2021-000829
情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
- 審判番号
- 2021-000829
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-162004外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年01月20日
- 審決日
- 2022年03月29日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ヤフー株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第50条の2
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成29年9月1日に出願した特願2017-169025号の一部を、平成30年8月30日に新たな特許出願としたものであって、令和2年3月9日付けで特許法第50条の2の通知を伴う拒絶理由通知がされ、同年5月15日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年10月15日付けで同年5月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定がされるとともに拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和3年1月20日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、同年4月9日に前置報告がされたものである。
第2 原査定及び前置報告の概要
1 原査定(令和2年10月15日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1~10に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
2 前置報告(令和3年4月9日)の概要は次のとおりである。
本願請求項1~10に係る発明は、以下の引用文献1~3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 本願発明
本願請求項1~10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明10」という。)は、令和3年1月20日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定される発明であって、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】所定の第1サービスとは異なる第2サービスを介して取得された複数の第2ユーザ情報を含む第2ユーザ情報群の情報を前記第2サービスの提供者から取得するとともに、前記第1サービスおよび前記第2サービスとは異なる第3サービスを介して取得された複数の第3ユーザ情報を含む第3ユーザ情報群の情報を前記第3サービスの提供者から取得する情報取得部と、前記第1サービスを介して取得された第1ユーザ情報であって、前記第2ユーザ情報および前記第3ユーザ情報よりも情報量が多い第1ユーザ情報と前記第2ユーザ情報とを紐付け、かつ前記第1ユーザ情報と前記第3ユーザ情報とを紐付ける第1紐付部と、前記第1紐付部による紐付け結果に基づいて、前記第2ユーザ情報と前記第3ユーザ情報とを紐付ける第2紐付部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。」
本願発明2~8は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明9は、本願発明1の情報処理装置の発明に対応する情報処理方法の発明であり、本願発明1とはカテゴリ表現が異なるのみの発明である。
本願発明10は、本願発明1の情報処理装置の発明に対応する情報処理プログラムの発明である。
第4 引用文献、引用発明
1 引用文献1
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付した。引用文献2、3についても同様。)
「【0001】この発明は、名寄せ処理プログラム、名寄せ処理方法、および名寄せ処理装置に関する。【背景技術】【0002】従来、金融機関において複数口座を所有する預金者の同一性を確認する名寄せが公知である。広義に解釈して、名寄せは、企業合併などにより企業内データを統合する場合や、重複する顧客情報などを統合または削除する場合に、データベースに蓄積されたデータ群の中から統合または削除可能なデータを特定することも含まれる。」
「【0024】(データ運用方法)つぎに、データベースから取得したデータを名寄せするときのデータ運用方法について、図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1にかかるデータ運用方法の一例を示す説明図である。まず、名寄せ処理装置200は、データベース211にアクセスし、たとえば、データベース211に記憶された整理対象のデータ群(以下、整理対象データ群とする)201の中からデータを取り出し、名寄せ候補となるデータを抽出する。【0025】具体的には、たとえば、名寄せ処理装置200は、整理対象データ群201の中から、名寄せされるデータ(名寄せ元データ)と、名寄せ元データの照合先となるデータ(名寄せ先データ)を抽出する。抽出されたデータは、たとえばレコード(以下、名寄せ候補レコードとする)単位で記憶され、1テーブルにまとまられたデータ(以下、名寄せ候補データとする)202として出力される。」
「【0028】また、名寄せとは、整理対象データ群の中の1つ以上の整理対象データを、1つの整理対象データに関連付けることである。たとえば、「株式会社○○」,「株式会社 ○○」,「(株)○○」,「株○○」が同一の会社名である場合、これら会社名をあらわす文字列を、たとえば「株式会社○○」に関連付けることである。また、「東京」,「とうきょう」,「トウキョウ(全角文字列)」,「トウキョウ(半角文字列)」「Tokyo」が同一の地名である場合、これら地名をあらわす文字列を、たとえば「東京」に関連付けることである。【0029】また、名寄せは、たとえば文字列の類似度数に基づいて、コンピュータによって処理されてもよいし、文字列が類似しているか否かによらず、作業者の入力によって処理されてもよい。【0030】名寄せ候補レコードは、たとえば名寄せ元データの識別記号(以下、名寄せ元IDとする)と、名寄せ先データの識別記号(名寄せ先IDとする)から構成される。また、名寄せ候補レコードには、名寄せ元データと名寄せ先データの比較結果が記憶されていてもよい。また、名寄せ元データを照合する名寄せ先データが抽出されない場合、この名寄せ元データに対応する名寄せ候補レコードは作成されなくてもよい。【0031】比較結果とは、名寄せ元データと名寄せ先データを比較するための情報であり、名寄せ元データと名寄せ先データが類似している度合いを示す度数(以下、類似度数とする)であってもよいし、名寄せ元データと名寄せ先データが相違している度合いを示す度数(以下、相違度数とする)であってもよい。」
