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特許拒絶査定不服審判

2021-004502

再訪問通知システムおよび再訪問通知方法

審判番号
2021-004502
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-071307
請求日
2021年04月07日
審決日
2022年03月15日
公報発行日
2022年06月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日本瓦斯株式会社
  • 【請求人代理人】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 渡邊 聡
  • 審判官 松田 直也
  • 審判官 中野 浩昌
分類
P18 .121-WZ (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

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特願2019- 71307「再訪問通知システムおよび再訪問通知方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年10月15日出願公開、特開2020-170337〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成31年4月3日に出願された特願2019-71307号であり、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和2年 6月25日:拒絶理由通知(起案日) 令和2年 7月 7日:意見書・手続補正書 令和2年10月 2日:拒絶理由通知(起案日) 令和2年11月 6日:意見書・手続補正書 令和3年 2月 4日:拒絶査定(起案日) 令和3年 4月 7日:審判請求書 令和3年11月25日:拒絶理由通知(起案日) 令和4年 1月13日:意見書・手続補正書(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。) 第2 本願発明 本願の請求項1~4に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4により特定されるものであり、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。は、次のとおりのものである。 【請求項1】 訪問者が所定の作業を行うために訪問先を訪問した第1の訪問に続く第2の訪問を通知するコンピュータデバイスであって、 前記第2の訪問に対応する訪問予定日時を受信し、前記訪問予定日時は、前記第1の訪問に対応する訪問日時に対して、時間帯および/または週をずらしてスケジューリングされた日時を含み、 前記訪問先を警告するメッセージを生成し、 前記訪問予定日時および前記メッセージを出力する ように構成され、 前記メッセージは、前記第1の訪問および前記第2の訪問を含む訪問の回数に従った警告レベルを有する ことを特徴とするコンピュータデバイス。 第3 当審の拒絶の理由の概要 令和3年11月25日付けの当審が通知した拒絶理由の理由1は、次のとおりのものである。 理由1.本願の請求項1~4に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2~4に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2017-219975号公報 2.【平成28年度版】保安業務ガイド(点検・調査)、日本、高圧ガス保安協会、2016年 3.LPガスの定期点検を断ることはできないのか、独立行政法人国民消費者センター、2016年9月28日、[令和3年11月16日検索]、インターネット<http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2016_11.html>(新たに引用した文献) 4.20180316保局第1号、平成30年度液化石油ガス販売事業者等保安対策指針、経済産業省、平成30年3月27日、[令和3年11月16日検索]、インターネット<https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2018/04/300410-01-01.pdf>(新たに引用した文献) 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1について (1)引用文献1に記載されている事項 当審の拒絶の理由で引用された、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1(特開2017-219975号公報(平成29年12月14日出願公開))には、次の事項が記載されている。 「【0029】 (第1の実施形態) 以下、図面を参照して本開示の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態による訪問計画策定システム100の全体を示すブロック図である。