2021-003444
振動制御装置、振動制御方法、及びプログラム
- 審判番号
- 2021-003444
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-538785外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年03月16日
- 審決日
- 2022年01月31日
- 公報発行日
- 2022年08月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 【請求人代理人】竹居 信利
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / P18 .113-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)8月29日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 9月17日付け 拒絶理由通知書
令和2年11月27日 意見書、手続補正書の提出
令和2年12月17日付け 拒絶査定
令和3年 3月16日 審判請求書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和2年12月17日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
1 本願の請求項1ないし5に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。
2 本願の請求項1ないし5に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
3 本願の請求項1、4及び5に係る発明は、以下の引用文献2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることはできない。
4 本願の請求項1、4及び5に係る発明は、以下の引用文献2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
5 本願の請求項2及び3に係る発明は、以下の引用文献2及び3に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.国際公開第2008/078523号
2.国際公開第2015/121971号
3.特開2005-332063号公報
第3 本願発明
本願の請求項1ないし5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明5」という。)は、令和2年11月27日付けの手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】振動機構を振動させる振動制御装置であって、ユーザから、前記振動機構を振動させる際の補正内容を指定する補正情報を受け付ける補正情報受付部と、ユーザに触感を感じさせる振動の内容を表す触感振動データを取得する振動データ取得部と、前記取得された触感振動データを、前記補正情報に応じて補正して振動データとし、当該補正した後の振動データにより前記振動機構を振動させる振動制御部と、を含み、前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる振動制御装置。」
なお、本願発明2及び3は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明4及び5は、それぞれ、本願発明1の「振動制御装置」の発明を「振動制御方法」及び「振動機構を振動させるコンピュータプログラム」とした発明であり、カテゴリー表記が異なるだけの発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面ともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同じ。)
「技術分野[0001] 本発明は、手書きの筆記入力を電子的に実行する手書き電子入力システムに関し、情報筆記入力手段を用いて情報筆記入力検知手段上に操作者の手書きの情報筆記入力を電子的に実行するシステムに関する。」
「[0034] (1)手書き電子入力システムの構成:図1は本発明の第1の実施形態の、手書きの筆記入力を電子的に実行する手書き電子入力システムとしての手書き電子入力システム100内の詳細構成を示すブロック図である。なお、この図1では、本実施形態の動作説明に必要な部分の周囲を中心に記載してあり、その他の手書き電子入力システム100として既知の電源スイッチ、電源回路などの各種の部分については省略してある。また、図2は手書き電子入力システム100の外観構成の一例を示す外観図である。[0035] ここで、処理装置101は各種処理を実行する処理手段あるいは制御手段であり、手書きの筆記入力に応じたデータ(入力情報)を生成すると共に、筆記感覚に相当する振動を発生する制御を実行する。