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特許拒絶査定不服審判

2021-002898

検査システム及びレジシステム

審判番号
2021-002898
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-551531外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月04日
審決日
2022年01月13日
公報発行日
2022年07月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .55 -WZ (G01G) / P18 .57 -WZ (G01G) / P18 .571-WZ (G01G) / P18 .572-WZ (G01G) / P18 .573-WZ (G01G) / P18 .574-WZ (G01G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項、特許法第37条、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-551531「検査システム及びレジシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月24日国際公開、WO2018/092501〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 20項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、2017年(平成29年)10月19日を国際出願日とする日本語特許出願であって(優先権主張 平成28年11月18日、平成29年4月29日、平成29年7月14日)、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和 2年 7月13日付け:拒絶理由通知書
令和 2年11月18日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年11月30日付け:拒絶査定(令和2年12月8日送達、以下「原査定」という。)
令和 3年 3月 4日 :審判請求書の提出
令和 3年10月 7日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和 3年12月 6日 :意見書、手続補正書の提出

第2 令和3年12月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和3年12月6日にされた手続補正を却下する。

[補正の却下の決定の理由]

1 補正の内容

令和3年12月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてした補正であり、この補正により、以下に示すとおり、本件補正前の請求項1が、本件補正後の請求項1に補正された。

<本件補正前の請求項1>

「 【請求項1】
有価物を検査する検査システムであって、
前記有価物の種類と規格上の重量とが関連付けられたデータベースと、
台上に置かれた前記有価物の画像を取得するカメラと、
前記画像から前記有価物の種類を認識する画像認識装置と、
前記有価物の重量を計測記録する重量計測装置と、
前記重量計測装置の計測結果を用いて、台上の前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記データベースを参照して、前記画像認識装置で認識された前記有価物の種類に関連付けられた規格上の重量の計算上の総重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の実際の総重量を計測し、前記計算上の総重量と前記実際の総重量との比較を行い、前記有価物の前記計算上の総重量と前記実際の総重量が一致しているかどうかを判定する管理制御装置を備えた、検査システム。」

<本件補正後の請求項1>

「 【請求項1】
重量差により種類が特定可能な有価物を検査対象とし、当該有価物の情報を記録したRFタグを備えた有価物を検査する検査システムであって、
台上に置かれた前記有価物のRFタグから前記有価物の情報を読み取るRF読取装置と、
前記有価物の重量を計測記録する重量計測装置と、
前記重量計測装置の計測結果を用いて、台上の前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記管理制御装置は、RF読取装置から得た情報から前記有価物の規格上の重量を基にして台上の前記有価物の重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の計算上の総重量を計測し、前記RF読取装置から得た前記有価物の計算上の重量と、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量との比較を行い、有価物の総個数が一致しているかどうかを推定し、前記RF読取装置から得た前記有価物の計算上の重量と、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量とが一致していないと判定した場合に、不一致の原因とはならない前記有価物の種類を特定する機能を備えた、検査システム。」(下線は、補正箇所を示す。)

2 補正の目的

本件補正は、本件補正前の「有価物の種類と規格上の重量とが関連付けられたデータベース」、「台上に置かれた前記有価物の画像を取得するカメラ」及び「前記画像から前記有価物の種類を認識する画像認識装置」の構成を削除するとともに、本件補正前の「管理制御装置」が、「前記データベースを参照して、前記画像認識装置で認識された前記有価物の種類に関連付けられた規格上の重量の計算上の総重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の実際の総重量を計測し、前記計算上の総重量と前記実際の総重量との比較を行い、前記有価物の前記計算上の総重量と前記実際の総重量が一致しているかどうかを判定する」ものであるという限定を省く補正を含むものであるから、本件補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するものとは認められない。また、本件補正が、請求項の削除、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明を目的とする補正のいずれにも該当しないことは、明らかである。

したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項各号のいずれを目的とするものにも該当せず、同法17条の2第5項に規定する要件に違反するものであるから、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。

よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明

本件補正は上記第2において説示したとおり却下されたので、本願の請求項1~10に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本願発明1」などという。)は、令和2年11月18日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~10(以下、請求項の番号に従って、「補正後の請求項1」などという。)に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認められる。

