特許拒絶査定不服審判
2021-001507
収納装置
- 審判番号
- 2021-001507
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-099649
- 請求日
- 2021年02月03日
- 審決日
- 2021年12月21日
- 公報発行日
- 2022年03月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】原 周平
- 【請求人代理人】橘 哲男
- 【請求人代理人】藤本 正紀
- 審判長/審判官
- 審判長 佐々木 正章
- 審判官 山本 信平
- 審判官 鈴木 充
- 分類
- P18 .121-Z (A47G) / P18 .575-Z (A47G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2016-99649「収納装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月24日出願公開、特開2017-205288〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
この出願(以下「本願」という。)は、平成28年5月18日に出願され、令和2年2月21日付けで拒絶理由(発送日:令和2年3月3日)が通知され、その指定期間内である令和2年4月10日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年9月8日付けで最後の拒絶理由(発送日:令和2年9月15日)が通知され、その指定期間内である令和2年10月22日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年10月30日付けで令和2年10月22日にされた手続補正が却下されるとともに拒絶査定(発送日:令和2年11月10日)がされ、これに対して、令和3年2月3日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和3年2月3日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和3年2月3日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正前(令和2年4月10日の手続補正書)の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
物品を収納する施錠可能な収納ボックスを複数有する収納装置であって、
前記収納ボックスとして、
ユーザ又は該ユーザのグループ専用の収納ボックスであって、郵便物等の物品を投函可能な開口部である投函口を備え、該投函口から投函される物品を収納する郵便ボックスと、
ユーザ又は該ユーザのグループ専用の収納ボックスであって、宅配物等を収納する専用宅配ボックスと、
ユーザ又は該ユーザのグループが他者と共用可能な収納ボックスであって、宅配物等を収納する共用宅配ボックスとを有し、
認証情報が入力されると、前記郵便ボックスを解錠し、該郵便ボックスが施錠後に、ユーザ又は該ユーザのグループの他のユーザ宛の物品が前記共用宅配ボックスに入庫されていると判断された場合、該入庫されていることを表示し、解錠を要求する旨の情報が入力されると、前記認証情報の再入力なしで前記共用宅配ボックスを解錠し、解錠を要求しない旨の情報が入力、又は前記解錠を要求する旨の情報が入力されないまま所定時間経過すると、前記共用宅配ボックスを解錠しないように制御することを特徴とする収納装置。」
(2)そして、本件補正により、上述の本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおり補正された(下線は、請求人が補正箇所を示すために付したものである。)。
「【請求項1】
物品を収納する施錠可能な収納ボックスを複数有する収納装置であって、
前記収納ボックスとして、
ユーザ又は該ユーザのグループ専用の収納ボックスであって、郵便物等の物品を投函可能な開口部である投函口を備え、該投函口から投函される物品を収納する郵便ボックスと、
ユーザ又は該ユーザのグループ専用の収納ボックスであって、宅配物等を収納する専用宅配ボックスと、
ユーザ又は該ユーザのグループが他者と共用可能な収納ボックスであって、宅配物等を収納する共用宅配ボックスとを有し、
認証情報が入力されると、前記郵便ボックスを解錠し、該郵便ボックスが施錠後に、ユーザ又は該ユーザのグループの他のユーザ宛の物品が前記共用宅配ボックスに入庫されていると判断された場合、該入庫されていることを表示し、
解錠を要求する旨の情報が入力されると、前記認証情報の再入力なしで、前記郵便ボックスの解錠に用いられた認証情報に基づいて、前記共用宅配ボックスを解錠し、
解錠を要求しない旨の情報が入力、又は前記解錠を要求する旨の情報が入力されないまま所定時間経過すると、前記共用宅配ボックスを解錠しないように制御することを特徴とする収納装置。」