「【0034】ついで、名寄せ処理装置200は、複数の名寄せ候補レコードに記憶された情報に基づいて、名寄せ元データと名寄せ先データが名寄せしあう組み合わせか否かを決定する。名寄せしあう組み合わせか否かを決定する詳細な方法の説明は、後述する。【0035】名寄せ処理装置200により決定された結果は、たとえば決定結果データ203に書き込まれる。決定結果データ203は、たとえば、名寄せ候補データ202に決定結果が書き込まれたデータである。名寄せ候補データ202および決定結果データ203は、たとえばデータベース211などに記憶されてもよい。【0036】名寄せ元データの照合先は、名寄せ元データ自身であってもよい。つまり、名寄せ元データおよび名寄せ先データは、ともに整理対象データ群201の中から指定されてもよい。また、名寄せ元データの照合先は、たとえば整理対象データ群201のマスターデータであってもよい。つまり、名寄せ元データおよび名寄せ先データは、異なるデータ群の中からそれぞれ指定されてもよい。【0037】ついで、名寄せ処理装置200は、決定結果データ203に基づいて、一般的なデータ統合装置212の入力形式に対応した名寄せ結果データ204を作成する。具体的には、たとえば、名寄せ処理装置200は、1つ以上の名寄せ元データに対して1つの名寄せ先データが関連付けられたレコードを、名寄せ結果データ204として出力する。」
「【0039】(名寄せ処理装置の機能的構成)つぎに、実施の形態1にかかる名寄せ処理装置の機能的構成について説明する。図3は、実施の形態1にかかる名寄せ処理装置の機能的構成を示すブロック図である。名寄せ処理装置300は、指定部301と、特定部302と、決定部303と、統合部304と、出力部305と、を含む構成である。この制御部となる機能(指定部301~出力部305)は、具体的には、たとえば、図1に示したROM102、RAM103、磁気ディスク105、光ディスク107などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU101に実行させることにより、または、I/F109により、その機能を実現する。【0040】続きを表示(全23行)指定部301は、データ群の中から、名寄せしあう第1のデータおよび第2のデータを指定する機能を有する。具体的には、たとえば、指定部301は、データベースDBに記憶された整理対象データ群の中から、名寄せ元データ(または名寄せ先データ)と名寄せしあう可能性のあるデータの組み合わせを指定する。【0041】特定部302は、データ群の中から、指定部301によって指定された第1のデータと名寄せしあう第3のデータを特定する機能を有する。また、特定部302は、データ群の中から、指定部301によって指定された第1のデータと名寄せできない第3のデータを特定する機能を有する。【0042】具体的には、たとえば、特定部302は、データベースDBに記憶された整理対象データ群の中から、名寄せ先データ(または名寄せ元データ)と、指定部301によって指定された第1のデータとが名寄せしあうデータの組み合わせであるか、または名寄せできないデータの組み合わせであるかを特定する。【0043】決定部303は、指定部301によって指定された第2のデータと特定部302によって特定された第3のデータを、名寄せしあうデータの組み合わせに決定する機能を有する。具体的には、たとえば、決定部303は、名寄せ元データと名寄せ先データを名寄せしあうデータの組み合わせに決定する(以下、第1の決定方法とする)。【0044】決定部303により決定された決定結果は、たとえば名寄せ候補レコードの決定結果に記憶される。なお、決定されたデータは、RAM103、磁気ディスク105、光ディスク107などの記憶領域に記憶される。図4は、実施の形態1にかかる名寄せ処理の一例を示す説明図である。【0045】具体的には、たとえば、名寄せ元データおよび名寄せ先データ以外のデータの名寄せ元/先ID=1、名寄せ元ID=2、名寄せ先ID=3としたときに、名寄せ候補レコード(名寄せ元ID,名寄せ先ID)=名寄せ候補レコード(2,3)の決定結果が○(マル)または×(バツ)になる一例について、図4を参照して説明する。【0046】ここで、決定結果○は、2つのデータが名寄せしあうデータの組み合わせであることを意味し、決定結果×は、2つのデータが名寄せできないデータの組み合わせであることを意味する。まず、名寄せ候補レコード(2,3)の決定結果が○になる一例について説明する。【0047】指定部301は、たとえば名寄せ元ID=2の名寄せ候補レコードの中から、名寄せ元データと名寄せしあう第1のデータX1を指定する。具体的には、指定部301は、決定結果が○である名寄せ候補レコード(2,1)を第1のデータX1として指定する。また、指定部301は、名寄せ候補レコード(1,2)の決定結果が○であることにより、指定するデータを第1のデータX1としてもよい。つまり、第1のデータX1と第2のデータX2は、名寄せしあうデータの組み合わせであり、第1のデータX1と第2のデータX2の決定結果a12は○である(図4-(a)参照)。【0048】さらに、特定部302は、たとえば名寄せ先ID=3の名寄せ候補レコードの中から、名寄せ先データと第1のデータX1が名寄せしあうデータの組み合わせであることを特定する。具体的には、特定部302は、名寄せ候補レコード(1,3)の決定結果が○であることを特定する。また、特定部302は、名寄せ候補レコード(3,1)の決定結果が○であることを特定してもよい。つまり、第1のデータX1と第3のデータX3は、名寄せしあうデータの組み合わせであり、第1のデータX1と第3のデータX3の決定結果a13は○である(図4-(b)参照)。【0049】決定結果a12=○であり、かつ決定結果a13=○であることにより、決定部303は、第2のデータX2と第3のデータX3の決定結果a23を○に決定する(図4-(c)参照)。具体的には、決定部303は、名寄せ候補レコード(2,3)の決定結果を○にする。つまり、第2,3のデータにそれぞれ共通する第1のデータX1の決定結果a12,a13が○であることにより、第2のデータX2と第3のデータX3の決定結果a23は一意に○に決定される。」
「【0056】図5において、名寄せ候補レコードは、名寄せ元IDおよび名寄せ先IDから構成される。名寄せ候補レコード(名寄せ元ID,名寄せ先ID)には、たとえば類似度数、作業者により書き込まれた決定結果(初期条件に中黒の星印★の書き込まれたレコード)、および名寄せ元グループなど名寄せ処理に用いる主要なデータがそれぞれ書き込まれている。図5では、名寄せ候補レコードの主要な部分のみを示す(以下、図6~11,20においても同様)。」
「【0061】たとえば、図12に示すように、名寄せ元/先IDごとに名寄せ元/先データが記憶されたテーブルに、名寄せ元/先IDごとに名寄せ元グループを書き込んでもよいし、図12に示すテーブルとは異なるテーブルに、名寄せ元/先IDごとに名寄せ元グループのみを書き込んでもよい。」
「【0063】決定部303は、名寄せ元データと名寄せ先データの比較結果に基づいて、名寄せ元データと名寄せ先データを名寄せしあうデータの組み合わせに決定してもよい(以下、第2の決定方法とする)。【0064】具体的には、たとえば、類似度数の閾値の上限値を90とし、下限値を30とした場合、決定部303は、名寄せ候補レコードの類似度数が90以上である場合に、この名寄せ候補レコードの決定結果を○に決定する。また、決定部303は、名寄せ候補レコードの類似度数が30以下である場合に、この名寄せ候補レコードの決定結果を×に決定する。図6~図11は、実施の形態1にかかる名寄せ処理中の名寄せ候補レコードの一例を示す説明図である。」
「【0103】実施の形態1によれば、作業者による名寄せ作業の工数を軽減することができる。これにより、作業者のミスにより、誤った名寄せ結果が作成されることを回避することができる。また、名寄せしあう組み合わせのデータ、および名寄せすることができない組み合わせのデータを正確に特定することができる。これにより、名寄せ結果に矛盾が生じることを防止することができる。」
「【図2】[図:0001383697000001.jpg]」
「【図3】[図:0001383697000002.jpg]」
「【図4】[図:0001383697000003.jpg]」
「【図5】[図:0001383697000004.jpg]」
