する。

(2)引用発明において、「容量素子104は絶縁膜111に覆われており」、「『トランジスタ102』を『覆うように、絶縁膜139が、形成されており』」、「『トランジスタ103は、絶縁膜111上』に、『有』」するものであるから、本願発明1と引用発明とは、「第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの上方の第1の絶縁層と、容量と、前記容量の上方の第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の上方の第2のトランジスタ」を有する点で共通する。

(3)ア 引用発明において、「導電膜141は、絶縁膜139及び絶縁膜133に形成されたコンタクトホール142を介して、導電膜130に接続されており」、「導電膜141」は、絶縁膜139を貫通するといえるから、本願発明1の「第1の電極」に対応し、また、導電膜141と導電膜130は、電気的に接続されているといえる。

イ 引用発明において、「導電膜130は、絶縁膜111に形成されたコンタクトホール138を介して、電極114に接しており、導電膜141と導電膜130は、重なりを有」するから、「導電膜130」は、絶縁膜11を貫通するといえるから、本願発明1の「第2の電極」に対応する。

ウ さらに、引用発明において、導電膜141と導電膜130は、重なりを有」する。

したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記第1の絶縁層を貫通する第1の電極と、前記第2の絶縁層を貫通する第2の電極」とを有し、「前記第1の電極と前記第2の電極は、重なりを有し、電気的に接続されている」点で一致する。

(4)引用発明において、「『容量素子104』と、『トランジスタ103』とは、『絶縁膜111を間に挟んで重なっており』」、「『容量素子104』は、『電極112』と、『電極112と重なる電極114とを有し』」、「『トランジスタ103は、絶縁膜111上」に、『活性層132と重なるゲート電極134とを有し』、『トランジスタ102』は、『活性層136と重なるゲート電極137とを有し』」、「電極112或いは電極114が、トランジスタ103の活性層132、トランジスタ102の活性層136と重なる位置に形成されている」から、容量素子104の電極112、電極114は、トランジスタ102のゲート電極137と重なる領域と、絶縁膜111を介してトランジスタ103のゲート電極134と重なる領域と、を有するといえる。

したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記容量の一対の電極の一方は、前記第1のトランジスタのゲートと重なる領域と、前記第2の絶縁層を介して前記第2のトランジスタのゲートと重なる領域と、を有」する点で共通する。

(5)引用発明において、「第1のトランジスタ102のチャネル長方向と、第2のトランジスタ103のチャネル長方向とは、互いに異なる方向であ」るから、本願発明1と引用発明とは、「前記第1のトランジスタのチャネル長方向と、前記第2のトランジスタのチャネル長方向とは、互いに異なる方向であ」る点で一致する。

(6)したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

<一致点>

「第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの上方の第1の絶縁層と、
容量と、
前記容量の上方の第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上方の第2のトランジスタと、
前記第1の絶縁層を貫通する第1の電極と、
前記第2の絶縁層を貫通する第2の電極と、を有し、
前記容量の一対の電極の一方は、前記第1のトランジスタのゲートと重なる領域と、前記第2の絶縁層を介して前記第2のトランジスタのゲートと重なる領域と、を有し、
前記第1のトランジスタのチャネル長方向と、前記第2のトランジスタのチャネル長方向とは、互いに異なる方向であり、
前記第1の電極と前記第2の電極は、重なりを有し電気的に接続されている、半導体装置。」

<相違点>

<相違点1>

容量について、本願発明1は、「前記第1の絶縁層の上方の容量」という構成を備えるのに対し、引用発明の容量素子104は、「基板110上に形成された容量素子104」であり、絶縁膜139(第1の絶縁層)の上方の容量ではない点。

<相違点2>

「第2の絶縁層」が、本願発明1では、「前記容量の上方の第2の絶縁層」であるのに対し、引用発明の絶縁膜111は、「(絶縁膜139(前記第1の絶縁層)の上方の)容量」の上方の絶縁層ではない点。

<相違点3>

「第2のトランジスタ」が、本願発明1では、「前記第2の絶縁層の上方の第2のトランジスタ」であるのに対し、引用発明のトランジスタ103は、「(絶縁膜139(前記第1の絶縁層)の上方の容量の上方の)第2の絶縁層」の上方のトランジスタではない点。

<相違点4>

「第2の電極」が、本願発明1では、「前記第2の絶縁層を貫通する第2の電極」であるのに対し、引用発明の導電膜130は、「(絶縁膜139(前記第1の絶縁層)の上方の容量の上方の)第2の絶縁層」を貫通する電極ではない点。

<相違点5>

「前記容量の一対の電極の一方」が、「前記第1のトランジスタのゲートと重なる領域」が、本願発明1では、「前記第1の絶縁層を介して」ゲートと重なる領域であるのに対し、引用発明では、容量素子104の電極112、電極114は、絶縁膜139(前記第1の絶縁層)を介さずゲート137(前記第1のトランジスタのゲート)と重なるものである点。