2 本件補正の適否
(1)本件補正の内容
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「共用宅配ボックスを解錠し」に関して、「前記認証情報の再入力なしで」とされていたものを、「前記認証情報の再入力なしで、前記郵便ボックスの解錠に用いられた認証情報に基づいて、」と限定するものであり、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明との産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下、検討する。
(2)引用文献
ア 引用文献2
原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願日前に頒布された特開2010-115264号公報(以下「引用文献2」という。)には、「物品収納装置」に関して、以下の事項が記載されている(下線は、当審が付与したものである。以下同様。)。
(ア)「【0018】
本発明は、宅配荷物または郵便物の収受に用いられる物品収受装置において、配達された宅配荷物を収容するとともに電気錠により施錠可能な複数の物品収容ボックス、または、配達された郵便物を収容し、その取り出し口を電気錠を介して施錠可能であり、特定の宛先に対応づけられて配置される複数の郵便受と、前記物品収容ボックスまたは前記郵便受の前記電気錠を制御する基板と電気的に接続され、前記電気錠の施錠および開錠を制御する制御回路と、を含み、前記制御回路は、宛先の居住者のID情報の提示操作を含む受取操作に基づき、特定の前記物品収容ボックスまたは前記郵便受の電気錠を開錠するに際して、該物品収容ボックスまたは郵便受とは異なる他の物品収容ボックスまたは郵便受に対する受取操作が開始されていた場合に該物品収容ボックスまたは郵便受に対する受取操作を禁止し、他の物品収容ボックスまたは郵便受に対する受取操作が終了してから該物品収容ボックスまたは郵便受に対する受取操作を許容する構成を採用した。
【0019】
上記構成を採用することにより、本発明によれば、宅配ボックスや郵便受のような物品収受を行なうユニットを複数含む物品収受装置において、輻輳して受取操作が開始された場合でも、先に開始された受取操作を優先するよう、排他的に受取操作を禁止および許容することができ、使い勝手や安全性に関する問題を生じることがない、という優れた効果がある。」
(イ)「【0031】
図3は制御部500の回路構成を示すものであるが、図3の回路を説明する前に、ユニット構造化され、その配置位置や数を種々にカスタマイズ可能な郵便受211(および物品収容ボックス111:物品収容ボックス111の構造も郵便受211と同等である)の構成につき説明する。
【0032】
図4~図8に郵便受211の構造、および郵便受211の組み付け構造を示す。物品収容ボックス111の構造は、公共側に投函口(2111、2112)が無いだけで、その構造は郵便受211とほぼ同様である。以下では、図4~図8に示すような構造を有する郵便受211ないし物品収容ボックス111を総称するときは「収受ユニット」の名称を用いる。
【0033】
図4(a)、(b)は郵便受211の内部構造を示している。図4(a)は郵便受211の断面を、図4(b)は郵便受211の公共側の正面をそれぞれ示している。郵便受211はスチールなどの材質の箱型の筐体を1ユニットとして構成される。このユニット構造の大きさは、図1および図2に示した1つの郵便受211の大きさを決定する。
【0034】
郵便受211の公共側の扉(図4(a)右側:電気錠301でほとんどの場合施錠状態とされるが、ネジ止めなどにより固定されたパネルであってもよい)には、大小2つの投函口2112、および2111、および上述の非常用キー303が配置される。大きい投函口2112には、雨や塵埃などを避けるためのフラップ(扉)2112aが揺動自在に設けられる。投函口2111の側方には、LCDパネルなどにより表示内容を変更可能とした部屋番号表示2112が設けられる。部屋番号表示2112の点灯回路は内部に設けた基板2114または2115と不図示のワイヤハーネスを介して接続される。
【0035】
郵便受211の内部は上下の投函口2111、2112から投函された郵便物(あるいは他の印刷物)を仕分けるための仕切板2226が配置される。内部に投函された郵便物の有無を検出するために、郵便受211の隔室の上部(あるいはさらに下部にも:図4(b))郵便物センサ6221が配置される。郵便物センサ6221はたとえば反射式光センサやCCDカメラなどから構成される。」
(ウ)「【0068】
続いてステップS14、S15で、配達人は表示部およびタッチパネル501で宅配物を収容する物品収容ボックス111を選択し、そのボックスを開錠する操作を行ない、そのボックスに配達物を収容する。ステップS16は配達人が選択したボックスに宅配物を収容した後、その公共側の扉を示す操作をフローチャート的な記述で示したものである。」
