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特許拒絶査定不服審判

2021-000127

歯ブラシ

審判番号
2021-000127
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-522442外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年01月05日
審決日
2021年11月10日
公報発行日
2022年07月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A46B) / P18 .575-Z (A46B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-522442「歯ブラシ」拒絶査定不服審判事件〔平成29年12月14日国際公開、WO2017/213017〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)6月1日(優先権主張2016年(平成28年)6月6日)を国際出願日とする出願であって、令和2年1月17日付け(発送日:同年1月21日)で拒絶理由が通知され、令和2年5月21日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年6月15日付け(発送日:同年6月23日)で最後の拒絶理由が通知され、令和2年8月21日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和2年9月30日付け(発送日:同年10月6日)で令和2年8月21日付け手続補正書による補正を却下する決定がされるとともに同日付け(発送日:同年10月6日)で拒絶査定がされ(以下「原査定」という。)、これに対して令和3年1月5日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、その審判の請求と同時に手続補正書が提出され、令和3年2月17日に審判請求書の請求の理由を補正する手続補正書(方式)が提出されたものである。 第2 令和3年1月5日の手続補正についての補正却下の決定 〔補正却下の決定の結論〕 令和3年1月5日の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 〔理由〕 1 本件補正について (1)本件補正前(令和2年5月21日の手続補正書)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 長尺の柄と、前記柄の先端に設けられた基部と、前記基部に植毛された複数本の毛からなるブラシ部と、を有し、前記ブラシ部によって歯を清掃する歯ブラシにおいて、 前記基部またはその近傍に設けた紫外線を照射する紫外線照射部と、 前記紫外線照射部による紫外線の照射を制御するための制御部と、 前記紫外線照射部及び前記制御部に電源を供給する電源供給部と、 使用者による操作で前記制御部による制御機能の操作を行うことが可能な操作部と、を備え、 前記基部は、透明又は半透明の合成樹脂材で形成されており、 前記紫外線照射部は、前記基部の内部に埋め込まれており、該紫外線照射部から照射された紫外線の光で前記基部の全体が光るように構成しており、 前記ブラシ部は、平面視において前記基部の前記紫外線照射部と重なる領域を含む領域に植毛された複数本の前記毛からなることを特徴とする歯ブラシ。」 (2)そして、本件補正により、上述の本件補正前の特許請求の範囲の記載は、以下のとおり補正された(下線は、補正箇所を示すために当審で付与した。)。 「【請求項1】 使用者が把持する把持部と前記把持部よりも幅が狭く構成されたネック部とを有する長尺の柄と、前記柄の先端に設けられた基部と、前記基部に植毛された複数本の毛からなるブラシ部と、を有し、前記ブラシ部によって歯を清掃する歯ブラシにおいて、 前記基部に設けた紫外線を照射する紫外線照射部と、 前記紫外線照射部による紫外線の照射を制御するための制御部と、 前記紫外線照射部及び前記制御部に電源を供給する電源供給部と、 使用者による操作で前記制御部による制御機能の操作を行うことが可能な操作部と、を備え、 前記柄における前記把持部及び前記ネック部以外の部分である前記基部は、その全体が透明又は半透明の合成樹脂材で形成されており、 前記紫外線照射部は、前記基部の内部に埋め込まれており、該紫外線照射部から照射された紫外線の光で前記基部の全体が光るように構成しており、 前記ブラシ部は、平面視において前記基部の前記紫外線照射部と重なる領域を含む領域に植毛された複数本の前記毛からなることを特徴とする歯ブラシ。」 