<相違点6>

「前記容量の一対の電極の一方」が、本願発明1では、「前記第2の絶縁層を介して前記第2のトランジスタのゲートと重なる領域」を有するのに対し、引用発明では、容量素子104の電極112、電極114は、「『(絶縁膜139(前記第1の絶縁層)の上方の容量の上方の)第2の絶縁層』を介して『(絶縁膜139(前記第1の絶縁層)の上方の容量の上方の第2の絶縁層の上方の)第2のトランジスタ』のゲートと重なる領域」を有するものではない点。

<相違点7>

本願発明1では、「前記第1のトランジスタのチャネル長方向と、前記第2のトランジスタのチャネル長方向とは、互いに異なる方向」であるのに対し、引用発明では、トランジスタ102(前記第1のトランジスタ)のチャネル長方向と、「『(絶縁膜139(前記第1の絶縁層)の上方の容量の上方の第2の絶縁層の上方の)」トランジスタ』のチャネル長方向」とは、互いに異なる方向であるものではない点。

<相違点8>

本願発明1では、「前記第1の電極と前記第2の電極は、重なりを有し電気的に接続されている」のに対し、引用発明では、導電膜141(前記第1の電極)と「『(絶縁膜139(前記第1の絶縁層)の上方の容量の上方の)第2の絶縁層』を貫通する電極」は、重なりを有し電気的に接続されているものではない点。

(2)相違点についての判断

上記相違点1~8は関連しているので、まとめて検討する。

引用発明は、「基板110上に形成された容量素子104は絶縁膜111に覆われており、絶縁膜111上にはトランジスタ102と、トランジスタ103とが形成されており、容量素子104と、トランジスタ102及びトランジスタ103とは、絶縁膜111を間に挟んで重なっており、容量素子104と、トランジスタ102及びトランジスタ103とは、絶縁膜111を間に挟んで重なっており、容量素子104は、基板110上に形成された電極112と、電極112上の絶縁膜113と、絶縁膜113を間に挟んで電極112と重なる電極114とを有し、導電膜130が、絶縁膜111に形成されたコンタクトホール138を介して、電極114に接しており」、「トランジスタ102及びトランジスタ103を覆うように、絶縁膜139が形成されており」、「電極112或いは電極114が、トランジスタ103の活性層132、トランジスタ102の活性層136と重なる位置に形成されている」ものであるから、

引用発明において、

(ア)容量素子104を絶縁膜139の上方のものとし、

(イ)該容量素子の上方の絶縁層を形成し、

(ウ)トランジスタ103を該絶縁層の上方のものとし、

(エ)トランジスタ103の活性層132、トランジスタ102の活性層136と重なる位置に形成されている電極114に接している導電膜130を、該絶縁層を貫通する電極とし、

(オ)容量素子104の電極112、電極114を、絶縁膜139を介してゲート137と重なる領域と、該絶縁層を介してゲート134と重なる領域を有するものとし、

(カ)トランジスタ102のチャネル長方向と、該トランジスタ103のチャネル長方向とが、互いに異なる方向であるものとし、

(キ)導電膜141と該導電膜130が、重なりを有し電気的に接続されているものとすることは、当業者には動機付けもない。

特に、上記(エ)とすることは、引用発明における、容量素子の電極114から導電膜130、導電膜141への接続構成を、電極114は、容量素子の上方の上記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して、導電膜130と接続されたものとし、導電膜141は、「絶縁膜139及び絶縁膜133に形成されたコンタクトホール142」を介して、当該導電膜130に接続されたものとすることであるので、当業者にとって設計的事項であるとはいえない。

更に、引用発明と引用文献2に記載された技術的事項との組合せについて検討すると、上記第4(2)のとおり、引用文献2には、「信号処理回路2000におけるメモリ2005であって、基板200上に、トランジスタ103b、トランジスタ101b、第1の絶縁層、容量素子102b、第2の絶縁層、トランジスタ101d、第3の絶縁層、容量素子102dを順に積層されたメモリ2005。」という技術的事項は、本願優先日前に公知であったものの、引用文献2には、容量の上方の絶縁層であって、その上方にトランジスタを有する当該絶縁層を貫通する電極を有するとの技術的事項、すなわち、上記相違点4に係る本願発明1の構成は開示されていない。

そうすると、引用発明に引用文献2に記載された技術的事項を適用しても、上記相違点4に係る本願発明1の構成にはならない。

したがって、引用発明において、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、相違点1~8に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるとはいえない。

よって、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について

1 理由1(特許法第29条第2項)について

本願発明1は、「前記第1の絶縁層の上方の容量と、前記容量の上方の第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の上方の第2のトランジスタ」と、「前記第2の絶縁層を貫通する第2の電極」と、「を有し」、「前記容量の一対の電極の一方は、前記第1の絶縁層を介して前記第1のトランジスタのゲートと重なる領域と、前記第2の絶縁層を介して前記第2のトランジスタのゲートと重なる領域と、を有し、前記第1のトランジスタのチャネル長方向と、前記第2のトランジスタのチャネル長方向とは、互いに異なる方向であり、前記第1の電極と前記第2の電極は、重なりを有し電気的に接続されている」という事項を有するものであり、拒絶査定において引用された引用文献1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由1を維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-008651

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