(エ)「【0071】
図10のステップS20において、居住者は、ICカード(ないし類似のID情報を記録したカード類)を制御コンソールのICカードリーダ502(あるいは類似の読み取り手段)に提示する。これにより、制御回路600はICカードにより認識した当該居住者を宛先とする宅配物または郵便物が到着しているか否かを判定し、その結果に応じて郵便物着荷表示404などを介して着荷表示を行なう。たとえば、当該居住者に対して郵便物が着荷している場合には、当該居住者の郵便受211が含まれるボックス(筐体)100の郵便物着荷表示404を点灯させる(あるいは同時に表示部およびタッチパネル501において着荷表示を行なうこともできる)。
【0072】
図10のステップS21、S22は、郵便物着荷表示404、あるいは表示部およびタッチパネル501などを介して行なわれる郵便物、ないし宅配物の有無の表示を宛先の居住者が認識する動作をフローチャート的な記述で示したものである。
【0073】
宅配物の有無は、上述のように表示部およびタッチパネル501や、郵便物着荷表示404と類似の表示手段により行なうか、あるいは、郵便物着荷表示404の表示色や点灯パターンの変更などによって表示することができる。
【0074】
宛先の居住者が郵便物着荷表示404の表示などにより郵便物着荷を認識した場合はステップS22~S25の操作が、宅配物着荷を認識した場合はステップS27~S31の操作が行なわれる。
【0075】
この操作例では、郵便物の着荷の場合は、ステップS20のID情報提示にしたがって、制御回路600は直ちに居住者の郵便受211をポップアップ開錠(扉2117の電気錠を開き、これにより扉2117をわずかに開いた状態とする)する。居住者は、郵便物着荷を認識した場合はステップS22において、自分の郵便受211のポップアップ開錠を確認し、ステップS23において扉2117を開き、ステップS24で郵便物を取り出し、ステップS25で扉2117を閉じる。
【0076】
一方、宅配物着荷を認識した場合はステップS27~S31の操作が行なわれる。この制御例では、再度ICカードなどのID情報を提示(ステップS27)し、表示部およびタッチパネル501の受け取りボタンをタッチ(ステップS28)する操作(あるいはさらに他の暗証情報の手動入力などをこの段階で介在させることもできる)を行なって初めて該当の物品収容ボックス111を開錠するようにしているが、上述の郵便物の場合と同様にステップS27、S28のような操作なしに直ちに該当の物品収容ボックス111をポップアップ開錠してもよい。
【0077】
居住者は、該当の物品収容ボックス111のポップアップ開錠を確認したら(ステップS29)、扉(1117)を開き(ステップS30)、宅配物を取り出し(ステップS31)、物品収容ボックス111の扉(1117)を閉じる。」
(オ)「【0088】
図12のステップS43では、物品(宅配物または郵便物)受け取りの最初の操作である、居住者のICカードなどのID情報の提示を待つ(図10のステップS20に対応)。なお、ICカードなどのID情報の提示は、制御タワー500a、表示部およびタッチパネル501のいずれから受け付けてもよい。
【0089】
ステップS43で、居住者のICカードなどのID情報の提示が行なわれると、ステップS44で、この受取操作に関して参照すべき受取中フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここでは、上述のように同一のボックス(筐体)100に含まれる収受ユニットの受取操作を禁止する受取中フラグをボックス(筐体)100について1つ設けられるものとするが、まず、提示された居住者のID情報から着荷中の宅配物ないし郵便物の存在する収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)を特定し、その収受ユニットが含まれるボックス100の受取中フラグを求めることによってこの受取操作に関して参照すべき受取中フラグが決定される。なお、近接する収受ユニットの受取操作を禁止するような制御を行なう場合には、着荷中の宅配物ないし郵便物の存在する収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)に上記の種々の条件を満たして近接する特定ブロックごとに1つ設けられた受取中フラグ、などが参照される。
【0090】
ステップS44で受取中フラグがオンの場合には、ステップS45で「他の方が受け取り操作中です、お待ちください」などといった表示を表示部およびタッチパネル501で行ない、ステップS44、S45をループすることにより待機する。
【0091】
