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意匠拒絶査定不服審判

2021-005461

Coffee table

審判番号
2021-005461
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2019-500980外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年04月27日
審決日
2021年08月02日
公報発行日
2021年09月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .113-WY (D7-1)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
意匠法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

意願2019-500980「Coffee table」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 7項目
【理 由】

第1 手続の経緯

本願は、国際登録日を2019年(令和1年)9月13日(パリ条約による優先権主張 2019年(平成31年)3月29日、世界知的所有権機関)とする国際意匠登録出願であって、令和2年(2020年)6月8日付けの拒絶の通報に対し、同年9月10日に意見書が提出されたが、令和3年(2021年)1月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年4月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願の意匠

本願の意匠は、意匠に係る物品を「Caffee table(参考訳:「コーヒーテーブル」。以下日本語訳で示す。)」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(以下「本願意匠」という。別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由

原査定における拒絶の理由は、本願意匠が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。

そして、その引用意匠は、世界知的所有権機関(WIPO)発行の国際意匠公報(発行日2016年4月22日)に掲載された、国際登録番号DM/090078意匠番号35(意匠に係る物品、テーブル)の意匠(テーブルの意匠の内、本願意匠に相当する部分)としたものである(以下「引用意匠」という。別紙第2参照。)。

第4 当審の判断

以下において、本願意匠の意匠法第3条第1項第3号の該当性、すなわち、本願意匠が引用意匠に類似する意匠であるか否かについて検討し、判断する。

1 対比

(1)意匠に係る物品の対比

本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、共に高さの低いテーブルに係るものであり、共通する。

(2)両意匠の形態の対比

両意匠の形態を対比すると、その形態には、以下のとおりの共通点及び相違点が認められる。

なお、本願意匠の図面2.2を「正面図」とし、引用意匠を本願意匠の図面の向きに合わせて、以下対比する。

ア 共通点

(ア)全体の構成

平面視横長矩形状の薄板とする天板と、天板を支える脚部によって構成された高さの低いテーブルであり、脚部は、天板四隅の下方に4つの略L字状の脚部材(以下「脚部材」という。)を配したものとする点。

(イ)脚部の態様

(イ-1)脚部は、薄い板を立てて組んだもので、脚部材は、天板下の中心側から天板の四隅方向に向かって斜めに延伸し、天板の四隅位置で折曲する態様とする点。

(イ-2)脚部材の折曲部は、内側をアール状とし、下方に向かって僅かに窄まる態様とする点。

(ウ)四隅における天板及び脚部材の態様

斜め上から見た場合、四隅において、天板とその下の脚部材の間に僅かな隙間を有している点。

イ 相違点

(ア)全体の構成

本願意匠は、テーブル全体の横幅:高さを約4:1とするのに対し、引用意匠は、約5.5:1とする点。

(イ)天板の態様

(イ-1)天板の縦横比

本願意匠は、天板の縦横比を約1:2とするのに対し、引用意匠は、斜視方向の図しかないので、天板の縦横比が不明である点。

(イ-2)天板の側面の態様

本願意匠は、長辺及び短辺とも上面に対して略垂直とする同幅の面とするものであるのに対し、引用意匠は、長辺及び短辺とも上面に対して略垂直とするものではあるが、下面が斜めに切り落とされた態様となっている点。

(ウ)脚部の態様

(ウ-1)底面視における脚部の構成

本願意匠は、中央の一本の水平部材と、その左右端部の継ぎ部材を介し、天板の各隅部に向かって45度の角度で延伸する4つの脚部材による構成としているのに対し、引用意匠は、4つの脚部材を有し、少なくとも正面側の2本の脚部材が水平部材から斜めに延伸している態様は認められるものの、底面視における図がないため、水平部材と脚部材の具体的な構成が不明である点。

(ウ-2)水平部材について

本願意匠の水平部材は、全体の横幅の約1/2の長さとしているのに対し、引用意匠の水平部材(左右の脚部が斜めに延伸する根元部分の幅)は、全体の横幅に対して約4/5の長さとしている点。