図1の訪問計画策定システム100は、例えば、電気、ガスおよび水道の少なくとも一つを含む生活基盤の提供サービスにおいて、各家庭に設置された機器の定期点検のための訪問計画の策定に用いることができる。また、訪問計画策定システム100は、生活基盤提供サービスに限定されず、例えば、宅配業者における訪問計画の策定に用いることもできる。」 「【0031】 図1の訪問計画策定システム100は、複数の生活基盤のそれぞれに対応する各家庭の機器2と、管理装置の一例として、複数の生活基盤に対応する管理サーバ10と、複数の訪問員のそれぞれの携帯機器3A~3Cとを備える。」 「【0033】 また、図1に示すように、管理サーバ10は、訪問計画策定装置1を備える。また、管理サーバ10は、第1使用量メータ22Aに対応する電力管理サーバSAと、第2使用量メータ22Bに対応するガス管理サーバSBと、第3使用量メータ22Cに対応する水道管理サーバSCと、第4使用量メータ22Dに対応する通信管理サーバSDとを備える。」 「【0037】 図2に示すように、訪問計画策定装置1は、使用量記憶部11と、属性情報取得部12と、在宅状況推定部13と、顧客情報取得部14と、在宅状況予測部15と、訪問計画策定部16と、訪問指示部17と、情報蓄積部18と、通知物出力部19と、再訪問計画策定部20と、再訪問通知物出力部21とを備える。訪問計画策定部16は、閾値判定部161と、訪問員検索部162とを備える。」 「【0042】 (属性情報取得部12) 属性情報取得部12は、各家庭の属性情報を取得する。 【0043】 属性情報は、訪問時に応対可能な人間に関する情報である。また、属性情報は、各家庭の家族構成と、訪問時に応対可能な人間の個人情報との少なくとも一方を含む。訪問時に応対可能な人間の個人情報は、例えば、性別や職種などであってもよい。属性情報取得部12は、既述した顧客情報から属性情報を取得してもよい。なお、在宅確率において対象とする“応対可能な人間”とは、単に在宅している人間ではなく、訪問した時間帯に都合がつく人間及び訪問目的の内容に対応できる人間である。例えば子供でなくて大人の対応が必要な場合は“大人”である。」 「【0047】 (在宅状況予測部15) 在宅状況予測部15は、在宅状況推定部13で推定された現在から過去に至る在宅状況の時間推移に基づいて、各家庭の将来の在宅状況を予測する。 【0048】 具体的には、在宅状況予測部15は、現在から過去に至る在宅状況に基づいて、各家庭の将来の訪問時に応対可能な人間が各家庭にいる確率を示す在宅確率を、将来の在宅状況として算出する。 【0049】 例えば、在宅状況予測部15は、2種類以上の生活基盤サービスに対応する2種類以上の使用量同士の相関関係に基づいて、在宅確率を算出する。2種類以上の使用量同士の相関関係は、在宅状況推定部13で推定された現在から過去に至る在宅状況に対応付けられていてもよい。2種類以上の使用量同士の相関関係は、例えば、2種類以上の使用量の組み合わせによって或る1つの在宅状況を特定するような態様で、在宅状況に対応付けられていてもよい。また、在宅状況予測部15は、属性情報と使用量との相関関係に基づいて在宅確率を算出してもよい。また、在宅状況予測部15は、属性情報と2種類以上の使用量との相関関係に基づいて在宅確率を算出してもよい。また、在宅状況予測部15は、個別の電気機器や、個別の水道箇所、ガスの利用箇所毎の使用量に基づいて在宅確率を算出してもよい。 【0050】 在宅確率は、例えば、将来の訪問時に都合がつく大人が各家庭にいる確率であってもよい。 【0051】 在宅確率は、曜日および時間帯に区分けされた値であってもよい。 【0052】 在宅確率の算出の具体的な態様は特に限定されない。在宅状況予測部15は、2種類以上の使用量および属性情報と在宅確率との対応表から、2種類以上の使用量および属性情報に対応する在宅確率を一義的に抽出してもよい。あるいは、在宅状況推定部13は、2種類以上の使用量と属性情報とを変数とした関数で在宅確率を算出してもよい。 【0053】 在宅確率は、その算出時点と同時期における過去の使用量を反映した値であってもよい。例えば、在宅確率は、その算出時点と同じ曜日および同じ時間帯での複数回分の過去の電気の使用量の平均値に比例した値であってもよい。また、在宅確率は、過去の同時期の使用量のうち、現在に近い時期の使用量の重みを大きくして算出してもよい。また、在宅確率は、電気の使用量の平均値が多い場合であっても、ガスの使用量の平均値が多い場合には低い値となってもよい。ガスの使用量が多い場合には、家庭で料理をしている可能性が高く、大人がいても都合が悪い可能性が高いからである。また、在宅確率は、ガスおよび水道の使用量の平均値が多い場合には低い値となってもよい。ガスおよび水道の使用量が多い場合には、家庭で入浴している可能性が高く、大人がいても都合が悪い可能性が高いからである。2種類以上の使用量の相関関係に基づいて在宅確率を算出することで、家庭の日常生活を妨げない訪問日時を策定できる。 【0054】 また、在宅確率は、土日や祝日などの仕事の休日や、仕事から帰宅した時間帯に高くなる値であってもよい。