ステップS44で、受取中フラグがオンの状態でなければ(あるいは受取中フラグがオフになると)制御はステップS46に進み、ここで、当該の受取操作が進行中であることを示すために受取中フラグをオンにする。このステップS46によって、受取操作が開始された収受ユニットと同一のボックス100に含まれる別の収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)の受取操作が禁止される。なお、近接する収受ユニットの受取操作を禁止するような制御を行なう場合には、たとえば上記の種々の条件を満たして近接する特定ブロックごとに1つ設けられた受取中フラグをオンに制御する。
【0092】
ステップS47では、ステップS43でICカードなどのID情報の提示が行なわれた宛先の居住者に対応する部屋番号の郵便受に対して郵便物の着荷があるか否かを判定する。郵便物収受の際に図11の制御を行なっているものとすれば、この判定は、既にステップS34で郵便物収受を行なった郵便受211の部屋番号が記録されており、この情報を参照することにより可能であるが、あるいはこの段階で該当の郵便受211の郵便物センサ622(6221)を用いて郵便物の有無を検出してもよい。
【0093】
該当の郵便受211に郵便物が存在する場合には、ステップS48で郵便物あり、の表示を行ない(郵便物着荷表示404や表示部およびタッチパネル501を用いる)、ステップS49で該当の郵便受211を開錠(ポップアップ開錠)し、受取操作(図10ではステップS22~S25に該当)を実行させ、再度その扉(2117)が閉じられる(この操作によりその扉は施錠されるものとする)のを確認する。
【0094】
ステップS50では、ステップS43でICカードなどのID情報の提示が行なわれた宛先の居住者に対する宅配物の着荷があるか否かを判定する。宅配物収受の際に図11の制御を行なっているものとすれば、この判定は、既にステップS42で宅配物収受を行なった物品収容ボックス111と、宛先の部屋番号の情報が記録されており、この情報を参照することにより可能である。
【0095】
ID情報を提示した居住者を宛先とする宅配物が存在する場合には、ステップS51で郵便物あり、の表示を行ない(郵便物着荷表示404と類似の表示、あるいは、表示部およびタッチパネル501を用いる)、ステップS52で該当の物品収容ボックス111を開錠(ポップアップ開錠)し、受取操作(図10ではステップS27~S32に該当)を実行させ、再度その扉(1117)が閉じられる(この操作によりその扉は施錠されるものとする)のを確認する。」
「【図10】
[図:0001382172000001.jpg]
」
(カ)「【図12】
[図:0001382172000002.jpg]
」
上記記載事項を総合し、本件補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用文献2には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
〔引用発明〕
「電気錠により施錠可能な複数の物品収容ボックスやその取り出し口を電気錠を介して施錠可能である複数の郵便受を含む物品収納装置であって、
前記物品収容ボックスとして、
公共側の扉には、郵便物が投函される投函口2111、2112が配置され、配達された郵便物を収容し、特定の宛先に対応づけられて配置される郵便受211と、
配達人が宅配物を収容する物品収納ボックス111を選択し、そのボックスに配達された宅配物を収容する物品収容ボックス111とを有し、
居住者のICカードなどのID情報の提示が行なわれると、ID情報の提示が行なわれた宛先の居住者に対応する部屋番号の郵便受に対して郵便物の着荷があるか否かを判定し、該当の郵便受211に郵便物が存在する場合には、該当の郵便受211を開錠し、その扉が施錠されたことを確認し、居住者を宛先とする宅配物が存在する場合には、宅配物あり、の表示を行ない、
物品収容ボックス111を開錠する、
物品収納装置。」
イ 引用文献1
原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願日前に頒布された特開2010-172395号公報(以下「引用文献1」という。)には、「物品収納装置」に関して、以下の事項が記載されている。
(ア)「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来では、宅配ボックスと郵便ポストは特に集合住宅のエントランス付近などに殆ど同じ位置に共有物として設置されているにもかかわらず、独立して機能していた。
【0008】
特に、郵便受は居住者各戸に専用に準備され、部屋番号、個人名などが郵便受けに名札、もしくは印刷で入居者の個人個人がわかるようにされており且つ位置も決まっている。
【0009】
一方、宅配ボックスは、物品収容ボックスを複数含むものであっても、宅配物の荷物の大きさがさまざまであることと、宅配便が少ないことと、スペースの有効利用のため、居住者各戸に専有的に配置されないことも多い。その場合、例えば、荷物の大きさと共有ボックスの空き状況に応じて、宅配物を配達する宅配業者がその都度宅配物を収容する物品収容ボックスを選択して入庫した後、居住者は専用のIDカードなどを用いて該当の宅配物を出庫する、といったように、物品収容ボックスの1つは共有的に使用される。
