2021-001740
ケーブル
- 審判番号
- 2021-001740
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-561062外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年02月08日
- 審決日
- 2021年11月17日
- 公報発行日
- 2022年08月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ソニーグループ株式会社
- 【請求人代理人】杉浦 正知
- 【請求人代理人】杉浦 拓真
- 分類
- P18 .121-WY (H01B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 31項目
第1 手続の経緯
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本願は、2016年(平成28年)10月21日(優先権主張 2016年(平成28年)1月15日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 3月10日付け 拒絶理由通知書
令和2年 5月18日 意見書、手続補正書の提出
令和2年10月26日付け 拒絶査定
令和3年 2月 8日 審判請求書、手続補正書の提出
令和3年 7月28日付け 拒絶理由通知書(当審)
令和3年 9月24日 意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和2年10月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1ないし16に係る発明は、以下の引用文献1ないし4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献一覧
1 特開2002-190412号公報
2 特開2007-159069号公報
3 特開2005-228694号公報
4 特開2007-109587号公報
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由(令和3年7月28日付け拒絶理由)の概要は次のとおりである。
本願請求項1ないし16に係る発明は、以下の引用文献AないしFに基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献一覧
A 特開2002-190412号公報(拒絶査定時の引用文献1)
B 特開2001-85118号公報
C 特開2015-201420号公報
D 特開2015-76571号公報
E 特開2004-158328号公報
F 特開2007-159069号公報(拒絶査定時の引用文献2)
第4 本願発明
本願請求項1ないし16に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明16」という。)は、令和3年9月24日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1および8は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】差動伝送用の少なくとも1組の信号ケーブル、グラウンドケーブルおよび電源ケーブルを含み、被覆されている被覆部と非被覆部を各ケーブルが有するケーブル部と、前記ケーブル部の両側の前記非被覆部に、それぞれ設けられた第1および第2のコネクタと、前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板と、前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルの前記非被覆部が接続されたコモンモードチョークコイルと、前記コモンモードチョークコイルと、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルのそれぞれの前記非被覆部および前記コモンモードチョークコイルの接続箇所を含む前記プリント基板の一方の面、並びに前記プリント基板の周囲を覆うように設けられた絶縁性樹脂層とを備え、前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズを有しているケーブル。」
「【請求項8】差動伝送用の少なくとも1組の信号ケーブル、グラウンドケーブルおよび電源ケーブルを有するケーブル部と、前記ケーブル部の両側にそれぞれ設けられた第1および第2のコネクタと、前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板と、前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルが接続された第1のコモンモードチョークコイルと、前記プリント基板の他方の面に設けられ、前記信号ケーブルが接続された第2のコモンモードチョークコイルと、前記第1のコモンモードチョークコイルと、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルのそれぞれの前記非被覆部および前記第1のコモンモードチョークコイルの接続箇所を含む前記プリント基板の一方の面、前記第2のコモンモードチョークコイルと、前記信号ケーブルのそれぞれの前記非被覆部と前記第2のコモンモードチョークコイルの接続箇所を含む前記プリント基板の他方の面、並びに前記プリント基板の周囲を覆うように設けられた絶縁性樹脂層とを備え、前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズを有しているケーブル。」