2 本件補正の適否 (1)本件補正の内容 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「長尺の柄」に関して「使用者が把持する把持部と前記把持部よりも幅が狭く構成されたネック部とを有する」という事項を付加して限定し、「基部」に関して、「前記基部は、透明又は半透明の合成樹脂材で形成されており」とされていたものを、「前記柄における前記把持部及び前記ネック部以外の部分である前記基部は、その全体が透明又は半透明の合成樹脂材で形成されており」と限定するものであり、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (2)引用文献 ア 引用文献1 原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった特開2010-213831号公報(以下、「引用文献1」という。)には、「歯ブラシ」に関して、以下の事項が記載されている(下線は、当審が付与したものである。以下同様。)。 (ア)「【0005】 本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、効率よく、積極的に口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を殺菌することができる歯ブラシを提供することにある。」 (イ)「【0006】 請求項1に記載の発明は、把持部と、前記把持部から一方向に延出形成された保持部と、前記保持部の先端部に設けられたブラシ毛を植設したブラシブロックとを有した歯ブラシであって、前記把持部、前記保持部、又は前記ブラシブロックのいずれかに、殺菌灯を設けるとともに、前記殺菌灯から出射される殺菌光を、前記ブラシブロックから外部に出射させる導光手段を設けた。 【0007】 請求項1に記載の発明によれば、ブラシ毛を植設したブラシブロックから外部に殺菌効果のある光を出射することができることから、歯を磨きながら、口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を殺菌でき、口腔内を清潔に保つことができる。 【0008】 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の歯ブラシにおいて、前記殺菌灯は、前記保持部に設けられ、前記ブラシブロックは、前記ブラシ毛と前記ブラシ毛を植設したブラシ基台とからなり、前記ブラシ基台が前記保持部の先端部に対して着脱可能に設けた。 【0009】 請求項2に記載の発明によれば、ブラシ毛を植設したブラシ基台よりなるブラシブロックを保持部に対して着脱可能にしたので、安価なブラシブロックを交換するだけで歯ブラシを長期間使用できコストパフォーマンスに優れた歯ブラシにすることができる。 【0010】 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の歯ブラシにおいて、前記導光手段は、前記保持部に設けた前記殺菌灯に連通するように、前記ブラシ基台の前記ブラシ毛を植設した面を開口させた開口部である。 【0011】 請求項3に記載の発明によれば、殺菌灯から出射した殺菌効果のある光は、ブラシ毛の先端方向に出射されるため、ブラシで磨いている部分を効率よく殺菌できる。 請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の歯ブラシにおいて、前記導光手段は、前記ブラシ基台を透明の合成樹脂で形成した。 【0012】 請求項4に記載の発明によれば、殺菌灯から出射した殺菌効果のある光は、ブラシ基台の全ての外側面から出射されるため、ブラシで磨いている部分のみならず、その他の口腔内をあわせて殺菌できる。 【0013】 請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の歯ブラシにおいて、前記殺菌灯は、前記把持部に設けられ、先端部に前記ブラシブロックを設けた前記保持部は、前記把持部に対して着脱可能に設けた。 【0014】 請求項5に記載の発明によれば、ブラシブロックを設けた保持部を、把持部に対して着脱可能にしたので、コスト的に有利な安価な保持部を交換するだけで歯ブラシを長期間使用できコストパフォーマンスに優れた歯ブラシにすることができる。また、把持部に殺菌灯を設けたので、殺菌灯の設置スペースを容易に確保でき設計の自由度を上げることができる。 【0015】 請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の歯ブラシにおいて、前記導光手段は、前記把持部に設けた前記殺菌灯に連通するように、前記保持部に形成した導光通路と、前記ブラシブロックの前記ブラシ毛を植設した面を、開口させた開口凹部と、前記導光通路に導光された前記殺菌灯から出射された殺菌光を、前記開口凹部から前記ブラシ毛を植設した面側に反射させる反射ミラーとからなる。 【0016】 請求項6に記載の発明によれば、本体部に設けた殺菌灯から出射された殺菌効果のある光は、導光通路、反射ミラー、開口部を介して、ブラシ毛を植設した面から出射されるため、歯を磨いている部分に効率よく殺菌できる。 