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特許拒絶査定不服審判

2021-006012

プログラム、情報処理方法、端末

審判番号
2021-006012
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-545519外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年05月11日
審決日
2022年02月16日
公報発行日
2022年08月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-545519「プログラム、情報処理方法、端末」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 4月 4日国際公開、WO2019/064464、請求項の数(20)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年9月28日を国際出願日とする出願であって、令和2年5月19日に手続補正がなされ、同年8月28日付けで拒絶理由が通知され、同年11月13日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年2月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 その後、当審において、令和3年7月26日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由1」という。)が通知され、これに対し、同年8月26日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月27日付けで最後の拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)が通知され、同年11月26日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月15日付けで最後の拒絶理由(以下「当審拒絶理由3」という。)が通知され、同年12月24日に意見書及び手続補正書が提出された。 第2 原査定及び当審拒絶理由の概要 1 原査定(令和3年2月8日付け拒絶査定)の概要は以下のとおりである。 この出願は、特許請求の範囲1~20の記載が下記の点で、特許法第36条第6項2号に規定する要件を満たしていない。 記 ・請求項1~20 補正後の請求項1には、端末において所定のデータを送受信又は表示する程度のことが漠然と記載されているのみで、これらデータが実質的にどのような関係性を有し、具体的にどのような演算又は加工を実現することで生成されたものであるのかが依然として不明であり、出願時の技術常識を考慮しても、当該請求項1の記載から発明を明確に把握することができない。なお、令和2年11月13日付け手続補正書における補正は、補正前の請求項1に対して、「前記第2画像は、前記通信部による前記第1情報の送信に基づき前記端末の制御部によって取得され、前記第1画像から変更されて前記表示部に表示される」等を追加して、補正後の請求項1とする補正事項を含むものであるが、「第1情報」の送信に基づき、具体的にどのような情報処理を行うことで「第2画像」を取得し、第1画像から変更されて表示されるのかが明らかでなく、また、送信先も不明な「第1情報」を送信することが「第2画像」を取得することとどのような技術的関係性を有しているのかも明らかでないから、上記補正事項を参酌しても、請求項1の記載から発明を明確に把握することができない。 請求項2-20についても同様である。 よって、請求項1-20に係る発明は、依然として明確でない。 2 当審拒絶理由1(令和3年7月26日付け拒絶理由)の概要は以下のとおりである。 理由1(明確性) この出願は、特許請求の範囲1~20の記載が下記の点で、特許法第36条第6項2号に規定する要件を満たしていない。 記 ・請求項1~20 (1)請求項1の「前記第2画像は、前記通信部による前記第1情報の送信に基づき前記端末の制御部によって取得され、前記第1画像から変更されて前記表示部に表示される」ことと、請求項1の「前記第1アカウントから送信された第1メッセージを前記端末の通信部によって受信することと、前記第1メッセージと、前記第1アカウントに関連付けられた第1画像とを前記第1メッセージの受信に基づき前記端末の表示部に表示することと、前記端末によって入力された、前記第1アカウントのユーザに関する第1情報を前記通信部によって送信することと、前記通信部による前記第1情報の送信の後、前記第1アカウントから送信された、前記第1メッセージとは異なる第2メッセージを前記通信部によって受信することと、前記第2メッセージと、前記第1アカウントに関連付けられた、前記第1画像とは異なる第2画像とを前記第2メッセージの受信に基づき前記表示部に表示することとが前記端末によって実行され」という順序で記載された表示との関係が明確でない。すなわち、表示部において、第2画像は、第1画像に置き換えられて表示されるのか、第1画像は表示されたままで、第2画像も表示するのか、明確でない。 請求項1を引用する請求項2~18についても同様に明確でなく、請求項19及び20における請求項1と同様の記載についても明確でない。 (2)請求項12が請求項9~11にいずれか一項を引用する場合、請求項12の「前記端末」とは、請求項1に記載された「ユーザの端末」なのか、請求項9に記載された「前記端末とは異なる端末」なのか、請求項10に記載された「オペレータの端末」であるのか(請求項10又は11を引用する場合)、不明である。 請求項12を直接又は間接に引用する請求項13~18についても同様に明確でない。 理由2(進歩性) この出願の請求項1~20に係る発明は、以下の引用文献1~6に基づいて、その発明の技術分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1.“画像認識が可能なチャットボット「Minervae ViBOT(ミネルヴァ ヴィボット)」をサービス開始予定”,[online],2017年8月9日,株式会社クレスコ,[2021年7月15日検索],インターネット<URL:https://www.cresco.co.jp/news/2017/08/09/minervae-vibot-prior.html> 引用文献2.ECzine編集部[著],“LOHACO、チャットボット「マナミさん」をLINE上で試験運用 有人対応と組み合わせ”,[online],2016年11月22日,[2021年7月15日検索],インターネット<URL:https://eczine.jp/news/detail/3881> 引用文献3.