(エ)天板と脚部の支持態様

本願意匠は、4つの脚部材の上面に、短円柱形状の天板を直接支える支持部材を配し、これにより天板と脚部の間に一定間隔の隙間を設ける構成としているのに対し、引用意匠は、天板と脚部の支持態様は不明で、四隅において、天板と脚部に隙間は見られるものの、それがどのように構成されているのか具体的な態様が不明である点。

2 類否判断

(1)両意匠の意匠に係る物品の類否判断

両意匠の意匠に係る物品は、同一である。

(2)両意匠の形態の類否判断

両意匠は、いずれも高さの低いテーブルに係るものであり、主な需要者は、自宅、店舗等のために購入する消費者であり、通常の使用時においては、斜め上から見下ろして観察するものといえるが、その構造から生ずる態様の他、細部についても着目するものということができる。

ア 共通点及び相違点の評価

A 共通点の評価

共通点(ア)は、当該物品分野において、従来からよく採用されてきた態様にすぎず、両意匠の形態の類否判断に及ぼす影響は小さい。

共通点(イ-1)及び(イ-2)は、両意匠の脚部における基本構成を形成するものではあるが、参考意匠(別紙第3参照)などにも見られるため、両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的なものにとどまる。

共通点(ウ)は、通常の使用時においては、需要者に共通した印象を与えるもので、両意匠の類否判断に及ぼす影響を一定程度有する。

参考意匠(別紙第3)

欧州連合知的財産庁発行の欧州連合意匠公報(意匠登録番号:001452049-0068)に掲載されている「テーブル」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH28205793号)

B 相違点の評価

全体の構成における相違点(ア)は、高さの低いテーブルという共通性の中で埋没する程度の相違にすぎず、両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。

天板の態様における相違点(イ-1)及び(イ-2)は、いずれの態様も当該物品分野においてはよく見られる態様であり、両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。

脚部の態様における相違点(ウ-1)は、天板の下に隠れる部分が多いとはいえ、脚部の構成に関わるものであり、両意匠の類否判断に一定の影響を及ぼす。

相違点(ウ-2)は、使用時においてもある程度目に入る部分であり、両意匠の類否判断に一定の影響を及ぼす。

天板と脚部の支持態様における相違点(エ)は、需要者が着目する点であり、本願意匠を特徴付ける点であるのに対し、引用意匠においては、具体的な態様が不明であることから、この点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいものといわざるを得ない。

イ 共通点及び相違点の評価に基づく両意匠の形態の類否判断

両意匠は、上記(2)の前文のとおり、主な需要者は、自宅、店舗等のために購入する消費者であり、通常の使用時のみならず、構造から生ずる態様の他、細部についても着目するものということができる。

そこで、両意匠の形態における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察した場合、上記(2)Aのとおり、共通点(ア)は両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さく、共通点(イ-1)及び(イ-2)も、限定的なものにとどまるのに対し、共通点(ウ)は、類否判断に及ぼす影響を一定程度有するものであるが、通常の使用時に限定されるものである。

それに対し、上記(2)Bのとおり、相違点(ア)、(イ-1)及び(イ-2)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さいものの、相違点(ウ-1)及び(ウ-2)は両意匠の類否判断に一定の影響を及ぼすものであり、特に相違点(エ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きい。

よって、両意匠の形態全体を総合的に観察した場合、両意匠の形態は、類否判断に及ぼす影響を一定程度有する共通点を有するものではあるが、それは、通常の使用時に限定されるものであり、それよりも、相違点の及ぼす影響の方が大きく、両意匠の形態は類似しない。

(3)小括

したがって、両意匠は、意匠に係る物品は同一であるが、その形態は類似しないものであるから、本願意匠と引用意匠は、類似しない。

第5 むすび

以上のとおり、本願意匠は、引用意匠に類似せず、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものである。したがって、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2021-005461

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