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特許拒絶査定不服審判

2021-004515

サーバ

審判番号
2021-004515
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-089935外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年04月07日
審決日
2022年05月24日
公報発行日
2022年06月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 89935「サーバ」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 3月 5日出願公開、特開2020- 35418、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和元年 5月10日(パリ条約による優先権主張 2018年 8月28日 米国、2019年 1月11日 米国)の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和 2年 7月 2日付け :拒絶理由通知 令和 2年 9月28日 :意見書、手続補正書の提出 令和 3年 1月 6日付け :拒絶査定 令和 3年 4月 7日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和 3年12月 7日付け :拒絶理由(当審拒絶理由)通知 令和 4年 3月 1日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願請求項1-5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明5」という。)は、令和 4年 3月 1日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 第1の通気口と第2の通気口を有する外部ケースと、 前記外部ケースとの間に空気流路を定義するように前記外部ケースの中に設置され、前記空気流路は第1端と第2端を有し、前記第1の通気口は前記空気流路の前記第1端の近くに位置し、且つ前記第2の通気口は前記空気流路の前記第2端の近くに位置する内部ケースと、 前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの高出力電子素子と、 少なくとも1つの前記高出力電子素子より少ない熱を発生させ、前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの低出力電子素子と、 前記内部ケース内を貫通して伸び、一部が前記空気流路に位置する第1のヒートシンクと、 前記内部ケースの外側の前記空気流路に全部が設置される第2のヒートシンクと、 前記第2のヒートシンクと少なくとも1つの前記高出力電子素子を熱結合し、前記第2のヒートシンクと前記内部ケースの中の少なくとも1つの前記高出力電子素子を熱交換する、前記内部ケースを貫通して延びる少なくとも1つのヒートパイプと、 空気が前記第1の通気口を介して前記空気流路の中に入り、少なくとも一部の前記空気流路を流れて、少なくとも一部の前記第2のヒートシンクを流れて、且つ前記第2の通気口を介して前記空気流路から離れるように位置される第1のファンと、 前記内部ケースの中に設置される第2のファンと を含み、 少なくとも1つの前記低出力電子素子が、少なくとも1つの前記高出力電子素子と前記第2のファンとの間に位置し、 少なくとも1つの前記低出力電子素子と熱交換する前記第1のヒートシンクは、少なくとも1つの前記低出力電子素子から発生する熱の少なくとも一部を前記内部ケースから前記空気流路に転送するように配置される、サーバ。 【請求項2】 前記第1のファンは、前記空気流路に設置されて、前記空気流路に転送された該熱の一部を前記外部ケースから排除することに関与する、請求項1に記載のサーバ。 【請求項3】 該第1のヒートシンクは、該内部ケースの中に設置される内部部分と、該外部ケースの中の該空気流路に設置される外部部分、を含む、請求項1又は請求項2に記載のサーバ。 【請求項4】 前記第1のヒートシンクの前記内部部分は少なくとも1つの前記低出力電子素子に結合して、前記第1のヒートシンクの前記内部部分を少なくとも1つの前記低出力電子素子に物理的に接触させる、請求項3に記載のサーバ。 【請求項5】 前記第2のファンは、空気を内部ケースの中に循環させるように配置されて、少なくとも1つの該低出力電子素子から発生する前記熱を前記第1のヒートシンクの前記内部部分を介して前記第1のヒートシンクの前記外部部分に転送させる、請求項3に記載のサーバ。」 第3 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(米国特許出願公開第2016/0021768号明細書)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、強調のため当審にて付与。以下同様。) 「ABSTRACT A multi-purpose enclosure for telecommunication applications includes plural walls defining a first chamber and a second chamber, and a heat generating component positioned in the first chamber. At least one of the plural walls separates the first chamber and the second chamber. At least a portion of the wall separating the first chamber and the second chamber spans an area defined by a width and a height. The wall portion has a surface area that is greater than a product of the width and the height. The plural walls define an airflow path adjacent to the wall portion for removing from the enclosure heat generated by the heat generating component and thermally conducted from the first chamber to the second chamber through the wall portion. Other example enclosures are also disclosed.」 (当審訳: 要約 電気通信用途のための多目的筐体は、第1のチャンバと第2のチャンバとを画定する複数の壁と、第1の室に配置された熱生成構成要素とを含む。複数の壁のうちの少なくとも1つは、第1のチャンバと第2のチャンバとを分離する。第1および第2チャンバを分離する壁の少なくとも一部は、幅および高さによって画定される領域に及ぶ。壁部である幅と高さの積よりも大きい表面積を有している。複数の壁は、熱生成要素により生成され、第1のチャンバから熱伝導筐体熱から壁部材を通って第2チャンバへ除去するために壁部分に隣接して空気流路を形成する。他のエンクロージャ例も開示されている。)。 「[0045]FIG. 7 illustrates another example multi-purpose enclosure 700 similar to the enclosure 400 of FIG. 4. The enclosure 700 of FIG. 7, however, includes multiple heat generating components 702 and a DC distribution unit 704 positioned in the chamber 420, and multiple heat sinks 706 and multiple batteries 708 positioned in the chamber 410. The DC distribution unit 704 may include, for example, breakers, terminations, controllers, and/or other suitable DC distribution components.」 (当審訳: [0045]図7は、図4の包囲体400に類似の別の例の多目的筐体700を示す。図7の筐体700は、チャンバ420内に配置された複数の発熱部品702と直流配電部704と、チャンバ410内に配置された複数のヒートシンク706及び複数の電池708を備えている。分配ユニット704は、例えば、遮断器、コントローラ、及び/又は他の好適な直流配電構成要素を含むことができる。) 「 [図:0001384811000001.jpg] 図7」 「[0046]As shown in FIG. 7, one heat sink 706 is thermally coupled to a respective heat generating component 702. The heat sinks 706 may be thermally coupled to the heat generating components 702 in a similar manner as described above. Additionally, at least a portion of each heat sink 706 is positioned in one or more air flow paths defined by walls of the chambers 410, 420 as explained above.」 (当審訳: [0046]図7に示すように、1つのヒートシンク706は、発熱部品702に熱的に結合される。上述したように、各ヒートシンク706は、同様の方法で発熱部品702に熱的に結合されてもよい。さらに、上述のように各ヒートシンク706の少なくとも一部は、チャンバ410、420の壁によって画定された1つまたは複数の空気流路に配置されている。) 「[0054]In some embodiments, one or more of the walls defining the chambers 410, 420 may include a vent. For example, the enclosure 700 of FIG. 7 includes a wall 710 defining a portion of the chamber 410. The wall 710 includes vents 712 which allow air to move from outside the chamber 410 to inside the chamber 410 and through the air flow paths. Additionally, one or more other walls of the enclosure 700 (e.g., wall 716) may include vent(s) to allow air to move through the chamber 410.」 (当審訳: [0054]いくつかの実施形態では、チャンバ410、420を画定する壁のうちの1つ以上は、通気口を含むことができる。例えば、図7のエンクロージャ700は、チャンバ410の一部を画成する壁710を含む。壁710は、空気がチャンバ410の外部からチャンバ410内に及び空気流路を通って移動することを可能にする通気孔712を含んでいる。さらに、筐体700(例えば、壁716)の1つ以上の他の壁部は、空気がチャンバ410を通って移動することを可能にする通気口(単数または複数)を含むことができる。) 