なお、本願発明2ないし7は、本願発明1をさらに減縮した発明であり、また、本願発明9ないし16は、本願発明8をさらに減縮した発明である。
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由および当審拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【特許請求の範囲】【請求項1】 差動信号或いは差動信号と電力とを伝送する機器間接続ケーブルにおいて、機器に接ながるコネクタ部に伝送損失が少ない1Ω以下(0Ωを含まず)の低直流抵抗の巻線構造コイル部品を内蔵したことを特徴とするノイズ抑制機能を有すインターフェースケーブル。【請求項2】 差動信号或いは差動信号と電力とを伝送する機器間接続ケーブルにおいて、機器に接ながるコネクタ部に巻線構造のコイル部品を内蔵し、かつ、該コイル部品を差動信号ライン或いは差動信号ライン及び電力供給ライン毎に設けたことを特徴とする請求項1記載のノイズ抑制機能を有すインターフェースケーブル。」
「【0001】【発明の属する技術分野】デジタル機器間のデータ伝送を目的としたインターフェースケーブルに関する。」
「【0005】これらのノイズ対策としては、インターフェースケーブルを通じて外部にノイズを出さない,外部よりノイズを入れないと云う対策として、インターフェースケーブルを接続する機器側コネクタ部の接続先である回路基板上にノイズ対策部品を搭載してノイズを抑制していた。また、インターフェースケーブル自体のノイズ対策として、図16に示す安価にノイズ対策が可能なデータラインフィルタ92と呼ばれている筒状,クランプ状のフェライトコアをインターフェースケーブル91の一部を狭持貫通させてノイズを抑制していた。」
「【0015】【発明の実施の形態】図を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明のインターフェースケーブルの第1の形態を示すインターフェースケーブル端末のコネクタ部の平面(左側)及び側面(右側)の断面図である。本発明のインターフェースケーブルは、各機器との接続部であるコネクタ部にノイズ対策コイル部品を内蔵して、インターフェースケーブルにノイズ抑制効果を付加したものであり、コネクタ部の構造は図1に示すように、一対の差動信号ライン端子17a,17bと一対の電力供給ライン端子18a,18bが、端子埋設樹脂パーツ19に配置され、差動信号ライン端子17a,17bの下方端は、コモンモードチョークコイル11が搭載する基板15の接続パターン16に接続して、その反対側は、ケーブル20より引き出されている差動信号コード21a,21bに接続し、差動信号がコモンモードチョークコイル11を通過する配線としている。電力供給ライン端子18a,18bは、ケーブル20より引き出された電力供給コード22a,22bに接続され、ケーブル20のシールド線23はコネクタ部のシールド金具24に接続して、外装樹脂25によりモールドされてコネクタ部が構成されている。【0016】コモンモードチョークコイル11は図2に示す、角型のドラム型コア12にコモンモード巻線14a,14bを設け、平板のI型コア13を組み合わせてチップ型のコモンモードチョークコイル11とし、該コモンモードチョークコイル11は、接続パターン16が施された基板15に接続,搭載されている。」
「【0027】図8は、本発明の差動信号ライン並びに電力供給ラインのノイズ抑制効果を有するインターフェースケーブルのコネクタ部の平面断面図である。差動信号ライン用のコモンモードチョークコイル41と電力供給ライン用のコモンモードチョークコイル42を配置した基板43をコネクタ部に内蔵する本発明のインターフェースケーブルの一実施例である。図8に示す本発明に係るコイル部品41,42は、図9に示すように両面に配線パターンが施された基板43上に、バイファイラ巻されたコモンモードチョークコイル41,42が並び、コモンモードチョークコイル41はスルーホールにより基板53の裏面の配線パターンによってラインとの接続点が引き出されている。」
「【0031】図12は、基板63の表裏にそれぞれコモンモードチョークコイル61,62を配設したもので、図9のコイル部品が搭乗する基板43は、該基板43上に設けたパターンの引き回し長さによりインピーダンスの極僅かな差違が発生するが、図12の形態の場合は、コイルが搭乗する基板に設けたパターンが対称であるため、インターフェースケーブルのインピーダンス特性に差違を発生させない。」
【図8】
[図:0001386743000001.jpg]
【図9】
[図:0001386743000002.jpg]
【図12】
[図:0001386743000003.jpg]
【図16】
[図:0001386743000004.jpg]
図8の記載および技術常識から、ケーブル20より引き出されている作動信号コード21a,21b、および電力供給コード22a,22bは、基板433の接続パターンと接続する部分を除き、それぞれ被覆されおり、また、基板43の接続パターンと接続する部分は、被覆されていないと認められる。
上記段落【0027】および【0031】の記載から、図12に記載されたコイル部品において、ケーブル20より引き出されている差動信号コード21a,21b、および電力供給コード22a,22bは、差動信号がコモンモードチョークコイル61を通過し、電力供給がコモンモードチョークコイル62を通過するように、基板63の接続パターンと接続されることは明らかである。