「 【請求項1】
有価物を検査する検査システムであって、
前記有価物の種類と規格上の重量とが関連付けられたデータベースと、
台上に置かれた前記有価物の画像を取得するカメラと、
続きを表示(全41行)
前記画像から前記有価物の種類を認識する画像認識装置と、
前記有価物の重量を計測記録する重量計測装置と、
前記重量計測装置の計測結果を用いて、台上の前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記データベースを参照して、前記画像認識装置で認識された前記有価物の種類に関連付けられた規格上の重量の計算上の総重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の実際の総重量を計測し、前記計算上の総重量と前記実際の総重量との比較を行い、前記有価物の前記計算上の総重量と前記実際の総重量が一致しているかどうかを判定する管理制御装置を備えた、検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記管理制御装置は、前記計算上の総重量に対する、前記実際の総重量の超過重量を把握する機能を備えた、検査システム。
【請求項3】
請求項2に記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記管理制御装置は、前記超過重量に基づき、前記計算上の総重量と前記実際の総重量との不一致の原因となる前記有価物の種類、あるいは不一致の原因とはならない前記有価物の種類を特定する機能を備えた、検査システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記管理制御装置は、前記画像認識装置の認識結果から台上の前記有価物の総金額を把握する機能を備えた、検査システム。
【請求項5】
有価物を検査する検査システムであって、
台上に置かれた前記有価物の画像を取得するカメラと、
前記画像から前記有価物の種類を認識する画像認識装置と、
前記有価物の重量を計測する重量計測装置と、
前記重量計測装置の計測結果を用いて、前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記管理制御装置は、前記画像認識装置の認識結果に基づいて前記有価物の重量を求め、求めた重量と前記重量計測装置で計測された重量とを比較して、両者が一致しているか否かを判定する、検査システム。
【請求項6】
前記管理制御装置は、前記画像認識装置の認識結果に基づいて前記有価物の価格を求め、求めた価格の情報を出力する、請求項5に記載の検査システム。
【請求項7】
前記検査システムは、さらに、前記有価物の種類を特定する情報と、当該種類の価格とを対応付けて記憶する記憶装置を備え、
前記管理制御装置は、前記記憶装置を参照して、前記画像認識装置の認識結果に対応づけられた価格を読み出すことにより前記有価物の価格を求める、請求項6に記載の検査システム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の検査システムと、
前記管理制御装置が出力する価格の情報に基づいて、会計処理を行うレジ装置と、
を備えた、レジシステム。
【請求項9】
所定の場所に置かれた物体の画像を取得するカメラと、
前記画像から前記物体の種類を認識する画像認識装置と、
前記所定の場所に置かれた前記物体を重量計測装置で計測した重量によって前記所定の場所に置かれた前記物体の少なくとも数を検知する検知手段と、
前記画像認識装置の認識結果に基づく前記物体の数が前記検知手段で検知された数と一致しない場合に警報を生成する警報手段と、
を備えた、検査システム。
【請求項10】
前記警報手段は、前記画像認識装置の認識結果に基づいて、前記物体の種類と規格上の重量とが関連付けられたデータベースを参照することで、所定の場所に置かれた前記物体の各々の重量を把握して、把握された当該重量と、前記重量計測装置にて計測された前記重量とを比較することで、前記画像認識装置の認識結果に基づく前記物体の数が前記検知手段で検知された数と一致するか否かを判定する、請求項9に記載の検査システム。」

第4 当審拒絶理由の概要

当審において、令和3年10月7日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)は、次のとおりである。

理由1.(新規事項)令和2年11月18日付け手続補正書でした特許請求の範囲についての補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

理由2.(発明の特別な技術的特徴を変更する補正)令和2年11月18日付け手続補正書でした特許請求の範囲についての補正は、その補正後の請求項1~10に係る発明が、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、特許法37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものではないから、同法17条の2第4項に規定する要件を満たしていない。

第5 当審の判断(17条の2第3項)

1 補正後の請求項1に記載された事項

補正後の請求項1には、

「有価物を検査する検査システムであって、
前記有価物の種類と規格上の重量とが関連付けられたデータベースと、台上に置かれた前記有価物の画像を取得するカメラと、前記画像から前記有価物の種類を認識する画像認識装置と、前記有価物の重量を計測記録する重量計測装置と、前記重量計測装置の計測結果を用いて、台上の前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記データベースを参照して、前記画像認識装置で認識された前記有価物の種類に関連付けられた規格上の重量の計算上の総重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の実際の総重量を計測し、前記計算上の総重量と前記実際の総重量との比較を行い、前記有価物の前記計算上の総重量と前記実際の総重量が一致しているかどうかを判定する管理制御装置を備」えること、すなわち、「画像認識装置で認識された前記有価物の種類に関連付けられた規格上の重量の計算上の総重量」と、「重量計測装置の計測結果を用いて」計測した「当該有価物の台上の実際の総重量」が一致しているかどうかを判定することが記載されている。

2 当初明細書等に記載された事項

これに対し、令和2年11月18日に提出された意見書において請求人が上記補正の根拠として挙げている、当初明細書等の【0064】には、次の事項が記載されている。

「例えば、カメラと画像認識装置とを用いて物品を検知してもよい。この場合には、カメラはRFIDの読み取り位置に置かれた物品を撮影し、画像認識装置は撮影画像に対して画像認識をすることで物品の種類を判別する。一方、RFタグにも物品の種類を特定する情報を記憶しておく。管理制御装置3は、画像認識装置にて判別された物品の種類とRFIDで検知された物品の種類とが(物品が複数ある場合にはその組み合わせについて)一致するか否かによって、有効なRFタグを有しない物品の存在を検知する。」

3 新規事項の判断

当初明細書等の【0064】には、画像認識装置にて判別された物品の種類とRFIDで検知された物品の種類の一致を判定することは記載されているものの、上記補正後の請求項1に記載された事項である、「画像認識装置で認識された前記有価物の種類に関連付けられた規格上の重量の計算上の総重量」と、「重量計測装置の計測結果を用いて」計測した「当該有価物の台上の実際の総重量」の一致を判定することについては、記載も示唆もされていない。

そして、【0064】以外の当初明細書等のいずれの箇所にも、上記補正後の請求項1に記載された事項については、記載も示唆もされておらず、当初明細書等の記載に接した当業者であれば出願時の技術常識に照らして補正された事項が当初明細書等に記載されているのと同然であると理解する事項であるともいえないから、上記補正後の請求項1に記載された事項は、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。

4 請求人の主張について

令和3年12月6日に提出された意見書における請求人の主張は、本件補正後の請求項1~10の記載に基づくものであるところ、本件補正は、上記第2で説示したとおり却下されているから、当該主張は採用できない。