休日や帰宅した時間帯は、例えば職種などの属性情報に応じて家庭毎に異なってよい。使用量から休日の曜日を推測できれば、在宅確率を休日は高くしても良い。休日であればどの時間帯に訪問時間を設定しても、事前に訪問時間を通知しておけば、その時間に在宅してくれる可能性が高くなる。また、使用量の時間帯の幅を複数用意して、大きい幅と小さい幅を使い分けて、在宅確率を算出してもよい。例えば、当該家庭が会社員のみで構成される場合、平日は職場にいるため昼間の在宅率は低いが、土曜であれば出勤しないため昼間でも在宅率は高くなる。パートであれば特定の曜日の特定の時間帯だけ在宅確率が低くなる。従って、時間帯別の在宅確率は、曜日を考慮して算出してもよい。これにより、同じ家庭の同じ時間帯であっても曜日によって値が変わるように、曜日別に異なる在宅確率を算出できる。」 「【0056】 (訪問計画策定部16) 訪問計画策定部16は、在宅状況予測部15で予測された各家庭の将来の在宅状況に基づいて、各家庭への訪問計画を策定する。訪問計画は、訪問日時と、訪問する家庭と、訪問員と、訪問目的との少なくとも1つを含む。 【0057】 具体的には、閾値判定部161は、在宅状況予測部15で予測された各家庭の在宅確率が所定の閾値を超えるか否かを判定する。そして、訪問計画策定部16は、閾値判定部161によって閾値を超えると判定された各家庭の在宅確率に対応する日時を、各家庭への訪問日時と決定する。 【0058】 閾値を超える在宅確率に対応する日時が複数ある場合、訪問計画策定部16は、当該複数の日時のうち対応する在宅確率が最大の日時を訪問日時と決定してもよい。この場合、訪問計画策定部16は、閾値を超える在宅確率に対応する複数の日時のうち、訪問日時以外の日時を、訪問日時に訪問先が不在である場合の再訪問日時の候補として保存してもよい複数ある場合は、他に、近隣の訪問する家庭の在宅確率の高い日時を選択することで訪問を効率よく回れる。」 「【0064】 (通知物出力部19) 通知物出力部19は、訪問計画策定部16で策定される訪問計画に基づいて、各家庭を訪問する日時を含む通知物を出力する。通知物は、例えば、葉書や封書などの郵便物や、人が直接ポスト等に投函するチラシが挙げられる。また、郵便物に限らず、通知物は、メールなどの電子情報であってもよい。 【0065】 また、通知物出力部19は、属性情報取得部12で取得された属性情報に基づいて、各家庭の人間に適合する内容、色およびデザインの少なくとも一つを含む通知物を出力する。例えば、世帯主が女性の家庭について、通知物出力部19は、通知物の色をピンク色にしてもよい。また、世帯主が高齢者の家庭について、通知物出力部19は、文章の冒頭に時候の挨拶を入れたり、文字のフォントを読みやすいように大きくしたりするなど、通知内容を丁寧な言葉で表現してもよい。また、属性情報に過去の訪問に応じてもらえなかった情報が含まれている場合、通知物出力部19は、訪問への応対の重要性を伝える内容を通知物に含ませてもよい。」 「【0067】 (再訪問計画策定部20) 再訪問計画策定部20は、ある家庭への訪問時に不在であった場合に、使用量記憶部11に逐次記憶された使用量と、訪問計画策定部16で策定された訪問計画と、在宅状況推定部13、在宅状況予測部15による在宅確率とに基づいて、再訪問計画を策定する。訪問計画と同様に、再訪問計画は、再訪問日時と、再訪問する家庭と、再訪問員と、再訪問目的との少なくとも1つを含む。再訪問計画策定部20は、再訪問する家庭、再訪問員および再訪問目的の策定にあたって、訪問計画で策定された訪問する家庭、訪問員および訪問目的をそのまま流用してもよい。 【0068】 また、再訪問計画策定部20は、在宅状況予測部15で予測された不在者の在宅確率が所定の閾値を超える日時を、再訪問日時と決定してもよい。 【0069】 (再訪問通知物出力部21) 再訪問通知物出力部21は、再訪問計画策定部20で策定された再訪問計画に従って、不在の家庭に再訪問日程を通知するための再訪問通知物を出力する。通知物と同様に、再訪問通知物は、郵便物や電子情報である。再訪問通知物出力部21は、属性情報取得部12で取得された属性情報に基づいて、各家庭の人間に適合する内容、色およびデザインの少なくとも一つを含む再訪問通知物を出力してもよい。 【0070】 また、訪問通知物は、再訪問日時が記載された不在票形式の再訪問通知書であってもよい。この場合、再訪問通知物出力部21は、訪問員の携帯機器3A~3Cから訪問する家庭が不在である旨の不在情報を受信したことを契機として、再訪問通知書を携帯機器3A~3Cに送信してもよい。これにより、訪問員は、訪問する家庭が不在とわかると、その場で再訪問通知物を出力できる。」 「【0090】 図6は、第1の実施形態による訪問計画策定システム100における訪問員の携帯機器3A~3Cの動作例を示すフローチャートである。 【0091】 先ず、図6に示すように、携帯機器3A~3Cは、訪問指示部17を通じて訪問計画策定部16から訪問計画を受信する(ステップS11)。 【0092】 訪問計画を受信した後、訪問する家庭が在宅である場合(ステップS12:Yes)、携帯機器3A~3Cは、訪問員の入力操作に応じて訪問済情報を訪問結果として訪問計画策定装置1に送信する(ステップS13)。 