そうすると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「差動信号と電力とを伝送するインターフェースケーブルにおいて、一方の端部にコネクタ部を設け、コネクタ部は、表裏にそれぞれコモンモードチョークコイル61,62を配設した基板63を備え、この基板63のそれぞれのコモンモードチョークコイル61,62の接続パターンに、ケーブル20より引き出された、それぞれ被覆された部分と被覆されていない部分を備える、差動信号コード21a,21b、および電力供給コード22a,22bの、被覆されていない部分を接続し、差動信号がコモンモードチョークコイル61を通過し、電力供給がコモンモードチョークコイル62を通過する配線とし、外装樹脂25によりモールドされてコネクタ部が構成されているノイズ抑制機能を有するインターフェースケーブル。」
また、引用文献1の図16には、以下の事項が記載されていると認められる。
「インターフェースケーブルにおいて、インターフェースケーブルの両端にコネクタを設けること。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由および当審拒絶理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【実施例】【0009】以下、本発明の積層型コモンモードフィルタを図1乃至図11を参照して説明する。図1は本発明の積層型コモンモードフィルタの回路図、図2は本発明の積層型コモンモードフィルタの第1の実施例の分解斜視図、図3は本発明の積層型コモンモードフィルタの第1の実施例の斜視図である。コイルL1は第1の端子11と第2の端子12間に接続される。コイルL2は第3の端子13と第4の端子14間に接続される。コイルL1とコイルL2は、同一のインダクタンス値を有し、互いに磁気的に正結合させる。コンデンサC1はコイルL1と並列に接続される。また、コンデンサC2はコイルL2と並列に接続される。コンデンサC3はコイルL1の巻き始め端とコイルL2の巻き始め端間に接続される。また、コンデンサC4はコイルL1の巻き終わり端とコイルL2の巻き終わり端間に接続される。」
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【特許請求の範囲】【請求項1】磁性体を混合した樹脂組成物を電線コア周囲に押し出して放射電磁波抑制層を被覆する電線の製造方法において、上記樹脂組成物を押し出す際に押し出しダイスを回転させることにより上記放射電磁波抑制層内の周方向に剪断力を生じさせ、その剪断力で上記磁性体を上記電線周方向に配向させることを特徴とする放射電磁波抑制電線の製造方法。【請求項2】続きを表示(全12行)磁性体を混合した樹脂組成物を電線コア周囲に押し出して放射電磁波抑制層を被覆する電線の製造方法において、上記樹脂組成物を押し出す際に上記電線を回転させることにより上記放射電磁波抑制層内の周方向に剪断力を生じさせ、その剪断力で上記磁性体を上記電線周方向に配向させることを特徴とする放射電磁波抑制電線の製造方法。【請求項3】上記磁性体に形状磁気異方性を有したものを用いることを特徴とする請求項1または2記載の放射電磁波抑制電線の製造方法。【請求項4】磁性体を混合した樹脂組成物を電線コア周囲に押し出して被覆した放射電磁波抑制層を有する電線において、上記磁性体が形状磁気異方性を有し、上記磁性体を上記電線周方向に配向させたことを特徴とする放射電磁波抑制電線。【請求項5】上記磁性体が、形状磁気異方性を有するセンダスト、パーマロイ、フェライト等の強磁性体材料からなる請求項4記載の放射電磁波抑制電線。・・・後 略・・・」
「【技術分野】【0001】本発明は、ケーブルに係り、特に押し出しにより製造され放射電磁波抑制が可能な電線に関するものである。」
「【0022】図1は、本発明の好適実施の形態を示す放射電磁波抑制電線の構造を示す断面構造図である。【0023】図示したように放射電磁波抑制電線1は、電線コア11の周囲に、遮蔽層12を銅編組材等で形成し、磁性体を混合した樹脂組成物を遮蔽層12の周囲に押し出して放射電磁波抑制層13を被覆した後、さらにその周囲に保護層14を形成した放射電磁波抑制効果を有するケーブルである。続きを表示(全20行)【0024】電線コア11は、1又は複数の各種信号を伝送するための信号伝送用コア及び電源を供給するための電源線コアからなり、各コアが信号伝送用コアであるか若しくは電源線コアであるかその種類や、また各々の本数はケーブルの用途により適宜決められる。複数の電線コア11は適宜撚り合わせたり、束ねられ電線コア11のコア束が形成される。【0025】電線コア11若しくは電線コア11の束は、その周囲に例えば銅編組で形成され電磁的なシールド層の役割を有する遮蔽層12が設けられる。【0026】この遮蔽層12は、放射電磁波抑制電線1を他のケーブルや外部からの静電誘導などの影響から保護するために設けられる。静電誘導からの保護のために、例えば軟アルミテープ、軟銅線で編まれた編組線などが用いられる。【0027】なお、この遮蔽層12は必要に応じて設ければよく、放射電磁波抑制層13が遮蔽層12を兼ねることができる場合には必ずしも設ける必要はない。遮蔽層12が不要な場合には、電線コア11若しくは電線コア11の束の周囲に直接放射電磁波抑制層13を被覆すればよい。【0028】遮蔽層12が形成された電線コア11の束のさらにその外側は、強磁性体材料などからなる放射電磁波抑制層13で覆われる。【0029】この放射電磁波抑制層13は、この層が形成されることにより電線コア11において伝送される信号や電源供給の電力から発生する放射電磁波のノイズを抑制し外部に漏洩させない所謂EMI対策の効果を有しており、磁性体を混合した樹脂組成物を抑制層材料として電線コア11周囲(電線コア11周囲に遮蔽層12設けられている場合は、遮蔽層12の周囲)に押し出して設けた抑制層である。【0030】放射電磁波抑制層13の抑制層材料としては、例えば樹脂組成物(以下、ベースポリマと称する。)に直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE、密度d=0.900g/cm3、成形速度MFR:2g/10Min、住友化学工業株式会社製)を用い、混合する形状磁気異方性を有する磁性体として厚み0.5μm~1.5μm、アスペクト比5~50の軟磁性鱗片状センダスト粉を用いる。【0031】他に形状磁気異方性を有する磁性体としては、パーマロイ、フェライト等の強磁性体材料粉が用いられる。」