5 小括

以上検討のとおり、令和2年11月18日にされた手続補正により補正後の請求項1に記載された技術事項、とりわけ、「『画像認識装置で認識された前記有価物の種類に関連付けられた規格上の重量の計算上の総重量』と『重量計測装置の計測結果を用いて』計測した『当該有価物の台上の実際の総重量』が一致しているかどうかを判定すること」は、当初明細書等には記載がなく、当初明細書等の記載に接した当業者であれば出願時の技術常識に照らして補正された事項が当初明細書等に記載されているのと同然であると理解する事項であるともいえないから、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。

補正後の請求項2~10についても同様である。

第6 当審の判断(17条の2第4項)

1 出願当初の特許請求の範囲の各請求項に係る発明

令和2年11月18日にされた手続補正により補正される前の特許請求の範囲の請求項1~13の記載は、次のとおりである。以下、令和2年11月18日にされた手続補正により補正される前(以下、単に「補正前」という。)の特許請求の範囲の各請求項に係る発明を、各請求項の番号に従って「補正前発明1」などという。

「【請求項1】
重量差により種類が特定可能な有価物を検査対象とし、当該有価物の情報を記録したRFタグを備えた有価物を検査する検査システムであって、
台上に置かれた前記有価物のRFタグから前記有価物の情報を読み取るRF読取装置と、
前記有価物の重量を計測記録する重量計測装置と、
続きを表示(全47行)
前記重量計測装置の計測結果を用いて、台上の前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記管理制御装置は、RF読取装置から得た情報から前記有価物の規格上の重量を基にして台上の前記有価物の重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の総重量を計測し、前記RF読取装置から得た前記有価物の計算上の重量と、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量との比較を行い、有価物の総個数が一致しているかどうかを推定する機能を備えた、検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記RFタグの情報は、当該有価物の重量情報を含み、
前記管理制御装置は、RF読取装置から得た重量情報から台上の前記有価物の重量を把握する機能を備えた、検査システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記管理制御装置は、RF読取装置からの情報から台上の前記有価物の種類毎の重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の総重量を特定し、前記RF読取装置から得た前記有価物の種類毎の重量の総和に対する、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量の超過重量を把握する機能を備えた、検査システム。
【請求項4】
請求項3に記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記管理制御装置は、前記超過重量に基づき、前記RF読取装置から得た前記有価物の種類毎の重量の総和と前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量との不一致の原因となる前記有価物の種類、あるいは不一致の原因とはならない前記有価物の種類を特定する機能を備えた、検査システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の有価物を検査する検査システムであって、
前記管理制御装置は、前記RF読取装置からの情報から台上の前記有価物の総金額を把握する機能を備えた、検査システム。
【請求項6】
RFタグを備えた有価物を検査する検査システムであって、
前記有価物に備えられた前記RFタグから前記有価物の情報を読み取るRF読取装置と、
前記有価物の重量を計測する重量計測装置と、
前記重量計測装置の計測結果を用いて、前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記管理制御装置は、前記RF読取装置で読み取られた情報に基づいて前記有価物の重量を求め、求めた重量と前記重量計測装置で計測された重量とを比較して、両者が一致しているか否かを判定する、検査システム。
【請求項7】
前記管理制御装置は、前記RF読取装置で読み取られた情報に基づいて前記有価物の価格を求め、求めた価格の情報を出力する、請求項6に記載の検査システム。
【請求項8】
前記有価物の前記RFタグには、当該有価物の価格の情報が記憶されており、
前記管理制御装置は、前記RF読取装置で読み取られた情報に従って前記有価物の価格を求める、請求項7に記載の検査システム。
【請求項9】
前記有価物の前記RFタグには、当該有価物の種類を特定する情報が記憶されており、
前記検査システムは、さらに、前記有価物の種類を特定する情報と、当該種類の価格とを対応付けて記憶する記憶装置を備え、
前記管理制御装置は、前記記憶装置を参照して、前記RF読取装置で読み取られた情報に対応づけられた価格を読み出すことにより前記有価物の価格を求める、請求項7に記載の検査システム。
【請求項10】
請求項7~9のいずれかに記載の検査システムと、
前記管理制御装置が出力する価格の情報に基づいて、会計処理を行うレジ装置と、
を備えた、レジシステム。
【請求項11】
所定の場所に置かれた前記物体のRFタグを読み取るRF読取手段と、
前記所定の場所に置かれた前記物体の少なくとも数を、RFID以外の方法で検知する検知手段と、
前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた前記物体の数が前記検知手段で検知された数と一致しない場合に警報を生成する警報手段と、
を備えた、検査システム。
【請求項12】
前記検知手段は、所定の場所に置かれた前記物体の重量を計測する重量計測装置であり、重量によって前記所定の場所に置かれた前記物体の少なくとも数を検知する、請求項11に記載の検査システム。
【請求項13】
前記警報手段は、前記RF読取手段によって読み取ったRFタグの情報に基づいて、所定の場所に置かれた前記物体の各々の重量を把握して、把握された当該重量と、前記重量計測装置にて計測された前記重量と比較することで、前記RF読取手段にて前記RFタグが読み取られた前記物体の数が前記検知手段で検知された数と一致するか否かを判定する、請求項12に記載の検査システム。」

