2021-004812
パルスサーベイ、パルスサーベー
- 審判番号
- 2021-004812
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-103022外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年04月14日
- 審決日
- 2022年02月22日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- T18 .13 -Z (W35) / T18 .272-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第10条第1項、商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
本願は、令和元年6月19日に登録出願された商願2019-086058に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同2年8月20日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 本願商標
本願商標は、「パルスサーベイ」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『パルスサーベイ』の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の『パルス』の文字は、『脈拍』等を意味する語であり、『サーベイ』の文字は、『調査』等を意味するものである。そして、『パルスサーベイ』の文字が、指定役務に関連する分野において、『短期間に繰り返し行う調査』といった意味合いで使用されている実情が把握できるから、本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する需要者は、短期間に繰り返し行う調査に関する役務であること、短期間に繰り返し行う調査を用いた役務であることを認識するにとどまり、何人かの業務に係る役務であるか認識できないというのが自然である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審においてした審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、審尋で、別掲2のとおり、その結果を通知するともに、当審の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の意見の要点
請求人は、上記第4の審尋に対して、意見書において、要旨、以下のように主張した。
審尋で提示された別掲2の1ないし5の事例は、確かに「パルスサーベイ」の用語についての記載例であるものの、いずれも、本願指定役務について役務の質等を具体的に表示するものとしての使用例であるのかが必ずしも明確ではないから、本願商標は、「脈拍の調査」なる意味合いを超えて「短期間に繰り返し行う調査」の意味合いを認識しなければならない程、「パルスサーベイ」の文字が本願指定役務に関連する分野で一般的な文字として普通に使用されている状況ではない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号には該当しない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「パルスサーベイ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「パルス」の文字は「脈拍」(広辞苑 第七版)の意味を、「サーベイ」の文字は「調査」(前掲書)の意味をそれぞれ有するものである。
そして、原審の拒絶理由通知書及び拒絶査定で示した事例(別掲3)の他、別掲2のインターネット情報及び書籍によれば、本願の指定役務を提供する業界において、上記の各構成文字の語義に関連して、例えば、別掲2の1や2のとおり「脈拍(パルス)を測るように高頻度で実施する従業員調査」や「脈拍チェックのように定期的に高頻度でチェックする、従業員の意識調査」など、「パルスサーベイ」の語が、脈拍を測るように「短期間に繰り返し行う調査」程の意味合いをもって、提供する役務の内容を表すものとして使用されていることが認められる。
そうすると、「パルスサーベイ」の文字からなる本願商標は、本願の指定役務との関係において、「短期間に繰り返し行う調査」程の意味合いを表す語であることを取引者、需要者に、認識させるにとどまるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、これをその指定役務中、「短期間に繰り返し行う調査」に関連する役務、例えば「アンケート調査とその結果の分析及び助言,アンケート情報の提供」に使用するときは、単に役務の質(内容)等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものである。