「【図12】[図:0001383697000005.jpg]」
(2)上記(1)によると、引用文献1には以下のことが記載されているといえる。
ア 段落【0001】~【0002】、【0028】には、「整理対象データ群の中の1つ以上の整理対象データを、1つの整理対象データに関連付ける」「名寄せ」を行う「名寄せ処理装置」に関する発明であって、「名寄せ」が「金融機関において複数口座を所有する預金者の同一性を確認」したり、「企業合併などにより企業内データを統合する場合や、重複する顧客情報などを統合または削除する場合に、データベースに蓄積されたデータ群の中から統合または削除可能なデータを特定」したりする際に用いられることが記載されている。
イ 段落【0024】~【0025】、【0030】及び図2には、「名寄せ処理装置200」は、「データベース211に記憶された」「整理対象データ群201の中から、名寄せされるデータ(名寄せ元データ)と、名寄せ元データの照合先となるデータ(名寄せ先データ)を抽出」し、抽出されたデータは、「名寄せ元データの識別記号(名寄せ元ID)」と「名寄せ先データの識別記号(名寄せ先ID)」から構成される「名寄せ候補レコードの単位で記憶され、1テーブルにまとまられたデータ(名寄せ候補データ)202として出力され」ることが記載されている。なお、段落【0025】に記載の「1テーブルにまとまられたデータ」は、「1テーブルにまとめられたデータ」の誤記と認める。
ウ 段落【0034】~【0037】には、「名寄せ処理装置200は、複数の名寄せ候補レコードに記憶された情報に基づいて、名寄せ元データと名寄せ先データが名寄せしあう組み合わせか否かを決定」し、決定された結果は、「名寄せ候補データ202に決定結果が書き込まれたデータである」「決定結果データ203に書き込まれ」、「名寄せ処理装置200は、1つ以上の名寄せ元データに対して1つの名寄せ先データが関連付けられたレコードを、名寄せ結果データ204として出力する。」ことが記載されている。
エ 段落【0039】及び図3には、「名寄せ処理装置300は、指定部301と、特定部302と、決定部303と、統合部304と、出力部305と、を含む」ことが記載されている。
オ 段落【0040】、【0046】、【0047】には、「指定部301は、データ群の中から、名寄せしあう第1のデータおよび第2のデータを指定する機能を有」し、「名寄せ元ID=2の名寄せ候補レコードの中から、名寄せ元データと名寄せしあう第1のデータX1を指定する。」こと、また、「決定結果○は、2つのデータが名寄せしあうデータの組み合わせであることを意味し、決定結果×は、2つのデータが名寄せできないデータの組み合わせであることを意味する」としたとき、「名寄せしあうデータの組み合わせ」である「第1のデータX1と第2のデータX2の決定結果a12は○である」ことが記載されている。
カ 段落【0041】、【0048】には、「特定部302は、データ群の中から、指定部301によって指定された第1のデータと名寄せしあう第3のデータを特定する機能を有」し、「名寄せ先ID=3の名寄せ候補レコードの中から、名寄せ先データと第1のデータX1が名寄せしあうデータの組み合わせであることを特定する。」こと、また、「名寄せしあうデータの組み合わせ」である「第1のデータX1と第3のデータX3の決定結果a13は○である」ことが記載されている。
キ 段落【0043】、【0049】には、「決定部303」は、「第1の決定方法」として、「指定部301によって指定された第2のデータと特定部302によって特定された第3のデータを、名寄せしあうデータの組み合わせに決定する機能を有」し、「決定結果a12=○であり、かつ決定結果a13=○であることにより、決定部303は、第2のデータX2と第3のデータX3の決定結果a23を○に決定する」ことが記載されている。
ク 段落【0044】には、「決定部303により決定された決定結果は、」「名寄せ候補レコードの決定結果に記憶され」ることが記載され、段落【0031】、【0056】及び図5には、「名寄せ候補レコードは、名寄せ元IDおよび名寄せ先IDから構成され」、「名寄せ候補レコード(名寄せ元ID,名寄せ先ID)」には、「名寄せ元データと名寄せ先データが類似している度合いを示す度数」である「類似度数」、「決定結果」「がそれぞれ書き込まれ」ることが記載されている。
ケ 段落【0063】~【0064】には、「決定部303」は、「第2の決定方法」として、「名寄せ元データと名寄せ先データの比較結果に基づいて、名寄せ元データと名寄せ先データを名寄せしあうデータの組み合わせに決定」してもよく、「類似度数の閾値の上限値を90」とした場合、「決定部303は、名寄せ候補レコードの類似度数が90以上である場合に、この名寄せ候補レコードの決定結果を○に決定する」ことが記載されている。
また、段落【0061】及び図12には、「名寄せ元/先IDごとに名寄せ元/先データが記憶されたテーブル」が設けられることが記載されており、「名寄せ元/先データ」として、「△△(株)」、「△△株式会社」、「△△ ×○支社」といった会社名や支社名を示す1項目の情報が例示されている。
コ 段落【0103】には、この実施の形態により、「作業者による名寄せ作業の工数を軽減」し、「作業者のミスにより、誤った名寄せ結果が作成されることを回避」したり、「名寄せしあう組み合わせのデータ」「を正確に特定することができ」、「名寄せ結果に矛盾が生じることを防止することができる。」という効果が記載されている。
(3)上記(2)のア~コより、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「整理対象データ群の中の1つ以上の整理対象データを、1つの整理対象データに関連付ける名寄せを行うための名寄せ処理装置であって、金融機関において複数口座を所有する預金者の同一性を確認したり、企業合併などにより企業内データを統合する場合や、重複する顧客情報などを統合または削除する場合に、データベースに蓄積されたデータ群の中から統合または削除可能なデータを特定したりする際に用いられ、名寄せ処理装置200は、データベース211に記憶された整理対象データ群201の中から、名寄せされるデータ(名寄せ元データ)と、名寄せ元データの照合先となるデータ(名寄せ先データ)を抽出し、抽出されたデータは、名寄せ元データの識別記号(名寄せ元ID)と名寄せ先データの識別記号(名寄せ先ID)から構成される名寄せ候補レコードの単位で記憶され、1テーブルにまとめられたデータ(名寄せ候補データ)202として出力され、名寄せ処理装置200は、複数の名寄せ候補レコードに記憶された情報に基づいて、名寄せ元データと名寄せ先データが名寄せしあう組み合わせか否かを決定し、決定された結果は、名寄せ候補データ202に決定結果が書き込まれたデータである決定結果データ203に書き込まれ、名寄せ処理装置200は、1つ以上の名寄せ元データに対して1つの名寄せ先データが関連付けられたレコードを、名寄せ結果データ204として出力するものであり、名寄せ処理装置300は、指定部301と、特定部302と、決定部303と、統合部304と、出力部305と、を含み、指定部301は、データ群の中から、名寄せしあう第1のデータおよび第2のデータを指定する機能を有し、名寄せ元ID=2の名寄せ候補レコードの中から、名寄せ元データと名寄せしあう第1のデータX1を指定するものであり、決定結果○は、2つのデータが名寄せしあうデータの組み合わせであることを意味し、決定結果×は、2つのデータが名寄せできないデータの組み合わせであることを意味するとしたとき、名寄せしあうデータの組み合わせである第1のデータX1と第2のデータX2の決定結果a12は○であり、特定部302は、データ群の中から、指定部301によって指定された第1のデータと名寄せしあう第3のデータを特定する機能を有し、名寄せ先ID=3の名寄せ候補レコードの中から、名寄せ先