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特許拒絶査定不服審判

2021-003216

端末、無線通信方法及びシステム

審判番号
2021-003216
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-516334外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月10日
審決日
2022年03月09日
公報発行日
2022年08月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .537-WY (H04W) / P18 .113-WY (H04W) / P18 .121-WY (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-516334「端末,無線通信方法及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月 8日国際公開,WO2018/203398,請求項の数(7)〕について,次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は,特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 18項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は,2017年(平成29年)5月2日を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。

令和2年 3月26日 手続補正書の提出

令和2年 7月 8日付け 拒絶理由通知書

令和2年 9月11日 意見書及び手続補正書の提出

令和2年12月 8日付け 拒絶査定

令和3年 3月10日 審判請求書及び手続補正書の提出

令和3年 7月 9日 上申書の提出

令和3年11月10日付け 拒絶理由通知書(当審)

令和4年 1月14日 意見書及び手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和2年12月8日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項1ないし7に対して,引用文献1及び2

<引用文献等一覧>

1.NTT DOCOMO, INC.,Discussion and evaluation on NR-PBCH design[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #88bis R1-1705708,2017年 3月25日アップロード,Section 3.4,Internet<URL:https://3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705708.zip>(以下,「引用文献1」という。)

2.NTT DOCOMO, INC.,Discussion on SS periodicity for NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1705707,2017年 3月25日アップロード,Section2.2,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705707.zip>(以下,「引用文献2」という。)

第3 当審拒絶理由の概要

当審における令和3年11月10日付け拒絶理由通知書で通知した拒絶理由(以下,「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。

1.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

2.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

3.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

4.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

●理由1(サポート要件)について

・請求項2ないし5

請求項2では、「前記情報が通知される場合、前記隣接セルの同期信号ブロックに含まれるブロードキャストチャネルを復号しない」となっているが、隣接セルがサービングセルと同期していない場合にも前記隣接セルの同期信号ブロックに含まれるブロードキャストチャネルを復号しないことは発明の詳細な説明に記載されていない。

請求項2を引用している従属請求項についても同様に不備がある。

したがって、請求項2ないし5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。

●理由2(明確性)について

・請求項7

請求項7に係る発明は「基地局」であるのに対し、「サービングセルのタイミングに基づいて隣接セルによって送信される同期信号ブロックの同期信号ブロックインデックスを端末に導出させるために、」、及び、「ここで、前記同期信号ブロックインデックスとしては、同期信号バースト内における各同期信号ブロックについて異なるインデックスが用いられる」との記載が基地局の何を特定しようとしているのか不明確であるから、請求項7に係る発明の構成が不明確である。

●理由3、4(新規性、進歩性)について

・請求項7に対して,引用文献1

<引用文献等一覧>

1.NTT DOCOMO, INC.,Discussion and evaluation on NR-PBCH design [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #88bis R1-1705708,2017年 3月25日アップロード,Section 3.4,Internet<URL:https://3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705708.zip>(原査定の「引用文献1」と同じ。)

第4 本願発明

本願の請求項1ないし7に係る発明(以下,「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は,令和4年1月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
同期信号及びブロードキャストチャネルを含む同期信号ブロックを受信する受信部と、
隣接セルがサービングセルと同期しているか否かに関する情報が基地局から通知される場合、前記サービングセルのタイミングに基づいて、前記隣接セルによって送信される同期信号ブロックの同期信号ブロックインデックスを導出する、ここで、前記同期信号ブロックインデックスとしては、同期信号バースト内における各同期信号ブロックについて異なるインデックスが用いられる、制御部と、を有する端末。
【請求項2】
続きを表示(全21行)
前記制御部は、前記情報として、前記隣接セルが前記サービングセルと同期していることを示す情報が通知される場合、前記隣接セルの同期信号ブロックに含まれるブロードキャストチャネルを復号しない請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記隣接セルの同期信号ブロックに含まれるブロードキャストチャネルを復号しない場合に、前記隣接セルの同期信号ブロックに含まれるブロードキャストチャネルを復号する場合とは異なるRRM要求(Radio Resource Measurement requirement)を適用する請求項2に記載の端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記隣接セルの同期信号ブロックに含まれるブロードキャストチャネルを復号する場合に、前記隣接セルの同期信号ブロックに含まれるブロードキャストチャネルを復号しない場合に比べて緩和されたRRM要求を適用する請求項3に記載の端末。
【請求項5】
前記RRM要求は、測定に関する要求である請求項3又は請求項4に記載の端末。
【請求項6】
同期信号及びブロードキャストチャネルを含む同期信号ブロックを受信するステップと、
隣接セルがサービングセルと同期しているか否かに関する情報が基地局から通知される場合、前記サービングセルのタイミングに基づいて、前記隣接セルによって送信される同期信号ブロックの同期信号ブロックインデックスを導出する、ここで、前記同期信号ブロックインデックスとしては、同期信号バースト内における各同期信号ブロックについて異なるインデックスが用いられる、ステップと、を有する端末の無線通信方法。
【請求項7】
端末及び基地局を含むシステムであって、
前記端末は、
同期信号及びブロードキャストチャネルを含む同期信号ブロックを受信する受信部と、
隣接セルがサービングセルと同期しているか否かに関する情報が前記基地局から通知される場合、前記サービングセルのタイミングに基づいて、前記隣接セルによって送信される同期信号ブロックの同期信号ブロックインデックスを導出する、ここで、前記同期信号ブロックインデックスとしては、同期信号バースト内における各同期信号ブロックについて異なるインデックスが用いられる、制御部と、を有し、
前記基地局は、
前記情報を、前記端末に送信する送信部を有するシステム。」