「【0063】図4は、電線の放射電磁波抑制効果の特性比較評価結果を示す。図の横軸は、強磁性体材料の混合比すなわち磁性体混合量(単位:vol%)を示し、縦軸は、電線の放射電磁波抑制効果(単位:dBμV/m)を示す。【0064】図の太線は、磁性体を配向させた場合すなわち放射電磁波抑制電線1の特性を示し、破線は、磁性材料を単純分散させた場合すなわち従来の抑制電線71の特性を示す。【0065】この特性評価試験の条件は、次の通りである。【0066】上述の放射電磁波抑制電線1及び従来の抑制電線71は、パーソナルコンピュータ等に接続することのできるUSB(Universal Serial Bus)ケーブルの形態とした。【0067】このUSBケーブルをパーソナルコンピュータとハードディスク装置とに接続し、パーソナルコンピュータとハードディスク装置間でデータを転送する際にUSBケーブルから放射される妨害波電界強度をVCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協議会)の基準(クラスB:情報技術装置に基づく基準)が定めた妨害波電界強度測定法に準拠して測定・比較した。」
4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】本発明は、アキシャルリード型の電子部品を内蔵することができる電気コネクタに関する。」
「【0021】まず、内部ハウジング10およびこれに保持されるコンタクト21,22について説明する。図3および図4は、ともに内部ハウジング10を構成する本体部10bおよび別体のスペーサ15(15a)を、それぞれ上方および下方から見た斜視図である。図3(A)および図4(A)は本体部10bとスペーサ15が分離した状態を示し、図3(B)および図4(B)はスペーサ15が本体部10bに装着された状態を示す。内部ハウジング10の本体部10bは、絶縁性の樹脂を成形して作られた部材であり、内部ハウジング10の前端から後端にわたるベース部を構成する。本体部10bの前側(図3および図4における左側)には、4つのコンタクトが互いに平行に配置されている。そのうち、内側の2つは一対の信号用コンタクト21として利用され、その両外側のものが一対の電源用コンタクト22として利用される。信号用コンタクト21の先端が電源用コンタクト22の先端よりも後退した位置にあるのは、電気コネクタの活線挿抜機能をサポートしているUSB規格に準拠するためである。」
5 引用文献Bについて
当審拒絶理由に引用された引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0030】次に、具体的な構造を説明する。図2は、本発明に係る一実施例の構造を示す図であり、USBケーブルのシリーズAコネクタ内部にコモンモードチョークコイルを搭載した場合のである。また、図3は、この実施例に用いた基板の平面図である。基板11aのランド部21にコモンモードチョークコイル4を搭載し、接続する。USBケーブル3の信号線5、リード線12を基板11aのランド21に半田付けする。これにより、信号線5、リード線12とコモンモードチョークコイル4との半田付けに於ける信頼性を確保している。尚、前記基板11aは、半田付け並びにモールドに耐える材質であれば特に規定はしない。また、コモンモードチョークコイル4が搭載される側のランド部の形状(寸法)は、チップ部品の部品搭載用に各社が堆奨している一般的なパターン寸法を用いることが望ましい。【0031】続いて、ケーブル3とコモンモードチョークコイル4を搭載した基板11aを図2のように電源線14、リード線12の先端を残して一緒にモールドすることにより、更に信頼性を向上させることができる。また、モールド部13の中にコモンモードチョークコイル4を搭載した基板11aが挿入されているので、市販コネクタのハウジング部7aをそのまま用いることができるために差動伝送ケーブル1内にコモンモードチョークコイル4を搭載するための特別なコネクタを作製する必要がない。」
6 引用文献Cについて
当審拒絶理由に引用された引用文献Cには、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0021】本発明の実施形態としてのコネクタは、マイクロ-USB(2.0)規格に基づくプラグである。従って、その相手コネクタは、マイクロ-USB(2.0)規格に基づくレセプタクルである。以下では、本発明の実施形態としてのコネクタを「プラグ」、その相手コネクタを「レセプタクル」という。また、プラグは、レセプタクルと向かい合わせた状態でレセプタクル内に挿入されるが、本明細書においては、プラグとレセプタクルそれぞれの互いに向かい合わせる側を「前」、反対側を「後」という。」