データと第1のデータX1が名寄せしあうデータの組み合わせであることを特定するものであり、名寄せしあうデータの組み合わせである第1のデータX1と第3のデータX3の決定結果a13は○であり、決定部303は、第1の決定方法として、指定部301によって指定された第2のデータと特定部302によって特定された第3のデータを、名寄せしあうデータの組み合わせに決定する機能を有し、決定結果a12=○であり、かつ決定結果a13=○であることにより、第2のデータX2と第3のデータX3の決定結果a23を○に決定し、決定部303により決定された決定結果は、名寄せ候補レコードの決定結果に記憶され、名寄せ候補レコードは、名寄せ元IDおよび名寄せ先IDから構成され、名寄せ候補レコード(名寄せ元ID,名寄せ先ID)には、名寄せ元データと名寄せ先データが類似している度合いを示す類似度数、決定結果がそれぞれ書き込まれ、決定部303は、第2の決定方法として、名寄せ元データと名寄せ先データの比較結果に基づいて、名寄せ元データと名寄せ先データを名寄せしあうデータの組み合わせに決定してもよく、類似度数の閾値の上限値を90とした場合、名寄せ候補レコードの類似度数が90以上である場合に、この名寄せ候補レコードの決定結果を○に決定し、名寄せ元/先データは、「△△(株)」、「△△株式会社」、「△△ ×○支社」といった会社名や支社名を示す情報であり、名寄せ元/先IDごとに名寄せ元/先データが記憶されたテーブルが設けられ、これにより、作業者による名寄せ作業の工数を軽減し、作業者のミスにより、誤った名寄せ結果が作成されることを回避したり、名寄せしあう組み合わせのデータを正確に特定することができ、名寄せ結果に矛盾が生じることを防止することができる、名寄せ処理装置。」
2 引用文献2
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0006】また、ユーザの同一性を判定することは、審査以外の用途においても、サービス提供者にとって有用である。例えば、サービス提供者は、提供しているサービスにおいて、複数の異なるアカウントを用いて出品を行う業者や、複数のアカウントを利用しているユーザを同一人と特定し、利用者を正確に把握したり、提供する情報やサービスを一元化できたりすることが望ましい。【0007】本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ネットワークを利用するユーザの同一性を高い精度で判定することができる名寄せ装置、名寄せ方法及び名寄せプログラムを提供することを目的とする。」
「【0020】ブラウザ情報とは、名寄せ装置100にアクセスする際に、各ユーザ端末のブラウザから送信されるHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストに基づいて取得可能な情報をいう。例えば、ブラウザ情報は、HTTPヘッダが示す情報であり、かかる情報には複数の項目が含まれる。具体的には、名寄せ装置100は、アクセス日時や、各ユーザ端末のOS(Operating System)の種類やバージョン、ブラウザの種類やバージョン、ブラウザに含まれるプラグイン(plug-in)、クッキー(cookie)、HTTPリファラ(HTTP referer)、ルータなどの通信機器及びプロキシ(proxy)サーバなどの通信経路を示す情報である経路情報など、各項目に対応する情報を取得する。また、名寄せ装置100は、各ユーザ端末からHTTPリクエストが送信された時間と、HTTPリクエストが名寄せ装置100により受信された時間との時差である時差情報などを取得する。また、名寄せ装置100は、取得可能な場合には、各ユーザ端末を識別する情報である端末識別情報(例えば、ユーザ端末101~103に予め付与される固有IDなど)を取得する。すなわち、名寄せ装置100は、アクセスに際して、アカウントなどのユーザが容易に変更可能な情報のみならず、ユーザが容易に変更することが困難である項目を含んだブラウザ情報を取得する。これにより、名寄せ装置100は、アカウントや端末を変更するといったユーザの動向による影響を抑えて、名寄せ処理を実行することができる。【0021】名寄せ装置100は、ステップS11~14における各アクセスにおいて取得されたブラウザ情報に基づいて、各々のブラウザ情報の類似度を判定する処理を行う(ステップS15)。例えば、名寄せ装置100は、ブラウザ情報に含まれる複数の項目の類似性を判定することでブラウザ情報のスコアリングを行い、ブラウザ情報の類似度を判定する。なお、名寄せ装置100は、上記のブラウザ情報の例として挙げた情報を全て取得可能とは限らない。例えば、ユーザ端末101~103の設定などによって、名寄せ装置100は、ブラウザ情報であっても取得できない項目がありうる。一例として、名寄せ装置100は、クッキーがユーザの操作により削除されたり、ユーザによってクッキーの送受信を行わない設定とされたりすることにより、クッキーを取得できない場合がある。このような場合であっても、名寄せ装置100は、ブラウザ情報に含まれる複数の項目を判定対象とすることにより、ブラウザ情報同士の類似度を判定することができる。」
「【0078】(第2の実施形態)第1の実施形態では、名寄せ装置100が提供するサービスが同一のサービスである例を示した。しかし、サービスは、同一のサービスでなくてもよい。第2の実施形態では、異なるサービスを利用したユーザ端末10を名寄せする例について説明する。【0079】続きを表示(全24行)〔2-1.名寄せ処理〕まず、図6を用いて、第2の実施形態に係る名寄せ処理の一例について説明する。図6は、第2の実施形態に係る名寄せ処理の一例を示す図である。図6では、名寄せ装置200によって名寄せ処理が行われる例を示す。【0080】図6に示すように、ユーザ端末101~103は、ユーザU3による操作に従って、名寄せ装置200によって提供されるサービスを利用する。図6に示す例では、ユーザ端末101は、アカウントA31を用いて、名寄せ装置200の提供するショッピングモールサイトの出店者としてアクセスする(ステップS21)。また、ユーザ端末102は、アカウントA32を用いて、名寄せ装置200の提供するショッピングモールサイトの出店者としてアクセスする(ステップS22)。また、ユーザ端末103は、アカウントA33を用いて、名寄せ装置200の提供するオークションサイトの出品者としてアクセスする(ステップS23)。【0081】そして、第2の実施形態に係る名寄せ装置200は、各種サービスを利用した複数のユーザ端末101~103について、第1の実施形態に係る名寄せ装置100と同様に、ブラウザ情報の類似度の判定処理を行う(ステップS24)。ここで、図6の例において、名寄せ装置200は、ユーザ端末101~103に対応するブラウザ情報について、所定の範囲内に該当する類似度を判定したものとする。具体的には、名寄せ装置200は、ブラウザ情報のうち、いくつかの項目において類似性を認めたものの、ユーザの同一性を判定できる程度に類似度を高く判定しなかったものとする。一方、名寄せ装置200は、ブラウザ情報のうち、いくつかの項目において類似性が認めたられたため、ユーザの同一性を否定するような程度に類似度を低くは判定しなかったものとする。上記は、例えば、ユーザ端末101~103から送信されるブラウザ情報の一部が偽装されることにより、ブラウザ情報の類似度を判定するための有用な情報が充分に取得されなかったこと等により起こりうる。【0082】かかる場合、第2の実施形態に係る名寄せ装置200は、ユーザ端末101~103の各種サービスにおける利用履歴を取得する。名寄せ装置200は、取得した利用履歴を利用履歴記憶部123に格納する。【0083】そして、名寄せ装置200は、ブラウザ情報の類似度の判定と併せて、ユーザ端末101~103の各種サービスにおける利用履歴の類似度についても判定処理を行う。