2 令和2年7月13日付け拒絶理由通知の内容

令和2年11月18日にされた手続補正により補正される前に通知した、令和2年7月13日付け拒絶理由通知の内容は次のとおりである。

「1.(進歩性)
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由1について
続きを表示(全26行)
・請求項1~13
・引用文献1~6
・備考
引用文献1~6の何れにも、次の、引用発明1が開示されている。
(引用発明1)
非接触型無線電子タグを添付された複数の物品の総重量を計量する重量計による重量値と、複数の物品に添付された非接触型無線電子タグから読み取られた重量に関する情報とを比較して、複数の物品を検査する技術
本件特許出願の三つの独立形式請求項1、6、11に係る三発明は、上記引用発明1を適宜利用するものに過ぎないから、進歩性を欠いている。
なお、上記引用発明1において、複数の物品の個数が検査できることは、明らかである。
本件特許出願の従属形式請求項2~5、7~10、12、13で付加的に特定された事項も、引用文献1~6の開示内容から観て、当業者が適宜改変可能な設計領域に止まっているから、これらの従属形式請求項2~5、7~10、12、13に係る十の発明も、進歩性を欠いている。
第1に、本件特許出願の請求項1~13に係る全発明は、引用文献1の図3、図4に関する箇所に基いて、当業者が容易に想到できたものであるから、進歩性を欠いている。
第2に、本件特許出願の請求項1~13に係る全発明は、引用文献2の請求項2に関する箇所に基いて、当業者が容易に想到できたものであるから、進歩性を欠いている。
第3に、本件特許出願の請求項1~13に係る全発明は、引用文献3の段落24、段落25に基いて、当業者が容易に想到できたものであるから、進歩性を欠いている。
第4に、本件特許出願の請求項1~13に係る全発明は、引用文献4の請求項1に関する箇所に基いて、当業者が容易に想到できたものであるから、進歩性を欠いている。
第5に、本件特許出願の請求項1~13に係る全発明は、引用文献5の請求項1に関する箇所に基いて、当業者が容易に想到できたものであるから、進歩性を欠いている。
第6に、本件特許出願の請求項1~13に係る全発明は、引用文献6の図4に関する箇所に基いて、当業者が容易に想到できたものであるから、進歩性を欠いている。
<引用文献等一覧>
1.特開2002-80112号公報(引用文献1、図3、図4参照)
2.特許第4007004号公報(引用文献2、請求項2参照)
3.特許第3681823号公報(引用文献3、段落24、段落25参照)
4.特許第5530414号公報(引用文献4、請求項1参照)
5.特許第5738453号公報(引用文献5、請求項1参照)
6.米国特許第6554186号明細書(引用文献6、図4参照)」

3 引用文献に記載された発明の認定

(1) 引用文献1に記載された事項と引用発明1の認定

ア 引用文献1に記載された事項

前記引用文献1(特開2002-80112号公報)には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審において付したもので、以下同様である。

「【0021】図3は、本発明による検品装置の第3実施形態を示す図であり、第1ないし第2実施形態により収納された物品の、流通ないし保管後の検品作業に供するものである。
【0022】図3に示す第3実施形態は、電子タグ7を添付された複数の物品15(検品対象物品)と、重量計2と、電子タグ読取/書き込み装置3と、収納箱4とを有し、物品15は、電子タグ読取/書き込み装置3の近傍に配置された重量計2の上に載せられた収納箱4に納められている。この電子タグ7は非接触読取り書き込みが可能な非接触型無線タグである。
【0023】このように構成された図3に示す第3実施形態において、電子タグ読取/書き込み装置3は収納箱4に収納された検品対象物品15に添付された電子タグ7から各検品対象物品の重量を読取る。
【0024】一方、重量計2は収納箱4および収納箱4に収納される検品対象物品15の総重量を計測するので、この値と電子タグ読取/書き込み装置3の読取り重量の総和を比較することが可能となる。
続きを表示(全11行)
【0025】従って、万一電子タグ7の添付されていない物品が収納箱4の中にあれば、重量計2の計測値は電子タグ読取/書き込み装置3の読取る重量の総和より大きくなり、一方、物品から外れてしまった電子タグが単独であれば、この電子タグに格納された重量分だけ電子タグ読取/書き込み装置3の読取る重量の総和が大きくなる。
【0026】すなわち、本発明によれば、従来の電子タグ読取りのみの検品装置で生じた電子タグの添付されていない物品ないしは物品から外れてしまった電子タグによる不具合を回避することが可能となる。
【0027】図4も第3実施形態と同様に本発明による検品装置の第4実施形態を示す図であり、第1ないし第2実施形態により収納された物品の、流通ないし保管後の検品作業に供するものである。
【0028】図4に示す第4実施形態は、電子タグ7を添付された複数の物品15(検品対象物品)と、重量計2と、電子タグ読取/書き込み装置3と、収納箱4と、さらに演算制御装置5を有し、物品15は、電子タグ読取/書き込み装置3の近傍に配置された重量計2の上に載せられた収納箱4に納められ、演算制御装置5は重量計2および電子タグ読取/書き込み装置3を接続している。この電子タグ7は非接触読取り書き込みが可能な非接触型無線タグである。
【0029】このように構成された第4実施形態の動作は概ね第3実施形態と同様であり、詳細な説明は省略するが、新たな演算制御装置5は、電子タグ読取/書き込み装置3が読取る重量の総和を演算し、かつこれを重量計2の計測値と比較することが可能となるので、本発明による検品装置による検品作業において検品結果の判定を自動化することが可能となる。
【0030】また、子細には電子タグ読取/書き込み装置3の読取り重量の総和には収納箱4の重量は含まれないにも関わらず、重量計2の計測値にはこれが含まれるため、検品の制度を損ねる要素となる。
【0031】このような場合においても、図4に示す第4実施形態では、収納箱4の重量が既知のものとすれば演算制御装置5により収納箱4の重量分の補正を行った判定が可能となる。」
「【図3】
[図:0001385737000001.jpg]
」
「【図4】
[図:0001385737000002.jpg]
」