【0093】 訪問する家庭が在宅でない場合(ステップS12:No)、携帯機器3A~3Cは、訪問員の入力操作に応じて訪問計画策定装置1に不在情報を送信する(ステップS14)。 【0094】 不在情報を送信した後、携帯機器3A~3Cは、訪問指示部17を通じて再訪問計画策定部20から再訪問計画を受信する(ステップS15)。 【0095】 また、携帯機器3A~3Cは、訪問指示部17を通じで再訪問通知物出力部21から再訪問通知書を受信し、受信した再訪問通知書を出力する(ステップS16)。」 (2)引用文献1に記載された発明 上記(1)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 複数の生活基盤のそれぞれに対応する各家庭の機器2と、複数の生活基盤に対応する管理サーバ10とを備える、各家庭に設置された機器の定期点検のための訪問計画の策定に用いることができる訪問計画策定システム100における、複数の訪問員のそれぞれの携帯機器3A~3Cであって(【0029】【0031】)、 管理サーバ10は、訪問計画策定装置1を備え(【0033】)、訪問計画策定装置1は、属性情報取得部12と、在宅状況予測部15と、訪問計画策定部16と、通知物出力部19と、再訪問計画策定部20と、再訪問通知物出力部21とを備え(【0037】)、 属性情報取得部12は、各家庭の属性情報を取得し(【0042】)、在宅状況予測部15は、現在から過去に至る在宅状況に基づいて、各家庭の将来の訪問時に応対可能な人間が各家庭にいる確率を示す在宅確率を、将来の在宅状況として算出し(【0048】)、訪問計画策定部16は、在宅状況予測部15で予測された各家庭の将来の在宅状況に基づいて、各家庭への訪問計画を策定し(【0056】)、通知物出力部19は、訪問計画策定部16で策定される訪問計画に基づいて、各家庭を訪問する日時を含む通知物を出力するものであって、属性情報に基づいて、各家庭の人間に適合する内容、色およびデザインの少なくとも一つを含む通知物を出力し、属性情報に過去の訪問に応じてもらえなかった情報が含まれている場合、訪問への応対の重要性を伝える内容を通知物に含ませ(【0064】【0065】)、再訪問計画策定部20は、ある家庭への訪問時に不在であった場合に、在宅状況予測部15による在宅確率に基づき、再訪問計画を策定し(【0067】)、再訪問通知物出力部21は、再訪問計画策定部20で策定された再訪問計画に従って、不在の家庭に再訪問日程を通知するための再訪問通知物を出力し、属性情報に基づいて、各家庭の人間に適合する内容、色およびデザインの少なくとも一つを含む再訪問通知物を出力し(【0069】)、訪問通知物は、再訪問日時が記載された不在票形式の再訪問通知書であり、この場合、再訪問通知物出力部21は、訪問員の携帯機器3A~3Cから訪問する家庭が不在である旨の不在情報を受信したことを契機として、再訪問通知書を携帯機器3A~3Cに送信してもよく、これにより、訪問員は、訪問する家庭が不在とわかると、その場で再訪問通知物を出力でき(【0070】)、 訪問する家庭が在宅でない場合、携帯機器3A~3Cは、訪問員の入力操作に応じて訪問計画策定装置1に不在情報を送信し(【0093】)、携帯機器3A~3Cは、再訪問計画策定部20から再訪問計画を受信し(【0094】)、携帯機器3A~3Cは、訪問指示部17を通じで再訪問通知物出力部21から再訪問通知書を受信し、受信した再訪問通知書を出力する(【0095】)、 携帯端末機3A~3C。 2 引用文献2について 当審の拒絶の理由で引用された、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、引用文献2(【平成28年度版】保安業務ガイド(点検・調査)、日本、高圧ガス保安協会、2016年)には、次の事項が記載されている。なお、下線は、当審が付与した。 「7.「保安機関の責務 点検・調査を行う保安機関は、以下の事項について法令上の責任を負う。 (1)…(途中省略)… (4)その他 委託契約書に追記されている事項についても責任を負う。 8.委託契約等の締結 保安機関が保安業務を的確に実施するためには、基本的事項以外に事務処理等、以下の事項について、販売事業者と委託契約書等で定めておくことが必要です。 (1)消費者のリスト及び情報の内容並びにその授受方法 (2)消費者の増減及び設備の変更の連絡の方法 (3)点検・調査項目及び方法等の特記事項 …(途中省略)… Q10 受託した保安機関が点検・調査のため消費者宅をたびたび訪問したが、消費者が不在のために点検・調査できなかった。どうすべきか。 A10 法令上、不在にともなう点検・調査の免除又は延長等は、通達(別添1)第34条(保安機関の業務等)関係(20160524商局第2号平成28年6月8日改正)に定められている。 当該規程に基づき、保安機関は、あらかじめ点検・調査の日時を連絡したり、一般消費者等に都合が良い調査日時を設定したり、前回と別の曜日に再訪問を行うなど、訪問時に不在である確率を減らすための工夫を行うこと。」