また、前記に関連する役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、各構成文字の語義から「脈拍の調査」なる意味合いを認識させる場合があるとしても、「短期間に繰り返し行う調査」なる意味合いを直ちに認識することはできず、本願の指定役務との関係では、直接的、具体的に特定の役務の内容を表示したものではないものであること、また、本願の指定役務に関連する分野において「短期間に繰り返し行う調査」といった意味合いで使用されている例が存在するとしても、「脈拍の調査」なる意味合いを超えて「短期間に繰り返し行う調査」の意味合いを認識しなければならない程、「パルスサーベイ」の文字が、一般的な文字として使用されていないことから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない旨を主張する。
しかしながら、本願の指定役務を提供する業界において、原審の拒絶理由通知書及び拒絶査定で示した事例(別掲3)に加え、別掲2のとおり、例えば、「脈拍(パルス)を測るように高頻度で実施する従業員調査」や「脈拍チェックのように定期的に高頻度でチェックする、従業員の意識調査」など、複数の者によって、「パルスサーベイ」の語が、脈拍を測るように「短期間に繰り返し行う調査」程の意味合いをもって、提供する役務の内容を表すものとして、使用されていることが認められることからすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、「脈拍の調査」ではなく、「短期間に繰り返し行う調査」程の意味合いを表す語であって、提供する役務の内容を表すものと認識させるにとどまるものというべきである。
(2)請求人は、本願の指定役務と異なる第35類の指定役務との関係において、「PULSE SURVEY」の文字を書してなる商標及び「パルスサーベイ」の文字を書してなる請求人の商標が登録されていること(甲第4号証、甲第5号証)及び、過去の登録例を挙げて、本願商標もそれらと同様に判断されるべきである旨を主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるもの、又は、本願商標を使用する役務とは異なる商品又は役務である点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲(理由中で参照)
内容を表示(23行)
第35類「アンケート調査とその結果の分析及び助言,アンケート情報の提供,人材に関する管理並びにこれらに関する指導・助言又は情報の提供,人材管理の分野における事業の組織及び事業の管理に関する指導及び助言並びにこれらに関する情報の提供,人材紹介・人材募集及び人材管理に関する指導及び助言並びにこれらに関する情報の提供,企業の経理・人事・労務に関する助言及び指導並びにこれらに関する情報の提供,企業の人事管理・労務管理のための適性検査及び検査結果の評価並びにこれらに関する指導・助言又は情報の提供,芸能人のタレント活動の管理並びにこれらに関するコンサルティング及び情報の提供,事業に関する助言及び支援並びにこれらに関する情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言並びにこれらに関する情報の提供,市場調査又は分析並びにこれらに関する指導・助言又は情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,適職診断システムによる適職情報・必要資格およびスキル情報の提供」
別掲2 本願の指定役務を提供する業界において、「パルスサーベイ」の語が「短期間に繰り返し行う調査」程の意味合いを示すものとして使用されている事例(審尋で示した事例。下線は当審が付した。)
1 「ソフトバンク株式会社」のウェブサイトにおいて、「なぜ、ソフトバンクの人事本部はゼロからパルスサーベイを開発したのか?」との見出しの下、「パルスサーベイとは」の項において、「脈拍(パルス)を測るように高頻度で実施する従業員調査」、「小規模な調査を週単位・月単位で実施」、「回答時間は2分程度」及び「数値の変化を重視」との記載がある。
https://www.softbank.jp/biz/future_stride/entry/workstyle/20200319_2/?utm_source=feed
2 「LAFOOL SURVEY」のウェブサイトにおいて、「パルスサーベイとは?実施するメリット・デメリットや質問項目も紹介」との見出しの下、「パルスサーベイの概要」の項において、「パルスサーベイは、従業員の意識調査を行う手法の一つです。短いスパンで簡単な質問を繰り返し行うことで、従業員の意識をリアルタイムに調査することができます。パルス(pulse)とは、日本語で「脈拍」のこと。パルスサーベイは、脈拍チェックのように定期的に高頻度でチェックするため、このように呼ばれています。パルスサーベイは、週1回や月1回といった短いスパンで繰り返し行うものです。」との記載がある。
https://survey.lafool.jp/mindfulness/column/0056.html
3 「株式会社夢テクノロジー」のウェブサイトにおいて、「パルスサーベイとは?目的・メリット4つと主な活用場面をご紹介」との見出しの下、「パルスサーベイとは?」の項において、「パルスサーベイとは、従業員の満足度を高頻度で測定するための意識調査のことです。パルスとは心拍数のことです。社員が企業にどれだけ馴染めているのかを、的確な質問を定期的にくりかえすことで、リアルタイムに判定していきます。会社に対するエンゲージメントなどをパルスサーベイで測ることで、組織の改善を行う資料として活用していくことができます。」との記載がある。
https://www.yume-tec.co.jp/column/training/3492