イ 引用発明1の認定

上記アの記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「電子タグ7を添付された複数の物品15(検品対象物品)と、重量計2と、電子タグ読取/書き込み装置3と、収納箱4とを有し、物品15は、電子タグ読取/書き込み装置3の近傍に配置された重量計2の上に載せられた収納箱4に納められ、電子タグ7は非接触読取り書き込みが可能な非接触型無線タグであり(【0022】)、
電子タグ読取/書き込み装置3は収納箱4に収納された検品対象物品15に添付された電子タグ7から各検品対象物品の重量を読取り(【0023】)、
重量計2は収納箱4および収納箱4に収納される検品対象物品15の総重量を計測し(【0024】)、
演算制御装置5は、電子タグ読取/書き込み装置3が読取る重量の総和を演算し、かつこれを重量計2の計測値と比較する(【0029】)、
検品装置(【0027】)。」

(2) 引用文献2に記載された事項と引用発明2の認定

ア 引用文献2に記載された事項

前記引用文献2(特許第4007004号公報)には、以下の事項が記載されている。

(7頁18行~8頁11行)

「6)本発明の第2の実施態様
図8及び図9を用いて、本発明の第二の実施態様を説明する。
この第二の実施態様は、タグを不正に取り外したり、機能変更させることを防止するために、ラベル型RFIDタグに商品重量を記録すると共に、精算チェックシステムにて商品重量を用いたチェックを行うことに特徴がある。
全体的な店舗の構成は図1に示した第一の実施態様とほぼ同様であるが、精算システムの構成は重量をチェックするための重量計測器を含む構成となっている。この本実施態様における精算システムの構成を図7に示す。
続きを表示(全16行)
RFIDタグリーダライタ81、チェックシステム82、レジシステム83、プリンタ84、ログファイル85は、それぞれ図2で示した第一の実施態様におけるRFIDタグリーダライタ21、チェックシステム22、レジシステム23、プリンタ24、ログファイル85に対応するものである。
本実施態様ではチェックシステム82に重量計測器86が接続され、後述する重量チェックを実施する。
次に図9を用いて本実施態様の処理を説明する。
まずRFIDタグ・リーダライタ81は、持ち込まれた商品に付与されたラベル型RFIDタグに記録されている情報を読み出す(ステップ901)。そして商品重量情報を読み出し、累計していく(ステップ902)。
次に、精算チェックシステム82は、読み出した商品の情報が読み出した企業店舗IDより自店商品(又は当該売場の商品)か他店商品(又は自店の他の売場の商品)かを判別し(ステップ903)、他店商品(又は自店の他の売場の商品)である場合は精算対象から除外し、更に精算情報を判別して精算済み商品も除外する(ステップ904) 。
ステップ903,904で除外されなかったタグの商品ID及び製造番号は、レジシステム83に送出され(ステップ905)、レジシステム83にて精算処理が行われる(ステップ906)。
またレジシステム83による精算情報や、ステップ402,403にて精算から除外された商品の情報は、後にレシートやジャーナルに印字するために保存がなされる(ステップ907)。
精算処理が行われた商品のタグについては、精算チェックシステム12の制御のもとでRFIDタグ・リーダライタ11からラベル型RFIDタグに対して、商品IDと製造番号と精算情報とを対応付けた情報を送出する(ステップ908)。
商品に付与されているタグ1では、受信した情報に自己の商品IDと製造番号とが共に一致するものがあれば、対応する精算情報を記録する。
このようにして精算処理がなされた商品のタグに精算情報が書き込まれる。
上記のステップ901ないしステップ908を、全てのラベル型RFIDタグ1の情報に対して終了するまで繰りかえす(ステップ909)。なお、ラベル型RFIDタグ1からの情報読み出しにマルチアクセスを用いた場合は、読み出した全てのラベル型RFIDタグの情報を一旦保存しておき、一つのラベル型RFIDタグの情報毎にステップ902ないしステップ908の処理を行うようにすればよい。
そして全商品に対する処理が終了した場合、上記ステップ902にて計算された全商品の合計重量情報と、重量計測器865にて測定された商品の全重量( 商品を入れたカゴや袋等を含む)とを比較し(ステップ910)、読み取った合計重量と重量計測器で測定した重量との差が許容値(測定誤差やカゴ、袋等の重量を考慮して決定される)をオーバーしていれば、警報装置86による警報出力を行う(ステップ911)。」
「【図8】
[図:0001385737000003.jpg]
」
「【図9】
[図:0001385737000004.jpg]
」

イ 引用発明2の認定

上記アの記載事項を総合すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

「RFIDタグ・リーダライタ81は、持ち込まれた商品に付与されたラベル型RFIDタグに記録されている商品重量情報を読み出し、累計し、
全商品に対する処理が終了した場合、全商品の合計重量情報と、重量計測器865にて測定された商品の全重量を比較し、読み取った合計重量と重量計測器で測定した重量との差が許容値をオーバーしていれば、警報装置86による警報出力を行う、
精算システム。」