「【0031】図3に示すように、ケーブル10は、マイクロ-USB(2.0)規格に基づくケーブルであり、4本の芯線11、シールド12、補強ワイヤ14、シース13からなる。【0032】芯線11は、導体11aを絶縁体11bで被覆した絶縁電線である。導体11aは、例えばすずめっきされた銅線等からなる。絶縁体11bは、例えばポリ塩化ビニルからなる。芯線11の4本は、電源用(Vcc)、グランド用(GND)、ペアの差動信号用(D-)及び(D+)である。ペアの芯線11は、平行線の状態、又は、撚り合わせた状態でケーブル10に内装される。【0033】シールド12は、インナーシールド12aとアウターシールド12bとを備え、二重構造を有する。インナーシールド12aは、例えばアルミ箔テープからなり、芯線11に巻き付けその周りを覆う。アウターシールド12bは、例えばすずめっきされた銅線を編んだ編組チューブからなり、インナーシールド12aの周りを覆う。」
「【0085】ところで、本実施形態のプラグ200では、ケーブル接続部金属カバー部30及びシェルカバー31を備えておらず、その代わり、図15乃至図17図に示すように、ケーブル接続部基部23a、プリント回路基板27、ケーブル10の端部から露出された4本の芯線11及びケーブル10の端部の周りにインサート成形により絶縁性合成樹脂のインナーモールド210が形成され、その後、インナ ーモールド210の周りにインサート成形により絶縁性合成樹脂のオーバーモールド、すなわちカバー部21が形成されている。」
7 引用文献Dについて
当審拒絶理由に引用された引用文献Dには、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0085】第2の実施の形態によるUSBコネクタ21は、電源電圧が供給される電源電圧端子VBUS、差動信号が供給される一対の差動信号端子D+,D-、グランドに接続されるグランド端子GNDが設けられた基板22を備える。基板22は、例えば絶縁性の樹脂材料によって平板状に形成されている。また、電源電圧端子VBUS、差動信号端子D+,D-、グランド端子GNDは、いずれも導電性金属材料等によって形成されている。このとき、基板22の上面は端子の実装面となり、この上面には、電源電圧端子VBUS、差動信号端子D+,D-、グランド端子GNDの順序で長さ方向に並んで設けられる。このため、電源電圧端子VBUSとグランド端子GNDとの間に、一対の差動信号端子D+,D-が配置される。【0086】基板22の上面には、長さ方向で差動信号端子D+,D-を跨いだ状態で電源用ノイズフィルタ23が取付けられる。電源用ノイズフィルタ23は、例えば基板22と一緒に樹脂モールドが施され、樹脂製のケース25に収容されている。また、電源用ノイズフィルタ23は、第1の実施の形態による電源用ノイズフィルタ1とほぼ同様に構成される。このため、電源用ノイズフィルタ23は、コア部材2、第1,第2の内部電極6,7、第1の外部電極10,11、第2の外部電極12,13等を備えている。」
8 引用文献Eについて
当審拒絶理由に引用された引用文献Eには、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0022】図1に示すように、本発明に係るノイズ抑制ケーブル1は、主として、USB規格、IEEE1394規格、SCSI規格等のインターフェイス規格に準拠し、電子情報通信機器間の接続に使用されるケーブルである。すなわち、このノイズ抑制ケーブル1は、二つ以上の導線を有する信号線を備えている。【0023】ノイズ抑制ケーブル1は、中心の導体2の外周を絶縁体3で被覆した4本の絶縁電線(信号線)4と、4本の絶縁電線4の外周を被覆する金属編組線の導電性シールド5と、導電性シールド5の外周を被覆するシース層6とで構成され、シース層6は、樹脂に磁性粉を混合した磁性粉混合シース層7と、磁性粉混合シース層7の外周を被覆する樹脂等からなる保護シース層8との二層構造となっている。」
「【0030】また、従来、コンピュータと周辺外部機器(ハードディスクドライブ、プリンタ、デジタルカメラ等)との機器間を接続するインターフェイス用ケーブル(例えば、USB、IEEE1394、SCSI等)の端部のコネクタ部には、ノイズ対策として金属カバー、金属テープなどによる導電性シールドが施されているが、本発明に係るノイズ抑制ケーブル1をインターフェイス用バスケーブルとして用いる場合には、その端部のコネクタ部も同様に、例えば、コネクタカバーを構成する樹脂に粉末フェライトを混合させる、あるいはコネクタカバーの内面にフェライトの層を形成するなどの手段を講じるとよい。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明は、「差動信号と電力とを伝送するインターフェースケーブル」であって、「インターフェースケーブル」を構成する「ケーブル20」は、「それぞれ被覆された部分と被覆されていない部分を備える、差動信号コード21a,21b、および電力供給コード22a,22b」を備えており、電力を供給する際に、一方の電力供給コードを電源に接続し、他方の電力供給コードをグランド(接地)に接続することは技術常識であることを考慮すると、引用発明の「ケーブル部20」は、本願発明1の「差動伝送用の少なくとも1組の信号ケーブル、グラウンドケーブルおよび電源ケーブルを含み、被覆されている被覆部と非被覆部を各ケーブルが有するケーブル部」に相当する。
イ 引用発明の「一方の端部にコネクタ部を設け」ることと、本願発明1の「前記ケーブル部の両側の前記非被覆部に、それぞれ設けられた第1および第2のコネクタ」を備えることとは、引用発明が「差動信号コード21a,21b、および電力供給コード22a,22bの、被覆されていない部分」を「コネクタ部」に備えられた「基板63」の接続パターンに接続していることを考慮すると、「前記ケーブル部の前記非被覆部に、設けられたコネクタ」を備える点で共通する。
