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特許拒絶査定不服審判

2021-001564

導電材料前駆体

審判番号
2021-001564
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-171406外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年02月04日
審決日
2021年12月15日
公報発行日
2022年01月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H01B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-171406「導電材料前駆体」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月22日出願公開,特開2019- 46747,請求項の数(1)〕について,次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は,特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,2017年(平成29年) 9月 6日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。

令和 2年 6月25日付け:拒絶理由通知
令和 2年 7月28日 :意見書の提出
令和 2年11月 2日付け:拒絶査定
令和 3年 2月 4日 :審判請求書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和 2年11月 2日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1に係る発明は,以下の引用文献に記載された発明及び周知技術(引用文献2-3)に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1 特開2005-250169号公報

引用文献2 特開昭56-97347号公報

引用文献3 特開2009-099541号公報

第3 本願発明

本願請求項1に係る発明(以下,「本願発明1」という。)は,出願当初の特許請求の範囲の請求項1記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は,以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
支持体上にハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する導電材料前駆体であって,該導電材料前駆体が有する構成層の少なくとも一層が,有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤を含有することを特徴とする導電材料前駆体。」

第3 引用文献,引用発明等

1 引用文献1について

(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,次の事項が記載されている。(下線は,参考のために当審で付与したものである。以下同様である。)

「【0001】
本発明は,ハロゲン化銀感光材料から像様に銀を転写させる銀拡散転写受像材料および像様に銀を転写させる導電性パタンの形成方法に関するものである。」
「【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は,この課題を解決するため研究を行った結果,(1)表面に活性水素を持つ基を有する樹脂支持体上に塗工された物理現像核層からなる銀拡散転写受像材料であって,1)該物理現像核層がタンパク質を含有せず,2)物理現像核層塗液に活性水素と反応する架橋剤を含有する,ことを特徴とした銀拡散転写受像材料。(2) 前記支持体をコロナ処理したのち,物理現像核層が水系塗工されたものである(1)に記載の銀拡散転写受像材料。(3) 架橋剤が自己乳化性イソシアネート化合物である(1)または(2)に記載の銀拡散転写受像材料。(4)(1)~(3)のいずれか一項に記載の銀拡散転写受像材料に,ハロゲン化銀乳剤層,可溶性銀錯塩形成剤,および還元剤をアルカリ中で作用させることにより形成させることを特徴とした導電性パタンの形成方法。とすることにより顕著な効果が得られるという知見をもって本発明を完成するに至った。」
「【0017】
本発明の銀拡散転写受像材料に金属銀を像様析出させる方法として,別の支持体上に形成させたハロゲン化銀写真乳剤層を露光し,可溶性銀錯塩形成剤,および還元剤の存在下,アルカリ中で密着させる方法や,特開2003-77350号公報(特許文献1)に記載されているように,物理現像核層,ハロゲン化銀乳剤層,保護層を支持体に近い方からこの順設けた光画像記録材料を露光,処理しして得る方法などがある。特に後者は,画質や生産効率の面から好ましい。
【0018】
本発明の導電性パタンの形成方法に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子の形成には,順混合,逆混合,同時混合等の,当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の1種で,粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが,粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては,好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下,特に好ましくは0.05~0.2μmである。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し,塩化物を80モル%以上含有するのが好ましく,特に90モル%以上が塩化物であることが特に好ましい。
【0019】
ハロゲン化銀乳剤は,必要に応じて粒子の形成あるいは物理熟成の過程において,亜硫酸塩,鉛塩,タリウム塩,ロジウム塩もしくはその錯塩,イリジウム塩もしくはその錯塩を共存させても良い。また,種々の化学増感剤によって増感することができ,イオウ増感法,セレン増感法,貴金属増感法など当業界で一般的な方法を,単独,あるいは組み合わせて用いることができる。さらに種々の目的のために,公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは,リサーチ・ディスクロージャー#17643(1978年12月)および18716(1979年11月)308119(1989年12月)に記載,あるいは引用された文献に記載されている。」

なお,段落0017の「・・・支持体に近い方からこの順設けた光画像記録材料を露光,処理しして得る方法・・・」,は,「・・・支持体に近い方からこの順に設けた光画像記録材料を露光,処理して得る方法・・・」の誤記と認められる。