【0010】
このように宅配ボックスの物品収容ボックスを共有的に使用する設置形態は、スペースの効率的な利用には役立つが、宅配業者にとっては部屋番号などの押し間違いなど誤って別の部屋番号で入庫してしまい、管理人などを介して非常的にボックスの扉を開錠しなければならなくなるような事態が生じることがある。
【0011】
また、入居者にとっても郵便物と宅配物を取り出す時に、それぞれ郵便ポストと宅配ボックスの位置に移動して出庫作業を行なわなければならず、特に高齢者などには負担が大きい。
【0012】
最近、宅配便も各種サービスが充実し、使用頻度も増加すると共に書籍など荷物の小型化が進んでいる、という状況も見受けられ、そのために、宅配ボックスの物品収容ボックスを共有化するメリットよりも共有使用形態によって生じる不便さが目立つようになってきている。
【0013】
そこで、郵便ポストの郵便受と同様に宅配ボックスの物品収容ボックスを個々の居住者各戸に割り当てることも考えられ、その場合、郵便ポストの郵便受と宅配ボックスの物品収容ボックスを隣接して配置することによって、郵便受と物品収容ボックス双方からの出庫の際の利便性を向上させることができる、と考えられる。しかしながら、この構成では、居住者1所帯に割り当てることができる物品収容ボックスのサイズをそれほど大きくできないために、大型の宅配物を受け取るための各戸割り当ての物品収容ボックスの他に、比較的大型な物品収容ボックスも配置する必要があると考えられる。
【0014】
さらに、このように、居住者各々に割り当てられる郵便受と物品収容ボックスの他に、大型の宅配物を受け取るための比較的大型な物品収容ボックスを配置する構成においては、居住者専有の物品収容ボックスと、(おそらくは共有的に使用する)比較的大型な物品収容ボックスを用いた宅配物の入庫および出庫を居住者が戸惑うことなく容易かつスムーズに行なえなければならない。
【0015】
本発明の課題は上記の問題点を解決し、郵便ポストの郵便受と宅配ボックスの物品収容ボックスを個々の居住者各戸に割り当てて配置することにより郵便受と物品収容ボックス双方からの出庫の際の利便性を向上でき、また、居住者専有の物品収容ボックスと比較的大型な物品収容ボックスを用いて種々の大きさの宅配物に対応し、またその場合の宅配物の入庫および出庫を居住者が戸惑うことなく容易かつスムーズに行なえるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本発明においては、宅配物または郵便物の集受に用いられる物品収受装置において、配達された宅配物を収容するとともに電気錠により施錠可能な物品収容ボックスと、配達された郵便物を収容する郵便受とを有し、前記物品収容ボックスが共に特定の宛先に対応づけられて隣接して配置される構成を採用した。
【0017】
あるいはさらに、特定の宛先に対応づけられる前記物品収容ボックスとは別に、複数の宛先で共有使用される共有物品収容ボックスが配置される構成を採用した。」
上記記載事項及び図面の図示内容を総合し、本件補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用文献1には以下の事項(以下「引用文献1記載事項」という。)が記載されている。
〔引用文献1記載事項〕
「郵便ポストの郵便受と宅配ボックスの物品収容ボックスを個々の居住者各戸に割り当てて配置することにより郵便受と物品収容ボックス双方からの出庫の際の利便性を向上でき、また、居住者専有の物品収容ボックスと比較的大型な物品収容ボックスを用いて種々の大きさの宅配物に対応し、またその場合の宅配物の入庫および出庫を居住者が戸惑うことなく容易かつスムーズに行なえるようにするために、
宅配物または郵便物の集受に用いられる物品収受装置において、
配達された宅配物を収容するとともに電気錠により施錠可能な物品収容ボックスと、
配達された郵便物を収容する郵便受とを有し、前記物品収容ボックスが共に特定の宛先に対応づけられて隣接して配置され、
さらに、特定の宛先に対応づけられる前記物品収容ボックスとは別に、複数の宛先で共有使用される共有物品収容ボックスが配置されること。」
ウ 引用文献3
原査定の拒絶理由に引用され、本願の出願日前に頒布された特開2000-197557号公報(以下「引用文献3」という。)には、「宅配ボックス装置の作動制御方法」に関して、以下の事項が記載されている。
(ア)「【0029】次に、預入された荷物を居住人が受取る場合を、図1~図3及び図10と図11から説明する。先ず、居住人がポストに入っているお届け票を確認し、荷物が届いていることを知る。その後、居住人は宅配ボックス装置Aに向かい、(図3の)メインメニューの画面12の「受取り」の表示部15を押す(入力する)。すると、画面12が図10(イ)の状態に移り、居住人はテンキーの表示部15にて住戸番号を入力すると共に、画面12が図10(ロ)の状態に移り、暗証番号を入力する。