“ユーザーローカル、AIで顧客サポート業務を自動化 サポートチャットボット”,[online],2017年2月3日,株式会社ユーザーローカル,[2021年7月15日検索],インターネット<URL:https://www.userlocal.jp/news/201702031> 引用文献4.“【LINE】LINEを活用した法人向けカスタマーサポートサービス「LINE カスタマーコネクト」を正式販売開始”,[online],2017年4月11日,LINE,[2021年7月15日検索],インターネット<URL:https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1716> 引用文献5.“ビジネスチャット 「InCircle」に新サービスが登場!無料トライアル期間を 14 日間から 30 日間へ延長14 日間試せる、新バージョン「プチトライアル」も登場”,[online],2016年7月8日,AOSモバイル株式会社,[2021年7月15日検索],インターネット<URL:https://www.aostech.co.jp/wp-content/uploads/20160708_InCircle_renew_trial.pdf> 引用文献6.MarkeZine編集部[編] / マチコマキ[著] / 関口 達朗[写],“重要なのはキャラ設定!? KDDIエボルバが語る、LINE カスタマーコネクト導入のすすめ”,[online],2017年8月9日,[2021年7月15日検索],インターネット<URL:https://markezine.jp/article/detail/26800> 3 当審拒絶理由2(令和3年9月27日付けの最後の拒絶理由)の概要は以下のとおりである。 理由1(明確性) この出願は、特許請求の範囲1~21の記載が下記の点で、特許法第36条第6項2号に規定する要件を満たしていない。 記 ・請求項1~21 (1)請求項1に記載された「第1アカウントに関連付けられた第1画像」及び「第1アカウントに関連付けられた、前記第1画像とは異なる第2画像」と「前記第1アカウントは、前記第1アカウントのプロフィール情報に第3画像が設定され」という記載における「第3画像」との関係が不明である。すなわち、「第1アカウントのプロフィール情報に第3画像が設定され」ているということは、「第3画像」は、「第1アカウントに関連付けられた」「画像」であるといえるから、「第1アカウントに関連付けられた」ことと、「第1アカウントのプロフィール情報に」「設定され」ていることとが、技術的にどのように異なるのか明確でなく、「第1画像」や「第2画像」とは、「第1アカウントのプロフィール情報」に設定された画像であるのか、他の画像であるのか不明である。 明細書の特に、【0071】、【0073】の記載によると、請求項1に記載された「第1画像」、「第2画像」は、プロフィール情報に設定された画像、すなわち、「第3画像」と同じものであることを排除するものではなく、「第1画像」及び「第2画像」と、「第3画像」との関係、第1メッセージと第1画像の表示、第2メッセージと第2画像の表示をどのように行うのか、また、第1画像の表示、第2画像の表示が、プロフィール情報に設定された第3画像の表示とどのように異なるのかが明確でない。 よって、請求項1の記載は明確でない。 請求項1を引用する請求項2~19についても同様の点が明確でなく、請求項20及び21における請求項1と同様の記載についても明確でない。 (2)請求項1に補正により追加された「前記第1アカウントは、前記第1アカウントのプロフィール情報に第3画像が設定され、」「前記プロフィール情報に設定された前記第3画像が変更されることなく、」との記載について、請求項1は、「第1アカウントとは異なる第2アカウントのユーザの端末によって実行されるプログラム」に関する発明であるが、当該プログラムが、「第1アカウントのプロフィール情報に第3画像を設定」するという、プログラムが一連の処理として実行する処理を特定したものではなく、当該プログラムが実行する処理とは関係ない「第1アカウントのプロフィール情報に第3画像が設定され」ているという状態を示したものであり、また、「前記プロフィール情報に設定された前記第3画像が変更されることなく」という記載も、当該プログラムが実行する処理を特定したものではないから、請求項1における「前記第1アカウントは、前記第1アカウントのプロフィール情報に第3画像が設定され、」「前記プロフィール情報に設定された前記第3画像が変更されることなく、」との記載は、「第1アカウントとは異なる第2アカウントのユーザの端末によって実行されるプログラム」が実行する処理として明確でない。 また、「プロフィール情報」が設定されるのは「サーバ」であるから(【0070】、【0073】)、「前記第1アカウントは、前記第1アカウントのプロフィール情報に第3画像が設定され」るのは、「サーバ」であって、「第1アカウントとは異なる第2アカウントのユーザの端末」ではなく、「前記第1アカウントは、前記第1アカウントのプロフィール情報に第3画像が設定され、」「前記プロフィール情報に設定された前記第3画像が変更されることなく、」が、「第1アカウントとは異なる第2アカウントのユーザの端末」におけるプログラムが実行する処理とどのように関係するのか明確でない。 よって、請求項1の記載は明確でない。 請求項1を引用する請求項2~19についても同様の点が明確でなく、請求項20及び21における請求項1と同様の記載についても明確でない。 ・請求項17~19 請求項17が請求項9~11のいずれか一項を間接的に引用する場合、請求項17の「前記端末」とは、請求項1に記載された「ユーザの端末」なのか、請求項9に記載された「前記端末とは異なる端末」なのか、請求項10に記載された「オペレータの端末」であるのか(請求項10を間接的に引用する場合)、不明である。 よって、請求項17の記載は明確でない。 請求項18が請求項17を引用する場合における、請求項18及び19についても同様に明確でない。 4 当審拒絶理由3(令和3年12月15日付けの最後の拒絶理由)の概要は以下のとおりである。 理由1(サポート要件) この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項1号に規定する要件を満たしていない。 