[0036] 記憶部103は各種データや各種設定値を記憶する記憶手段であり、この実施形態では、筆記具で筆記対象物に筆記入力した際に得られる振動波形データ(図4(a))が基本情報として保持されており、さらに、筆記具のペン先の太さ,硬さ,滑らかさ,弾力性,インクの粘性,インクの材質の情報、筆記対象物の表面状態(凹凸プロファイルや摩擦係数)の情報などが振動波形データと対応付けられて保持される。[0037] 操作部105は、筆記具のペン先の太さ,硬さ,滑らかさ,弾力性、筆記対象物の表面状態などの設定を行うための操作手段あるいは選択手段である。[0038] 情報筆記入力部120は、操作者の手書きの情報筆記入力に筆記具として用いられるペン型あるいはスタイラス型の情報筆記入力手段である。[0039] 情報筆記入力検知部130は、情報筆記入力部120による情報筆記入力(手書きの筆記入力)の際に筆記対象物として用いられるもので、情報筆記入力を検知するタブレットあるいはタッチパネルなどの情報筆記入力検知手段である。」
「[0041] 筆記感覚呈示部140は、操作者による情報筆記入力時の情報筆記入力部120の操作に応じた筆記感覚に相当する振動を発生する筆記感覚呈示手段である。[0042] なお、筆記感覚呈示手段による「呈示」とは、筆記感覚に相当する振動を発生し、この振動を操作者に対して伝達することを意味する。[0043] この筆記感覚呈示部140は、例えば、図3(a)のように情報筆記入力部120内部のボイスコイルモータなどの各種アクチュエータで構成された振動発生手段1201を用いることが可能である。[0044] また、この筆記感覚呈示部140としては、例えば、図3(b)のように情報筆記入力部120表面の握り位置近傍に複数個配置された、圧電素子などの各種素子で構成された振動発生手段1202a,1202bを用いることが可能である。この場合、実際に筆記具を用いて手描き筆記入力を実行したと同等の感触を、効率よく得ることができる。続きを表示(全19行)[0045] なお、この実施形態において、「握り位置」とは、一般的な操作者が情報筆記入力部120を筆記具として握る際に、手の指が触れる位置を意味する。望ましくは、親指、人差し指、中指が触れる位置を意味する。[0046] また、この筆記感覚呈示部140としては、例えば、図3(c)のように情報筆記入力部120表面の握り位置近傍に筒状に配置された、圧電素子などの各種素子で構成された振動発生手段1203を用いることが可能である。[0047] なお、表面とは、文字通りの最も外周部分の表面だけでなく、表面保護フィルムなどの内側であってもよい。また、情報筆記入力部120の筐体としての筒部の一部を圧電素子などの振動発生手段で一体に構成してもよい。[0048] また、この筆記感覚呈示部140は、図示されていないが、通常の筆記具で筆記対象物と接触することで振動を発生するペン先部分に、圧電素子などの振動発生手段を備えることも可能である。この場合、実際に筆記具を用いて手描き筆記入力を実行したと同等の感触を、忠実に得ることができる。[0049] さらに、この筆記感覚呈示部140は、図示されていないが、通常の筆記具で筆記対象物と接触することで振動を発生する、情報筆記入力検知部130の面側の全体に、圧電素子などの振動発生手段を備えることも可能である。[0050] なお、筆記感覚呈示部140に用いる振動発生手段としては、ボイスコイルモータ、圧電素子のほか、電磁ソレノイド、振動モータ、圧電フィルム、磁歪素子、超磁歪素子、空気と圧力調整素子、油と圧力調整素子、電気粘性流体と圧力調整素子、形状記憶合金など、各種のものを用いることができる。[0051] 以下、図5のフローチャートを参照し、本実施形態における手書きの筆記入力を電子的に実行する際の動作説明を行う。[0052] まず、操作部105から、操作者が情報筆記入力部120と情報筆記入力検知部130とを用いて筆記入力を実行する際に、使用した感覚を得る筆記具や筆記対象物の選択を行う(図5中のステップS501)。たとえば、太く柔らかいペン先の万年筆を筆記具として、ケント紙を筆記対象物として用いる、などの選択を行う。また、特に操作者が選択を行わない場合には、予め初期設定されている条件(例えば、筆記具は水性ボールペン、筆記対象物は上質紙)が選択される。このように選択された条件に基づいて、処理装置101が記憶部103から振動波形データ(例えば、図4(a))を読み出す。[0053] なお、振動波形データとしては、予め記憶部103に記憶されている選択された筆記具と選択された筆記対象物との組み合わせで生じる振動波形データを用いても良いし、選択された筆記具と所定の標準筆記対象物あるいは選択された筆記対象物と所定の標準筆記具のいずれか一方の振動波形データとフィルタとの組み合わせ、あるいは、標準筆記具と標準筆記対象物による基本的な振動波形データに対して筆記具や筆記対象物に応じたフィルタの組み合わせ、であってもよい。[0054] この場合、ステップS501で太い筆記具や柔らかい筆記具、あるいは、滑らかな筆記対象物を選択したのであれば、基本的な振動波形データに対して、ローパスフィルタを用いればよいし、細い筆記具や硬い筆記具、あるいは、滑らかでない筆記対象物であれば、基本的な振動波形データに対して、高域強調フィルタを用いればよい。