(2)ここで,引用文献1に記載されている事項を検討する。

ア 段落0001,0008の記載から,引用文献1は,「ハロゲン化銀感光材料から像様に銀を転写させる銀拡散転写受像材料」に関するものであり,該「銀拡散転写受像材料」は,「樹脂支持体上」に塗工された「物理現像核層」からなるものである。

イ 段落0017には,「物理現像核層,ハロゲン化銀乳剤層,保護層を支持体に近い方からこの順設けた光画像記録材料」を露光,処理して「銀拡散転写受像材料」に金属銀を像様析出させることが記載されている。

ウ 段落0018の記載から,「ハロゲン化銀乳剤層」は,「ハロゲン化銀乳剤粒子」を含むことは明らかである。

また,段落0019の記載から,「ハロゲン化銀乳剤層」に,「公知の写真用添加剤を用いることができる」ものと認められる。

(3)以上から,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 物理現像核層,ハロゲン化銀乳剤層,保護層を支持体に近い方からこの順に設けた光画像記録材料であって,
該光画像記録材料は,露光,処理して支持体上に塗工された物理現像核層からなる銀拡散転写受像材料に金属銀を像様析出するものであり,
ハロゲン化銀乳剤層は,ハロゲン化銀乳剤粒子を含み,
ハロゲン化銀乳剤層に,公知の写真用添加剤を用いることができる,
光画像記録材料。」

2 引用文献2について

(1)原査定の拒絶の理由において周知技術として引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。

「 本発明はカラー写真処理方法に関する。特に重金属イオンの存在下においても安定な発色現像液を用いるカラー写真処理法に関する。」(1頁右下欄5~7行)

「 ところで,これらの芳香族第一級アミン類を現像主薬とする発色現像液には,N-アルキル-p-アミノフエノールやハイドロキノンを現像主薬とする黒白現像液と異なり保恒剤(酸化防止剤)としての亜硫酸塩を多量用いることができない。なぜなら多量の亜硫酸塩は芳香族第一級アミン現像主薬と発色カプラーとの間の発色反応を著しく阻害するからである。それ故,芳香族第一級アミン類を現像主薬とする発色現像液では,亜硫酸塩と共に,芳香族第一級アミン類の酸化を防止する能力を持つ化合物であるヒドロキシル基及び/又はモノ置換されてもよいアミノ基を有する保恒剤,特にヒドロキシルアミンが併用される。しかし,ヒドロキシ基及び/又はモノ置換されてもよいアミノ基を有する保恒剤,特にヒドロキシルアミンは微量の重金属イオン,例えば鉄イオンや銅イオンの存在によって著しく分解が促進されるので,かかる保恒剤を含む発色現像液では,重金属の陰ぺい剤が不可欠である。
アミノポリカルボン酸,たとえばニトリロ三酢酸,エチレンジアミン四酢酸などは,重金属イオン陰ぺい剤として知られているが,これらはその化合物自身がヒドロキシル基及び/又はモノ置換されてもよいアミノ基を有する保恒剤の分解を促進する欠点がある 米国特許2,875,049号記載の1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸や,米国特許3,462,269号記載のジエチレントリアミン五酢酸は,かかる保恒剤の分解が比軟的少ないけれども,いまだ満足できるものではない。そのためにアミノポリカルボン酸に代るキレート剤が望まれていた。
アミノポリカルボン酸以外のキレート剤として,有機ホスホン酸化合物が,西独特許出願(OLS)2,227,639号,同2,610,678号及び特開昭52-102726号で知られている。」(2頁右上欄5行~左下欄19行)