第5 引用文献,引用発明及び技術的事項

1 引用文献1について

原査定の拒絶の理由及び当審拒絶理由で引用され,本願出願日前に公開された引用文献1(NTT DOCOMO, INC.,Discussion and evaluation on NR-PBCH design(当審仮訳:NR-PBCH設計に関する議論及び評価)[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #88bis R1-1705708,2017年 3月25日アップロード,Section 3.4,Internet<URL:https://3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705708.zip>)には,図面とともに以下の記載がある。(なお,下線は当審で付与した。)

「3.4. NR-PBCH transmission in non-standalone NR cell」

At the last RAN2 meeting, RAN2 agreed that for EN-DC, the NR SN is not required to broadcast system information other than for timing and SFN. In addition, RAN2 assumption is that EN-DC should support the deployment scenario that LTE eNB are not synchronized with NR gNB. In such asynchronous DC scenario, NR-PBCH needs to be transmitted to provide at least SFN and possibly SS block index of the NR PSCell. However, in synchronous DC scenario, even SFN can be derived from LTE PCell since NR radio frame is 10 ms which is same with LTE radio frame. Therefore, for non-standalone NR cell in synchronous DC scenario, we can consider following possible approaches regarding NR-PBCH transmission.

・・・(中略)・・・

●Alt.2: Non-standalone NR cell transmits NR-PBCH as well as standalone NR cell, and UE can be informed of whether UE can skip NR-PBCH decoding or not.

→For example, if it is synchronous DC and single beam scenario, UE can be informed to skip NR-PBCH decodingsince SFN and SS block index can be derived automatically from such information.」(第4頁下から第6行ないし第5頁第9行)

(当審仮訳:(3.4 ノンスタンドアローン NRセルにおけるNR-PBCH送信

前回のRAN2会議で,RAN2はEN-DCの場合,NR-SNはタイミング及びSFN以外のシステム情報をブロードキャストすることは要求しないことに合意した。さらに,RAN2の想定では,LTE eNBがNR gNBと同期されていない展開シナリオをサポートする必要がある。そのような非同期DCシナリオでは,NR-PBCHは,少なくともSFN及び場合によってはNR PSCellのSSブロックインデックスを提供するために送信される必要がある。しかしながら,同期DCシナリオでは、NR無線フレームがLTE無線フレームと同じである10msであるので,SFNさえもLTE PCellから導出されることができる。したがって,同期DCシナリオにおけるノンスタンドアローンNRセルの場合,NR-PBCH送信に関して,次のような可能なアプローチが考えられる。

・・・(中略)・・・

●選択肢2.ノンスタンドアローンNRセルは,スタンドアロンNRセルと同様にNR-PBCHを送信し、UEがNR-PBCHの復号をスキップできるかどうかをUEは知らされることができる。

→例えば,同期DC及びシングルビームシナリオの場合,SFN及びSSブロックインデックスはそのような情報から自動的に導出されることができるため、UEはNR-PBCHの復号をスキップするように通知されることができる。)