[0055] すなわち、このように、基本的な振動波形データに対してフィルタ処理で複数のパターンに対応することも可能である。また、基本的な振動波形データは1つだけでなく、幾つかの基本波形データをフィルタ処理と組み合わせて用いてもよい。[0056] そして、情報筆記入力検知部130において、情報筆記入力部120による筆記入力を検知すると(図5中のステップS502)、情報筆記入力検知部130は、入力面での入力状態(入力位置、入力圧力、入力時間など)を取得し、処理装置101に伝達する(図5中のステップS503)。[0057] ここで、処理装置101は、設定されている筆記具と筆記対象物の状態を参照し、記憶部103から必要な設定に対応する振動波形データや必要なフィルタデータを読み出す。そして、読み出した振動波形データやフィルタデータに基づいて、情報筆記入力検知部130での入力状態の情報を得て、設定された筆記具と筆記対象物に対応する筆記感覚に相当する振動を発生する(図5中のステップS504)。[0058] なお、記憶部103に保持されている振動波形データは、図4(a)のような所定の単位時間に相当するものであり、情報筆記入力検知部130での入力状態の情報として、例えば筆記入力が長く続けば、単位時間の振動波形のデータを繰り返して用いて図4(a)の振動波形を変換して図4(b)のように情報筆記入力部120の操作に応じた振動を発生する。[0059] この場合、処理装置101が振動波形に応じた電気信号を筆記感覚呈示部に印加することにより、筆記感覚呈示部140が振動を発生し、その振動が筆記中の操作者の指などに伝わる。これにより、操作者は、電子的なデバイスではなく、従来からのペンと紙とを用いたような感覚で筆記入力を行うことが可能になる。」
「[0072]また、振動がダイレクトに伝わる感じや、振動がマイルドに伝わる感じなど、振動の伝わり具合を操作部105あるいは情報筆記入力部120に設けた調整つまみなどで調整して、操作者の好みに合わせて調整することも可能である。この場合、処理装置101あるいは筆記感覚呈示部140において、振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整することにより実現される。すなわち、低域強調で滑らかな感じになり、高域強調でダイレクトな感じを得るように調整可能である。」
上記記載から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「操作者の手書きの情報筆記入力を電子的に実行するシステムであって、処理装置101が、設定されている筆記具と筆記対象物の状態を参照し、記憶部103から必要な設定に対応する振動波形データや必要なフィルタデータを読み出し、読み出した振動波形データやフィルタデータに基づいて、情報筆記入力検知部130での入力状態の情報を得て、設定された筆記具と筆記対象物に対応する、振動波形に応じた電気信号を筆記感覚呈示部に印加し、筆記感覚呈示部は、印加された電気信号に基づき、振動を発生するものであって、振動の伝わり具合を操作部105あるいは情報筆記入力部120に設けた調整つまみなどで調整し、処理装置101において、振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整することにより、高域強調でダイレクトな感じを得るようにする、システム。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面ともに次の事項が記載されている。
「[0001] 本発明は、触感提供装置、及び、システムに関する。」
「[0008] 本発明の実施の形態の触感提供装置は、操作入力に応じた信号を出力するタッチパネルと、前記タッチパネルの裏面側に配設されるディスプレイパネルと、前記タッチパネルに操作入力を行う操作面に振動を発生させる第1振動素子と、対象有体物の画像と、前記画像の中での位置と、前記位置における前記対象有体物の触感に対応する振幅とを関連付けた触感データを格納するメモリと、前記操作面に超音波帯の固有振動を発生させる駆動信号で前記第1振動素子を駆動する駆動制御部とを含み、前記駆動制御部は、前記タッチパネルへの操作入力の位置と、前記触感データに含まれる前記画像の中での位置とに基づいて、前記駆動信号の振幅を調整する。」