【0017】 請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の歯ブラシにおいて、前記導光手段は、前記把持部に設けた前記殺菌灯に連通するように、前記保持部に導光通路を形成するとともに、前記保持部の先端部に形成したブラシブロックを透明の合成樹脂とで形成し、前記導光通路に導光された前記殺菌灯から出射された殺菌光を、前記ブラシブロックに導光するようにした。 【0018】 請求項7に記載の発明によれば、把持部に設けた殺菌灯から出射された殺菌効果のある光は、導光通路を介して透明の合成樹脂で形成したブラシブロックに出射される。そして、ブラシブロックに入射した殺菌灯から出射した殺菌効果のある光は、シリンダブロックの全ての外側面から出射されるため、ブラシで磨いている部分のみならず、その他の口腔内をあわせて殺菌できる。 【0019】 請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか1に記載の歯ブラシにおいて、前記ブラシ毛は、殺菌光を導光する透明の合成樹脂で形成した。 請求項8に記載の発明によれば、殺菌灯から出射した殺菌効果のある光は、ブラシ毛の先からも出射されるため、殺菌効果が高まるとともに、口腔内の隅々まで殺菌することができる。 【0020】 請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか1つに記載の歯ブラシにおいて、前記ブラシブロックを振動させるための駆動部と、前記駆動部を駆動させるための動作スイッチと、前記動作スイッチのオン操作に基づいて前記駆動部を駆動及び前記殺菌灯を点灯させるとともに、前記動作スイッチのオフ操作に基づいて前記駆動部を駆動停止及び前記殺菌灯を消灯させる制御手段とを備えた。 【0021】 請求項9に記載の発明によれば、1つのスイッチで、ブラシブロックの振動と殺菌灯の点灯、即ち、歯磨きと殺菌が同時にでき、使い勝手が非常によい。 請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の歯ブラシにおいて、前記制御手段は、タイマを備え、前記動作スイッチのオフ操作に基づいて前記駆動部を駆動停止させるとともに、前記タイマを計時動作させ、前記タイマが予め定めた時間を計時した時、前記殺菌灯を消灯させる。 【0022】 請求項10に記載の発明によれば、駆動部の駆動停止後も、殺菌灯にて殺菌でき、口腔内の殺菌漏れを低減させることができる。 請求項11に記載の発明は、請求項1~10のいずれか1つに記載の歯ブラシにおいて、前記殺菌灯の発光量を調整する調整スイッチと、前記調整スイッチの操作量に基づいて、前記殺菌灯の点灯時の光量を制御する発光量制御手段とを備えた。 【0023】 請求項11に記載の発明によれば、調整スイッチを操作するだけで、光量を変更して殺菌灯を点灯できるため、その時々の口腔内の状態に応じて最適な殺菌が行える。 【発明の効果】 【0024】 本発明によれば、効率よく、積極的に口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を効率良く殺菌することができる。」 (ウ)「【0026】 (第1実施形態) 以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。 図1及び図2に示すように、電動歯ブラシ10の柄11は、基端部に大径の把持部12を有しているとともに、その把持部12の先端から延出形成された保持部13を有している。 【0027】 把持部12は、有蓋四角筒状に形成され、基端開口部が、キャップ12aにて閉塞されている。四角筒状の把持部12内には、モータM(図3参照)と電池(図示せず)が内蔵されている。モータMは、回転することによって、保持部13の先端部13aに対して着脱可能に取着したブラシ基台14及びブラシ毛15よりなるブラシブロック16を振動させる。 【0028】 図2に示すように、ブラシブロック16を着脱可能に取着する保持部13の先端部13aは、正面を連結面17とし、その連結面17中央位置には、導光手段を構成する開口凹部18が凹設されている。開口凹部18の底面には、殺菌灯としての紫外線発光ダイオード(以下、UVLEDという)19が配置固定されている。UVLED19は、保持部13内に配線されたリード線20を介して駆動電流が供給されて、殺菌光としての殺菌効果のある紫外線を出射するようになっている。そして、UVLED19から出射された紫外線は、開口凹部18を介して外側に出射される。 【0029】 ブラシブロック16は、先端部13aの連結面17に着脱可能に連結するブラシ基台14と、そのブラシ基台14に植設したブラシ毛15からなる。また、先端部13aの連結面17には、ブラシ毛15を植設したブラシ基台14が着脱可能に装着される。 【0030】 詳述すると、先端部13aの連結面17には、連結突起21が形成され、ブラシ基台14の裏面に連結孔22が形成されている。そして、先端部13aの連結面17とブラシ基台14の裏面とを重ね合わせることによって、連結突起21が連結孔22に嵌着し、ブラシ基台14が保持部13の先端部13aに対して固定される。反対に、ブラシ基台14を先端部13aから引き離すと、嵌着していた連結突起21が連結孔22から外れ、新しいブラシ基台14(ブラシブロック16)と交換することができる状態になる。 