(8~11頁) 3 引用文献3について 当審の拒絶の理由で引用された、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、引用文献3(LPガスの定期点検を断ることはできないのか、独立行政法人国民消費者センター、2016年9月28日、[令和3年11月16日検索]、インターネット<http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2016_11.html>)には、次の事項が記載されている。なお、下線は、当審が付与した。 「質問 プロパンガスを使っています。利用しているガス会社の関連会社からガスの定期点検の案内が来ましたが、都合が合わないため断ったところ、ガスを止めると言われてしまいました。点検を断ることはできないのでしょうか。 回答 LPガスの設備は4年以内に1回、安全のために点検や調査を行うことが法律で義務づけられています。消費者が点検や調査を拒否した場合、ガス会社の判断によりガスを止められることがあります。ガス会社と日程を調整し、点検や調査を必ず受けるようにしましょう。 解説 LPガスは、正確には液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)といい、家庭で使われているLPガスの主成分はプロパンであることから、LPガスはプロパンガスとも呼ばれています。 LPガス(プロパンガス)の定期点検・調査は、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」(液石法)に基づき行われています。 ガス会社やガス会社から業務委託を受けた保安機関は、4年以内に1回以上、「定期供給設備点検」や「定期消費設備調査」を行う義務があります(注)。そのため、もし消費者側が点検や調査を拒否した場合には幾度か点検・調査を受けるよう促されます。それでも拒否をし続けた場合、ガス会社によっては安全が確保できないと判断し、ガスの供給を止める場合があります。この場合、点検・調査を受けて安全が確認できれば供給は再開されます。」 4 引用文献4について 当審の拒絶の理由で引用された、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、引用文献4(20180316保局第1号、平成30年度液化石油ガス販売事業者等保安対策指針、経済産業省、平成30年3月27日、[令和3年11月16日検索]、インターネット<https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2018/04/300410-01-01.pdf>)には、次の事項が記載されている。なお、下線は、当審が付与した。 「(5) 消費設備調査の推進 (ア)消費設備調査は法定事項であるが、普及啓発の重要な機会としてとらえ、以下のような工夫を図りながら、一般消費者等に対するLPガスの理解増進を図ること。 (イ)消費設備調査を拒否する一般消費者等に対しては、適切に実施されない場合は事故の可能性を増加させるものであることから、事故事例の紹介の他、集合住宅の場合には管理人の理解を得ること等、一般消費者等の理解を得られるよう工夫をこらして実施すること。 (ウ)消費設備調査のために3回以上訪問したが、不在により実施できなかった場合には、一般消費者等による「調査拒否」として取り扱うことができる。ただし、一般消費者等への点検調査日時の事前連絡、一般消費者等の都合の良い調査日時の設定、及び前回と別の曜日に再訪問を行うなど、訪問時に不在である確率を減らすように努めること。」(7頁、なお、丸数字を半角カッコ数字で表記した。) 第5 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「訪問員」、「各家庭」、「各家庭に設置された機器の定期点検」は、それぞれ、本願発明の「訪問者」、「訪問先」、「所定の作業」に相当する。 また、引用発明の、訪問員が「訪問する家庭が在宅でない場合、携帯機器3A~3Cは、訪問員の入力操作に応じて訪問計画策定装置1に不在情報を送信」することについて、「訪問する家庭が在宅でない場合」の訪問は、今回の訪問である点で、本願発明の「第1の訪問」に相当し、引用発明において、「再訪問通知書」は、「再訪問計画に従っ」た「不在の家庭に再訪問日程を通知するための再訪問通知物」であり、再訪問通知書に含まれる「再訪問日程」に基づいて行われる「訪問」は、本願発明の「第1の訪問に続く第2の訪問」に相当し、引用発明の「不在の家庭に再訪問日程を通知する」ことは、本願発明の「訪問者が所定の作業を行うために訪問先を訪問した第1の訪問に続く第2の訪問を通知する」ことに相当する。 そして、引用発明の、再訪問通知書を出力する「携帯機器3A~3C」は、後述する相違点は別にして、本願発明の「訪問者が所定の作業を行うために訪問先を訪問した第1の訪問に続く第2の訪問を通知するコンピュータデバイス」に相当する。 イ 引用発明の「再訪問計画」は、将来の在宅確率に基づき策定されるものであって、再訪問日程を含んでいることは明らかであるから、この「再訪問日程」は、本願発明の「訪問予定日時」に相当し、引用発明の、このような「再訪問日程」に含まれる情報は、ある家庭への訪問時に不在であった場合に、策定される再訪問計画に含まれる点で、本願発明の「スケジューリングされた日時」に相当する。