「[0121] 図10及び図11は、実施の形態1の触感提供装置100で用いる触感データの取得方法を説明する図である。[0122] 図10の(A)に示すように、触感提供装置100(図1乃至3参照)の利用者は、自己のスマートフォン端末機600で、触感データがアップロードされているサイトにアクセスし、ダウンロード(DL)ボタン601に触れることにより、好みの触感データをダウンロードすることができる。[0123] 図10の(B)には、3種類の触感データ611A、611B、611Cをスマートフォン端末機600のメモリ620に格納した状態を示す。なお、スマートフォン端末機600は、タッチパネルを入力操作部とするとしており、触感データをダウンロードするアプリケーションを実行すると、図10の(A)に示すようにディスプレイパネルにダウンロード(DL)ボタン601がGUIボタンとして表示され、タッチパネルに操作入力を行うことができる。[0124] また、図11には、サーバ700にIDが0011、0012、0013・・・の触感データがアップロードされており、利用者が必要な触感データだけを自己のスマートフォン端末機600にダウンロードする様子を示す。続きを表示(全19行)[0125] このように、利用者は、そのときに触感を得たい対象有体物の触感データだけを自己のスマートフォン端末機600にダウンロードするようにしてもよい。[0126] 以上、実施の形態1の触感提供装置100によれば、トップパネル120の超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させるので、利用者に良好な触感を提供することができる。[0127] また、実施の形態1の触感提供装置100は、画像データの中における画像の座標を表す座標データと、振動素子140の駆動に用いる駆動信号の強度を調整するための振幅値を表す振幅データを関連付けた触感データを用いて、操作入力の位置に応じた振幅データを出力する。[0128] このため、利用者が触感提供装置100のディスプレイパネル160に表示される対象有体物の画像をなぞることにより、対象有体物の実物の表面をなぞっているような触感を利用者に提供することができる。[0129] 特に、対象有体物が、美術品又は工芸品等で実物に触れることができない場合は、実施の形態の触感提供装置100を用いることによって触感を疑似的に体験できるので、有用性は高い。[0130] また、実施の形態1の触感提供装置100(図1乃至図3参照)は、正弦波発生器310で発生される超音波帯の正弦波の振幅のみを振幅変調器320で変調することによって駆動信号を生成している。正弦波発生器310で発生される超音波帯の正弦波の周波数は、トップパネル120の固有振動数に等しく、また、この固有振動数は振動素子140を加味して設定している。[0131] すなわち、正弦波発生器310で発生される超音波帯の正弦波の周波数又は位相を変調することなく、振幅のみを振幅変調器320で変調することによって駆動信号を生成している。[0132] 従って、トップパネル120の超音波帯の固有振動をトップパネル120に発生させることができ、スクイーズ効果による空気層の介在を利用して、指でトップパネル120の表面をなぞったときの動摩擦係数を確実に低下させることができる。また、Sticky-band Illusion効果、又は、Fishbone Tactile Illusion効果により、トップパネル120の表面に凹凸が存在するような良好な触感を利用者に提供することができる。[0133] また、以上では、トップパネル120に凹凸が存在するような触感を利用者に提供するために、振動素子140のオン/オフと振幅を切り替える形態について説明した。振動素子140をオフにするとは、振動素子140を駆動する駆動信号が表す振幅値をゼロにすることである。[0134] しかしながら、このような触感を提供するために、必ずしも振動素子140をオンからオフにする必要はない。例えば、振動素子140のオフの状態の代わりに、振幅を小さくして振動素子140を駆動する状態を用いてもよい。例えば、振幅を1/5程度に小さくすることにより、振動素子140をオンからオフにする場合と同様に、トップパネル120に凹凸が存在するような触感を利用者に提供してもよい。[0135] この場合は、振動素子140の振動の強弱を切り替えるような駆動信号で振動素子140を駆動することになる。この結果、トップパネル120に発生する固有振動の強弱が切り替えられ、利用者の指先に凹凸が存在するような触感を提供することができる。[0136] 振動素子140の振動の強弱を切り替えるために、振動を弱くする際に振動素子140をオフにすると、振動素子140のオン/オフを切り替えることになる。振動素子140のオン/オフを切り替えることは、振動素子140を断続的に駆動することである。[0137] 以上、実施の形態1によれば、良好な触感を提供できる触感提供装置100を提供することができる。[0138] なお、以上では、博物館に展示される壺510の触感を提供する形態について説明したが、対象有体物は、様々な美術品、博物品、工芸品、絵画、書物、仏像、銅像、石像、生物、自然物、人造物等のあらゆる有体物であってもよい。[0139] また、触感提供装置100は、博物館に限らず、美術館、学校、図書館、商業施設等の様々な場所に設置してもよい。また、利用者が個人的に所有して、あらゆる場所で利用してもよい。」