ウ 引用発明の「一方の端部にコネクタ部を設け、コネクタ部は、表裏にそれぞれコモンモードチョークコイル61,62を配設した基板63を備え」ることと、本願発明1の「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に」「プリント基板」を設けることとは、「コネクタに」「プリント基板」を設ける点で共通する。
エ 引用発明の「コモンモードチョークコイル62」は、「基板63」の表面もしくは裏面に配設されており、また、「電力供給コード22a,22bの、被覆されていない部分」を「基板63」の接続パターンに接続することにより、「電力供給がコモンモードチョークコイル62を通過する配線」とされているから、引用発明の「コモンモードチョークコイル62」は、本願発明1の「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルの前記非被覆部が接続されたコモンモードチョークコイル」に相当する。
オ 引用発明の「インターフェースケーブル」は、本願発明1の「ケーブル」に対応する。
カ そうすると、本願発明1と引用発明との一致点および相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「差動伝送用の少なくとも1組の信号ケーブル、グラウンドケーブルおよび電源ケーブルを含み、被覆されている被覆部と非被覆部を各ケーブルが有するケーブル部と、前記ケーブル部の前記非被覆部に、設けられたコネクタと、コネクタに設けられたプリント基板と、前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルの前記非被覆部が接続されたコモンモードチョークコイルを有しているケーブル。」
[相違点1]
本願発明1は、「前記ケーブル部の両側の前記非被覆部に、それぞれ設けられた第1および第2のコネクタ」を備えているのに対して、引用発明は、「インターフェースケーブル」の「一方の端部にコネクタ部を設け」ることは特定されているものの、他方の端部にコネクタ部を設けることは明示されていない点。
[相違点2]
本願発明1は、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を備えているのに対して、引用発明は、「インターフェースケーブル」の他方の端部についてコネクタ部を設けることが明示されていないために、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を備えていない点。
[相違点3]
本願発明1は、「前記コモンモードチョークコイルと、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルのそれぞれの前記非被覆部および前記コモンモードチョークコイルの接続箇所を含む前記プリント基板の一方の面、並びに前記プリント基板の周囲を覆うように設けられた絶縁性樹脂層とを備え」ているのに対して、引用発明は、「外装樹脂25」によりモールドされてコネクタ部が構成されているものの、「コモンモードチョークコイル62」と、基板の一方の面、並びに基板の周囲を覆うように設けられた絶縁性樹脂層を備えていない点。
[相違点4]
本願発明1は、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズを有している」のに対して、引用発明は対応する構成を備えていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、相違点4について先に検討する。
引用文献2ないし4およびBないしEには、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を設け、「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルの前記非被覆部が接続されたコモンモードチョークコイル」を備えた際に、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズ」を有するようにすることは記載されておらず、またこの「フェライトビーズ」を有すようにすることが、本願優先日前に当該技術分野において周知の技術であったともいえない。
そうすると、引用発明において、引用文献2ないし4およびBないしEに記載された技術的事項を適用しても、相違点4に係る本願発明1の構成を想到することはできない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4およびBないしEに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし7について
本願発明2ないし7も、本願発明1の「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を設け、「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルの前記非被覆部が接続されたコモンモードチョークコイル」を備えた際に、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズ」を有すると同様の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4およびBないしEに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明8について
(1)対比