3 引用文献3について

(1)原査定の拒絶の理由において周知技術として引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【発明の効果】
【0016】
以上説明したように,本発明に係る導電性材料の製造方法及び導電性材料の製造装置によれば,現像銀あるいは印刷等でパターニングして配置された導電性微粒子上にめっきによって金属層を積層し,金属の連続層を形成することにより導電性材料を製造する際のめっき速度を高めることが可能となる。これにより,電磁波遮蔽膜や透明電極等に好適に用いることが可能な,パターニングされた細線からなる導電性金属層を基体上に有する導電性材料を高効率で生産することが可能となる。」
「【0074】
<導電性微粒子をカソードとして,金属イオンを含む溶液中で通電する工程>
本発明の導電性材材料の製造方法は,上述の基体表面に導電性微粒子を配置する工程を経た後に,該導電性微粒子をカソードとして,金属イオンを含む溶液中で通電する工程を含むことを特徴とする(以下適宣この溶液を金属イオン含有活性化液と称する)。この工程は,後に続く導電性微粒子上へ無電解めっきを行う際の,無電解めっき活性を高める事を目的として行われる。」
「【0086】
金属イオン含有活性化液における金属イオン以外の組成としては,錯化剤,酸やアルカリ等のpH調節剤,pH緩衝剤,界面活性剤,ハイドロキノン,タイロン,アスコルビン酸等の酸化防止剤,アルカリ金属塩,4級アルキルアンモニウム塩,過塩素酸塩,ホウ酸塩,チオシアン酸塩等の塩類を好ましく使用できる。また,グリシン等のアミノ酸類,ポリエチレングリコール,2-2’ビピリジルやフェナントロリン等の窒素含有添加剤,チオ尿素類,チアゾール類,メルカプト類,ジスルフィド類化合物等の硫黄含有添加剤を含有してもよい。
【0087】
本発明における好ましい錯化剤は,テトラポリリン酸,ヘキサメタリン酸,ピロリン酸等の無機錯化剤及び,主に有機カルボン酸,アミノポリカルボン酸,有機ホスホン酸,アミノホスホン酸及び有機ホスホノカルボン酸等の有機錯化剤を用いることができる。
続きを表示(全18行)
【0088】
上記有機カルボン酸としては,アクリル酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,コハク酸,アシエライン酸,セバチン酸,ノナンジカルボン酸,デカンジカルボン酸,ウンデカンジカルボン酸,マレイン酸,イタコン酸,リンゴ酸,クエン酸,酒石酸等を挙げることができる。
【0089】
上記アミノポリカルボン酸としては,イミノ二酢酸,ニトリロ三酢酸,ニトリロ三プロピオン酸,エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸,エチレンジアミン四酢酸,グリコールエーテル四酢酸,1,2-ジアミノプロパン四酢酸,ジエチレントリアミン五酢酸,トリエチレンテトラミン六酢酸,1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸,グリコールエーテルジアミン四酢酸,その他,特開昭52-25632号公報,同55-67747号公報,同57-102624号公報,及び特公昭53-40900号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
【0090】
有機ホスホン酸としては,米国特許第3214454号明細書,同3794591号明細書,及び西独特許公開2227639号公報等に記載のヒドロキシアルキリデン-ジホスホン酸やリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)第181巻,Item 18170(1979年5月号)等に記載の化合物が挙げられる。
【0091】
上記アミノホスホン酸としては,アミノトリス(メチレンホスホン酸),エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸,アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられるが,その他上記リサーチ・ディスクロージャー18170号,特開昭57-208554号公報,同54-61125号公報,同55-29883号公報及び同56-97347号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
【0092】
有機ホスホノカルボン酸としては,特開昭52-102726号公報,同53-42730号公報,同54-121127号公報,同55-4024号公報,同55-4025号公報,同55-126241号公報,同55-65955号公報,同55-65956号等公報,及び前述のリサーチ・ディスクロージャー18170号等に記載の化合物を挙げることができる。これらのキレート剤はアルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用してもよい。
【0093】
本発明の特に好ましい錯化剤は,エチレンジアミン四酢酸塩,トリエタノールアミン塩,酒石酸塩,酢酸塩,クエン酸塩,ピロリン酸塩が好ましい。また,金属イオンの種類が活性化液と後続の無電解めっき工程とで同一の場合には,錯化剤を同一種とすることが好ましい。
【0094】
本発明において,これら錯化剤は必須ではないが,錯化剤を用いることで無電解めっき活性化領域が広がるために,錯化剤を用いることが好ましい。すなわち,導電性微粒子の導電性が不十分なために通電によって活性化可能な領域は電極近傍に制限され,広い面積を活性化するためには前述のごとく基体を搬送させながら給電する必要があるが,錯化剤を用いることで活性化可能な領域の電極からの距離を伸ばすことができる。このことにより,給電しながらの基体の搬送をより高速で行うことが可能となり,生産性が上がるとともに,めっきの均一性が向上でき好ましい。」