上記記載から、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「操作入力に応じた信号を出力するタッチパネルと、前記タッチパネルの裏面側に配設されるディスプレイパネルと、前記タッチパネルに操作入力を行う操作面に振動を発生させる振動素子と、対象有体物の画像と、前記画像の中での位置と、前記位置における前記対象有体物の触感に対応する振幅とを関連付けた触感データを格納するメモリと、前記操作面に超音波帯の固有振動を発生させる駆動信号で振動素子を駆動する駆動制御部とを含み、前記駆動制御部は、前記タッチパネルへの操作入力の位置と、前記触感データに含まれる前記画像の中での位置とに基づいて、前記駆動信号の振幅を調整する、触感提供装置であって、前記触感データは、振動素子の駆動に用いる駆動信号の強度を調整するための振幅値を表す振幅データを関連付けたデータであり、好みの前記触感データをダウンロードすることができ、超音波帯の正弦波の振幅のみを振幅変調器で変調することによって駆動信号を生成し、超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させる、触感提供装置。」
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面ともに次の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】本発明は、表示画面上の入力検出面を摺動接触操作して情報を入力するデジタルカメラや、情報処理装置、携帯電話機、情報携帯端末装置等に適用して好適な触覚機能付き入力装置、情報入力方法及び電子機器に関する。詳しくは、表示画面上の入力検出面における操作体の押下操作に対して触覚を与える場合に、その入力検出面における操作体の押下位置の加圧力に対応した振動パターンに基づいて当該入力検出面を振動する振動手段を備え、操作体となる操作者の指等による押下操作に対応した振動パターン(振幅と周波数と振動回数)により複数種類の振動を発生できるようにしたものである。」
「【0121】図18~図20は、摺動接触操作時の加圧力Fに応じた触覚例を示す図である。図18A及びBは、基準押圧時の触覚例及び振動パターンの波形例を示す図である。図18Aにおいて、縦軸は、手に伝わる触覚(力)[N]である。図18Bにおいて、縦軸は、振動制御信号Sa等の電圧(振幅)[V]である。横軸はいずれも時間tである。【0122】図18Aに示す触覚波形S(t)は、指30aのZ方向への加圧力をFとし、設計時の基準押圧力(Normale)をfとしたとき、F=fを満たす場合に得られる。この触覚波形S(t)は、基準押圧力fに対応した振幅Axを有している。図18Bに示す振動パターンP1は、指30aのZ方向への加圧力をFとし、設計時の基準押圧力(Normale)をfとしたとき、F=fを満たす入力検出情報D2が得られた場合に発生される。つまり、図18Aに示した触覚を得るための振動パターンP1である。続きを表示(全18行)【0123】この例では、振動パターンP1の周波数fx、振幅Ax及び回数Nxに関して、第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[50 1 1]で振動し、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 2 1]で振動し、第3段階iiiでは約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[150 3 1]で振動し、第4段階ivでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[200 4 1]で振動する。このような振動制御信号Saがアクチュエータ25aに供給される。他のアクチュエータ25b~25fにも、同様な振動制御信号Sb~Sfが供給される。【0124】図19A及びBは、F=2f押圧時の触覚例及び振動パターンの波形例を示す図である。図19Aにおいて、縦軸は、手に伝わる触覚(力)[N]である。図19Bにおいて、縦軸は、振動制御信号Sa等の電圧(振幅)[V]である。横軸はいずれも時間tである。【0125】図19Aに示す触覚波形2×S(t)は、加圧力Fと基準押圧力fとの関係がF=2fを満たすような強い押圧接触操作がなされた場合に得られる。触覚波形は、F・S(t)/f=2×S(t)により得られる。図19Bに示す振動パターンP2は、F=2fを満たす入力検出情報D2が得られた場合に発生される。つまり、振動パターンP2は、図19Aに示した触覚を得るために、図18Bに示した振動パターンP1を2倍に補正したものである。【0126】この例では、振動パターンP2の周波数fx、振幅Ax及び回数Nxに関して、第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[50 2 1]で振動し、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 4 1]で振動し、第3段階iiiでは約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[150 6 1]で振動し、第4段階ivでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[200 8 1]で振動する。