本願発明8と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明は、「差動信号と電力とを伝送するインターフェースケーブル」であって、「インターフェースケーブル」を構成する「ケーブル20」は、「差動信号コード21a,21b、および電力供給コード22a,22b」を備えており、電力を供給する際に、一方の電力供給コードを電源に接続し、他方の電力供給コードをグランド(接地)に接続することは技術常識であることを考慮すると、引用発明の「ケーブル部20」は、本願発明8の「差動伝送用の少なくとも1組の信号ケーブル、グラウンドケーブルおよび電源ケーブルを有するケーブル部」に相当する。
イ 引用発明の「一方の端部にコネクタ部を設け」ることと、本願発明8の「前記ケーブル部の両側にそれぞれ設けられた第1および第2のコネクタ」を備えることとは、「前記ケーブル部に、設けられたコネクタ」を備える点で共通する。
ウ 引用発明の「一方の端部にコネクタ部を設け、コネクタ部は、表裏にそれぞれコモンモードチョークコイル61,62を配設した基板63を備え」ることと、本願発明8の「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に」「プリント基板」を設けることとは、「コネクタに」「プリント基板」を設ける点で共通する。
エ 引用発明の「コモンモードチョークコイル61」および「コモンモードチョークコイル62」は、「基板63」の表裏にそれぞれ配設されており、また、「それぞれのコモンモードチョークコイル61,62の接続パターンに、ケーブル20より引き出された、それぞれ被覆された部分と被覆されていない部分を備える、差動信号コード21a,21b、および電力供給コード22a,22bの、被覆されていない部分を接続し、差動信号がコモンモードチョークコイル61を通過し、電力供給がコモンモードチョークコイル62を通過する配線」としているのであるから、引用発明の「コモンモードチョークコイル62」および「コモンモードチョークコイル61」は、それぞれ本願発明8の「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルが接続された第1のコモンモードチョークコイル」および「前記プリント基板の他方の面に設けられ、前記信号ケーブルが接続された第2のコモンモードチョークコイル」に相当する。
オ 引用発明の「インターフェースケーブル」は、本願発明8の「ケーブル」に対応する。
カ そうすると、本願発明8と引用発明との一致点および相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「差動伝送用の少なくとも1組の信号ケーブル、グラウンドケーブルおよび電源ケーブルを有するケーブル部と、前記ケーブル部に、設けられたコネクタと、前記コネクタに設けられたプリント基板と、前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルが接続された第1のコモンモードチョークコイルと、前記プリント基板の他方の面に設けられ、前記信号ケーブルが接続された第2のコモンモードチョークコイルを有しているケーブル。」
[相違点5]
本願発明8は、「前記ケーブル部の両側にそれぞれ設けられた第1および第2のコネクタ」を備えているのに対して、引用発明は、「インターフェースケーブル」の「一方の端部にコネクタ部を設け」ることは特定されているものの、他方の端部にコネクタ部を設けることは明示されていない点。
[相違点6]
本願発明8は、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を備えているのに対して、引用発明は、「インターフェースケーブル」の他方の端部についてコネクタ部を設けることが明示されていないために、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を備えていない点。
[相違点7]
本願発明8は、「前記第1のコモンモードチョークコイルと、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルのそれぞれの前記非被覆部および前記第1のコモンモードチョークコイルの接続箇所を含む前記プリント基板の一方の面、前記第2のコモンモードチョークコイルと、前記信号ケーブルのそれぞれの前記非被覆部と前記第2のコモンモードチョークコイルの接続箇所を含む前記プリント基板の他方の面、並びに前記プリント基板の周囲を覆うように設けられた絶縁性樹脂層とを備え」ているのに対して、引用発明は、「外装樹脂25」によりモールドされてコネクタ部が構成されているものの、「コモンモードチョークコイル62」と、基板の一方の面、並びに基板の周囲を覆うように設けられた絶縁性樹脂層を備えていない点。
[相違点8]
本願発明8は、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズを有している」のに対して、引用発明は対応する構成を備えていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、相違点8について先に検討する。
引用文献2ないし4およびBないしEには、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を設け、「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルが接続された第1のコモンモードチョークコイルと、前記プリント基板の他方の面に設けられ、前記信号ケーブルが接続された第2のコモンモードチョークコイル」を備えた際に、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズ」を有するようにすることは記載されておらず、またこの「フェライトビーズ」を有すようにすることが、本願優先日前に当該技術分野において周知の技術であったともいえない。