引用発明の「再訪問計画を受信」することは、不在の家庭に再訪問日程を通知するために行われることから、本願発明の「前記第2の訪問に対応する訪問予定日時を受信」することに相当する。 ウ 引用発明の「再訪問通知書を出力する」ことは、本願発明の「前記訪問予定日時」「を出力する」ことに相当する。 エ そうすると、本願発明と引用発明とは、次の点で一致又は相違する。 <一致点> 訪問者が所定の作業を行うために訪問先を訪問した第1の訪問に続く第2の訪問を通知するコンピュータデバイスであって、 前記第2の訪問に対応する訪問予定日時を受信し、前記訪問予定日時は、スケジューリングされた日時を含み、 前記訪問予定日時を出力する ように構成される、 コンピュータデバイス。 <相違点> (相違点1) 本願発明は、「前記訪問予定日時」が、「前記第1の訪問に対応する訪問日時に対して、時間帯および/または週のいずれかをずらしてスケジューリングされた日時」を含むのに対し、引用発明は、再訪問日程が、将来の在宅確率に基づいて策定された再訪問計画に基づいている点。 (相違点2) 本願発明は、「前記訪問先を警告するメッセージを生成し」、「前記メッセージを出力」するように構成され、「前記メッセージは、前記第1の訪問および前記第2の訪問を含む訪問の回数に従った警告レベルを有する」のに対し、引用発明は、「再訪問通知」が、そのようなメッセージを含んでいない点。 第6 判断 1 相違点1について 引用文献2には、上記「第4」の2とおり、委託契約を行う保安機関に対する、消費者の不在にともなう点検・調査の免除又は延長等は、法令上通達で定められており、保安機関に対して、点検や調査が免除又は延長されるためには、「保安機関は、あらかじめ点検・調査の日時を連絡したり、一般消費者等に都合が良い調査日時を設定したり、前回と別の曜日に再訪問を行うなど、訪問時に不在である確率を減らすための工夫を行うこと。」とすることが必要となる。そして、「訪問時に不在である確率を減らすための工夫」ための例示として、「前回と別の曜日に再訪問を行うなど」が挙げられている。このため、保安機関は、消費者の不在を理由とする点検や調査の免除又は延長等は、このような工夫をすることなくして、されることはない。 そして、引用発明は、不在であった家庭の再訪問日程の調整を「在宅確率」を考慮して行うものであるところ、引用文献2も、保安員の訪問時における消費者の不在の確率を減らす、すなわち、在宅の確率が高くなることを考慮する点で、課題を共通にすることから、引用発明の「在宅確率」に代えて、引用文献2の通達で定められた「工夫」を行わせるようにすることは、当業者が容易になし得たものである。そして、「在宅確率」に代えて、通達で定められた「工夫」を行わせるようにするにあたり、「工夫」は「訪問時に不在である確率を減らすための工夫」であるから、このとき、引用文献1【0054】には、「時間帯別の在宅確率は、曜日を考慮して算出してもよい。」、「例えば、当該家庭が会社員のみで構成される場合、平日は職場にいるため昼間の在宅率は低いが、土曜であれば出勤しないため昼間でも在宅率は高くなる。パートであれば特定の曜日の特定の時間帯だけ在宅確率が低くなる。従って、時間帯別の在宅確率は、曜日を考慮して算出してもよい。これにより、同じ家庭の同じ時間帯であっても曜日によって値が変わるように、曜日別に異なる在宅確率を算出できる。」として、曜日と時間帯を考慮した在宅確率を算出することが記載されていること、引用文献1【0058】には、「閾値を超える在宅確率に対応する日時が複数ある場合、訪問計画策定部16は、当該複数の日時のうち対応する在宅確率が最大の日時を訪問日時と決定してもよい。この場合、訪問計画策定部16は、閾値を超える在宅確率に対応する複数の日時のうち、訪問日時以外の日時を、訪問日時に訪問先が不在である場合の再訪問日時の候補として保存してもよい複数ある場合は、他に、近隣の訪問する家庭の在宅確率の高い日時を選択することで訪問を効率よく回れる。」として、再訪問日時の決定を工夫することが記載されていることから、これらの記載に接した当業者であれば、再訪問日時を決定するために、曜日を変えることで時間帯をずらしたり、ある特定の曜日であれば在宅確率が高いとのことから、週をずらして同じ曜日に再訪問をしたりという工夫をしようとするものである。そうすると、引用発明の、「在宅確率」に代えて、引用文献2の通達で定められた「工夫」を行わせるようにすることで、上記相違点1の構成とすることは当業者が容易になし得た事項である。 2 相違点2について 引用文献3には、上記「第4」の3のとおり、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」(液石法)に基づいて、ガス会社やガス会社から業務委託を受けた保安機関が、4年以内に1回以上、「定期供給設備点検」や「定期消費設備調査」を行う義務があり、消費者がこの点検や調査を拒否するとガス会社の判断によりガスが止められることがあることが記載されている。 また、引用文献4は「平成30年度液化石油ガス販売事業者等保安対策指針」であり、上記「第4」の4のとおりの事項が記載されている。