特許拒絶査定不服審判
2021-004989
既存構造物の管理情報確認システム
- 審判番号
- 2021-004989
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-250193
- 請求日
- 2021年04月19日
- 審決日
- 2022年01月19日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】前田建設工業株式会社
- 【請求人代理人】小川 嘉英
- 審判長/審判官
- 審判長 高瀬 勤
- 審判官 関口 明紀
- 審判官 古川 哲也
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2016-250193「既存構造物の管理情報確認システム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月 5日出願公開、特開2018-106309、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成28年12月23日の出願であって、令和2年11月5日付けで拒絶理由通知がなされ、同年11月30日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、令和3年1月21日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、同年4月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同時に手続補正がなされ、同年5月20日に前置報告がなされたものである。
第2 原査定および前置報告の概要
1.原査定(令和3年1月21日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
請求項1-3に係る発明は、引用文献1、2に記載された発明及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
引用文献1.特開2000-155855号公報
引用文献2.特開2016-211955号公報
引用文献3.米国特許出願公開第2011/0115816号明細書(新たに引用された文献;周知技術を示す文献)
2.前置報告(令和3年5月20日)の概要は次のとおりである。
請求項1-3に係る発明は、引用文献1、2に記載された発明及び引用文献3-5に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
引用文献1.特開2000-155855号公報
引用文献2.特開2016-211955号公報
引用文献3.米国特許出願公開第2011/0115816号明細書(周知技術を示す文献)
引用文献4.大石 岳史 外2名,五輪招致プレゼン用MRシステムの開発,日本バーチャルリアリティ学会誌,日本,特定非営利活動法人日本バーチャルリアリティ学会,2009年 6月30日,Vol.14 No.2,p.46-47(新たに引用された文献;周知技術を示す文献)
引用文献5.竹村 雅幸 外1名,協調型複合現実空間のためのアイコンタクトの復元,電子情報通信学会技術研究報告 PRMU2003-186~197 パターン認識・メディア理解,日本,社団法人電子情報通信学会,2004年 1月15日, Vol.103 No.584,p.19-24(新たに引用された文献;周知技術を示す文献)
第3 本願発明
本願請求項1~3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明3」という。)は、令和3年4月19日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりのものである。
<本願発明1>
「【請求項1】
既存構造物の管理情報を確認するためのシステムであって、
既存構造物の管理情報を記憶する管理情報記憶手段と、
前記管理情報記憶手段に記憶した管理情報を前記既存構造物における施工位置と関連付くようにして、利用者が装着した透過型ウェアラブル端末を用いて表示させるための表示制御手段と、
を備え、
前記透過型ウェアラブル端末は、同時に複数の利用者がそれぞれ装着するとともに、各透過型ウェアラブル端末では、同時にそれぞれ異なる管理情報を前記既存構造物における施工位置と関連付けて表示する、ことを特徴とする既存構造物の管理情報確認システム。」
本願発明2、3は、本願発明1を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。下線は、当審において付した。
「【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の仮想現実感を利用した施工支援情報システムの一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の施工支援情報システムの一例を示したシステム構成図である。図1に示したように、たとえばトンネル内で施工機械を操作する作業者(オペレータ)は所定の安全装備以外に、立体映像による仮想現実感を体感するためにSTHMDを装着している。このSTHMDは、公知の光学的シースルー方式によって映像を投影可能なゴーグルタイプのディスプレイで、作業者Wの顔部に直接装着して使用する。」