【0031】 ブラシ基台14には、開口凹部18と連通する導光手段を構成する導光路23が貫通形成されている。そして、ブラシ毛15は導光路23を囲むように、ブラシ基台14に植設されている。 【0032】 従って、ブラシ基台14を連結する先端部13aの連結面17には、開口凹部18に設けたUVLED19から出射される紫外線は、ブラシ基台14に形成した導光路23を介して外側に出射される。 【0033】 つまり、歯を磨いているときに、UVLED19から出射される紫外線を、口腔内に照射することができるようになっている。 前記柄11の把持部12には、スライド式の動作スイッチSW1と、同じくスライド式の光量設定スイッチSW2が設けられている。動作スイッチSW1は、2位置にスライドさせるスイッチであって、図3及び図4に示すように、スライド操作位置に基づく操作信号SG1を出力する。 【0034】 動作スイッチSW1を先端側にスライドさせると、動作スイッチSW1は、Hレベルに立ち上がる操作信号SG1を出力し、モータMを駆動させるとともに、UVLED19を発光させることができる。反対に、動作スイッチSW1は、基端側にスライドさせると、動作スイッチSW1はLレベルに立ち下がる操作信号SG1を出力し、モータMを駆動停止させるとともに、UVLED19を一定時間後に消灯させることができる。 【0035】 光量設定スイッチSW2は、同様に、2位置にスライドさせるスイッチであって、図3に示すように、スライド操作位置に基づく設定信号SG2を出力する。 光量設定スイッチSW2を先端側にスライドさせると、光量設定スイッチSW2は、Hレベルの設定信号SG2を出力し、UVLED19の発光量を強くしてUVLED19を発光させることができる。反対に、光量設定スイッチSW2を、基端側にスライドさせると、光量設定スイッチSW2は、Lレベルの設定信号SG2を出力し、UVLED19の発光量を弱くしてUVLED19を発光させることができるようになっている。」 (エ)「【0046】 次に、上記のように構成した第1実施形態の効果を以下に記載する。 (1)上記実施形態によれば、殺菌効果のある紫外線を発光するUVLED19を、保持部13の先端部13aに凹設した開口凹部18に配置固定した。そして、先端部13aに取着したブラシ基台14に、UVLED19が出射した紫外線を外部に導く導光路23を貫通形成した。従って、歯を磨きながら、UVLED19を点灯させ、口腔内に紫外線を照射することができため、歯を磨きながら、口腔内を殺菌することができる。つまり、歯を磨きながら、口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を殺菌でき口腔内を清潔にすることができる。 (2)上記実施形態は、光量設定スイッチSW2を設け、光量設定スイッチSW2をスライド設定することで、光量を設定できるようにした。従って、歯を磨く箇所に応じて適宜、光量を変更することで、最適な殺菌処理が行えて、口腔内を効率よく清潔にできる。 (3)上記実施形態では、モータMを駆動してブラシ基台14を振動させる動作スイッチSW1に連動して、UVLED19を点灯させるようにした。従って、別途点灯させるだけのスイッチを設ける必要もなく、動作スイッチSW1を操作するといった簡単な操作で歯磨きしながら口腔内を殺菌できる。また、モータMを停止させた時、一定の時間後にUVLED19を消灯させるようにしたので、UVLED19を消灯させるのを忘れてUVLED19が無駄に点灯し続けることはない. (4)上記実施形態では、動作スイッチSW1をオフ操作後、一定の時間、UVLED19を点灯させるようにした。従って、歯磨きを終了したあと、UVLED19から出射する紫外線で電動歯ブラシ10を殺菌でき、清潔に保つことができる。 (5)上記実施形態では、ブラシ基台14(ブラシブロック16)を保持部13に先端部13aに対して着脱可能にした。従って、ブラシ毛15が摩耗した場合、ブラシ基台14を交換すればよく、交換する必要のないUVLED19まで取り替えられることがなく。交換部品を安価に製造することができる。(以下略)」 (オ)「【0056】 尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。 ・上記実施形態では、動作スイッチSW1に連動してUVLED19を点滅させた。これを、UVLED19を点灯させるための点灯スイッチを動作スイッチSW1とは別に、UVLED19を点滅させるためだけのスイッチを設けて実施してもよい。殺菌処理をしないで、即ち、UVLED19を点灯させないで歯を磨くことができるとともに、途中から点灯させて殺菌処理することができる。 【0057】 ・上記実施形態では、電動歯ブラシ10に具体化したが、電動ブラシでない歯ブラシに具体化してもよい。この場合、UVLED19を点滅するためのスイッチを設ける必要がある。 【0058】 ・上記実施形態では、ブラシ基台14が交換できる電動歯ブラシ10に具体化したが、ブラシ基台14が交換できない歯ブラシに具体化してもよい。 ・上記実施形態では、保持部13の先端部13aに形成した開口凹部18と、ブラシ基台14に形成した導光路23を紫外線が通る空間にしたが、この開口凹部18と導光路23を透明の合成樹脂を充填して実施してもよい。これによって、開口凹部18に配置されたUVLED19が保護される。勿論、開口凹部18及び導光路23のいずれか一方のみに透明の合成樹脂を充填して実施してもよい。 【0059】 ・上記実施形態では、動作スイッチSW1をオフして一定時間後にUVLED19を消灯させるようにした。これを、動作スイッチSW1のオフ動作でモータMの停止と同時に消灯させるようにしてもよい。 【0060】 ・上記実施形態の保持部13の先端部13a及びブラシブロック16のブラシ基台14を透明の樹脂で成形してもよい。これによって、UVLED19から出射された紫外線は保持部13の先端部13aの外側面及びブラシ基台14の外側面から出射させることができ、口腔内の広い範囲を一度に殺菌できる。 【0061】 ・上記実施形態のブラシ毛15を透明の樹脂で成形してもよい。ブラシ毛15を通って紫外線が出射されるため、より近い箇所を殺菌できる。」 上記記載事項及び図面の図示内容を総合し、本件補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「使用者が把持する把持部12と前記把持部12よりも幅が狭く構成された保持部13とを有する長尺の柄11と、前記柄11の先端に設けられた先端部13a及びブラシ基台14と、前記ブラシ基台14に植設された複数本の毛からなるブラシ毛15と、を有し、前記ブラシ毛15によって歯を清掃する歯ブラシ10において、 前記先端部13aに設けた紫外線を照射する紫外線発光ダイオード19と、 前記紫外線発光ダイオード19による紫外線の照射を制御するための制御回路31と、 前記紫外線発光ダイオード19及び前記制御回路31に駆動電流を供給する電池と、 使用者による操作で前記制御回路31による制御機能の操作を行うことが可能な光量設定スイッチSW2と、を備え、 前記柄11における前記把持部12及び前記保持部13以外の部分である前記先端部13a及びブラシ基台14は、透明の樹脂で形成されており、 前記紫外線照発光ダイオード19は、前記先端部13aの内部に配置固定されており、前記紫外線照発光ダイオード19から照射された紫外線は、導光路23、先端部13a及びブラシ基台14の外側面から出射されるように構成しており、 前記ブラシ毛15は、導光路23を囲むようにブラシ基台14に植設された複数本の前記毛からなる歯ブラシ10。」 イ 引用文献2 原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった特表2015-535460号公報(以下、「引用文献2」という。)には、「複数の光源が交互に配列された光照射歯ブラシ」に関して、図面(特に図1及び図3を参照。)とともに、以下の事項が記載されている (ア)「【0005】 本発明の目的は、電動歯ブラシにおいて、特定の波長の光を使用者の口腔に効率よく伝達する光照射歯ブラシを提供することにある。」 (イ)「【0029】 図1は本発明の一実施形態に係る光照射歯ブラシの外形を示した斜視図である。本発明の一実施形態に係る光照射歯ブラシは、把柄部100、連結部200およびヘッド部300から構成される。把柄部100は、使用者が歯ブラシを握る部分であり、電源ボタンを含む。ヘッド部300は、導波管(wave-guide)から構成された刷毛310、マッサージ毛311および光源部320を含み、光源から照射される光を刷毛310を介して使用者の歯や歯茎などへ伝達する。連結部200は把柄部100とヘッド部300とを連結する。」 (ウ)「【0035】 図3は本発明の一実施形態に係る光照射歯ブラシのヘッド部300における刷毛310、マッサージ毛311、刷毛板330および光源部320の位置関係を示す図である。図4は本発明の一実施形態に係る光照射歯ブラシのヘッド部300における刷毛板330および光源部320が本体500に結合した状態を示す正面図である。図5は本発明の一実施形態に係る光照射歯ブラシのヘッド部300における刷毛板330が本体500に結合した状態を示す平面図である。 【0036】 以下、図3~図5を参照して、本発明の一実施形態に係る光照射歯ブラシのヘッド部300の構成を説明する。 【0037】 刷毛310は、少なくとも一つの導波管を含んで、光源から照射される光を外部に照射する。ここで、導波管とは、光源から発生する光を伝達する性質を持つ管を意味する。刷毛310は、光源から照射される光を使用者の歯に伝達することができる。導波管を使用した刷毛310は光ファイバーで製作できる。」 (エ)「【0045】 光源部320は少なくとも一つの光源を含む。光源は、LEDやレーザーダイオードなどのように発光する素子を使用することができる。光源は特定の波長の光を照射する。光源は特に青色または赤色の光を照射することができる。光源は青色光を照射して使用者の口腔内殺菌または歯のホワイトニング効果を発揮することができる。