「[0057]Additionally, the enclosure 700 includes a fan 714 for moving air through the vents 712, the airflow paths, and between, for example, heat sink fins (if employed). For example, the fan 714 of FIG. 7 may be controlled to draw air into the chamber 410 and through the airflow paths via the vents 712. Additionally and alternatively, the fan 714 may be controlled to force air to exit the chamber 410 through the vents 712. [0058]As shown in FIG. 7, the fan 714 is coupled to the wall 716 defining a portion of the chamber 410 and is positioned within the air flow paths. Thus, the fan 714 is positioned between the wall 716 defining the chamber 410 and the wall 418 defining the chamber 420. Alternatively, the fan 714 may be coupled to another suitable location including, for example, a different wall defining the chamber 410, a wall defining the chamber 420, an exterior side of the chamber 410, etc.」 (当審訳: [0057]さらに、筐体700は、通気孔712、空気流路、および、例えば、ヒートシンクフィン(用いられる場合)との間を通る空気を移動させるためのファン714を備えている。例えば、図7のファン714は、チャンバ410内に搬入し、通気孔712を介して空気流路を通って空気を引き込むように制御されてもよい。付加的に且つ代替的に、ファン714は、空気が通気口712を通ってチャンバ410を出ることを強制するように制御されることができる。 [0058]図7に示すように、ファン714は、チャンバ410の一部を画定する壁716に結合されており、空気流路内に配置されている。このように、ファン714は、チャンバ420を規定するチャンバ410および壁418を画定する壁716との間に配置されている。代替的に、ファン714は、例えば、チャンバ410を規定する壁と、チャンバ420を規定する壁と、チャンバ410の外部側、等を含む別の好適な位置に結合することができる。) したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「電気通信用途のための多目的筐体を示す筐体700は、チャンバ420内に配置された複数の発熱部品702と、チャンバ410内に配置された複数のヒートシンク706を備えており、 各ヒートシンク706は、発熱部品702に熱的に結合されており、 各ヒートシンク706の少なくとも一部は、チャンバ410、420の壁によって画定された1つまたは複数の空気流路に配置されており、 壁710は、空気がチャンバ410の外部からチャンバ410内に及び空気流路を通って移動することを可能にする通気孔712を含み、 筐体700は、通気孔712、空気流路、および、例えば、ヒートシンクフィン(用いられる場合)との間を通る空気を移動させるためのファン714を備え、 ファン714は、空気が通気口712を通ってチャンバ410を出ることを強制するように制御され、 チャンバ410の一部を画定する壁716に結合されている、 電気通信用途のための多目的筐体」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2016-57902号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(以下、「引用文献2記載の技術的事項」という。)。 「【0022】 以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。 <冷却システムの全体構成> 図1は本発明の実施例1のサーバ冷却システムを示す概略説明図である。図2はサーバの一例を示す概略説明図である。 実施例1のサーバ冷却システムは、各サーバ1のCPU2やハードディスク3等の発熱部4に、その熱を吸収するために一端が取り付けられたヒートパイプ5と、このヒートパイプ5の他端が取り付けられた冷却フィン6と、この冷却フィン6の加熱された空気を外部へ排出する、サーバ室7に設けられた排気通路8と、を備えたものである。この冷却システムは、サーバ室7において複数配列されているサーバ1を集中的に冷却するシステムである。実施例1のサーバ冷却システムは、サーバ室7の天井面9の上側に排気通路8を形成したものである。」 「 [図:0001384811000002.jpg] 図2」 第4 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア.引用発明の「通気孔712」は、「空気がチャンバ410の外部からチャンバ410内に及び空気流路を通って移動することを可能にする通気孔712」であり、更に、空気が「通気口712を通ってチャンバ410を出る」ためのものでもあることから、本願発明1における「第1の通気口と第2の通気口」に相当する。 イ.引用発明の「壁710」は、「通気孔712」を含むものであるから、上記アを参酌すると、本願発明1における「第1の通気口と第2の通気口を有する外部ケース」に相当する。 ウ.引用発明の「空気流路」は、外部からの空気が移動する経路であることから、本願発明1における「空気流路」に相当する。