このような振動制御信号Saがアクチュエータ25aに供給される。他のアクチュエータ25b~25fにも、同様な振動制御信号Sb~Sfが供給される。【0127】図20A及びBは、F=1/2f押圧時の触覚例及び振動パターンの波形例を示す図である。図20Aにおいて、縦軸は、手に伝わる触覚(力)[N]である。図20Bにおいて、縦軸は、振動制御信号Sa等の電圧(振幅)[V]である。横軸はいずれも時間tである。【0128】図20Aに示す触覚波形0.5×S(t)は、加圧力Fと基準押圧力fとの関係がF=f/2を満たすような弱い押圧接触操作がなされた場合に得られる。触覚波形は、F・S(t)/f=0.5×S(t)により得られる。図20Bに示す振動パターンP3は、F=2fを満たす入力検出情報D2が得られた場合に発生される。つまり、振動パターンP3は、図20Aに示した触覚を得るために、図18Bに示した振動パターンP1を1/2倍に補正したものである。【0129】この例で、振動パターンP3の周波数fx、振幅Ax及び回数Nxに関して、第1段階iでは約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[50 0.5 1]で振動し、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 1 1]で振動し、第3段階iiiで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[150 1.5 1]で振動し、第4段階ivでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[200 2 1]で振動する。このような振動制御信号Saがアクチュエータ25aに供給される。他のアクチュエータ25b~25fにも、同様な振動制御信号Sb~Sfが供給される。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)引用文献1について
ア 本願発明1と引用発明1とを対比する。
(ア)引用発明1の「筆記感覚呈示部」は「振動を発生するもの」であるから、本願発明1の「振動機構」に相当する。
(イ)引用発明1は、「操作部105あるいは情報筆記入力部120に設けた調整つまみ」により、「振動の伝わり具合を操作部105あるいは情報筆記入力部120に設けた調整つまみなどで調整し、処理装置101において、振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整することにより、高域強調でダイレクトな感じを得るように」しているから、引用発明1の「処理装置101」は、「操作部105」あるいは「情報筆記入力部120」からの「振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整する」ための情報を受け付ける、受け付け部を備えていることは明らかである。
そして、引用発明1の「振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整する」ための情報は、「筆記感覚呈示部」に印加される電気信号を調整する情報であるから、この情報は、本願発明1の「前記振動機構を振動させる際の補正内容を指定する補正情報」に相当する。
また、引用発明1の「振動の伝わり具合を操作部105あるいは情報筆記入力部120に設けた調整つまみなどで調整」するのは、「操作部105」あるいは「情報筆記入力部120」を操作する者、即ちユーザであることを考慮すると、引用発明1の「処理装置101」が備える、「操作部105」あるいは「情報筆記入力部120」からの「振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整する」ための情報を受け付ける、受け付け部は、本願発明1の「ユーザから、前記振動機構を振動させる際の補正内容を指定する補正情報を受け付ける補正情報受付部」に相当する。
(ウ)引用発明1の「振動波形データ」は、本願発明1の「触感振動データ」に相当する。
そして、引用発明1の「処理装置101」は、「設定されている筆記具と筆記対象物の状態を参照し、記憶部103から必要な設定に対応する振動波形データや必要なフィルタデータを読み出し」ているから、「振動波形データ」を読み出す構成を備えており、この「振動波形データ」を読み出す構成は、本願発明1の「ユーザに触感を感じさせる振動の内容を表す触感振動データを取得する振動データ取得部」に相当する。
(エ)引用発明1の「処理装置101」は、「読み出した振動波形データやフィルタデータに基づいて、情報筆記入力検知部130での入力状態の情報を得て、設定された筆記具と筆記対象物に対応する、振動波形に応じた電気信号を筆記感覚呈示部に印加」する際、「振動の伝わり具合を操作部105あるいは情報筆記入力部120に設けた調整つまみなどで調整し」、「振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整」した後に「筆記感覚呈示部」に印加しているから、この「振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整」するための構成は、本願発明1の「前記取得された触感振動データを、前記補正情報に応じて補正して振動データとし、当該補正した後の振動データにより前記振動機構を振動させる振動制御部」に相当する。