この「消費設備調査のために3回以上訪問したが、不在により実施できなかった場合には、一般消費者等による「調査拒否」として取り扱うことができる。」との事項は、上述した引用文献2の、保安機関による点検・調査の免除の条件を説明するものである。そして、保安機関が、3回以上訪問しても消費者が不在であったため、調査拒否として取り扱われると、上記引用文献3のとおり、ガス会社の判断によりガスが止められるおそれがある。しかしながら、消費者にとって、ガスを止めるとの予告もなく突然ガスが止められることは、平穏な生活を送ることを害する重大な事柄であるため、極めて酷であることは明らかである。このため、ガス会社は、調査拒否であると判断するために、液石法に基づく点検や調査が行われない場合にはガスを止めることがあることを、消費者に予告する、すなわち、警告することを、当然に行うべきである。このため、引用文献4において、そのような警告を行うことは、記載されているに等しい事項であるといえる。 引用発明は、属性情報に基づいて、各家庭の人間に適合する内容、色およびデザインの少なくとも一つを含む通知物を出力し、属性情報に過去の訪問に応じてもらえなかった情報が含まれている場合、訪問への応対の「重要性」を伝える内容を通知物に含ませてもよいことから、これを「再訪問通知」にも適用できること、及び、引用文献4に記載されている技術的事項を適用することも当業者が容易になし得た事項であり、このとき、不在であることが3回以上であれば、調査拒否として取り扱うことができることを考慮すると、不在の回数に応じて、段階的に警告のレベルを上げることで、上記相違点2の構成とすることは、当業者が容易になし得た事項である。 3 効果について 上記相違点1、2の構成とすることで、「再訪問回数を減少させることができる。」(本願明細書【0011】)の効果を奏することも、当業者の予測し得る範囲内のものである。 4 請求人の主張について (1)審判請求人の主張の概要 審判請求人は、令和4年1月13日に提出した意見書で、次のように主張する。 「 請求項1に係る発明は、1回目の訪問のときの訪問日時に対して時間帯および/または週をずらした日時に2回目の訪問を行うようにするものです。つまり、1回目の訪問と2回目の訪問との間で、時間帯および/または週を分散させます。 引用文献1に記載された発明は、特定の曜日に在宅確率が高くなるよう在宅確率を算出しているので、その結果、引用文献1に記載された発明によって行われる再訪問計画は、特定の曜日などに集中することになります。このことは、1回目の訪問と2回目の訪問との間で、時間帯および/または週を分散させる、請求項1に係る発明とは逆のことを行っていることを意味します。 引用文献2及び4は、再訪問を行う際に前回の訪問とは別の曜日に行うことを記載しているにすぎず、それらの文献に記載された発明を組み合わせも、請求項1に係る発明を構成することにはなりません。そして、引用文献1に記載された発明は、上述したように、1回目の訪問と2回目の訪問との間で、時間帯および/または週を分散させるものではなく、特定の曜日に在宅確率が集中するよう在宅確率を算出するものです。 再訪問を行う際に前回の訪問とは別の曜日に行うということを引用文献1に記載された発明に適用した場合、例えば、1回目の訪問が土日に行われた場合、2回目の訪問は、平日に行われる必要があります。このことは、「在宅確率は、土日や祝日などの仕事の休日や、仕事から帰宅した時間帯に高くなる値であってもよい。」(第0054段落)の記載に反するものであり、最も高い在宅確率を算出することができません。特に、引用文献1に記載された発明は、家庭毎に職種などの属性情報に応じて休日を判断するので、例えば、居住者の休日が日曜日であると判断した場合、次の訪問を平日に行うと、最も高い在宅確率を算出することができないことは明らかです。このことから、引用文献1に記載された発明と引用文献2乃至4に記載された発明とを組み合わせることに動機付けがないばかりか、阻害要因さえあることが明らかです。」 要するに、審判請求人の主張は、本願発明は、再訪問計画は、特定の曜日等に集中させるのではなく、分散させるものであり、引用文献1は、集中させるものであること(主張1)、引用文献2及び4は、再訪問を行う際に前回の訪問とは別の曜日に行うことを記載しているにすぎず、引用発明に適用しても、本願発明の構成にはならない(主張2)、再訪問を行う際に、前回の訪問とは別の曜日に行うことは、引用文献1の【0054】の記載に反し、最も高い在宅確率を算出することはできず(主張3)、引用発明に、引用文献2~4に記載された技術的事項を組み合わせることに動機はなく、阻害要因がある(主張4)、というものである。 (2)検討 ア 主張1、3について 引用文献1には、再訪問の計画策定について、「本開示によれば、生活基盤サービスに関する再訪問を低減し、かつ、生活基盤サービスに対する顧客の心象を向上できる訪問計画を策定できる。」(【0027】)、「(再訪問計画策定部20)再訪問計画策定部20は、ある家庭への訪問時に不在であった場合に、使用量記憶部11に逐次記憶された使用量と、訪問計画策定部16で策定された訪問計画と、在宅状況推定部13、在宅状況予測部15による在宅確率とに基づいて、再訪問計画を策定する。」