例えば、名寄せ装置200は、アカウントA31で識別されるユーザ端末101が、ショッピングモールサイトで「出品店名AAA」を用いて、「所定の商品CCC関連」を扱うショップを出店したという利用履歴と、アカウントA32で識別されるユーザ端末102が、ショッピングモールサイトで「出品店名BBB」を用いて、「所定の商品CCC関連」を扱うショップを出店したという利用履歴との類似度を判定する。そして、名寄せ装置200は、双方のユーザ端末101及び102から取得される利用履歴が類似していると判定する場合には、ブラウザ情報の類似度のスコアに利用履歴による類似度のスコアを追加する。これにより、名寄せ装置200は、ユーザ端末101及び102から取得される利用履歴及びブラウザ情報に基づいて、類似度を「高」と判定する。【0084】また、名寄せ装置200は、アカウントA33で識別されるユーザ端末103が、オークションサイトで「商品CCC」を出品しているという利用履歴を取得する。ここで、アカウントA33の出品情報には、シッピングモールサイトにおいてアカウントA31が運営する「出品店名AAA」や、アカウントA32が運営する「出品店名BBB」と関連する情報が掲載されているとする。例えば、アカウントA33の出品情報には、「出品店名AAA」や「出品店名BBB」の商品情報が掲載されていたり、リンクが張られていたりする。【0085】すなわち、名寄せ装置200は、上記のような、アカウントA33で識別されるユーザ端末103の利用履歴を取得し、判定処理に用いる。名寄せ装置200は、ユーザ端末103と、ユーザ端末101及び102とから取得される利用履歴の類似性を判定し、ブラウザ情報の類似度のスコアに利用履歴による類似度のスコアを追加する。これにより、名寄せ装置200は、ユーザ端末103と、ユーザ端末101及び102とから取得される利用履歴及びブラウザ情報に基づいて、類似度を「中」と判定する。この場合、名寄せ装置200は、サービス同士の類似性を判定の要素の1つとしてもよい。例えば、名寄せ装置200は、ショッピングモールサイトとオークションサイトとは関連性が高く、双方のサイトで類似性のある利用履歴や、関連性のある利用履歴のあるユーザについては、類似度を高く判定する。一方、名寄せ装置200は、ショッピングモールサイトとニュースサイトや天気サイト等とは関連性が低く、双方のサイトでの利用履歴については、ユーザの同一性を判定する要素として低く評価する。【0086】そして、名寄せ装置200は、判定された類似度に基づいて、ブラウザ情報に対応するユーザを名寄せする処理を行う(ステップS25)。【0087】このように、第2の実施形態に係る名寄せ装置200は、ユーザ端末10に利用されるサービスに関する利用履歴を取得し、取得された利用履歴と、利用履歴に対応するユーザ端末10のブラウザ情報同士の類似度とに基づいて、ブラウザ情報に対応するユーザ同士の類似度を判定する。【0088】このように、第2の実施形態に係る名寄せ装置200は、ブラウザ情報に加えて、サービスにおける利用履歴を用いて、異なるアカウントのユーザ同士を同一のユーザとして名寄せする。これにより、名寄せ装置200は、ブラウザ情報のみからではユーザの同一性が判定し難い場合であっても、複数のアカウントを利用するユーザを精度良く特定することができる。また、名寄せ装置200は、提供するサービスが複数ある場合であっても、それぞれのサービスの利用履歴に基づいてユーザの名寄せを行うことができるので、異なるサービスで不正利用したユーザなどを、他のサービスにおいて捕捉すること等が可能になる。」
「【0108】〔3-4.装置構成〕また、上述した各実施形態では、名寄せ装置100等が各種サービスを提供する例を示した。しかし、ユーザを名寄せする処理を行う装置と、各種サービスを提供する装置とは、異なる装置であってもよい。この点について、図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態に係る名寄せシステム1の構成例を示す図である。【0109】図10に示す名寄せ装置200の制御部130は、提供部131を有さずに、取得部132及び判定部133を有するものとする。また、図10に示した名寄せ装置200には、ネットワークNを介して、サービス提供装置201及び202が接続される。サービス提供装置201及び202は、ネットワークNを介して、各種サービスを提供するためのサーバ装置である。例えば、サービス提供装置201及び202は、ユーザ端末10からアクセスを受け付ける名寄せ装置200によって管理され、名寄せ装置200がユーザ端末10からアクセスを受け付けた場合に、ユーザ端末10に対して各種サービスを提供する。例えば、サービス提供装置201は、ショッピングモールサービスを提供する提供部を有し、サービス提供装置202は、オークションサービスを提供する提供部を有する。そして、サービス提供装置201及び202は、ユーザがサービスを利用した際の利用履歴等の情報を名寄せ装置200に送信する。このように、図10に示した名寄せ装置200は、ユーザ端末10と通信を行うフロントエンドサーバとしての役割を担う。すなわち、上述してきた名寄せ処理は、サービス提供装置201及び202を管理するフロントエンドサーバである名寄せ装置200によって実行される。【0110】また、図10に示した名寄せ装置200は、記憶部120を有しなくてもよい。具体的には、図10に示した名寄せ装置200は、記憶部120を保持する外部のデータベースサーバと接続されてもよい。また、図10に示した名寄せ装置200は、名寄せ装置100にも適用することができる。」
「【図6】[図:0001383697000006.jpg]」
「【図7】[図:0001383697000007.jpg]」
「【図10】[図:0001383697000008.jpg]」
(2)上記(1)によると、引用文献2には以下の技術的事項が記載されている。
「サービス提供者が、提供しているサービスにおいて、複数のアカウントを利用しているユーザを同一人と特定し、利用者を正確に把握したり、提供する情報やサービスを一元化できたりするように、ネットワークを利用するユーザの同一性を高い精度で判定することができる名寄せ装置であって(【0006】~【0007】)、名寄せ装置200は、各種サービスを利用した複数のユーザ端末101~103について、ブラウザ情報の類似度の判定処理を行う(【0081】)とともに、ユーザ端末101~103の各種サービスにおける利用履歴を取得し(【0082】)、ブラウザ情報の類似度の判定と併せて、ユーザ端末101~103の各種サービスにおける利用履歴の類似度についても判定処理を行い(【0083】)、ブラウザ情報の類似度のスコアに利用履歴による類似度のスコアを追加して(【0085】)、判定された類似度に基づいて、ブラウザ情報に対応するユーザを名寄せする処理を行う(【0086】)ことにより、ブラウザ情報のみからではユーザの同一性が判定し難い場合であっても、複数のアカウントを利用するユーザを精度良く特定することができ、提供するサービスが複数ある場合であっても、それぞれのサービスの利用履歴に基づいてユーザの名寄せを行うことができるものであって(【0088】)、ブラウザ情報は、名寄せ装置100にアクセスする際に、各ユーザ端末のブラウザから送信されるHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストに基づいて取得可能な情報であって、アクセス日時や、各ユーザ端末のOS(Operating System)の種類やバージョン、ブラウザの種類やバージョン、ブラウザに含まれるプラグイン(plug-in)、クッキー(cookie)、HTTPリファラ(HTTP referer)、ルータなどの通信機器及びプロキシ(proxy)サーバなどの通信経路を示す情報である経路情報などを含み(【0020】)、名寄せ装置100は、ブラウザ情報で取得できない項目がある場合であっても、ブラウザ情報に含まれる複数の項目を判定対象とすることにより、ブラウザ情報同士の類似度を判定することができ(【0021】)、ユーザを名寄せする処理を行う装置と、各種サービスを提供する装置とは、異なる装置であってもよく(【0108】)、名寄せ装置200には、ネットワークNを介して、サービス提供装置201及び202が接続され、サービス提供装置201及び202は、ユーザ端末10からアクセスを受け付ける名寄せ装置200によって管理され、名寄せ装置200がユーザ端末10からアクセスを受け付けた場合に、ユーザ端末10に対して各種サービスを提供する(【0109】)、名寄せ装置。」