記 ・請求項12~19 令和3年11月26日に提出された手続補正書による補正後の請求項12に記載された発明は、 「請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のプログラムであって、 前記第1画像は、前記端末によって、前記第1アカウントと関連付けられ、 前記第2画像は、前記端末によって、前記第1アカウントと関連付けられる。」を特定事項としている。 そして、請求項12は、請求項1を引用しているから、請求項12に係る発明は、請求項1に記載された「第1アカウントに関連付けられた第1画像」、「第1アカウントに関連付けられた第2画像」における関連付けを、「第2アカウントのユーザの端末」によって、行うことを特定するものである。 発明の詳細な説明の段落【0070】の記載によると、アイコンがサーバの記憶装置に保持されること、すなわち、「第1画像」及び「第2画像」は「第1アカウントと関連付けされ」ていることは明らかであるが、アイコンが、ユーザが所有する端末20によってアカウントに関連付けられること、すなわち、「前記第1画像は、前記端末によって、前記第1アカウントと関連付けられ、前記第2画像は、前記端末によって、前記第1アカウントと関連付けられる」ことは記載されていない。 発明の詳細な説明の段落【0087】~【0092】の記載によると、「端末20」の動作として、端末20のユーザ自身が使用可能なアカウントにおけるアイコンの切替、すなわち、自身の第2アカウントのアイコンを変更することは記載されているが、「自身が使用可能なアカウントにおけるアイコン」と記載されているように、ユーザのアカウントと使用可能なアカウントとは既に関連付けられたものであり、関連付けを行うことは記載されていないし、端末20のユーザの自身のアカウントではない「第1アカウント」と「第1画像」、「第1アカウント」と「第2画像」とを関連付けることや変更することは記載されていない。 また、発明の詳細な説明の段落【0093】~【0098】の記載によると、トークルームにおいて、自動応答するボットと、端末20のユーザとがメッセージのやり取りをしている状態において、端末20のユーザが、ユーザの切替の要求を行う入力を行うと、端末20からはサーバ10に対してユーザの切替要求を含むメッセージが送信され、サーバ10は、ユーザの切替要求を受けて、ユーザ「ボット」が対応するアカウントのユーザを、実際のサービスを提供する人間であるオペレータに変更すること、すなわち、サーバが、第1アカウントに対応するユーザを変更し、第1アカウントのアイコンを第1画像(ボット)から第2画像(オペレータの画像)に変更することは記載されているが、第1アカウントと第1画像、第1アカウントと第2画像は、段落【0070】、図3(b)に記載されているように、既に関連付けられたものであり、第2アカウントのユーザの端末が、「第1アカウント」と「第1画像」、「第1アカウント」と「第2画像」とを関連づけることや変更することは記載されていない。 そして、発明の詳細な説明の他の個所にも、第2アカウントの端末が、「第1アカウント」と「第1画像」、「第1アカウント」と「第2画像」とを関連づけることは記載されていない。 よって、請求項12に係る発明及び請求項12を引用する請求項13~19に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。 理由2(明確性)について ・請求項12~19 令和3年11月26日に提出された手続補正書による補正後の請求項12に係る発明は以下の点で明確でない。 「前記第1画像は、前記端末によって、前記第1アカウントと関連付けられ、前記第2画像は、前記端末によって、前記第1アカウントと関連付けられる」と記載されているが、明細書及び図面の記載によると、「第1画像」及び「第2画像」は「第1アカウント」側で管理されるものであり、技術常識から考えて、自身のアカウントについてアイコンとの関連付けを行うことは通常可能であるが、自身のアカウント以外の他のユーザのアカウントについて、アイコンとの関連付けを行うことはできないから、当該「第1画像」及び「第2画像」を管理する側でない第三者側のユーザの「前記端末」が「第1画像」と「第2画像」を「第1アカウント」と関連付けるとの技術的な意味が明確でない。 よって、請求項12に係る発明及び請求項12を引用する請求項13~19に係る発明は明確でない。 第3 本願発明 1 本願の請求項1~20に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明20」という。)は、令和3年12月24日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~20に記載された事項により特定される発明であり、そのうち「本願発明1」は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 第1アカウントから送信されたメッセージを受信する、前記第1アカウントとは異なる第2アカウントのユーザの端末によって実行されるプログラムであって、 前記第1アカウントから送信された第1メッセージを前記端末の通信部によって受信することと、 前記第1メッセージと、前記第1アカウントに関連付けられた第1画像とを前記第1メッセージの受信に基づき前記端末の表示部に表示することと、 前記端末によって入力された、前記第1アカウントのユーザに関する第1情報を前記通信部によって送信することと、 前記通信部による前記第1情報の送信の後、前記第1アカウントから送信された、前記第1メッセージとは異なる第2メッセージを前記通信部によって受信することと、 前記第2メッセージと、前記第1アカウントに関連付けられた、前記第1画像とは異なる第2画像とを前記第2メッセージの受信に基づき前記表示部に表示することとが前記端末によって実行され、 前記第1アカウントのプロフィール情報は、第3画像を含み、 前記第2画像は、前記通信部による前記第1情報の送信に基づき前記端末の制御部によって取得され、前記表示部に表示される前記プロフィール情報に含まれる前記第3画像が変更されることなく、前記通信部による前記第2メッセージの受信に基づき、前記表示部に表示される。」 なお、本願発明2~20の概要は、以下のとおりである。 本願発明2~18は、本願発明1を減縮した発明である。 本願発明19は、本願発明1のプログラムの発明に対応する情報処理方法の発明であり、本願発明1とはカテゴリ表現が異なるのみの発明である。 本願発明20は、本願発明1のプログラムの発明に対応するユーザの端末の発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1 引用文献1について (1)引用文献1の記載事項 当審拒絶理由1で引用した引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審で付したものである)。 