(3) 引用文献3に記載された事項と引用発明3の認定

ア 引用文献3に記載された事項

前記引用文献3(特許第3681823号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
続きを表示(全11行)
図1及び図2は商品登録システム全体の構成を示し、1は商品載置台である。顧客2は、登録用無線タグを付着した商品3,3,…を備え付けの籠4に入れてこの商品載置台1の商品載置部5に載せる。前記商品載置台1の中央部には商品3,3,…を籠4に入れた状態で計量する重量計6を設け、この重量計6の一方の側に無線タグリーダ7を設置し、かつこの重量計6の両側に前記無線タグリーダ7のアンテナ7aを配置している。
【0023】
店員8は、前記商品載置台1の商品載置部5に載せた籠4を重量計6の上に移動させ、登録精算装置9の操作部9aのキーを操作して読取り指令を発生させる。前記無線タグリーダ7は登録精算装置9から読取り指令が発生すると、前記アンテナ7aを介して籠4内の各商品3に付着している無線タグに対して無線電磁波により問い合わせを行い、無線タグからの応答により商品情報を受信するようになっている。そして、前記無線タグリーダ7は無線タグから商品情報を受信すると、その商品情報を前記登録精算装置9に転送する。
【0024】
前記登録精算装置9は無線タグリーダ7から商品情報を受取ると、この商品情報の商品識別コードに基づいて商品情報ファイルを検索し、該当する商品の商品名や商品価格等を読出して登録処理を行う。この場合、無線タグからの商品情報に商品の重量値があるとその重量値をメモリに加算して記憶し、また、無線タグからの商品情報に商品の重量値がなく商品情報ファイルに該当する商品の重量値があるときにはその重量値をメモリに加算して記憶する。
【0025】
前記無線タグリーダ7は籠4内の全ての商品3についての商品情報の受取りを確認すると前記登録精算装置9に読取り終了信号を転送する。前記登録精算装置9は、前記無線タグリーダ7から読取り終了信号を受取ると、前記重量計6からの重量値から予め設定した籠4の重量値を引いた重量値と前記メモリに加算記憶した各商品の合計重量値とを比較し、その差が許容範囲内にあれば表示部9bに登録が正しく終了した旨を表示するとともに各商品の合計金額を表示する。そして、店員8は、重量計6の上に載っている籠4を商品載置台1の精算部10の位置に移動させてから顧客から代金を受取り、前記登録精算装置9が発行するレシートを顧客に手渡す。また、釣りがあれば釣銭も手渡す。」
「【図1】
[図:0001385737000005.jpg]
」
「【図2】
[図:0001385737000006.jpg]
」

イ 引用発明3の認定

上記アの記載事項を総合すると、引用文献3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。

「商品3,3,…を籠4に入れた状態で計量する重量計6を設け(【0022】)、
無線タグリーダ7は、各商品3に付着している無線タグに対して無線電磁波により問い合わせを行い、無線タグからの応答により商品情報を受信し(【0023】)、
登録精算装置9は、無線タグからの商品情報に商品の重量値があるとその重量値をメモリに加算して記憶し、また、無線タグからの商品情報に商品の重量値がなく商品情報ファイルに該当する商品の重量値があるときにはその重量値をメモリに加算して記憶し(【0024】)、
登録精算装置9は、重量計6からの重量値から予め設定した籠4の重量値を引いた重量値と前記メモリに加算記憶した各商品の合計重量値とを比較し、その差が許容範囲内にあれば表示部9bに登録が正しく終了した旨を表示する(【0025】)、
商品登録システム(【0022】)。」

(4) 引用文献4に記載された事項と引用発明4の認定

ア 引用文献4に記載された事項

前記引用文献4(特許第5530414号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0021】
図5はセルフチェックアウト端末1のCPU20が実行する重量チェック処理及び商品登録処理及び決済処理の流れを示すフローチャートである。図6は、無線タグリーダライタが実行する無線タグ読取処理を示すフローチャートである。以降の説明は図5及び図6を用いて説明する。」
「【0033】
次に、CPU20は、無線タグ読取処理にて読み取られた全無線タグ30のタグ情報に対して、それぞれ1商品ずつHDD23に記憶されているPLUファイルの中から一致する商品コード及び商品重量を検索する。検索の結果、この商品コード及び商品重量の取得が完了すると、CPU20は、各商品106の商品重量の全てを合計することで総重量値を取得する(Act506)。
【0034】
CPU20は、秤部103が計量した計量値とAct506で取得した総重量値とが一致するか否かを判定する(Act507)。重量が一致する場合は、商品登録処理を実行する(Act508)。ここで、商品登録処理とは、Act503の無線タグ読取処理にて無線タグ30から読み取ったタグ情報のうち、商品コード、商品単価の商品情報をRAM21等の記憶部に一時記憶する処理である。一方、重量が一致しない場合は、例えば、音を出力又は光を点灯させる等のエラー処理を施すことで重量が一致していない旨を報知する(Act510)。」
「【図5】
[図:0001385737000007.jpg]
」

イ 引用発明4の認定

上記アの記載事項を総合すると、引用文献4には、次の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されているものと認められる。

「セルフチェックアウト端末1(【0021】)であって、
セルフチェックアウト端末1のCPU20は、無線タグ読取処理にて読み取られた全無線タグ30のタグ情報に対して、それぞれ1商品ずつHDD23に記憶されているPLUファイルの中から一致する商品コード及び商品重量を検索し、この商品コード及び商品重量の取得が完了すると、各商品106の商品重量の全てを合計することで総重量値を取得し(【0033】)、
CPU20は、秤部103が計量した計量値と前記総重量値とが一致するか否かを判定する(【0034】)、
セルフチェック端末1。」