3 引用文献3
(1)前置報告で引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0001】本発明は、複数のネットワークサービスを連携して利用する技術に関し、特に連携を仲介する技術に関する。」
「【0018】<仲介装置100>仲介装置100は、図2に示すように、制御部101、プログラム制作部110、プログラム格納部111、プログラム配送部112、通信部113、アカウント管理部120、アカウント確認部121、暗号鍵共有部122、認証データ確認部123、認証データ生成部124、及び認証データ記憶部125から構成されている。」
「【0022】プログラム格納部111は、具体的にはメモリであり、プログラム制作部110が制作した仲介プログラム250を格納する機能を有する。プログラム配送部112は、通信部113を介して、仲介プログラム250をネットワーク20に出力する機能を有する。(通信部113)続きを表示(全21行)通信部113は、ネットワーク20を介して、第1サービス装置300、第2サービス装置600、第1プログラム実行装置500、第2プログラム実行装置800、仲介プログラム実行装置200との間でデータの送受信を行う。【0023】具体的には、通信部113は、第1サービス装置300及び第1プログラム実行装置との間で、ネットワーク20を介して、安全な手段により、第1サービスのユーザアカウントやパスワード等のユーザ情報、暗号サービス認証データ等の送受信を行う。また、第2サービス装置600及び第2プログラム実行装置800との間で、ネットワーク20を介して、安全な手段により、第2サービスのユーザアカウントやパスワード等のユーザ情報、及び、暗号サービス認証データ等の送受信を行う。【0024】さらに、仲介プログラム実行装置200との間で第1サービスのユーザアカウントやパスワード、第2サービスのユーザアカウントやパスワード、暗号サービス認証データの送受信を行う。(アカウント管理部120、アカウント確認部121、暗号鍵共有部122)アカウント管理部120は、連携サービスを行うためのアカウントどうしの対応付けを示すアカウントデータ1000を構築し、記憶、管理する機能を有する。【0025】図3に、アカウントデータ1000のデータ構造とデータの一例を示す。アカウントデータ1000は、同図に示すように、第1サービスアカウント1001、第1サービス暗号鍵1002、サービス認証データ1003、暗号サービス認証データ、第2サービスアカウント1005とが対応付けられて構成される。第1サービスアカウント1001は、第1サービスと第2サービスとの連携サービスを行う際の第1サービスを利用するためのユーザアカウントを示す情報である。・・・【0027】暗号サービス認証データ1004は、第1サービス暗号鍵1002で示される第1サービス暗号鍵で暗号化した情報を示す。第2サービスアカウント1005は、第1サービスと第2サービスとの連携サービスを行う際の第2サービスを利用するためのユーザアカウントを示す情報である。同図の例では、第1サービスのユーザアカウント「0101」については、第1サービス暗号鍵1002で示される暗号鍵は、「9428」、サービス認証データは、「0101-2013-04-15-18-20」、暗号サービス認証データ1004は、「9472839471738」、連携サービスを利用する際の第2サービスのユーザアカウントは、「0201」であることが記憶されている。」
「【0058】表示部242の基本的な構成及び機能は第1プログラム実行装置500と同じである。表示部242は、具体的には、例えば、プログラム実行部230が実行する第2プログラム850の処理に基づいて、出力部240が出力したログインメニューUIや、機器操作メニューUI等をディスプレイに表示する。<第1サービス装置300>続きを表示(全13行)第1サービス装置300は、図7に示すように、制御部301、プログラム制作部310、プログラム格納部311、プログラム配送部312、通信部313、アカウント生成部320、アカウント管理部321、アカウント確認部322、暗号鍵共有部323、暗号部324、及び復号部325を含む構成である。・・・【0063】具体的には、通信部313は、仲介装置100及び第1プログラム実行装置との間で、ネットワーク20を介して、安全な手段により、第1サービスのユーザアカウントやパスワード等のユーザ情報、暗号サービス認証データ等の送受信を行う。(アカウント生成部320、アカウント管理部321、アカウント確認部322)アカウント生成部320は、第1サービスを利用するユーザを特定するためのユーザアカウントを生成する機能を有する。さらに、生成したユーザアカウントは、アカウント管理部321に出力する機能を有する。【0064】アカウント管理部321は、アカウント生成部320が生成したアカウントと、ユーザが第1サービスを利用する際の認証に用いるパスワードとを対応付けたアカウントデータ1100を記憶し、管理する。図8にアカウント管理部321が記憶し、管理するアカウントデータ1100のデータ構造とデータの一例を示す。」
「【0182】更に、第4サービスも連携させる場合には、第3サービスアカウントの次に第4サービスアカウントの項目を追加すればよい。すなわち、アカウントデータ1020を用いることで、第1~第N(Nは2以上の整数)のサービスすべての組み合わせについて連携サービスの利用を許可することができる。(変形例2)続きを表示(全14行)また、図42で示すアカウントデータ1030を用いてもよい。【0183】アカウントデータ1030は、アカウントデータ1000にサービスID1036の項目が追加されたデータ構造である。第1サービスアカウント1031、第1サービス暗号鍵1032、サービス認証データ1033、暗号サービス認証データ1034、第2サービスアカウント1035は、それぞれ図3のアカウントデータ1000の第1サービスアカウント1001、第1サービス暗号鍵1002、サービス認証データ1003、暗号サービス認証データ1004、第2サービスアカウント1005と同じ項目である。【0184】サービスID1036は、サービスが複数ある場合に、第1サービスアカウントと対応付けをした第2サービスアカウントで示されるユーザアカウントが、どのサービスのアカウントであるかを識別するためのサービスIDである。例えば、サービスID1036で示されるIDが「002」である場合には、対応する第2サービスアカウント1035で示されるサービスアカウントが、第2サービスを利用するためのアカウントであることを示す。サービスIDで示されるIDが「003」の場合は、第2サービスアカウント1035で示されるアカウントが、第3サービスを利用するためのアカウントであることを示す。【0185】このようなデータ構造にすることによって、図42の例では、第1サービスアカウント「0101」は、第2サービスを利用するためのユーザアカウント「0201」と、第3サービスを利用するためのユーザアカウント「0301」と対応付けられていることがわかる。これより、第2サービスを利用するためのユーザアカウント「0202」と第3サービスを利用するためのユーザアカウント「0301」が直接に対応付けられていないとしても、連携サービス実行モードにおいてアカウントデータ1030を参照し、異なるサービスに対応付けられているユーザアカウントを辿ることで、第2サービスと第3サービスの連携サービスの利用を許可することができる。(2)実施の形態2においても、第1サービスと第2サービスとのアカウント同士の対応付けの例を示したが、アカウント同士の対応付けは、2つに限らない。3つ以上のサービスのアカウントの対応付けを行ってもよい。」