或いは、光源は赤色光を照射して抗炎効果やコラーゲン形成効果などを発揮することができる。」 (オ)図1及び図3の記載から、平面視において基部の光源部320と重なる領域を含む領域に刷毛が植毛されていることが看取できる。 上記記載事項を総合すると、引用文献2には、次の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。 「光照射歯ブラシのヘッド部300における刷毛310は、平面視において基部の光源部320と重なる領域を含む領域に植毛された複数本の刷毛310からなること。」 (3)対比、判断 本件補正発明と引用発明とを対比すると、後者の「把持部12」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「把持部」に相当し、以下同様に、「保持部13」は「ネック部」に、「柄11」は「柄」に、「先端部13a及びブラシ基台14」は「基部」及び「基部の全体」に、「植設された」は「植毛された」に、「ブラシ毛15」は「毛」に、「電動歯ブラシ10」は「歯ブラシ」に、「紫外線発光ダイオード19」は「紫外線照射部」に、「制御回路31」は「制御部」に、「駆動電流」は「電源」に、「電池」は「電源供給部」に、「光量設定スイッチSW2」は「操作部」に、「出射される」は「光る」に、それぞれ相当する。 また、引用発明の「ブラシ基台14に植設された」は、「基部に植毛された」と表現できる。 また、引用発明の「先端部13aに設けた」は、「基部に設けた」と表現できる。 また、引用発明の「前記柄11における前記把持部12及び前記保持部13以外の部分である前記先端部13a及びブラシ基台14は、透明の樹脂で形成されており」は、本件補正発明の「前記柄における前記把持部及び前記ネック部以外の部分である前記基部は、その全体が透明又は半透明の合成樹脂材で形成されており」に相当する。 また、引用発明の「先端部13aの内部に配置固定されており」と、本件補正発明の「基部の内部に埋め込まれており」とは、「基部の内部に配置固定されており」という限りにおいて一致する。 また、引用発明の「前記紫外線照発光ダイオード19から照射された紫外線は導光路23、保持部13の先端部13a及びブラシ基台14の外側面から出射されるように構成しており」は、本件補正発明の「該紫外線照射部から照射された紫外線の光で前記基部の全体が光るように構成しており」に相当する。 また、引用発明の「前記ブラシ毛15は、導光路23を囲むようにブラシ基台14に植設された複数本の前記毛からなる」と、本件補正発明の「前記ブラシ部は、平面視において前記基部の前記紫外線照射部と重なる領域を含む領域に植毛された複数本の前記毛からなる」とは、「前記ブラシ部は、前記基部の領域に植毛された複数本の前記毛からなる」という限りにおいて一致する。 よって、両者は、次の点で一致する。 〔一致点〕 「使用者が把持する把持部と前記把持部よりも幅が狭く構成されたネック部とを有する長尺の柄と、前記柄の先端に設けられた基部と、前記基部に植毛された複数本の毛からなるブラシ部と、を有し、前記ブラシ部によって歯を清掃する歯ブラシにおいて、 前記基部に設けた紫外線を照射する紫外線照射部と、 前記紫外線照射部による紫外線の照射を制御するための制御部と、 前記紫外線照射部及び前記制御部に電源を供給する電源供給部と、 使用者による操作で前記制御部による制御機能の操作を行うことが可能な操作部と、を備え、 前記柄における前記把持部及び前記ネック部以外の部分である前記基部は、その全体が透明の合成樹脂材で形成されており、 前記紫外線照射部は、前記基部の内部に配置固定されており、該紫外線照射部から照射された紫外線の光で前記基部の全体が光るように構成しており、 前記ブラシ部は、前記基部の領域に植毛された複数本の前記毛からなる歯ブラシ。」 そして、両者は、以下の点で相違又は一応相違する。 〔相違点〕 〔相違点1〕 本件補正発明においては、紫外線照射部は、基部の内部に「埋め込まれて」いるのに対し、引用発明においては、紫外線発光ダイオード19は、先端部13aの内部に「配置固定されて」いる点。 〔相違点2〕 本件補正発明においては、ブラシ部は、平面視において「基部の紫外線照射部と重なる領域を含む領域」に植毛された複数本の毛からなるのに対し、引用発明においては、ブラシ毛15は「導光路23を囲むように」ブラシ基台14に植設された複数本のブラシ毛15からなる点。 上記相違点について検討する。 〔相違点1について〕 引用文献1の段落【0028】の「図2に示すように、ブラシブロック16を着脱可能に取着する保持部13の先端部13aは、正面を連結面17とし、その連結面17中央位置には、導光手段を構成する開口凹部18が凹設されている。開口凹部18の底面には、殺菌灯としての紫外線発光ダイオード(以下、UVLEDという)19が配置固定されている。」という記載、及び段落【0058】の「上記実施形態では、保持部13の先端部13aに形成した開口凹部18と、ブラシ基台14に形成した導光路23を紫外線が通る空間にしたが、この開口凹部18と導光路23を透明の合成樹脂を充填して実施してもよい。」