【0030】すると、図10(ハ)に示す如く、荷物の入ったボックス番号が表示されるので、「確認」の表示部15を押すことにより、届け先に対応した荷物用ボックス1aの扉4のロックが解除されると共に、画面12は図10(ニ)に示す如く操作案内を表示する。
【0031】その後、居住人はロック解除された扉4を開けてボックス1a内から荷物を取出し、再び扉4を閉める。なお、扉4を開けず、所定時間(例えば30秒間)経過すると、自動的に扉4がロックされる。また、開けた扉4が閉められず、所定時間(例えば30秒間)経過すると、「扉を閉めて下さい」と注意を促す操作案内が画面12に表示される(図示省略)。
【0032】扉4を閉めた後、他の荷物用ボックス1aに荷物が無い場合、画面12は図10(ホ)の最終画面に移り、受取りが終了するが、他の荷物用ボックス1aに荷物が有る場合、画面12には図10(ヘ)に示す操作案内が表示される。そして、居住人が「確認」の表示部15を押せば、画面12は図10(ハ)の状態に移り、上述で説明した操作を繰り返して行うことにより上記他のボックス1aが開き、荷物を取出すことができる。なお、その後、さらに他のボックス1aに荷物が無ければ受取りは終了し、荷物が有れば上述と同様にして受取り操作を繰り返す。
【0033】つまり、操作制御部3側から簡単に説明すると、図1と図2に示すように、居住人が操作案内表示手段6にて操作し、それによって受取開始信号が制御手段5に入力されると、制御手段5からの信号で記憶手段7に記憶された荷物用ボックス1aの扉4のロックが解除され、その後、荷物を取出して扉4を閉めるとロックされ、他のボックスに荷物が無ければ受取り操作は終了し、他のボックス1aに荷物が有ればそのボックス1aの扉4のロックが解除され、荷物を取出すことができる。なお、荷物を取出さなければ、受取りはなかったものと判定される。」
(イ)「【図10】
[図:0001382172000003.jpg]
」
(ウ)「【図11】
[図:0001382172000004.jpg]
」
(エ)上記(ア)ないし(ウ)から、他の荷物用ボックス1aに荷物がある場合、「確認」の表示部15を押すことにより、暗証番号の再入力なしで、他のボックス1aのロックが解除されることは明らかである。
(オ)上記(ア)及び(ウ)【図11】の(ヘ)から、他の荷物用ボックス1aに荷物がある場合、「中止」の表示部15を押すことにより、受け取りを中止できることは明らかである。
上記記載事項及び図面の図示内容を総合し、本件補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用文献3には以下の事項(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。
〔引用文献3記載事項〕
「宅配ボックス装置Aにおいて、暗証番号が入力されると、荷物の入ったボックス番号が表示されるので、「確認」の表示部15を押すことにより、届け先に対応した荷物用ボックス1aの扉4のロックが解除され、他の荷物用ボックス1aに荷物が有る場合、暗証番号を再入力することなしで、「確認」の表示部15を押すことにより、他のボックス1aのロックが解除され、または、「中止」の表示部15を押すことにより、受け取りを中止できること。」
(3)対比・判断
ア 一致点、相違点
本件補正発明と引用発明とを対比すると、後者の「電気錠により施錠可能な複数の物品収容ボックスやその取り出し口を電気錠を介して施錠可能である複数の郵便受を含む物品収納装置」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、前者の「物品を収納する施錠可能な収納ボックスを複数有する収納装置」に相当し、以下同様に、「物品収容ボックス」は「収納ボックス」に、「公共側の扉には、郵便物が投函される投函口2111、2112が配置され、配達された郵便物を収容し、特定の宛先に対応づけられて配置される郵便受211」は「ユーザ又は該ユーザのグループ専用の収納ボックスであって、郵便物等の物品を投函可能な開口部である投函口を備え、該投函口から投函される物品を収納する郵便ボックス」に、「配達人が宅配物を収容する物品収納ボックス111を選択し、そのボックスに配達された宅配物を収容する物品収容ボックス111」は「ユーザ又は該ユーザのグループが他者と共用可能な収納ボックスであって、宅配物等を収納する共用宅配ボックス」に、「居住者のICカードなどのID情報の提示が行なわれると、ID情報の提示が行なわれた宛先の居住者に対応する部屋番号の郵便受に対して郵便物の着荷があるか否かを判定し、該当の郵便受211に郵便物が存在する場合には、該当の郵便受211を開錠し」は「認証情報が入力されると、前記郵便ボックスを解錠し」に、「その扉が施錠されたことを確認し、居住者を宛先とする宅配物が存在する場合には、宅配物あり、の表示を行ない」は「該郵便ボックスが施錠後に、ユーザ又は該ユーザのグループの他のユーザ宛の物品が前記共用宅配ボックスに入庫されていると判断された場合、該入庫されていることを表示し」に、「物品収容ボックス111を開錠する」は「共用宅配ボックスを解錠し」に、それぞれ相当する。