4 東洋経済新報社発行「ITナビゲーター 2020年版」(発行日:2019年12月12日)の246頁において、「市場の定義」の項に、「・・・エンゲージメント管理ソリューション市場は、『パルスサーベイ』を用いたコミュニケーションプラットフォームサービスを指す。パルスサーベイとは、数分で回答可能な簡易な調査を、短期間に繰り返し実施する調査手法である。・・・」との記載がある。
5 東洋経済新報社発行「M&Aシナジーを実現するPMI 事業統合を成功へ導く人材マネジメントの実践」(発行日:2016年6月9日)の145頁において、「第4章 ソフト面(企業・組織文化)のPMI」の「i)パルス・サーベイ」の項に、「従業員意識調査を統合直後から定期的に、同一の設問で継続して実施し、スコアの変化を確認する。このような、定期的な意識調査をパルス・サーベイと呼ぶ。」との記載がある。
別掲3 本願の指定役務を提供する業界において、「パルスサーベイ」の語が「短期間に繰り返し行う調査」程の意味合いを示すものとして使用されている事例(原審の拒絶理由通知書及び拒絶査定で示した事例)
1 「日本の人事部 HRテクノロジー」のウェブサイトにおいて、「パルスサーベイ」の見出しの下、「『パルスサーベイ(パルス調査、Pulse Survey)』とは、簡易的な調査を短期間に繰り返し実施する調査手法のことで、主に従業員の満足度調査に用いられます。『パルス(pulse)』は、日本語で脈拍のこと。脈拍のチェックをするように、組織と個人の関係性の健全度合を測ることを目的としています。短期反復型のパルスサーベイに対し、年に1回程度じっくり時間をかけて行う調査は『センサス(census)』と呼ばれます。」との記載がある。
https://jinjibu.jp/hrt/keyword/detl/930/
2 「ASMARQ」のウェブサイトにおいて、「公開日:2020.06.16/退職アラートを早期発見、アスマークがパルスサーベイ『Pulsign(パルサイン)』をリリース」の見出しの下、「パルスサーベイとは/従業員満足度(ES)を測る際に用いられる調査手法の一つで、簡易的な調査を短期間に繰り返し実施するものです。『パルス』は脈拍を意味し、人が脈拍をチェックして健康状態のチェックをするように、企業がどのような状態にあるのかを測ります。」の記載がある。
https://www.asmarq.co.jp/news/release-20200616/
3 「株式会社ベターオプションズ」のウェブサイトにおいて、「パルスサーベイとは?」の見出しの下、「パルスサーベイとは、毎日、週に1回、月に1回などの比較的高頻度で実施する調査のことです。従来から実施されてきた、ストレスチェックや従業員満足度調査が年1回の頻度で実施されることが一般的だったことに対して、パルスサーベイではそれより短い間隔で実施されることが特徴です。パルスサーベイの内容は、選択式で回答を選択する形式が一般的ですが、コメント等のテキストを入力する場合もあります。」との記載がある。
https://better-options.jp/案件事例/パルスサーベイの開発/
4 「TUNAG」のウェブサイトにおいて、「【パルスサーベイとは】意味や特徴、実際の導入事例をご紹介」の見出しの下、「パルスサーベイ(パルス調査)とは?」として、「パルスサーベイとは従業員満足度調査の際に用いられる意識調査法の1つです。従業員満足度を調査する方法は様々な方法がありますが、その中でもパルスサーベイが特徴的であるのはその調査実施頻度です。1年に1回、また半年に1回の頻度で行われる意識調査とは異なり、週次や月次などの高い頻度で調査を行うことで、日々変化する従業員の満足度やエンゲージメント、心理状況などを細かく確認することができます。」との記載がある。
https://tunag.jp/ja/contents/hr-column/14864/
5 「ボクシルマガジン」のウェブサイトにおいて、「パルスサーベイとは|目的・効果・活用場面・質問事項と実施方法」の見出しの下、「パルスサーベイとは『従業員満足度調査』で用いる手法の1つ。簡単な質問を高頻度で繰り返すことで従業員の意識をリアルタイムに把握し、組織改善へといかせます。新規採用人材がきちんと組織に定着できているか、離職兆候の高い従業員はいないかを観測。エンゲージメント向上施策に役立てられます。」との記載がある。
https://boxil.jp/mag/a6865/
6 「HR大学」のウェブサイトにおいて、「【事例あり】パルスサーベイとは?目的から実施・活用のポイントまで」の見出しの下、「パルスサーベイとは?」として、「パルスサーベイとは、従業員に対して簡易的な質問を短期間に繰り返し実施する意識調査方法の1つです。1~5分程度で回答できる簡単な質問を、毎日・週1・月1と定期的に行うため従業員意識を常にリアルタイムでチェックできる点が特徴的です。企業によっては匿名・実名制と名前の開示有無は異なります。繰り返し調査するため時間と手間がかかり、従業員への負担・ストレスになりやすいのですが、従業員満足度の向上に大きな効果が期待できる調査方法として企業規模を問わず支持されています。」との記載がある。
https://www.hrbrain.jp/media/evaluation/pulse-survey
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