「【図2】[図:0001383697000009.jpg]」
「【図7】[図:0001383697000010.jpg]」
「【図42】[図:0001383697000011.jpg]」
(2)上記(1)によると、引用文献3には以下の技術的事項が記載されている。
「複数のネットワークサービスを連携して利用する技術に関し、特に連携を仲介する技術に関する仲介装置であって(【0001】、【0018】)、仲介装置100は、制御部101、プログラム制作部110、プログラム格納部111、プログラム配送部112、通信部113、アカウント管理部120、アカウント確認部121、暗号鍵共有部122、認証データ確認部123、認証データ生成部124、及び認証データ記憶部125から構成され(【0018】)、通信部113は、第1サービス装置300との間で、ネットワーク20を介して、安全な手段により、第1サービスのユーザアカウントやパスワード等のユーザ情報、暗号サービス認証データ等の送受信を行い、また、第2サービス装置600との間で、ネットワーク20を介して、安全な手段により、第2サービスのユーザアカウントやパスワード等のユーザ情報、及び、暗号サービス認証データ等の送受信を行い(【0023】)、アカウント管理部120は、連携サービスを行うためのアカウントどうしの対応付けを示すアカウントデータ1000を構築し、記憶、管理する機能を有し(【0024】)、続きを表示(全12行)第1サービス装置300は、制御部301、プログラム制作部310、プログラム格納部311、プログラム配送部312、通信部313、アカウント生成部320、アカウント管理部321、アカウント確認部322、暗号鍵共有部323、暗号部324、及び復号部325を含み(【0058】)、アカウント生成部320は、第1サービスを利用するユーザを特定するためのユーザアカウントを生成してアカウント管理部321に出力し(【0063】)、アカウント管理部321は、アカウント生成部320が生成したアカウントと、ユーザが第1サービスを利用する際の認証に用いるパスワードとを対応付けたアカウントデータ1100を記憶し、管理するものであり(【0064】)、アカウントデータ1030を用いてもよく(【0182】)、アカウントデータ1030は、第1サービスアカウント1031、第1サービス暗号鍵1032、サービス認証データ1033、暗号サービス認証データ1034、第2サービスアカウント1035、サービスID1036の項目からなるデータ構造であり(【0183】、図42)、第1サービスアカウント1031は、第1サービスと第2サービスとの連携サービスを行う際の第1サービスを利用するためのユーザアカウントを示す情報であり(【0025】、【0183】)、第2サービスアカウント1035は、第1サービスと第2サービスとの連携サービスを行う際の第2サービスを利用するためのユーザアカウントを示す情報であり(【0027】、【0183】)、サービスID1036は、サービスが複数ある場合に、第1サービスアカウントと対応付けをした第2サービスアカウントで示されるユーザアカウントが、どのサービスのアカウントであるかを識別するためのサービスIDであり(【0184】)、このようなデータ構造にすることによって、第1サービスアカウント「0101」が、第2サービスを利用するためのユーザアカウント「0201」と、第3サービスを利用するためのユーザアカウント「0301」と対応付けられている場合、第2サービスを利用するためのユーザアカウント「0202」と第3サービスを利用するためのユーザアカウント「0301」が直接に対応付けられていないとしても、連携サービス実行モードにおいてアカウントデータ1030を参照し、異なるサービスに対応付けられているユーザアカウントを辿ることで、第2サービスと第3サービスの連携サービスの利用を許可することができる(【0185】)、仲介装置。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「名寄せ処理装置」は、金融機関において複数口座を所有する預金者の同一性を確認したり、重複する顧客情報などを統合または削除する場合に、データベースに蓄積されたデータ群の中から統合または削除可能なデータを特定したりする際に用いることを想定したものであって、名寄せ処理の対象となる「名寄せ元データ」及び「名寄せ先データ」は、「預金者」の情報や「顧客情報」を想定したものであるといえるから、「ユーザ情報」を対象に処理を行う点において、本願発明1の「情報処理装置」と共通する。
イ 引用発明の「指定部301」は、「データ群」の中から、名寄せしあう「第1のデータおよび第2のデータ」を指定するものであるところ、「データ群」は「データベース211に記憶された整理対象データ群201」を指すものであるから、「指定部301」は、「データベース211」から「第1のデータおよび第2のデータ」を取得するものである。
また、引用発明の「特定部302」は、「データ群」の中から、指定部301によって指定された第1のデータと名寄せしあう「第3のデータ」を特定するものであるところ、「データ群」は同様に「データベース211に記憶された整理対象データ群201」を指すものであるから、「特定部302」は、「データベース211」から「第3のデータ」を取得するものである。
そうすると、引用発明において、「第1のデータ」、「第2のデータ」、「第3のデータ」が、それぞれ本願発明1の「第1ユーザ情報」、「第2ユーザ情報」、「第3ユーザ情報」のいずれに対応するかは下記ウで検討するとして、引用発明の「第1のデータ」、「第2のデータ」、「第3のデータ」は、それぞれ本願発明1の「第1ユーザ情報」、「第2ユーザ情報」、「第3ユーザ情報」のいずれかに対応しており、引用発明の「指定部301」及び「特定部302」は、「第2ユーザ情報を」「取得するとともに、」「第3ユーザ情報を」「取得する」点で、本願発明1の「情報取得部」と共通する。
ウ 引用発明において、「指定部301」は、「データ群の中から、名寄せしあう第1のデータおよび第2のデータを指定する」ものであり、「特定部302」は、「データ群の中から、指定部301によって指定された第1のデータと名寄せしあう第3のデータを特定する」ものであるから、「指定部301」及び「特定部302」によって行われる処理は、「第1のデータ」と「第2のデータ」とを紐付け、「第1のデータ」と「第3のデータ」とを紐付ける処理である。
そうすると、引用発明における「第1のデータ」、「第2のデータ」、「第3のデータ」は、それぞれ本願発明1の「第1ユーザ情報」、「第2ユーザ情報」、「第3ユーザ情報」に相当し、引用発明の「指定部301」及び「特定部302」は、「第1ユーザ情報と前記第2ユーザ情報とを紐付け、かつ前記第1ユーザ情報と前記第3ユーザ情報とを紐付ける」点で、本願発明1の「第1紐付部」と共通する。