という記載から、引用文献1には、先端部13aに形成した開口凹部18の底面に紫外線発光ダイオード19が配置固定され、先端部13aに形成した開口凹部18と、ブラシ基台14に形成した導光路23に透明の合成樹脂を充填することが記載されている。すなわち、先端部13a及びブラシ基台14の内部に紫外線発光ダイオード19を埋め込むことが記載されているといえる。 したがって、引用発明において、相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 〔相違点2について〕 引用文献2には、「光照射歯ブラシのヘッド部300における刷毛310は、平面視において基部の紫外線照射部と重なる領域を含む領域に植毛された複数本の刷毛310からなること。」(引用文献2記載事項)が記載されている。 引用発明と引用文献2記載事項は、歯ブラシという共通の技術分野において、口腔内を殺菌するという共通の課題を解決するために、光源から照射される光を使用者の口腔内に照射するという共通の課題解決手段を有するものである。 したがって、引用発明において引用文献2記載事項を適用する動機付けが存在する。 また、引用文献1の段落【0058】には「上記実施形態では、保持部13の先端部13aに形成した開口凹部18と、ブラシ基台14に形成した導光路23を紫外線が通る空間にしたが、この開口凹部18と導光路23を透明の合成樹脂を充填して実施してもよい。」と記載され、段落【0061】には「上記実施形態のブラシ毛15を透明の樹脂で成形してもよい。ブラシ毛15を通って紫外線が出射されるため、より近い箇所を殺菌できる。」と記載されており、これらの記載に基づいて、開口凹部18と導光路23に透明の合成樹脂を充填し、ブラシ毛15を通って紫外線が出射されるようにすることにより、導光路23を設けなくても紫外線が出射されるようにできることは当業者が容易に理解できるから、引用発明において引用文献2記載事項を適用することに阻害要因はない。 してみれば、相違点2に係る本件補正発明の発明特定事項は、引用発明において引用文献2記載事項を適用することにより、当業者が容易に想到できたものである。 〔効果について〕 本件補正発明は、全体としてみても、引用発明及び引用文献2記載事項から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。 〔まとめ〕 したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。 (4)むすび 上記のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和2年5月21日の手続補正書により手続補正された請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであって、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、第2 〔理由〕 1(1)に記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶理由の概要 原査定の拒絶理由(令和2年6月15日付け)の概要は以下のとおりである。 (進歩性)本願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前に発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1 ・引用文献等 1、3 ・請求項 2-3 ・引用文献 1、3 ・請求項4 ・引用文献 1-3 <引用文献等一覧> 1.特開2010-213831号公報(本審決における引用文献1) 2.特開2006-167396号公報 3.特表2015-535460号公報(本審決における引用文献2) 3 引用文献1及び2、引用発明並びに引用文献2記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び2、引用発明並びに引用文献2記載事項は、前記第2〔理由〕2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2〔理由〕2で検討した本件補正発明における「長尺の柄」に関する「使用者が把持する把持部と前記把持部よりも幅が狭く構成されたネック部とを有する」という限定、並びに「基部」に関する「前記柄における前記把持部及び前記ネック部以外の部分である」及び「その全体が」という限定を省いたものに相当する。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2〔理由〕2(3)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も実質的に同様の理由により、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-000127

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