(5) 引用文献5に記載された事項と引用発明5の認定

ア 引用文献5に記載された事項

前記引用文献5(特許第5738453号公報)には、以下の事項が記載されている。

「【0021】
図5はセルフチェックアウト端末1のCPU20が実行する重量チェック処理及び商品登録処理及び決済処理の流れを示すフローチャートである。図6は、無線タグリーダライタが実行する無線タグ読取処理を示すフローチャートである。以降の説明は図5及び図6を用いて説明する。」
「【0033】
次に、CPU20は、無線タグ読取処理にて読み取られた全無線タグ30のタグ情報に対して、それぞれ1商品ずつHDD23に記憶されているPLUファイルの中から一致する商品コード及び商品重量を検索する。検索の結果、この商品コード及び商品重量の取得が完了すると、CPU20は、各商品106の商品重量の全てを合計することで総重量値を取得する(Act506)。
【0034】
CPU20は、秤部103が計量した計量値とAct506で取得した総重量値とが一致するか否かを判定する(Act507)。重量が一致する場合は、商品登録処理を実行する(Act508)。ここで、商品登録処理とは、Act503の無線タグ読取処理にて無線タグ30から読み取ったタグ情報のうち、商品コード、商品単価の商品情報をRAM21等の記憶部に一時記憶する処理である。一方、重量が一致しない場合は、例えば、音を出力又は光を点灯させる等のエラー処理を施すことで重量が一致していない旨を報知する(Act510)。」
「【図5】
[図:0001385737000008.jpg]
」

イ 引用発明5の認定

上記アの記載事項を総合すると、引用文献5には、次の発明(以下「引用発明5」という。)が記載されているものと認められる。

「セルフチェックアウト端末1(【0021】)であって、
セルフチェックアウト端末1のCPU20は、無線タグ読取処理にて読み取られた全無線タグ30のタグ情報に対して、それぞれ1商品ずつHDD23に記憶されているPLUファイルの中から一致する商品コード及び商品重量を検索し、この商品コード及び商品重量の取得が完了すると、各商品106の商品重量の全てを合計することで総重量値を取得し(【0033】)、
CPU20は、秤部103が計量した計量値と前記総重量値とが一致するか否かを判定する(【0034】)、
セルフチェック端末1。」

(6) 引用文献6に記載された事項と引用発明6の認定

ア 引用文献6に記載された事項

前記引用文献6(米国特許第6554186号明細書)には、以下の事項が記載されている。なお、翻訳文は当審において付したものである。

(3欄22行~4欄28行)

「FIG.3 shows a third embodiment of the inspection device used according to the present invention, and used for inspecting products packed according to the first and second embodiments after they are stored or distributed.
The third embodiment shown in FIG. 3 includes a plurality of products 15 to which electronic tags 7 are attached (products to be inspected), a scale 2, an electronic tag read/write device 3, and a container 4. The products 15 are placed in container 4 on scale 2 disposed in the vicinity of electronic tag read/write device 3. The electronic tag 7 is a no-contact type wireless tag which can be read from and written to without being contacted.
In the third embodiment shown in FIG. 3 composed in this manner, the electronic tag read/write device 3 reads out the weight of product 15 packed in container 4 from electronic tag 7 attached thereto.
On the other hand, scale 2 measures the total weight of container 4 and product to be inspected 15 packed in container 4, and thus it is possible to compare this value with the total weight read by electronic tag read/write device 3.
Thus, if by some chance a product that does not have an electronic tag 7 attached thereto is in container 4, the weight measured by scale 2 will be larger than the total weight read by electronic tag read/write device 3. On the other hand, if only an electronic tag separated from a product is in container 4, the total weight read by electronic tag read/write device 3 will be larger.
FIG. 4 shows a fourth embodiment of an inspection device according to the present invention, which is similar to the third embodiment and used for inspecting products packed according to the first and second embodiments after they are stored or distributed.
The fourth embodiment shown in FIG. 4 includes a plurality of products 15 to which electronic tags 7 are attached (products to be inspected), a scale 2, an electronic tag read/write device 3, a container 4, and a calculation controller 5. The products 15 are placed in container 4 on scale 2 disposed in the vicinity of electronic tag read/write device 3, and the calculation controller 5 is connected to the scale 2 and the electronic tag read/write device 3. The electronic tag 7 is a no-contact type wireless tag which can be read from and written to without being contacted.
The operation of the fourth embodiment composed in this manner is generally the same as the third embodiment and a detailed explanation is omitted. However, the new calculation controller 5 processes the total weight read by electronic read/write tag 3, and this makes it possible to compare this total with the weight value of scale 2. Thus, in inspections by the inspection device according to the present invention, it becomes possible to automate the judgment of the inspection results.
Further, even under circumstances in which the weight of container 4 is not included in the total weight read by electronic tag read/write device, the weight value of scale 2 is included therein, and thus becomes an element which harms the accuracy of the inspection.
In this type of case also, in the fourth embodiment shown in FIG. 4, if the weight of container 4 is well-known it becomes possible to correct the weight of container 4 by means of calculation controller 5.」

(図3は、本発明による検品装置の第3実施形態を示す図であり、第1ないし第2実施形態により収納された物品の、流通ないし保管後の検品作業に供するものである。

図3に示す第3実施形態は、電子タグ7を添付された複数の物品15(検品対象物品)と、重量計2と、電子タグ読取/書き込み装置3と、収納箱4とを有し、物品15は、電子タグ読取/書き込み装置3の近傍に配置された重量計2の上に載せられた収納箱4に納められている。この電子タグ7は非接触読取り書き込みが可能な非接触型無線タグである。

このように構成された図3に示す第3実施形態において、電子タグ読取/書き込み装置3は収納箱4に収納された検品対象物品15に添付された電子タグ7から各検品対象物品の重量を読取る。

一方、重量計2は収納箱4および収納箱4に収納される検品対象物品15の総重量を計測するので、この値と電子タグ読取/書き込み装置3の読取り重量の総和を比較することが可能となる。

従って、万一電子タグ7の添付されていない物品が収納箱4の中にあれば、重量計2の計測値は電子タグ読取/書き込み装置3の読取る重量の総和より大きくなり、一方、物品から外れてしまった電子タグが単独であれば、この電子タグに格納された重量分だけ電子タグ読取/書き込み装置3の読取る重量の総和が大きくなる。