「【0022】たとえばトンネル等の構造物では坑口の絶対座標が求められているので、坑口からの距離程を利用してトータルステーション22位置が設定できる。さらにトータルステーション22からの測距により作業者Wの視点位置E1を求めることができる。これに対して屋外工事においては、人工衛星Sを利用したDGPS(ディファレンシャル方式GPS)によるモニタリング機能によって作業者Wの視点位置E1を絶対座標で検出することができる。
【0023】STHMD10を装着した状態での作業者Wの視点姿勢E2を検出する視点姿勢検出手段として、作業者Wの安全帽にはジャイロセンサー23が取り付けられている。本実施の形態で用いられているジャイロセンサー23は3軸のセンサーからなり、このセンサー出力によりセンサー中心に対しての姿勢(角度)データを獲得することができる。ジャイロセンサー23に代えてサーボ加速度計等を装着することによっても、視点姿勢E2を検出することが可能である。さらにソフトウェアを利用することにより、検知された作業者Wの瞳孔の動きから視点姿勢E2及び視点位置E1を追跡するようにしても良い。このようなデータを利用して作業者Wの視点位置E1、視点姿勢E2をデータとして獲得する。このデータは後に作業者Wの装着しているSTHMD10に表示される仮想立体映像の描画オブジェクトの更新のための情報として用いられる。」
「【0025】次に、現実空間に重畳して表示される仮想立体映像を構築するために用いられる各種の施工のための施工支援情報データベースについて説明する。施工支援情報データベースは、仮想現実感を利用して施工支援を行う対象となる各種の仮設、本設構造物等の3次元の立体形状を、実際の設計図面等に基づいて所定の縮尺で作成した3次元形状の基本形状データ30をもとに視点情報としてその形状、消失点を適宜変更した形状として描画可能な描画オブジェクトとして生成され、図1に示した施工支援情報データベース蓄積部32に蓄積されている。
【0026】基本形状データ30はワークステーション(WS)あるいはパーソナルコンピュータ(PC)上で稼働する3次元CADソフトウェア上で作成され、DXFファイル形式で保存されている。そして仮想立体映像構築ソフトで取り扱い可能なデータ形式に変換された描画オブジェクトとして施工支援情報データベース蓄積部32に蓄積される。施工支援情報データベース蓄積部32からは、実際の現場付近にいる作業者Wが携帯する画像切替コントローラ31(図1参照)の操作によって、付与されているインデックスをもとに対応した施工支援情報データとしての描画オブジェクトが適宜取り出され、表示できるようになっている。表-1は、本実施の形態における施工支援情報データベース蓄積部32の一部を示した一覧表である。同表に示したように、施工支援情報データベース蓄積部32では各施工支援情報データとしての描画オブジェクトは、それぞれ工種、必要施工支援情報で区分されたマトリクスに対応させたテーブル形式で蓄積されている。このため、工種が異なる場合にも共通する施工支援情報は、施工支援情報データベース蓄積部32から繰り返し取り出されるようになっている。
【0027】
【表1】
[図:0001381553000001.jpg]
【0028】同表に示したように、一例としてトンネル建設工事、法面保護工、開削工事等における各施工段階で必要とされる多種の施工支援情報が細かい工種に対応したインデックスに対応して得られるようになっている。また、各施工支援情報には必須データ、オプションデータとしてのレベル付け(○、△で表示)がされており、作業者が状況に応じて必要とする描画オブジェクトを適宜選択することもできる。」
「【0030】ところで、作業者Wの位置情報(視点位置E1、視点姿勢E2)を視点パラメータとして描画オブジェクトを生成する際、実際に作業者WがSTHMD10を通じて見ている現実空間の広がりと描画オブジェクトの表示スケール、消失点、立体視のための整合は厳密にはとられていない。そこで、この描画オブジェクトを現実空間内でのリアルな立体画像として生成するために、映像切替コントローラ31を介して位置情報(E1、E2)の初期化、微調整、表示スケールの調整、各作業者固有の身体情報(頭頂部E0と視点位置E1とのずれ、瞳孔間距離)による画像調整が行えるようになっている。これらの調整を行いながら、描画オブジェクト再構築部34で作業者Wの視点の移動に追従して変化する視点パラメータをもとに描画オブジェクトの立体形状等を変化させる。
【0031】さらにこの描画オブジェクトは仮想立体映像として映像データ変換部40、映像信号転送部としてのHMDコントローラ43から作業者WのSTHMD10に搭載されている映像信号受信部15を介して映像表示装置12としての表示素子(図示せず)に表示される。」
「【0035】次に、図1、図3に示した作業者の本システムの利用環境について簡単に説明する。まず、作業者Wは作業対象となる位置近くでSTHMD10を装着する。このSTHMD10には付帯装置として作業者Wの視点の3次元の回転が計測できるジャイロセンサー23が装着されている。また、本実施の形態では作業者Wのかぶる安全帽の頂部に反射プリズム21が装着されている。この反射プリズム21に対して作業位置の後方の既知座標点に設定されたトータルステーション22等によりレーザー測距を逐次行うことにより、作業者Wの視点位置は自動追尾され、これにより作業者Wの位置情報が絶対座標で得られる。なお、屋外の場合は、DGPSにより直接、作業者Wの絶対座標を求めることができる。