(オ)引用発明1の「振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整することにより、高域強調でダイレクトな感じを得る」ことは、高域を強調しているから、本願発明1の「前記補正情報受付部」が受け付けた「強調補正の補正内容」に相当する。
そして、引用発明1の「振動の伝わり具合を操作部105あるいは情報筆記入力部120に設けた調整つまみなどで調整」する際に、高域を強調する調整を受け付けることは、本願発明1の「前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたとき」に相当する。
また、引用発明1の「振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整することにより、高域強調でダイレクトな感じを得るようにする」ことと、本願発明1の「前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正」することとは、「前記補正情報に応じて補正」する点で共通する。
そうすると、引用発明1と本願発明1は、「前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」点で共通する。
(カ)してみると、引用発明1の「処理装置101」は、本願発明1の「振動制御装置」に対応する。
(キ)以上のことから、本願発明1と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「振動機構を振動させる振動制御装置であって、ユーザから、前記振動機構を振動させる際の補正内容を指定する補正情報を受け付ける補正情報受付部と、ユーザに触感を感じさせる振動の内容を表す触感振動データを取得する振動データ取得部と、前記取得された触感振動データを、前記補正情報に応じて補正して振動データとし、当該補正した後の振動データにより前記振動機構を振動させる振動制御部と、を含み、前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる振動制御装置。」
[相違点1]
本願発明1は「前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」のに対して、引用発明1は「振動波形」を補正する際に、振動波形の周波数成分を調整値に応じて調整しており、他の波形の振動データに置き換えて補正していない点。
イ 相違点についての判断
上記相違点1について検討する。
本願発明1は、相違点1に係る構成を備えているから、引用文献1に記載された発明であるとはいえない。
また、引用文献2及び3には、触感振動データを補正する際に、他の波形の振動データに置き換えて補正することは記載されておらず、本願の国際出願日前において周知技術であるともいえない。
そうすると、本願発明1は、引用発明1に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
(2)引用文献2について
ア 本願発明1と引用発明2とを対比する。
(ア)引用発明2の「振動素子」は、本願発明1の「振動機構」に相当する。
(イ)引用発明2の「触感データ」は、「触感データ」により「超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させる」ものであるから、この「触感データ」は、本願発明1の「ユーザに触感を感じさせる振動の内容を表す触感振動データ」に相当する。
そして、引用発明2は、「触感データ」を「メモリ」に格納しており、この「メモリ」に格納された「触感データ」に含まれる画像の中での位置とに基づいて、駆動信号の振幅を調整するためには、「メモリ」に格納された「触感データ」を読み出す構成を備えており、この「メモリ」に格納された「触感データ」を読み出す構成は、本願発明1の「ユーザに触感を感じさせる振動の内容を表す触感振動データを取得する振動データ取得部」に相当する。
(ウ)引用発明2の「駆動制御部」が「前記タッチパネルへの操作入力の位置と、前記触感データに含まれる前記画像の中での位置とに基づいて、前記駆動信号の振幅を調整する」ことは、「触覚データ」がダウンロードされたものであることを考慮すると、本願発明1の「振動制御部」が「前記取得された触感振動データを、前記補正情報に応じて補正して振動データとし、当該補正した後の振動データにより前記振動機構を振動させる」ことと、「振動制御部」が「前記取得された触感振動データを、振動データとし、当該振動データにより前記振動機構を振動させる」点で共通する。
(エ)そして、引用発明2の「触感提供装置」は、本願発明1の「振動制御装置」に対応する。