そうすると、引用発明において、引用文献2ないし4およびBないしEに記載された技術的事項を適用しても、相違点8に係る本願発明8の構成を想到することはできない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明8は、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4およびBないしEに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
4 本願発明9ないし16について
本願発明9ないし16も、本願発明1の「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を設け、「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルの前記非被覆部が接続されたコモンモードチョークコイル」を備えた際に、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズ」を有すると同様の構成、もしくは、本願発明8の「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を設け、「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルが接続された第1のコモンモードチョークコイルと、前記プリント基板の他方の面に設けられ、前記信号ケーブルが接続された第2のコモンモードチョークコイル」を備えた際に、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズ」を有すると同様の構成を備えるものであるから、本願発明1もしくは本願発明8と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4およびBないしEに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第7 原査定について
令和3年9月24日付けの補正により、本願発明1ないし16は、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を設け、「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルの前記非被覆部が接続されたコモンモードチョークコイル」を備えた際に、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズ」を有すると同様の構成、もしくは、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を設け、「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルが接続された第1のコモンモードチョークコイルと、前記プリント基板の他方の面に設けられ、前記信号ケーブルが接続された第2のコモンモードチョークコイル」を備えた際に、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズ」を有すると同様の構成を備えるものとなった。
当該構成は、原査定における引用文献1ないし4には記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし16は、当業者であっても、原査定における引用文献1ないし4に基づいて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第8 当審拒絶理由について
令和3年9月24日付けの補正により、本願発明1ないし16は、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を設け、「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルの前記非被覆部が接続されたコモンモードチョークコイル」を備えた際に、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズ」を有すると同様の構成、もしくは、「前記第1および前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられたプリント基板」を設け、「前記プリント基板の一方の面に設けられ、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルが接続された第1のコモンモードチョークコイルと、前記プリント基板の他方の面に設けられ、前記信号ケーブルが接続された第2のコモンモードチョークコイル」を備えた際に、「前記第1および前記第2のコネクタのうちの他方は、前記グラウンドケーブルおよび前記電源ケーブルに設けられたフェライトビーズ」を有すると同様の構成を備えるものとなった。
当該構成は、当審拒絶理由で引用した引用文献AないしFには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし16は、当業者であっても、当審拒絶理由で引用した引用文献AないしFに基づいて容易に発明できたものではない。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由および当審拒絶理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-001740