(【0067】)、「また、再訪問計画策定部20は、在宅状況予測部15で予測された不在者の在宅確率が所定の閾値を超える日時を、再訪問日時と決定してもよい。」(【0068】)と記載されている。このように、引用文献1には、再訪問の計画を策定は、訪問計画と在宅確率に基づき行うものであるが、在宅確率が所定の閾値を超えればよいとするものである。そして、引用文献1には、「そして、訪問計画策定部16は、閾値判定部161によって閾値を超えると判定された各家庭の在宅確率に対応する日時を、各家庭への訪問日時と決定する。」(【0057】)、「閾値を超える在宅確率に対応する日時が複数ある場合、訪問計画策定部16は、当該複数の日時のうち対応する在宅確率が最大の日時を訪問日時と決定してもよい。この場合、訪問計画策定部16は、閾値を超える在宅確率に対応する複数の日時のうち、訪問日時以外の日時を、訪問日時に訪問先が不在である場合の再訪問日時の候補として保存してもよい複数ある場合は、他に、近隣の訪問する家庭の在宅確率の高い日時を選択することで訪問を効率よく回れる。」(【0058】)と記載されており、ある家庭への今回の訪問は在宅確率が最大の日時を訪問日時として訪問した結果、不在であっても、再訪問の訪問日時について、在宅確率がある閾値を超えた他の日時を訪問日時とすることができることが示されており、再訪問の計画策定では、最も高い在宅確率を算出する必要がないことは明らかである。このように、引用文献1において、再訪問の計画は、特定の曜日等に集中させるように策定されるものではないことは明らかであり、引用文献1【0054】には「また、在宅確率は、土日や祝日などの仕事の休日や、仕事から帰宅した時間帯に高くなる値であってもよい。」、「これにより、同じ家庭の同じ時間帯であっても曜日によって値が変わるように、曜日別に異なる在宅確率を算出できる。」とあるように、在宅確率を算出する状況を例示しているにすぎないことから、審判請求人の主張1、3は、引用文献1を正しく解釈するものではない。 よって、審判請求人の上記主張1、3を採用することはできない。 イ 主張2、4について 上記アのとおり、引用文献1は、背景に、再訪問を低減させようとすることを目的として、再訪問計画の計画策定を、在宅確率を参照して行うものであって、引用文献2には、「当該規程に基づき、保安機関は、あらかじめ点検・調査の日時を連絡したり、一般消費者等に都合が良い調査日時を設定したり、前回と別の曜日に再訪問を行うなど、訪問時に不在である確率を減らすための工夫を行うこと。」(10ページ、「A10」の項)、引用文献4にも、「ただし、一般消費者等への点検調査日時の事前連絡、一般消費者等の都合の良い調査日時の設定、及び前回と別の曜日に再訪問を行うなど、訪問時に不在である確率を減らすように努めること。」(7ページ、▼5▲(ウ)。なお、「▼5▲」は丸数字の5を表す。)とあることから、引用発明、引用文献2及び4は、いずれも、再訪問時に顧客(消費者)が在宅していそうな日時を選択するという課題を有しており、引用文献2は、「訪問時に不在である確率を減らすための工夫」のための例示として、「前回と別の曜日に再訪問を行うなど」を挙げ、引用文献4は、「訪問時に不在である確率を減らすように努める」ための工夫の例示として、「前回と別の曜日に再訪問を行うなど」を挙げているにすぎないことから、再訪問を行う際に前回の訪問とは別の曜日に行うことを記載しているにすぎないとの主張を採用することはできず、引用発明に、引用文献2及び4の技術的事項を適用する阻害要因はなく、適用しようとする動機はある。 また、引用文献3は、上記2のとおり、消費者が法定の点検や調査を拒否するとガス会社の判断によりガスが止められる場合には、ガス会社は当然に消費者に予告することが、引用文献4に含まれていることを説明するものである。念のため、引用発明に適用することについて検討をすると、引用文献3には、LPガスの定期点検(法定点検)について、「この点検・調査は無料で行われます。契約しているガス会社によって違いはあるものの、1カ月ほど前に案内があり、日程調整をすることができます。」として、顧客に対して早期に点検の予告をすることで、顧客から希望に適った日時に訪問を可能にする、すなわち、在宅している蓋然性の高い日時を決定するものであるから、引用発明と引用文献3は共通の課題を有している。そうすると、引用発明に、引用文献3に記載した事項を適用する阻害要因はなく、適用しようとする動機はある。 そして、引用発明に引用文献2~4に記載した技術的事項を適用することで、本願発明の構成に至ることは上述したとおりである。 よって、審判請求人の上記主張2、4を採用することはできない。 5 小括 以上より、本願発明は、引用発明及び引用文献2~4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2~4に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-004502

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