引用文献1の上記記載,及び無線通信システムの分野における技術常識を考慮すると,次のことがいえる。

ア 上記記載の「NRセルは,・・・(中略)・・・NR-PBCHを送信し、UEがNR-PBCHの復号をスキップできるかどうかをUEは知らされる」との記載によれば,UEはNR-PBCHの復号をスキップするかどうかに関わらず,NR-PBCHを受信していることは明らかである。よって,引用文献1に記載された「UE」は「NR-PBCHを受信する」といえる。

イ 上記記載の「UEがNR-PBCHの復号をスキップできるかどうかをUEは知らされる」との記載,及び「UEはNR-PBCHの復号をスキップするように通知される」との記載によれば,引用文献1に記載された「UE」は「NR-PBCHの復号をスキップするように通知される」といえる。

ウ 上記記載の「同期DC・・・(中略)・・・シナリオの場合,・・・(中略)・・・SSブロックインデックスは・・・(中略)・・・導出される」との記載によれば,引用文献1に記載された「UE」は,「同期DCシナリオの場合,SSブロックインデックスを導出する」といえる。

したがって,上記「ア」ないし「ウ」を総合すると,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「NR-PBCHを受信し,
前記NR-PBCHの復号をスキップするように通知され,
同期DCシナリオの場合,SSブロックインデックスを導出するUE。」

2 引用文献2について

原査定の拒絶の理由で引用され,本願出願日前に公開された引用文献2(NTT DOCOMO, INC.,Discussion on SS periodicity for NR(当審仮訳:NRのためのSS周期性に関する議論)[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1705707,2017年 3月25日アップロード,Section2.2,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705707.zip>)には,図面とともに以下の事項が記載されている。(なお,下線は当審で付与した。)

「2.2. Adaptation and network indication of SS burst set periodicity
・・・(中略)・・・
If serving and neighbor cells are synchronized, network can coordinate and provide one periodicity/timing/duration indication to UE.」(第3頁第1行ないし第13行)

(当審仮訳:2.2 SSバーストセットの周期性の適合及びネットワークインジケーション

・・・(中略)・・・

サービング及び隣接セルが同期されている場合,ネットワークはUEに1つの周期性/タイミング/持続時間のインジケーションを調整及び提供することができる。)

上記記載によれば,引用文献2には,次の技術的事項が記載されていると認められる。

「サービング及び隣接セルが同期されている場合,ネットワークはUEに1つの周期性/タイミングのインジケーションを提供する。」

第6 対比及び判断

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。

ア 引用発明の「UE」は,無線通信システムにおける端末の一種であることが技術常識であることを考慮すると,本願発明1の「端末」に含まれる。

イ 引用発明における「NR-PBCH」は,「PBCH」がPhysical Broadcast Channelの略であることが技術常識であることを考慮すると,本願発明1の「ブロードキャストチャネル」に含まれる。また,引用発明の「UE」が「NR-PBCHを受信」するための受信部を有していることは明らかである。

してみれば,本願発明1の「端末」が「同期信号及びブロードキャストチャネルを含む同期信号ブロックを受信する受信部」を有することと,引用発明の「UE」が「NR-PBCHを受信」することは,「端末」が「ブロードキャストチャネルを受信する受信部」を有する点で共通する。

ウ 引用発明における「SSブロックインデックス」は,Synchronization Signals,すなわち同期信号ブロックインデックスを表していることを考慮すると,本願発明1の「同期信号ブロックインデックス」に相当する。また,引用発明の「UE」が「SSブロックインデックスを導出する」ための制御部を有していることは明らかである。

してみれば,本願発明1の「端末」が「隣接セルがサービングセルと同期しているか否かに関する情報が基地局から通知される場合、前記サービングセルのタイミングに基づいて、前記隣接セルによって送信される同期信号ブロックの同期信号ブロックインデックスを導出する、ここで、前記同期信号ブロックインデックスとしては、同期信号バースト内における各同期信号ブロックについて異なるインデックスが用いられる、制御部」を有することと,引用発明の「UE」が「同期DCシナリオの場合,SSブロックインデックスを導出する」ことは,「端末」が「同期信号ブロックインデックスを導出する,制御部」を有する点で共通する。

したがって,上記「ア」ないし「ウ」を総合すれば,本願発明1と引用発明は,以下の点で一致し,また相違する。

<一致点>

「 ブロードキャストチャネルを受信する受信部と,
同期信号ブロックインデックスを導出する制御部と、を有する端末。」

<相違点1>

本願発明1が「同期信号及び」ブロードキャストチャネル「を含む同期信号ブロック」を受信するのに対して,引用発明は「NR-PBCH」を受信するものであって,本願発明1の当該発明特定事項について特定されていない点。