ア 『2017年08月09日 画像認識が可能なチャットボット「Minervae ViBOT(ミネルヴァ ヴィボット)」をサービス開始予定』 イ 『AIの活用ノウハウを提供するサービスブランド「Minervae(ミネルヴァ)」のシリーズ第2弾として、画像認識が可能なチャットボット「Minervae ViBOT(ミネルヴァ ヴィボット)」を9月にサービス開始予定です。 チャットを用いたサポート対応に、写真を使ったコミュニケーション手段を追加することで、言葉だけでは伝わりにくい情報を正しく、素早く伝える事が可能となります。また、AIによる自動応答だけでなく、オペレーターによる手動応答への切り替えにも対応しています。』 ウ 「 [図:0001386918000001.jpg] ※画像は写真を使ったチャットのイメージで、実際のサービスのチャット画面とは異なります。」 エ 「自動応答機能 ・ユーザーからの問い合わせに対して、ボットによる自動応答機能を提供します。 ・AIによる自然言語認識、画像認識が可能です。 手動応答機能 ・ユーザーからの問い合わせに対して、オペレーターによる手動応答機能を提供します。 ・オペレータとユーザーの1対1の手動応答が可能です。 ・ユーザーからの問い合わせを自動判別し、担当するオペレーターへメール通知も行えます。 チャット画面 ユーザーが使用するチャット画面を提供します。LINEなど、SNS連携も可能です。 AI学習データ作成補助、アップロード機能 AI学習データ作成とシナリオ作成の補助、AIへのアップロードツールを提供します。」 オ 「・問い合わせ窓口をもつ全ての企業で活用できます。 ・迅速かつ一定品質な自動応答を実現する事で、顧客満足度を向上出来ます。 ・よくある問い合わせを自己解決させることで、問い合わせ件数を減らします。 ・言語だけでなく画像を用いることで、より詳細な対応が可能となります。 ・使い慣れたSNSの採用により、利用者の負荷を軽減します。 ・必要な学習データや会話シナリオの作成を、AI導入実績豊富な技術者が支援するオプションも準備しています。」 (2)引用文献1に記載された発明 上記(1)の摘記事項ア~オから、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 なお、引用文献1では、文章では「オペレーター」と記載され、画像では「オペレータ」と記載されているが、すべて「オペレータ」に統一して引用発明を認定した。 <引用発明> 『チャットボット「Minervae ViBOT(ミネルヴァ ヴィボット)」であって、 チャットを用いたサポート対応が行われ、 AIによる自動応答だけでなく、オペレータによる手動応答への切り替えにも対応し、 ユーザーからの問い合わせに対して、ボットによる自動応答機能を提供し、 当該自動応答機能では、AIによる自然言語認識、画像認識が可能であり、 ユーザーからの問い合わせに対して、オペレータによる手動応答機能を提供し、 ユーザーが使用するチャット画面を提供し、LINEなど、SNS連携も可能であり、 チャット画面において、ボットからの『「メガネ」の修理依頼でしょうか?』との質問が送信されて表示されると、ユーザーが「はい」と答えた回答が送信されて画面に表示され、その後ボットからの「メーカ名を教えてください。もしくは写真を送ってください。」との再質問が送信されて表示されると、ユーザーがメガネの写真を送信してその写真が表示され、その後オペレータから「オペレータの峰瑠馬です。長くご愛用頂きありがとうございます。手続きについてご説明しますね。」というメッセージが送信されて表示され、ボットの質問が表示される際には、同時にボットを示す画像が表示され、オペレータのメッセージが表示される際には、同時にオペレータを示す画像が表示される、 チャットボット「Minervae ViBOT(ミネルヴァ ヴィボット)」。』 2 引用文献2について (1)引用文献2に記載された事項 当審拒絶理由1で引用した引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付したものである。)。 ア 『LOHACO、チャットボット「マナミさん」をLINE上で試験運用 有人対応と組み合わせ ECzine編集部[著] 2016/11/22 07:00』 イ 『「LINE Customer Connect」は、アプリ「LINE」を活用した法人向けカスタマーサポートサービス。企業は、LINEが提携するサードパーティの有人チャットシステムやAI(人工知能)などを任意で組み合わせて導入し、自社のウェブサイト・LINEアカウント・電話へのユーザーからの問い合わせに対し、LINEアカウント上で対応が可能になる。2017年春を目処に本格提供開始を予定し、試験運用を実施している。 外部企業による初の導入案件として、アスクルが運営する「LOHACO(ロハコ)」が採用。LINE上でAIエンジンと有人チャットを組み合わせた顧客応対の試験運用を開始する。 アスクルでは、2014年9月から、テキストベースのチャット形式でユーザーからの問い合わせに回答する人工知能型チャットボット「マナミさん」を導入していた。今回、「LOHACOマナミさん」としてLINEアカウント上に実装される。 技術面では、KDDIエボルバの協力のもと、PKSHA Technology、モビルスの技術を活用して行う。』 ウ 「 [図:0001386918000002.jpg] LOHACOマナミさんとのやりとり開始の様子」 エ 「 [図:0001386918000003.jpg] AI対応の例」 オ 『「LOHACOマナミさん」では、PKSHA Technologyが提供する汎用型対話エンジン「BEDORE」の自然言語処理機能や深層学習(ディープラーニング)機能を活用し、ユーザーからの問い合わせに対して自動で最適な回答を行う。 また、AIエンジンによる自動応対では適切な回答が難しい場合でも、モビルスの提供する有人チャット対応ツール「モビエージェント」に連携し、スタッフによる有人チャットにシームレスに引継ぐことができるため、LINE上で応対を完結することが可能となる。』 カ 「 [図:0001386918000004.jpg] 有人対応への切り替え」 (2)引用文献2記載の技術的事項 上記(1)ア~カによれば、引用文献2には、次の技術的事項が記載されているといえる。 <引用文献2記載の技術的事項> 『アスクルは、人工知能型チャットボット「マナミさん」を「LOHACOマナミさん」としてLINEアカウント上に実装し、LINE上でAIエンジンと有人チャットを組み合わせた顧客応対の試験運用を開始し、AIエンジンによる自動応対では適切な回答が難しい場合、モビルスの提供する有人チャット対応ツール「モビエージェント」に連携し、スタッフによる有人チャットにシームレスに引継ぐことができるため、LINE上で応対を完結することが可能となり、AIである「LOHACOマナミさん」が解決できない問題に対して、「私ではお答えできない内容の可能性があります。先輩オペレータに代わってもよろしいですか?」とのメッセージと「はい」及び「いいえ」の選択肢を表示し、ユーザが「はい」と答えると、オペレータを呼び出して、有人対応への切り替えを行うこと。』 3 引用文献3について (1)引用文献3に記載された事項 当審拒絶理由1で引用した引用文献3には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付したものである。)。 ア 「ユーザーローカル、AIで顧客サポート業務を自動化 サポートチャットボット 2017年2月3日」 イ 『株式会社ユーザーローカル(東京都港区、代表取締役社長:伊藤将雄)は、2017年2月3日、顧客サポート業務を人工知能で自動化する「サポートチャットボット」( http://ai.userlocal.jp/ )を発売します。この製品は、WebサイトやLINEアカウント、Facebook Messenger内にチャットボットを常駐させ、顧客からのお問い合わせに24時間リアルタイムで応答します(写真1)。価格は月額10万円と安価に導入でき、顧客の質問に応答するためのシナリオを簡単に編集(写真2)できるので、短期間でチャットボットを公開できるようになっています。』 ウ 『チャットボット編集画面では、類義語や同義語を自動で管理します。たとえば、「金利」という単語は、「利息」「利率」「利子」といった言葉とほぼ同義であることを認識することが可能です。』 エ 「写真1 チャットボットが顧客サポートしている場面 [図:0001386918000005.jpg] 」 オ 「写真2 シナリオ設計画面 [図:0001386918000006.jpg] 」 (2)引用文献3記載の技術的事項 上記(1)ア~オによれば、引用文献3には、次の技術的事項が記載されているといえる。 <引用文献3記載の技術的事項> 『顧客サポート業務を人工知能で自動化する「サポートチャットボット」において、LINEアカウント内にチャットボットを常駐させ、顧客の質問に応答するためのシナリオを編集することができ、チャットボット編集画面では、類義語や同義語を自動で管理し、チャットボットの画面において、ユーザからの「プレゼント用のラッピングって、お願いできるのでしょうか?」という質問に対しては、「プレゼントラッピング/メッセージ添付は無料で承っております。」などの回答メッセージとチャットボットの画像を変更して表示し、「以前買ったときの領収書が必要になりまして」という質問に対しては、「領収書は、お届けする商品に同封しております。」などの回答メッセージとチャットボットの画像を変更し、シナリオ設計画面の基本応答フローチャートでは、「返品・キャンセル」の場合、「ご注文から3日以内に限り…」という応答がされるように設計できること。』 4 引用文献4について (1)引用文献4に記載された事項 当審拒絶理由1で引用した引用文献4には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付したものである。)。 ア 『【LINE】LINEを活用した法人向けカスタマーサポートサービス「LINE カスタマーコネクト」を正式販売開始 2017.04.11 LINE』 イ 『(※当審注:以下の記載中、丸数字は、システム上の制限により、(1)等、括弧の数字に変換した。) 「LINE カスタマーコネクト」は、コンタクトセンターがLINEを介して、AIや有人によるチャット対応や音声通話対応などをシームレスに行い、状況やニーズに応じた適切なカスタマーコミュニケーションを実現するサービスです。具体的には、(1)事前に登録したFAQをベースにした各種AIによる自動応答で対応する「Auto Reply」、(2)各種チャットサービスと連携し、有人による細かなサポートが可能な「Manual Reply」、(3)ウェブサイトに設置したボタンやリンクからIP電話に接続し、ユーザーの料金負担無しの通話対応ができる「LINE to Call」、(4)携帯電話番号情報を基に、IVRやオペレーターからユーザーのLINEアカウントにメッセージを送信し、LINE上のチャットサポートに誘導する「Call to LINE」の4つの機能を企業のニーズや既存のシステム環境などに合わせて、各種連携システムから自由に組み合わせて実装することができます。なお、「LINE to Call」は本日よりβ版の提供を開始、「Call to LINE」は2017年夏予定でβ版を提供してまいります。』 ウ 「 [図:0001386918000007.jpg] 」 エ 『企業は、「LINE カスタマーコネクト」を導入することで、AIおよび有人によるチャットサポートによる対応効率の向上、FAQ対応による問い合わせ対応母数の削減、それらによる人件費・通信費などコストの削減、問い合わせ待ち時間削減などによるユーザー満足度の向上など、多面的な効果が期待できます。』 (2)引用文献4記載の技術的事項 上記(1)ア~エによれば、引用文献4には、次の技術的事項が記載されているといえる。 <引用文献4記載の技術的事項> 『「LINE カスタマーコネクト」は、コンタクトセンターがLINEを介して、AIや有人によるチャット対応や音声通話対応などをシームレスに行い、状況やニーズに応じた適切なカスタマーコミュニケーションを実現するサービスであり、各種チャットサービスと連携し、有人による細かなサポートが可能な「Manual Reply」を実装することができ、有人によるチャットでのサポートの際には、オペレーターがサポートを行い、AIおよび有人によるチャットサポートによる対応効率の向上という効果が期待できること。』 5 引用文献5について (1)引用文献5に記載された事項 当審拒絶理由1で引用した引用文献5には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付したものである。)。 ア 『2016 年 7 月 8 日 AOS モバイル株式会社 ビジネスチャット 「InCircle」に新サービスが登場! 無料トライアル期間を 14 日間から 30 日間へ延長 14 日間試せる、新バージョン「プチトライアル」も登場』 イ 『ボットの「コガさん」がお出迎え! チャットボット機能(ベータ版)搭載 トライアルでチャットボット機能も体感いただけます。 