【0036】作業者Wは映像切替コントローラ31を操作して施工支援情報データベースのインデックスメニューによってこれからの作業に必要な施工支援情報を施工支援情報データベース蓄積部32内から選択する。このとき選択された施工支援情報の描画オブジェクトは、作業者Wの位置情報を視点とした最新の形状として再構築されて作業者WのSTHMD10の表示素子に転送される。表示映像はさらに内蔵光学系を介してあたかも作業者Wが観察している現実空間内に存在するかのようにSTHMD10の視野内のハーフミラーに映し出される。映し出された仮想立体映像は作業者Wがこれから行う作業の完成形状であったり、作業をガイドする指標であったりする。このため作業者Wは手元の図面等の値を現場においてスケールアウトしたりすることなく、映し出された映像に従って直接、各作業を進めることができる。このとき作業者Wが移動したり、頭を動かした場合、その位置情報は逐次PC31に送られ、描画オブジェクトの形状や消失点の更新がなされる。これにより、移動後の作業者Wの視点情報に合わせて常に作業者Wは自分が見ている方向の現実空間内に仮想物体を現実空間上に重ね合わせることができ、作業者Wの連続した作業を確実にフォローしていくことができる。」
「【0039】図6(a)は覆工コンクリート工事までの工程が完了し、2次覆工の出来形検査を行う検査員がトンネル内を移動している状態を示した縦断面である。図6(a)に示した完成状態において、正確な寸法形状に設定された2次覆工コンクリート8の仮想立体映像を現実の覆工コンクリート9と重畳させて観察すると、実際に打設された覆工コンクリート9とあらかじめ設計上設定されていた覆工コンクリート8との形状や覆工厚の施工誤差を確認することができる。このとき仮想立体映像の覆工形状と現実の覆工との重なり部分8aを比較することにより、この正規の設計覆工断面に対して過大厚となった部分、過小厚となった部分、トンネル軸線とのずれ等を直観して確認でき、出来形精度を迅速に確認することができる。また、この方法による出来形検査では、従来所定の距離程ごとにしか行っていなかった出来形検査をトンネル縦断方向に歩きながら全長にわたって実施することができるようになるという効果がある。」
「【図1】
[図:0001381553000002.jpg]
」
「【図6】
[図:0001381553000003.jpg]
」
(2)引用文献1の上記記載によれば、次のことがいえる。
ア 【0019】、【0025】、【0036】の記載によれば、引用文献1には、「施工支援を行う対象となる各種の仮設、本設構造物」に対し、「作業者がこれから行う作業の完成形状であったり、作業をガイドする指標」である「施工支援情報の描画オブジェクト」を表示する「仮想現実感を利用した施工支援情報システム」が記載されている。
イ 【0025】、【0026】の記載によると、「施工支援情報データベース蓄積部32」には「施工支援情報データとしての描画オブジェクト」が蓄積されている。
ウ 【0022】、【0023】、【0035】によると、引用文献1には、「トータルステーション22からの測距」や「DGPS」により「作業者Wの視点位置E1」を求めるとともに、「ジャイロセンサー23」により「作業者Wの視点姿勢E2」を求めることが記載されている。
エ 【0030】、【0031】、【0036】によると、引用文献1には、「施工支援情報の描画オブジェクト」を「作業者WのSTHMD10の表示素子に転送」するにあたり、「映像切替コントローラ31を介して位置情報(E1、E2)の初期化、微調整、表示スケールの調整、各作業者固有の身体情報(頭頂部E0と視点位置E1とのずれ、瞳孔間距離)による画像調整」を行いつつ、「描画オブジェクト再構築部34で作業者Wの視点の移動に追従して変化する視点パラメータをもとに描画オブジェクトの立体形状等を変化」させ、さらに「描画オブジェクトは仮想立体映像として映像データ変換部40、映像信号転送部としてのHMDコントローラ43から作業者WのSTHMD10に搭載されている映像信号受信部15を介して映像表示装置12としての表示素子に表示」することが記載されている。また、それによって、「作業者Wが移動したり、頭を動かした場合」、「描画オブジェクトの形状や消失点の更新がなされ、移動後の作業者Wの視点情報に合わせて常に作業者Wは自分が見ている方向の現実空間内に仮想物体を現実空間上に重ね合わせることができる」(【0036】)。
(3)引用文献1に記載された発明
以上、上記(1)、(2)によれば、引用文献1には、
「施工支援を行う対象となる各種の仮設、本設構造物に対し、作業者がこれから行う作業の完成形状であったり、作業をガイドする指標である施工支援情報の描画オブジェクトを表示する仮想現実感を利用した施工支援情報システムであって((2)ア)、
施工支援情報データベース蓄積部には施工支援情報データとしての描画オブジェクトが蓄積され((2)イ)、
トータルステーションからの測距やDGPSにより作業者Wの視点位置E1を求めるとともに、ジャイロセンサーにより作業者Wの視点姿勢E2を求め((2)ウ)、
施工支援情報の描画オブジェクトを作業者WのSTHMDの表示素子に転送するにあたり、映像切替コントローラを介して位置情報(E1、E2)の初期化、微調整、表示スケールの調整、各作業者固有の身体情報(頭頂部E0と視点位置E1とのずれ、瞳孔間距離)による画像調整を行いつつ((2)エ)、