<相違点2>

本願発明1が「隣接セルがサービングセルと同期しているか否かに関する情報が基地局から通知される場合、前記サービングセルのタイミングに基づいて、前記隣接セルによって送信される同期信号ブロックの」同期信号ブロックインデックスを導出するのに対し,引用発明は,「同期DCシナリオの場合,SSブロックインデックスを導出する」ものであって,本願発明1の当該発明特定事項について特定されていない点。

<相違点3>

本願発明1の「同期信号ブロックインデックスとしては、同期信号バースト内における各同期信号ブロックについて異なるインデックスが用いられる」のに対し,引用発明の「SSブロックインデックス」について,本願発明1の当該発明特定事項について特定されていない点。

(2)相違点についての判断

上記相違点について検討するにあたり,事案に鑑みて,上記相違点2について先に検討する。

上記「第5」の「2」に説示したとおり,引用文献2には「サービング及び隣接セルが同期されている場合,ネットワークはUEに1つの周期性/タイミングのインジケーションを提供する。」という技術的事項が記載されている。

しかしながら,上記相違点2に係る「隣接セルがサービングセルと同期しているか否かに関する情報が基地局から通知される場合、前記サービングセルのタイミングに基づいて、前記隣接セルによって送信される同期信号ブロックの」同期信号ブロックインデックスを導出するという発明特定事項は,当該引用文献2には記載も示唆もされておらず,また当該技術分野における周知技術であるともいえない。

よって,引用発明において,上記相違点2に係る「隣接セルがサービングセルと同期しているか否かに関する情報が基地局から通知される場合、前記サービングセルのタイミングに基づいて、前記隣接セルによって送信される同期信号ブロックの」同期信号ブロックインデックスを導出するよう構成することは,当業者といえども,容易に想到し得たとはいえない。

したがって,上記相違点1及び3について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用発明並びに引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明2ないし5について

本願発明2ないし5は,本願発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから,り,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明並びに引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本願発明6について

本願発明6は,「端末」という物の発明である本願発明1を,「端末の無線通信方法」という方法の発明としたものである。そして,本願発明6は,本願発明1の発明特定事項に対応する発明特定事項を全て備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明並びに引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本願発明7について

本願発明7は,本願発明1と同じ発明特定事項を有する「端末」を含むシステムの発明である。そして,本願発明7は,本願発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明並びに引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 原査定についての判断

令和4年1月14日にされた手続補正により,本願発明1ないし7は,いずれも「隣接セルがサービングセルと同期しているか否かに関する情報が基地局から通知される場合、前記サービングセルのタイミングに基づいて、前記隣接セルによって送信される同期信号ブロックの」同期信号ブロックインデックスを導出するという発明特定事項を備えるものとなっている。してみれば,上記「第6」の「1」ないし「4」で説示したとおり,当業者であっても,引用文献1に記載された発明,及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

したがって,原査定の理由を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由についての判断

1 特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について

令和4年1月14日にされた手続補正により,請求項2の「前記情報が通知される場合、前記隣接セルの同期信号ブロックに含まれるブロードキャストチャネルを復号しない」との記載が,「前記情報として、前記隣接セルが前記サービングセルと同期していることを示す情報が通知される場合、前記隣接セルの同期信号ブロックに含まれるブロードキャストチャネルを復号しない」(下線は,補正箇所を示す。)と補正されたことにより,この拒絶の理由は解消した。

2 特許法第36条第6項第2号(明確性)について

令和4年1月14日にされた手続補正により,請求項7に係る発明は,請求項1に係る発明と同じ発明特定事項を有する「端末」と,当該端末に通知される「情報を、端末に送信する送信部を有する」「基地局」を含む「システム」となったため,この拒絶の理由は解消した。

3 特許法第29条第2項(進歩性)について

令和4年1月14日にされた手続補正により,本願発明1ないし7は,いずれも「隣接セルがサービングセルと同期しているか否かに関する情報が基地局から通知される場合、前記サービングセルのタイミングに基づいて、前記隣接セルによって送信される同期信号ブロックの」同期信号ブロックインデックスを導出するという発明特定事項を備えるものとなっている。してみれば,上記「第6」の「1」ないし「4」で説示したとおりであって,当業者であっても,引用文献1に記載された発明並びに引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

よって,この拒絶の理由は解消した。

第9 むすび

以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。

また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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2021-003216

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