チャットボット(通称 コガさん bot)に質問を投げていただくとご返事させていただきます。是非質問してみてください。 *チャットボット:AI(人口知能)搭載の対話型自動応答システム』 ウ 「 [図:0001386918000008.jpg] 」 エ 『■サービス概要 サービス名: ビジネスチャット「InCircle」 InCircle は、LINE のようなインターフェイスで利用できる企業専用メッセンジャーアプリです。企業の情報漏えい調査(デジタル・フォレンジック調査)技術から生まれました。使いやすいインターフェイスと高度なセキュリティ機能、ローコストでオンプレミスにも対応し、新聞社、金融機関、製造メーカー、チェーンストア、警備、ゼネコン、医療など、業種・業態を問わず導入いただいております。』 オ 「 [図:0001386918000009.jpg] 」 (2)引用文献5記載の技術的事項 上記(1)ア~オによれば、引用文献5には、次の技術的事項が記載されているといえる。 <引用文献5記載の技術的事項> 『InCircle は、LINE のようなインターフェイスで利用できる企業専用メッセンジャーアプリであり、チャットボット(通称 コガさん bot)に質問を投げると返事があり、返事の際には、メッセージとコガさんを示す画像と「コガさん」というユーザ名が表示され、「新商品プロジェクト」のトークにおいても、メッセージとユーザを示す画像とユーザ名が表示されること。』 6 引用文献6について (1)引用文献6に記載された事項 当審拒絶理由1で引用した引用文献6には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審にて付したものである。)。 ア 「重要なのはキャラ設定!? KDDIエボルバが語る、LINE カスタマーコネクト導入のすすめ MarkeZine編集部[編] / マチコマキ[著] / 関口 達朗[写] 2017/08/09 10:00」 イ 『LINE カスタマーコネクトで親しみやすいカスタマーサポートを KDDIエボルバは、約22,000人のオペレーターを有するカスタマーセンターを持ち、企業のカスタマーサポートを支援してきた。企業と消費者のコミュニケーションチャネルの変化にともない、従来の電話やメールから、AIチャットボットや有人チャットといった新しいチャネルの導入・対応を進めている。 なかでもLINE カスタマーコネクトは、消費者に浸透したといっても過言ではないLINEを通しカスタマーサポートができるシステムで、今年4月に正式リリースされた。アスクルの一般消費者向けECサイト・LOHACO(以下、ロハコ)のLINEアカウント「LOHACOマナミさん」にもLINE カスタマーコネクトが導入されており、AIチャットボットが自動回答する「Auto Reply」、オペレーターがチャットで対応する「Manual Reply」が活用されている。』 ウ 『――企業と消費者の新しいコミュニケーションチャネルとしての活用が期待される、LINE カスタマーコネクトの特徴を教えてください。 白川:LINE カスタマーコネクトの特徴は、幅広い世代のユーザーに親しまれているLINEをチャネルとして、カスタマーサポートができるところです。チャットボットの仕組みやオペレーターのチャット対応は以前からあるものですし、「マナミさん」もブラウザ対応を行っています。LINEを介してテクノロジーを活用する場が広がり、効率的なカスタマーサポートができるという点が魅力なのです。 稲葉:従来のカスタマーセンターは、丁寧な対応を心がけている分、ビジネスライクな印象もありました。LINEの場合は問い合わせをするというよりも、すぐそばにいる人へ話しかける・相談するといった感じでしょうか。スタンプを使うこともできるので、親近感が生まれ、消費者と企業のコミュニケーションのハードルが下がりますね。 ――電話やメールだと改まってしまうところを、LINEだと気軽に聞けるという心理があるんですね。 近藤:チャットでは即座に画像を送ることもできますので、お客様は何に困っているのか、オペレーターはどう解決できるかを説明しやすくなります。また、LINEはプッシュ通知でトークのお知らせもできるため、問い合わせ対応中のお客様が情報を見落とさないというメリットもあります。」 「先ほどから名前の挙がっているアスクルの「LOHACOマナミさん」、実はLINE カスタマーコネクトの初めての導入事例なのだ。KDDIエボルバの支援のもと、2016年11月からの試験運用を経て、2017年4月よりLINE カスタマーコネクト正式版を導入。AIチャットボットと有人チャットを組み合わせたカスタマーサポートを提供している。』 エ 「 [図:0001386918000010.jpg] 」 (2)引用文献6記載の技術的事項 上記(1)ア~エによれば、引用文献6には、次の技術的事項が記載されているといえる。 <引用文献6記載の技術的事項> 『アスクルの「LOHACOマナミさん」は、LINE カスタマーコネクトを導入し、AIチャットボットと有人チャットを組み合わせたカスタマーサポートを提供し、AIチャットボットから有人チャットへ切り替えをすることができ、LINEはプッシュ通知でトークのお知らせもできること。』 第5 進歩性(特許法第29条第2項)について 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明を、以下で対比する。 ア 引用発明における「ユーザー」は、本願発明1における「ユーザ」に相当する。以下では、引用発明における「ユーザー」との記載は、本願発明1における「ユーザ」と同じであるとして記載する。 イ 引用発明におけるチャットボット「Minervae ViBOT(ミネルヴァ ヴィボット)」では、チャットでのユーザからの問い合わせに対して、ボットからの「メーカ名を教えてください。もしくは写真を送ってください。」との自動応答やオペレータからの「オペレータの峰瑠馬です。長くご愛用頂きありがとうございます。手続きについてご説明しますね。」との手動応答を受信するチャットを用いたサポート対応が行われ、ユーザからの問い合わせはユーザの端末によって入力され、ボット及びオペレータのアカウントとユーザのアカウントとが異なることは明らかであるから、本願発明1における「第1アカウントから送信されたメッセージを受信する、前記第1アカウントとは異なる第2アカウントのユーザの端末によって実行されるプログラム」と同様のプログラムがユーザの端末で実行されるといえる。 