描画オブジェクト再構築部で作業者Wの視点の移動に追従して変化する視点パラメータをもとに描画オブジェクトの立体形状等を変化させ((2)エ)、
さらに描画オブジェクトは仮想立体映像として映像データ変換部、映像信号転送部としてのHMDコントローラから作業者WのSTHMDに搭載されている映像信号受信部を介して映像表示装置としての表示素子に表示するものであり((2)エ)、
それによって、作業者Wが移動したり、頭を動かした場合、描画オブジェクトの形状や消失点の更新がなされ、移動後の作業者Wの視点情報に合わせて常に作業者Wは自分が見ている方向の現実空間内に仮想物体を現実空間上に重ね合わせることができ((2)エ)、
例えば、覆工コンクリート工事までの工程が完了し、2次覆工の出来形検査を行う検査員がトンネル内を移動する際、完成状態において、正確な寸法形状に設定された2次覆工コンクリートの仮想立体映像を現実の覆工コンクリートと重畳させて観察すると、実際に打設された覆工コンクリートとあらかじめ設計上設定されていた覆工コンクリートとの形状や覆工厚の施工誤差を確認できる(【0039】)、
施工支援情報システム。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
2.引用文献2
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。下線は、当審が付した。
「【0026】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態は、橋梁点検の支援を目的とした橋梁点検支援装置に関するものであり、特に点検対象の橋梁の実映像に過去に点検した点検箇所を指示するガイド情報を重畳して表示させるものである。点検者は自身が保持する橋梁点検支援装置の表示画面上に表示されるガイド情報によって過去に点検した点検箇所を容易に把握することができ、点検箇所の確認、損傷評価等の点検作業を効率的に遂行していくことができる。」
「【0028】
(1.橋梁点検支援装置1のハードウェア構成)
図1は、橋梁点検支援装置1のハードウェア構成の例を示す図である。なお、図1のハードウェア構成は一例である。橋梁点検支援装置1は、例えば、タブレット端末であるが、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能であり、
スマートフォン、ノートPC、ウェアラブルデバイス(例えば眼鏡型、或いはヘルメット型のヘッドマウントディプレイ)等であってもよい。」
「【0038】
位置取得部18は、例えばGPSセンサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ等から構成され、点検者が保持する橋梁点検支援装置1の位置(緯度、経度、高度など)および向き(姿勢)を特定する位置情報を取得する。以下、橋梁点検支援装置1の位置および向きを特定する位置情報を「自己位置情報」とも呼ぶ。」
「【0043】
位置情報取得手段111は、位置取得部18を介して橋梁点検支援装置1の自己位置情報(位置および向き)を取得する。具体的にはGPSから橋梁点検支援装置1の位置(緯度、経度、高度)を取得し、加速度センサ、ジャイロセンサ、或いは地磁気センサから橋梁点検支援装置1の向き(姿勢)を取得する。自己位置情報は、後述するガイド情報5を生成する際に用いられる。なお橋梁点検支援装置1の自己位置情報は、点検者の操作を受付けることによって、手動で設定してもよい。例えば位置情報(緯度、経度、高度)を持つ橋梁モデル(2次元モデル又は3次元モデル)を記憶部12に保持しておき、この橋梁モデルを読込み、表示部15に表示する。そして点検者は表示された橋梁モデル上において自身の現在位置に相当する場所をクリック、タップ等することで位置情報(緯度、経度、高度)を得ることができる。
【0044】
ガイド情報生成手段112は、記憶部12に格納された点検データ12aを取得し、橋梁映像20に重畳表示するガイド情報5を生成する。
【0045】
点検データ12aには、過去に点検した点検箇所(損傷箇所)の位置を特定する点検位置情報を始めとして、損傷の撮影画像、損傷程度、損傷種類、損傷部位、点検方法、対策区分、健全性の区分、点検日時、点検メモなどの各種点検情報が含まれている。これらの情報の一部は、国土交通省「橋梁定期点検要領」で規定されている点検事項である。」
「【0048】
ガイド情報5とは、過去に点検した橋梁の点検箇所(損傷箇所)を指示する情報であり橋梁映像20に重畳して表示するAR(Augmented Reality:拡張現実)コンテンツである。本発明では、このガイド情報5を橋梁映像20に重畳した重畳映像30を画面上に表示することによって、過去に点検した点検箇所を視覚的に容易に把握することができ、点検者を点検箇所へ迷いなく誘導させ、点検箇所の確認、損傷評価等の点検作業を効率的に遂行していくことができる。
【0049】
ガイド情報生成手段112は、位置情報取得手段111により取得した橋梁点検支援装置1の自己位置情報(位置および向き)と、点検データ12aから取得した点検箇所の位置を特定する点検位置情報と、の位置関係に基づいて、AR技術により現実空間の座標系に合わせて視認させるようなガイド情報5を生成する。これにより現実空間にガイド情報5が実際に配置されているかのような映像が表示画面に表示される。ガイド情報5の表示例は後に示す。