すなわち、本発明によれば、従来の電子タグ読取りのみの検品装置で生じた電子タグの添付されていない物品ないしは物品から外れてしまった電子タグによる不具合を回避することが可能となる。

図4も第3実施形態と同様に本発明による検品装置の第4実施形態を示す図であり、第1ないし第2実施形態により収納された物品の、流通ないし保管後の検品作業に供するものである。

図4に示す第4実施形態は、電子タグ7を添付された複数の物品15(検品対象物品)と、重量計2と、電子タグ読取/書き込み装置3と、収納箱4と、さらに演算制御装置5を有し、物品15は、電子タグ読取/書き込み装置3の近傍に配置された重量計2の上に載せられた収納箱4に納められ、演算制御装置5は重量計2および電子タグ読取/書き込み装置3を接続している。この電子タグ7は非接触読取り書き込みが可能な非接触型無線タグである。

このように構成された第4実施形態の動作は概ね第3実施形態と同様であり、詳細な説明は省略するが、新たな演算制御装置5は、電子タグ読取/書き込み装置3が読取る重量の総和を演算し、かつこれを重量計2の計測値と比較することが可能となるので、本発明による検品装置による検品作業において検品結果の判定を自動化することが可能となる。

また、子細には電子タグ読取/書き込み装置3の読取り重量の総和には収納箱4の重量は含まれないにも関わらず、重量計2の計測値にはこれが含まれるため、検品の制度を損ねる要素となる。

このような場合においても、図4に示す第4実施形態では、収納箱4の重量が既知のものとすれば演算制御装置5により収納箱4の重量分の補正を行った判定が可能となる。)

「
[図:0001385737000009.jpg]
」
「
[図:0001385737000010.jpg]
」

イ 引用発明6の認定

上記アの記載事項を総合すると、引用文献6には、次の発明(以下「引用発明6」という。)が記載されているものと認められる。

「電子タグ7を添付された複数の物品15(検品対象物品)と、重量計2と、電子タグ読取/書き込み装置3と、収納箱4とを有し、物品15は、電子タグ読取/書き込み装置3の近傍に配置された重量計2の上に載せられた収納箱4に納められ、電子タグ7は非接触読取り書き込みが可能な非接触型無線タグであり、
電子タグ読取/書き込み装置3は収納箱4に収納された検品対象物品15に添付された電子タグ7から各検品対象物品の重量を読取り、
重量計2は収納箱4および収納箱4に収納される検品対象物品15の総重量を計測し、
演算制御装置5は、電子タグ読取/書き込み装置3が読取る重量の総和を演算し、かつこれを重量計2の計測値と比較する、
検品装置。」

4 特別な技術的特徴に基づく審査対象の決定

(1) 特別な技術的特徴の認定

補正前の請求項1に記載された事項のうち「重量差により種類が特定可能な有価物を検査対象と」する点は、上記3に示した引用文献1~6には記載されていないので、次の技術事項は先行技術に対する貢献をもたらすものであるから、「特別な技術的特徴」であると認められる。

「重量差により種類が特定可能な有価物を検査対象とし、当該有価物の情報を記録したRFタグを備えた有価物を検査する検査システムであって、
台上に置かれた前記有価物のRFタグから前記有価物の情報を読み取るRF読取装置と、
前記有価物の重量を計測記録する重量計測装置と、
前記重量計測装置の計測結果を用いて、台上の前記有価物の総重量を把握する管理制御装置と、を有し、
前記管理制御装置は、RF読取装置から得た情報から前記有価物の規格上の重量を基にして台上の前記有価物の重量を把握すると共に、前記重量計測装置の計測結果を用いて当該有価物の台上の総重量を計測し、前記RF読取装置から得た前記有価物の計算上の重量と、前記重量計測装置の計測結果から得た前記有価物の総重量との比較を行い、有価物の総個数が一致しているかどうかを推定する機能を備えた、検査システム」

(2) 本願発明1~10と特別な技術的特徴の関係

本願発明1~10は、前記特別な技術的特徴と同一の又は対応する特別な技術的特徴を有する発明ではない。

5 審査の効率性に基づく審査対象の決定

本願発明1~10は、補正前発明1と同一カテゴリーの発明であるが、補正前発明1の発明特定事項を全て含む発明ではない。

また、補正前発明1は、本願明細書の【0004】の記載から、「RFIDを用いて有価物等の物品を検査する検査システムにおいて、RFタグが読み取れない物品があることを検知できる検査システムを提供することを目的とする」ものであるが、本願発明1~10は、RFIDを用いて検知した結果と、RFID以外で検知した結果が一致しているかを判定しておらず、RFタグが読み取れない物品があることを検知するものでないから、両者の技術的関連性は低い。

そして、本願発明1~10は、審査対象とされた発明を審査した結果、実質的に追加的な先行技術調査や判断を必要とすることなく審査を行うことが可能である発明ではなく、当該発明とまとめて審査を行うことが効率的であるといえる他の事情もない。

6 請求人の主張について

令和3年12月6日に提出された意見書における請求人の主張は、本件補正後の請求項1~10の記載に基づくものであるところ、本件補正は、上記第2で説示したとおり却下されているから、当該主張は採用できない。

7 小括

以上検討のとおり、令和2年11月18日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~10に係る発明は、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、特許法37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものではない。

第7 むすび

以上のとおり、令和2年11月18日にされた手続補正による特許請求の範囲についての補正は、特許法17条の2第3項及び第4項に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-002898

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