ウ 引用発明における「ボットによる自動応答」によって、「チャット画面において」、『ボットからの「メーカ名を教えてください。もしくは写真を送ってください。」との再質問が送信されて表示される』ことは、ボットのアカウントから送信された「メーカ名を教えてください。もしくは写真を送ってください。」とのメッセージを、ユーザの端末によって受信することによってなされ、ユーザの端末による受信は、ユーザの端末の通信部によって受信することが明らかであるから、本願発明1における「前記第1アカウントから送信された第1メッセージを前記端末の通信部によって受信すること」に相当する。 エ 引用発明における「ボットの質問が表示される際には、同時にボットを示す画像が表示され」ることは、「ボットを示す画像」がボットのアカウントに関連付けられた画像であり、ボットの質問とボットを示す画像とは、ユーザの端末の表示部に表示することが明らかであるから、本願発明1における「前記第1メッセージと、前記第1アカウントに関連付けられた第1画像とを前記第1メッセージの受信に基づき前記端末の表示部に表示すること」に相当する。 オ 引用発明における「ユーザーがメガネの写真を送信」することは、ユーザがユーザの端末によって入力されたメガネの写真をユーザの端末の通信部によって送信することが明らかであるから、本願発明1における「前記端末によって入力された、」「第1情報を前記通信部によって送信すること」に相当する。 カ 引用発明における『ボットからの「メーカ名を教えてください。もしくは写真を送ってください。」との再質問が送信され』ると、「ユーザーがメガネの写真を送信し」、『その後オペレータから「オペレータの峰瑠馬です。長くご愛用頂きありがとうございます。手続きについてご説明しますね。」というメッセージが送信され』ることは、オペレータのアカウントはボットのアカウントと同じであり、ボットからの再質問とオペレータからのメッセージとは異なるメッセージであり、オペレータからのメッセージは、ユーザの端末の通信部によって受信することが明らかであるから、上記オを参照すると、本願発明1における「前記通信部による前記第1情報の送信の後、前記第1アカウントから送信された、前記第1メッセージとは異なる第2メッセージを前記通信部によって受信すること」に相当する。 キ 引用発明における「オペレータのメッセージが表示される際には、同時にオペレータを示す画像が表示される」ことは、「オペレータを示す画像」がボットと同じオペレータのアカウントに関連付けられた画像であり、オペレータのメッセージとオペレータを示す画像とは、ユーザの端末の表示部に表示することが明らかであるから、本願発明1における「前記第2メッセージと、前記第1アカウントに関連付けられた、前記第1画像とは異なる第2画像とを前記第2メッセージの受信に基づき前記表示部に表示すること」に相当する。 ク 引用発明における「ユーザーがメガネの写真を送信し」た「後」に「オペレータから」「メッセージが送信されて表示され」、「オペレータのメッセージが表示される際には、同時にオペレータを示す画像が表示される」ことは、上記オも参照すると、オペレータを示す画像が、ユーザがメガネの写真をユーザ端末の通信部によって送信したことによって、ユーザの端末によって取得され、オペレータのメッセージを受信して、当該オペレータを示す画像が表示されるから、本願発明1における「前記第2画像は、前記通信部による前記第1情報の送信に基づき前記端末」「によって取得され」、「前記通信部による前記第2メッセージの受信に基づき、前記表示部に表示される」ことに相当する。 (2)一致点及び相違点 以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「第1アカウントから送信されたメッセージを受信する、前記第1アカウントとは異なる第2アカウントのユーザの端末によって実行されるプログラムであって、 前記第1アカウントから送信された第1メッセージを前記端末の通信部によって受信することと、 前記第1メッセージと、前記第1アカウントに関連付けられた第1画像とを前記第1メッセージの受信に基づき前記端末の表示部に表示することと、 前記端末によって入力された、第1情報を前記通信部によって送信することと、 前記通信部による前記第1情報の送信の後、前記第1アカウントから送信された、前記第1メッセージとは異なる第2メッセージを前記通信部によって受信することと、 前記第2メッセージと、前記第1アカウントに関連付けられた、前記第1画像とは異なる第2画像とを前記第2メッセージの受信に基づき前記表示部に表示することとが前記端末によって実行され、 前記第2画像は、前記通信部による前記第1情報の送信に基づき前記端末によって取得され、前記表示部に表示される。」 <相違点1> 「第1情報」が、本願発明1では「前記第1アカウントのユーザに関する」情報であるのに対し、引用発明では、メガネの写真である点。 <相違点2> 「第2画像」が、本願発明1では「前記端末の制御部によって取得され」るのに対し、引用発明ではユーザの端末で取得されるが、当該端末の制御部によって取得されるかどうか明確でない点。 <相違点3> 「第3画像」について、本願発明1では当該「第3画像」が「プロフィール情報」に含まれ、「第2画像」が「前記第3画像が変更されることなく」「前記表示部に表示される」のに対し、引用発明では当該「第3画像」について明示されていない点。 (3)相違点についての判断 上記相違点3について検討する。 引用文献1~6には本願発明1の「プロフィール情報」に含まれる「第3画像」に対応する構成は明示されておらず、且つ、引用発明において本願発明1の「第2画像」に対応するオペレータを示す画像を表示させる際にその他の動作を併せて行うようにすることについて何ら示唆や動機づけもされておらず、引用文献1~6の記載事項から相違点3に係る構成を導出することができないことは明らかである。 そして、本願発明1は、相違点3に係る構成を有することにより、「従来、アカウントに対して設定しているユーザは、自身のプロフィール画像を変更すれば、トークルーム等において表示されるユーザアイコンを変更できるが、本実施形態における通信システムによれば、そのような手間を弄することなく、アイコンの切替を行うことができる。」(段落【0100】)という効果を奏するものである。