よって、両者の一致点及び相違点は、次のとおりである。
〔一致点〕
「物品を収納する施錠可能な収納ボックスを複数有する収納装置であって、
前記収納ボックスとして、
ユーザ又は該ユーザのグループ専用の収納ボックスであって、郵便物等の物品を投函可能な開口部である投函口を備え、該投函口から投函される物品を収納する郵便ボックスと、
ユーザ又は該ユーザのグループが他者と共用可能な収納ボックスであって、宅配物等を収納する共用宅配ボックスとを有し、
認証情報が入力されると、前記郵便ボックスを解錠し、該郵便ボックスが施錠後に、ユーザ又は該ユーザのグループの他のユーザ宛の物品が前記共用宅配ボックスに入庫されていると判断された場合、該入庫されていることを表示し、
共用宅配ボックスを解錠する収納装置。」
〔相違点1〕
本件補正発明は、「ユーザ又は該ユーザのグループ専用の収納ボックスであって、宅配物等を収納する専用宅配ボックス」を有するのに対し、引用発明は、それを有していない点。
〔相違点2〕
共用宅配ボックスの解錠について、本件補正発明は、「解錠を要求する旨の情報が入力されると、前記認証情報の再入力なしで、前記郵便ボックスの解錠に用いられた認証情報に基づいて、」共用宅配ボックスを解錠し、「解錠を要求しない旨の情報が入力、又は前記解錠を要求する旨の情報が入力されないまま所定時間経過すると、前記共用宅配ボックスを解錠しないように制御する」のに対し、引用発明は、そのようになっていない点。
イ 相違点1についての判断
引用発明は郵便受と物品収容ボックスからなる物品収納装置であるから、郵便受と物品収容ボックス双方からの出庫の際の利便性の向上、種々の大きさの宅配物への対応、またその場合の宅配物の入庫および出庫を居住者が戸惑うことなく容易かつスムーズに行なえるようにするという課題を有している。
よって、引用発明において、引用文献1記載事項の個々の居住者各戸に割り当てる物品収容ボックスを付加して、本件補正発明の相違点1に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 相違点2についての判断
引用文献3記載事項の「荷物用ボックス」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件補正発明の「共用宅配ボックス」に相当し、以下同様に、「「確認」の表示部15を押すことにより」は「解錠を要求する旨の情報が入力されると」に、「暗証番号」は「認証情報」に、「ロックが解除され」は「解錠し」に、それぞれ相当する。
また、引用文献3記載事項において、「暗証番号を再入力することなし」に、「他のボックス1aのロックが解除され」る制御は、先にロック解除された「荷物用配ボックス1a」のロック解除に用いられた暗証番号に基づいて行われることは、引用文献3の【図11】及び技術常識から明らかである。
さらに、引用文献3記載事項の「「中止」の表示部15を押すことにより、受け取りを中止できること」は、受け取りを中止した場合、荷物用ボックス1aのロックを解除しないように制御することが当然であるから、本件補正発明の「解錠を要求しない旨の情報が入力、又は前記解錠を要求する旨の情報が入力されないまま所定時間経過すると、前記共用宅配ボックスを解錠しないように制御すること」という発明特定事項の意味を本願発明の詳細な説明の段落【0067】を参酌して解釈すると、その発明特定事項に相当する。
してみれば、引用発明3記載事項は、「共用宅配ボックスの扉を閉めた後、他の共用宅配ボックスに荷物が有る場合、解錠を要求する旨の情報が入力されると、認証情報の再入力なしで、共用宅配ボックスの解錠に用いられた認証情報に基づいて、他の共用宅配ボックスを解錠し、解錠を要求しない旨の情報が入力、又は前記解錠を要求する旨の情報が入力されないまま所定時間経過すると、前記共用宅配ボックスを解錠しないように制御すること」と表現できる事項である。
一方、引用文献2の段落【0076】には、共用宅配ボックスの解錠については、「再度ICカードなどのID情報を提示し、表示部およびタッチパネル501の受け取りボタンをタッチする操作を行なって」解錠するものと、「操作なしに」解錠するものとが記載されているが、解錠の具体的手順は、ユーザーの利便性を考えて適宜設計し得るものであることは当業者にとって明らかである。
そして、引用発明において「再度ICカードなどのID情報を提示し、表示部およびタッチパネル501の受け取りボタンをタッチする操作を行なって」解錠するものが安全性に優れ、「操作なしに」解錠するものが操作性に優れていることは技術常識である。よって、引用発明において、安全性と操作性を両立させるために、引用文献3記載事項を参酌して共用宅配ボックスの解錠の具体的手順を「ID情報を再入力することなしで、「確認」の表示部15を押すことにより、他のボックス1aのロックが解除」するとともに「「中止」の表示部15を押すことにより、受け取りを中止できる」ようにすることで、本件補正発明の相違点2に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。