また、引用発明の「空気流路」は、「空気がチャンバ410の外部からチャンバ410内に及び空気流路を通って移動」し、「ファン714は、空気が通気口712を通ってチャンバ410を出ることを強制するように制御」するものであるから、上記アを参酌すると、本願発明1における「前記空気流路は第1端と第2端を有し、前記第1の通気口は前記空気流路の前記第1端の近くに位置し、且つ前記第2の通気口は前記空気流路の前記第2端の近くに位置する」ものといえる。 エ.引用発明の「チャンバ420」は、内部に「複数の発熱部品702」を配置しており、引用発明の「空気流路」は、「チャンバ410、420の壁によって画定された1つまたは複数の空気流路」であることから、上記イ、ウを参酌すると、引用発明の「チャンバ420の壁」は、本願発明1における「前記外部ケースとの間に空気流路を定義するように前記外部ケースの中に設置され、前記空気流路は第1端と第2端を有し、前記第1の通気口は前記空気流路の前記第1端の近くに位置し、且つ前記第2の通気口は前記空気流路の前記第2端の近くに位置する内部ケース」に相当する。 オ.引用発明の「チャンバ420内に配置された複数の発熱部品702」は、上記エを参酌すると、本願発明1における「前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの高出力電子素子と、少なくとも1つの前記高出力電子素子より少ない熱を発生させ、前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの低出力電子素子」とは、「前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの発熱要素」である点で共通する。 カ.引用発明の「ヒートシンク706」は、「チャンバ410内に配置され」ており、かつ「ヒートシンク706の少なくとも一部は」「空気流路に配置されて」いることから、「チャンバ410」を貫通しているといえる。よって、引用発明の「ヒートシンク706」は、本願発明1における「前記内部ケース内を貫通して伸び、一部が前記空気流路に位置する第1のヒートシンク」に相当する。 キ.引用発明の「ファン714」は、「通気孔712、空気流路、および、例えば、ヒートシンクフィン(用いられる場合)との間を通る空気を移動させるため」のものであり、「空気が通気口712を通ってチャンバ410を出ることを強制するように制御され、チャンバ410の一部を画定する壁716に結合されている」ことから、上記ウ、エを参酌すると、本願発明1における「空気が前記第1の通気口を介して前記空気流路の中に入り、少なくとも一部の前記空気流路を流れて、少なくとも一部の前記第2のヒートシンクを流れて、且つ前記第2の通気口を介して前記空気流路から離れるように位置される第1のファン」とは、「空気が前記第1の通気口を介して前記空気流路の中に入り、少なくとも一部の前記空気流路を流れて、少なくとも一部のヒートシンクを流れて、且つ前記第2の通気口を介して前記空気流路から離れるように位置される第1のファン」という点で共通する。 ク.引用発明の「ヒートシンク706」は、一部が空気流路に配置され、発熱部品に熱的に結合されていることから、上記オ、カを参酌すると、本願発明1における「少なくとも1つの前記低出力電子素子と熱交換する前記第1のヒートシンクは、少なくとも1つの前記低出力電子素子から発生する熱の少なくとも一部を前記内部ケースから前記空気流路に転送するように配置される」こととは、「少なくとも1つの前記発熱要素と熱交換する前記第1のヒートシンクは、少なくとも1つの前記発熱要素から発生する熱の少なくとも一部を前記内部ケースから前記空気流路に転送するように配置される」という点で共通する。 ケ.引用発明の「電気通信用途のための多目的筐体を示す筐体700」は、何らかの電子機器を格納しているものであり、本願発明1における「サーバ」とは、後述する相違点を除いて、「電子機器」という点で共通する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「 第1の通気口と第2の通気口を有する外部ケースと、 前記外部ケースとの間に空気流路を定義するように前記外部ケースの中に設置され、前記空気流路は第1端と第2端を有し、前記第1の通気口は前記空気流路の前記第1端の近くに位置し、且つ前記第2の通気口は前記空気流路の前記第2端の近くに位置する内部ケースと、 前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの発熱要素と、 前記内部ケース内を貫通して伸び、一部が前記空気流路に位置する第1のヒートシンクと、 空気が前記第1の通気口を介して前記空気流路の中に入り、少なくとも一部の前記空気流路を流れて、少なくとも一部のヒートシンクを流れて、且つ前記第2の通気口を介して前記空気流路から離れるように位置される第1のファンと、 を含み、 少なくとも1つの前記発熱要素と熱交換する前記第1のヒートシンクは、少なくとも1つの前記発熱要素から発生する熱の少なくとも一部を前記内部ケースから前記空気流路に転送するように配置される、電子機器。」 (相違点1) 本願発明1は、「前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの高出力電子素子と、少なくとも1つの前記高出力電子素子より少ない熱を発生させ、前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの低出力電子素子」を含むのに対して、引用発明では、「複数の発熱部品702」が電子素子であるとは特定されておらず、また複数の発熱要素の発熱量の違いについての特定がない点。 (相違点2) 本願発明1は、「前記内部ケースの外側の前記空気流路に全部が設置される第2のヒートシンク」を含むのに対して、引用発明はそれを含むものではない点。 (相違点3) 本願発明1は、「前記第2のヒートシンクと少なくとも1つの前記高出力電子素子を熱結合し、前記第2のヒートシンクと前記内部ケースの中の少なくとも1つの前記高出力電子素子を熱交換する、前記内部ケースを貫通して延びる少なくとも1つのヒートパイプ」を含むのに対して、引用発明はそれを含むものではない点。 (相違点4) 本願発明1では、「空気が前記第1の通気口を介して前記空気流路の中に入り、少なくとも一部の前記空気流路を流れて、少なくとも一部の前記第2のヒートシンクを流れて、且つ前記第2の通気口を介して前記空気流路から離れるように位置される第1のファン」とあるように「第1のファン」の空気の流れは、「第2のヒートシンク」を流れるものの、上記相違点2に記載したように、引用発明は「第2のヒートシンク」を含むものではなく、「第1のファン」の空気の流れが「第2のヒートシンク」を流れることが特定されていない点。 (相違点5) 本願発明1は、「前記内部ケースの中に設置される第2のファン」を含むのに対して、引用発明はそれを含むものではない点。 (相違点6) 本願発明1では、「少なくとも1つの前記低出力電子素子が、少なくとも1つの前記高出力電子素子と前記第2のファンとの間に位置」することが特定されているが、引用発明は、発熱要素に「低出力」及び「高出力」の区別がなく、「第2のファン」を含むものではない為、当該記載箇所の位置関係について特定されていない点。 (相違点7) 本願発明1は、「少なくとも1つの前記低出力電子素子と熱交換する前記第1のヒートシンクは、少なくとも1つの前記低出力電子素子から発生する熱の少なくとも一部を前記内部ケースから前記空気流路に転送するように配置される」のに対して、引用発明では、「低出力電子素子」についての特定がない点。 (相違点8) 本願発明1は、「サーバ」の発明であるのに対して、引用発明は「サーバ」であることが特定されていない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み、まず相違点1ないし3について検討すると、引用発明においては、複数の発熱要素について放熱特性に対する区別がされておらず、複数の発熱要素の冷却方法について、冷却の態様に差を設けることの必然性が存在しないことから、当業者において、例えば引用文献2記載の技術的事項のようなヒートシンクを用いた冷却方法を一部の発熱要素に適用する動機付けがあるとはいえない。 また、相違点1ないし3に係る本願発明1の「前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの高出力電子素子と、少なくとも1つの前記高出力電子素子より少ない熱を発生させ、前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの低出力電子素子」と、「前記内部ケースの外側の前記空気流路に全部が設置される第2のヒートシンク」と、「前記第2のヒートシンクと少なくとも1つの前記高出力電子素子を熱結合し、前記第2のヒートシンクと前記内部ケースの中の少なくとも1つの前記高出力電子素子を熱交換する、前記内部ケースを貫通して延びる少なくとも1つのヒートパイプ」とを備えるという構成は、引用文献1及び2には記載も示唆もされておらず、また、本願の優先日前において周知技術であるともいえない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-5について 本願発明2-5は、本願発明1の上記相違点1ないし3に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第5 原査定の概要及び原査定についての判断 原査定は、請求項1-8について上記引用文献1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、令和 4年 3月 1日付け手続補正により補正された請求項1は、「前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの高出力電子素子と、少なくとも1つの前記高出力電子素子より少ない熱を発生させ、前記内部ケースの中に全部が位置する少なくとも1つの低出力電子素子」と、「前記内部ケースの外側の前記空気流路に全部が設置される第2のヒートシンク」と、「前記第2のヒートシンクと少なくとも1つの前記高出力電子素子を熱結合し、前記第2のヒートシンクと前記内部ケースの中の少なくとも1つの前記高出力電子素子を熱交換する、前記内部ケースを貫通して延びる少なくとも1つのヒートパイプ」とを備えるという構成を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1-5は、上記引用文献1に記載された発明及び上記引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。 第6 当審拒絶理由について 1.特許法第36条第6項第2号について 当審では、請求項1,6-7に対して、「第1のヒートシンク」について、他の構成要素との関係が不明確である点と、「前記ヒートシンク」がどの「ヒートシンク」を指すのかが不明である点について、また、請求項7に対して、請求項1との異同が不明である点について、拒絶の理由を通知しているが、令和 4年 3月 1日付け手続補正において補正がされた結果、この拒絶の理由は解消した。 2.特許法第36条第6項第1号について 当審では、請求項1の「少なくとも一部が前記空気流路に位置する第1のヒートシンク」との記載における「少なくとも一部」は「一部または全部」を意味すると解されるところ、発明の詳細な説明には、第1のヒートシンクの全部が空気流路に位置する態様については記載されていない点について(請求項1を引用する請求項6-7についても同様に)拒絶の理由を通知しているが、令和 4年 3月 1日付け手続補正において、前記記載を「前記内部ケース内を貫通して伸び、一部が前記空気流路に位置する第1のヒートシンク」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-004515

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    共通の審決分類: 121・G06F

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