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明と、引用文献2~6に記載の技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本願発明2~18、20について 本願発明2~18は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明20は本願発明1に対応したユーザ端末に関する発明であり、いずれも本願発明1の上記相違点3に係る構成を有するから、本願発明1と同様の理由により、引用発明、引用文献2~6に記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本願発明19について 本願発明19は、本願発明1に対応する「情報処理方法」の発明であって、本願発明1の上記相違点3に対応する構成を有するから、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2~6に記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 明確性(特許法第36条第6項第2号)、サポート要件(特許法第36条第6項第1号)について 1 原査定について 原査定の理由は、「第1情報」の送信に基づき、具体的にどのような情報処理を行うことで「第2画像」を取得し、第1画像から変更されて表示されるのかが明らかでなく、送信先も不明な「第1情報」を送信することが「第2画像」を取得することとどのような技術的関係性を有しているのかも明らかでないから、発明を明確に把握することができないというものである。 しかしながら、請求項1には、「前記第1情報の送信の後、前記第1アカウントから送信された、前記第1メッセージとは異なる第2メッセージを前記通信部によって受信することと、前記第2メッセージと、前記第1アカウントに関連付けられた、前記第1画像とは異なる第2画像とを前記第2メッセージの受信に基づき前記表示部に表示することとが前記端末によって実行され、」「前記第2画像は、前記通信部による前記第1情報の送信に基づき前記端末の制御部によって取得され」ることが特定されており、第2画像の取得と表示が、第1情報の送信に基づき行われることが把握できるから、特許請求の範囲の記載は明確である。 請求項2~20についても同様に、明確である。 2 当審拒絶理由1について (1)当審拒絶理由1の明確性要件違反(1)の理由は、請求項1の「前記第2画像は、前記通信部による前記第1情報の送信に基づき前記端末の制御部によって取得され、前記第1画像から変更されて前記表示部に表示される」との記載は、第2画像は、表示されている第1画像に置き換えられて表示されるのか、第1画像は表示されたままで、第2画像も表示するのか、明確でないというものであるが、当該記載は、令和3年8月26日に提出された手続補正書による補正により、「前記第1画像から変更されて」との記載は削除されたため、前記理由は解消された。 (2)当審拒絶理由1の明確性要件違反(2)の理由は、請求項9~11のいずれか一項を引用する請求項12の「端末」が、「ユーザの端末」なのか、「前記端末とは異なる端末」、「オペレータの端末」なのかが、明確でないというものであるが、令和3年8月26日に提出された手続補正書により、請求項12の記載が「前記第2アカウントのユーザの端末」と補正され、さらに、令和3年11月26日に提出された手続補正書により、請求項12の「前記第2アカウントのユーザの端末」を「端末」と元に戻す補正がされたが、請求項9、10の「端末」が「第1端末」と補正されたため、前記理由は解消された。 なお、令和3年12月24日に提出された手続補正書により、請求項12は削除された。 3 当審拒絶理由2について (1)当審拒絶理由2の明確性要件違反(1)の理由は、「第1画像」及び「第2画像」と、「第3画像」との関係、第1メッセージと第1画像の表示、第2メッセージと第2画像の表示をどのように行うのか、また、第1画像の表示、第2画像の表示が、プロフィール情報に設定された第3画像の表示とどのように異なるのかが明確でないというものである。 また、当審拒絶理由2の明確性要件違反(2)の理由は、請求項1に補正により追加された「前記第1アカウントは、前記第1アカウントのプロフィール情報に第3画像が設定され、」「前記プロフィール情報に設定された前記第3画像が変更されることなく、」との記載は、プログラムが実行する処理を特定したものではないから、「第1アカウントとは異なる第2アカウントのユーザの端末によって実行されるプログラム」が実行する処理として明確でないというものである。 これに対し、令和3年11月26日に提出された手続補正書による補正により、請求項1の記載が「前記第2画像は、前記通信部による前記第1情報の送信に基づき前記端末の制御部によって取得され、前記表示部に表示される前記プロフィール情報に含まれる前記第3画像が変更されることなく、前記通信部による前記第2メッセージの受信に基づき、前記表示部に表示される」と補正され、表示部に表示されるプロフィール情報に含まれる第3画像が変更されることなく、第2画像の表示が行われることが明らかとなったため、上記明確性要件違反(1)(2)の理由は解消された。 (2)当審拒絶理由2において、請求項17~19について通知した理由は、請求項17が請求項9~11のいずれか一項を間接的に引用する場合、請求項17の「前記端末」とは、請求項1に記載された「ユーザの端末」なのか、請求項9に記載された「前記端末とは異なる端末」なのか、請求項10に記載された「オペレータの端末」であるのか(請求項10を間接的に引用する場合)、不明であるというものであるが、当該理由は、令和3年11月26日に提出された手続補正書による補正により、請求項9の「前記端末とは異なる端末」との記載が、「前記端末とは異なる第1端末」と補正され、請求項10の「オペレータの端末」との記載が、「オペレータの前記第1端末」と補正されたため、解消された。 4 当審拒絶理由3について 当審拒絶理由3において、請求項12~19に対して通知した明確性要件違反、及び、サポート要件違反の拒絶理由は、令和3年12月24日に提出された手続補正書による補正により、請求項12が削除されたため、解消された。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明1~20は、引用発明と、引用文献2~6に記載された技術的事項とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、本願発明1~20の記載は明確であって、発明の詳細な説明に記載されたものである。 したがって、原査定の理由及び当審拒絶理由1~3によって本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-006012

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