【0050】
またガイド情報生成手段112は、点検データ12aに含まれる損傷に関連する各種点検情報、例えば損傷の損傷程度、損傷種類、損傷部位、点検方法、点検順序、対策区分、健全性の区分に応じて表示態様を変えたガイド情報5を生成することができる。これにより単に点検箇所の位置を指示するガイド情報5を生成し表示する場合に比べ、点検者は損傷に関する様々な情報を得ることができる。これらのガイド情報5の表示例も後に示す。
【0051】
重畳映像生成手段113は、映像取得手段110により取得した橋梁映像20にガイド情報生成手段112により生成したガイド情報5を重畳させた重畳映像30を生成する。重畳映像表示手段114は、重畳映像生成手段113が生成した重畳映像30を橋梁点検支援装置1の表示部15にリアルタイムに表示する。」
(2)引用文献2の上記記載によれば、次のことがいえる。
ア 【0026】、【0028】の記載によれば、「点検対象の橋梁の実映像に過去に点検した点検箇所を指示するガイド情報を重畳して表示させる」「橋梁点検支援装置」は「ウェアラブルデバイス」でもよいものである。
イ 【0044】、【0045】の記載によれば、「記憶部12」は、「過去に点検した点検箇所(損傷箇所)の位置を特定する点検位置情報を始めとして、損傷の撮影画像、損傷程度、損傷種類、損傷部位、点検方法、対策区分、健全性の区分、点検日時、点検メモなどの各種点検情報が含まれている」「点検データ」を記憶するものである。
ウ 【0038】、【0043】の記載によれば、位置情報取得手段111は、「点検者が保持する橋梁点検支援装置の位置(緯度、経度、高度など)および向き(姿勢)を特定する位置情報を取得」する「位置取得部18」を介して、「自己位置情報(位置および向き)を取得」するものである。
エ 【0044】、【0048】~【0050】の記載によれば、「ガイド情報生成手段112は、位置情報取得手段111により取得した橋梁点検支援装置1の自己位置情報(位置および向き)と」、「記憶部12に格納された」「点検データ12aから取得した点検箇所の位置を特定する点検位置情報と、の位置関係に基づいて、AR技術により現実空間の座標系に合わせて視認させるように」「損傷程度・・・、損傷部位・・・に応じて表示態様を変えた」「ガイド情報5を生成」するものである。
(3)引用文献2に記載された発明
以上、上記(1)、(2)によれば、引用文献2には、
「点検対象の橋梁の実映像に過去に点検した点検箇所を指示するガイド情報を重畳して表示させるウェアラブルデバイスといった橋梁点検支援装置であって((2)ア)、
記憶部は、過去に点検した点検箇所(損傷箇所)の位置を特定する点検位置情報を始めとして、損傷の撮影画像、損傷程度、損傷種類、損傷部位、点検方法、対策区分、健全性の区分、点検日時、点検メモなどの各種点検情報が含まれている点検データを記憶し((2)イ)、
位置情報取得手段は、点検者が保持する橋梁点検支援装置の位置(緯度、経度、高度など)および向き(姿勢)を特定する位置情報を取得する位置取得部を介して自己位置情報(位置および向き)を取得し((2)ウ)、
ガイド情報生成手段は、位置情報取得手段により取得した橋梁点検支援装置の自己位置情報(位置および向き)と、記憶部に格納された点検データから取得した点検箇所の位置を特定する点検位置情報と、の位置関係に基づいて、AR技術により現実空間の座標系に合わせて視認させるように損傷程度、損傷部位等に応じて表示態様を変えたガイド情報を生成し((2)エ)、
重畳映像生成手段は、映像取得手段により取得した橋梁映像にガイド情報生成手段により生成したガイド情報を重畳させた重畳映像を生成し(【0051】)、
重畳映像表示手段は、重畳映像生成手段が生成した重畳映像を橋梁点検支援装置の表示部にリアルタイムに表示する(【0051】)、
橋梁点検支援装置。」の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。
3.引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、次のとおりの記載がある。下線は、注目箇所に当審が付した。
[0048] The overlay includes return line object 570 that includes graphical portion 572 in the form of a red arrow showing flow direction (with red showing that the flow is return fluid) and also text box 573 with text based on the building management data from the EMS database for chiller 560 (e.g., return temperature as indicated by sensor data provided to the building EMS). The overlay also includes outlet line object 576 that includes graphical portion 577 in the form of a blue arrow showing flow direction (with blue indicating that the flow is