エ 効果について
本件補正発明は、全体としてみても、引用発明、引用文献1記載事項及び引用文献3記載事項から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。
オ 審判請求書における主張について
請求人は、審判請求書において、次のように主張しているので、以下検討する。
「引用発明3では、あくまでも、ユーザ(居住者)宛の荷物が複数の共用宅配ボックスに収納されている場合に、2つ目以降を解錠する際には、認証情報の入力が不要であるというものである。
つまり、引用発明3は、同じ種類の収納手段(共用宅配ボックス)に複数の荷物が収納されている場合に、認証情報の再入力を省略可能とするものである。
これに対し、本願発明(請求項1)は、郵便ボックスの解錠・施錠後に、ユーザ宛の物品等が共用宅配ボックスに入庫されていると判断された場合、その入庫を表示し、解錠を要求する旨の情報が入力されると、認証情報の再入力なしで、郵便ボックスの解錠に用いられた認証情報に基づいて、共用宅配ボックスを解錠するというものである。
すなわち、本願発明(請求項1)は、異なる種類の収納手段(郵便ボックス・共用宅配ボックス)にそれぞれ荷物が収納されている場合に、認証情報の再入力を省略可能とするものであり、同じ種類の複数の収納手段を解錠する際に、認証情報の再入力を不要とするものではない。
この点、本願発明(請求項1)は、引用発明3と著しく相違している。」
しかしながら、引用文献2の段落【0076】には、共用宅配ボックスの解錠について、「操作なしに」解錠するものも記載されているから、異なる種類の収納手段にそれぞれ荷物が収納されている場合に、認証情報(ID情報)の再入力を省略可能とするという技術思想は引用文献2に記載されている。そして、上記ウで述べたとおり、引用発明においてさらに安全性と操作性を両立するために、共用宅配ボックスの解錠の具体的手段を引用文献3記載事項を参酌して、「確認」の表示部を押すこと、すなわち、解錠を要求する旨の情報が入力されると、物品収納ボックス111を解錠することは当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、本件補正発明は、引用発明、引用文献1記載事項及び引用文献3記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。
3 むすび
上記のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和2年4月10日の手続補正書により補正された請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであって、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、第2 [理由] 1(1)に記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶理由の概要
原査定の拒絶理由の概要は以下のとおりである。
(進歩性)本願の下記の請求項に係る発明は、その出願日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前に発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1
・引用文献等 1-3
<引用文献等一覧>
1.特開2010-172395号公報
2.特開2010-115264号公報
3.特開2000-197557号公報
3 引用文献1ないし3、引用発明、引用文献1記載事項及び引用文献3記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし3、引用発明、引用文献1記載事項及び引用文献3記載事項は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2[理由]2で検討した本件補正発明における「共用宅配ボックスを解錠し」に関して、「前記郵便ボックスの解錠に用いられた認証情報に基づいて、」という限定を省いたものに相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]2(3)に記載したとおり、引用発明、引用文献1記載事項及び引用文献3記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も実質的に同様の理由により、引用発明、引用文献1記載事項及び引用文献3記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-001507