エ 引用発明の「決定部303」は、「指定部301によって指定された第2のデータと特定部302によって特定された第3のデータを、名寄せしあうデータの組み合わせに決定する」ものであり、「決定結果○」が「2つのデータが名寄せしあうデータの組み合わせであること」、「決定結果×」が「2つのデータが名寄せできないデータの組み合わせであること」を意味するとしたとき、「決定結果a12=○であり、かつ決定結果a13=○であることにより、第2のデータX2と第3のデータX3の決定結果a23を○に決定」するものである。これは、「決定結果a12=○」、すなわち、第1のデータと第2のデータが名寄せしあうデータの組み合わせであり、かつ、「決定結果a13=○」、すなわち、第1のデータと第3のデータが名寄せしあうデータの組み合わせである場合には、「第2のデータX2と第3のデータX3の決定結果a23を○に決定」する、すなわち、第2のデータと第3のデータが名寄せしあうデータの組み合わせであると決定することを意味するものである。
そうすると、引用発明の「決定部303」は、「指定部301」及び「特定部302」による、第1ユーザ情報と第2ユーザ情報との紐付け結果と、第1ユーザ情報と第3ユーザ情報との紐付け結果に基づいて、第2ユーザ情報と第3ユーザ情報との紐付けを決定するものであるから、本願発明1の「前記第1紐付部による紐付け結果に基づいて、前記第2ユーザ情報と前記第3ユーザ情報とを紐付ける第2紐付部」に相当する。
オ 以上、ア~エによれば、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「第2ユーザ情報と、第3ユーザ情報を含む情報群の情報を取得する情報取得部と、第1ユーザ情報と前記第2ユーザ情報とを紐付け、かつ前記第1ユーザ情報と前記第3ユーザ情報とを紐付ける第1紐付部と、前記第1紐付部による紐付け結果に基づいて、前記第2ユーザ情報と前記第3ユーザ情報とを紐付ける第2紐付部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。」
[相違点]
(相違点1)
「情報取得部」について、本願発明1では「所定の第1サービスとは異なる第2サービスを介して取得された複数の第2ユーザ情報を含む第2ユーザ情報群の情報を前記第2サービスの提供者から取得するとともに、前記第1サービスおよび前記第2サービスとは異なる第3サービスを介して取得された複数の第3ユーザ情報を含む第3ユーザ情報群の情報を前記第3サービスの提供者から取得する」ものであるのに対し、引用発明では、第2のデータと第3のデータをデータ群から取得するものである点。
(相違点2)
「第2ユーザ情報」と「第3ユーザ情報」の双方に対して「紐付け」される「第1ユーザ情報」について、本願発明1は「前記第2ユーザ情報および前記第3ユーザ情報よりも情報量が多い」のに対し、引用発明は、情報量に関して特定されていない点。
(2)相違点に対する判断
事案に鑑み、相違点2について判断する。
ア 相違点2に関する判断
引用発明の決定部は、名寄せ元データと名寄せ先データを名寄せしあうデータの組み合わせに決定する際に、第2の決定方法を採用してもよく、その場合、名寄せ元データと名寄せ先データの比較結果に基づいて、両者の類似度数が閾値の上限値以上である場合に、「この名寄せ候補レコードの決定結果を○に決定」する、すなわち、名寄せ元データと名寄せ先データを名寄せしあうデータの組み合わせに決定するものであるが、「第1ユーザ情報」、「第2ユーザ情報」、「第3ユーザ情報」を含む「名寄せ元データと名寄せ先データ」の情報としては、会社名や支社名を示す情報の1項目の情報が示されているのみで、「第1ユーザ情報」、「第2ユーザ情報」、「第3ユーザ情報」の情報量の多寡に関しては、引用文献1には何ら記載されていない。
一方、引用文献2に記載の「名寄せ装置」は、複数のユーザ端末についての「ブラウザ情報の類似度」と「各種サービスにおける利用履歴の類似度」に基づいて、ユーザの名寄せを行うものであり、「ブラウザ情報」及び「各種サービスにおける利用履歴」が、本願発明1における「ユーザ情報」に対応するものであるといえる。そして、引用文献2に記載の「ブラウザ情報」は、複数の項目を含むものであり、名寄せ装置が「ブラウザ情報」であっても取得できない項目がありうることから、「名寄せ装置」で取得される「ブラウザ情報」の項目に多寡が生じ得るものであるといえる。
しかしながら、引用文献2に関しても、本願発明1の相違点2に係る発明特定事項のように、「第2ユーザ情報」と「第3ユーザ情報」の双方に対して「紐付け」される「第1ユーザ情報」について、「前記第2ユーザ情報および前記第3ユーザ情報よりも情報量が多い」点に関しては、何ら記載されていない。
また、引用文献3に記載の「仲介装置」は、「アカウント管理部120」で「アカウントデータ1030」を管理する場合、第1サービスと第2サービスとの連携サービスを行う際の、第1サービスを利用するためのユーザアカウントを示す「第1サービスアカウント1031」と、第2サービスを利用するためのユーザアカウントを示す「第2サービスアカウント1035」と、第1サービスアカウントと対応付けをした第2サービスアカウントで示されるユーザアカウントが、どのサービスのアカウントであるかを識別するためのサービスIDである「サービスID1036」を、対応付けて管理するものであり、共通の「第1サービスアカウント『0101』」に対応付けられる「第2サービスを利用するためのユーザアカウント『0201』」と「第3サービスを利用するためのユーザアカウント『0301』」について、「第2サービスと第3サービスの連携サービスの利用を許可する」ものである。ここで、引用文献3に記載の「第1サービスアカウント『0101』」、「第2サービスを利用するためのユーザアカウント『0201』」、「第3サービスを利用するためのユーザアカウント『0301』」は、それぞれ本願発明1の「第1ユーザ情報」、「第2ユーザ情報」、「第3ユーザ情報」に対応するものであるものの、これらの「ユーザアカウント」に関しても、情報量の多寡に関しては、引用文献3には何ら記載されていない。
したがって、相違点2に係る「第2ユーザ情報」と「第3ユーザ情報」の双方に対して「紐付け」される「第1ユーザ情報」を、「前記第2ユーザ情報および前記第3ユーザ情報よりも情報量が多い」ものとする構成は、引用発明、引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到し得た事項であるとはいえない。
イ 作用効果について
そして、本願発明1は、「第1ユーザ情報の情報量に比べて、第2ユーザ情報および第3ユーザ情報の情報量が少ない場合、第2ユーザ情報および第3ユーザ情報に基づいて第2ユーザ情報と第3ユーザ情報とを紐付けることが難しい場合がある。」(段落【0029】)という課題認識の下、相違点2に係る構成により、「第2ユーザ情報と第3ユーザ情報とに基づいて、第2ユーザ情報と第3ユーザ情報とを紐付けることが難しい場合であっても、第2ユーザ情報と第3ユーザ情報とを精度よく紐付けることができる。」(段落【0033】)という、明細書記載の作用効果を奏するものである。
ウ むすび
したがって、本願発明1は、その他の相違点である相違点1について判断するまでもなく、引用発明、及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
2 本願発明2~10について
本願発明2~8は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明9は、本願発明1に対応する「情報処理方法」の発明であり、本願発明10は、本願発明1に対応する「情報処理プログラム」の発明であって、いずれも本願発明1の上記相違点1、2に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明、及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 原査定の理由について
審判請求時の補正により、本願発明1~10は、上記相違点1、2に係る発明特定事項を含むものとなっており、原査定の拒絶の理由において引用された引用文献1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-000829