outlet fluid at a lower temperature) and also text box 578 with text based on the building management data from the EMS database for chiller 560 (e.g., outlet temperature for the chiller as indicated by sensor information). The overlay on the video image in displayed image 554 includes additional text boxes 580, 586 for the chiller 560 providing additional management data in the form of text 582, 588 such as power demand for the chiller 560, chiller ID information, last service date, operational data (whether water side economizing is operating), and the like. Further, each of the boxes 580, 586 may be configured as selectable buttons that the user 502 may select (e.g., with a finger, a stylus, or the like) to request additional information such as a trend log (as shown at 582), a service record (as shown at 588), diagnosing procedures, manufacturer-provided information, and the like.
(当審訳:オーバレイは、流れの方向を示す赤矢印572(赤は流入する流体であることを指す)と、チラー560に関してEMSデータベースから取得された、テキストベースのビル管理情報(例えば、流入する流体の温度は、ビルのEMSから供給されるセンサーデータによって示される)を含むテキストボックス573から成る戻り管路オブジェクト570を含む。また、オーバレイは、流れの方向を示す青矢印577(青は流出する流体が低温であることを示す)と、チラー560に関してEMSデータベースから取得された、テキストベースのビル管理情報(例えば、センサーデータによって示されるチラーの流出温度))を含むテキストボックス578から成る入力管路オブジェクト576を含む。表示画像554のビデオ映像へのオーバレイは、チラー560への電力需要やチラーID情報、最後の稼働日、動作データ(節水機能が稼働しているか)、および同様のものといった、テキストの形態の追加管理データ582、588を提供する、チラー560に関する追加のテキストボックス580や586を含む。また、ボックス580、586のそれぞれは、ユーザ502が(582で示すような)トレンドログや(588で示すような)稼働記録、診断手順、製造業者提供情報等、更なる情報をリクエストするために(例えば、指、スタイラス等によって)選べるような選択可能なボタンとして構成してもよい。)
[0074] To provide for interaction with a user (with an I/O portion 646 of client 642 or I/O 664 of server 660 or the like), embodiments of the subject matter described in this specification can be implemented on a computer having a display device, e.g., a CRT (cathode ray tube) or LCD (liquid crystal display) monitor, for displaying and receiving input such as with a touch screen, for displaying information to the user and a keyboard and a pointing device, e.g., a mouse or a trackball, by which the user can provide input to the computer. Other kinds of devices can be used to provide for interaction with a user as well; for example, feedback provided to the user can be any form of sensory feedback, e.g., visual feedback, auditory feedback, or tactile feedback; and input from the user can be received in any form, including acoustic, speech, or tactile input.