(オ)以上のことから、本願発明1と引用発明2との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「振動機構を振動させる振動制御装置であって、ユーザに触感を感じさせる振動の内容を表す触感振動データを取得する振動データ取得部と、前記取得された触感振動データを、振動データとし、当該振動データにより前記振動機構を振動させる振動制御部と、を含む振動制御装置。」
[相違点2]
本願発明1は「ユーザから、前記振動機構を振動させる際の補正内容を指定する補正情報を受け付ける補正情報受付部」を備えているのに対して、引用発明2は対応する特定がない点。
[相違点3]
本願発明1は「前記取得された触感振動データを、前記補正情報に応じて補正して振動データとし、当該補正した後の振動データにより前記振動機構を振動させる振動制御部」を含んでいるのに対して、引用発明2は、「駆動制御部」が「触覚データ」を、本願発明1の「補正情報」に対応する情報によって補正することについて特定されていない点。
[相違点4]
本願発明1は「前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」のに対して、引用発明2は対応する特定がない点。
イ 相違点についての判断
事案に鑑み、上記相違点2ないし4についてまとめて判断する。
本願発明1は、相違点2ないし4に係る構成を備えているから、引用文献2に記載された発明であるとはいえない。
また、引用文献3には、上記相違点2ないし4について記載されておらず、本願の国際出願日前において周知技術であるとはいえない。
そうすると、本願発明1は、引用発明2及び引用文献3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるともいえない。
なお、引用文献1には、相違点1から明らかなように、触感振動データを補正する際に、他の波形の振動データに置き換えて補正することは記載されていないから、上記相違点4について記載されているとはいえない。
2 本願発明2及び3について
本願発明2及び3も、本願発明1の「前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」ことを行っているから、引用文献1に記載された発明であるとはいえず、また、引用文献1ないし3に記載された発明から、当業者が容易に発明できたものであるともいえない。
3 本願発明4及び5について
本願発明4及び5は、それぞれ本願発明1に対応する「振動制御方法」及び「振動機構を振動させるプログラム」の発明であり、本願発明1の「前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」ことに対応する、「前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」こと、及び、「前記補正情報として強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときには、前記振動制御部として機能させる際に、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正させ、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」ことが特定されているから、本願発明1と同様の理由により、引用文献1又は2に記載された発明であるとはいえず、また、引用文献1ないし3に記載された発明から当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 原査定について
本願発明1ないし3は、「前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」という技術的事項を有し、本願発明4及び5は、それぞれ「前記補正情報受付部が強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときに、前記振動制御部が、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正し、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」、及び、「前記補正情報として強調補正の補正内容を指定する補正情報を受け付けたときには、前記振動制御部として機能させる際に、前記触感振動データを、前記補正情報に応じて他の波形の振動データに置き換えて補正させ、当該補正した内容で前記振動機構を振動させる」との技術的事項を有している。
そうすると、本願発明1ないし5は、引用文献1に記載された発明であるとはいえず、引用文献1に記載された事項から当業者が容易に発明できたものであるともいえない。
加えて、本願発明1、4及び5は、引用文献2に記載された発明であるとはいえず、引用文献2に記載された事項から当業者が容易に発明できたものであるともいえない。
さらに、本願発明2及び3は、引用文献2及び3に記載された事項から当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-003444