2021-006675
電気圧力鍋
- 審判番号
- 2021-006675
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2020-014644外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年05月07日
- 審決日
- 2021年08月24日
- 公報発行日
- 2021年11月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ワンダーシェフ
- 分類
- D18 .113-WY (C5-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
本願は,令和2年(2020年)6月16日の意匠登録出願であって,同年11月27日付けの拒絶理由の通知に対し,同年12月14日に意見書が提出されたが,令和3年3月31日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年5月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「電気圧力鍋」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を「形態」ともいう。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって,「実線で表した部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」(以下「本願部分」という。)としたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は,本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当し,意匠登録を受けることができないとしたものであって,当該拒絶の理由に引用された意匠は,下記のとおりである(別紙第2参照)。
「【引用意匠】電気通信回線の種類 インターネット掲載確認日(公知日) 2016年11月26日受入日 特許庁意匠課受入2016年12月22日続きを表示(全11行)掲載者 Amazon.com,Inc.表題 Amazon.com:Gracelvoe Stainless 7-in-1 Multi-Functional Programmable I掲載ページのアドレスhttps://www.amazon.com/Gracelvoe-Stainless-Multi-Functional-Programmable-Pressure/dp/B01LWSF09W/ref=zg_bsnr_289825_13?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=GJNEVQ4NE6MYGENMN9RHに掲載された『電気なべ』の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HJ28051829号)の本願意匠が意匠登録を受けようとする部分に相当する部分の意匠」
なお,本審決においては,以下,上記電気なべの意匠を「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。また,引用意匠の本願部分に相当する部分を「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」という。
第4 当審の判断
1 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「電気圧力鍋」であるのに対して,引用意匠の意匠に係る物品は「電気なべ」である。
(2)両部分の用途及び機能
本願部分は,電気圧力鍋における表示部及び操作ボタンを配した操作盤部分(参考斜視図における銘板表示部のこと。)であり,電気圧力鍋の操作盤としての用途及び機能を有するものであるのに対して,引用部分は,電気なべにおける表示部及び操作ボタンを配した操作盤部分であり,電気なべの操作盤としての用途及び機能を有するものである。
(3)両部分の位置,大きさ及び範囲
両部分共に,本体(蓋部を除く。以下同様。)の周側面上辺に寄せて配した操作盤の全範囲とするものであり,縦幅で本体の高さの約4分の3を占める大きさとしたものである。
(4)両部分の形態
(4-1)共通点
(A)全体の基本的な構成について
(B)操作盤の形態について
(C)表示部について
(D)左右両側の操作ボタン群について
(E)下側の操作ボタン群について
(4-2)相違点
(B)操作盤の形態について
なお,引用部分については,前記第3に記載したインターネット情報に掲載されている,引用意匠の操作盤部分だけを正面から撮った写真も参照して認定した(別紙第2参照)。
(C)表示部について
(D)左右両側の操作ボタン群について
(E)下側の操作ボタン群について
相違点9:本願部分は,右の操作ボタンを左右両側の操作ボタン群の操作ボタンと同じ大きさの円形とし,左と中央の操作ボタンをそれよりも小さい円形としたものであって,左右非対称に配したものであるのに対して,引用部分は,中央の操作ボタンを左右両側の操作ボタン群の操作ボタンと同じボタンとし,左と右の操作ボタンをそれよりも小さい円形としたものであって,左右対称に配したものである。
(F)その他について
2 両意匠の類否
(1)意匠に係る物品について
本願意匠の意匠に係る物品は「電気圧力鍋」であるのに対して,引用意匠の意匠に係る物品は「電気なべ」であるが,どちらも電気鍋であることに変わりないから,両意匠の意匠に係る物品は,類似する。
(2)両部分の用途及び機能について
両部分共に,物品として類似する電気圧力鍋と電気なべにおける,表示部及び操作ボタンを配した操作盤としての用途及び機能を有するものであるから,両部分の用途及び機能は,共通する。
(3)両部分の位置,大きさ及び範囲について
両部分共に,本体の周側面上辺に寄せて配した操作盤の全範囲とするものであり,縦幅で本体の高さの約4分の3を占める大きさとしたものであるから,両部分の位置,大きさ及び範囲は,共通する。
(4)両部分の形態について
(4-1)共通点の評価
共通点1は,両部分全体の基本的な構成態様に係るものであるが,この種物品においては,よく見られる態様であるから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,一定程度にとどまる
共通点2ないし4は,操作盤の全体の形状に係るものであるが,両部分にのみ見られる特徴といえるものではないし,具体的に見れば相違点1ないし5を内包するものであるから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,一定程度にとどまる。
共通点5は,表示部の形状としてありふれたものであるし,具体的に見れば相違点6を内包するものであるから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
共通点6及び共通点7は,左右両側の操作ボタン群に係るもので,両部分にのみ見られる特徴といえるものではないし,具体的に見れば相違点7及び相違点8を内包するものであるから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,一定程度にとどまる。
共通点8は,下側の操作ボタン群に係るもので,具体的に見れば相違点9及び相違点10を内包するものであるから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
(4-2)相違点の評価
相違点1ないし5は,操作盤の形態に係るものであるが,引用部分においては,正面視で,左右両辺側及び下辺側の傾斜面が太幅(相違点2)で,下側の左右両角の丸みの半径が大きい(相違点4)ことから,堅牢な印象をもたらすと共に,操作盤の正面視形状が縦長(相違点1)で,上辺側の面が水平(相違点3)で正面から見えないことが加わって,傾斜面がU字状に見えるものであるところ,本願部分においては,視覚的にそのような印象をもたらさないから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点6は,表示部内の形態に係るもので,本願部分はありふれたものであるが,引用部分は本願部分とは全く異なるものであり,操作性にも影響するから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,一定程度認められる。
相違点7及び相違点8は,左右両側の操作ボタン群に係るものであり,相違点7については,各操作のたびに目が行く箇所であるところ,本願部分の各操作ボタンの形状はありふれたものであるが,引用部分の各操作ボタンの形状とは全く異なるものであるから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,大きいものであり,相違点8については,部分的な相違ではあるものの,印象を異にするものであるから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,一定程度認められる。
相違点9及び相違点10は,比較的見えづらい場所にある下側の操作ボタン群に係る相違であるが,当該部分について全く異なる印象を与えるから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点11は,部分的な相違であるが,操作性に係るものであるから,両部分の形態の類否判断に及ぼす影響は,一定程度認められる。
(4-3)形態の類否
両意匠の形態の共通点及び相違点の評価は上記のとおりであって,相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,共通点のそれを凌駕するものといえるから,両意匠の形態は類似しない。
(5)小括
そうすると,両意匠は,意匠に係る物品は類似し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通するものの,形態は類似しないから,本願意匠は,引用意匠に類似するものではない。
5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとして,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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