(当審訳:ユーザとの対話(クライアント642のI/O部646またはサーバ660等のI/O装置664)を提供するために、本明細書で説明される実施形態は、タッチスクリーンと共に表示や入力を受け付けたり、キーボード、マウスやトラックボールのようなポインティングデバイスと、ユーザへの情報表示のために、CRT(ブラウン管)やLCD(液晶ディスプレイ)モニターのような表示装置を有するコンピュータ上に実現することができ、いずれの場合もユーザはコンピュータへの入力ができる。他の種類のデバイスが、ユーザとの対話を提供するために同様に使用することができ、例えば、ユーザへの応答は、感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックのいずれかの形態とすることができ;ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力で受け取られることができる。)
4.引用文献4
前置報告で周知技術を示す文献として新たに引用された引用文献4には、次の事項が記載されている。
「1.はじめに
複合現実感(MR)システムを用いることにより、実際の現場の映像に仮想物体のCG映像を重畳し、あたかも現場に仮想の物体が存在するかのように見せることができる。このMRシステムにおいては仮想の物体を実映像の正しい位置に表示することが必要であり、これを幾何学的整合性と呼ぶ。ただしこの幾何学的整合性、即ち位置関係を正しく仮想物体を表示しても、陰影情報が無ければ仮想物体が浮き上がって見えるなど違和感が生じることが知られている。そこで正しい陰影情報を仮想物体に付加することで本物らしい映像を生成することが重要となる。これを光学的整合性と呼ぶ。我々はこれまで、文部科学省のプロジェクトなどを通して大型文化財を表示する際の光学的整合性の取り方について研究を進めてきた。今回、これらのプロジェクトで開発された理論をベースに、実時間で且つ複数台並列に動作可能なシステムを開発し、2009年4月17日に行われたIOC評価委員の現地視察に際しプレゼンを行った。このプレゼンでは仮想スタジアムを晴海の現場に表示させ、仮想的にオリンピックの様子を、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を通して体感してもらった。」
「3.2 並列配信による複数ユーザの同時体験
今回のIOCの現地視察では、評価委員は16名且つ見学時間が限られていたため、予備を含め12台のHMDを同時に制御する必要があった。そこで位置姿勢情報をサーバで管理し、ネットワークを介して各HMDに装着されたPCに送信することで複数のユーザが同時体験することを可能とした。さらに、イベント信号をネットワーク上で送信することで、複数のHMD間の同期をとり、それぞれのユーザが視点移動の自由を保ちながら、MRモードと、シナリオに沿って構成されたVRモードを切り換えて体験できるシステムとした。」
[図:0001381553000004.jpg]
5.引用文献5
前置報告で周知技術を示す文献として新たに引用された引用文献5には、次の事項が記載されている。
「1.まえがき
複合現実技術(Mixed Reality)とは、コンピュータによって生成される仮想世界と我々が生活する現実世界をつなぎ目なくリアルタイムで融合する新しい技術である。コンピュータグラフィックス技術やセンサ機器の発達により、複数のユーザが複合現実空間を共有しながら共同作業を行うことが現実的に可能になってきた。本稿では、複数のユーザが同時に複合現実感を共有する空間を協調型複合現実空間と呼ぶ。・・・(中略)・・・。
図1に示すようにHMDを複数のユーザが同時に装着すると、視線や眼の表情などが隠されてしまい、ユーザ間のコミュニケーションが阻害されるという問題が生じる。」
[図:0001381553000005.jpg]
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。下線は、当審が付した。
ア 引用発明が対象とする「構造物」は「施工支援を行う対象となる各種の仮設、本設構造物」であり、施工する「構造物」であって、「既存」でないから、本願発明1の「既存構造物」と異なる。
イ 引用発明の「施工支援情報データとしての描画オブジェクト」は、上記アのとおり、「既存構造物」を対象としていないものの、「構造物」に関する「情報」である点で、本願発明1の「既存構造物の管理情報」と共通する。
ウ 引用発明の「施工支援情報システム」は、「構造物」への作業にあたり、「施工支援情報データの描画オブジェクトを表示」し、それによって、例えば、「実際に打設された覆工コンクリートとあらかじめ設計上設定されていた覆工コンクリートとの形状や覆工厚の施工誤差を確認」できるから、本願発明1の「既存構造物の管理情報を確認するためのシステム」である「既存構造物の管理情報確認システム」と、「構造物の情報を確認するためのシステム」である「構造物の情報確認システム」である点で共通する。
エ 引用発明の「施工支援情報データベース蓄積部」には「施工支援情報データとしての描画オブジェクト」が蓄積されるから、構造物の情報を記憶する「記憶手段」である点で、本願発明1の「既存構造物の管理情報を記憶する管理情報記憶手段」と共通する。
オ 引用発明の「作業者WのSTHMD」は作業者が装着するものであり、「STHMD」はシースルー型HMDを意味するものであるから、本願発明1の「利用者が装着した透過型ウェアラブル端末」に相当する。
カ 引用発明では、STHMDの位置情報に伴う描画オブジェクトの画像調整を映像切替コントローラによって行い、描画オブジェクト再構築部が作業者Wの視点の移動に追従する描画オブジェクトの立体形状等を変化させ、映像データ変換部による仮想立体映像化によって、描画オブジェクトをSTHMDで表示しているから、「透過型ウェアラブル端末を用いて表示させるための表示制御」を行うものである。