第4 対比・判断

1 対比

本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。

(1)引用発明の「支持体」が,本願発明1の「支持体」に相当することは明らかである。

そして,引用発明の「ハロゲン化銀乳剤層」は,「ハロゲン化銀乳剤粒子」を含んでいるから,本願発明1の「ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層」に相当する。

(2)引用発明の「光画像記録材料」は,「ハロゲン化銀乳剤層」を「支持体」に設けたものであるから,本願発明1の「導電材料前駆体」と,「ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する」点で一致する。

また,引用発明の「光画像記録材料」は,「露光,処理して支持体上に塗工された物理現像核層からなる銀拡散転写受像材料に金属銀を像様析出するもの」であるから,本願発明1の「導電材料前駆体」に対応するといえる。

(3)引用発明の「光画像記録材料」は,「ハロゲン化銀乳剤層に,公知の写真用添加剤を用いることができる」から,本願発明1の「該導電材料前駆体が有する構成層の少なくとも一層が,有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤を含有する」ことと,「該導電材料前駆体が有する構成層の少なくとも一層が,添加剤を含有する」点で一致する。

(4)したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)

「 支持体上にハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する導電材料前駆体であって,該導電材料前駆体が有する構成層の少なくとも一層が,添加剤を含有する導電材料前駆体。」

(相違点)

添加剤に関して,本願発明1は,「有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤」と特定されているのに対し,引用発明は,そのように特定されていない点。

2 相違点についての判断

(1)引用文献2には,芳香族第一級アミン類を現像主薬とし,ヒドロキシ基及び/又はモノ置換されてもよいアミノ基を有する保恒剤を含む発色現像液では,重金属の隠ぺい剤が不可欠であること,及び,重金属の隠ぺい剤,すなわち,キレート剤として,アミノポリカルボン酸や有機ホスホン酸化合物が知られていることが記載されている。

ここで,引用文献2は,芳香族第一級アミン類を現像主薬とし,ヒドロキシ基及び/又はモノ置換されてもよいアミノ基を有する保恒剤を含む発色現像液に関するものであるから,引用発明の導電材料前駆体と技術分野が共通するとはいえない。

そして,引用発明の導電材料前駆体と,引用文献2の発色現像液とで,その作用,機能が共通するともいえない。

すると,引用発明に引用文献2に記載の技術を適用する動機があるとはいえない。

(2)引用文献3には,基体表面に現像銀等でパターニングして配置された導電性微粒子を配置する工程を経た後に,該導電性微粒子をカソードとして,金属イオン含有活性化液で通電する工程に用いられる金属イオン含有活性化液に,テトラポリリン酸,ヘキサメタリン酸,ピロリン酸等の無機錯化剤及び,有機ホスホン酸等の有機錯化剤を使用してもよい点が記載されている。

ここで,引用文献3は,金属イオン含有活性化液で通電する工程に用いられる金属イオン含有活性化液に関するものであるから,引用発明の導電材料前駆体と技術分野が共通するとはいえない。

そして,引用発明の導電材料前駆体と,引用文献3の金属イオン含有活性化液とで,その作用,機能が共通するともいえない。

すると,引用発明に引用文献3に記載の技術を適用する動機があるとはいえない。

(3)仮に,引用文献2から,写真用添加剤として,有機ホスホン酸化合物が周知の添加剤であったとしても,本願発明1は,上記相違点に係る本願発明1の構成により,高い導電性を有する導電材料を製造することが可能な導電材料前駆体を提供するという効果を奏するものであり,該効果は引用文献1-3には記載されておらず,当業者が予測可能なものともいえない。

また,上記相違点に係る本願発明1の構成が,本願出願前に周知技術であるともいえない。

(4)したがって,本願発明1は,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-3に基いて,容易に発明できたものであるとはいえない。

第5 むすび

以上のとおり,本願発明1は,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-3に基いて,容易に発明できたものであるとはいえない。したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。

また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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2021-001564

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