また、当該制御により「移動後の作業者Wの視点情報に合わせて常に作業者Wは自分が見ている方向の現実空間内に仮想物体を現実空間上に重ね合わせることができ」るし、「2次覆工の出来形検査を行う検査員がトンネル内を移動する際、完成状態において、正確な寸法形状に設定された2次覆工コンクリートの仮想立体映像を現実の覆工コンクリートと重畳させて観察」できるから、引用発明は、「描画オブジェクト」を「構造物における施工位置と関連付くようにして」、表示制御しているものである。
よって、引用発明の「映像切替コントローラ」、「描画オブジェクト再構築部」、「映像データ変換部」が協働したものは、上記ア、イの点を除き、本願発明1の「表示制御手段」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「構造物の情報を確認するためのシステムであって、
構造物の情報を記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶した情報を前記構造物における施工位置と関連付くようにして、利用者が装着した透過型ウェアラブル端末を用いて表示させるための表示制御手段と、
を備える、ことを特徴とする構造物の情報確認システム。」
[相違点1]
「構造物の情報」が、本願発明1では「既存構造物の管理情報」であるのに対し、引用発明では施工する「構造物」の「施工支援情報データとしての描画オブジェクト」である点。
[相違点2]
本願発明1では、「透過型ウェアラブル端末は、同時に複数の利用者がそれぞれ装着するとともに、各透過型ウェアラブル端末では、同時にそれぞれ異なる管理情報を前記既存構造物における施工位置と関連付けて表示する」のに対し、引用発明ではそのような表示を行う点が特定されていない点。
(2)相違点についての判断
上記相違点について検討する。
事案に鑑みて、相違点2を先に検討する。
本願発明1は「透過型ウェアラブル端末は、同時に複数の利用者がそれぞれ装着するとともに、同時にそれぞれ異なる管理情報を前記既存構造物における施工位置と関連付けて表示する」ものであるから(下線は、当審が付した)、同一の「既存構造物」を対象として、「複数の利用者が同時にそれぞれ異なる管理情報を既存構造物における施工位置と関連付けて表示」するものである。
一方、引用発明2は、「透過型ウェアラブル端末は、同時に複数の利用者がそれぞれ装着するとともに、各透過型ウェアラブル端末では、同時にそれぞれ異なる管理情報を前記既存構造物における施工位置と関連付けて表示する」ものではない。
また、引用文献3に記載されているように、「拡張現実の技術を用いて、現実世界の所定の対象物に関連する情報をユーザに提示するにあたり、当該情報が複数種類存在する場合、音声入力などの入力方法を用いて、ユーザが表示する情報を選択すること」が周知技術(以下、周知技術1とする)であり、引用文献4や引用文献5に記載されているように、「複合現実感(MR)のシステムにおいて、同時に複数のユーザがHMDを装着し、それぞれのユーザに対してシステムが生成した画像を提示すること」が周知技術(以下、周知技術2とする)であったとしても、同時に複数の利用者が透過型ウェアラブル端末をそれぞれ装着するとともに、同時にそれぞれ異なる管理情報を同一の既存構造物における施工位置と関連付けて表示することは周知技術であるとはいえない。
よって、引用発明に、周知技術1と周知技術2をそれぞれ適用したとしても、相違点2に係る構成には至らない。
そして、本願発明1は、相違点2に係る構成により、「透過型ウェアラブル端末30を利用して管理情報を表示する場合には、複数の者が、それぞれ異なる管理情報をトンネル内壁面と関連付けて認識することができる。すなわち、確認事項を分担して同時に確認作業を行うことができるので、管理者各自の専門性に応じた判断を同時に行うことが可能となる。」(【0032】)(下線は、当審が付した)という作用効果を奏するものである。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用発明2、周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明、引用発明2、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2.本願発明2、3について
本願発明2、3は本願発明1を減縮した発明であり、上記相違点2に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同様に、当業者であっても、引用発明、引用発明2、周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたとはいえない。
第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1~3は「前記透過型ウェアラブル端末は、同時に複数の利用者がそれぞれ装着するとともに、各透過型ウェアラブル端末では、同時にそれぞれ異なる管理情報を前記既存構造物における施工位置と関連付けて表示する」という事項を有するものとなっており、上記「第5 1」のとおり、当業者であっても、引用発明、引用発明2、周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1~3は、当業者が引用発明、引用発明2、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-004989